JP4904794B2 - 多孔質膜及びこれを用いたフレキシブルプリント回路板 - Google Patents

多孔質膜及びこれを用いたフレキシブルプリント回路板 Download PDF

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Description

本発明は、電気特性に優れたポリアミドイミド多孔質膜とその製造方法及びこれを用いたフレキシブル回路板に関する。特に誘電特性に優れ、高密度配線に適したフレキシブルプリント回路板に関する。
近年、電子機器の小型、軽量化が進み、携帯電話などの電子携帯機器の高速化の要求が強くなっている。これらの電子機器の回路版には従来からポリイミドフィルムを絶縁基材としたフレキシブルプリント回路板が一般に用いられているが、高周波特性が必ずしも十分ではなく、高速化に対応するのが困難であった。
誘電特性に優れた材料としては、フッ素系樹脂、ポリフェニレンスルフィド、ポリスルホン、液晶ポリマーなどが知られている(例えば非特許文献1参照)。これらの材料は高価であったり、成型加工が困難であるなどの課題があり、フレキシブルプリント回路板への応用は困難であった。
松下電工技報:Feb.2004
本発明はかかる事情に鑑みてなされたものであって、従来使用されているポリイミドフィルムに代わる誘電特性が良好で絶縁性に優れ、フレキシブルプリント回路板の成型加工が容易な絶縁基材を提供することを目的とする。
本発明は上記目的を達成するために、鋭意検討を重ねた結果、好ましくは特定構造のポリアミドイミド樹脂を多孔化することにより耐熱性や機械的特性を損なわずに誘電特性に優れた絶縁基材が得られることを見出した。即ち本発明は以下の積層体とその製造法及びこれを用いたフレキシブルプリント回路板に関する。
(項1)
ガラス転移温度が200℃以上、対数粘度が0.5dl/g以上のポリアミドイミド樹脂からなり、周波数1GHzで測定したときの誘電正接が0.02以下で膜厚が5〜200μmの多孔質膜が、直接、金属箔に積層された積層体。
(項2)
ポリアミドイミド樹脂のアミン成分が3,3’−ジメチル−4,4’−ジイソシアネートビフェニル及び/又は1,5−ナフタレンジイソシアネートを含むことを特徴とする項1に記載の積層体。
(項3)
ポリアミドイミド樹脂の酸成分が3,3’,4,4’−ベンゾフェノンテトラカルボン酸無水物及び/又は3,3’,4,4’−ビフェニルテトラカルボン酸無水物を含むことを特徴とする項1または項2に記載の積層体。
(項4)
項1〜3のいずれかに記載の積層体を用いたフレキシブルプリント回路板。
(項5)
ガラス転移温度が200℃以上、対数粘度が0.5dl/g以上のポリアミドイミド樹脂の溶液を金属箔に塗布した後、
該ポリアミドイミド樹脂を溶解した溶剤とは混和するが、該ポリアミドイミド樹脂に対しては貧溶剤である溶液中に投入して凝固させる、
周波数1GHzで測定したときの誘電正接が0.02以下で膜厚が5〜200μmの多孔質膜が、直接、金属箔に積層された積層体の製造方法。
(項6)
ポリアミドイミド樹脂のアミン成分が、3,3’−ジメチル−4,4’−ジイソシアネートビフェニル及び/又は1,5−ナフタレンジイソシアネートを含むことを特徴とする項5に記載の製造方法。
(項7)
ポリアミドイミド樹脂の酸成分が、3,3’,4,4’−ベンゾフェノンテトラカルボン酸無水物及び/又は3,3’,4,4’−ビフェニルテトラカルボン酸無水物を含むことを特徴とする項5または項6に記載の製造方法。
本発明は、好ましくは特定構造を有するポリアミドイミド樹脂の多孔質膜を直接金属と積層した複合体であり、電気絶縁性、耐熱性、機械的強度に優れ、誘電特性に優れるため高周波帯域で用いられてもクロストークやノイズのない高速伝播用フレキシブルプリント回路板に適する材料を提供できる。
以下本発明を詳細に説明する。本発明に用いられるポリアミドイミド樹脂はガラス転移温度が200℃以上であることが必要である。ガラス転移温度が200℃以下では、回路の接続や部品を実装するときの半田溶融時の熱に耐えないためである。ガラス転移温度の上限は特にはないが、通常は450℃以下である。
また、本発明に用いるポリアミドイミド樹脂の対数粘度は0.5gのポリアミドイミド樹脂を100mlのN−メチル−2−ピロリドンに溶解した溶液をウベローデ粘度管で30℃で測定した値が0.5dl/g以上であることが必要であり、好ましくは0.7dl/g以上、更に好ましくは1.0dl/g以上必要である。対数粘度が0.5dl/g未満では多孔質膜にしたときの膜の強度が不十分であり、フレキシブルプリント回路板にしたときに、繰り返し屈曲されるような用途には使用できなくなることがある。本発明では対数粘度に上限はないが、通常2.0dl/g以下である。
また、本発明のポリアミドイミド多孔質膜は透明であるのが好ましく、は波長500nmで測定した光線透過率が50%以上であるのが好ましい。フレキシブルプリント回路基板では回路加工や部品搭載時に位置決めのために透過光を採用する場合があり、光線透過率が50%未満では位置決めの認識が出来ない場合があるからである。
通常、多孔質膜は孔構造から光が乱反射するために膜は不透明になり、機械的強度は空孔率の増加に伴い低下する。しかしながら、孔径の調節などにより透明で且つ機械的強度を維持することが可能である。孔径の調節は凝固条件にもよるが、ポリアミドイミド樹脂の構造に大きく依存して、例えば、アミン成分及び/又は酸成分中にビフェニル構造やナフタレン構造を導入することにより透明な多孔質膜を得やすくなる。これらの理由は明確ではないが、これらのポリアミドイミド樹脂の溶解性との関係で多孔膜の形成速度が速く、表面層が極めて緻密で、基材層が大きな空孔を形成することによるものと思われる。
次いで、本発明に用いられるポリアミドイミド樹脂について説明する。
一般に、ポリアミドイミド樹脂の合成はトリメリット酸クロリドとジアミンを用いる酸クロリド法やトリメリット酸無水物とジイソシアネートを用いるジイソシアネート法等の通常の方法で合成されるが製造コストの点からジイソシアネート法が好ましい。
本発明におけるポリアミドイミド樹脂の合成に用いられる酸成分はトリメリット酸無水物(クロリド)であるが、その一部を他の多塩基酸またはその無水物に置き換えることができる。例えば、ピロメリット酸、ビフェニルテトラカルボン酸、ビフェニルスルホンテトラカルボン酸、ベンゾフェノンテトラカルボン酸、ビフェニルエーテルテトラカルボン酸、エチレングリコールビストリメリテート、プロピレングリコールビストリメリテート等のテトラカルボン酸及びこれらの無水物、シュウ酸、アジピン酸、マロン酸、セバチン酸、アゼライン酸、ドデカンジカルボン酸、ジカルボキシポリブタジエン、ジカルボキシポリ(アクリロニトリル−ブタジエン)、ジカルボキシポリ(スチレン−ブタジエン)等の脂肪族ジカルボン酸、1,4−シクロヘキサンジカルボン酸、1,3−シクロヘキサンジカルボン酸、4,4’−ジシクロヘキシルメタンジカルボン酸、ダイマー酸等の脂環族ジカルボン酸、テレフタル酸、イソフタル酸、ジフェニルスルホンジカルボン酸、ジフェニルエーテルジカルボン酸、ナフタレンジカルボン酸等の芳香族ジカルボン酸が挙げられる。これらの中では上記に記載した通り、3,3’,4,4’−ビフェニルテトラカルボン酸無水物や3,3’,4,4’−ベンゾフェノンテトラカルボン酸無水物が好ましい。
また、ポリアミドイミド樹脂の特性を損なわない範囲で、トリメリット酸化合物の一部をグリコールに置き換えてウレタン基を分子内に導入することもできる。グリコールの導入は、ポリアミドイミド樹脂の溶解性を改良するのに効果的であり、グリコールとしてはエチレングリコール、プロピレングリコール、テトラメチレングリコール、ネオペンチルグリコール、ヘキサンジオール等のアルキレングリコール、ポリエチレングリコール、ポリプロピレングリコール、ポリテトラメチレングリコール等のポリアルキレングリコールや上記ジカルボン酸の1種又は2種以上と上記グリコールの1種又は2種以上とから合成される末端水酸基のポリエステル等が挙げられ、これらの中ではポリエチレングリコール、末端水酸基のポリエステルが好ましい。また、これらの数平均分子量は500以上が好ましく、1000以上がより好ましい。上限は特に限定されないが8000未満が好ましい。
本発明におけるポリアミドイミド樹脂の合成に用いられるジアミン(ジイソシアネート)成分としては、エチレンジアミン、プロピレンジアミン、ヘキサメチレンジアミン等の脂肪族ジアミン及びこれらのジイソシアネート、イソホロンジアミン、1,4−シクロヘキサンジアミン、1,3−シクロヘキサンジアミン、ジシクロヘキシルメタンジアミン等の脂環族ジアミン及びこれらのジイソシアネート、m−フェニレンジアミン、p−フェニレンジアミン、4,4’−ジアミノジフェニルメタン、4,4’−ジアミノジフェニルエーテル、4,4’−ジアミノジフェニルスルホン、ベンジジン、3,3’―ジメチルベンジジン、キシリレンジアミン、ナフタレンジアミン等の芳香族ジアミン及びこれらのジイソシアネート等が挙げられ、これらの中では反応性、耐熱性、コスト及び上記の理由から3,3’−ジメチル−4,4’−ジアミノ(ジイソシアネート)ビフェニルや1,5−ナフタレンジアミン(ジイソシアネート)が好ましい。
本発明に用いるポリアミドイミド樹脂はN,N’−ジメチルホルムアミド、N,N’−ジメチルアセトアミド、N−メチル−2−ピロリドン、γ−ブチロラクトン等の極性溶剤中、60〜200℃に加熱しながら攪拌することで容易に製造することができる。この場合、必要に応じてトリエチルアミン、ジエチレントリアミン等のアミン類、フッ化ナトリウム、フッ化カリウム、フッ化セシウム、ナトリウムメトキシド等のアルカリ金属塩等を触媒として用いることもできる。
次にポリアミドイミド多孔質膜の製造方法について説明する。本発明の多孔質膜の製造は特に制限はないが、上記のポリアミドイミド重合溶液をポリエステルフィルム等の基材に所定の厚みにコーテイングした後、あるいは重合溶液をスリットダイからフィルム状に押し出した後、該ポリアミドイミド樹脂を溶解している溶剤と混和するが、該ポリアミドイミド樹脂に対しては貧溶剤である溶液中に投入して凝固させ、基材から剥離した後洗浄、乾燥するのが好ましい。なお、ポリアミドイミド多孔膜を金属に直接積層する場合は上記の基材を金属板や金属箔に代えればよく、この場合は基材からの剥離は必要でない。本発明で言う貧溶剤とは該ポリアミドイミド樹脂を25℃で5重量%濃度で溶解できないものとする。
ポリアミドイミド樹脂を溶解する溶剤は上記のようにN−メチル−2−ピロリドンやジメチルアセトアミド、N,N’−ジメチルホルムアミドなどのアミド系溶剤やγ−ブチロラクトンが主体になるが、多孔質膜形成時の凝固速度を調節して、孔径や孔径分布を調節するためにメタノール、エタノール、プロピルアルコール、エチレングリコール、ジエチレングリコールやポリエチレングリコール、ポリプロピレングリコールなどのアルコール類、アセトン、メチルエチルケトンなどのケトン類などを添加することが出きる。これらの添加剤はポリアミドイミド樹脂溶液100部に対して5〜300部、好ましくは10〜200部、更に好ましくは20〜100部である。
本発明の多孔質膜を製造する際に用いる凝固浴は水を主体とした溶液が好ましい。この凝固浴には凝固速度や多孔質膜の孔径及びその分布を調節するために水と混和する他の溶剤を混合することができる。このような溶剤としてはメタノール、エタノール、プロピルアルコール、エチレングリコール、プロピレングリコール、ジエチレングリコール、ポリエチレングリコール等のアルコール類、アセトン、メチルエチルケトン等のケトン類、N,N’−ジメチルホルムアミド、N,N’−ジメチルアセトアミド、N−メチル−2−ピロリドン等のアミド系溶剤等が挙げられこれらの中では孔径の多孔質膜中の均一さの点からエチレングリコール、ポリエチレングリコールなどのグリコール類やN−メチル−2−ピロリドン、N,N’−ジメチルアセトアミド、N,N’−ジメチルホルムアミドなどのアミド系溶剤が好ましい。これらの溶剤の添加量は水100部に対して5〜500部、好ましくは10〜400部、更に好ましくは20〜300部である。
ポリアミドイミド多孔質膜の膜厚は5〜200μm、好ましくは10〜100μm、更に好ましくは20〜70μmである。膜厚が5μm未満では膜が弱くなり破断するおそれがあることと電気絶縁性や絶縁破壊電圧が低下するからである。逆に膜厚が200μmを越えると多孔膜の取り扱いが困難になる。
ポリアミドイミド多孔質膜の空孔率は10〜70%が好ましい。更に好ましくは15〜50%であり、空孔率が10%未満では膜の誘電率や誘電正接の値が高くなり、本発明の目的であるプリント回路板が得られない。一方、70%以上では膜強度が弱くなる。
本発明の特徴はポリアミドイミド多孔質膜を直接銅箔などの金属箔に積層した構成ができることである。また、ポリアミドイミド多孔膜を直接金属箔に積層した複合膜のポリアミドイミド面に接着剤を用いてポリアミドイミド樹脂面とまたは金属箔を張り合わせることによっても両面金属箔の積層体が得られる。この場合はポリアミドイミド樹脂本来の耐熱性が生かされ、高密度配線用のプリント回路板が得られる。
以下、実施例で本発明を更に詳細に説明するが、本発明はこれらの実施例で制限されるものではない。
尚、実施例中の測定値は以下の方法で測定した。
対数粘度:ポリアミドイミド樹脂0.5gを100mlのN−メチル−2−ピロリドンに溶解した溶液を30℃に保ちウベローデ粘度管を用いて測定した。
ガラス転移温度:測定幅4mm、長さ15mmのポリアミドイミドフィルムをレオロジー社製DVE−V4レオスペクトラーを用い、周波数110Hzの振動を与えて測定した動的粘弾性の損失弾性率の変曲点をガラス転移温度とした。
膜厚:ポリアミドイミド多孔質膜をSONY μ−メーターで測定した。
空孔率:ポリアミドイミド樹脂溶液から流延乾燥して作成した約25μmフィルム(A)の平均膜厚(At)と10cm□の重量(Aw)を測定し、同じポリアミドイミド樹脂溶液から水中で凝固させて作成した多孔質膜(B)の平均膜厚(Bt)と10cm□の重量(Bw)とから下記式によって空孔率を算出した。
空孔率=[1−(Bw/Bt)/(Aw/At)]×100(%)
誘電特性:膜厚約100μmのポリアミドイミドフィルム(または多孔質膜)を空洞共振法を用い、周波数1GHzで測定した。
引張り強度と伸度:空孔率を測定したのと同じポリアミドイミドフィルムを200mm×10mmの短冊状に切り、東洋ボールドウイン社の引張り試験機を用い、チャック間40mmとして20mm/分の速度で引っ張ったときの破断応力と伸張度から求めた。
[実施例1]
温度計、冷却管、窒素ガス導入管のついた4ツ口フラスコにトリメリット酸無水物(TMA)0.7モル、3,3’,4,4’−ベンゾフェノンテトラカルボン酸無水物0.3(BTDA)0.3モル、1,5−ナフタレンジイソシアネート1モル、ジアザビシクロウンデセン(DBU)0.01モルを固形分濃度が15%となるようにN−メチル−2−ピロリドン(NMP)と共に仕込み、90℃で5時間攪拌した後、N−メチル−2−ピロリドンで固形分濃度が13%となるように希釈してポリアミドイミド樹脂を合成した。得られたポリアミドイミド樹脂の対数粘度は1.24dl/g、ガラス転移温度は375℃であった。
このポリアミドイミド樹脂溶液100部にエチレングリコールを10部配合した溶液を100μmのポリエステルフィルム(東洋紡製E−5100)に膜厚が30μmとなるように塗布し、水/N−メチル−2−ピロリドンが70/30(重量比)の凝固浴に浸漬した後ポリエステルフィルムから剥離し、水洗、乾燥した。得られた多孔質膜の特性を表1に示す。
[実施例2]
実施例1と同じ装置を用い、TMA0.75モル、BTDA0.15モル、3,3’,4,4’−ビフェニルテトラカルボン酸無水物0.1モル、3,3’−ジメチル−4,4’−ジイソシアネートジフェニル0.99モル、DBU0.01モルを固形分濃度が15%となるようにNMPと共に仕込み、実施例1と同じ条件でポリアミドイミド樹脂を合成し、NMPで希釈して13%のポリアミドイミド樹脂溶液を得た。
このポリアミドイミド樹脂の対数粘度は1.45dl/g、ガラス転移温度は330℃であった。
このポリアミドイミド樹脂溶液を用いて、実施例1と同じ条件で多孔膜を作成した。この多孔膜の特性を表1に示す。
[実施例3]
実施例2で合成したポリアミドイミド樹脂溶液を福田金属製18μmの電解銅箔に膜厚が30μmとなるように塗布し、実施例1と同じ条件でポリアミドイミド多孔膜を形成させて銅張り積層板を作成した。この銅張り積層板はカールがなく、300℃の半田浴に30秒浸漬しても浮きや剥離がなく、またこの銅張り積層板を塩酸と過酸化水素水溶液でエッチングしたフィルムは実施例2と同様、誘電特性に優れ高速伝播用フレキシブルプリント回路板に適するものであった。
[比較例1]
実施例1でTMAを0.75モルとした以外は実施例1と同じ条件でポリアミドイミド樹脂を合成した。得られたポリアミドイミド樹脂の対数粘度は0.41dl/g、ガラス転移温度は371℃であった。このポリアミドイミド樹脂を用いた多孔質膜は分子量が低いため脆く、プリント回路板の絶縁基材としては不適であった。
[比較例2]
実施例1と同じポリアミドイミド樹脂溶液をポリエステルフィルムに膜厚が30μmとなるように塗布し、100℃で10分乾燥した後、ポリエステルフィルムから剥離して金属枠に固定して、更に250℃で1時間乾燥を行い、無孔化フィルムを作成した。このポリアミドイミドフィルムの誘電特性は表1に示すように高い値を示した。
Figure 0004904794
本発明は、誘電特性に優れるポリアミドイミド樹脂の多孔質膜及びポリアミドイミド樹脂の多孔質膜と金属箔を積層した複合多孔質膜を用いることにより高周波特性に優れ、高密度、高速信号伝播用のフレキシブルプリント回路板用絶縁基材を提供できる。

Claims (7)

  1. ガラス転移温度が200℃以上、対数粘度が0.5dl/g以上のポリアミドイミド樹脂からなり、周波数1GHzで測定したときの誘電正接が0.02以下で膜厚が5〜200μmの多孔質膜が、直接、金属箔に積層された積層体。
  2. ポリアミドイミド樹脂のアミン成分が3,3’−ジメチル−4,4’−ジイソシアネートビフェニル及び/又は1,5−ナフタレンジイソシアネートを含むことを特徴とする請求項1に記載の積層体
  3. ポリアミドイミド樹脂の酸成分が3,3’,4,4’−ベンゾフェノンテトラカルボン酸無水物及び/又は3,3’,4,4’−ビフェニルテトラカルボン酸無水物を含むことを特徴とする請求項1または請求項2に記載の積層体
  4. 請求項1〜のいずれかに記載の積層体を用いたフレキシブルプリント回路板。
  5. ガラス転移温度が200℃以上、対数粘度が0.5dl/g以上のポリアミドイミド樹脂の溶液を金属箔に塗布した後、
    ポリアミドイミド樹脂を溶解した溶剤とは混和するが、ポリアミドイミド樹脂に対しては貧溶剤である溶液中に投入して凝固させる、
    周波数1GHzで測定したときの誘電正接が0.02以下で膜厚が5〜200μmの多孔質膜が、直接、金属箔に積層された積層体の製造方法。
  6. ポリアミドイミド樹脂のアミン成分が、3,3’−ジメチル−4,4’−ジイソシアネートビフェニル及び/又は1,5−ナフタレンジイソシアネートを含むことを特徴とする請求項5に記載の製造方法。
  7. ポリアミドイミド樹脂の酸成分が、3,3’,4,4’−ベンゾフェノンテトラカルボン酸無水物及び/又は3,3’,4,4’−ビフェニルテトラカルボン酸無水物を含むことを特徴とする請求項5または請求項6に記載の製造方法。
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