ところで、車両盗難防止の観点からステアリングロックが必要になる場合として、乗員が車外に出てしまって車両を駐車しておく場合や、乗員が車内に居ても仮眠等している場合等が考えられるが、前者の場合には、乗員は通常、イグニッションスイッチを切った後(つまりオフ状態にした後)にドアの開閉操作を行い、後者の場合には、乗員は、イグニッションスイッチを切った後に、走行中は万一の脱出に備えてアンロック状態にしておいたドアを安全のためにロック状態に切り換える操作を行う。
従って、上記のようにステアリングロック用アクチュエータを駆動してステアリングのロック/アンロック状態を切り換えるようにする盗難防止装置において、車両の盗難防止性を向上させるためには、ステアリングをロックするタイミングを、例えばイグニッションスイッチがオフ状態になった後にドア状態(つまりドアの開閉状態又はロック/アンロック状態)が変化したときとすることが好ましい。
しかしながら、このようなロック状態への切換えタイミングでは、イグニッションスイッチがオフ状態になっていることが該切り換え(ステアリングロック用アクチュエータの作動)の条件とされ、このため、例えば乗員がイグニッションスイッチをアクセサリ(accessory)電源のみが有効となるACC状態に切り換えて仮眠する場合や、イグニッションスイッチをオフ状態にしたと思っても実際には誤操作によりACC状態にして仮眠した場合に、イグニッションスイッチがオフ状態にある場合に比べて車両盗難の可能性が高いにも拘わらずステアリングロック用アクチュエータが作動せずにステアリングをロックすることができないという問題が生じ、車両盗難防止の観点から改良の余地がある。
本発明は、斯かる点に鑑みてなされたものであり、その目的とするところは、イグニッションスイッチのオン/オフ等の状態に応じてステアリングロック用アクチュエータを作動させてステアリングのロック/アンロック状態を切り換えるようにした車両の盗難防止において、乗員がイグニッションスイッチをオフ状態にせずにエンジンを停止させて車内で仮眠する場合のように車両盗難の危険性が比較的高い状況下において確実にステアリングをロックして車両の盗難防止を図ろうとすることにある。
上記の目的を達成するために、この発明では、イグニッションスイッチがオフ状態でない場合において、エンジン停止状態検知手段によりエンジンの停止状態が検知されたときには、タイマ手段により該検知時から所定時間経過したことが計時されたときにステアリングロック用アクチュエータを作動させてステアリングをロックするとともに、該所定時間経過前に、検知手段によって車両の乗員による被操作部材の操作が検知されたときには、タイマ手段による該所定時間の計時をリセットするようにした。
具体的には、請求項1の発明では、ステアリング操作に連動する可動部材に対して係脱して該ステアリングをロック状態とアンロック状態とに択一的に切り換えるロック部材と、該ロック部材を、上記ステアリングのロック/アンロック状態が切り換わるように駆動するステアリングロック用アクチュエータと、該アクチュエータの駆動を制御する駆動制御手段とを備えた車両の盗難防止装置を対象とする。
そして、上記車両の乗員が操作するイグニッションスイッチと、上記車両のエンジンの停止状態を検知するエンジン停止状態検知手段と、上記イグニッションスイッチがオフ状態でなく且つ上記エンジン停止状態検知手段により上記エンジンの停止状態が検知された場合に、該検知時から所定時間を計時するタイマ手段と、上記車両の乗員による被操作部材の操作を検知する検知手段とを備え、上記駆動制御手段は、上記ステアリングがアンロック状態にあるときにおいて、上記タイマ手段により上記所定時間の計時が完了したときには、上記ステアリングロック用アクチュエータを駆動して上記ステアリングをロック状態に切り換えるように構成され、上記タイマ手段は、上記所定時間の計時中において、上記検知手段により上記車両の乗員による被操作部材の操作が検知されたときには、該所定時間の計時をリセットするように構成されているものとする。
上記の構成により、上記イグニッションスイッチがオフ状態でなく且つ上記エンジン停止状態検知手段により上記エンジンの停止状態が検知された場合には、タイマ手段が、該検知時から所定時間を計時し、タイマ手段が該所定時間の計時を完了したとき、つまりイグニションスイッチがオフ状態でない状態を維持しつつエンジンが所定時間停止していたときには、駆動制御手段が、ステアリングロック用アクチュエータを駆動してステアリングをロック状態に切り換えることとなる。
ところで、乗員が、車内で休息する場合に、燃費の観点からエンジンを停止させる一方でオーディオやラジオを聞くためにイグニッションスイッチをACC状態にしたり、パワーウィンドをいつでも操作できるようにイグニッションスイッチをオン状態しておくことがある。このような状態が比較的長い時間(所定時間)続く場合には、乗員が車内で仮眠している可能性が高く車両盗難の可能性が高くなるが、本発明ではこのような場合には、エンジンが停止してから所定時間経過したときに、上記駆動制御手段がステアリングをロック状態に切り換えることとなる。従って、車両盗難を確実に防止することが可能となる。
また、乗員が、イグニションスイッチをオフ状態にしたと思っていても誤操作により実際にはACC状態やオン状態になっているにも拘わらず車内で仮眠してしまった場合にも、車両盗難の可能性が高くなるが、本発明によれば、このような場合にもエンジンが停止してから所定時間経過したときには、上記駆動制御手段がステアリングをロック状態に切り換えることとなるので、車両盗難をより一層確実に防止することが可能となる。
また、タイマ手段が上記所定時間を計時中に、乗員が被操作部材の操作(例えば、ドアの開閉操作やロック/アンロック操作、ブレーキ操作、クラッチ操作)を行うことにより検知手段にて乗員による被操作部材の変化が検知されたときには、タイマ手段は該所定時間の計時をリセットする。すなわち、車内の乗員が仮眠していない場合(つまり被操作部材の操作等を行えるような意識状態にある場合)には、タイマ手段による所定時間の計時が完了する前にリセットされる。従って、このような車両盗難の可能性が比較的低い場合にまで、タイマ手段による所定時間の計時が完了して、駆動制御手段がステアリングロック用アクチュエータを作動させるのを防止することができる。よって、ステアリングロック用アクチュエータが不必要に作動してその作動音等により乗員が不快感を感じるのを防止することができる。
請求項2の発明では、ステアリング操作に連動する可動部材に対して係脱して該ステアリングをロック状態とアンロック状態とに択一的に切り換えるロック部材と、該ロック部材を、上記ステアリングのロック/アンロック状態が切り換わるように駆動するステアリングロック用アクチュエータと、該アクチュエータの駆動を制御する駆動制御手段とを備えた車両の盗難防止装置を対象とする。
そして、上記車両の乗員が操作するイグニッションスイッチと、上記車両のエンジンの停止状態を検知するエンジン停止状態検知手段と、上記イグニッションスイッチがオフ状態でなく且つ上記エンジン停止状態検知手段により上記エンジンの停止状態が検知された場合に、該検知時から所定時間を計時するタイマ手段と、上記車両のドア状態を検知するドア状態検知手段と、を備え、上記駆動制御手段は、上記ステアリングがアンロック状態にあるときにおいて、上記タイマ手段により上記所定時間の計時が完了したときには、上記ステアリングロック用アクチュエータを駆動して上記ステアリングをロック状態に切り換えるように構成され、上記タイマ手段は、上記所定時間の計時中において、上記ドア状態検知手段によりドア状態が変化したことが検知されたときには、該所定時間の計時をリセットするように構成されているものとする。
これにより、請求項1の発明と同様に、エンジンが停止してから所定時間経過したときには、上記駆動制御手段がステアリングをロック状態に切り換えることとなるので、乗員が車内で仮眠等している場合等において、車両盗難を確実に防止すことが可能となる。また、タイマ手段が上記所定時間を計時中に、乗員がドアの開閉操作やロック/アンロック操作を行うことによりドア状態検知手段にてドア状態(ドアの開閉状態やロック/アンロック状態)の変化が検知されたときには、タイマ手段は該所定時間の計時をリセットする。すなわち、車内の乗員が仮眠していない場合(つまりドアの開閉操作等を行えるような意識状態にある場合)には、タイマ手段による所定時間の計時が完了する前にリセットされる。従って、このような車両盗難の可能性が比較的低い場合にまで、タイマ手段による所定時間の計時が完了して、駆動制御手段がステアリングロック用アクチュエータを作動させるのを防止することができる。よって、ステアリングロック用アクチュエータが不必要に作動してその作動音等により乗員が不快感を感じるのを防止することができる。
請求項3の発明では、ステアリング操作に連動する可動部材に対して係脱して該ステアリングをロック状態とアンロック状態とに択一的に切り換えるロック部材と、該ロック部材を、上記ステアリングのロック/アンロック状態が切り換わるように駆動するステアリングロック用アクチュエータと、該アクチュエータの駆動を制御する駆動制御手段とを備えた車両の盗難防止装置を対象とする。
そして、上記車両の乗員が操作するイグニッションスイッチと、上記車両のエンジンの停止状態を検知するエンジン停止状態検知手段と、上記イグニッションスイッチがオフ状態でなく且つ上記エンジン停止状態検知手段により上記エンジンの停止状態が検知された場合に、該検知時から所定時間を計時するタイマ手段と、上記車両の乗員のブレーキ操作又はクラッチ操作を検知する乗員操作検知手段と、を備え、上記駆動制御手段は、上記ステアリングがアンロック状態にあるときにおいて、上記タイマ手段により上記所定時間の計時が完了したときには、上記ステアリングロック用アクチュエータを駆動して上記ステアリングをロック状態に切り換えるように構成され、上記タイマ手段は、上記所定時間の計時中において、上記乗員操作検知手段により上記車両の乗員のブレーキ操作又はクラッチ操作が検知されたときには、該所定時間の計時をリセットするように構成されているものとする。
これによれば、請求項1と同様に、エンジンが停止してから所定時間経過したときには、上記駆動制御手段がステアリングをロック状態に切り換えることとなるので、乗員が車内で仮眠等している場合等において、車両盗難を確実に防止すことが可能となる。また、タイマ手段が上記所定時間を計時中に、乗員が車両の発進に備えて、該車両がAT車であればブレーキペダルを踏み込んだり、該車両がMT車であればクラッチペダルを踏み込んだりした場合に、乗員操作検知手段によりこれらの操作が検知され、この結果、上記タイマ手段による所定時間の計時がリセットされる。従って、請求項1の発明と同様の作用効果をより一層確実に得ることができる。
請求項4の発明では、請求項1乃至3のいずれか一つの発明において、上記タイマ手段により上記所定時間の計時が完了したときに、上記イグニッションスイッチをオフ状態に切り換えるスイッチ切換え手段を更に備えているものとする。
この構成によれば、タイマ手段により上記所定時間の計時が完了したときには、スイッチ切換え手段によりイグニッションスイッチがオフ状態に切り換わることとなる。
このことで、上述のように、乗員が、エンジンを停止させた状態でイグニッションスイッチをACC状態やオン状態にしたまま車両内で仮眠してしまった場合にも、エンジンが停止してから所定時間経過したときには、イグニッションスイッチを、ACC状態やオン状態に比べて盗難可能性が比較的低いオフ状態に切り換えることができ、従って、車両盗難を確実に防止することが可能となる。また、イグニッションスイッチのオフ状態以外の状態が長時間続くことによるバッテリ上がりを防止することが可能となる。
請求項5の発明では、請求項2の発明において、上記駆動制御手段は、上記ステアリングがアンロック状態にあり且つ上記イグニッションスイッチがオフ状態にあり且つ上記エンジン停止状態検知手段により上記エンジンの停止状態が検知された場合には、上記ドア状態検知手段によりドア状態の変化が検知されたときに、上記ステアリングロック用アクチュエータを駆動して上記ステアリングをロック状態に切り換えるように構成されているものとする。
このことにより、イグニッションスイッチがオフ状態にあり且つエンジン停止状態検知手段によりエンジンの停止状態が検知された場合には、ドア状態検知手段によりドア状態の変化(例えばドアの開閉状態の変化)が検知されたときに、駆動制御手段が、ステアリングロック用アクチュエータを駆動してステアリングをロック状態に切り換える。
従って、乗員が車両を駐車して車外に出る際に、イグニッションスイッチをオフにしてドアを開閉するという通常の動作を行うと、駆動制御手段によりステアリングロック用アクチュエータが駆動されてステアリングがロック状態に切り換わる。よって、乗員が車外に出ていて車両盗難の可能性が特に高くなる状況下においても、確実にステアリングをロックして車両盗難を防止することができる。
以上説明したように、本発明の車両の盗難防止装置によると、イグニッションスイッチがオフ状態でない場合において、エンジン停止状態検知手段によりエンジンの停止状態が検知されたときには、タイマ手段により該検知時から所定時間経過したことが計時されたときにステアリングロック用アクチュエータを作動させてステアリングをロックするとともに、該所定時間経過前に、検知手段によって車両の乗員による被操作部材の操作が検知されたときには、タイマ手段による該所定時間の計時をリセットするようにした。このことで、乗員がイグニッションスイッチをオフ状態以外の状態(ACC状態やオン状態)にして車内で仮眠している場合のように、車両盗難の可能性が高くなる状況においてステアリングを確実にロックして、車両盗難を防止することができるとともに、車内の乗員が仮眠していない場合には、ステアリングロック用アクチュエータが不必要に作動するのを防止することができる。
以下、本発明の実施形態を図面に基づいて詳細に説明する。
図1は、本発明の実施形態に係る車両の盗難防止装置1の構成を示す。この盗難防止装置1は、メカニカルキーを使用しないでドア(被操作部材に相当)をロック/アンロックさせかつエンジン5を始動させることが可能なキーレスエントリ装置2と、ステアリング操作に連動する可動部材であるステアリングシャフト7を回動不能にしてステアリング操作を不能にするステアリングロック装置3とを備えている。ここで、上記車両は、本実施形態では、オートマチックトランスミッションを有するAT車とされている。
上記キーレスエントリ装置2は、第1制御ユニット10と第1ドライバ11とを有している。第1制御ユニット10は、情報処理を行うCPU10aと、プログラムやデータを記憶しているROM10bと、CPU10aの主記憶装置として機能するとともにCPU10aにワークエリアを提供するRAM10cと、EEPROM(electrically erasable programable ROM)10dとを含んでいる。このEEPROM10dには、現在のステアリングシャフト7のロック/アンロック状態及び後述のイグニッションスイッチ22のオン/オフ等の状態が記憶されるとともに、所定の識別コードが予め記憶されている。
上記第1制御ユニット10は、上記第1ドライバ11、プッシュ式のイグニッションスイッチ22、ブレーキペダル(被操作部材に相当)の踏み込み操作を検知するブレーキセンサ24(乗員操作検知手段)、上記エンジン5の運転制御を行うとともに該エンジン5の停止状態を検知可能なECU6(エンジン停止状態検知手段)、後述のエンジン停止時間測定タイマ23(タイマ手段)、ドアロック制御ユニット41及び後述の第2制御ユニット30と電気的に接続されているとともに、上記第1制御ユニット10のEEPROM10dに記憶されたものと同じ識別コードを無線送信する携帯機21と無線通信可能に構成されている。そして、バッテリ20の電源(電力)は、電源制御部25により制御されて、各制御ユニット10,30,41、各ドライバ11,31、各スイッチ43〜45、及びドアロック用アクチュエータ42等の機器類に供給停止可能になっている。
上記イグニッションスイッチ22は、本実施形態では、インストルメントパネルに設けられたプッシュ式スイッチとされていて、該スイッチ22を乗員がプッシュ操作することにより、エンジン5のスタータモータへの電源供給を許可して該エンジン5を始動させるスタート状態と、ECU6への電源供給を許可してエンジン5を運転可能にするイグニッションオン状態(以下、オン状態という)と、ECU6への電源供給を禁止してエンジン5を停止させるイグニッションオフ状態(以下、オフ状態という)と、ECU6への電源供給を禁止する一方でオーディオやラジオ等のアクセサリ装置54への電源供給を許可して該アクセサリ装置54を使用可能にするACC状態との何れかに切り換え可能になっている。
具体的には、図3に示すように、乗員がブレーキペダル(MT車の場合にはクラッチペダル)を踏んでいない場合には、イグニッションスイッチ22は、一回のプッシュ操作の度に、オフ状態、ACC状態、及びオン状態の順に切り換わるものの該オン状態にあるときにはプッシュ操作されてもスタート状態へは切り換わらずにオフ状態に戻る。一方、乗員がブレーキペダルを踏んでいる場合には、イグニッションスイッチ22は、オフ状態、ACC状態、及びオン状態のいずれの状態にあっても、一回のプッシュ操作によりスタート状態に切り換わるようになっている。従って、乗員がブレーキペダルを踏んでいない場合には、イグニッションスイッチ22を操作してもエンジンが始動することはないので、車両の安全性を確保することができる一方、乗員がブレーキペダルを踏んでいる場合には、イグニッションスイッチ22をワンプッシュするだけでエンジンを始動させることができるので、車両の操作性を向上させることができる。尚、イグニッションスイッチ22は、一旦スタート状態になってエンジンが始動した後は直ぐに、オン状態に切り換わってその状態を維持する。
また、図4に示すように、イグニッションスイッチ22は、エンジン5の運転中(オン状態にあるとき)にプッシュ操作された場合において、該プッシュ操作時にトランスミッションを操作するセレクトレバーの位置がPレンジにあるときには、オフ状態まで一気に切り換わる一方、該セレクトレバーの位置がPレンジ以外のときには、ACC状態まで切り換わる。
また、イグニッションスイッチ22は、オフ状態以外の状態にあってエンジン5が停止しているとき(ACC状態又はオン状態にあるとき)には、所定条件成立時に(後述のフローチャートにおいてステップS6乃至ステップS8の判定が全てYESのときに)乗員のプッシュ操作の有無に拘わらずオフ状態に切り換わる。尚、イグニッションスイッチ22は、プッシュ操作の度にプッシュ信号を第1制御ユニット10に出力する。
そして、第1制御ユニット10は、イグニッションスイッチ22からのプッシュ信号と、ブレーキセンサ24からの操作信号とを基に、イグニッションスイッチ22が、オン状態、オフ状態、ACC状態、及びスタート状態のいずれの状態にあるかを判定して、現在のイグニッションスイッチ22の状態をEEPROM10dに記憶するとともにその記憶情報をバッテリ20の電源制御部25に送信する。そうして、電源制御部25は、この情報を基に、イグニッションスイッチ22のオン/オフ等の各状態に対応した電源供給状態(ユニット10,30,41やドライバ11,31等への電源供給状態)となるように電源制御を行う。
上記エンジン停止時間測定タイマ23は、上記イグニッションスイッチ22がオフ状態以外の状態にあり且つECU6によりエンジン5の停止状態が検知された場合、つまりイグニッションスイッチ22がACC状態あるか又はオン状態にあってエンジン5が停止している場合には、第1制御ユニット10からの指令を受けて、該停止状態検知時から所定時間を計時するべく計時処理を開始するとともに、該所定時間の計時が完了したときには計時完了信号を第1制御ユニット10に出力する。ここで、この所定時間は、バッテリ20のダメージを抑制可能な時間又は乗員が仮眠したと考えられる時間であって、例えば30分以上60分以下に予め設定される。
また、上記エンジン停止時間測定タイマ23は、上記所定時間の計時中において、ドア状態が変化したことが検知されたときには、該所定時間の計時をリセットする(つまりタイマ23の計時処理を中止してその計測中の時間を0に戻す)ように構成されている。より詳細には、該タイマ23は、上記所定時間の計時中において、ドア開閉状態検知スイッチ43によりドアの開閉状態の変化が検知されたとき又はドアロック/アンロック状態検知スイッチ44によりドアのロック/アンロック状態の変化が検知されたときには、第1制御ユニット10からの指令を受けて、該所定時間の計時をリセットする。
また、上記エンジン停止時間測定タイマ23は、上記所定時間の計時中において、ブレーキセンサ24により車両の乗員のブレーキペダル操作が検知されたときにも、第1制御ユニット10からの指令を受けて、該所定時間の計測をリセットする。
上記ABS51は、当該車両の制動時の車輪ロックを抑制するように制動装置の制動力を制御するものであって、当該車両の走行速度を検出する車速検出部52を有している。この車速検出部52は、車速が0(厳密に0でなくても、所定速度(車速が実質的に0であるとすることが可能な最大値であり、例えば4km/h)以下であってもよい)であるとき、車両が停止状態にあることを検知する。上記車速検出部52は、一般的な車速センサで構成してもよく、各車輪の速度をそれぞれ検出する各車輪速センサにより検出される各車輪の速度から車速を推定するものであってもよい。
上記ドアロック制御ユニット41は、車両のドアをロック/アンロックするドアロック用アクチュエータ42の駆動を制御するものであって、第1制御ユニット10からの指令に基づいてドアロック用アクチュエータ42を駆動する。また、ドアロック制御ユニット41には、ドアの開閉状態を検知するドア開閉状態検知スイッチ43と、ドアのロック/アンロック状態を検知するドアロック/アンロック状態検知スイッチ44と、ドアのアウタドアハンドル又はその近傍に設けられたドアロック/アンロックスイッチ45とが接続されていて、該各スイッチ43〜45からの情報がドアロック制御ユニット41に入力され、更にドアロック制御ユニット41から第1制御ユニット10に入力される。
上記ドアロック/アンロック状態検知スイッチ44は、車両のドアにおける車室側に設けられかつ該ドアをロック/アンロックするべく該車両の乗員により操作されるロックノブ又は該ロックノブに連動する連動部材(例えばロックノブとロック機構とを連結するリンク部材)の作動位置を検知することで、ドアのロック/アンロック状態を検知するようになっており、当該車両の乗員がロックノブを直接操作したときであっても、ドアロック用アクチュエータ42が駆動したときであっても、ロックノブ及び連動部材が作動して、ドアのロック/アンロック状態を検知することができ、ロックノブがアンロック位置からロック位置に変化したとき、ロックノブがドアをロックする側に作動したことを検知する。
上記第1制御ユニット10は、車両に搭載されかつ上記携帯機21からの識別コードを受信する車載機を構成していて、第1制御ユニット10が受信した識別コードが、上記EEPROM10dに予め記憶された識別コードと一致したときにドアのロック/アンロックを可能にし、この状態で乗員が上記ドアロック/アンロックスイッチ45を操作すると、このドアロック/アンロックスイッチ45から第1制御ユニット10に、ドアをロックさせるロック指示又はアンロックさせるアンロック指示が送信されて、第1制御ユニット10がこの指示を受信して、その指示に応じてドアロック制御ユニット41を介してドアロック用アクチュエータ42を駆動してドアをロック/アンロックする。
また、第1制御ユニット10は、上記携帯機21が車室内に存在する状態で、第1制御ユニット10が受信した識別コードが、EEPROM10dに予め記憶された識別コードと一致したときには、上記イグニッションスイッチ22をオン状態にすることを可能にする。すなわち、エンジン5を含む車載制御機器を作動させることを可能にする。このように、第1制御ユニット10及び携帯機21は、第1制御ユニット10が受信した識別コードが、第1制御ユニット10に予め記憶された識別コードと一致したときに車両に搭載された車載制御機器の作動を可能にする所謂スマートキーレスエントリシステムを構成している。
上記スマートキーレスエントリシステムにおいては、上記車両の乗員が該車両に乗り込むために上記携帯機21を所持しながらドアロック/アンロックスイッチ45を操作すると、ドアがアンロック状態となり、ドアを開けて車室内に入ると、イグニッションスイッチ22をオン状態にすることが可能になる。そして、イグニッションスイッチ22を操作してオン状態にする(一旦スタート状態にした後にオン状態にする)ことで、エンジン5が始動する。
一方、車両が停止した後に乗員がイグニッションスイッチ22をオフ状態にして、携帯機21を所持しながら車両から降りてドアを閉め、ドアロック/アンロックスイッチ45を操作すると、ドアがロック状態となる。
上記ステアリングロック装置3は、第2制御ユニット30と、第2ドライバ31と、ステアリングロック用アクチュエータとしての電動モータ32を含む駆動機構33と、ロック部材34とを有している。第2制御ユニット30は、情報処理を行うCPU30aと、プログラムやデータを記憶しているROM30bと、CPU30aの主記憶装置として機能するとともにCPU30aにワークエリアを提供するRAM30cと、EEPROM30dとを含んでいる。このEEPROM30dには、現在のステアリングシャフト7のロック/アンロック状態が記憶される。
上記第2制御ユニット30は、第1制御ユニット10、第1ドライバ11及び第2ドライバ31と電気的に接続されており、第1制御ユニット10へ、EEPROM30dに記憶されているロック/アンロック状態の情報を送信する。第1制御ユニット10は、この情報をEEPROM10dに記憶する。上記第2ドライバ31は、第2制御ユニット30により制御されて、第2ドライバ31から電動モータ32に上記電源が供給停止可能に供給される。そして、上記電源が電動モータ32に供給されている間、電動モータ32が駆動されることになる。
上記ロック部材34は、上記ステアリングシャフト7に設けた被係合部7a(凹部)に係脱してステアリングシャフト7(つまりステアリング)をロック状態とアンロック状態とに択一的に切り換えるものであり、電動モータ32は、そのロック部材34を、ステアリングシャフト7のロック/アンロック状態が切り換わるように駆動するものである。尚、駆動機構33は、電動モータ32の出力をロック部材34に伝達するギヤ等を含むものである。
上記バッテリ20の電源は、上述の如く電源制御部25により制御されて、イグニッションスイッチ22がオフ状態にあるときには、第1制御ユニット10、第1ドライバ11、エンジン停止時間測定タイマ23、ブレーキセンサ24、ドアロック制御ユニット41及び各スイッチ43〜45に供給され、ACC状態にある場合には、これらに加えてアクセサリ装置54にも供給され、イグニッションスイッチ22がオン状態にあるときには更に、第2制御ユニット30、第2ドライバ31、ECU6、パワーウィンド制御装置53及びABS51にも供給される一方、イグニッションスイッチ22がオフ状態及びACC状態にある場合には、ECU6、第2制御ユニット30、第2ドライバ31及びABS51には基本的に供給されない。但し、後述の如く上記電動モータ32を駆動するタイミングとなったときには、上記電源が第2制御ユニット30、第2ドライバ31及びABS51に供給され、更に第2ドライバ31が第2制御ユニット30により制御されて電動モータ32に上記電源が供給され、電動モータ32の駆動が完了すると、第1制御ユニット10は、その完了した旨の情報(後述のEEPROM10dの更新情報)を第2制御ユニット30から受信して、第2制御ユニット30、第2ドライバ31及びABS51への電源供給を停止する。
上記第1制御ユニット10は、後述のタイミングでステアリングシャフト7をロック状態及びアンロック状態のうちの一方から他方へ切り換える指令を第2制御ユニット30へ出力し、第2制御ユニット30は、その指令を受けて第2ドライバ31を介して電動モータ32を駆動して、ロック部材34を、被係合部7aに係合するロック位置及び被係合部7aから離脱したアンロック位置のうちの一方から他方へ移動させる。このことで、第1及び第2制御ユニット10,30は、電動モータ32(ステアリングロック用アクチュエータ)の駆動を制御する駆動制御手段を構成する。そして、第2制御ユニット30は、ステアリングシャフト7のロック/アンロック状態の切換えが完了したとき、電動モータ32への電源供給を停止するとともに、EEPROM30dに記憶しているロック/アンロック状態の情報を更新し、その更新情報を第1制御ユニット10へ送信する。
上記第1及び第2制御ユニット10,30は、ステアリングシャフト7をアンロック状態からロック状態へ切り換える際には、以下の如く動作する。
すなわち、第1制御ユニット10は、ステアリングシャフト7がアンロック状態にある場合において、イグニッションスイッチ22がオフ状態にあり且つECU6にてエンジン5の停止状態が検知されたときには、ドア開閉状態検知スイッチ43によりドアの開閉状態が変化したこと(本実施形態では、ドアが開状態から閉状態になったこと)及び上記車速検出部52により車両の停止状態が検知されたことを条件に、ステアリングシャフト7をロック状態へ切り換える指令を第2制御ユニット30へ出力し、第2制御ユニット30は、電動モータ32を駆動してステアリングシャフト7をアンロック状態からロック状態へ切り換える。尚、ドアの開閉状態の変化の検知としては、ドアが閉状態から開状態になったことの検知であってもよい。
また、第1制御ユニット10は、ステアリングシャフト7がアンロック状態にある場合において、イグニッションスイッチ22がオフ状態以外の状態にあり且つECU6にてエンジン5の停止状態が検知されたとき(つまりイグニッションスイッチ22がACC状態にあるか又はオン状態にあってエンジン5が停止しているとき)には、上記エンジン停止時間測定タイマ23に対して該エンジン停止時から所定時間を計時させるべく計時指令を行うとともに、エンジン停止時間測定タイマ23により上記所定時間の計時が完了してその計時完了信号を受信したときには、上記車速検出部52により車両の停止状態が検知されたことを条件に、ステアリングシャフト7をロック状態へ切り換えるロック指令を第2制御ユニット30へ出力し、第2制御ユニット30は、電動モータ32を駆動してステアリングシャフト7をアンロック状態からロック状態へ切り換える。
ここで、上述の如く、エンジン停止時間測定タイマ23は、上記所定時間の計時中において、ドア開閉状態検知スイッチ43若しくはドアロック/アンロック状態検知スイッチ44によりドア状態の変化が検知されたとき、又は、ブレーキセンサ24によりブレーキペダルの操作が検知されたときには、その所定時間の計時処理をリセットするように構成されている。従って、第1制御ユニット10は、エンジン停止時間測定タイマ23に対して上記計時指令を行った後に上記所定時間が経過するまでの間に、ドア状態が変化せず且つブレーキペダル操作がなされなかった場合に限り、エンジン停止時間測定タイマ23から計時完了信号を受信することができて、上記車速検出部52により車両の停止状態が検知されたことを条件に第2制御ユニット30に対して上記ロック指令を出力することとなる。
また、第1制御ユニット10は、ステアリングシャフト7がアンロック状態にある場合において、エンジン停止時間測定タイマ23からの計時完了信号を受信したときには、第2制御ユニット30へのロック指令とともに、イグニッションスイッチ22をオフ状態に切り換える。具体的には、第1制御ユニット10は、イグニッションスイッチ22のオフ状態に対応した電源供給状態を実現するべくバッテリ20の電源制御部25に対して電源制御指令を行うことで、イグニッションスイッチ22をオフ状態に切り換える。そうして、第1制御ユニット10から第2制御ユニット30へのロック指令によりステアリングシャフト7がロック状態に切り換わるのと略同時に、イグニッションスイッチ22がオフ状態に切り換わることとなる。尚、このイグニッションスイッチ22のオフ情報は第1制御ユニット10のEEPROM10dに記憶される。
上記第1制御ユニット10におけるステアリングシャフト7のロック状態への切換え処理動作を図2のフローチャートに基づいて説明する。
最初のステップS1で、ECU6にてエンジン5の停止状態が検知されたか否かを判定し、この判定がYESの場合にはステップS2に進み、NOの場合には本ステップS1の処理を繰り返す。
ステップS2では、イグニッションスイッチ22がオフ状態であるか否かを判定し、この判定がYESの場合にはステップS3に進み、NOの場合には、エンジン停止時間測定タイマ23に対して上記所定時間の計時を開始するよう指令を出した後に、ステップS6に進む。
ステップS3では、ドア開閉状態検知スイッチ43よりドア状態の変化が検知されたか否かを判定し、この判定がYESの場合にはステップS4に進み、NOの場合にはステップS1に戻る。
ステップS4では、上記車速検出部52により車両の停止状態が検知されたか否かを判定し、この判定がYESの場合にはステップS5に進み、NOの場合にはステップS3に戻る。
ステップS5では、ステアリングシャフト7をロック状態へ切り換えるロック指令を第2制御ユニット30へ出力して本切換え処理動作を終了する。
ステップS2でNOの場合に進むステップS6では、ステップS3と同様に、ドア開閉状態検知スイッチ43又はドアロック/アンロック状態検知スイッチ44によりドア状態の変化が検知されたか否かを判定し、この判定がYESの場合にはステップS10に進み、NOの場合にはステップS7に進む。
ステップS7では、ブレーキセンサ24にてブレーキペダルの操作が検知されたか否かを判定し、この判定がYESの場合にはステップS10に進み、NOの場合にはステップS8に進む。
ステップS8では、エンジン停止時間測定タイマ23により上記所定時間の計時が完了したか否かを判定して、この判定がYESの場合にはステップS9に進み、NOの場合にはステップS1に戻る。
ステップS9では、イグニッションスイッチ22を、乗員のプッシュ操作の有無に拘わらず強制的にオフ状態にする。
ステップS6及びステップS7でYESの場合に進むステップS10では、エンジン停止時間測定タイマ23における所定時間の計測(計時)をリセットする。
以上の如く上記実施形態では、第1制御ユニット10は、ステアリングシャフト7がアンロック状態にある場合において、イグニッションスイッチ22がオフ状態でなく且つ上記ECU6にて上記エンジン5の停止状態が検知されたとき(ステップS2の判定がNOのとき)には、エンジン停止時間測定タイマ23に対して、該エンジン停止状態の検知時から上記所定時間を計時するよう指令を出すとともに、該タイマ23にて該所定時間の計時が完了したとき(ステップS8の判定がYESのとき)には、ステアリングシャフト7をロック状態へ切り換えるロック指令を第2制御ユニット30へ出力し、第2制御ユニット30は、電動モータ32を駆動してステアリングシャフト7をアンロック状態からロック状態へ切り換える。
これにより、乗員が、エンジンを停止させるとともにオーディオやラジオを付けておくためにイグニッションスイッチ22をACC状態にしたり、パワーウィンドをいつでも操作できるようにイグニッションスイッチ22をオン状態して、車内にて所定時間以上(本実施形態では60分以上)仮眠するような場合に、エンジン5が停止してから所定時間経過すると第1制御ユニット10から第2制御ユニット30に対して上記ロック指令が出力されるので、ステアリングシャフト7をロック状態に切り換えることができる。従って、車両盗難を確実に防止することが可能となる。
また、乗員が、イグニッションスイッチ22をオフ状態にしたと思っていても誤操作により実際にはACC状態やオン状態になっているにも拘わらず車内で仮眠してしまった場合にも、エンジン停止時から所定時間経過すると第1制御ユニット10から第2制御ユニット30に対して上記ロック指令を出力され、ステアリングシャフト7をロック状態に切り換えることできる。よって、車両盗難を確実に防止することが可能となる。
また、上記実施形態では、第1制御ユニット10は、エンジン停止時間測定タイマ23における上記所定時間の計時が完了したとき(ステップS8の判定がYESのとき)には、イグニッションスイッチ22をオフ状態に切り換えるべく上記バッテリ20の電源制御部25に対して指令を出す。これにより、乗員がエンジン5を停止させてイグニッションスイッチ22をオフ状態以外の状態にしたまま(つまりACC状態やオン状態にしたまま)車内にて仮眠している場合においても、エンジン停止時から所定時間経過したときには、イグニッションスイッチ22がACC状態やオン状態に比べて車両盗難の危険性が低いオフ状態に切り換わるので、車両の盗難防止性をより一層高めることができる。
また、上記実施形態では、エンジン停止時間測定タイマ23は、上記所定時間の計時中において、ドア開閉状態検知スイッチ43又はドアロック/アンロック状態検知スイッチによりドア状態が変化したことが検知されたとき(ステップS6の判定がYESのとき)には、第1制御ユニット10からの指令を受けて(ステップS10の処理を受けて)、該所定時間の計時をリセットするようになっている。
従って、上記エンジン停止時間測定タイマ23によって、上記所定時間を計時中であっっても、乗員がドアのロック操作や開閉操作を行った場合には、所定時間の計時がリセットされる。よって、車内の乗員が仮眠していない場合、つまりドアの開閉操作等を行えるような意識状態にある場合にまで、エンジン停止時間測定タイマ23により所定時間の計時処理が続行されて計時完了信号が出力されることによって、第1制御ユニット10が該タイマ23から計時完了信号を受信して第2制御ユニット30に対してロック指令を行うのを防止することができる。よって、乗員が仮眠しておらず車両盗難の可能性が比較的低い場合にまで電動モータ32が不必要に作動してその作動音等により乗員が不快感を感じるのを防止することができる。
また、上記実施形態では、エンジン停止時間測定タイマ23は、上記所定時間の計時中において、上記ブレーキセンサ24により上記車両の乗員のブレーキ操作が検知されたとき(ステップS7の判定がYESのとき)には、該所定時間の計時をリセットする(ステップS10の処理が実行される)ようになっている。
これにより、エンジン停止時間測定タイマ23が上記所定時間を計時中に、乗員が車両の発進に備えてブレーキペダルを踏み込んだ場合には、ブレーキセンサ24によりこの踏み込み操作が検知され、この結果、エンジン停止時間測定タイマ23による上記所定時間の計時がリセットされる。従って、乗員が仮眠していないことが明らかな場合、つまり乗員によるブレーキペダル操作がなされた場合にまで、エンジン停止時間測定タイマ23により所定時間の計時処理が続行されて計時完了信号が出力されることによって、第1制御ユニット10から第2制御ユニット30に対して上記ロック指令がなされるのを防止し、これによって上記電動モータ32の不必要な作動を確実に防止することができる。
また、上記実施形態では、第1制御ユニット10は、上記ステアリングシャフト7がアンロック状態にあり且つ上記イグニッションスイッチ22がオフ状態にあり且つECU6によりエンジン5の停止状態が検知された場合(ステップS2の判定がYESの場合)には、ドア開閉状態検知スイッチ43により上記車両のドアの開閉状態の変化(本実施形態ではドアの開状態から閉状態への変化)が検知されたとき(ステップS3の判定がYESのとき)に第2制御部30に対して上記ロック指令を行うとともに、第2制御部30は該ロック指令を受けて電動モータ32を駆動させてステアリングシャフト7をロック状態に切り換えるようになっている。
これにより、乗員が車両を駐車して車外に出る際に、イグニッションスイッチ22をオフにしてドアを開閉するという通常の操作を行うと、第1制御ユニット10から第2制御ユニット30に対して上記ロック指令が出力されてステアリングシャフト7がロック状態に切り換わることとなる。よって、乗員が車外に出ていて車両盗難の可能性が特に高くなる状況下においても確実にステアリングシャフト7をロックして車両の盗難防止を図ることが可能となる。
また、上記実施形態では、エンジン5が作動中は(ステップS1の判定がNOのときには)ステアリングシャフト7がロックされる(ステップS5の処理が実行される)ことはない。従って、乗員が、エンジン5をかけたままの状態で車両を停車させて休息等している場合等、比較的短時間の休息後に車両を再発進させることが予測される場合にまで、電動モータ32が作動してステアリングシャフト7がロックされるのを防止することができる。よって、電動モータ32が頻繁に作動してその作動音等により乗員が不快感を感じるのを防止することが可能となる。
(他の実施形態)
本発明の構成は、上記実施形態に限定されるものではなく、それ以外の種々の構成を包含するものである。すなわち、上記実施形態ではイグニッションスイッチ22はプッシュ式とされているが、これに限ったものではなく、例えば、正回転させることでオフ状態、ACC状態、オン状態、及びスタート状態の順に切り換え可能な回転式スイッチであってもよい。この場合には、第1制御ユニット10におけるステップS9(図2参照)の処理を受けて上記回転式スイッチを強制的に回転させてオフ状態に切り換える切り換え機構を設ける等すればよく、該切り換え機構と第1制御ユニット10とがスイッチ切換え手段を構成することとなる。
また、上記実施形態では、上記車両はAT車とされているが、マニュアルトランスミッションを搭載したMT車であってもよい。この場合には、クラッチペダル(被操作部材に相当)の操作を検知するクラッチセンサを第1制御ユニット10に接続しておき、上記実施形態のフローチャートのステップS7において、ブレーキセンサ24によりブレーキペダルの操作が検知されたか否かを判定する換わりに、クラッチセンサによりクラッチペダルの操作が検知されたか否かを判定して、該判定がYESのとき(クラッチペダルの操作が検知されたとき)にはステップS10に進み、NOのとき(クラッチペダルの操作が検知されないとき)にはステップS8に進むようにすればよい。尚、この場合にはクラッチセンサが乗員操作検知手段を構成することとなる。
また、上記実施形態では、第1制御ユニット10は、ECU6にてエンジン5の停止状態が検知され且つイグニッションスイッチ22がオフ状態にある場合(ステップS2の判定がYESの場合)には、ドア開閉状態検知スイッチ43によりドアの開閉状態の変化が検知されたときに、ステアリングシャフト7をロック状態に切り換えるようにしているが、これに限ったものではなく、例えばドアロック/アンロック状態検知スイッチ44によりドアのロック/アンロック状態の変化が検知されたときにステアリングシャフト7をロック状態に切り換えるようにしてもよい。
また、上記実施形態では、上記車両は、スマートキーレスエントリシステムを有しているが、スマートキーレスエントリシステムを有していない車両であっても、ステアリングロック用アクチュエータによりステアリングのロック/アンロック状態を切り換える盗難防止装置を搭載する車両であれば、本発明を適用することができる。