JP4898336B2 - トナー搬送装置、現像装置及びこれを備えた画像形成装置 - Google Patents

トナー搬送装置、現像装置及びこれを備えた画像形成装置 Download PDF

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Description

本発明は、トナー搬送装置、特に、搬送中のトナーが凝集するのを抑えることができるトナー搬送装置に関する。また、本発明は、一成分トナー(以下、単に「トナー」と言う場合がある)を用いて現像を行う現像装置に関し、特に、現像装置内におけるトナーの凝集を抑えることのできる現像装置、及びこれを備えた画像形成装置に関する。
一般に、電子写真現像法のプリンタやファクシミリ、複写機などの画像形成装置には、トナーを収容する現像装置が設けられている。この現像装置によって、画像データに基づく静電潜像が形成された感光体の表面にトナー像が形成される。
ここで、現像装置には、トナーを収容する容器と、容器内に回転自在に設けられた現像ローラ及びトナー搬送部材等が設けられているが、容器内におけるトナーの流動性が低下した場合、トナー搬送性が低下し、容器内にトナーが滞留しやすくなる。その結果、長期間の使用により、容器内に滞留したトナーが凝集するとともに、この凝集トナーがスパイラル状の羽根を有するトナー搬送部材に付着してしまう。このようにトナー搬送部材にトナーが付着すると、容器内のトナー撹拌部材によってトナーが撹拌されても、凝集状態が改善されず、トナーかぶり等の異常画像の発生原因になるという問題がある。このような問題は、例えば、感光体上に残留したトナーを、クリーニング装置により除去した後に、搬送装置を介して現像装置に戻して再利用する形式のトナーリサイクル機構においても同様に生じる問題である。
そこで、上記問題点を改善するための種々の画像形成装置が提案されている。例えば、特開2004−177754号公報に示された装置では、クリーニング装置により除去したトナーを現像装置に戻すための回転推進式搬送手段が示されており、この装置において、リサイクルトナーに残存する凝集トナーを崩すためのトナー崩し部材が設けられている。このトナー崩し部材は、弾性を有するPETフィルムシートからなり、スパイラル形状を有する回転推進式搬送手段の回転時に、外部から力を付与されて変形する舌片を有している。そして、この舌片を有するトナー崩し部材により凝集トナーが崩されるようになっている。
しかし、上記従来の画像形成装置においては、トナー崩し部材が、回転推進式搬送手段が有するスパイラル状の羽根の進行方向にのみ移動(即ち、回転推進式搬送手段の軸の長手方向にのみ弾性変形)する構成としているため、回転推進式搬送手段が有するスパイラル状の羽根及び軸に付着したトナーを十分に掻き落とすことができない。その結果、凝集トナーの発生を十分に抑制することができない。
特開2004−177754号公報
以上のような従来の問題を解消するために、本件出願人は、凝集トナーの発生を効果的に抑えることのできるトナー搬送装置を既に出願している(特願2005−089217)。このトナー搬送装置を現像装置に用いた場合の例を図1及び図2に示す。
図1は、画像形成装置の感光体101と現像装置102とを示したものである。現像装置102は、容器103と、現像ローラ104と、第1及び第2スパイラル部材105,106とを備えている。各スパイラル部材105,106は、回転可能な軸105a,106aと、軸105a,106aの周面に設けられた羽根105b,106bとからなり、回転することにより、トナーを各軸の長手方向に搬送する。なお、第1スパイラル部材105と第2スパイラル部材106との間には、仕切り部材107が設けられている。
そして、容器103の上部における内壁には支持部材110が設けられており、この支持部材110に、両スパイラル部材105,106に付着したトナーを除去するためのトナー除去部材111,112が設けられている。各トナー除去部材111,112は、図1及び図2に示すように、弾性を有する金属線材により形成されており、その先端は対応する各スパイラル部材105,106の表面に接触するように設けられている。なお、図2では、第1スパイラル部材105と、この第1スパイラル部材105に対応して設けられたトナー除去部材111とを示しているが、トナー除去部材111は、複数のトナー除去部材のうちの1つのみを示し、他は省略している。
以上のような構成では、次のようにして各スパイラル部材105,106に付着したトナーがトナー除去部材によって除去される。
すなわち、各スパイラル部材105,106の回転に伴い、スパイラル状の羽根105b,106bが、見かけ上、各軸105a,106aの長手方向に移動する。すると、各スパイラル部材105,106と接触するトナー除去部材111,112の先端部を含む下端部分が、羽根105b,106bから力を受けて弾性変形しながら、羽根105b,106bに圧接する。このようなトナー除去部材111,112の接触によって、各スパイラル部材105,106に付着するトナーが掻き取られる。
以上のような構成において、スパイラル部材の羽根の形状やピッチ、トナー除去部材の取付位置や形状によっては、十分にトナー除去効果が得られない場合がある。すなわち、トナー除去部材111がスパイラル部材105の回転に伴って弾性変形し、図2(b)に示すように、トナー除去部材111の先端側のトナー掻き取り部分が羽根を乗り越して反対側に移動してしまう場合がある。また、図3(a)〜(d)に示すように、羽根の螺旋ピッチが小さい場合には、トナー除去部材111の図のX方向(軸方向)における移動ストロークが短くなり、トナー除去部材111の移動が、ほぼ図のZ方向だけになってしまう。そうすると、羽根の表面に付着したトナーは円周状に掻き取られ、掻き取られない部分はトナーが溜まっていくことになる。この場合は、トナーの搬送能力が低下し、また容器内においてトナーを十分に攪拌することができなくなってしまう。
本発明の課題は、トナー搬送部材にトナー除去部材を設けた構成において、トナーを効率よく攪拌することができるとともに、トナー除去部材によるトナーの除去効果を向上することにある。
本発明に係るトナー搬送装置は、トナーを収納する容器と、搬送部材と、複数のトナー除去部材と、を備えている。搬送部材は、容器内に設けられた回転可能な軸と、軸の周面に設けられたトナー搬送部とからなり、回転することにより、トナーを軸方向に搬送する。複数のトナー除去部材は、搬送部材の少なくともトナー搬送部の表面に接触可能なように設けられ、搬送部材の回転により弾性変形して搬送部材に付着したトナーを除去する。そして、搬送部材のトナー搬送部にはトナー搬送速度を他の部分に比較して低下させる複数のトナー滞留部が軸方向に沿って間欠的に設けられている。
このトナー搬送装置では、容器内で搬送部材が回転し、これにより搬送部材の軸方向に沿ってトナーが搬送される。ここで、複数のトナー除去部材が搬送部材の少なくともトナー搬送部の表面に接触するように設けられており、この複数のトナー除去部材によって、搬送部材に付着したトナーが除去される。また、搬送部材によって搬送されるトナーは、軸方向に間欠的に設けられた複数のトナー滞留部によってトナー搬送速度が低下し、滞留する。そして、この滞留したトナーに対して後続するトナーが衝突し、トナーが混ぜ合わされることになって、トナーが効率よく攪拌されることになる。
本発明に係るトナー搬送装置は、前記トナー搬送装置において、搬送部材のトナー搬送部は、軸の周面に外周側に突出して形成された軸方向に連続する又は非連続の羽根であり、羽根は、その少なくとも一部に、トナー搬送力が大きい大搬送力部と、大搬送力部よりトナー搬送力が小さい小搬送力部と、を有している。
この搬送部材では、小搬送力部では大搬送力部に比較してトナーの搬送力が小さい。したがって、小搬送力部ではトナーの移動速度が低下する。すなわち、この小搬送力部がトナー滞留部として機能する。また、トナー除去部材は羽根の大搬送力部及び小搬送力部に接触しながらトナーを除去するが、小搬送力部においては、トナー除去部材は従来の羽根と接触している場合と比較して早めに弾性変形が解除されることになる。
より具体的には、従来のすべてが同径の羽根によって形成された搬送部材では、トナー除去部材は、その先端が羽根の外径から外れるまでは軸方向に弾性変形を続けることになり、場合によっては、前述のように、先端側が羽根を乗り越して反対側に移動してしまう。しかし、本発明の搬送部材では、例えば、小搬送力部において、羽根の外径を他の部分より小径にして搬送力を小さくした場合、トナー除去部材の先端が小径部に当接すると、すべてが同径の場合に比較して、トナー除去部材の羽根に対する接触が早めに外れ、弾性変形が解除される。このため、トナー除去部材の先端側が羽根を乗り越して反対側に移動するのを防止することができる。
本発明に係るトナー搬送装置は、前記トナー搬送装置において、搬送部材のトナー搬送部は螺旋状に形成された羽根を有し、羽根は一部が欠損する複数の欠損部を有する。この場合は、欠損部が前記羽根における小搬送力部として機能する。
本発明に係るトナー搬送装置は、前記トナー搬送装置において、搬送部材のトナー搬送部は複数の半円状の羽根である。この場合は、複数の羽根が半円状に形成されており、半円の形成された部分が前記トナー搬送装置における羽根の大搬送力部として機能し、半円の形成されていない部分が羽根の小搬送力部として機能する。
本発明に係るトナー搬送装置は、前記トナー搬送装置において、搬送部材のトナー搬送部は軸に偏芯して設けられた円形の羽根である。この場合は、円形の羽根が軸に偏芯して設けられており、円形の羽根のうち、軸からより外方に突出する部分が前記トナー搬送装置における羽根の大搬送力部として機能し、逆側の部分が小搬送力部として機能する。
本発明に係るトナー搬送装置は、前記トナー搬送装置において、複数のトナー除去部材は弾性変形可能な金属線材により形成されている。
この場合は、従来技術のPETフィルムシートに比較し、搬送部材の回転時に付与される力に対する耐久性が向上するため、トナー除去部材の長寿命化が図れる。
本発明に係るトナー搬送装置は、前記トナー搬送装置において、トナー除去部材は、搬送部材の軸から離れた側から軸に近づくように延び搬送部材の表面と接触可能なトナー掻き取り部を有している。
この場合は、搬送部材が回転すると、トナー除去部材のトナー掻き取り部は搬送部材の表面に接触しているので、トナーとともに先端側がトナー搬送方向に移動するが、このとき、トナー除去部材のトナー掻き取り部が捩られて弾性変形しながら、搬送部材の表面に付着したトナーを掻き取る。ここでは、簡単な構成で弾性変形可能なトナー除去部材を実現することができる。
本発明に係るトナー搬送装置は、前記トナー搬送装置において、トナー掻き取り部の形状が略楕円形状である。
本発明に係るトナー搬送装置は、前記トナー搬送装置において、搬送部材の軸方向に沿って配置された支持部材をさらに備え、トナー除去部材は、搬送部材の隣接する羽根の間に挿入されて搬送部材の表面と接触可能な複数のトナー掻き取り部と、複数のトナー掻き取り部を支持部材に支持する支持部とを有する。
本発明に係る現像装置は、画像形成装置の画像形成部に設けられた像担持体にトナー画像を形成するための現像装置であって、トナーを収納する容器と、容器内に支持され像担持体にトナーを供給するための現像ローラと、搬送部材と、複数のトナー除去部材と、を備えている。搬送部材は、容器内に設けられた回転可能な軸と、軸の周面に設けられたトナー搬送部とからなり、回転することにより、トナーを軸方向に搬送する。複数のトナー除去部材は、搬送部材の少なくともトナー搬送部の表面に接触可能なように設けられ、搬送部材の回転により弾性変形して搬送部材に付着したトナーを除去する。そして、搬送部材のトナー搬送部には、トナー搬送速度を他の部分に比較して低下させる複数のトナー滞留部が軸方向に沿って間欠的に設けられている。
本発明に係る画像形成装置は、用紙を収納する用紙収納部を有するとともに用紙収納部から用紙を送り出す給紙部と、給紙部からの用紙を搬送する用紙搬送部と、用紙搬送部から搬送されてきた用紙にトナー画像を形成する画像形成部と、画像形成部で形成された用紙上のトナー画像を定着する定着部と、を備えている。画像形成部は、画像情報に基づいて表面に静電潜像が形成される像担持体と、像担持体にトナー画像を形成するための現像装置とを含んでいる。現像装置は、トナーを収納する容器と、容器内に支持され像担持体にトナーを供給するための現像ローラと、搬送部材と、複数のトナー除去部材と、を備えている。搬送部材は、容器内に設けられた回転可能な軸と、軸の周面に設けられたトナー搬送部とからなり、回転することにより、トナーを軸方向に搬送する。複数のトナー除去部材は、搬送部材の少なくともトナー搬送部の表面に接触可能なように設けられ、搬送部材の回転により弾性変形して搬送部材に付着したトナーを除去する。そして、搬送部材のトナー搬送部には、軸方向に沿って間欠的にトナー搬送速度を他の部分に比較して低下させるトナー滞留部が設けられている。
以上のような本発明では、トナー搬送部材にトナー除去部材を設けた構成において、トナーを効率よく攪拌することができるとともに、トナー除去部材によるトナーの除去効果を向上することができる。
[全体構成]
図4に本発明の一実施形態による画像形成装置を示す。この画像形成装置1は、画像形成装置本体1aの下部に配設された給紙部2と、給紙部2の側方及び上方に配置された用紙搬送部3と、用紙搬送部3の上方に配置された画像形成部4と、画像形成部4よりも排出側に配置された定着部5と、画像形成部4及び定着部5の上方に配置された画像読取部6と、を備えている。
給紙部2は用紙9が収容された複数の給紙カセット7を備えており、給紙ローラ8の回転動作により、複数の給紙カセット7のうち選択された給紙カセット7から用紙9が用紙搬送部3側に送り出され、用紙9が1枚ずつ確実に用紙搬送部3に給紙されるように構成されている。なお、これら4つの給紙カセット7は、画像形成装置本体1aに対して着脱自在である。
用紙搬送部3に給紙された用紙9は、用紙供給経路10を経由して画像形成部4に向けて搬送される。この画像形成部4は、電子写真プロセスによって、用紙9に所定のトナー像を形成するものであり、所定の方向(図中の矢印Xの方向)に回転可能に支持された感光体11を備えるとともに、この感光体11の周囲にその回転方向に沿って、帯電装置12、露光装置13、現像装置14、転写装置15、クリーニング装置16及び除電装置17を備えている。
画像形成部4でトナー像が転写された用紙9は、画像形成部4から定着部5に向けて搬送される。定着部5は加熱ローラ18及び加圧ローラ19を有しており、両ローラ18,19によって用紙9上にトナー像が定着される。次いで、画像形成部4から定着部5において画像形成がなされた用紙9は、排出ローラ対20によって排出トレイ21上に排出される。
[現像装置]
図5に現像装置14を示す。現像装置14は、トナーの補給を受けるとともにトナーを収納する容器22を備えている。容器22は、トナーの攪拌を行う攪拌室22aと、トナーを感光体11の表面上に導く後述の現像ローラ27が設置される現像室22bとを有している。また、現像装置14は搬送部材としての第1スパイラル部材23及び第2スパイラル部材24を備えている。また、第1スパイラル部材23と第2スパイラル部材24の間には、攪拌室22aと現像室22bが連通可能となるように、攪拌室22aと現像室22bとを仕切る仕切り部材34が設けられている。この仕切り部材34は、容器22の底面を上方に延長して形成されたものである。
容器22の感光体11側には容器22の長手方向に沿って開口22cが形成されており、この開口22c部分には、固定マグネットローラ及び非磁性の現像スリーブからなる現像ローラ27が設けられている。現像スリーブは、固定マグネットローラを内包するとともに、容器22内に収納されたトナーを感光体11の表面上に導くために回転自在に支持されている。
さらに、容器22の内部には、磁性ブレード28と磁性体シール部材(図示せず)とが設けられている。磁性ブレード28は、板状の磁性体により構成され、先端が現像ローラ27の表面に近接するように配置されている。なお、磁性体シール部材は、現像ローラ27の長手方向端部に設けられている。
第1スパイラル部材23の上方の容器22の上面にはトナー補給孔22dが開口されており、このトナー補給孔22dを介してトナーカートリッジによりトナーが投入可能となっている。投入されたトナーは、第1スパイラル部材23によって攪拌室22a内を一端側から他端側に向かって攪拌されながら搬送された後、現像室22bに搬送される。そして、現像室22bに搬送されたトナーは、第2スパイラル部材24によって現像室22b内を逆方向に向かって攪拌されながら搬送され、現像ローラ27に導かれる。現像ローラ27に導かれたトナーは、トナー層厚規制部材として作用する磁性ブレード28により厚みが規制される。その後、現像ローラ27の表面に担持されたトナーは、現像位置、即ち、感光体11の表面上に導かれる。
なお、現像ローラ27は、所定の周速に設定されており、感光体11の回転方向Xに対して、ドラム−ローラ間において同方向に回転するように設定されている。また、現像ローラ27は感光体11と所定の距離を隔てて配置されている。
[スパイラル部材]
第1スパイラル部材23と第2スパイラル部材24とは、略平行に配置されている。第1スパイラル部材23は、攪拌室22a内に設けられた回転可能な第1軸である軸32と、軸32の周面に設けられたスパイラル状の羽根30とからなり、図中の矢印Aの方向に回転することにより、トナーを軸32の長手方向に搬送する。また、現像装置14は第2スパイラル部材24を備えている。第2スパイラル部材24は、現像室22b内に設けられ、軸32と略平行に配置された回転可能な第2軸である軸33と、軸33の周面に設けられたスパイラル状の羽根31とからなり、図中の矢印Bの方向に回転することにより、トナーを軸33の長手方向に搬送する。
図6に第1スパイラル部材23の一部外観斜視図を示している。なお、第1スパイラル部材23及び第2スパイラル部材24は基本的な構成は同じであるので、以下では、第1スパイラル部材23について詳細に説明する。
前述のように、第1スパイラル部材23は軸32とスパイラル状の羽根30とから構成されている。スパイラル状の羽根30は、従来のスパイラル部材とは異なり、羽根が連続して形成されていない。すなわち、羽根30は、その一部が欠損する複数の欠損部が軸方向において間欠的に形成されている。
より具体的には、図6を参照して、スパイラル状の羽根30は、1サイクル(360度の範囲)にわたって連続して欠損部なしに形成された部分30a、それに続く半サイクル(180度の範囲)において欠損した部分30b、この欠損部30bに続く1サイクルにわたって連続して形成された部分30a、さらにそれに続く欠損した部分30b、という構成を繰り返すことによって形成されている。このように、スパイラル状の羽根30は、欠損していない大径部(大搬送力部)30aと、欠損した小径部(小搬送力部)30bと、が繰り返して形成されている。そして、欠損した小径部30bにおいては、大径部30aに比較してトナーの搬送能力が低下しており、この部分ではトナーの移動速度は低下することになる。すなわち、羽根が欠損した小径部30bはトナーが滞留するトナー滞留部となっており、結局、スパイラル部材23は、トナー搬送速度を低下させる複数のトナー滞留部を、軸方向に沿って間欠的に有していることになる。
[トナー除去部材]
図5及び図7に示すように、本実施形態においては、両スパイラル部材23,24に付着したトナーを除去するためのトナー除去部材36,37が設けられている。なお、図7ではトナー除去部材及びスパイラル部材を模式的に示している。両トナー除去部材36,37は基本的には同じ構造であるので、以下では、第1スパイラル部材23側に設けられたトナー除去部材36について説明する。
トナー除去部材36は、弾性を有する金属線材(例えば、SUS304)により形成されている。このトナー除去部材36は、容器22内において、先端側の少なくとも一部が第1スパイラル部材23の表面に接触するように設けられており、基端側が容器22内に取り付けられた支持部材38に支持される構成となっている。また、図7に示すように、トナー除去部材36には、ねじり部36aが設けられており、第1スパイラル部材23の軸32の長手方向と直交する方向における、第1スパイラル部材23の表面と接触する部分36b(以下、「トナー掻き取り部36b」という。)の正面視形状が略楕円形状となるように形成されている。そして、この楕円形状のトナー掻き取り部36bは支持部材38側から軸32に近づくように延びて形成され、トナー掻き取り部36bの仮想平面が第1スパイラル部材23の軸32と平行になるように配置されている。なお、図7においては、トナー除去部材36のみを図示しているが、トナー除去部材37もトナー除去部材36と同様の形状を有している。
[トナーの除去]
次に、トナー除去部材36を例に挙げて、第1スパイラル部材23に付着したトナーが除去される過程を、図8(a)〜(f)を用いて説明する。なお、図8では、説明の便宜のために、複数のトナー除去部材36のうちの1つのみを示し、他は省略している。
まず、第1スパイラル部材23が回転すると、その回転に伴い、スパイラル状の羽根30が、見かけ上、軸32の図中の矢印Cの方向に移動する。すると、第1スパイラル部材23の軸32と接触するトナー掻き取り部36bの先端部により軸32の表面に付着したトナーが掻き取られて除去されるとともに、トナー掻き取り部36bの側部が羽根30の表面に当接して、羽根30に付着したトナーが掻き取られる(図8(a))。このとき、トナー除去部材36は羽根30から力を受けて矢印Cの方向に弾性変形する(同図(a)(b))。
さらに、第1スパイラル部材23の回転が進むと、スパイラル状の羽根30が、見かけ上、矢印Cの方向にさらに移動する。このとき、トナー除去部材36の先端は羽根30に形成された小径部(欠損部)30bに到達することになり、したがってトナー除去部材36のトナー掻き取り部36bは羽根30から離れることになる。これにより、トナー除去部材36の弾性変形が解除されて、トナー除去部材36の端側は矢印Cとは逆のD方向に移動する(同図(d))。その後は、前記同様の動作を繰り返す(同図(e)(f))。
以上のように、第1スパイラル部材23の羽根30には、小径部30bが形成されているので、トナー除去部材36の弾性変形の程度が、従来の小径部が形成されていない場合に比較して小さくなる。このため、トナー除去部材36に対するストレスが軽減されるとともに、トナー除去部材36が過度に弾性変形して、トナー掻き取り部36bが軸32の逆側に移動してしまうのを防止することができる。
[トナーの搬送]
ここで、トナーの搬送に着目すると、第1スパイラル部材23の羽根30には、小径部30bが形成されているので、この部分でのトナー搬送力が低下する。すなわち、この小径部30bの部分でトナーの搬送速度が低下し、トナーが一時的に滞留することになる。一方、その後方からは次のトナーが大径部30aによって通常の搬送力(搬送速度)で搬送されてくる。したがって、小径部30bで滞留していたトナーに後方からのトナーが衝突し、両者が混ざり合うことになる。このため、トナーが十分に攪拌されることになり、トナーを粉体のまま搬送することができる。このようにして、スパイラル部材に小径部(トナー滞留部)30bを形成することによって、トナーの攪拌性能及び搬送性能を向上させることができる。
[他の実施形態]
(a)図9にスパイラル部材の羽根についての他の実施形態を示す。
同図(a)に示すスパイラル部材40は、軸41とスパイラル状の羽根42とを有している。このスパイラル部材40の羽根42は、軸41の一方側に大径部40aを有し、他方側に小径部40bを有している。
同図(b)に示すスパイラル部材44は、軸45とスパイラル状の羽根46とを有しており、羽根46は、ほぼ半円形に形成されており、前記同様に、軸45の一方側に大径部有し、他方側に小径部を有している。
同図(c)に示すスパイラル部材48は、軸49と、軸49に偏芯して設けられた軸方向視円形のスパイラル状の羽根50とを有している。このように、軸方向視円形の羽根50を軸49に対して偏芯して設けることにより、羽根50は、軸49の一方側に大径部を有し、他方側に小径部を有することになる。
同図(d)に示すスパイラル部材52は、軸53とスパイラル状の羽根54とを有している。羽根54は、軸53の一方側にほぼ円形の大径部を有し、他方側は約120°の角度範囲にわたって欠損された小径部を有している。
同図(e)に示すスパイラル部材56は、軸57と、この軸57に中心を一致させて設けられた軸方向視楕円形のスパイラル状の羽根58とを有している。このような実施形態によっても、羽根58は、軸57の一方側に大径部を有し、他方側に小径部を有することになる。
(b)前記各実施形態では、スパイラル部材は、スパイラル状の羽根を有する例を示したが、本発明のスパイラル部材の羽根はスパイラル状に限定されるものではない。すなわち、羽根は、トナー搬送力が大きい大搬送力部と、大搬送力部に比較してトナー搬送力が小さい小搬送力部とを構成していればよく、図10及び図11に示すような構成でも良い。これらの図に示された例では、大搬送力部と小搬送力部とが連続しておらず、独立して構成されている。また、トナーを搬送するために、各羽根のトナーを付勢する平面が回転軸の軸方向に対して傾斜して配設されている。
図10(a)に示した羽根は、軸60に対して180度分の面積を占める大搬送力部61と、90度分の面積を占める小搬送力部62とが、軸60の軸方向に対して傾斜を有し、且つ交互に配設されている。なお、図10(a)の左側の図は、搬送スクリューの側面図である。
大搬送力部61は、側面図時計回りに軸60が回転する場合に、右方向にトナーを付勢して搬送する。また、小搬送力部62も、右方向にトナーを付勢して搬送する。ただし、大搬送力部61と小搬送力部62とは搬送力が異なる。例えば、軸60が0°〜180°までは、大搬送力部61の方がトナー搬送力が高く、トナーの搬送速度が速い。続いて180°〜270°までは小搬送力部62がトナーを搬送するため、大搬送力部61の搬送力に比較して搬送力が低く、搬送速度が遅くなる。続く270°〜360°までは、羽根が欠損しているためトナーの搬送は行われない。このような構成によっても、軸の回転角度に応じてトナーの搬送力が異なるため、トナーの移動速度が速い部分と遅い部分とが生じ、前記実施形態と同様に、効率のよい攪拌とトナーの劣化防止とを実現することができる。
また、図10(b)に示した羽根は、軸64に対して180度分の面積を占める大搬送力部65と、90度分の面積を占める小搬送力部66と、同じく90度分の面積を占める小搬送力部67とが配設されている。
この場合は、大搬送力部65及び小搬送力部66,67が右方向にトナーを付勢して搬送する。ただし、大搬送力部65と小搬送力部66,67との搬送力は異なっているので、軸64の角度によってトナー搬送力が異なり、さらに大搬送力部65による搬送から小搬送力部66の搬送に移行する際に、一旦トナーの移送が停止する。このような構成によっても、軸の回転角度に応じてトナーの搬送力が異なるため、トナーの搬送速度が速い部分と遅い部分とが生じ、効率のよい攪拌とトナーの劣化防止とを実現することができる。
また、図10(c)に示した羽根は、軸69に対して180度分の面積を占める大搬送力部70と、90度分の面積を占める小搬送力部71とが交互に配設されている。
大搬送力部70は、側面図時計回りに軸69が回転する場合に、右方向にトナーを付勢して搬送する。また、小搬送力部71は、左方向にトナーを付勢して搬送する。この構成では、付勢方向が逆であるが、大搬送力部70によるトナー搬送力の方が大きいために、トナーが一方向に搬送される。このような構成によっても、軸の回転角度に応じてトナーの搬送力が異なるため、トナーの搬送速度が速い部分と遅い部分とが生じ、効率のよい攪拌とトナーの劣化防止とを実現することができる。
図11(a)に示した羽根は、軸72に対して180度分の面積を占める2枚の第1及び第2大搬送力部73,74が、軸上の配設ポイント75において、軸方向に対して傾斜を有し且つ回転により同一方向にトナーを付勢して搬送するように配設されている。
以上のような構成では、軸72の回転角度に関係なく、羽根のトナー搬送力は一見して同じように考えられるが、トナーの位置を踏まえると、軸72の回転角度に応じて羽根がトナーを搬送する力は異なる。つまり、例えばトナーが第1大搬送力部73によって図面右側に移動する。続いてトナー搬送の役割が第2大搬送力部74に変更された際、第2大搬送力部74が付勢により搬送を開始する点76と、第1大搬送力部73が搬送を終了した点77が異なるために、第2大搬送力部74は最初に空回り状態となる。(ただし、実際には移送逆方向より移送されたトナーが存在するため、完全な空回りにはならない。)このような構成によっても、軸の回転角度に応じてトナーの搬送力が異なるため、トナーの搬送速度が速い部分と遅い部分とが生じ、効率のよい攪拌とトナーの劣化防止とを実現することができる。
また、図10(b)に示した羽根は、軸81に対して90度分の面積を占める4枚の第1〜第4小搬送力部82〜85が、軸81上の配設ポイント86,87において、軸方向に対して傾斜を有し且つ回転により同一方向にトナーを搬送するように配設されている。このような構成によっても図10(a)同様に、軸の回転角度に応じてトナーの搬送力が異なるため、トナーの搬送速度が速い部分と遅い部分とが生じ、効率のよい攪拌とトナーの劣化防止とを実現することができる。
さらに、図10(c)に示した羽根は、軸90に対して180度分の面積を占める大搬送力部91が、軸方向に対して傾斜を有し且つ回転により同一方向にトナーを搬送するように配設されている。この構成では、例えば軸90が0度〜180度までは大搬送力部91がトナーを搬送する。一方、続く180度〜360度までは羽根が欠損しているためにトナーの搬送は行われない。このような構成によっても、軸の回転角度に応じてトナーの搬送力が異なるため、トナーの搬送速度が速い部分と遅い部分とが生じ、効率のよい攪拌とトナーの劣化防止とを実現することができる。
(c)前記実施形態では、トナー除去部材を現像装置のトナー搬送部材に適用したが、例えば、クリーニング装置のトナー搬送部材等、他のトナー搬送部材に適用することもできる。
(d)前記実施形態においては、画像形成装置の一例として、デジタル複写機を示したが、ファクシミリやプリンタ等の他の画像形成装置であっても良い。
背景技術としての現像装置を示す図。 背景技術におけるトナー除去部材の問題点を説明するための図。 背景技術におけるトナー除去部材の問題点を説明するための図。 本発明の一実施形態が採用された画像形成装置の全体構成を示す概略図。 前記画像形成装置の現像装置の断面図。 前記現像装置に設けられたトナー除去部材の部分外観斜視図。 前記トナー除去部材の模式図。 前記トナー除去部材の作用を示す図。 他の実施形態を示す図。 他の実施形態を示す図。 他の実施形態を示す図。
符号の説明
11 感光体
14 現像装置
22 容器
23,24 スパイラル部材
30,31 羽根
30b 欠損部
32,33 軸
36,37 トナー除去部材
36b トナー掻き取り部

Claims (6)

  1. トナーを収納する容器と、
    前記容器内に設けられた回転可能な軸部材と、前記軸部材の周面に設けられた羽根とからなる搬送部材であって、回転することにより、前記トナーを前記軸部材の軸方向に搬送する搬送部材と、
    弾性変形可能な金属線材により形成され、前記搬送部材の少なくとも前記羽根の表面に接触可能なように設けられ、前記搬送部材の回転により弾性変形して前記搬送部材に付着したトナーを除去する複数のトナー除去部材と、
    を備え、
    前記羽根は、前記軸部材の周面に外周側に突出して螺旋状に形成されると共に前記軸方向に連続の羽根であり、
    前記羽根は、その少なくとも一部に、トナー搬送力が大きい大搬送力部と、前記大搬送力部よりもトナー搬送力が小さい小搬送力部と、を有しており、
    前記小搬送力部は、前記羽根の一部が欠損して形成され、前記軸部材の軸方向に沿って間欠的に設けられると共にトナー搬送速度を他の部分に比較して低下させる複数のトナー滞留部であり、
    前記小搬送力部は、前記軸方向の所定位置において、前記軸部材の周方向における180度の範囲にわたって形成されており、
    前記羽根は、前記軸方向から視た形状が半円状の羽根部分を複数有している
    トナー搬送装置。
  2. 前記トナー除去部材は、前記搬送部材の軸部材から離れた側から前記軸部材に近づくように延び前記搬送部材の表面と接触可能なトナー掻き取り部を有している、請求項1に記載のトナー搬送装置。
  3. 前記トナー掻き取り部の形状が略楕円形状である、請求項に記載のトナー搬送装置。
  4. 前記搬送部材の前記軸部材の軸方向に沿って配置された支持部材をさらに備え、
    前記トナー除去部材は、前記搬送部材の隣接する羽根の間に挿入されて前記搬送部材の表面と接触可能な複数のトナー掻き取り部と、前記複数のトナー掻き取り部を前記支持部材に支持する支持部とを有する、
    請求項1からのいずれかに記載のトナー搬送装置。
  5. 画像形成装置の画像形成部に設けられた像担持体にトナー画像を形成するための現像装置であって、
    トナーを収納する容器と、
    前記容器内に支持され、前記像担持体にトナーを供給するための現像ローラと、
    前記容器内に設けられた回転可能な軸部材と、前記軸部材の周面に設けられた羽根とからなる搬送部材であって、回転することにより、前記トナーを前記軸部材の軸方向に搬送する搬送部材と、
    弾性変形可能な金属線材により形成され、前記搬送部材の少なくとも前記羽根の表面に接触可能なように設けられ、前記搬送部材の回転により弾性変形して前記搬送部材に付着したトナーを除去する複数のトナー除去部材と、
    を備え、
    前記羽根は、前記軸部材の周面に外周側に突出して螺旋状に形成されると共に前記軸方向に連続の羽根であり、
    前記羽根は、その少なくとも一部に、トナー搬送力が大きい大搬送力部と、前記大搬送力部よりもトナー搬送力が小さい小搬送力部と、を有しており、
    前記小搬送力部は、前記羽根の一部が欠損して形成され、前記軸部材の軸方向に沿って間欠的に設けられると共にトナー搬送速度を他の部分に比較して低下させる複数のトナー滞留部であり、
    前記小搬送力部は、前記軸方向の所定位置において、前記軸部材の周方向における180度の範囲にわたって形成されており、
    前記羽根は、前記軸方向から視た形状が半円状の羽根部分を複数有している
    現像装置。
  6. 用紙を収納する用紙収納部を有するとともに、前記用紙収納部から用紙を送り出す給紙部と、
    前記給紙部からの用紙を搬送する用紙搬送部と、
    前記用紙搬送部から搬送されてきた用紙にトナー画像を形成する画像形成部と、
    前記画像形成部で形成された用紙上のトナー画像を定着する定着部と、
    を備え、
    前記画像形成部は、画像情報に基づいて表面に静電潜像が形成される像担持体と、前記像担持体にトナー画像を形成するための現像装置とを含み、
    前記現像装置は、
    トナーを収納する容器と、
    前記容器内に支持され、前記像担持体にトナーを供給するための現像ローラと、
    前記容器内に設けられた回転可能な軸部材と、前記軸部材の周面に設けられた羽根とからなる搬送部材であって、回転することにより、前記トナーを前記軸部材の軸方向に搬送する搬送部材と、
    弾性変形可能な金属線材により形成され、前記搬送部材の少なくとも前記羽根の表面に接触可能なように設けられ、前記搬送部材の回転により弾性変形して前記搬送部材に付着したトナーを除去する複数のトナー除去部材と、
    を備え、
    前記羽根は、前記軸部材の周面に外周側に突出して螺旋状に形成されると共に前記軸方向に連続の羽根であり、
    前記羽根は、その少なくとも一部に、トナー搬送力が大きい大搬送力部と、前記大搬送力部よりもトナー搬送力が小さい小搬送力部と、を有しており、
    前記小搬送力部は、前記羽根の一部が欠損して形成され、前記軸部材の軸方向に沿って間欠的に設けられると共にトナー搬送速度を他の部分に比較して低下させる複数のトナー滞留部であり、
    前記小搬送力部は、前記軸方向の所定位置において、前記軸部材の周方向における180度の範囲にわたって形成されており、
    前記羽根は、前記軸方向から視た形状が半円状の羽根部分を複数有している
    画像形成装置。
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