JP4907034B2 - Cmos型イメージセンサ - Google Patents
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Description
【発明の属する技術分野】
本発明は、CMOS型イメージセンサに関し、特に携帯電話やパソコンなどに設置可能な撮像装置に用いて好適なCMOS型イメージセンサに関する。
【0002】
【従来の技術】
近年においては、CPUの高性能化、画像処理技術の発達などにより、デジタル画像データを手軽に取り扱えるようになってきた。特に、携帯電話やPDAにおいて、画像を表示できるディスプレイを備えた機種が出回っており、近い将来、無線通信速度の飛躍的な向上が期待できることから、このような携帯電話やPDA間で画像データの転送が頻繁に行われることが予想される。
【0003】
ところで、現状では、デジタルスチルカメラなどで被写体像を画像データに変換した後に、パソコンなどを介してインターネットを通じて、かかる画像データを転送することが行われている。しかし、このような態様では、画像データを転送するために、デジタルスチルカメラとパソコンと双方の機器を有していなくてはならない。これに対し、近年、携帯型情報機器の画像入力デバイスとして、撮像素子と撮影光学系を同一の回路基板上に設置した、小型カメラモジュールが提案されている。このような小型カメラモジュールによれば、デジタルスチルカメラやパソコンを所有する必要はなく、手軽に持ち歩ける携帯電話により画像を撮像して相手に送るということが容易に行えることとなる。
【0004】
更に、そのような小型カメラモジュールに用いる撮像素子としては、以下に述べる理由により、従来のCCDセンサに代えて、CMOS型イメージセンサが注目されている。
▲1▼ フォトダイオードなど現在の半導体製品のCMOS製造プロセスを応用でき、CCDセンサに比べて、低コストで製造できる。
▲2▼ 単一電源での動作が可能であり、CCDセンサに比べて、消費電力を低く抑えることができる。
▲3▼ CMOSロジック回路などの信号処理回路をセンサチップ内に集積可能であり、CCDセンサに比べて、小型化できる。
【0005】
【発明が解決しようとする課題】
ここで、回路基板に取り付けた撮像素子と撮影光学系の組み合わせを考えたとき、撮影光学系の合焦位置に、撮像素子の受光面を適切にセットしなくてはならず、その調整をどうするかが問題となる。例えば、撮像素子と撮影光学系とを同一の回路基板にそれぞれ設置する場合、回路基板に取り付けるために用いる接着剤の厚みのバラツキや、構成部品の寸法バラツキなどの要因から、撮影光学系の合焦位置に撮像素子受光面を精度良く組み付けることは困難であるといえる。従って、撮影光学系の合焦位置と撮像素子受光面の組み付け精度を高めるためには、高精度の組み付け技術が必要となったり、あるいは別個に合焦位置を調整する機構が必要となったりする。そうすると製造コストが上昇してしまうという問題がある。
【0006】
上述した問題は、CCDセンサの代わりにCMOS型イメージセンサを採用したとしても同様に生じるものであり、低コストでコンパクトな小型カメラモジュールを製造する上では、かかる問題が大きな障害となっている。
【0007】
本発明はこのような問題点に鑑みてなされたものであり、安価で小型化可能な小型カメラモジュールである撮像装置を得ることができるCOMS型イメージセンサを提供することを目的とする。
【0008】
【課題を解決するための手段】
本発明のCMOS型イメージセンサは、レンズ部と当接部とを有する光学支持部材とともに用いられ、前記レンズ部からの光を受光する受光部と、前記レンズ部からの光を受光しない位置に配置された信号処理回路部と、を備えたCMOS型イメージセンサであって、前記信号処理回路部はデジタル回路部を含み、前記受光部と前記信号処理回路部の領域に同一プロセスでカラーフィルタ及びマイクロレンズアレイを形成し、前記デジタル回路部のほぼ全表面を覆うように前記カラーフィルタ及び前記マイクロレンズアレイを残した状態で、前記当接部が前記受光部の外側の少なくとも3カ所で前記デジタル回路部上の領域に当接されることを特徴とする。
【0009】
第2の本発明のCMOS型イメージセンサは、レンズ部と当接部とを有する光学支持部材のうち前記レンズ部からの光を受光する受光部と、前記レンズ部からの光を受光しない位置に配置された信号処理回路部と、を備えたCMOS型イメージセンサであって、前記受光部と前記信号処理回路部の領域に同一プロセスでマイクロレンズアレイを形成し、前記信号処理回路部の領域に前記マイクロレンズアレイを残した状態で、前記当接部が前記信号処理回路部の位置に当接されることを特徴とする。
【0010】
第3の本発明のCMOS型イメージセンサは、レンズ部と当接部とを有する光学支持部材のうち前記レンズ部からの光を受光する受光部と、前記レンズ部からの光を受光しない位置に配置された信号処理回路部と、を備えたCMOS型イメージセンサであって、前記受光部と前記信号処理回路部の領域に同一プロセスでカラーフィルタ及びマイクロレンズアレイを形成し、前記信号処理回路部の領域に前記カラーフィルタ及び前記マイクロレンズアレイを残した状態で、前記当接部が前記信号処理回路部の位置に当接されることを特徴とする。
【0011】
【作用】
ここで、CMOS型イメージセンサに対して光学支持部材を当接する場合の作用効果について述べる。撮影光学系としてレンズを支持する光学支持部材(鏡枠を含む)を、回路基板に当接して位置決めせずにCMOS型イメージセンサに当接させて組み付ければ、回路基板とCMOS型イメージセンサとの間の接着剤の厚みのバラツキや、回路基板からCMOS型イメージセンサの受光面までの高さバラツキなどを、考慮する必要がなくなり、光軸方向の位置決めを精度良く行うことができ、また組み付けの手間が減少する。特に、受光部だけでなく信号処理回路部等も同一半導体チップ内に集積化した1チップ型のCMOS型イメージセンサは、受光部の外側に、光学支持部材を当接させるに十分な面積の信号処理回路部を有していることから、CCDセンサに比べて、光学支持部材をより当接し易いという構成を有している。しかしながら、光学支持部材を無闇にCMOS型イメージセンサに当接させた場合、その破損を招く恐れもある。
【0012】
これに対し、第1の本発明のごとき、CMOS型イメージセンサによれば、受光部と信号処理回路部とを備えたCMOS型イメージセンサであって、受光部と信号処理回路部の領域に同一プロセスでカラーフィルタを形成し、信号処理回路部の領域にカラーフィルタを残した状態で、光学支持部材の当接部を信号処理回路部の位置に当接させることができ、その結果、回路基板とCMOS型イメージセンサとの間の接着剤の厚みのバラツキ等による悪影響を考慮する必要がなくなるだけでなく、それによるCMOS型イメージセンサの破損や機能不良を抑制することが可能となり、撮像装置の小型化も可能となる。
【0013】
更に、前記信号処理回路部は、デジタル回路部を含み、前記当接部が当接する位置は、前記デジタル回路部上の領域であると好ましい。
【0014】
又、前記当接部が当接する位置に配置された前記カラーフィルタは、青色、赤色及び緑色のカラーフィルタのいずれかでなると好ましい。
【0016】
第2の本発明のCMOS型イメージセンサは、受光部と信号処理回路部とを備えたCMOS型イメージセンサであって、受光部と信号処理回路部の領域に同一プロセスでマイクロレンズアレイを形成し、信号処理回路部の領域にマイクロレンズアレイを残した状態で、光学支持部材の当接部を信号処理回路部の位置に当接させることができ、その結果、回路基板とCMOS型イメージセンサとの間の接着剤の厚みのバラツキ等による悪影響を考慮する必要がなくなるだけでなく、それによるCMOS型イメージセンサの破損や機能不良を抑制することが可能となり、撮像装置の小型化も可能となる。
【0017】
更に、前記信号処理回路部は、デジタル回路部を含み、前記当接部が当接する位置は、前記デジタル回路部上の領域であると好ましい。
【0019】
第3の本発明のCMOS型イメージセンサは、受光部と信号処理回路部とを備えたCMOS型イメージセンサであって、受光部と信号処理回路部の領域に同一プロセスでカラーフィルタ及びマイクロレンズアレイを形成し、信号処理回路部の領域にカラーフィルタ及びマイクロレンズアレイを残した状態で、光学支持部材の当接部を信号処理回路部の位置に当接させることができ、その結果、回路基板とCMOS型イメージセンサとの間の接着剤の厚みのバラツキ等による悪影響を考慮する必要がなくなるだけでなく、それによるCMOS型イメージセンサの破損や機能不良を抑制することが可能となり、撮像装置の小型化も可能となる。
【0020】
更に、前記信号処理回路部は、デジタル回路部を含み、前記当接部が当接する位置は、前記デジタル回路部上の領域であると好ましい。
【0021】
又、前記当接部が当接する位置に配置された前記カラーフィルタは、青色、赤色及び緑色のカラーフィルタのいずれかでなると好ましい。
【0023】
尚、本明細書における受光部とは、光電変換部として、複数の画素(各々光電変換素子を有する)が2次元的に配列されている部分をいう。各画素は受光した光量に応じた信号電荷を発生する。例えば、一般的なCMOS型イメージセンサの画素は、光電変換を行うフォトダイオードと、電荷増幅やスイッチとしてのMOSトランジスタから構成されている。
【0024】
又、本明細書における信号処理回路部は、画素を順次駆動し信号電荷を得る駆動回路部、その信号電荷をデジタル信号に変換するA/D変換部、そのデジタル信号を用いて画像信号出力を形成する信号処理部等から構成されるものである。
【0025】
【発明の実施の形態】
以下、本発明の実施の形態につき、図面を参照して説明する。
図1は、本実施の形態にかかるCMOS型イメージセンサの上面図である。図2は、図1のCMOS型イメージセンサを回路基板に取り付けた状態でII-II線で切断して矢印方向に見た図である。
【0026】
図1において、CMOS型イメージセンサ2は、その上面中央において、光電変換部として、複数の画素(不図示)が2次元的に配列された受光部2aと、その周囲に信号処理回路部2cとを備え、これらは単結晶シリコン基板等の同一半導体チップ内に形成されている。各画素は、光電変換素子としてのフォトダイオードと電荷増幅およびスイッチとしての機能を持つMOSトランジスタとから構成されており、受光した光量に応じた信号電荷を発生する。信号処理回路2cは、画素(光電変換素子)を順次駆動し信号電荷を得る駆動回路部、前記信号電荷をデジタル信号に変換するA/D変換部、前記デジタル信号を用いて画像信号出力を形成する信号処理部等を有する。図1に示すように、信号処理回路部2cの外縁近傍には、多数のパッド2dが配置されている。
【0027】
CMOS型イメージセンサ2は、図2に示すように、回路基板PC上の所定位置に接着固定されており、この結線用端子であるパッド2dおよびワイヤWを介して、回路基板PC上の所定の回路に電気的に接続されている。
【0028】
更に、図2に示すように、受光部2a上には、カラーデジタル画像を形成するためのカラーフィルタ2fが配置され、さらにその上にマイクロレンズアレイ2gが積層配置されている。カラーフィルタ2fは、フォトリソグラフィー技術等により、受光部2aの各画素に対応するように配置、形成されており、たとえば、R(赤色)、G(緑色)、B(青色)の3種類の原色フィルタから構成され、各画素からの出力信号を合成することによってカラー画像を得ることができるようになっている。
【0029】
マイクロレンズアレイ2gは、各画素の光電変換素子としてのフォトダイオードに入射する光量を増加させるため、各画素上に半球状に形成されたマイクロレンズを2次元的に配列したものが用いられている。これは、たとえば、透明な合成樹脂を材料として、フォトリソグラフィー技術および樹脂の熱流動性を利用した技術を併用することにより形成することができる。
【0030】
ここで、カラーフィルタ2fとマイクロレンズアレイ2gは、製造上、受光部2a上に形成する際に信号処理回路部2c上にも同一プロセスで形成されるものであるが、従来においては、受光部2a上に形成された部分のみを残し他の部分は除去していた。これに対し、本実施の形態では、後述するように少なくとも必要な領域(B)においては、カラーフィルタ2fとマイクロレンズアレイ2gを残すようにしている。
【0031】
光学支持部材1の当接部1bは、CMOS型イメージセンサの上面に当接している。尚、3はレンズ部である。ここで、光学支持部材1の当接部1bの当接位置について考察する。光学支持部材1の当接部1bとCMOS型イメージセンサ2との間の面圧を低く抑えるためには、当接部1bは、ある程度の当接面積が必要である。ここで、図1において、CMOS型イメージセンサ2の受光部2aは、光学像を光電変換する画素が配置された場所であるため、光学支持部材1を当接させるには不適切である。一方、受光部2aの周囲の信号処理回路部2cのうち、パッド2dの位置は、図2に示すようにワイヤWによる結線が行われるので、同様に光学支持部材1を当接させるには不適切である。
【0032】
これに対し、信号処理回路部2cにおいてパッド2dと受光部2aとの間には、当接部1bを当接させることができる程度に広い面積の領域がある。また、信号処理回路部2cの中の、特にデジタル信号処理回路部であるデジタル回路部2eは、当接力(押圧力)に比較的強いという性質を有する。そこで、本実施の形態におけるCMOS型イメージセンサ2では、特にデジタル回路部2eの上面に、光学支持部材1の当接部1bを当接させるようにしている。
【0033】
より具体的に説明すると、本実施の形態のCMOS型イメージセンサ2は、上面から見て矩形C字状に、デジタル回路部2eを配置している(図1に一点鎖線で示す領域A)。従って、領域A内であれば、光学支持部材1の当接部1bを当接させることができる。しかしながら、光学支持部材1を載置したときのバランスを考慮すると、当接部1bは、3カ所ないしは4カ所以上設けられていると好ましい。本実施の形態では、4カ所の当接部1bを当接させるようにしている。
【0034】
更に、上述したカラーフィルタ2fとマイクロレンズアレイ2gを当接面に設けることにより、当接時の応力緩和機能が期待できる。そこで、本実施の形態のCMOS型イメージセンサ2においては、当接部1b(当接面形状を図1に点線で図示)が当接する位置の周囲に、矩形状にカラーフィルタ2fとマイクロレンズアレイ2gを残した領域B(図1に二点鎖線で図示)をそれぞれ形成している。また、デジタル回路部2eのほぼ全表面を覆うように、カラーフィルタ2fとマイクロレンズアレイ2gを残してもよい。
【0035】
また、信号処理回路部上に、カラーフィルタ2fとマイクロレンズアレイ2gの両方を積層することが必ずしも必要なわけではなく、いずれか一方のみを配置することとしてもよい。さらに、前記信号処理回路部上にカラーフィルタが配置される場合、このカラーフィルタは、青色、赤色及び緑色のカラーフィルタの少なくとも一つから構成されていてもよい。
【0036】
なお、本発明で言うところのカラーフィルタおよびマイクロレンズアレイは、少なくとも受光部上において光学的な機能を有していればよく、信号処理回路部上においては、光学的な機能を有していなくともよい。
【0037】
本実施の形態においては、光学支持部材1を回路基板PC上に取り付けるのではなく、CMOS型イメージセンサ2の信号処理回路部2c上に当接するように取り付けているので、光学支持部材1と受光部2aとの光軸方向の位置決めを精度良く行うことができる。
【0038】
以上、本発明を実施の形態を参照して説明してきたが、本発明は上記実施の形態に限定して解釈されるべきではなく、適宜変更・改良が可能であることはもちろんである。例えば、本実施の形態では、CMOS型イメージセンサ2と基板PCとの接続は、ワイヤWにより行っているが、CMOS型イメージセンサ2の内部に配線をはわせて、CMOS型イメージセンサ2の裏面又は側面より、信号を取り出す構成も考えられる。かかる構成によれば、CMOS型イメージセンサ2の信号処理回路部2cを広く確保できると共に、結線を容易に行うことができる。本発明の撮像装置は、デジタルカメラ、携帯電話、パソコン、PDA、AV装置、テレビ、家庭電化製品など種々のものに組み込むことが可能と考えられる。
【0039】
【発明の効果】
本発明によれば、安価で小型化可能、かつ、光学支持部材を信号処理回路部上の領域に直接当接可能な小型カメラモジュールである撮像装置を得ることができるCOMS型イメージセンサを提供することができる。
【図面の簡単な説明】
【図1】本実施の形態にかかるCMOS型イメージセンサの上面図である。
【図2】図1のCMOS型イメージセンサを基板に取り付けた状態でII-II線で切断して矢印方向に見た図である。
【符号の説明】
1 光学支持部材
1b 当接部
2 CMOS型イメージセンサ
2a 受光部
2c 信号処理回路部
2d パッド
2e デジタル回路部
2f カラーフィルタ
2g マイクロレンズアレイ
3 レンズ部
Claims (2)
- レンズ部と当接部とを有する光学支持部材とともに用いられ、前記レンズ部からの光を受光する受光部と、前記レンズ部からの光を受光しない位置に配置された信号処理回路部と、を備えたCMOS型イメージセンサであって、
前記信号処理回路部はデジタル回路部を含み、
前記受光部と前記信号処理回路部の領域に同一プロセスでカラーフィルタ及びマイクロレンズアレイを形成し、前記デジタル回路部のほぼ全表面を覆うように前記カラーフィルタ及び前記マイクロレンズアレイを残した状態で、前記当接部が前記受光部の外側の少なくとも3カ所で前記デジタル回路部上の領域に当接されることを特徴とするCMOS型イメージセンサ。 - 前記当接部が当接する位置に配置された前記カラーフィルタは、青色、赤色及び緑色のカラーフィルタのいずれかでなること特徴とする請求項1に記載のCMOS型イメージセンサ。
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