JP4901715B2 - 加熱調理器 - Google Patents
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しかし、上記特許文献1のように住戸全体の電力使用量に応じて加熱調理器の加熱出力レベルを決定するようなものであっても、従来の加熱調理器では、火力が制限されそうな状況にあるのかどうか使用者は事前に分からないため、加熱調理器を使用し始めてから火力が自動的に制限されてしまうことによって使用者が混乱するという課題があった。また、火力が制限された状態で動作している最中においては、制限された出力レベルで動作しているのか、使用者が設定した出力レベルで動作しているのかが使用者には分かりにくいという課題があった。
また、第2の目的は、加熱出力が制限された状態で動作している場合に、加熱出力が制限中であることを使用者に明示することのできる加熱調理器を提供するものである。
図1はこの発明の実施の形態1における加熱調理器を含む住戸のシステム構成図である。加熱調理器1は、家庭内の電灯線2に接続されている。電灯線2は、宅外からの引込線が分電盤3の中で図示しない主幹ブレーカに接続され、さらに一つ以上の図示しない分岐ブレーカで家庭内を複数の回路に分岐されたものである。電力計測装置4は、住戸全体の電力使用量を計測するための装置である。電力計測装置4は、電力量計測用のセンサを含む電力量計測手段41と、当該住戸で使用可能な最大電力量の上限値を設定及び記憶する上限電力量設定記憶手段42と、前記電力量計測手段41及び前記上限電力量設定記憶手段42が接続された電力管理手段43とで構成されている。前記電力管理手段43は、通信媒体5を介して、加熱調理器1の構成要素である後述の電力情報設定手段17に接続されている。
なお、本実施の形態1においては加熱調理器に搭載されている表示手段に特徴があるため、図2では排気口や吸気口などのほかの構成部材については図示が省略されている。
また、使用者は予め使用可能な電力量を把握しておくことができるため、調理開始後に出力を上げようとしたときに自動的に制限がかかってしまって混乱する、といった状況を避けることもでき、使い勝手の良い加熱調理器を提供できるようになる。
また、使用許容電力量、加熱調理器で使用可能な電力量、住戸全体で現在使用している電力量のうち、複数を組み合わせて表示してもよい。
上記実施の形態1においては使用許容電力量を加熱調理器1の表示手段15に表示する例を示したが、本実施の形態2では、使用許容電力量とともに現在加熱調理器で使用している電力量を表示する例を説明する。なお、本実施の形態2のシステム構成(図1)及び加熱調理器の外観(図2)、及び機能ブロック図(図3)は、上記の実施の形態1と同じであり、その説明を省略する。
図5(A)は加熱調理器の電源投入直後の表示手段15の表示例である。使用者により加熱調理器の電源が投入されると、前記電力情報設定手段17は、前記実施の形態1と同じ方法により使用許容電力量を取得し、この情報を制御手段14に渡す。制御手段14は表示手段15に対して表示指示を行い、表示手段15は、図5(A)に示すように使用許容電力量の上限を100%とする表示を行う。図5(A)においては左ヒータ12a及び右ヒータ12bの加熱出力がゼロであるため、使用許容電力量のみが表示されている。
次に図5(B)は、使用者が左ヒータ12a及び右ヒータ12bの加熱出力を上げた場合の表示例である。加熱出力を上げることによって使用許容電力量に変化が生じたため、電力計測装置4は電力情報設定手段17に対して使用許容電力量の更新情報を送信し、電力情報設定手段17はこの情報を制御手段14に渡す。制御手段14は表示手段15に対して表示指示を行い、表示手段15は、図5(B)に示すように、左ヒータ12aの電力量と右ヒータ12bの電力量及び使用許容電力量の合計を100%として、各電力量の占める割合をそれぞれの点灯色を変えて表示する。この例では、加熱調理器で使用可能な電力量のうち、左ヒータ12aが30%、右ヒータ12bが20%、使用許容電力量が50%を占めていることを示す。
さらに図5(C)は、使用許容電力量が無くなった場合の表示例である。例えば加熱調理器以外の電気機器を使用するなどして使用許容電力量が無くなった場合、電力計測装置4は電力情報設定手段17に対して使用電力量の更新情報を送信し、電力情報設定手段17はこの情報を制御手段14に渡す。制御手段14は表示手段15に対して表示指示を行い、表示手段15は、図5(C)のように表示して、加熱調理器で使用可能な電力量のうち左ヒータ12aが60%、右ヒータ12bが40%を占めていて使用許容電力量が無いことを示す。
図6は、2500W(5)、2000W(4)、1500W(3)、1000W(2)、500W(1)という最大5レベルまで出力可能な左ヒータ12aと右ヒータ12bの2つがある場合を例としており、表示手段15の表示領域を合計10個の領域に分割している。
図6(A)は、加熱調理器の電源投入直後の表示手段15の表示例である。使用許容電力量を加熱調理器の出力レベルに換算して表示しており、左ヒータ12aと右ヒータ12bの加熱出力のレベルの合計が最大7レベルまで使用可能であることを示している。
図6(B)は、使用者が左ヒータ12aをレベル3に、右ヒータ12bをレベル2にそれぞれ設定した場合の表示例である各ヒータの出力レベル及び使用許容電力量を色分けして表示している。
図6(C)は、左ヒータ12aの加熱出力レベルを上げてレベル5に設定した場合の表示手段15の表示例である。この場合、使用許容電力量が無くなるため、左ヒータ12aについてレベル5の領域まで表示し、使用許容電力量は表示されなくなる。これにより、右ヒータ12bの加熱出力レベルをこれ以上は上げることができないということを使用者に伝えることができる。
また、使用者は予め使用可能な電力量を把握できるため、調理開始後に加熱出力を上げようとしたときに自動的に制限がかかってしまって混乱する、といった状況を避けることができる使い勝手の良い加熱調理器を提供できるようになる。
上記実施の形態2においては、使用許容電力量と現在加熱調理器で使用している電力量とを加熱調理器に表示する例を示したが、本実施の形態3では、前記加熱調理器1により加熱出力が制限された場合に、表示手段15により加熱出力が制限中であることを表示する例について説明する。なお、本実施の形態3のシステム構成(図1)及び加熱調理器の外観(図2)は、上記の実施の形態1と同じであり、その説明を省略する。
加熱調理器総電力量決定手段19は、制御手段14に接続されており、前記電力情報設定手段17により設定された電力情報を制御手段14を経由して入手し、加熱調理器総電力量を決定する。加熱調理器総電力量は、前述の通り、加熱調理器で使用可能な電力量の上限値であり、現在加熱調理器で使用している電力量と前記使用許容電力量を足し合わせることによって求める。
図8(A)は、表示手段15の各ヒータの加熱出力レベルを示しており、左ヒータ12aはレベル1からレベル6までのランプが点灯し、右ヒータ12bはレベル1からレベル5までのランプが点灯した状態で表示されている状態である。これは、加熱調理器1の左ヒータ12aを1500W(6)で、右ヒータ12bを1000W(5)で使用していることを示す。
図9は、本実施の形態3の加熱調理器1における各加熱手段の出力制御に関する制御フローである。今、左ヒータ12aが1500W、右ヒータ12bが1000Wで動作しており、ロースター12cが動作していない場合を例に説明する。
制御手段14は、前記実施の形態1に示した手段で使用許容電力量を取得する(S1)。加熱調理器総電力量決定手段19は、加熱調理器総電力量を算出する(S2)。具体的には、(加熱調理器総電力量)=(使用許容電力量)+(現在加熱調理器で使用している電力量)のようにして求める。ここで、例えば(使用許容電力量)=−250Wの場合、(現在加熱調理器で使用している電力量)=2500W(左ヒータ12a:1500W+右ヒータ12b:1000W)であるので、(加熱調理器総電力量)=2250Wとなる。
ところで制御手段14は、火力を確保する際の優先順位として、ロースター12cが最も高く、次に先に動作しているヒータ(先動作ヒータ)、その次に後から動作を開始したヒータ12(後動作ヒータ)、となるよう制御を行う。この例では、ロースター12cは使用しておらず、左ヒータ12aが先動作ヒータ、右ヒータ12bが後動作ヒータであるものとする。このことを踏まえ、以下のステップについて説明を続ける。
次に、左ヒータ12a及び右ヒータ12bの両ヒータに割当て可能な火力(電力量)を算出する(S3)。具体的には、(両ヒータに割当て可能な火力)=(加熱調理器総電力量)−(ロースター12cの火力)のようにして算出する。ここでは、ロースター12cは使用しておらず電力はゼロのため、左ヒータ12a及び右ヒータ12bに割当て可能な火力は2250Wとなる。
続けて、両ヒータに割り当て可能な火力算出処理(S3)で求めた火力と先動作ヒータの火力とを比較する(S4)。現在の先動作ヒータの火力の方が小さければ、先動作ヒータはそのままの火力で動作継続が可能であり、次の処理(S5)へ進む。先動作ヒータの火力の方が大きければ、先動作ヒータの火力制限を行い、さらに後動作ヒータの動作を停止する(S6)。例えば、左ヒータ12aと右ヒータ12bに割当て可能な電力の合計が1250Wの状態であった場合、左ヒータ12aの加熱出力1500Wの方が大きくなるので、1250W以下で最大のレベルである1000W(5)に火力が制限される。そして、後動作ヒータである右ヒータ12bの動作は停止することになる。
次に、後動作ヒータに割当て可能な火力(電力量)を算出する(S5)。具体的には、(後動作ヒータに割当て可能な火力)=(左ヒータ12a及び右ヒータ12bに割当て可能な火力)−(先動作ヒータの火力)のようにして算出する。ここでは、先動作ヒータである左ヒータ12aが1500Wで動作しているので、後動作ヒータに割当て可能な火力は、2250W−1500W=750Wである。
続けて、ステップS5で求めた後動作ヒータに割当て可能な電力と現在の右ヒータ12bの電力を比較する(S7)。現在の右ヒータ12bの加熱出力の方が小さければ右ヒータ12bはそのままの火力で動作継続が可能である。現在の右ヒータ12bの加熱出力の方が大きければ、右ヒータ12bの火力制限を行う(S8)。この例の場合、ステップS4で求めた後動作ヒータに割当て可能な火力750Wと右ヒータ12bの加熱出力1000Wを比較すると右ヒータ12bの加熱出力の方が大きいので、制御手段14は右ヒータ12bの加熱出力1000W(5)を、750W(4)に制限する。
本実施の形態4では、使用者が設定した加熱出力と規制加熱出力とを交互に表示する例を説明する。なお、本実施の形態4のシステム構成(図1)及び加熱調理器の外観(図2)及び機能ブロック図(図5)は前述の実施の形態3と同じであり、その説明を省略する。
図11(A)は、使用者が設定した加熱出力で動作中の表示手段15の表示であり、左ヒータ12aはレベル6で、右ヒータ12bはレベル5でそれぞれ動作していることを示す。このとき、火力に制限がかけられて右ヒータ12bの加熱出力がレベル4に変更されると、右ヒータ12bの表示は規制加熱出力のレベルでの表示となり、レベル1〜レベル4のランプは色を変えて点滅表示する。以後は、図11(A)と図11(B)を所定の周期で交互に表示する。
Claims (5)
- 被加熱物を加熱するための複数の加熱手段と、加熱調理に関する操作・設定情報などを入力する操作手段と、前記加熱手段の動作を制御する制御手段と、前記加熱手段の加熱出力等の情報を表示する表示手段とを有する加熱調理器において、
前記加熱調理器が設置されている住戸において使用可能な電力量の最大値から住戸全体の使用電力量を差し引いた使用許容電力量または住戸全体の使用電力量のいずれか、あるいは両方を加熱調理器の外部からの情報に基づいて設定する電力情報設定手段と、
前記電力情報設定手段により設定された電力量情報に基づいて、加熱調理器全体で消費可能な電力量である総電力量の上限値を決定する総電力量決定手段と、
前記総電力量の上限値に基づいて、前記加熱手段の使用電力量の合計が前記総電力量の上限値以内に収まるように前記加熱手段の動作を制御する前記制御手段とを有し、
前記表示手段は、使用者が前記操作手段により設定した加熱出力値である使用者設定加熱出力値で制御されているときはその値を表示し、前記制御手段によって規制された加熱出力値である規制加熱出力値で制御されているときはその値と使用者設定加熱出力値とを表示することを特徴とする加熱調理器。 - 前記表示手段は、前記規制加熱出力値と前記使用者設定加熱出力値とを表示する際に、それらの値を交互に表示することを特徴とする請求項1記載の加熱調理器。
- 前記表示手段は、前記使用者設定加熱出力値と前記規制加熱出力値を交互に表示する際に、両者の表示時間を異なる時間とすることを特徴とする請求項2に記載の加熱調理器。
- 前記表示手段は、前記使用者設定加熱出力値と前記規制加熱出力値の表示の色を相互に異なったものにすることを特徴とする請求項1〜請求項3のいずれかに記載の加熱調理器。
- 前記表示手段は、前記使用者設定加熱出力値及び前記規制加熱出力値のいずれか一方を連続表示し、他方を点滅表示とすることを特徴とする請求項1〜請求項4のいずれかに記載の加熱調理器。
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