JP4895350B2 - 発熱抵抗素子部品とその製造方法およびサーマルプリンタ - Google Patents

発熱抵抗素子部品とその製造方法およびサーマルプリンタ Download PDF

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本発明は、発熱抵抗素子部品とその製造方法およびサーマルプリンタに関するものである。
近年、サーマルプリンタは小型情報機器端末に多く用いられるようになってきている。小型情報機器端末はバッテリ駆動であるため、サーマルプリンタの省電力化が強く求められ、そのための発熱効率の高いサーマルヘッドが求められている。
サーマルヘッドの高効率化においては、発熱抵抗体の下層に断熱層を形成する方法がある(例えば、特許文献1参照。)。発熱抵抗体で発生した熱量のうち、発熱抵抗体上方の耐摩耗層に伝達される上方伝達熱量の方が発熱抵抗下方の絶縁基板に伝達される下方伝達熱量よりも大きくなるので、印字時に必要とされるエネルギー効率が良好となる。
特開平6−166197号公報
しかしながら、特許文献1に示される構造のサーマルヘッドには、以下の問題がある。
すなわち、発熱抵抗体の下に空洞部を設けることで、絶縁基板本体方向への断熱効果はあるものの、厚さ方向の中間位置に空洞部を形成するためにアンダーグレーズ層自体が比較的厚く形成される必要がある。このため、アンダーグレーズ層に伝達された熱量がアンダーグレーズ層内に蓄積されることとなり、発熱抵抗体の表面側への熱量の伝達量が少なくなって、発熱効率が低下するという問題がある。
また、空洞部を形成するために蒸発させる樹脂材料の寸法精度は低く、精密な形状の空洞部を形成することができない。このため、空洞部は、複数の発熱抵抗体の配列方向に沿って複数の発熱抵抗体に跨るように帯状に形成されるので、発熱抵抗体の位置におけるアンダーグレーズ層の強度が低く、印字の際に発熱抵抗体にかかる圧力によって、空洞部が潰れ易いという欠点がある。特に、発熱抵抗体との間に印刷用紙を挟むドラムは、発熱抵抗体の配列方向に沿って配されるため、アンダーグレーズ層が発熱抵抗体の配列方向に沿って割れる虞がある。
さらに、アンダーグレーズ層の厚さ方向の中間位置に空洞部を設ける従来の方法は、アンダーグレーズ下層の表面に、セルロース系樹脂からなる蒸発成分層を帯状に印刷して乾燥させ、その後、アンダーグレーズ下層と同一の絶縁材料からなるアンダーグレーズ表層形成ペーストを表面に形成して乾燥させる。さらに、このようにして積層された絶縁材料を約1300℃の温度で焼成することにより、蒸発成分層を蒸発させるものである。したがって、発熱抵抗体の下方に空洞部を設けるために複雑な工程が必要であり、製造に時間を要するという問題がある。
本発明は上述した事情に鑑みてなされたものであって、発熱抵抗体の発熱効率を向上して消費電力の低減を図り、発熱抵抗体下部の基板の強度を向上し、簡易にかつ安価に製造することができるサーマルヘッドとその製造方法およびサーマルプリンタを提供することを目的とする。
上記目的を達成するために、本発明は以下の手段を提供する。
本発明は、支持基板上に複数の発熱抵抗体を間隔をあけて配列し、各発熱抵抗体に電力を供給する配線を接続してなり、前記支持基板が、厚さ方向に積層される複数の基板により構成され、前記支持基板の各発熱抵抗体により覆われる領域に、該支持基板を厚さ方向に貫通する空洞部が設けられている発熱抵抗素子部品を提供する。
本発明によれば、発熱抵抗体が支持基板上に設けられ、各発熱抵抗体の下方に支持基板を厚さ方向に貫通する空洞部が形成されているので、空洞部が断熱層として機能して支持基板側への熱の伝達が遮られる。また、空洞部は支持基板に直接設けられ、蓄熱層として機能するアンダーグレーズ層を有しないので、発熱抵抗体において発生した熱は、支持基板側に蓄熱されることなく発熱抵抗体上方に伝達され、感熱記録紙等への熱記録を行うため等に効率よく利用される。したがって、発熱抵抗体における消費電力を抑えることができる。
この場合において、支持基板が厚さ方向に積層される複数の基板により構成されているので、各基板に形成される空洞部のアスペクト比を小さくすることができる。これにより、精密な空洞部を精度よく構成することができ、発熱抵抗体を支持する強度と、発熱抵抗体において発生する熱の効率的利用とを両立することができる。
上記発明においては、前記空洞部が、各発熱抵抗体に対して個別に設けられていることとしてもよい。
このようにすることで、隣接する発熱抵抗体ごとに設けられた空洞部間に基板を残すことができる。空洞部間に残った基板は、厚さ方向に延び、発熱抵抗体の上面から加えられる押圧力を支持する支持部材として機能する。その結果、印刷時等に発熱抵抗体の上面側から押圧力を受けても、空洞部間に残った基板により押圧力が支持され、耐圧性能が向上する。
また、上記発明においては、前記空洞部が、各基板に設けられた貫通孔により構成され、前記発熱抵抗体に隣接する第1の基板の貫通孔が、前記発熱抵抗体から前記第1の基板よりも離れた位置に配される第2の基板の貫通孔よりも小さく形成されていることが好ましい。
このようにすることで、発熱抵抗体に近い位置に支持部材として機能する基板を多く残し、離れた位置における貫通孔を大きく確保して加工性を向上することができる。
また、上記発明においては、少なくとも1つの基板が金属により構成されていることが好ましい。
このようにすることで、耐圧強度を向上することができる。
また、上記発明においては、少なくとも1つの基板がセラミックにより構成されていることとしてもよい。
このようにすることで、支持基板の剛性を向上し、丈夫な発熱抵抗素子部品を構成することができる。
また、本発明は、複数の基板に貫通孔を形成する貫通孔形成ステップと、貫通孔が形成された複数の基板を重ね合わせて接合し支持基板を構成する支持基板構成ステップと、貫通孔に犠牲層材料を埋め込む犠牲層埋込ステップと、犠牲層材料が埋め込まれた支持基板の表面に絶縁皮膜を形成する絶縁皮膜形成ステップと、絶縁皮膜上の前記貫通孔に対応する位置に発熱抵抗体を形成する発熱抵抗体形成ステップと、発熱抵抗体に接続する配線を形成する配線形成ステップと、支持基板の裏面側から犠牲層材料を除去する犠牲層除去ステップとを含む発熱抵抗素子部品の製造方法を提供する。
本発明によれば、貫通孔形成ステップにより貫通孔が形成された複数の基板を、支持基板構成ステップにより重ね合わせて接合することによって支持基板が構成される。そして、犠牲層埋込ステップにより、貫通孔に犠牲層材料が埋め込まれることによって、犠牲層材料が埋め込まれた支持基板が構成される。
その後、絶縁皮膜形成ステップにより支持基板の表面に絶縁皮膜が形成され、発熱抵抗体形成ステップにより絶縁皮膜の表面に発熱抵抗体が形成される。そして、発熱抵抗体に接続する配線が配線形成ステップにより形成された後に、犠牲層除去ステップにより、各基板の貫通孔に埋め込まれた犠牲層材料が除去される。
この場合において、複数の基板のそれぞれに貫通孔を形成してから重ね合わせて接合することにより支持基板を構成するので、各貫通孔のアスペクト比を小さくすることができ、貫通孔を精密に加工することができる。その結果、発熱抵抗体の配列ピッチを短くすることができる。
上記発明においては、前記貫通孔形成ステップが、前記支持基板の表面側から裏面側に向かって大きくなる貫通孔を形成することとしてもよい。
このようにすることで、発熱抵抗体に近い位置に支持部材として機能する基板を多く残し、離れた位置における貫通孔を大きく確保してエッチング液等の入り込みやすさを向上し、加工性を向上することができる。
また、上記発明においては、前記貫通孔形成ステップが、前記支持基板の裏面側に配される基板において、複数の発熱抵抗体に跨るように貫通孔を形成することとしてもよい。
このようにすることで、エッチング液等の入り込みやすさをさらに向上し、加工性をさらに向上することができる。
また、上記発明においては、前記基板にグリーンシートが用いられ、貫通孔が形成された基板を焼結する焼結ステップを備えることとしてもよい。
このようにすることで、グリーンシートからなる基板に貫通孔を形成することにより、貫通孔加工を容易にすることができ、焼結ステップによってグリーンシートをセラミックにすることで、剛性の高い支持基板を構成することができる。
また、上記発明においては、前記犠牲層埋込ステップが、前記発熱抵抗体に絶縁皮膜を挟んで隣接する位置に配置される少なくとも1つの基板の貫通孔内に犠牲層材料を埋め込むこととしてもよい。
このようにすることで、絶縁皮膜を構成する基板の表面を平坦に構成して絶縁皮膜形成ステップを容易にする一方、裏面側に位置する基板の貫通孔に犠牲層材料を埋め込まないこととして、犠牲層除去ステップを簡易化することができる。
また、本発明は、基板上に犠牲層材料をパターニングする犠牲層形成ステップと、パターニングされた犠牲層材料をマスクとして成膜により犠牲層材料を含む基板を有する支持基板を構成する支持基板構成ステップと、犠牲層材料を含む支持基板の表面に絶縁皮膜を形成する絶縁皮膜形成ステップと、絶縁皮膜上の前記犠牲層材料に対応する位置に発熱抵抗体を形成する発熱抵抗体形成ステップと、発熱抵抗体に接続する配線を形成する配線形成ステップと、支持基板の裏面側から犠牲層材料に到達する貫通孔を形成する貫通孔形成ステップと、支持基板の裏面側から犠牲層材料を除去する犠牲層除去ステップとを含む発熱抵抗素子部品の製造方法を提供する。
本発明によれば、犠牲層材料を含む基板の構成時に貫通孔形成作業を伴わず、製膜技術を利用して基板を精密に構成することができる。また、貫通孔形成ステップにおいて貫通孔を形成する基板の厚さを薄くしてアスペクト比を小さくし、精密に加工することができる。これにより、発熱抵抗体の配列ピッチの短い発熱抵抗素子部品を製造することができる。
上記発明においては、前記支持基板構成ステップが、電鋳法により犠牲層材料を含む金属製基板を有する支持基板を構成することとしてもよい。
また、上記発明においては、前記発熱抵抗体に絶縁皮膜を挟んで隣接する基板が銅またはニッケルにより構成され、前記犠牲層材料としてノボラック樹脂系材料が使用され、前記貫通孔形成ステップおよび犠牲層除去ステップが、水酸化カリウムまたは水酸化テトラメチルアンモニウム等のアルカリ溶液によるウェットエッチングにより行われることとしてもよい。
また、本発明は、上記いずれかの発熱抵抗素子部品からなるサーマルヘッドを備えるサーマルプリンタを提供する。
本発明によれば、発熱効率を向上して省電力化を図り、少ない電力で長時間にわたり印刷を行うことができる。また、発熱抵抗体の配列ピッチを短縮して解像度の高い印刷を行うことができる。
本発明によれば、発熱抵抗体の発熱効率を向上して消費電力の低減を図り、発熱抵抗体下部の基板の強度を向上し、簡易にかつ安価に製造することができるという効果を奏する。
本発明の第1の実施形態に係る発熱抵抗素子部品1とその製造方法について、図1および図2を参照して以下に説明する。
本実施形態に係る発熱抵抗素子部品1は、サーマルプリンタに用いられるサーマルヘッド(以下、サーマルヘッド1という。)であって、図1に示されるように、支持基板2と、該支持基板上に形成されたアンダーコート(絶縁皮膜)3と、アンダーコート3上に形成された発熱抵抗体4と、該発熱抵抗体4に接続される配線5と、発熱抵抗体4および配線5の上面を被覆する保護膜6とを備えている。
前記支持基板2は、第1の基板7と第2の基板8とを厚さ方向に重ね合わせて接合することにより構成されている。第1の基板7には、発熱抵抗体4によって覆われる領域に、厚さ方向に貫通する貫通孔9が形成されている。第2の基板8には、前記貫通孔9に一致する位置に、厚さ方向に貫通する貫通孔10が形成されている。これら貫通孔9,10は、各発熱抵抗体4に配置された空洞部11を構成している。
空洞部11は、発熱抵抗体4で発生した熱の支持基板2への流出を抑制する断熱層として機能する。第1の基板7には、各発熱抵抗体4に個別に対応する貫通孔9どうしを隔離する隔壁12が形成されている。隔壁12は、第1の基板7の上層のアンダーコート3を支持する支持部材としての機能を有している。本実施形態においては、各貫通孔9,10の横断面積は同じである。
前記配線5は、前記発熱抵抗体4の配列方向に直交する方向の一端に接続される共通配線5aと、他端に接続される個別配線5bとから構成されている。
次に、本実施形態に係るサーマルヘッド1の製造方法について説明する。
まず、図2(a),(b)に示されるように、第1の基板7に貫通孔9を形成し、第2の基板8に貫通孔10を形成する。第1の基板7と第2の基板8の材質は、同じでも、異なっていてもよい。例えば、第1の基板7にシリコン、第2の基板8に硼珪酸ガラスを用いることができる。第1の基板7厚さ寸法は、数十μmから数百μmである。第2の基板8の厚さ寸法は数百μmである。貫通孔9,10の形成方法には、RIE(Reactive Ion Etching)などのドライエッチング法が用いられる。
次に、図2(c)に示されるように、貫通孔9,10が重なるように第1の基板7と第2の基板8とを接合する。第1の基板7にシリコン、第2の基板8に硼珪酸ガラスを用いた場合、両基板7,8に加熱しながら数百Vの電圧を加え、共有結合により接合される陽極接合を用いることができる。そのほか、直接接合あるいはガラスフリット接合等によっても貼り合わせることができる。
次に、図2(d)に示されるように、貫通孔9,10に酸性、または、アルカリ性、または、有機系の溶液で溶解可能な犠牲層材料を埋め込んで犠牲層13を構成する。酸性溶液に溶解可能な犠牲層材料としては、Cu,Mo,Fe,Niなどある。アルカリ性に溶解可能な犠牲層材料としては、ノボラック樹脂系のフォトレジストなどがある。有機溶剤に溶解可能な材料として、フォトレジストや樹脂材料がある。
埋め込み方法としては、犠牲層材料に金属材料を用いて、めっきにより埋め込む方法がある。その他、スクリーン印刷法により、空洞部11に金属ペーストを埋め込み、乾燥、熱処理を行って犠牲層13を形成する方法もある。その他、フォトレジストや過熱処理や紫外線照射などにより硬化する樹脂を用いて、樹脂を液体の状態で空洞部11に埋め込み、過熱処理や紫外線照射を行い、樹脂を硬化させる方法もある。さらに、溶融した金属を大気圧もしくは減圧状態で空洞部11に埋め込み、冷却して犠牲層13を形成する方法もある。ここまでの工程により、第1の基板7と第2の基板8とからなり、犠牲層13が埋め込まれた支持基板2が形成される。
次に、図2(e)に示されるように支持基板2の第1の基板7の表面に絶縁材料からなるアンダーコート3を成膜する。その材料としては、SiO、SiO、Al、Ta、サイアロン(SiAlON)、Si等が用いられ、スパッタリングや蒸着法等により成膜される。アンダーコート3の厚さ寸法は数百μm〜数μmである。
次いで、図2(f)に示されるように、アンダーコート3を形成し、該アンダーコート3上に発熱抵抗体4を形成する。発熱抵抗体4としては、Ta系やシリサイド系等の発熱抵抗体材料を用いる。この発熱抵抗体材料をスパッタリングや蒸着法等により成膜し、リフトオフ法もしくはエッチング法により発熱抵抗体4を形成する。
次いで、図2(g)に示されるように、Al,Al−SiまたはAu等の配線材料をスパッタリングや蒸着法等により成膜し、リフトオフ法もしくはエッチング法により個別配線5bおよび共通配線5aを形成する。
その後、図2(h)に示されるように、Si0、Ta、SiAlONまたはSi等の保護膜材料をスパッタリング、イオンプレーティング、CVD法等により成膜する。保護膜6は、支持基板2表面の発熱抵抗体4および配線5a,5b全面を被覆するように形成される。
最後に、図2(i)に示されるように、支持基板2の裏面側から、図2(c)で形成された犠牲層13をウェットエッチングにより除去し、アンダーコート3裏面に到達する空洞部11を形成する。ウェットエッチングに用いられる溶解液として、犠牲層材料にCu,FeまたはNiを用いる場合、塩化第II鉄(FeCl)溶液、硫酸(HSO)溶液やそれらを含む混合液が用いられる。また、犠牲層材料にMoを用いる場合、硝酸(HNO)溶液、および、それらを含む混合液が用いられる。また、ノボラック樹脂系のフォトレジストからなる犠牲層13には、アルカリ溶液をウェットエッチングの溶解液として用いることができる。また、樹脂製の犠牲層13には、有機系溶液をウェットエッチングの溶解液として用いることができる。これにより、図1に示されるサーマルヘッド1が製造される。
このようにして構成された本実施形態に係るサーマルヘッド1によれば、発熱抵抗体4の発熱有効面積部分の下方には、極薄いアンダーコート3が設けられ、さらにその下方には支持基板2が存在しない空洞部11が設けられているので、空洞部11が断熱層として機能し、発熱抵抗体4で発生した熱量の支持基板2側への流出や支持基板2内への蓄熱を抑制することができる。そして、空洞部11によって、数百μmという比較的厚い断熱層が形成されるので、非常に高い断熱効果を得ることができ、その結果、非常に高い発熱効率を得ることができる。
また、本実施形態に係るサーマルヘッド1によれば、各発熱抵抗体4の下層の第1の基板7に、断熱層となる空洞部11を仕切るように隔壁12が設けられている。その隔壁12によって、アンダーコート3を支えているため、サーマルヘッド1全体の強度を向上させることができる。
また、本実施形態によれば、犠牲層13を埋め込んだ支持基板2を第1の基板7と第2の基板8とに分けて構成することで、同じ強度の支持基板2を単層で実現する場合に比べ、それぞれの基板7,8に形成する貫通孔9,10のアスペクト比を小さくできる。一般的に、アスペクト比の大きな貫通孔9,10を精度良く形成することは困難であるため、本実施形態に係る製造方法によれば、発熱抵抗体4の下方に個別の空洞部11を簡易にかつ精度よく形成することができる。
多数の発熱抵抗体4を直線状に配置したラインサーマルヘッド1では、1mmあたり4個から16個の発熱抵抗体4を配置する必要がある。本実施形態に係る製造方法によれば、高い精度で多数の発熱抵抗体4を配置でき、かつ、高い機械強度をもつ、高効率なラインサーマルヘッド1を得るのに大変有効である。
なお、本実施形態に係るサーマルヘッド1においては、支持基板2を第1の基板7と第2の基板8の2つに分けて作成しているが、これに代えて、3つ以上の基板を積層して支持基板2を構成することも可能である。
これにより、各基板7,8に形成される貫通孔9,10のアスペクト比をさらに小さくすることができ、さらなる加工精度の向上および製造工程の簡易化を図ることができる。
また、図2(a)および図2(b)において、第1の基板7、第2の基板8の貫通孔9,10を加工する方法として、サンドブラスト法を用いるとしてもよい。このようにすることで、大気圧中での貫通孔加工が可能となるため、加工工程を簡略化することができる。また、貫通孔9,10の加工工程において、金型によるパンチ加工やドリルによる切削加工により貫通孔9,10を形成することとしてもよい。このようにすることで、フォトリソグラフィを用いて形成される貫通孔9,10の加工用マスクを用いて貫通孔9,10を加工する場合に比べ、平面寸法精度は劣るが、加工用マスクを使うことなく、また、高真空装置を用いずに貫通孔9,10を形成できるため、支持基板2を簡易に製造することができる。
また、本実施形態の貫通孔9,10の加工工程において、レーザー加工を使うこととしてもよい。このようにすることで、加工用マスクを使うことなく、また、高真空装置を用いずに貫通孔9,10を形成できるため、支持基板2をさらに簡易に製造することができるほか、空洞部11の形成工程における寸法精度を向上させることができる。
また、図2(d)の犠牲層材料の埋め込み工程で、スクリーン印刷を用いて金属ペーストを空洞部11に充填することで、犠牲層13の埋込工程を簡略化することができる。
また、図2(d)で、砥石を使う研削加工、細かい粒径の研磨剤を含む研磨液による機械研磨加工、化学機械研磨(Chemical Mechanical Polishing:CMP)等の研磨技術を施すことにより、犠牲層13上面と第1の基板7上面との段差をなくすことができ、その後の各成膜工程を良好に行うことができる。したがって、発熱抵抗体4全体の機械的強度をさらに向上させることができる。
さらに、配線5にAl、犠牲層13にCu、Mo、Niのいずれか、エッチング液に発煙硝酸を選択した場合、発煙硝酸を用いてMo犠牲層をエッチングしている間、配線5のダメージを減らすことができる。その結果、サーマルヘッド1表面の保護が不要となり、製造工程を簡略化できる。
また、第1の基板7および第2の基板8として、焼結することによりセラミック材料となるグリーンシートを用いることとしてもよい。グリーンシートの厚さ寸法は数十μmから数百μmである。焼結前のグリーンシートは柔らかく、貫通孔9,10の加工が容易である一方、焼結することで、グリーンシートは、非常に堅く、丈夫なセラミック製基板7,8となる。
支持基板2にグリーンシートを用いる場合、図2(a)、2(b)の貫通孔9,10の形成工程において、金型によるパンチ加工やドリルによる切削加工により貫通孔9,10を形成することが可能であり、支持基板2の製造を簡略化することができる。図2(c)の接合工程では、貫通孔9,10を形成した複数のグリーンシートを接着材を用いるか、または、接着剤を用いずに加圧のみで接合することができる。その後、積層したものを約1000〜2000℃にまで昇温する炉で焼結する。図2(d)の埋め込み工程で犠牲層13を埋め込み、支持基板2を製造する。
このように、グリーンシートを用いて支持基板2を製造することで、機械強度の高いサーマルヘッド1を、精度良くかつ簡易に製造することができる。
また、第1の基板7、第2の基板8の材料として、金属、シリコン、ガラス(硼珪酸ガラス)、セラミック(アルミナ)を採用し、任意に組み合わせることとしてもよい。この場合、いずれかの基板7,8に金属を使用することで、強度を向上することができる。特に、第1の基板7に金属を使用することで、隔壁12の厚さ寸法を100μm以下に抑えても、十分に高い強度を得ることができ、また第1の基板7の形成に、スパッタ、真空蒸着、電鋳等の薄膜プロセスを用いることができ、貫通孔9および隔壁12の加工精度を向上することができる。
また、いずれかの基板7,8にシリコンを用いることで、RIE加工を行うことが可能となり、精度よく貫通孔を加工することができる。
また、いずれかの基板7,8に剛性の高いセラミックを用いることで、丈夫なサーマルヘッド1を構成することができる。
また、単結晶材料でないガラスと単結晶シリコンとを併用することで、比較的丈夫なサーマルヘッド1を構成することができる。
また、いずれの材料を使用しても、両基板7,8を直接接合または接着剤により相互に接合することができ、金属とガラス、シリコンとガラスの組合せの場合、さらに陽極接合により相互に接合することができる。
ここで、直接接合とは、接着剤等を使用することなく2枚の基板7,8を接合する方法であって、基板7,8の表面を洗浄および活性化させた後に、室温で接合する常温直接接合が知られている。この場合、基板7,8表面は1nm以下のレベルで平坦である必要がある。また、高温(700〜1000℃)で加圧処理する場合には、より低いレベルの平坦度でも接合することができる。
また、陽極接合とは、両基板7,8に加熱しながら数百Vの電圧を加え、共有結合により接合する方法であって、直接接合と比較すると、より低いレベルの平坦度でも、300〜400℃と比較的低い温度で接合できるという利点がある。
また、接着剤により接合する場合には、エポキシ等を用いた樹脂系接着剤、紫外線硬化型接着剤等が用いられる。
次に、本発明の第2の実施形態に係るサーマルヘッド1の製造方法について、図3を参照して説明する。
本実施形態の説明において、上述した第1の実施形態に係るサーマルヘッド1と構成を共通とする箇所には同一符号を付して説明を省略する。
本実施形態に係る製造方法は、支持基板2の形成工程で、第2の基板8のみに犠牲層13を埋め込む点で、図2に示した第1の実施形態に係るサーマルヘッド1の製造方法とは相違している。製造されるサーマルヘッド1は第1の実施形態と同一のものである。
図3(a)および図3(b)において、第1の実施形態と同じ方法により、第1の基板7に貫通孔9を、また、第2の基板8に貫通孔10を形成する。
次に、図3(c)に示されるように、第1の基板7の貫通孔9に、酸性、または、アルカリ性、または、有機系の溶液で溶解可能な犠牲層材料を埋め込み、犠牲層13を形成する。
次に、図3(d)に示されるように、第1の実施形態に係る製造方法と同様にして、第1の基板7と第2の基板8とを貫通孔9,10が重なるように接合し、図3(e)〜図3(h)に示されるように、アンダーコート3、発熱抵抗体4、配線5a,5b、保護膜6を形成する。その後、図3(i)に示されるように、第1の基板7の貫通孔9に充填されていた犠牲層13を除去することにより、空洞部11が形成される。これにより、図1に示されるサーマルヘッド1が製造される。
本実施形態に係る製造方法においては、第1の基板7の貫通孔9のみに犠牲層13を埋め込んでいるので、図3(i)の犠牲層13の除去工程での加工時間が短くなるという利点がある。
また、第1の基板7および第2の基板8にグリーンシートを使う場合、グリーンシートの焼結が犠牲層13を埋め込んだ後になる。図3(c)の犠牲層埋込工程において、犠牲層材料にMo,Wを用い、そのペースト材料をスクリーン印刷法で貫通孔9に埋め込む。高融点材料であり、かつ、酸性溶液で溶解可能なMo,Wを犠牲層材料に選ぶことで、グリーンシートを焼結する際の高温処理が可能となる。
次に、本発明の第3の実施形態に係るサーマルヘッド20とその製造方法について、図4を参照して以下に説明する。
本実施形態の説明において、上述した第1、第2の実施形態に係るサーマルヘッド1と構成を共通とする箇所には同一符号を付して説明を省略する。
本実施形態に係るサーマルヘッド20は、第2の基板21に設けられた貫通孔22が複数の発熱抵抗体4に跨がるように設けられている点で、第1,第2の実施形態に係るサーマルヘッド1と相違している。
断熱層として機能する第1の基板7の貫通孔9は各発熱抵抗体4に対して個別に設けられ、犠牲層13をエッチングする溶解液の流路となる第2の基板21の貫通孔22は、溶解液が侵入しやすいよう貫通孔9よりも大きく構成されている。
本実施形態に係るサーマルヘッド20によれば、アンダーコート3を支持する隔壁12が存在するため、印字の際の圧力に対する十分な強度を保持したまま、空洞部23を形成する工程における犠牲層13のエッチング時間を短縮することができる。また、断熱性能は第1の基板7の貫通孔9の形状でほぼ決定されるため、貫通孔10の加工精度を甘くすることができる。この構造により、サーマルヘッド20の高い機械強度を保持したまま、製造時間の短縮および製造の簡易化を図ることができる。
次に、本発明の第4の実施形態に係るサーマルヘッド20の製造方法について、図5を参照して以下に説明する。
本実施形態においては犠牲層13を埋め込んだ支持基板2の形成工程において、フォトリソグラフィ技術によるフォトレジストの犠牲層13を形成し、成膜により第1の基板7を形成する点で、図2、図3に示した製造方法とは相違している。
まず、図5(a)に示されるように、一定の厚さを有する第2の基板21上に、フォトリソグラフィ技術を用いて犠牲層13となるフォトレジスト(以下、フォトレジスト13とも言う。)を形成する。第2の基板21の材料には、シリコンなどが用いられる。フォトレジスト13としては、アルカリ性の溶液や有機溶剤に溶解可能なノボラック樹脂系のフォトレジスト13などが用いられる。
次に、図5(b)に示されるように、フォトレジスト13をマスクとして、第1の基板7を形成する。第1の基板7の形成には、真空蒸着、スパッタ、電鋳などが用いられる。また、第1の基板7の材料には、Ni、Fe、Cuなどの金属材料、または、SiOなどの絶縁材料が用いられる。
次に、図5(c)に示されるように、第2の基板21の裏面に犠牲層13をエッチングするための貫通孔10の形成用マスク24を形成する。具体的には、第2の基板21にはシリコンを用い、第2の基板21の裏面に、スパッタ法、真空蒸着法、CVD(Chemical Vapor
Deposition)法のいずれかの方法によりマスク材料からなる貫通孔10の形成用マスク24が成膜される。マスク材料としては、SiO、Si等の絶縁材料、あるいは、Al、Cr等の金属材料が用いられる。
貫通孔10の形成用マスク24の表面にフォトレジスト(図示略)でパターニングした後、RIEによるドライエッチングまたはウェットエッチングを行い、貫通孔10の形成用マスク24を形成する。貫通孔10の形成用マスク24は、第2の基板21に貫通孔10を形成するためのもので、表面側に発熱抵抗体4が配されることとなる領域を露出させ、残りの領域を被覆するようにパターニングされる。本実施形態に係るサーマルヘッド20によれば、図4に示されるように、貫通孔10の形成用マスク24のパターニングで形成された形成用マスク24の大きさは、発熱抵抗体4の発熱有効面積より大きくなっている。
次に、図5(d)〜図5(g)で上述の製造方法と同じ方法で、アンダーコート3、発熱抵抗体4、配線5a、5b、保護膜6が形成される。
そして、図5(h)に示されるように、図5(c)で形成された形成用マスク24をマスクとして、第2の基板21の裏面側から、RIEによるドライエッチング法またはウェットエッチング法により、第2の基板21をエッチングして裏面側から犠牲層13まで達する貫通孔10を形成する。
最後に、図5(i)に示されるように、第2の基板21の裏面側から、ウェットエッチングにより図5(a)で形成された犠牲層13を除去し、アンダーコート3裏面に到達する空洞部23を形成する。これにより、図4に示されるように、サーマルヘッド20が製造される。
本実施形態に係るサーマルヘッド20の製造方法によれば、フォトレジストの犠牲層13を用いることにより、フォトリソグラフィ技術による薄膜製造プロセスを用いることができる。これにより、数μmの加工精度で空洞部23を形成することができ、多数の微細な発熱抵抗体4を直線状に高密度に配列したサーマルヘッド20を簡易に製造することができる。
また、第1の基板7に金属材料を用いて、電鋳により形成することにより、数μmから数十μmの金属材料の隔壁を得ることできる。このようにすることにより、シリコンやSiOからなる隔壁に比べ、高い機械強度が得られる。
また、形成用マスク24にSiO、第2の基板21にシリコン、犠牲層13にノボラック系フォトレジスト、第1の基板7にNiかCuを用い、さらに、図5(h)における基板21の除去および図(i)における犠牲層13の除去に水酸化カリウムあるいは水酸化テトラメチルアンモニウム等のアルカリ溶液によるウェットエッチングを行う。こうすることで、図5(h)および図(i)の工程を同時に行うことができる。ウェットエッチングはバッチ処理に適しているため、このような製造方法を採用することによりサーマルヘッド20の生産性を向上することができる。
次に、本発明の一実施形態に係るサーマルプリンタ30について、図6を参照して以下に説明する。
本実施形態に係るサーマルプリンタ30は、本体フレーム31に、水平配置されるプラテンローラ32と、前記プラテンローラ32に感熱紙33を挟んで押し付けられる上記第1〜第4の実施形態に係るサーマルヘッド1,20とを備えている。サーマルヘッド1,20は、プラテンローラ32の長手方向に配列された複数の発熱抵抗体4を有し、加圧機構34により所定の押圧力で感熱紙33に押し付けられるようになっている。図中、符号35は紙送り駆動モータである。
本実施形態に係るサーマルプリンタ30によれば、サーマルヘッド1,20の発熱効率が高く、少ない電力で感熱紙33に印刷することができる。したがって、バッテリの持続時間を長期化させることが可能となる。
なお、上記各実施形態においては、サーマルヘッド1,20および直接感熱発色するサーマルプリンタ30について説明したが、本発明はこれに限定されるものではなく、サーマルヘッド1,20以外の発熱抵抗素子部品やサーマルプリンタ30以外のプリンタ装置にも応用することができる。
例えば、発熱抵抗素子部品としては、熱によってインクを吐出するサーマル式またはバルブ式のインクジェットヘッドを始めとした用途に応用できる。また、サーマルヘッド1,30とほぼ同様の構造である熱消去ヘッドや、熱定着を必要とするプリンタ等の定着ヒータ、光導波路型光部品の薄膜発熱抵抗素子等、他の膜状の発熱抵抗素子部品を保有する電子部品でも同様の効果を得ることができる。
また、プリンタとしては、昇華型または溶融型転写リボンを使用した熱転写プリンタ、印字媒体の発色と証拠が可能なリライタブルサーマルプリンタ、加熱により粘着性を呈する感熱性活性粘着剤式ラベルプリンタ等に適用できる。
本発明の第1の実施形態に係る発熱抵抗素子部品であるサーマルヘッドを示す図であり、(a)は平面図、(b)は(a)のA−B縦断面図である。 図1のサーマルヘッドの製造方法を説明する工程図である。 本発明の第2の実施形態に係るサーマルヘッドの製造方法を説明する工程図である。 本発明の第3の実施形態に係る発熱抵抗素子部品であるサーマルヘッドを示す図であり、(a)は平面図、(b)は(a)のC−D縦断面図である。 本発明の第4の実施形態に係るサーマルヘッドの製造方法を説明する工程図である。 本発明の一実施形態に係るサーマルプリンタを示す縦断面図である。
符号の説明
1,20 サーマルヘッド(発熱抵抗素子部品)
2 支持基板
3 アンダーコート(絶縁被膜)
4 発熱抵抗体
5 配線
5a 共通配線(配線)
5b 個別配線(配線)
6 保護膜
7 第1の基板
8 第2の基板
9,10 貫通孔
11 空洞部
12 隔壁
13 犠牲層,フォトレジスト
22 形成用マスク
30 サーマルプリンタ(プリンタ)

Claims (14)

  1. 支持基板の一方の面上に複数の発熱抵抗体を間隔をあけて配列すると共に、各発熱抵抗体に電力を供給する配線を接続してなり、
    前記支持基板が、厚さ方向に複数の基板を積層することにより構成され、
    前記支持基板の前記各発熱抵抗体により覆われる領域に、該支持基板を厚さ方向に貫通する空洞部が設けられている発熱抵抗素子部品。
  2. 前記空洞部が、各発熱抵抗体毎に相対して個別に設けられている請求項1に記載の発熱抵抗素子部品。
  3. 前記空洞部が、積層された複数の基板に設けられた貫通孔により構成され、
    前記発熱抵抗体を配列した基板に隣接して積層された基板の貫通孔が、その下に積層された基板の貫通孔よりも小さく形成されている請求項1または請求項2に記載の発熱抵抗素子部品。
  4. 前記支持基板を構成する複数の基板のうち、少なくとも1つの基板が金属により構成される請求項1から請求項3のいずれかに記載の発熱抵抗素子部品。
  5. 前記支持基板を構成する複数の基板のうち、少なくとも1つの基板がセラミックにより構成されている請求項1から請求項のいずれかに記載の発熱抵抗素子部品。
  6. 複数の基板に貫通孔を形成する貫通孔形成ステップと、
    貫通孔が形成された複数の基板を重ね合わせて接合し支持基板を構成する支持基板構成ステップと、
    貫通孔に犠牲層材料を埋め込む犠牲層埋込ステップと、
    犠牲層材料が埋め込まれた支持基板の表面に絶縁皮膜を形成する絶縁皮膜形成ステップと、
    絶縁皮膜上の前記貫通孔に対応する位置に発熱抵抗体を形成する発熱抵抗体形成ステップと、
    発熱抵抗体に接続する配線を形成する配線形成ステップと、
    支持基板の絶縁皮膜形成面とは反対面側から犠牲層材料を除去する犠牲層除去ステップとを含む発熱抵抗素子部品の製造方法。
  7. 前記貫通孔形成ステップが、前記支持基板の絶縁皮膜形成面側から反対面側に向かって大きくなる貫通孔を形成する請求項6に記載の発熱抵抗素子部品の製造方法。
  8. 前記貫通孔形成ステップにおいて、前記支持基板の絶縁皮膜形成面に形成される複数の発熱抵抗体に跨るように貫通孔を形成する請求項6または請求項7に記載の発熱抵抗素子部品の製造方法。
  9. 前記基板にグリーンシートが用いられ、
    貫通孔が形成された基板を焼結する焼結ステップを備える請求項6から請求項8のいずれかに記載の発熱抵抗素子部品の製造方法。
  10. 前記犠牲層埋込ステップが、前記発熱抵抗体に絶縁皮膜を挟んで隣接する位置に配置される少なくとも1つの基板の貫通孔内に犠牲層材料を埋め込む請求項6から請求項9のいずれかに記載の発熱抵抗素子部品の製造方法。
  11. 基板上に犠牲層材料をパターニングする犠牲層形成ステップと、
    パターニングされた犠牲層材料をマスクとして成膜により犠牲層材料を含む複数の基板から構成された支持基板を構成する支持基板構成ステップと、
    犠牲層材料を含む支持基板の表面に絶縁皮膜を形成する絶縁皮膜形成ステップと、
    絶縁皮膜上の前記犠牲層材料に対応する位置に発熱抵抗体を形成する発熱抵抗体形成ステップと、
    発熱抵抗体に接続する配線を形成する配線形成ステップと、
    支持基板の裏面側から犠牲層材料に到達する貫通孔を形成する貫通孔形成ステップと、
    支持基板の絶縁皮膜形成面とは反対面側から犠牲層材料を除去する犠牲層除去ステップとを含む発熱抵抗素子部品の製造方法。
  12. 前記支持基板構成ステップが、電鋳法により犠牲層材料を含む金属製基板を有する支持基板を構成する請求項11に記載の発熱抵抗素子部品の製造方法。
  13. 前記発熱抵抗体に絶縁皮膜を挟んで隣接する基板が銅またはニッケルにより構成され、
    前記犠牲層材料としてノボラック樹脂系材料が使用され、
    前記貫通孔形成ステップおよび犠牲層除去ステップが、水酸化カリウムまたは水酸化テトラメチルアンモニウム等のアルカリ溶液によるウェットエッチングにより行われる請求項11または請求項12に記載の発熱抵抗素子部品の製造方法。
  14. 請求項1から請求項5のいずれかに記載の発熱抵抗素子部品からなるサーマルヘッドを備えるサーマルプリンタ。
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