JP4910497B2 - 電気二重層キャパシタ用電解液および電気二重層キャパシタ - Google Patents

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Description

本発明は、電気二重層キャパシタの耐久性の向上とガス発生の抑制に有効な電気二重層キャパシタ用電解液と、この電気二重層キャパシタ用電解液を用いた電気二重層キャパシタに関する。
電気二重層キャパシタは、使用可能温度が幅広くかつ高い出力密度を持つ特徴を有している。このようなキャパシタのエネルギー密度向上には、使用電圧を高めることが必要である。電解液としては、主に鎖状炭酸エステル又は環状炭酸エステルを用い、四級アンモニウム塩を支持塩とした非水系電解液が広く用いられている。鎖状炭酸エステル又は/及び環状炭酸エステルを主溶媒とする電解液において電圧を高めて用いると、徐々に電解液が分解し、ガスが発生するため、不都合が多い問題がある。
さらに、アルカリ賦活活性炭を用いたキャパシタにおいて鎖状炭酸エステル又は/及び環状炭酸エステルを溶媒とする電解液は、使用電圧を高めて用いるとき、高温環境において溶媒分解によるガス発生量が多くなり好ましくない。つまり、このような電解液では、溶媒の分解が促進され、炭酸ガスなどの分解ガスが発生するため、電圧や温度を高めて用いることが難しかった。
また、キャパシタ用電解液としては、電気伝導率や静電容量の変化率の向上などを鑑みて、各種様々な溶媒又は混合溶媒が提案されている。キャパシタ用電解液としての実用上の適合性については、低温特性、塩の溶解性(誘電率)、安全性、電解液分解性、沸点、コスト等の様々な物理特性に対する要件があり、これらの特性を満たすキャパシタ用電解液として、鎖状炭酸エステル及び環状炭酸エステルが広く使用されている。
電極材料としては、アルカリ賦活法によって高容量の活性炭を得るために、易黒鉛化性炭素材をアルカリ賦活して活性炭を得る方法が知られている(例えば、特許文献1参照。)が、このキャパシタは、水蒸気賦活活性炭よりも溶媒分解によるガス発生量が多いため、セルを構成する際の不都合が多く、特に、鎖状炭酸エステル又は/及び環状炭酸エステルを含む溶媒で使用電圧と温度を高めて使用すると、溶媒が分解してCOが発生していた。
上記炭酸ガスなどの分解ガスの発生量を低減する技術としては、キャパシタ用電解液にγ−ブチロラクトンまたはγ−バレロラクトンを含有してなる溶媒を使用する技術(例えば、特許文献2参照)、フルオロベンゼンを含有する電解液を使用する技術(例えば、特許文献3参照)、あるいは、ジフェニルを添加した電解液を使用する技術(例えば、特許文献4参照)が提案されている。
特開平09−275042号公報 特開2001−217150号公報 特開2004−6803号公報 特開2004−146610号公報
しかしながら、電極材料として黒鉛質材のアルカリ賦活活性炭を用いた電気二重層キャパシタにあっては、上記先行技術では、電解液中の溶媒の分解によるガス発生を充分に抑制することは不可能であった。
したがって、本発明は、電極材料に、高容量のキャパシタを実現し得る黒鉛質材のアルカリ賦活活性炭を使用し、かつ電解液に鎖状炭酸エステル又は/及び環状炭酸エステルを使用した場合に、高温、高電圧環境下における鎖状炭酸エステル又は/及び環状炭酸エステルの分解を抑制してガス発生量を低減すると共に、初期性能および性能維持率に優れたエネルギー密度の高い電気二重層キャパシタを提供することを目的としている。
本発明(請求項1)の電気二重層キャパシタ用電解液は、電極材料として黒鉛質材のアルカリ賦活活性炭を含む電気二重層キャパシタに使用される電解液であって、鎖状炭酸エステル又は/及び環状炭酸エステルと、炭素数が5以上で且つ2個以上のカルボン酸エステル結合を有するカルボン酸エステルを含む溶媒と、四級窒素原子と結合している炭素原子が他の窒素原子と結合している化合物を除く四級アンモニウム塩とを含有してなり、前記カルボン酸エステルの含有量が、全溶媒に対して12〜40重量%であることを特徴とする。
請求項2の電気二重層キャパシタ用電解液は、請求項1において、前記カルボン酸エステルがジカルボン酸エステルであることを特徴とする。
請求項の電気二重層キャパシタ用電解液は、請求項1又は2において、前記四級アンモニウム塩が、互いに異なる2種類以上のアルキル基を有するテトラアルキルアンモニウム塩、および/または環状四級アンモニウム塩であることを特徴とする。
請求項の電気二重層キャパシタ用電解液は、請求項1乃至のいずれかにおいて、前記四級アンモニウム塩が、テトラフルオロホウ酸塩であることを特徴とする。
本発明(請求項)の電気二重層キャパシタは、電極材料として黒鉛質材のアルカリ賦活活性炭を用い、電解液としてこのような本発明の電気二重層キャパシタ用電解液を用いることを特徴とする。
本発明によれば、電極材料に高容量の易黒鉛化性アルカリ賦活活性炭を使用し、かつ有機電解液に鎖状炭酸エステル又は/及び環状炭酸エステルを使用したとしても、溶媒の分解による発生ガス量を低減することが可能であり、初期性能及び性能維持率に優れた、エネルギー密度の高い電気二重層キャパシタが得られる。また、炭素数が5以上で且つ2個以上のカルボン酸エステル結合を有するカルボン酸エステルを、ジカルボン酸エステルとした構成にすれば、静電容量を向上させることができる。さらに、炭素数が5以上で且つ2個以上のカルボン酸エステル結合を有するカルボン酸エステルの全溶媒に対する含有量を、有機電解液中の12〜40重量%とした構成にすれば、ガス抑制効果を確保しつつ、電解質の析出や低温特性の低下の問題を抑制することもできる。
本発明による電気二重層キャパシタのガス発生抑制効果の作用機構の詳細は明らかではないが、次のように推定される。
即ち、易黒鉛化性の炭素材を用いたアルカリ賦活活性炭内部では、水蒸気賦活活性炭に比べ、電解液中の支持塩のアニオン成分であるBF の加水分解により多量の水素イオンが生成しやすく、これにより鎖状炭酸エステル又は/及び環状炭酸エステルが分解しやすくなっている。これは、アルカリ賦活活性炭では、活性炭の表面残留水分と充電時に引き寄せられたBF とが活性炭表面を反応場として反応し、微量のHFを生成することにより、活性炭内が酸性化し、鎖状炭酸エステル又は/及び環状炭酸エステルの電気化学的酸化分解が顕著になることによると考えられる。
このような条件下において、本発明で用いる炭素数が5以上で且つ2個以上のカルボン酸エステル結合を有するカルボン酸エステルが効果的な理由は、このカルボン酸エステルが活性炭表面に優先的に吸着し、水とBF との反応場を制限するか、あるいは水とBF とが反応してHFの生成があった場合においても、鎖状炭酸エステル又は/及び環状炭酸エステルよりも炭素数が5以上で且つ2個以上のカルボン酸エステル結合を有するカルボン酸エステルの消費反応が優先され、即ち、カルボン酸エステルが優先的にHFと反応することにより、鎖状炭酸エステル又は/及び環状炭酸エステルの分解が抑えられ、これにより発生ガス量の低減が可能となることによると考えられる。
アルカリ賦活活性炭、特に易黒鉛化性炭素材のアルカリ賦活活性炭で、このような効果が顕著に見られるのは、活性炭の表面がエッジ面を主体に構成されており、十分な乾燥を行っても、吸着水分が脱離できず吸着水分の量が多いことから、BF と水との反応が起こり易いためと考えられる。
鎖状炭酸エステル又は/及び環状炭酸エステルの具体例としては、エチレンカーボネート、プロピレンカーボネート、ブチレンカーボネート、ジメチルカーボネート、エチルメチルカーボネート、ジエチルカーボネートを挙げることができる。
なお、本発明に係るカルボン酸エステルは、電気二重層キャパシタの静電容量等の性能および耐久性の向上にも有効であり、更に低温特性の向上にも有効である。
以下に本発明の電気二重層キャパシタ用電解液および電気二重層キャパシタの実施の形態を詳細に説明する。
本発明の電気二重層キャパシタは、黒鉛質材のアルカリ賦活活性炭を電極材料として含む一対の電極と、鎖状炭酸エステル又は/及び環状炭酸エステルと炭素数が5以上で且つ2個以上のカルボン酸エステル結合を有するカルボン酸エステルを含む溶媒と、四級窒素原子と結合している炭素原子が他の窒素原子と結合している化合物を除く四級アンモニウム塩とを含有してなることを特徴とする電解液とを有するものである。
以下、本発明の電気二重層キャパシタの構成要素について詳細に説明する。
1.活性炭電極
本発明の電気二重層キャパシタにおける電極は、黒鉛質材のアルカリ賦活活性炭を電極材料として含むものである。
炭素原料としては、メソフェーズピッチ、特に石油、石炭系の蒸留ピッチやそれを用いたコークス、ニードルコークス、また化学合成ピッチ、PVCピッチ等の1種又は2種以上を好ましく用いることができる。アルカリ賦活活性炭の作製方法としては、例えば炭素材のアルカリ賦活法(例えば特開2002−15958号公報、特開2002−134369号公報、特開平09−275042号公報、特開平10−121336号公報)による方法を採用することができる。
具体的には、炭素材料を窒素気流中、700℃、1時間の炭化処理を施した後、粉砕処理を行って、黒鉛質炭素材を調製する。次いで、固体水酸化カリウムを用いて、窒素気流中、400℃、3時間の1次処理、および、750℃、3時間の2次処理を行って、黒鉛質炭素材をアルカリ賦活した後、充分に洗浄することによって本発明に用いるアルカリ賦活活性炭を調製することができる。
電気二重層キャパシタの活性炭電極は、例えばこのようにして調製したアルカリ賦活活性炭と、導電助剤と、結着剤とを、常法に従って所定の配合で混練し、圧延を行うことによって、活性炭電極シートとして作製することができる。
本発明で用いる電極は、易黒鉛化性炭素質アルカリ賦活活性炭は比表面積が2500m/g以下、好ましくは2000m/g以下、特に微細孔の割合が多い低比表面積の活性炭、とりわけ比表面積が1000m/g以下の活性炭であることが、表面の吸着水分量が多く、前述の本発明に係るカルボン酸エステルによるカーボネート溶媒の分解抑制効果が顕著であることから好ましい。ただし、活性炭の比表面積が過度に低いと、高容量を得るためには3.0V以上の高電圧の印加が必要であり、高電圧の印加は電解液にダメージを与えることから、活性炭の比表面積は100m/g以上、特に300m/g以上であることが好ましい。
また、この易黒鉛化性炭素質アルカリ賦活炭は、ミクロポア細孔容積が1.2ml/g以下、0.05ml/g以上であることが好ましい。また、表面の官能基量が過度に多いと残留水分が多くなり、電解液が分解し易くなるので、表面官能基量は1.0meq/g以下、0.01meq/g以上であることが好ましい。
なお、活性炭の比表面積は、活性炭約0.5gを300℃で6時間真空脱気処理を行った後、窒素ガス吸着法により求めることができ、また、細孔容積は「t−プロット法」(B. C. Lippens, J. H. de Boer, J. Catalysis, 4, 319(1965))を用いて、直径2nm以下のミクロポア細孔容積を求めることにより測定することができる。また、活性炭の表面官能基量の定量は、一般的に知られている方法(例えば、表面 Vol.34,No2(1996);Catal.16,179(1966)参照)により行うことができる。具体的には、活性炭試料各2gを100mlのエルレンマイヤーフラスコに取り、N/10のアルカリ試薬ナトリウムエトキシドを50ml加え、24時間振とうした後濾別し、未反応のアルカリ試薬をN/10塩酸で滴定することにより、官能基量を定量することができる。また、活性炭中のアルカリ金属量は、活性炭20g以上を700℃以下の温度で24時間以上燃焼させ、残渣として得られた灰分を蒸留水を用いて水溶液化し、原子吸光法により定量分析した値である。
2.電解液
本発明における電解液は、電極として黒鉛質材のアルカリ賦活活性炭を用いる電気二重層キャパシタに使用される電解液であって、鎖状炭酸エステル又は/及び環状炭酸エステルと炭素数が5以上で且つ2個以上のカルボン酸エステル結合を有するカルボン酸エステルを含む溶媒と、四級窒素原子と結合している炭素原子が他の窒素原子と結合している化合物を除く四級アンモニウム塩とを含有してなることを特徴としている。また、本発明においては、炭素数が5以上で且つ2個以上のカルボン酸エステル結合を有するカルボン酸エステルが、ジカルボン酸エステルであることが好ましく、さらに、炭素数が5以上で且つ2個以上のカルボン酸エステル結合を有するカルボン酸エステルが、電解液中に全溶媒に対して12〜40重量%含有されていることが好ましい。
(1)四級アンモニウム塩
本発明における四級アンモニウム塩としては、四級窒素原子と結合している炭素原子が他の窒素原子と結合している化合物を除く四級アンモニウム塩が用いられる。四級アンモニウム塩の四級窒素原子と結合している炭素原子が他の窒素原子と結合していると、その電気化学的安定性の悪さに起因する分解反応により、耐久特性が劣りかつ目的とする電気二重層キャパシタのガス発生抑制効果が得られないので好ましくない。
四級アンモニウム塩のカチオン成分である四級アンモニウムの好適な例としては、以下のようなものが挙げられる。
(i)テトラアルキルアンモニウム
テトラアルキルアンモニウムのアルキル基としては、炭素数1〜12、好ましくは1〜2のアルキル基が挙げられ、テトラアルキルアンモニウムの具体例としては、例えば、テトラメチルアンモニウム、エチルトリメチルアンモニウム、ジエチルジメチルアンモニウム、トリエチルメチルアンモニウム、テトラエチルアンモニウム、トリメチル−n−プロピルアンモニウム、トリメチルイソプロピルアンモニウム、トリメチル−n−ブチルアンモニウム、トリメチルイソブチルアンモニウム、トリメチル−t−ブチルアンモニウム、トリメチル−n−ヘキシルアンモニウム、ジメチルジ−n−プロピルアンモニウム、ジメチルジイソプロピルアンモニウム、ジメチル−n−プロピルイソプロピルアンモニウム、メチルトリ−n−プロピルアンモニウム、メチルトリイソプロピルアンモニウム、メチルジ−n−プロピルイソプロピルアンモニウム、メチル−n−プロピルジイソプロピルアンモニウム、トリエチル−n−プロピルアンモニウム、トリエチルイソプロピルアンモニウム、トリエチル−n−ブチルアンモニウム、トリエチルイソブチルアンモニウム、トリエチル−t−ブチルアンモニウム、ジメチルジ−n−ブチルアンモニウム、ジメチルジイソブチルアンモニウム、ジメチルジ−t−ブチルアンモニウム、ジメチル−n−ブチルエチルアンモニウム、ジメチルイソブチルエチルアンモニウム、ジメチル−t−ブチルエチルアンモニウム、ジメチル−n−ブチルイソブチルアンモニウム、ジメチル−n−ブチル−t−ブチルアンモニウム、ジメチルイソブチル−t−ブチルアンモニウム、ジエチルジ−n−プロピルアンモニウム、ジエチルジイソプロピルアンモニウム、ジエチル−n−プロピルイソプロピルアンモニウム、エチルトリ−n−プロピルアンモニウム、エチルトリイソプロピルアンモニウム、エチルジ−n−プロピルイソプロピルアンモニウム、エチル−n−プロピルジイソプロピルアンモニウム、ジエチルメチル−n−プロピルアンモニウム、エチルジメチル−n−プロピルアンモニウム、エチルメチルジ−n−プロピルアンモニウム、ジエチルメチルイソプロピルアンモニウム、エチルジメチルイソプロピルアンモニウム、エチルメチルジイソプロピルアンモニウム、エチルメチル−n−プロピルイソプロピルアンモニウム、テトラ−n−プロピルアンモニウム、テトライソプロピルアンモニウム、n−プロピルトリイソプロピルアンモニウム、ジ−n−プロピルジイソプロピルアンモニウム、トリ−n−プロピルイソプロピルアンモニウム、トリメチルブチルアンモニウム、トリメチルペンチルアンモニウム、トリメチルヘキシルアンモニウム、トリメチルヘプチルアンモニウム、トリメチルオクチルアンモニウム、テトラ−n−ブチルアンモニウム、トリメチルノニルアンモニウム、トリメチルデシルアンモニウム、トリメチルウンデシルアンモニウム、トリメチルドデシルアンモニウム、N,N−ジエチル−N−メチル−N−(2−メトキシエチル)アンモニウム等が挙げられる。
これらの中でも、互いに異なる2種類以上のアルキル基を有するテトラアルキルアンモニウムが好ましく、トリエチルメチルアンモニウム、ジエチルジメチルアンモニウム、エチルトリメチルアンモニウムが溶媒に対して高い溶解性を有し、電気伝導率の高い電解液が得られるため特に好ましい。
(ii)芳香族置換アンモニウム
芳香族置換アンモニウムとしては、フェニル基等の芳香族基の1〜4個と、炭素数1〜12のアルキル基を0〜3個有するものが挙げられ、例えば、トリメチルフェニルアンモニウム、テトラフェニルアンモニウム等が挙げられる。
(iii)環状四級アンモニウム
環状四級アンモニウムとしては、1個の四級窒素原子を含むシクロアルカン構造のものが挙げられ、また1個の四級窒素原子を2つのシクロアルカンが共有するスピロ構造のものであってもよい。例えば、N,N−ジメチルピロリジニウム、N−エチル−N−メチルピロリジニウム、N,N−ジエチルピロリジニウム、N,N−テトラメチレンピロリジニウム等のピロリジニウム;N,N−ジメチルピペリジニウム、N−エチル−N−メチルピペリジニウム、N,N−ジエチルピペリジニウム、N,N−テトラメチレンピペリジニウム、N,N−ペンタメチレンピペリジニウム等のピペリジニウム;N,N−ジメチルモルホリニウム、N−エチル−N−メチルモルホリニウム、N,N−ジエチルモルホリニウム等のモルホリニウムが挙げられる。これらの中でも、ピロリジニウムが好ましく、N−エチル−N−メチルピロリジニウム、N,N−テトラメチレンピロリジニウムが溶媒に対して高い溶解性を有し、電気伝導率の高い電解液が得られるため特に好ましい。
本発明における四級アンモニウム塩のアニオン成分としては、例えばテトラフルオロホウ酸、ヘキサフルオロリン酸、ヘキサフルオロヒ酸、ヘキサフルオロアンチモン酸、ヘキサフルオロニオブ酸、ヘキサフルオロタンタル酸、テトラフルオロアルミン酸等の含フッ素無機イオン;トリフルオロメタンスルホン酸、過塩素酸、ビス(トリフルオロメタンスルホニル)イミド、ビス(ペンタフルオロエタンスルホニル)イミド、トリス(トリフルオロメタンスルホニル)メチド、パーフルオロアルキルボレート、パーフルオロアルキルホスフェート、ビス(オキサラト)ボレート;由来のもの等を挙げることができる。これらの中でもテトラフルオロホウ酸由来のアニオン成分が好ましい。
これらの四級アンモニウム塩は1種を単独でまたは2種以上を混合して用いることができる。
電解液における支持塩は、高純度である必要があるため、上記四級アンモニウム塩は必要により再結晶や溶媒抽出等により所望の純度にまで精製して使用される。
本発明の電解液における支持塩である四級アンモニウム塩の濃度は、電気二重層の形成に必要なイオン量を確保し、十分な電気伝導性が得られる範囲であることが好ましい。電解液中の四級アンモニウム塩濃度の下限は、好ましくは0.4mol/L以上、さらに好ましくは0.8mol/L以上である。電解液中の四級アンモニウム塩濃度が高いと低温で支持塩が析出するおそれがあるため、上限は好ましくは6mol/L以下、さらに好ましくは2.5mol/L以下、さらに好ましくは2mol/L以下である。
(2)鎖状炭酸エステル及び環状炭酸エステル
本発明における電解液は、鎖状炭酸エステル又は/及び環状炭酸エステルを含有するものであり、具体的には、鎖状炭酸エステルとしては、炭酸ジメチル、炭酸エチルメチル、炭酸ジエチル等が挙げられ、環状炭酸エステルとしては、エチレンカーボネート、プロピレンカーボネート、2,3−ジメチルエチレンカーボネート、ブチレンカーボネート等が挙げられる。
本発明においては、上記炭酸エステルのうち、好ましくは炭素数3〜5のカーボネート、具体的には、プロピレンカーボネート、エチレンカーボネート、ブチレンカーボネート、ジメチルカーボネート、エチルメチルカーボネート、ジエチルカーボネート等のカーボネート溶媒、特に好ましくはプロピレンカーボネートを必須として含む。これらの炭酸エステル溶媒は1種を単独で用いても良く、また、2種以上を混合して用いても良い。
この場合、カーボネート溶媒を用いることによる良好な特性と、本発明による顕著なガス発生抑制効果を得るために、電解液に含まれる後述のカルボン酸エステルを除いた溶媒中のカーボネート溶媒の割合は50重量%以上、特に80重量%以上であることが好ましい。
(3)カルボン酸エステル
本発明におけるカルボン酸エステルは、炭素数が5以上で且つ分子内に2個以上のカルボン酸エステル結合を有するカルボン酸エステルである。このカルボン酸エステルの炭素数が4以下であると電気化学的な安定性が悪く、電気二重層キャパシタの漏れ電流が大きくなるため好ましくない。カルボン酸エステルの炭素数の上限には制限がないが、電解液に使用する鎖状炭酸エステル又は/及び環状炭酸エステルとの相溶性の観点から、好ましくは10以下、さらに好ましくは8以下である。
このカルボン酸エステルのカルボン酸エステル結合は2個以上である。カルボン酸エステル結合が1個であるとガス発生抑制効果がほとんどなく好ましくない。カルボン酸エステルのカルボン酸エステル結合の数は、増えるに従ってカルボン酸エステルの粘性が高くなる傾向があるため、好ましくは2個であり、ガス発生抑制効果の観点からも、ジカルボン酸エステルが好ましい。
本発明におけるカルボン酸エステルの具体例としては、マロン酸ジメチル、マロン酸エチルメチル、マロン酸ジエチル、メチルマロン酸ジメチル、メチルマロン酸エチルメチル、メチルマロン酸ジエチル、ジメチルマロン酸ジメチル、ジメチルマロン酸エチルメチル、ジメチルマロン酸ジエチル、コハク酸ジメチル、コハク酸エチルメチル、コハク酸ジエチル、2−メチルコハク酸ジメチル、2−メチルコハク酸エチルメチル、グルタル酸ジメチル、グルタル酸エチルメチル、グルタル酸ジエチル、2−メチルグルタル酸ジメチル、2−メチルグルタル酸エチルメチル、2−メチルグルタル酸ジエチル、アジピン酸ジメチル、アジピン酸エチルメチル、アジピン酸ジエチル、1,2−ジアセトキシエタン、1,2−ジアセトキシプロパン、1,4−ジアセトキシブタン、グリセリントリアセテート、4−アセトキシ酪酸メチル、2−アセトキシイソ酪酸メチル等を挙げることができる。好ましくはマロン酸ジメチル、マロン酸エチルメチル、マロン酸ジエチル、コハク酸ジメチル、コハク酸エチルメチル、コハク酸ジエチル、2−メチルコハク酸ジメチル、グルタル酸ジメチル、アジピン酸ジメチルであり、さらに好ましくはマロン酸ジメチル、マロン酸エチルメチル、コハク酸ジメチル、コハク酸エチルメチルである。
これらのカルボン酸エステルは1種を単独で用いても良く、2種以上を併用しても良い。
本発明における電解液中の上記カルボン酸エステルの含有量は、全溶媒に対して好ましくは50重量%以下、より好ましくは40重量%以下である。電解液中のカルボン酸エステルの含有量が50重量%を超えると電解質塩の析出や低温特性の低下などの問題が生じ実用上好ましくない。一方、カルボン酸エステルの含有量の下限には制限がないが、好ましくは5重量%以上、より好ましくは12重量%以上、さらに好ましくは15重量%以上である。カルボン酸エステルの含有量が5重量%未満であるとガス発生抑制効果が十分ではなく好ましくない。
(4)その他の非プロトン性溶媒
本発明に係る電解液は、鎖状炭酸エステル又は/及び環状炭酸エステルと炭素数が5以上で且つ2個以上のカルボン酸エステル結合を有するカルボン酸エステル以外に、その他の非プロトン性溶媒を含むものであっても良い。その他の非プロトン性溶媒の具体例としては、鎖状及び環状カルボン酸エステル(例えば、ギ酸メチル、酢酸メチル、プロピオン酸メチル、酢酸エチル、酢酸プロピル、酢酸ブチル、酢酸アミル、γ−ブチロラクトン、γ−バレロラクトン、δ−バレロラクトン等);リン酸エステル(例えば、リン酸トリメチル、リン酸エチルジメチル、リン酸ジエチルメチル、リン酸トリエチル等);ニトリル(アセトニトリル、プロピオニトリル、メトキシアセトニトリル、メトキシプロピオニトリル、グルタロニトリル、アジポニトリル、2−メチルグルタロニトリル等);スルホン(例えば、ジメチルスルホン、エチルメチルスルホン、ジエチルスルホン、スルホラン、3−メチルスルホラン、2,4−ジメチルスルホラン等)を挙げることができる。
なお、当該非プロトン性溶媒の含有量は特に制限されないが、通常全溶媒に対して50重量%以下である。
(5)添加剤
本発明の電気二重層キャパシタ用電解液は添加剤を含んでいても良い。本発明の電気二重層キャパシタの効果から考えて、添加剤は、自身の耐電圧が必要で、さらに分解するに際しガス等を発生することなく、さらにキャパシタ特性に影響のないものが選択される。これらの添加剤は1種に限らず、2種類以上を混合したものであってもよい。
例えば、活性炭の表面に吸着し得る、シクロヘキサン、シクロペンタン等の添加剤を電解液中に添加することにより、さらなる相乗効果が得られる。即ち、これらの添加剤は、炭素表面に安定な生成物を作り、鎖状炭酸エステル又は/及び環状炭酸エステルの継続的な分解反応の進行を妨げるとともに、活性炭表面上に優先的に吸着し、主溶媒である鎖状炭酸エステル又は/及び環状炭酸エステルの反応を妨げることで発生ガス量を低減する効果を与えることができる。
電解液中の添加剤の含有量は、当該添加剤の性状や特性により決定されるものであるが、実用的には50重量%以下、例えば12〜50重量%含まれることが電解液として良好である。その他の添加剤の含有量が12重量%以上であれば、明らかな添加効果が認められる。一方、含有量が50重量%を超えると、カーボネートを主体とする電解液では、分離して、均一な電解液が作製できなくなる。さらには、低温においては、添加剤含有量が多くなると電解液中の塩の溶解度が低下するので、塩の析出、分離等の可能性があり、イオン伝導率の低下が生じる。
なお、電解液は、前述の如く、実用上分離せずに混合、分散している状態が好ましいが、必ずしも混合分散していなくともガス抑制の効果は得られる。
また、上記の添加剤は、電解液に直接混合しなくとも、電極活性炭に気体状の添加剤を吸着させて素子を作製してから電解液を含浸させる等の方法によっても電解液中に含有させることができる。
(6)水分
電解液中には微量の水分が存在するが、水分は電気二重層キャパシタの内部抵抗や漏れ電流を増大させるため少ないほど好ましい。電解液中の水分量は実用的には50ppm以下、特に30ppm以下であることが好ましい。
3.電気二重層キャパシタ
本発明の電気二重層キャパシタは、例えばφ40mm×120mmのアルミ製容器と電極巻回体と注入された電解液とからなる円筒型電気二重層キャパシタとすることができる。電極巻回体は、アルミ箔よりなる帯状集電体両面に、それぞれ導電性接着剤を用いて活性炭電極シートを貼付して正、負極の各電極体を形成し、セパレータとともに重ね合せて巻回し、素子を作製したものである。この素子は、アルミニウムケースの外周部に隙間ができないように挿入し、端子部を溶接して封止され、注液穴から内部に電解液を注入できるような構造になっている。巻回型の素子構造は、電極幅、電極長さの調整で任意の大きさの素子が簡単に作製でき、また巻回強度を高めることで、素子内の電極の圧密化が可能であり、活性炭充填率の向上をはかることが可能である。
ただし、本発明におけるキャパシタセル構造は、特に限定されたものではなく、スタック型の素子であれば、電極体を積み重ねることにより、立方体、直方体のセルを作製できる。これにより、複数のセルを接続して構成されるキャパシタモジュールの体積効率が円筒型のものよりも向上できる特徴がある。
素子の封入に用いられるケースの材質はアルミニウムに限定はされるものではないが、充放電による体積変化が1%以下であるものが好ましく、例えば、Al、Ti、Mg、Fe、Cr、Ni、Mn、Co、Zrもしくはこれらのいずれかを一種以上含む合金が使用できる。ただし、これらに特に限定されない。
次に、具体的な実施例により本発明の効果を詳細に説明する。
1.電気二重層キャパシタの作製
<実施例1>
炭素材料(例えば特開2002−134369号公報に開示されている方法等で得られたもの)に窒素気流中、700℃、1時間の炭化処理を施した後、粉砕処理を行って、黒鉛質炭素材を調製した。次いで、水酸化カリウムを用いて、窒素気流中、400℃、3時間の1次処理、および、750℃、3時間の2次処理を行って、黒鉛質炭素材をアルカリ賦活した後、充分に洗浄して、比表面積790m/g、t−プロット法によるミクロポア細孔容積が0.34ml/g、滴定法による全表面官能基量が0.7meq/g、活性炭中のカリウム量が200ppm、平均粒径が10μmのアルカリ賦活活性炭を調製した。
次いで、上記アルカリ賦活活性炭と、アセチレンブラック(導電助剤)と、ポリテトラフルオロエチレン(結着剤)とを、90:5:5の重量比となるように秤量し、その秤量物を混練し、その後、混練物を圧延することによって、成形密度0.8g/cm、厚さ140μmの活性炭電極シートを作製した。
一方、コハク酸ジメチルを3重量%含有したプロピレンカーボネート溶媒に、最終濃度が1.7mol/Lとなるようにテトラフルオロホウ酸トリエチルメチルアンモニウム[(C(CH)NBF]を溶解し、電解液を調製した。なお、調製した電解液は水分濃度が30ppm以下であることを確認した。
次に、アルミ箔よりなる帯状集電体両面に、それぞれ導電性接着剤を用いて、上記活性炭電極シートを貼付して正、負極の各電極体を形成し、セパレータとともに重ね合せて巻回し、素子を作製した。この素子を、φ40mm×120mmのアルミニウムケースの外周部に隙間ができないように挿入し、端子部を溶接して封止した。次いで、注液穴から内部に上記電解液を注入し、円筒型の実施例1の電気二重層キャパシタを作製した。
<実施例2>
実施例1の電気二重層キャパシタの作製工程において、溶媒中のコハク酸ジメチルの含有量を6重量%とした以外は、実施例1と同様にして実施例2の電気二重層キャパシタを作製した。
<実施例3>
実施例1の電気二重層キャパシタの作製工程において、溶媒中のコハク酸ジメチルの含有量を12重量%とした以外は、実施例1と同様にして実施例3の電気二重層キャパシタを作製した。
<実施例4>
実施例1の電気二重層キャパシタの作製工程において、溶媒中のコハク酸ジメチルの含有量を20重量%とした以外は、実施例1と同様にして実施例4の電気二重層キャパシタを作製した。
<実施例5>
実施例1の電気二重層キャパシタの作製工程において、溶媒中のコハク酸ジメチルの含有量を40重量%とした以外は、実施例1と同様にして実施例5の電気二重層キャパシタを作製した。
<実施例6>
実施例1の電気二重層キャパシタの作製工程において、溶媒中の含有量3重量%のコハク酸ジメチルを、含有量12重量%のマロン酸ジメチルに変更した以外は、実施例1と同様にして実施例6の電気二重層キャパシタを作製した。
<実施例7>
実施例6の電気二重層キャパシタの作製工程において、溶媒中のマロン酸ジメチルの含有量を20重量%とした以外は、実施例6と同様にして実施例7の電気二重層キャパシタを作製した。
<実施例8>
実施例6の電気二重層キャパシタの作製工程において、溶媒中のマロン酸ジメチルの含有量を40重量%とした以外は、実施例6と同様にして実施例8の電気二重層キャパシタを作製した。
<比較例1>
実施例1の電気二重層キャパシタの作製工程において、コハク酸ジメチルを含有しない、1.7mol/Lのテトラフルオロホウ酸トリエチルメチルアンモニウム[(C(CH)NBF]のプロピレンカーボネート溶液を電解液として用いた以外は、実施例1と同様にして比較例1の電気二重層キャパシタを作製した。
<比較例2>
比較例1の電気二重層キャパシタの作製工程において、アルカリ賦活活性炭に代えて、水蒸気賦活活性炭(商品名:BP20、クラレケミカル社製)を用いた以外は、比較例1と同様にして比較例2の電気二重層キャパシタを作製した。
<比較例3>
実施例3の電気二重層キャパシタの作製工程において、アルカリ賦活活性炭に代えて、水蒸気賦活活性炭(商品名:BP20、クラレケミカル社製)を用いた以外は、実施例3と同様にして比較例3の電気二重層キャパシタを作製した。
<比較例4>
比較例1の電気二重層キャパシタの作製工程において、テトラフルオロホウ酸トリエチルメチルアンモニウムに代えて、テトラフルオロホウ酸1−エチル−3−メチルイミダゾリウム(C(C)(CH)BF)を用いた以外は、比較例1と同様にして比較例4の電気二重層キャパシタを作製した。
<比較例5>
実施例3の電気二重層キャパシタの作製工程において、テトラフルオロホウ酸トリエチルメチルアンモニウムに代えて、テトラフルオロホウ酸1−エチル−3−メチルイミダゾリウム(C(C)(CH)BF)を用いた以外は、実施例3と同様にして比較例5の電気二重層キャパシタを作製した。
<比較例6>
実施例1の電気二重層キャパシタの作製工程において、溶媒中の含有量3重量%のコハク酸ジメチルを、含有量12重量%のプロピオン酸メチルに変更した以外は、実施例1と同様にして比較例6の電気二重層キャパシタを作製した。
<比較例7>
比較例6の電気二重層キャパシタの作製工程において、溶媒中のプロピオン酸メチルの含有量を20重量%とした以外は、比較例6と同様にして比較例7の電気二重層キャパシタを作製した。
2.評価
(1)静電容量
上記のようにして作製した実施例1〜8および比較例1〜7の電気二重層キャパシタに対して、2.7Vの電圧を65℃にて6時間印加してエージングを行った後、25℃にて30Aの定電流放電を行ない、25℃にて初期特性(静電容量)を測定した。その後、65℃での恒温槽中にて2.7Vの定電圧を印加しながら1000時間保持し、耐久加速試験を実施した。耐久試験後、セルを25℃に戻して静電容量をエネルギー換算法により求め、容量維持率(初期静電容量に対する1000時間経過後の静電容量の割合(百分率))を求めた。これらの結果を表1に示した。
(2)発生ガス量
電解液の分解により発生したガスによりセル内部圧力が増加することから、上記耐久試験後のセル内部に発生したガスを、シリンジにより取り出し、大気圧まで戻したときの体積増分を発生ガス量として測定した。また、実施例1〜8については、比較例1のガス量を1.00としたときの相対比を求めた。また、比較例3については比較例2のガス量を1.00とし、比較例5については比較例4のガス量を1.00とし、比較例7については比較例6のガス量を1.00とし、それぞれ相対比を求めた。結果を表1に示した。
Figure 0004910497
表1より次のことが明らかである。
本発明の実施例1〜8の電気二重層キャパシタでは、本発明に係る特定のカルボン酸エステルを含まない比較例1に対して、1000時間経過後に、同等以上の高い静電容量維持率を示しており、特にその含有量が5重量%以上、とりわけ12重量%以上の実施例3〜8ではガス発生抑制効果が顕著である。
一方、電解液に、本発明に係るカルボン酸エステルを含有していない比較例1および、炭素数が4でカルボン酸エステル結合を1個有するプロピオン酸メチルを添加した比較例6、7では、ガス量を減少させる効果を示していない。
また、比較例2,3の結果から明らかなように、活性炭として水蒸気賦活活性炭を用いた場合には、アルカリ賦活活性炭を用いた場合(比較例1、実施例3)に比べて静電容量が低いものとなる。
比較例4、比較例5では、四級アンモニウム塩として四級窒素原子と結合している炭素原子が他の窒素原子と結合しているイミダゾリウム塩を用いているため、耐久試験による静電容量低下が大きく、好ましくない。これは、イミダゾリウムカチオンの還元分解が進行し、負極の容量を低下させているためである。

Claims (5)

  1. 電極材料として黒鉛質材のアルカリ賦活活性炭を含む電気二重層キャパシタに使用される電解液であって、
    鎖状炭酸エステル又は/及び環状炭酸エステルと、炭素数が5以上で且つ2個以上のカルボン酸エステル結合を有するカルボン酸エステルを含む溶媒と、
    四級窒素原子と結合している炭素原子が他の窒素原子と結合している化合物を除く四級アンモニウム塩と
    を含有してなり、
    前記カルボン酸エステルの含有量が、全溶媒に対して12〜40重量%であることを特徴とする電気二重層キャパシタ用電解液。
  2. 前記カルボン酸エステルがジカルボン酸エステルであることを特徴とする請求項1に記載の電気二重層キャパシタ用電解液。
  3. 前記四級アンモニウム塩が、互いに異なる2種類以上のアルキル基を有するテトラアルキルアンモニウム塩、および/または環状四級アンモニウム塩であることを特徴とする請求項1又は2に記載の電気二重層キャパシタ用電解液。
  4. 前記四級アンモニウム塩が、テトラフルオロホウ酸塩であることを特徴とする請求項1乃至のいずれかに記載の電気二重層キャパシタ用電解液。
  5. 電極材料として黒鉛質材のアルカリ賦活活性炭を用い、電解液として請求項1乃至のいずれかに記載の電気二重層キャパシタ用電解液を用いることを特徴とする電気二重層キャパシタ。
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