JP4901361B2 - 電飾装置 - Google Patents
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この種のパチンコ遊技機として、例えば遊技盤の遊技領域に形成した開口部内に、複数の発光素子を前面に搭載したプリント基板を配置するとともに、開口部の前面を閉止するように盤面に透光性のカバー部材を取り付けたり、透光性を有するセルシートを貼付した電飾部を備えたものがある。これによれば、電飾部が遊技盤面より突出せず同一平面となっているため、電飾部によって遊技領域を流下する遊技球の正常な動作が妨げられる虞がなく、また電飾部が遊技盤面に対して突出している従来タイプと比較して遊技球が流下、或いは転動するスペースを広く確保することができるため、限られた遊技領域を有効に活用することができる。
このような電飾装置においては、例えば、電飾図柄を構成する線図や輪郭線が光によって浮き出てその形状を明確に視認できるようにする工夫が種々なされているが、実際には、光源からの光がベニヤ板に形成した透光穴の内壁で吸収されて減衰しやすいためにセルシート内を透過して前方へ出射する際に光量が低下したり、不均一化したり、或いは内壁での乱反射により出射方向が過剰に拡散して電飾図柄だけを集中して照光できない状態となる。このため、セルシートに描いた電飾図柄は輪郭線がはっきりしないぼけた状態となりやすかった。
導光部材105の出射面が対面するセルシート103の電飾図柄部分103aは、他のセルシート部分よりも部分的に透光性が高くなるように構成されており、図柄を構成する線図、輪郭線等がLED111からの光によってある程度明瞭に視認できるように配慮されている。この電飾装置によれば、LEDの消灯時には光源や透孔(電飾図柄)の存在を明確に視認できないセルシート部分(電側図柄)が、LEDの点灯によって発光して突如クローズアップされるという意外性を含んだ演出上の効果を発揮することができる。
しかし、図11の電飾装置にあっては、透光材料から成る導光部材105を直接ベニヤ板の透光穴102内に嵌合させた構成を有しているに過ぎないため、LEDからの光が導光部材105内を通過する過程で導光部材周面から外部に漏出し、透光穴102の内壁により吸収されて減衰したり、導光部材の出射端面からの出射光の集光度が低下して過剰に拡散する傾向があった。このため、電飾図柄の輪郭線がぼけを起こす可能性が依然として残されていた。
反射層によって導光部材本体内に入射された光を反射させて出射面に導き、出射光量、光度を高める一方で、反射層から漏出せんとする光を遮光層により遮光することにより出射光量を更に高めることができる。このため、シート材面に形成される電飾図柄がぼやけて視認されるという不具合が解消される。また、導光部材本体内に射出成形時に形成された気泡が存在する場合にも気泡を目立たなくすることができる。
請求項3の発明は、請求項1又は2において、前記反射層及び前記遮光層は、前記導光部材本体の外面に順次塗布された塗膜であることを特徴とする。
光拡散層の存在によって点光源としてのLEDを用いた場合であっても、導光部材内部全体に入射光を拡散させて出射光量を均一化することができる。
請求項5の発明は、請求項1又は2において、前記導光部材本体と前記透光穴内壁との間には低摩擦抵抗材料から成る介挿部材が配置されており、前記反射層、及び/又は、前記遮光層は、前記介挿部材の内壁に形成されていることを特徴とする。
塗膜等によって導光部材本体外面に非透光領域を形成する他に、別部材としての介挿部材により非透光領域を形成することが可能である。
請求項7の発明は、請求項5又は6において、前記導光部材本体は、前記透光穴の軸方向長よりも短尺な第1の導光片と、該第1の導光片の出射面に連設配置される第2の導光片と、を備え、前記第2の導光片の入射側端面、又は/及び、出射側端面には、光拡散層が配置されていることを特徴とする。
導光部材本体を複数の短尺な導光片から構成することにより、樹脂材料から成る導光部材本体を成形により形成する際における気泡発生率を低減できる。
請求項9の発明は、請求項1乃至8の何れか一項において、前記導光部材は、その端面形状が前記電飾図柄の発光領域と略同等の形状、寸法に設定された筒状体から成る前記導光部材本体によって構成されていることを特徴とする。
導光部材自体の端面形状を電飾図柄の発光領域と同等の形状に設定すれば、構成を簡略化することができる。
請求項10の発明は、請求項1乃至9の何れか一項において、記各導光部材の入射面と夫々対向配置された光源と、各光源を支持するプリント基板と、を備えたことを特徴とする。
図1は本発明の一実施形態に係る電飾装置及び各種盤面部品を備えた遊技盤の正面図、図2(a)及び(b)は、本発明の一実施形態に係る電飾装置を備えた遊技盤の正面図及び側面図であり、図3はこの遊技盤の背面側分解斜視図であり、図4(a)及び(b)は電飾装置の拡大断面図、及び要部拡大図である。
本発明の電飾装置を備えた遊技盤1は、パチンコ遊技機に装備される。パチンコ遊技機は周知のように図示しない機枠と、機枠に対して蝶番によって一側端縁を前後方向へ開閉自在に軸支された前面枠と、前面枠によって前後方向へ開閉自在に軸支されたガラス扉と、前面枠の内側に着脱自在に取り付けられた遊技盤1と、遊技盤1の背面側に蝶番を介して開閉自在に取り付けられた合成樹脂製の機構板と、を備えている。
遊技盤1の前面を覆うガラス扉の下方には、発射レールや打球杆を覆うように前板が開閉可能に取り付けられ、前板の前面には打球供給皿が設けられる。前面枠の下部には、遊技球発射装置の一部を構成する遊技球発射ハンドルが配置されると共に、打球供給皿上に貯留し切れなくなった遊技球やファール球を貯留する下皿が配置されている。
遊技盤1の前面を構成する遊技領域10には、例えば中央部11に複数の図柄を順次上下に移動(回動)させながら表示する可変表示装置(例えば、液晶表示装置)が配置され、その周囲には入賞口12、風車13などの盤面部品、遊技釘が配置される。
遊技盤1の左側縁には、遊技機の下部に配置された遊技球発射装置から発射された遊技球を遊技領域10内に導くための遊技球誘導経路14が上下方向へ延びて形成されている。
本発明では、遊技盤1を構成する基材2に貫通形成した各透光穴15に相当する部位に電飾装置20を配置している。
この電飾装置20は、基材2に貫通形成された透光穴15内に配置され、軸方向両端面に夫々入射面21aと出射面21bを備えた透光材料から成る導光部材21と、透光穴15内に収容された導光部材21の入射面21aに光を入射させるLED、フィラメントランプ等の光源30と、透光穴15の出射側開口と対面するセルシート部分に形成された透光性を有した電飾図柄3aと、を備えている。光源30はプリント基板31によって支持されている。プリント基板31は遊技盤裏面にネジ止めしてもよいし、後述するように他の盤面部品を取り付けるためのベースを利用して固定してもよい。
導光部材本体22の出射面22bの一部、及び外周面を被覆する反射層25は、入射面22aから導光部材本体22内に入射した光源30からの光を反射させて集光し、減衰させることなく透光領域23から電飾図柄3aに向けて照射させるための機能を発揮する。
反射層25の外面に被覆された遮光層26は、反射層25を透過する漏れ光を遮蔽することにより透光領域23から電飾図柄3aへ向けて出射する光量、光度を高める。
介挿部材40は個々の導光部材本体22をその内部に嵌合し得るように中空円筒状に構成されると共に、筒状体である個々の介挿部材40は連設板41によって連設一体化されることにより介挿部材ユニットを構成している。図5(d)に示すように各介挿部材40の開口部40aの周縁には回り止め用の小切欠き40a’を設けると共に、この開口部40a内に嵌合される導光部材本体22にはこの小切欠き40a’に嵌合する小突起22’を設けて回り止めとしている。
この実施形態に係る電飾装置が図5の電飾装置と異なる点は、導光部材21が個々の独立した導光部材本体22によって構成されている訳ではなく、第1の実施形態と同様に同材料から成る連設板27により一体化された構成を有している点にある。複数の導光部材本体22を連設板27により一体化したことにより、ユニット化された各介挿部材40の開口内に導光部材本体22を嵌合させる作業を一括に行うことができ、また回り止めのための小切欠き40a’や小突起22’を形成する手数が省略できる。
このような不具合に対処する手法としては、例えば導光部材本体22の入射面22a、又は/及び、出射面22bをサンドブラスト加工により粗面化したり、ダイヤカット、ディンプル加工によって凹凸を形成することにより、導光部材本体内部での光の拡散を促進させて、透光領域23から出射されて電飾図柄3aに投影される光像中に気泡が目立たなくなるようにする方法を提案することができる。
この実施形態に係る電飾装置20に係る導光部材21は、導光部材本体22を透光穴15の軸方向長よりも短尺な第1の導光片50と、第1の導光片50の出射側端面50bに連設配置される第2の導光片55と、から構成している。即ち、導光部材本体22を軸方向に2分割した構成としている。
また、第1及び第2の導光片50、55の外周面、及び第2の導光片55の出射側端面55bには介挿部材40から成る非透光領域24が形成されている。
また、第1、及び第2の導光片50、55の入射側端面50a、55a、又は/及び、出射側端面50b、55bには、必要に応じて光拡散層60が配置されている。光拡散層60は、サンドブラスト加工、ダイヤカット加工、或いはディンプルカット加工等によって各端面に微小な凹凸を形成した構成を備え、各導光片50、55内部での光の拡散を促進して気泡を目立たなくする役割を発揮する。
なお、導光部材本体を、短尺化した2つの導光片50、55から構成したことにより、射出成形により製造する際に何れの導光片中にも気泡が発生しにくくなるという気泡発生防止効果も期待できる。
前記実施形態では、合板等の基材2に形成した円筒状の透光穴15内に円筒状の導光部材21を嵌合した構成例を示したが、導光部材を構成する導光部材本体22を、その端面形状が電飾図柄の発光領域と略同等の形状、寸法に設定された筒状体として構成してもよい。
即ち、この実施形態に係る導光部材本体22は、セルシート3側の電飾図柄3aの発光領域(この例では星形)と同等の端面形状を有した筒状体として構成されており、この導光部材本体22の入射面22a及び出射面22bを除いた外面には非透光領域24となる反射層25、及び遮光層26が形成、或いは配置されている。なお、図5に示した介挿部材40を利用した構成としてもよい。
このように導光部材21の少なくとも出射面の端面形状を電飾図柄の発光領域と同等の形状、寸法に設定し、外周面のみを反射層と遮光層とで被覆するので、各層を塗膜により形成する場合には、複雑な形状のマスクを用いることなく、入射面21aと出射面21bを単に塞いだだけの状態での塗装により各層を順次形成することができる。
図2(b)に示すように遊技盤1の裏面側から本発明の電飾装置を取り付ける際には、遊技盤に対して導光ユニットUを取り付けてから、LEDから成る光源30を前面に保持したプリント基板31を遊技盤裏面に固定することにより電飾装置を固定するが、この例はプリント基板31を遊技盤裏面に固定する手段として可変表示装置ベース70を兼用している点が特徴的である。
更に、遊技盤面に形成した透光穴内に樹脂製の導光部材を嵌合配置し、この導光部材の入射面側から光源光を照射して導光部材の出射面側に近接配置したセルシートに形成した電飾図柄を発光させるように構成した場合に、樹脂製の導光部材を成形する際に内部に形成され易い気泡の存在に起因して電飾効果が低下するという不具合を解決することができる。
Claims (10)
- 軸方向両端面に夫々入射面と出射面とを備えた透光材料から成る導光部材と、該導光部材を内部に収容する透光穴を貫通形成した基材、及び該基材前面に添設されたシート材を備えた遊技盤と、前記透光穴内に収容された前記導光部材の入射面に光を入射させる光源と、前記透光穴の出射側開口と対面する前記シート材部分に形成された透光性を有した電飾図柄と、を備えたパチンコ遊技機の電飾装置において、
前記導光部材は、透光材料から成る複数の導光部材本体と、前記各導光部材本体を連設一体化する透光材料から成る連設板と、前記導光部材本体の出射面に設けられた透光領域と、該透光領域と前記入射面を除いた導光部材本体外面、前記連設板の外側面、及び前記各導光部材本体の入射面を除いた前記連設板の内側面を被覆する非透光領域と、を備え、
前記非透光領域は、前記導光部材本体外面、前記連設板の外側面、及び前記連設板の内側面を被覆する反射層と、該反射層を被覆する遮光層と、を備えていることを特徴とする電飾装置。 - 前記反射層は白色であり、前記遮光層は黒色であることを特徴とする請求項1に記載の電飾装置。
- 前記反射層及び前記遮光層は、前記導光部材本体の外面に順次塗布された塗膜であることを特徴とする請求項1又は2に記載の電飾装置。
- 前記導光部材本体の入射面、又は/及び、出射面には、光拡散層が配置されていることを特徴とする請求項1乃至3の何れか一項に記載の電飾装置。
- 前記導光部材本体と前記透光穴内壁との間には低摩擦抵抗材料から成る介挿部材が配置されており、前記反射層、及び/又は、前記遮光層は、前記介挿部材の内壁に形成されていることを特徴とする請求項1又は2に記載の電飾装置。
- 前記導光部材本体と前記透光穴内壁との間には低摩擦抵抗材料から成る介挿部材が配置されており、前記介挿部材を構成する材料自体が前記遮光層を構成していることを特徴とする請求項1又は2に記載の電飾装置。
- 前記導光部材本体は、前記透光穴の軸方向長よりも短尺な第1の導光片と、該第1の導光片の出射面に連設配置される第2の導光片と、を備え、
前記第2の導光片の入射側端面、又は/及び、出射側端面には、光拡散層が配置されていることを特徴とする請求項5又は6に記載の電飾装置。 - 前記光拡散層は、サンドブラス、ダイヤカット、或いはディンプルカットの少なくとも一つの加工法によって形成されていることを特徴とする請求項4又は7に記載の電飾装置。
- 前記導光部材は、その端面形状が前記電飾図柄の発光領域と略同等の形状、寸法に設定された筒状体から成る前記導光部材本体を備えていることを特徴とする請求項1乃至8の何れか一項に記載の電飾装置。
- 前記各導光部材の入射面と夫々対向配置された光源と、各光源を支持するプリント基板と、を備えたことを特徴とする請求項1乃至9の何れか一項に記載の電飾装置。
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