JP4911363B2 - 画像形成装置、像保持体の寿命情報生成方法、及び像保持体の寿命情報生成プログラム - Google Patents
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Description
図1及び図2において、本発明の実施形態に係る画像形成装置10の概要が示されている。画像形成装置10は、画像形成装置本体12を有し、この画像形成装置本体12内に画像形成部14が搭載され、この画像形成装置本体12の上部に後述する排出部16が設けられていると共に、この画像形成装置本体12の下部に例えば2段の給紙ユニット18a,18bが配置されている。さらに、画像形成装置本体12の下方には、オプションとして着脱装着される2段の給紙ユニット18c,18dが配置されている。
このように、画像形成装置10は、コンピュータとしての機能を含み、記憶媒体78又は通信装置70を介して受け入れたプログラムを実行することにより、印刷などの処理を行う。
図3は、像保持体44、帯電部材56及びその周辺の構成の詳細を示す構成図である。像保持体44は、例えば円筒状の導電性支持体102の表面を感光層104(図4を用いて詳述)により被覆されたものであり、図示しない駆動部からの駆動力により回転する。
上述したように、像保持体44には、像保持体44を帯電させる帯電部材56が圧接されている。また、像保持体44の近傍には、帯電した像保持体44の除電を制御ユニット72の制御に応じて行う除電装置80と、像保持体44の表面電位を検出し制御ユニット72に対して出力する電位センサ82とが配置されている。なお、像保持体44の表面電位は、制御ユニット72が電位センサ82を用いることなく算出するようにされてもよい。
例えば、最小層厚算出部98は、変化量算出部94の算出結果に所定の係数を乗じた値を、平均層厚算出部92の算出結果から減じた値を感光層104の層厚の最小値に対応する値としてもよい。また、最小層厚算出部98は、減少量算出部96の算出結果、変化量算出部94の算出結果、及び所定の係数を乗じた値を感光層104の層厚の最小値に対応する値としてもよい。
図4は、像保持体44の断面の構成を示す模式図である。像保持体44は、例えば接地されたアルミニウムなどからなる円筒状の導電性支持体102と、この導電性支持体102の外面を覆う感光層104とを有し、例えば帯電部材56が接触する軸方向の長さが約300mmにされている。感光層104は、例えば電荷発生層106、電荷輸送層(CT層)108及び保護層(OC層)110から構成される。電荷発生層106は、電荷キャリア生成材料を含んで導電性支持体102を被覆している。電荷輸送層108は、電荷キャリア輸送材料を含む所定の誘電率の部材からなり、層厚が所定値に設定され、電荷発生層106の外側に積層されている。保護層110は、誘電率が電荷輸送層108よりも大きい部材からなり、層厚が所定値に設定され、電荷輸送層108の外側に積層されている。また、保護層110は、電荷輸送層108よりも硬度が高くされている。
図5は、像保持体44の周方向の偏摩耗例を示す断面図である。図5に示すように、初期状態において感光層104の断面外形が略円形であった像保持体44は、画像形成装置10による画像形成数が増加すると、周方向に偏摩耗が生じ、感光層104の断面外形が変形して円形でなくなる。
まず、制御ユニット72が像保持体44の寿命に関する情報を生成するための特性値を算出して、像保持体44の寿命に関する情報を生成する(寿命を判定する)処理について説明する。
図8は、像保持体44の回転周期(像保持体44の外周上の位置)に対して、直流電流検出部90が検出した直流電流Idc、及び直流電流Idcの平均値を示したグラフである。画像形成装置10による画像形成数が増加し、像保持体44の感光層104に偏摩耗が生じると、直流電流検出部90が検出する直流電流Idcは、図8に示したように帯電部材56が接触している像保持体44の外周上の位置ごとに異なる。感光層104の層厚が厚い部分に帯電部材56が接触している場合には直流電流Idcが小さく、感光層104の層厚が薄い部分に帯電部材56が接触している場合には直流電流Idcが大きくなるからである。
図9は、感光層104の偏摩耗と平均層厚との関係を示す模式図であって、(A)は初期状態における像保持体44の断面を示し、(B)は平均層厚が大きい場合に偏摩耗が生じた像保持体44の断面を示し、(C)は平均層厚が小さい場合に(B)と同一の偏摩耗が生じた像保持体44の断面を示す模式図である。像保持体44が図9(A)に示した状態から図9(B)に示した状態に変化しても、感光層104の平均層厚が大きいので、感光層104の最小層厚部分も画質限界層厚(所定の画質を維持できる最小層厚)より厚く、画像形成装置10が形成する画像は所定の画質を維持される。
図10は、像保持体44の回転周期(像保持体44の外周上の位置)と直流電流ムラ(所定期間に変化量算出部94が算出した直流電流の変化量に相当)との関係を示すグラフであって、(A)は感光層104の平均層厚が異なる場合に、同程度の偏摩耗に対して直流電流検出部90がそれぞれ検出した直流電流Idcと直流電流Idcの平均値を示したグラフであり、(B)は感光層104の平均層厚の違いにより生じる直流電流ムラの値の差を補正した結果を示すグラフである。
制御ユニット72が感光層104の平均層厚の違いにより生じる直流電流ムラの値の差を補正すると、図10(A)において生じていた直流電流ムラの大きさの差は、図10(B)に示すように略なくなる。
像保持体44は、周方向の位置及び軸方向の位置の少なくともいずれかが異なると、偏摩耗の程度及び進度が異なる。
図14は、像保持体44の軸方向の偏摩耗の程度及び進度を示すグラフであって、(A)は図6に示した90度の位置における偏摩耗を示すグラフであり、(B)は図6に示した270度の位置における偏摩耗を示すグラフである。
ただし、像保持体44の270度の位置(周方向の所定の位置)における感光層104の摩耗の程度及び進度は、90度の位置における感光層104の摩耗の程度及び進度と異なっており、周方向の偏摩耗が示されている。
図15に示すように、寿命情報生成部100が感光層104の平均層厚の値のみに応じて像保持体44の寿命を判定するとした場合、約1200Kサイクルの動作がなされたときに平均層厚が画質限界レベルに達するので、像保持体44の寿命は約1200Kサイクルとなってしまう。感光層104の平均層厚が画質限界レベルに達したときには、感光層104の最小層厚は、画質限界レベルよりもはるかに小さくなっている。感光層104の平均層厚と最小層厚との関係も、感光層104の偏摩耗の度合いによって変化している。つまり、約1200Kサイクルの動作がなされたときには、感光層104の最小層厚部分で所定の画質を維持することができない(画質ディフェクトが発生する)。
図16に示すように、ステップ100(S100)において、直流電流検出部90は、像保持体44の周方向に異なる各位置で直流電流Idcを検出し、制御ユニット72に対して出力する。
図17に示すように、ステップ200(S200)において、直流電流検出部90は、直流電流Idcを検出(常時検出)し、制御ユニット72に対して出力する。
さらに、寿命情報生成部100は、最小層厚算出部98の算出結果などの移動平均に応じて、像保持体44の寿命に関する情報を生成してもよい。
14 画像形成部
44 像保持体
56 帯電部材
72 制御ユニット
73 給電装置
74 CPU
76 メモリ
80 除電装置
82 電位センサ
84 直流電源
86 交流電源
88 高圧電源制御部
90 直流電流検出部
92 平均層厚算出部
94 変化量算出部
96 減少量算出部
98 最小層厚算出部
100 寿命情報生成部
102 導電性支持体
104 感光層
108 電荷輸送層
110 保護層
Claims (11)
- 被覆層により被覆され、回転する像保持体と、
この像保持体に接触して該像保持体を帯電させる帯電部材と、
この帯電部材に対し、交流電圧と直流電圧とを重畳させた電圧を印加する給電手段と、
前記像保持体に接触している前記帯電部材に流れる直流電流を、前記像保持体の周方向の異なる位置ごとに検出する直流電流検出手段と、
前記直流電流検出手段が所定期間に検出した直流電流の最大値と最小値との差、平均値との差、形状関数、標準偏差、分散、所定値に対する差、所定値に対する比率又は最大値と最小値との差若しくは平均値との差の初期値に対する差を変化量として算出する変化量算出手段と、
前記被覆層の層厚の平均値に対応する値を算出する平均対応値算出手段と、
前記変化量算出手段の算出結果に所定の係数を乗じた値を、前記平均対応値算出手段の算出結果から減じた値を前記被覆層の層厚の最小値に対応する値として算出する最小対応値算出手段と、
この最小対応値算出手段の算出結果に応じて、前記像保持体の寿命に関する情報を生成する寿命情報生成手段と、
を有する画像形成装置。 - 被覆層により被覆され、回転する像保持体と、
この像保持体に接触して該像保持体を帯電させる帯電部材と、
この帯電部材に対し、交流電圧と直流電圧とを重畳させた電圧を印加する給電手段と、
前記像保持体に接触している前記帯電部材に流れる直流電流を、前記像保持体の周方向の異なる位置ごとに検出する直流電流検出手段と、
前記直流電流検出手段が所定期間に検出した直流電流の最大値と最小値との差、平均値との差、形状関数、標準偏差、分散、所定値に対する差、所定値に対する比率又は最大値と最小値との差若しくは平均値との差の初期値に対する差を変化量として算出する変化量算出手段と、
前記被覆層の層厚の初期値に対する減少量に対応する値を算出する減少対応値算出手段と、
前記変化量算出手段の算出結果、前記減少対応値算出手段の算出結果、及び所定の係数を乗じた値を前記被覆層の層厚の最小値に対応する値として算出する最小対応値算出手段と、
この最小対応値算出手段の算出結果に応じて、前記像保持体の寿命に関する情報を生成する寿命情報生成手段と、
を有する画像形成装置。 - 前記減少対応値算出手段の算出結果に基づいて、前記直流電流検出手段が直流電流を検出する時機を制御する請求項2記載の画像形成装置。
- 前記直流電流検出手段が検出した直流電流に基づいて、前記直流電流検出手段が直流電流を検出する頻度を制御する検出頻度制御手段、
をさらに有する請求項1乃至3いずれか記載の画像形成装置。 - 前記平均対応値算出手段の算出結果に基づいて、前記直流電流検出手段が直流電流を検出する頻度を制御する検出頻度形成手段、
をさらに有する請求項1記載の画像形成装置。
- 前記像保持体を除電させる除電手段と、
前記帯電部材が前記像保持体を帯電させ、前記除電手段が前記像保持体を除電した後に、前記像保持体に残留する電位に対応する値を検出する残留電位対応値検出手段と、
をさらに有し、
前記直流電流検出手段が検出した直流電流に替えて、該直流電流検出手段が検出した直流電流に、前記残留電位対応値検出手段が検出した値に対応する直流電流を加えて算出される直流電流を適用する請求項1乃至5いずれか記載の画像形成装置。 - 前記直流電流検出手段が直流電流を検出する場合に、前記像保持体の表面電位が略所定値となるように制御する表面電位制御手段をさらに有する請求項1乃至6いずれか記載の画像形成装置。
- 前記寿命情報生成手段は、前記最小対応値算出手段の算出結果の移動平均に基づいて、前記像保持体の寿命に関する情報を生成する請求項1乃至7いずれか記載の画像形成装置。
- 前記直流電流検出手段が直流電流を検出する場合に、前記像保持体の回転速度を最高速度にするよう制御する回転速度制御手段をさらに有する請求項1乃至8いずれか記載の画像形成装置。
- 被覆層により被覆されて回転する像保持体に接触している帯電部材に流れる直流電流を、像保持体の周方向の異なる位置ごとに検出し、
検出した直流電流の最大値と最小値との差、平均値との差、形状関数、標準偏差、分散、所定値に対する差、所定値に対する比率又は最大値と最小値との差若しくは平均値との差の初期値に対する差を変化量として算出し、
被覆層の層厚の平均値に対応する値を算出し、
算出した変化量に所定の係数を乗じた値を、算出した層厚の平均値から減じて被覆層の最小値に対応する値を算出し、
算出した被覆層の最小値に対応する値に基づいて、像保持体の寿命に関する情報を生成する像保持体の寿命情報生成方法。 - 被覆層により被覆されて回転する像保持体に接触している帯電部材に流れる直流電流を、像保持体の周方向の異なる位置ごとに検出するステップと、
検出した直流電流の最大値と最小値との差、平均値との差、形状関数、標準偏差、分散、所定値に対する差、所定値に対する比率又は最大値と最小値との差若しくは平均値との差の初期値に対する差を変化量として算出するステップと、
被覆層の層厚の平均値に対応する値を算出するステップと、
算出した変化量に所定の係数を乗じた値を、算出した層厚の平均値から減じて被覆層の最小値に対応する値を算出するステップと、
算出した被覆層の最小値に対応する値に基づいて、像保持体の寿命に関する情報を生成するステップと、
をコンピュータに実行させる像保持体の寿命情報生成プログラム。
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