JP4900037B2 - 排気ガス浄化用触媒の製造装置および製造方法 - Google Patents

排気ガス浄化用触媒の製造装置および製造方法 Download PDF

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本発明は、排気ガス浄化用触媒の製造装置および製造方法に関し、より詳しくは、軸方向に伸延する複数の通路を有するモノリス担体の当該通路に触媒成分を含有するスラリを充填し、余剰のスラリを吸引除去して前記モノリス担体の通路の内表面上に触媒担持層をコーティングする排気ガス浄化用触媒の製造装置および製造方法に関する。
自動車等の排気ガス中の有害な成分を無害な成分に変換するため、排気ガス浄化用触媒が使用されている。
このような排気ガス浄化用触媒は、一般に、軸方向に伸延する複数の通路を有するモノリス担体の当該通路の内表面上に触媒担持層をコーティングすることにより製造される。モノリス担体に触媒担持層をコーティングする場合、モノリス担体の通路に触媒成分を含有するスラリが充填された後に、例えば余剰のスラリが吸引除去される(特許文献1参照)。
余剰のスラリの吸引は、余剰のスラリを回収するための回収槽に接続されたブロアを作動させることにより一定時間連続的に行われる。吸引の際、回収槽内にてスラリと空気とが分離され、分離された余剰のスラリは回収される。そして、回収されたスラリは、再度コーティングに利用される。
特開2003−305372号公報
しかしながら、上記従来の技術にあっては、モノリス担体から吸引除去された余剰のスラリは、ブロアの吸引方向に沿う、すなわち回収槽のブロアとの接続口に向かう空気の流れに乗って飛散する。このとき、スラリは、液滴となって回収槽内の壁面の広範囲に付着するため表面積が大きくなって、乾燥、固形化し易くなる。スラリを再利用するには液体で回収する必要があるため、このように固形化したスラリは材料ロスとなってしまう。しかも、スラリは一般に高価であるため、材料ロスは大きな問題である。
また、上記従来の技術では、液滴となり飛散したスラリの一部が吸引用のブロアに吸い込まれて、ブロア保護用のフィルタを目詰まりさせてしまうといった問題もある。この場合、ブロアの吸引力(流速)が低下し、余剰のスラリをモノリス担体から除去しきれず、製品不良に繋がる虞がある。一方、スラリがブロアに吸い込まれないようにするためには、数枚の板で回収槽内の部屋を仕切る必要があるが、回収槽自体を大きしなければならないという別の問題が発生する。
本発明は、上述した問題を解決するためになされたものであり、本発明の目的は、モノリス担体から吸引される余剰のスラリの飛散を防止することにより、スラリの液体での回収率を向上させるとともに、スラリの吸引装置への吸い込みを防止することができる、排気ガス浄化用触媒の製造装置および製造方法を提供することにある。
上記目的を達成するための本発明の一側面は、軸方向に伸延する複数の通路を有するモ
ノリス担体の当該通路に触媒成分を含有するスラリを充填し、余剰のスラリを吸引除去し
て前記モノリス担体の通路の内表面上に触媒担持層をコーティングする排気ガス浄化用触
媒の製造装置であって、吸引装置に接続可能な開口部が形成された前記余剰のスラリを回
収するための回収槽と、前記モノリス担体からの前記余剰のスラリを前記回収槽内に導く
ための導管と、前記回収槽内にて前記導管と同軸上に配置され前記導管の外径よりも大きい内径を有する管状体とを有し、前記管状体は、前記導管の下端面に対して少なくとも部分的に下方となるように配置され、前記開口部は前記回収槽の上方であって、吸引力を作用させる位置に設けられ、前記導管の下端面から前記管状体の上端面までの鉛直方向位置範囲が、前記導管の下端面よりも20mm下方の鉛直方向位置と前記導管の下端面よりも20mm上方の鉛直方向位置との間であり、かつ前記導管の管路断面積に対する前記管状体の管路断面積比範囲が12.25未満であることを特徴とする。
また、上記目的を達成するための本発明の一側面は、軸方向に伸延する複数の通路を有するモノリス担体の当該通路の内表面上に触媒担持層をコーティングする排気ガス浄化用触媒の製造方法であって、前記モノリス担体の通路に触媒成分を含有するスラリを充填する段階と、余剰のスラリを回収するための回収槽に接続された吸引装置を作動させることにより、前記モノリス担体からの余剰のスラリを前記回収槽内に導くための導管と、前記回収槽内にて前記導管と同軸上に配置され前記導管の外径よりも大きい内径を有する管状体とを介して、前記モノリス担体からの余剰のスラリを吸引除去する段階とを有し、前記管状体は、前記導管の下端面に対して少なくとも部分的に下方となるように配置され、前記吸引装置に接続可能な開口部が前記回収槽の上方であって、吸引力を作用させる位置に設けられ、前記導管の下端面から前記管状体の上端面までの鉛直方向位置範囲が、前記導管の下端面よりも20mm下方の鉛直方向位置と前記導管の下端面よりも20mm上方の鉛直方向位置との間であり、かつ前記導管の管路断面積に対する前記管状体の管路断面積比範囲が12.25未満であることを特徴とする。
本発明によれば、モノリス担体からの余剰のスラリを回収槽内に導くための導管の下端面に対して少なくとも部分的に下方となるように管状体を設置し、開口部が回収槽の上方であって、吸引力を作用させる位置に設けられ、導管の下端面から管状体の上端面までの鉛直方向位置範囲が、導管の下端面よりも20mm下方の鉛直方向位置と導管の下端面よりも20mm上方の鉛直方向位置との間であり、かつ導管の管路断面積に対する管状体の管路断面積比範囲が12.25未満となるように構成しているので、吸引された余剰のスラリは、吸引装置の吸引力を直接受けずに落下することが可能となる。ここで、管状体は、吸引装置の吸引力を直接受ける抵抗体として働く。つまり、吸引力を分散させる効果があり、これによりスラリは下方に落ち易くなる。また、吸引された余剰のスラリが管状体の内壁面に当たって落下するものもある。したがって、高価な余剰のスラリを液体としてより多く回収可能となり、回収ロスを低減することができる。
また、吸引された余剰のスラリは、吸引装置の吸引力を直接受けないため、吸引装置の方に吸い込まれにくくなり、吸引装置保護用のフィルタの目詰まりを防止できる。これにより、吸引装置の吸引力(流速)の低下を防止することができ、製品の不良率の低減、品質の安定化が図られる。
さらに、スラリの吸引装置の方への吸い込みを防止する目的で数枚の板で回収槽内の部屋を仕切る必要が無くなり、回収槽自体をコンパクトにすることができる。
以下、本発明の実施の形態を、図面を参照して詳細に説明する。
図1は、本発明の一実施形態にかかる排気ガス浄化用触媒の製造装置の全体構成を概略で示す。図1に示される排気ガス浄化用触媒の製造装置1は、軸方向に伸延する複数の通路を有するモノリス担体2の当該通路に触媒成分を含有するスラリを充填し、余剰のスラリを吸引除去してモノリス担体2の通路の内表面上に触媒担持層をコーティングするものである。
排気ガス浄化用触媒の製造装置1は、スラリをモノリス担体2に充填するための充填ステージ3と、モノリス担体2から余剰のスラリを吸引するための吸引ステージ4とを有している。モノリス担体2は、搬送装置5により、充填ステージ3や吸引ステージ4に移動搬送させられる。搬送装置5は、モノリス担体2を保持するとともに上下反転可能なチャック機構6を備えている。
モノリス担体2は、充填ステージ3において、上部シール部7と下部シール部8との間に挟まれて外界からシールされる。充填ステージ3の下方には、充填用のスラリを収容するためのスラリタンク9が設置されており、攪拌機11によりスラリタンク9内のスラリが攪拌され得る。このスラリタンク9には、充填用のスラリがポンプ10の作動によって供給されるとともに、純水の供給も行われる。充填ステージ3にモノリス担体2がセットされた状態で圧縮エアが真空レギュレータ12を介して供給されると、上部シール部7の上部に負圧が形成される結果、スラリタンク9からスラリが吸い上げられてスラリの液面が上昇する。これにより、スラリがモノリス担体2に充填される。
スラリが充填されたモノリス担体2は、吸引ステージ4に搬送させられて、下部シール部13により下端面が外界からシールされる。吸引ステージ4の下方には、余剰のスラリを回収するための回収槽14が設置されている。吸引ステージ4にスラリが充填されたモノリス担体2がセットされた状態でブロア15が作動されると、余剰のスラリに対する吸引力が働く。吸引の際、回収槽14内にてスラリと空気とが分離され、空気はフィルタ22を通過して排出される。一方、余剰のスラリは、ポンプ23の作動によってスラリタンク9に戻される。
モノリス担体2は、モノリスタイプのセラミックス製若しくは金属箔製の各種形状を有する触媒担体である。例えば、セラミックス製のモノリス担体2としては、コージェライト、ムライト、α−アルミナ、ジルコニア、チタニア、リン酸チタン、アルミニウムチタネート、ベタライト、スポジュメン、アルミノシリケート、マグネシウムシリケート等の材料からなり、円形、楕円形などの断面形状を有するハニカム担体が挙げられる。ガスの通路(セル)の断面形状は、六角形、四角形、三角形、コルゲーション形のいずれでもよく、任意である。セル密度としては、1平方インチ当たり100〜1500セルが例示される。
スラリに含まれる触媒成分としては、白金、パラジウム、ロジウム等の貴金属、ランタン、セリウム等の希土類元素(酸化物)、バリウム等のアルカリ土類金属(酸化物)、鉄、コバルト、ニッケル、チタン、イットリウム等の金属(酸化物)、耐火性無機酸化物、などの通常排気ガス浄化用触媒を構成する成分が挙げられる。ここで、耐火性無機酸化物としては、α−アルミナ、若しくはγ、δ、η、θなどの活性アルミナ、チタニア、ジルコニア、シリカ、またはこれらの複合酸化物、例えばアルミナ−チタニア、アルミナ−ジルコニア、チタニア−ジルコニアなどが挙げられ、平均一次粒径としては、10〜150μm、好ましくは30〜80μmが例示される。
スラリの粘度としては、1〜100,000cps、好ましくは5〜10,000cps、より好ましくは10〜1,000cpsが例示される。また、スラリの固形分濃度としては、1〜80wt%、好ましくは3〜70wt%、より好ましくは5〜60wt%が例示される。これらの範囲内の粘度、固形分濃度であれば触媒担持層のコーティングを良好に行うことができる。
図2は、排気ガス浄化用触媒の製造装置1の回収槽14周辺の概略拡大断面図である。
図2に示すように、排気ガス浄化用触媒の製造装置1は、余剰のスラリを回収するための前述した回収槽14と、モノリス担体からの余剰のスラリを回収槽14内に導くための導管16と、回収槽14内にて導管16と同軸上に配置される管状体17とを有している。そして、回収槽14の壁面(ここでは上面)には、吸引装置としてのブロア15に接続可能な開口部18が形成されている。また、回収槽14は、管状体17の下方に位置される余剰のスラリの回収用の回収口19を有している。なお、管状体17は、例えば、回収槽14の内側壁に固定された水平方向に伸延する図示しない一対の支持棒により支持される。
図3は、導管16および管状体17周辺の拡大断面図である。
図3に示すように、管状体17の内径D2は、導管16の内径D1よりも大きい。また、管状体17は、導管16の下端面に対して少なくとも部分的に下方となるように配置されている。
図4は、管状体17を設けた場合のスラリに働く吸引力を説明するための図、図5は、管状体17を設けない場合のスラリに働く吸引力を説明するための図である。
図4に示すように、本実施形態によれば、吸引用の導管16の下端面16aに対して少なくとも部分的に下方となるように管状体17を設置しているので、吸引された余剰のスラリは、ブロア15の吸引力を直接受けずに落下することが可能となる。ここで、管状体17は、ブロア15の吸引力を直接受ける抵抗体として働く。つまり、図4中の矢印20で示すように、吸引力を分散させる効果があり、これによりスラリは下方に落ち易くなる。また、吸引された余剰のスラリが管状体17の内壁面に当たって落下するものもある。したがって、高価な余剰のスラリを液体としてより多く回収可能となり、材料ロスを低減することができる。
また、吸引された余剰のスラリは、ブロア15の吸引力を直接受けないため、ブロア15の方に吸い込まれにくくなり、フィルタ22の目詰まりを防止できる。これにより、ブロア15の吸引力(流速)の低下を防止することができ、製品の不良率の低減、品質の安定化が図られる。
さらに、スラリのブロアの方への吸い込みを防止する目的で数枚の板で回収槽14内の部屋を仕切る必要が無くなり、回収槽14自体をコンパクトにすることができる。
一方、図5に示すように、管状体17を設けない場合には、余剰のスラリは、ブロア15の吸引方向に沿う図5中の矢印21で示す空気の流れに乗って飛散し、液滴となって回収槽内の壁面に付着して乾燥、固形化し易くなり、材料ロスの増大を招く。
本実施形態では、管状体17の上端面17aは、導管16の下端面16aに対する所定の鉛直方向位置範囲に設定される。より具体的には、導管16の下端面16aに対する管状体17の上端面17aの所定の鉛直方向位置範囲は、導管16の下端面16aよりも5mm下方の鉛直方向位置と導管16の下端面16aよりも15mm上方の鉛直方向位置との間であることが望ましく、導管16の下端面16aの鉛直方向位置と導管16の下端面16aよりも12mm上方の鉛直方向位置との間であることがより望ましい。
換言すれば、図3に示すように、導管16の下端面16aの鉛直方向位置を基準点とした場合の、管状体17の上端面17aの鉛直方向位置をオフセット量L2(鉛直上方をプラスとする)としたとき、オフセット量L2=−5〜15(mm)であることが望ましく、L2=0〜12(mm)であることがより望ましい。これは、オフセット量L2が15mmを超えると、管状体17の上方に抜ける上昇気流が発生してしまい、余剰のスラリが上方に飛散して回収できないものが多くなる一方で、オフセット量L2が−5mmよりも小さいと、管状体17はブロア15の吸引力を直接受ける抵抗体として機能しにくくなり、吸引力があまり分散しなくなるからである。
本実施形態のようにオフセット量L2=−5〜15(mm)とすることにより、余剰のスラリの回収率を90%以上とすることができ、オフセット量L2=0〜12(mm)とすることにより、余剰のスラリの回収率を95%以上とすることができる(図9参照)。ここで、回収率が90%以下の場合、回収される余剰のスラリは乾燥片を含むものとなって、品質上再利用するには必ずしも適したものとは言えない。したがって、回収率90%以上を確保することにより、余剰のスラリを液滴で回収することが可能となるため、再利用し易くなる。
また本実施形態では、管状体17の管路断面積(π*(D2)/4)は、導管16の管路断面積(π*(D1)/4)に対して所定の断面積比範囲に設定される。ここで、断面積比は、(D2/D1)で求められる。より具体的には、断面積比範囲は2〜7倍であることが望ましく、3〜6倍であることがより望ましい。これは、断面積比が2よりも小さいと、管状体17が存在しない場合に近い状態であるため吸引力の分散が期待できなくなる一方で、断面積比が7よりも大きいと、管状体17はブロア15の吸引力を直接受ける抵抗体として機能しにくくなり、吸引力があまり分散しなくなるからである。また、断面積比が7よりも大きいと、回収槽14自体が大きくなってしまい、飛散したスラリがより乾燥し易くなる欠点があり、実用上有効性に乏しい。
本実施形態のように断面積比を2〜7倍とすることにより、余剰のスラリの回収率を90%以上とすることができ、断面積比を3〜6倍とすることにより、余剰のスラリの回収率を95%以上とすることができる(図10参照)。ここで、回収率90%以上を確保することにより、余剰のスラリを液滴で回収することが可能となるため、再利用し易くなることは、上述した通りである。
また、導管16の断面形状と管状体17の断面形状とは、必ずしも円筒形状でなくてもよいが(例えば正八角形等の多角形、楕円形)、相似形であることが望ましい。導管16の断面形状と管状体17の断面形状とが異なる形状の場合、導管16と管状体17の間の空気通路の幅が周方向位置によって変化する結果、空気の流れに乱れが生じ、部分的にスラリが飛散することがあるからである。両断面形状を相似形とすることにより、導管16と管状体17の間の空気通路の幅が周方向で同じになる。これにより、スラリに対する吸引力が均等に分散されて、回収率を向上させることができる。
また、管状体17の下端面17bと回収口19との鉛直方向距離L4は20〜100mmに設定されることが望ましい(図6参照)。これは、鉛直方向距離L4が20mmよりも小さい場合、上昇気流が発生してしまい、余剰のスラリが上方に飛散して回収できないものが多くなる一方で、鉛直方向距離L4が100mmよりも大きい場合、余剰のスラリが回収口19付近に落下することができずに、開口部18に向かう気流によって飛散する虞があるからである。
本発明は、上述の実施形態にのみ限定されるものではなく、本発明の技術的概念から逸脱することなく、種々様々な変更あるいは修正を実施することができるものである。
本発明の効果を、以下の実施例および比較例を用いて説明する。ただし、本発明の技術的範囲が以下の実施例に限定されるものではない。
図6は、排気ガス浄化用触媒の製造装置の実施例を説明するための図、図7は、排気ガス浄化用触媒の製造装置の比較例を説明するための図である。図6において、L1は導管16の軸方向長さ(mm)、L3は管状体17の軸方向長さ(mm)を示す。
(比較例)
比較例では、導管16の内径D1=50(mm)、導管16の長さL1=300mmとした。
スラリは、活性アルミナ(比表面積150m/g)75重量部と酸化セリウム25重量部を混合した粉末10,000g、塩酸解膠ベーマイトゾル11,420g、純水10,000gをバッチ型振動ミルで混合、粉砕して得た。該スラリの固形分は36wt%で粘度10cpsであった。
ワークは、セラミック製のモノリス担体であり、1平方インチ当たり300セルを有する容量0.92Lの担体を使用した。
まず、自動車用触媒成分を含むスラリをワークであるモノリス担体に充填した。ここで、1回の充填に使用するスラリ量は1kgとした。続いて、余剰分のスラリを吸引除去した。このときの吸引は、吸引圧5kPa、流速12.3m/min、吸引時間3秒で行った。吸引除去されたスラリは、ポンプにて回収した。ワークであるモノリス担体を交換し、連続10個のワークに対してコーティングを実施した。
そして、回収されたスラリの量を測定した。回収率は80%であった。ここで、回収率は、全体のスラリ使用量から10個分のコート量を差し引いたものを100%として計算を行った。なお、コート量は、モノリス担体の重量変化によって求めた。
この比較例に対して、管状体17を追加して設けるとともに、導管16の内径D1および長さL1、管状体17の内径D2および長さL3、導管16の下端面16aの鉛直方向位置を基準点とした場合の管状体17の上端面17aの鉛直方向位置であるオフセット量L2、管状体17の下端面17bと回収口19との鉛直方向距離L4、をそれぞれ変更して構成した実施例1〜15について、回収率を測定した。
(実施例1)
実施例1では、D1=50(mm)、D2=100(mm)、L1=300(mm)、L2=−20(mm)、L3=120(mm)、L4=60(mm)とした(図6参照)。この場合のオフセット量(L2)は、−20(mm)である。その他は上記比較例と同様の条件でコーティングを実施したところ、回収率は81%であった。
(実施例2)
実施例2では、D1=50(mm)、D2=100(mm)、L1=300(mm)、L2=−10(mm)、L3=120(mm)、L4=60(mm)とした(図6参照)。この場合のオフセット量(L2)は、−10(mm)である。その他は上記比較例と同様の条件でコーティングを実施したところ、回収率は85%であった。
(実施例3)
実施例3では、D1=50(mm)、D2=100(mm)、L1=300(mm)、L2=0(mm)、L3=120(mm)、L4=60(mm)とした(図6参照)。この場合のオフセット量(L2)は、0(mm)である。その他は上記比較例と同様の条件でコーティングを実施したところ、回収率は96%であった。
(実施例4)
実施例4では、D1=50(mm)、D2=100(mm)、L1=300(mm)、L2=20(mm)、L3=120(mm)、L4=60(mm)とした(図6参照)。この場合のオフセット量(L2)は、20(mm)である。その他は上記比較例と同様の条件でコーティングを実施したところ、回収率は82%であった。
(実施例5)
実施例5では、D1=50(mm)、D2=75(mm)、L1=300(mm)、L2=10(mm)、L3=120(mm)、L4=60(mm)とした(図6参照)。この場合の断面積比(D2/D1)は、2.25倍である。その他は上記比較例と同様の条件でコーティングを実施したところ、回収率は92%であった。
(実施例6)
実施例6では、D1=50(mm)、D2=100(mm)、L1=300(mm)、L2=10(mm)、L3=120(mm)、L4=60(mm)とした(図6参照)。この場合の断面積比(D2/D1)は、4倍である。また、この場合のオフセット量(L2)は、10(mm)である。その他は上記比較例と同様の条件でコーティングを実施したところ、回収率は98%であった。
(実施例7)
実施例7では、D1=50(mm)、D2=125(mm)、L1=300(mm)、L2=10(mm)、L3=120(mm)、L4=60(mm)とした(図6参照)。この場合の断面積比(D2/D1)は、6.25倍である。その他は上記比較例と同様の条件でコーティングを実施したところ、回収率は95%であった。
(実施例8)
実施例8では、D1=50(mm)、D2=150(mm)、L1=300(mm)、L2=10(mm)、L3=120(mm)、L4=60(mm)とした(図6参照)。この場合の断面積比(D2/D1)は、9倍である。その他は上記比較例と同様の条件でコーティングを実施したところ、回収率は82%であった。
(実施例9(参考例)
実施例9では、D1=50(mm)、D2=175(mm)、L1=300(mm)、L2=10(mm)、L3=120(mm)、L4=60(mm)とした(図6参照)。この場合の断面積比(D2/D1)は、12.25倍である。その他は上記比較例と同様の条件でコーティングを実施したところ、回収率は80%であった。
(実施例10)
実施例10では、D1=100(mm)、D2=200(mm)、L1=300(mm)、L2=0(mm)、L3=120(mm)、L4=60(mm)とした(図6参照)。その他は上記比較例と同様の条件でコーティングを実施したところ、回収率は97%であった。
(実施例11)
実施例11では、D1=100(mm)、D2=200(mm)、L1=300(mm)、L2=10(mm)、L3=120(mm)、L4=60(mm)とした(図6参照)。その他は上記比較例と同様の条件でコーティングを実施したところ、回収率は98%であった。
(実施例12)
実施例12では、D1=100(mm)、D2=200(mm)、L1=300(mm)、L2=20(mm)、L3=120(mm)、L4=60(mm)とした(図6参照)。その他は上記比較例と同様の条件でコーティングを実施したところ、回収率は85%であった。
(実施例13)
実施例13では、D1=50(mm)、D2=100(mm)、L1=300(mm)、L2=0(mm)、L3=60(mm)、L4=60(mm)とした(図6参照)。その他は上記比較例と同様の条件でコーティングを実施したところ、回収率は90%であった。
(実施例14)
実施例14では、D1=50(mm)、D2=100(mm)、L1=240(mm)、L2=0(mm)、L3=120(mm)、L4=120(mm)とした(図6参照)。その他は上記比較例と同様の条件でコーティングを実施したところ、回収率は83%であった。
(実施例15)
実施例15では、D1=50(mm)、D2=100(mm)、L1=360(mm)、L2=0(mm)、L3=120(mm)、L4=0(mm)とした(図6参照)。その他は上記比較例と同様の条件でコーティングを実施したところ、回収率は85%であった。
図8は、排気ガス浄化用触媒の製造装置の実施例および比較例の構成と評価結果である回収率とを一覧で示す図、図9は、オフセット量(L2)と回収率との関係を示すグラフ、図10は、断面積比(D2/D1)と回収率との関係を示すグラフである。
図9および図10は、図8に記載されたデータを用いて作成したものであり、図9では断面積比が同じ(4倍)であるデータを使用し、図10ではオフセット量(L2)が同じ(10mm)であるデータを使用した。
図9に示すように、オフセット量L2=−5〜15(mm)とすることにより、余剰のスラリの回収率を90%以上確保でき、オフセット量L2=0〜12(mm)とすることにより、余剰のスラリの回収率を95%以上確保できることがわかる。
また、図10に示すように、断面積比を2〜7倍とすることにより、余剰のスラリの回収率を90%以上確保でき、断面積比を3〜6倍とすることにより、余剰のスラリの回収率を95%以上確保できることがわかる。
また、実施例3、14、15の結果から、管状体17の下端面17bと回収口19との鉛直方向距離L4は、余剰のスラリの回収率を90%以上確保するためには、20〜100mm程度に設定されることが望ましいことがわかる。
本発明の一実施形態にかかる排気ガス浄化用触媒の製造装置の全体構成を概略で示す。 排気ガス浄化用触媒の製造装置の回収槽周辺の概略拡大断面図である。 導管および管状体周辺の拡大断面図である。 管状体を設けた場合のスラリに働く吸引力を説明するための図である。 管状体を設けない場合のスラリに働く吸引力を説明するための図である。 排気ガス浄化用触媒の製造装置の実施例を説明するための図である。 排気ガス浄化用触媒の製造装置の比較例を説明するための図である。 排気ガス浄化用触媒の製造装置の実施例および比較例の構成と評価結果である回収率とを一覧で示す図である。 オフセット量と回収率との関係を示すグラフである。 断面積比と回収率との関係を示すグラフである。
符号の説明
1 排気ガス浄化用触媒の製造装置、
2 モノリス担体、
3 充填ステージ、
4 吸引ステージ、
5 搬送装置、
6 チャック機構、
7 上部シール部、
8 下部シール部、
9 スラリタンク、
10 ポンプ、
11 攪拌機、
12 真空レギュレータ、
13 下部シール部、
14 回収槽、
15 ブロア(吸引装置)、
16 導管、
16a 導管の下端面、
17 管状体、
17a 管状体の上端面、
17b 管状体の下端面、
18 開口部、
19 回収口、
22 フィルタ、
23 ポンプ。

Claims (6)

  1. 軸方向に伸延する複数の通路を有するモノリス担体の当該通路に触媒成分を含有するスラリを充填し、余剰のスラリを吸引除去して前記モノリス担体の通路の内表面上に触媒担持層をコーティングする排気ガス浄化用触媒の製造装置であって、
    吸引装置に接続可能な開口部が形成された前記余剰のスラリを回収するための回収槽と、
    前記モノリス担体からの前記余剰のスラリを前記回収槽内に導くための導管と、
    前記回収槽内にて前記導管と同軸上に配置され前記導管の外径よりも大きい内径を有する管状体とを有し、
    前記管状体は、前記導管の下端面に対して少なくとも部分的に下方となるように配置され
    前記開口部は前記回収槽の上方であって、吸引力を作用させる位置に設けられ、
    前記導管の下端面から前記管状体の上端面までの鉛直方向位置範囲が、前記導管の下端面よりも20mm下方の鉛直方向位置と前記導管の下端面よりも20mm上方の鉛直方向位置との間であり、かつ前記導管の管路断面積に対する前記管状体の管路断面積比範囲が12.25未満であることを特徴とする排気ガス浄化用触媒の製造装置。
  2. 前記導管の下端面から前記管状体の上端面までの鉛直方向位置範囲が、前記導管の下端面よりも5mm下方の鉛直方向位置と前記導管の下端面よりも15mm上方の鉛直方向位置との間であることを特徴とする請求項1に記載の排気ガス浄化用触媒の製造装置。
  3. 前記断面積比範囲は2〜7倍であることを特徴とする請求項1又は2に記載の排気ガス浄化用触媒の製造装置。
  4. 前記導管の断面形状と前記管状体の断面形状とは相似形であることを特徴とする請求項1〜3のいずれか1つに記載の排気ガス浄化用触媒の製造装置。
  5. 前記回収槽は、前記管状体の下方に位置される前記余剰のスラリの回収用の回収口を有し、
    前記管状体の下端面と前記回収口との鉛直方向距離は20〜100mmに設定されることを特徴とする請求項1〜4のいずれか1つに記載の排気ガス浄化用触媒の製造装置。
  6. 軸方向に伸延する複数の通路を有するモノリス担体の当該通路の内表面上に触媒担持層をコーティングする排気ガス浄化用触媒の製造方法であって、
    前記モノリス担体の通路に触媒成分を含有するスラリを充填する段階と、
    余剰のスラリを回収するための回収槽に接続された吸引装置を作動させることにより、前記モノリス担体からの余剰のスラリを前記回収槽内に導くための導管と、前記回収槽内にて前記導管と同軸上に配置され前記導管の外径よりも大きい内径を有する管状体とを介して、前記モノリス担体からの余剰のスラリを吸引除去する段階とを有し、
    前記管状体は、前記導管の下端面に対して少なくとも部分的に下方となるように配置され、
    前記吸引装置に接続可能な開口部が前記回収槽の上方であって、吸引力を作用させる位置に設けられ、
    前記導管の下端面から前記管状体の上端面までの鉛直方向位置範囲が、前記導管の下端面よりも20mm下方の鉛直方向位置と前記導管の下端面よりも20mm上方の鉛直方向位置との間であり、かつ前記導管の管路断面積に対する前記管状体の管路断面積比範囲が12.25未満であることを特徴とする排気ガス浄化用触媒の製造方法。
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