JP5477741B2 - サーマルヘッドおよびその製造方法、並びにプリンタ - Google Patents

サーマルヘッドおよびその製造方法、並びにプリンタ Download PDF

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Description

本発明は、サーマルヘッドおよびその製造方法、並びにプリンタに関するものである。
従来、サーマルプリンタに用いられ、印刷データに基づいて複数の発熱素子を選択的に駆動することによって紙等の感熱記録媒体に印刷を行うサーマルヘッドが知られている(例えば、特許文献1参照)。
特許文献1に開示されているサーマルヘッドは、凹部が形成された支持基板に上板基板を接合し、上板基板に発熱抵抗体を設けることで、上板基板と支持基板との間の発熱抵抗体に対応する領域に空洞部が形成されている。このサーマルヘッドは、空洞部を熱伝導率の低い断熱層として機能させ、発熱抵抗体から支持基板側に伝わる熱量を低減することで、熱効率を向上して消費電力の低減を図っている。
特開2009−119850号公報
上記のサーマルヘッドを搭載するプリンタは、プラテンローラに感熱紙を挟んで押し付けられる加圧機構を有しており、サーマルヘッド表面の熱を効果的に感熱紙に伝達させるため、サーマルヘッドを適度な押圧力で感熱紙に押し付けている。そのため、サーマルヘッドには、加圧機構による押圧力に耐える強度が求められる。
また、プラテンローラにより感熱紙をサーマルヘッド表面に押し付けた際、発熱抵抗体とその両側に設けられた電極との段差によって、感熱紙とサーマルヘッド表面との間に空気層が生じる。この空気層は、発熱抵抗体により発生させた熱を感熱紙へ伝達する際の妨げとなり、サーマルヘッドの熱効率を低下させてしまうという不都合がある。
本発明は上述した事情に鑑みてなされたものであって、発熱抵抗体に対応する位置に空洞部を有するサーマルヘッドにおいて、強度および熱効率を向上することができるサーマルヘッドを提供することを目的とする。
上記目的を達成するために、本発明は以下の手段を提供する。
本発明の第1の態様は、表面に凹部を有する支持基板と、該支持基板の表面に積層状態に接合された上板基板と、該上板基板の表面に前記凹部を跨ぐように設けられた発熱抵抗体と、該発熱抵抗体の両側に設けられた一対の電極とを備え、該一対の電極の間に配置される前記上板基板の前記電極側の表面に凸部が形成され、前記電極からの電流の供給により発熱する前記発熱抵抗体の発熱部が、前記一対の電極の間から前記凸部に沿ってこれら電極よりも上方にまたは該電極と同一の高さまで突出するサーマルヘッドである。
本発明の第1の態様によれば、発熱抵抗体が設けられた上板基板が、発熱抵抗体から発生した熱を蓄える蓄熱層として機能する。また、表面に凹部が形成された支持基板と上板基板とが積層状態に接合されることで、支持基板と上板基板との間に空洞部が形成される。この空洞部は、発熱抵抗体に対応する領域に形成されており、発熱抵抗体から発生した熱を遮断する断熱層として機能する。したがって、本発明の第1の態様によれば、発熱抵抗体から発生した熱が、上板基板を介して支持基板へ伝わって放散してしまうことを抑制することができ、発熱抵抗体から発生した熱の利用率、すなわちサーマルヘッドの熱効率を向上することができる。
さらに、上板基板の電極側の表面において、発熱抵抗体の両側の一対の電極間に形成された凸部により、凸部の表面上に形成された発熱抵抗体と、発熱抵抗体の両端に設けられた電極との段差を小さくすることができ、発熱抵抗体表面と感熱紙との間の空気層を小さくすることができる。したがって、本発明の第1の態様によれば、発熱抵抗体により発生させた熱を感熱紙に効率的に伝達することができ、サーマルヘッドの熱効率を向上して印刷に必要なエネルギー量を低減することができる。
また、印字の際に上板基板に荷重が加わった場合には、上板基板の凹部に対応する領域が変形し、該領域において上板基板の裏面に引張応力が発生する。この場合において、上板基板の凹部に対応する領域に形成された凸部により、均一な厚さの上板基板に比べて、上板基板の強度を向上することができる。
上記態様において、前記凸部が、前記凹部に対応する領域内に形成されていることとしてもよい。
このようにすることで、上板基板の表面の凹部(空洞部)に対応する領域内において、凸部が形成されていない領域、すなわち上板基板の厚さが薄い領域を設けることができる。これにより、上板基板に奪われてしまう熱量を低減することができ、サーマルヘッドの熱効率を向上することができる。
上記態様において、前記凸部が、前記凹部に対応する領域を越えて外側の領域まで延びていることとしてもよい。
このようにすることで、凹部(空洞部)が形成された領域内において、上板基板を厚くすることができ、上板基板の強度を向上することができる。
上記態様において、前記凸部が、平坦な先端面と、該先端面の両端に該先端面に向かって漸次先細となるように傾斜して形成された側面とを有していることとしてもよい。
凸部が平坦な先端面を有することで、プラテンローラの荷重を凸部の先端面全体で受けることができ、凸部の一部に集中荷重が発生してしまうことを防止することができる。また、先端面の両端に、該先端面に向かって漸次先細となるように傾斜して形成された側面を形成することで、凸部の側面に発熱抵抗体を形成しやすくすることができる。
上記態様において、前記凸部の高さが、前記電極の厚さ以上に形成されていることとしてもよい。
凸部の高さを電極の高さ以上とすることで、サーマルヘッド表面と感熱紙との間の空気層を無くすことができ、サーマルヘッド表面と感熱紙とを密着させることができる。これにより、発熱抵抗体により発生させた熱を感熱紙に効率的に伝達することができ、サーマルヘッドの熱効率を向上して印刷に必要なエネルギー量を低減することができる。
本発明の第2の態様は、上記のいずれかのサーマルヘッドを備えるプリンタである。
このようなプリンタによれば、上記のサーマルヘッドを備えているため、上板基板の強度を確保しつつ、サーマルヘッドの熱効率を向上して印刷に必要なエネルギー量を低減することができる。これにより、少ない電力で感熱紙に印刷することができ、バッテリーの持続時間を長期化させることができる。また、上板基板の破損による故障を防止して装置としての信頼性を向上させることができる。
本発明の第3の態様は、支持基板の表面に開口部を形成する開口部形成工程と、該開口部形成工程により前記開口部が形成された前記支持基板の表面に上板基板の裏面を積層状態に接合する接合工程と、該接合工程により前記支持基板に接合された前記上板基板を薄板化する薄板化工程と、前記接合工程により前記支持基板に接合された前記上板基板の表面に凸部を形成する凸部形成工程と、前記上板基板の表面において、前記開口部を跨ぐように発熱抵抗体を形成する抵抗体形成工程と、該抵抗体形成工程により形成された発熱抵抗体の両端に電極層を形成する電極層形成工程とを備え、前記抵抗体形成工程が、前記電極層からの電流の供給により発熱する前記発熱抵抗体の発熱部を前記電極層の間から前記凸部に沿ってこれら電極層よりも上方にまたは該電極層と同一の高さまで突出させるサーマルヘッドの製造方法である。
このようなサーマルヘッドの製造方法によれば、支持基板と上板基板との間に空洞部が形成されるとともに、発熱抵抗体の両端に形成された電極層の間に凸部が形成されたサーマルヘッドを製造することができる。これにより、上記のように、上板基板の強度を確保しつつ、サーマルヘッドの熱効率を向上して印刷に必要なエネルギー量を低減することができる。
本発明によれば、発熱抵抗体に対応する位置に空洞部を有するサーマルヘッドにおいて、強度および熱効率を向上することができるという効果を奏する。
本発明の第1の実施形態に係るサーマルプリンタの概略構成図である。 図1のサーマルヘッドを保護膜側から見た平面図である。 図2のサーマルヘッドのA−A矢視断面図である。 図3のサーマルヘッドに集中荷重がかかった場合の状態を説明する図であり、(a)は荷重がかかる前の断面図、(b)は荷重がかかった状態の断面図、(c)は平面図である。 図3の第1の変形例に係るサーマルヘッドの断面図である。 図3の第2の変形例に係るサーマルヘッドの断面図である。 図3の第3の変形例に係るサーマルヘッドを保護膜側から見た平面図である。 図3の第4の変形例に係るサーマルヘッドの断面図である。 本発明の参考例としての発明に係るサーマルヘッドの断面図である。 図3の第5の変形例に係るサーマルヘッドの断面図である。 本発明の第2の実施形態に係るサーマルヘッドの製造方法を説明する図であり、(a)は空洞部形成工程、(b)は接合工程、(c)は薄板化工程、(d)は凸部形成工程、(e)は抵抗体形成工程、(f)は電極層形成工程、(g)は保護膜形成工程である。 図11の第1の変形例に係るサーマルヘッドの製造方法を説明する図であり、(a)は空洞部形成工程、(b)は接合工程、(c)は薄板化工程、(d)は凸部形成工程、(e)は抵抗体形成工程、(f)は電極層形成工程、(g)は保護膜形成工程である。 図11の第2の変形例に係るサーマルヘッドの製造方法を説明する図であり、(a)は空洞部形成工程、(b)は接合工程、(c)は凸部形成工程、(d)は薄板化工程、(e)は抵抗体形成工程、(f)は電極層形成工程、(g)は保護膜形成工程である。 従来のサーマルヘッドの断面図である。 図14のサーマルヘッドに集中荷重がかかった場合の状態を説明する図であり、(a)は荷重がかかる前の断面図、(b)は荷重がかかった状態の断面図、(c)は平面図である。
[第1の実施形態]
以下、本発明の第1の実施形態に係るサーマルヘッド1およびサーマルプリンタ10について、図面を参照して説明する。
本実施形態に係るサーマルヘッド1は、例えば図1に示すようなサーマルプリンタ10に用いられており、印刷データに基づいて複数の発熱素子を選択的に駆動することによって感熱紙12等の印刷対象物に印刷を行うものである。
サーマルプリンタ10は、本体フレーム11と、中心軸が水平に配置されるプラテンローラ13と、プラテンローラ13の外周面に対向して配置されるサーマルヘッド1と、サーマルヘッド1を支持している放熱板(図示略)と、プラテンローラ13とサーマルヘッド1との間に感熱紙12を送り出す紙送り機構17と、サーマルヘッド1を感熱紙12に対して所定の押圧力で押し付ける加圧機構19とを備えている。
プラテンローラ13には、加圧機構19の作動により、サーマルヘッド1および感熱紙12が押し付けられるようになっている。これにより、プラテンローラ13からの反力が感熱紙12を介してサーマルヘッド1に加えられるようになっている。
放熱板は、例えば、アルミ等の金属、樹脂、セラミックスまたはガラス等からなる板状部材であり、サーマルヘッド1の固定および放熱を目的とするものである。
サーマルヘッド1は、図2に示すように、発熱抵抗体7および電極部8が、矩形状の支持基板3の長手方向に複数配列されている。矢印Yは、紙送り機構17による感熱紙12の送り方向を示している。また、支持基板3の表面には、支持基板3の長手方向に延びる矩形状の凹部2が形成されている。ここで、符号Lr,Lm1,Lm2,Lcはそれぞれ、後述する発熱部の幅方向の寸法、凸部20の幅方向の寸法、凸部20の先端面21の幅方向の寸法、凹部2の幅方向の寸法を示している。
図2のA−A矢視断面図が、図3に示されている。
サーマルヘッド1は、図3に示すように、支持基板3と、支持基板3の上端面(表面)に接合された上板基板5と、上板基板5上に設けられた発熱抵抗体7と、発熱抵抗体7の両側に設けられた一対の電極部8と、発熱抵抗体7および電極部8を覆い、これらを磨耗や腐食から保護する保護膜9とを有している。
支持基板3は、例えば、300μm〜1mm程度の厚さを有するガラス基板やシリコン基板等の絶縁性の基板である。支持基板3の上端面(表面)、すなわち上板基板5との境界面には、支持基板3の長手方向に延びる矩形状の凹部2が形成されている。この凹部2は、例えば、深さ1μm〜100μm、幅50μm〜300μm程度の溝である。
上板基板5は、例えば、厚さ10μm〜100μm±5μm程度のガラス材質によって構成されており、発熱抵抗体7から発生した熱を蓄える蓄熱層として機能する。この上板基板5は、凹部2を密閉するように支持基板3の表面に積層状態に接合されている。上板基板5によって凹部2が覆われることにより、上板基板5と支持基板3との間には空洞部4が形成されている。
空洞部4は、全ての発熱抵抗体7に対向する連通構造を有しており、発熱抵抗体7から発生した熱が、上板基板5から支持基板3へ伝わることを抑制する中空断熱層として機能する。空洞部4を中空断熱層として機能させることで、発熱抵抗体7の下方の上板基板5を介して支持基板3に伝わる熱量よりも、発熱抵抗体7の上方へ伝わって印字等に利用される熱量を大きくすることができ、サーマルヘッド1の熱効率の向上することができる。
発熱抵抗体7は、上板基板5の上端面において、それぞれ凹部2を幅方向に跨ぐように設けられ、凹部2の長手方向に所定の間隔をあけて配列されている。すなわち、各発熱抵抗体7は、上板基板5を介して空洞部4に対向して設けられ、空洞部4上に位置するように配置されている。
電極部8は、発熱抵抗体7に電流を供給して発熱させるためのものであり、各発熱抵抗体7の配列方向に直交する方向の一端に接続される共通電極8Aと、各発熱抵抗体7の他端に接続される個別電極8Bとから構成されている。共通電極8Aは、全ての発熱抵抗体7に一体的に接続され、個別電極8Bは個々の発熱抵抗体7にそれぞれ接続されている。
個別電極8Bに選択的に電圧を印加すると、選択された個別電極8Bとこれに対向する共通電極8Aとが接続されている発熱抵抗体7に電流が流れ、発熱抵抗体7が発熱するようになっている。この状態で、加圧機構19の作動により、発熱抵抗体7の発熱部分を覆う保護膜9の表面部分(印字部分)に感熱紙12を押し付けることで、感熱紙12が発色して印字されるようになっている。
なお、各発熱抵抗体7のうち実際に発熱する部分(発熱部)は、発熱抵抗体7に電極部8A,8Bが重なっていない部分、すなわち、発熱抵抗体7のうち共通電極8Aの接続面と個別電極8Bの接続面との間の領域であって、空洞部4のほぼ真上に位置する部分である。
また、上板基板5には、図3に示すように、発熱抵抗体7が設けられる上端面(表面)において、共通電極8Aと個別電極8Bとの間に凸部20が形成されている。凸部20は、平坦な先端面21と、先端面21の両端において先端面21に向かって漸次先細となるように傾斜して形成された側面22とを有している。すなわち、凸部20は、先端面21の幅方向の寸法Lm2が、凸部20の幅方向の寸法Lm1よりも小さく形成されている。これにより、凸部20は台形の縦断面形状を有している。
また、凸部20は、その幅方向の寸法Lm2が、凹部2の幅方向の寸法Lcよりも小さく形成されている。すなわち、凸部20は、上板基板5の上端側(表面)において、支持基板3に形成された凹部2に対応する領域内に形成されている。なお、凸部20の高さは、例えば0.5μm〜3μm程度であり、電極部8の厚さ以上の高さに形成されている。
ここで、比較例として、従来のサーマルヘッド100の構成について以下に説明する。
従来のサーマルヘッド100は、図14に示すように、上板基板50の上端側(表面)に凸部が設けられていないため、発熱抵抗体7と電極部8との間に電極部8の厚さ分だけ段差が生じる。これにより、発熱抵抗体7および電極部8の上に形成された保護膜9の表面においても、上記の段差に対応する位置(図14に示す領域A)に段差が生じる。
その結果、プラテンローラ13により感熱紙12をサーマルヘッド100表面に押し付けた際、発熱抵抗体7と電極部8との段差によって、感熱紙12とサーマルヘッド100表面の間に空気層101が生じる。この空気層101は、発熱抵抗体7により発生させた熱を感熱紙12へ伝達する際の妨げとなり、サーマルヘッド100の熱効率を低下させてしまうという不都合がある。
これに対して、本実施形態に係るサーマルヘッド1は、図3に示すように、上板基板5の電極部8側の表面において、発熱抵抗体7の両側の一対の電極部8の間に凸部20が形成されている。これにより、凸部20の上に形成された発熱抵抗体7と、発熱抵抗体7の両端に設けられた電極部8との段差を小さくすることができ、サーマルヘッド1(保護膜9)表面と感熱紙12との間の空気層を小さくすることができる。したがって、本実施形態に係るサーマルヘッド1によれば、発熱抵抗体7により発生させた熱を感熱紙12に効率的に伝達することができ、サーマルヘッド1の熱効率を向上して印刷に必要なエネルギー量を低減することができる。
また、図3に示すように、凸部20を凹部2に対応する領域内に形成することで、上板基板5の表面の凹部2(空洞部4)に対応する領域内において、凸部20が形成されていない領域、すなわち上板基板5の厚さが薄い領域を設けることができる。これにより、上板基板5に奪われてしまう熱量を低減することができ、サーマルヘッド1の熱効率を向上することができる。
また、図3に示すように、凸部20の高さを電極部8の高さ以上とすることで、サーマルヘッド1表面と感熱紙12との間の空気層を無くすことができ、サーマルヘッド1表面と感熱紙12とを密着させることができる。これにより、発熱抵抗体7により発生させた熱を感熱紙12に効率的に伝達することができ、サーマルヘッド1の熱効率を向上して印刷に必要なエネルギー量を低減することができる。
次に、従来のサーマルヘッド100と本実施形態に係るサーマルヘッド1との強度の違いについて以下に説明する。
図4および図15は、強度の違いを説明するために、サーマルヘッドの上板基板と支持基板のみを簡略化して示した図であり、図4は本実施形態に係るサーマルヘッド1、図15は従来のサーマルヘッド100を示している。
図15(b)に示すように、従来のサーマルヘッド100において、上板基板50の空洞部4上に集中荷重(矢印51)が加えられると、上板基板50の空洞部4に対向する部分は、下側に沈み込むように変形する。これにより、図15(b)の矢印52に示すように、上板基板50の下端面(裏面)、特に荷重のかかる中心位置において大きな引張応力が発生する。この場合、図15(c)に示すように、荷重位置Sと最大応力位置Tがほぼ一致することとなり、上板基板50が破損しやすくなる。
これに対して、本実施形態に係るサーマルヘッド1は、図4(a)に示すように、上板基板5の上端側(表面)に凸部20が形成されている。このような構造とすることで、図4(b)に示すように、上板基板5の空洞部4上に集中荷重(矢印51)を加えた場合に、上板基板50の下端面(裏面)において、荷重のかかる中心位置および凸部20の麓部分に大きな引張応力が発生する(矢印31,32,33)。したがって、図4(c)に示すように、大きな応力がかかる位置は、領域T1,T2,T3に分散される。
以上のように、本実施形態に係るサーマルヘッド1によれば、図15(a)に示すような均一な厚さの上板基板50に比べ、上板基板5の空洞部4(凹部2)に対応する位置(凸部20)が厚いため、上板基板5の強度を向上させることができる。また、上板基板5表面に集中荷重がかかった際、上板基板5表面にかかる引張応力を分散させることができる。その結果、例えばプラテンローラ13と感熱紙12との間に数μm〜数十μmの微小な異物が混入して上板基板5に集中荷重がかかった場合にも、割れにくく、信頼性の高いサーマルヘッド1を提供できる。
また、サーマルヘッド1の保護膜9に使用される材料は、非常に内部応力が大きい。例えば、スパッタ法で成膜されたSiAlONは500〜2000MPaの内部応力を有する。そのため、空洞部4(凹部2)の直上において、上板基板5表面に凸部20を設けて上板基板5の板厚を増やすことで、上板基板5の強度を向上させ、保護膜9の内部応力による上板基板5の変形や破壊を防ぐことができる。
また、凸部20が上板基板5の表面と略平行な先端面21を有することで、プラテンローラ13の荷重を凸部20の先端面21全体で受けることができ、凸部20の一部に集中荷重が発生してしまうことを防止することができる。また、先端面21の両端に、該先端面21に向かって漸次先細となるように傾斜して形成された側面22を形成することで、凸部20の側面22に発熱抵抗体7を形成しやすくすることができる。
したがって、上記のようなサーマルヘッド1を備えたサーマルプリンタ10によれば、サーマルヘッド1の熱効率を向上して印刷に必要なエネルギー量を低減することができる。これにより、少ない電力で感熱紙12に印刷することができ、バッテリーの持続時間を長期化させることができる。また、上板基板5の破損による故障を防止して装置としての信頼性を向上させることができる。
[第1の変形例]
以下に、本実施形態に係るサーマルヘッド1の第1の変形例について説明する。なお、以降では、前述した第1の実施形態に係るサーマルヘッド1と共通する点については説明を省略し、異なる点について主に説明する。
本変形例に係るサーマルヘッド31は、図5に示すように、凸部20は、その幅方向の寸法Lm2が、凹部2の幅方向の寸法Lcよりも大きく形成されている。すなわち、凸部20は、上板基板5の上端側(表面)において、支持基板3に形成された凹部2に対応する領域を超えて外側の領域まで延びるように形成されている。
このようにすることで、凹部2(空洞部4)が形成された領域内において、上板基板5を厚くすることができ、上板基板5の強度を向上することができる。
[第2の変形例]
以下に、本実施形態に係るサーマルヘッド1の第2の変形例について説明する。
本変形例に係るサーマルヘッド32は、図6に示すように、凸部20は、上板基板5の上端側(表面)において、支持基板3に形成された凹部2に対応する領域を超えた位置に配置されている。
このようにすることで、凹部2(空洞部4)が形成された領域内において、上板基板5を部分的に厚くして強度の向上を図るとともに、上板基板5を部分的に薄くして熱効率を向上することができる。
[第3の変形例]
以下に、本実施形態に係るサーマルヘッド1の第3の変形例について説明する。
図7に示すように、発熱抵抗体7および電極部8が、矩形状の支持基板3の長手方向に複数配列されている。矢印Yは、紙送り機構17による感熱紙12の送り方向を示している。また、支持基板3の表面には、支持基板3の長手方向に延びる矩形状の凹部2が形成されている。ここで、符号Lr,Lm1,Lm2,Lcはそれぞれ、発熱部の幅方向の寸法、凸部20の幅方向の寸法、凸部20の先端面21の幅方向の寸法、凹部2の幅方向の寸法を示している。
凸部は、その幅方向の寸法Lm1が、凹部2の幅方向の寸法Lcよりも小さく形成されている。すなわち、凸部20は、上板基板5の上端側(表面)において、支持基板3に形成された凹部2に対応する領域内に形成されている。
一方、支持基板3の長手方向の寸法に関しては、凸部20の長手方向の寸法Wmが、凹部2の長手方向の寸法Wcよりも大きく形成されている。すなわち、凸部20の長手方向の寸法は、上板基板5の上端側(表面)において、支持基板3に形成された凹部2に対応する領域を超えて外側の領域まで延びるように形成されている。
上板基板5の支持基板2の長手方向における端部を、部分的に厚くすることで、強度の向上を図るとともに、上板基板5を部分的に薄くして熱効率を向上することができる。
[第4の変形例]
以下に、本実施形態に係るサーマルヘッド1の第4の変形例について説明する。
本変形例に係るサーマルヘッド33は、図8に示すように、凸部20を蒲鉾型またはお椀型の形状としてもよい。
凸部20をこのような形状としても、従来のサーマルヘッド100に比べて、強度および熱効率を向上することができる。
一参考実施形態
以下に、本発明の参考例としての一参考実施形態に係るサーマルヘッド1について説明する。
本参考実施形態に係るサーマルヘッド34は、図9に示すように、凸部20の高さは、電極部8の高さよりも低く形成されている。具体的には、凸部20の高さと電極部8の厚さとの差Lhが、例えば0.5μm以下となるように、凸部20の高さを決定する。
このようにすることで、従来のサーマルヘッド100に比べて、サーマルヘッド1表面と感熱紙12との間の空気層を小さくするとともに、プラテンローラ13からの荷重を凸部20が形成されていない領域、すなわち凹部2(空洞部4)が形成されていない領域で受けることができる。これにより、高い熱効率を維持しつつ、上板基板5の破損を防止することができる。
第5の変形例]
以下に、本実施形態に係るサーマルヘッド1の第5の変形例について説明する。
本変形例に係るサーマルヘッド34は、図10に示すように、凸部20の高さは、電極部8の厚さと同じになるように形成されている。
このようにすることで、サーマルヘッド1表面と感熱紙12との間の空気層を無くして、サーマルヘッド1表面と感熱紙12とを密着させることができる。これにより、発熱抵抗体7により発生させた熱を感熱紙12に効率的に伝達することができ、サーマルヘッド1の熱効率を向上して印刷に必要なエネルギー量を低減することができる。また、プラテンローラ13からの荷重を上板基板5の全面で受けることができ、プラテンローラ13から凸部20にかかる応力を低減して上板基板5の破損を防止することができる。
[第2の実施形態]
以下に、本発明の第2の実施形態として、前述した第1の実施形態に係るサーマルヘッド1の製造方法について図11(a)から図11(g)を用いて説明する。
本実施形態に係るサーマルヘッド1の製造方法は、図11(a)から図11(g)に示すように、支持基板3の表面に開口部(凹部2)を形成する開口部形成工程と、凹部2が形成された支持基板3の表面に上板基板5の裏面を積層状態に接合する接合工程と、支持基板3に接合された上板基板5を薄板化する薄板化工程と、支持基板3に接合された上板基板5の表面に凸部20を形成する凸部形成工程と、上板基板5の表面において空洞部4に対応する領域に発熱抵抗体7を形成する抵抗体形成工程と、発熱抵抗体7の両端に電極部8を形成する電極層形成工程と、電極部8の上に保護膜9を形成する保護膜形成工程とを備えている。以下、上記の各工程について具体的に説明する。
開口部形成工程では、図11(a)に示すように、支持基板3の上端面(表面)において、上板基板5の発熱抵抗体7を設ける領域に対応する位置に凹部2を形成する。凹部2は、例えば、支持基板3の表面に、サンドブラスト、ドライエッチング、ウェットエッチング、レーザ加工等を施すことによって形成する。
支持基板3にサンドブラストによる加工を施す場合には、支持基板3の表面にフォトレジスト材を被覆し、フォトレジスト材を所定パターンのフォトマスクを用いて露光して、凹部2を形成する領域以外の部分を固化させる。その後、支持基板3の表面を洗浄して固化していないフォトレジスト材を除去することで、凹部2を形成する領域にエッチング窓が形成されたエッチングマスク(図示略)が得られる。この状態で、支持基板3の表面にサンドブラストを施し、1〜100μmの深さの凹部2を形成する。凹部2の深さは、例えば、10μm以上で、支持基板3の厚さの半分以下とするのが好ましい。
また、ドライエッチングやウェットエッチング等のエッチングによる加工を施す場合には、上記サンドブラストによる加工と同様に、支持基板3の表面の凹部2を形成する領域にエッチング窓が形成されたエッチングマスクを形成する。そして、この状態で支持基板3の表面にエッチングを施すことで、1〜100μmの深さの凹部2を形成する。
このエッチング処理には、例えば、フッ酸系のエッチング液等を用いたウェットエッチングのほか、リアクティブイオンエッチング(RIE)やプラズマエッチング等のドライエッチングが用いられる。なお、参考例として、支持基板が単結晶シリコンの場合には、水酸化テトラメチルアンモニウム溶液、KOH溶液、または、フッ酸と硝酸の混合液等のエッチング液等によるウェットエッチングが行われる。
次に、接合工程では、図11(b)に示すように、例えば厚さ約500μm〜700μmのガラス基板である上板基板5の下端面(裏面)と、凹部2が形成された支持基板3の上端面(表面)とを、高温融着や陽極接合によって接合する。この際、支持基板3と上板基板5とは乾燥状態で接合され、この接合された接合基板は、例えば200℃以上軟化点以下の温度で熱処理が行われる。
支持基板3と上板基板5とを接合することで、支持基板3に形成された凹部2が上板基板5によって覆われ、支持基板3と上板基板5との間に空洞部4が形成される。
ここで、上板基板として100μm以下の厚さのものは、製造やハンドリングが困難であり、また、高価である。そこで、当初から薄い上板基板5を直接支持基板3に接合する代わりに、接合工程において製造やハンドリングが容易な厚さの上板基板5を支持基板3に接合した後、薄板化工程において上板基板5を所望の厚さに加工する。
次に、薄板化工程では、図11(c)に示すように、上板基板5の上端面(表面)側を、機械研磨することで薄板加工を行うことで、上板基板5を例えば約1μm〜100μmの厚さに加工する。なお、薄板化加工は、ドライエッチングやウェットエッチング等を施すことによって行うこととしてもよい。
次に、凸部形成工程では、図11(d)に示すように、ドライエッチングやウェットエッチング等を施すことによって、上板基板5の上端面(表面)において支持基板3に形成された凹部2に対応する領域に、凸部20を形成する。なお、この凸部形成工程は、薄板化工程と同時に行うこととしてもよい。すなわち、前述の薄板化工程において、凸部20を形成する領域をレジスト材で被覆し、ドライエッチングやウェットエッチング等によって、上板基板5の薄板化と同時に凸部20を形成することとしてもよい。
次に、上板基板5上に発熱抵抗体7、共通電極8A、個別電極8B、および、保護膜9が順次形成される。
具体的には、抵抗体形成工程では、図11(e)に示すように、スパッタリングやCVD(化学気相成長法)、または、蒸着等の薄膜形成法を用いて上板基板5上にTa系やシリサイド系等の発熱抵抗体材料の薄膜を成膜する。発熱抵抗体材料の薄膜をリフトオフ法やエッチング法等を用いて成形することにより、所望の形状の発熱抵抗体7が形成される。
次に、電極層形成工程では、図11(f)に示すように、上板基板5上にAl、Al−Si、Au、Ag、Cu、Pt等の配線材料をスパッタリングや蒸着法等により成膜する。そして、この膜をリフトオフ法やエッチング法を用いて形成したり、配線材料をスクリーン印刷した後に焼成したりするなどして、所望の形状の共通電極8Aおよび個別電極8Bを形成する。なお、発熱抵抗体7および電極部8A,8Bにおけるリフトオフもしくはエッチングのためのレジスト材のパターニングでは、フォトマスクを用いて、フォトレジスト材をパターンニングする。
次に、保護膜形成工程では、図11(g)に示すように、上板基板5上にSiO、Ta、SiAlON、Si、ダイヤモンドライクカーボン等の保護膜材料をスパッタリング、イオンプレーティング、CVD法等により成膜して、保護膜9を形成する。これにより、図3に示されるサーマルヘッド1が製造される。
このようなサーマルヘッド1の製造方法によれば、支持基板3と上板基板5との間に空洞部4が形成されるとともに、発熱抵抗体7の両端に形成された電極部8層の間に凸部20が形成されたサーマルヘッド1を製造することができる。これにより、上記のように、上板基板5の強度を確保しつつ、サーマルヘッド1の熱効率を向上して印刷に必要なエネルギー量を低減することができる。
[第1の変形例]
以下に、本実施形態に係るサーマルヘッド1の製造方法の第1の変形例について説明する。
本変形例に係るサーマルヘッド1の製造方法が、前述した第2の実施形態に係るサーマルヘッド1の製造方法と異なる点は、凸部形成工程において凸部20を積層して形成する点である。以降では、第2の実施形態に係るサーマルヘッド1の製造方法と共通する点については説明を省略し、異なる点について主に説明する。
薄板化工程では、図12(c)に示すように、上板基板5の上端面(表面)側を、ドライエッチングやウェットエッチングを施すことで、十分な断熱性能が得られるように、上板基板5を例えば約1μm〜100μmの厚さに加工する。
凸部形成工程では、図12(d)に示すように、薄板化工程において薄板化された上板基板5に、エッチングストップ層41とSiO2、ガラスなどの凸部20を形成する材料を成膜する。そして、凸部20以外の部分をドライエッチング、ウェットエッチング等により除去することで、上板基板5の上端面(表面)に凸部20を形成する。このようにすることで、薄板化工程で決められた上板基板5の厚さを保持したまま(変化させずに)、凸部20を形成することができる。
この工程においては、エッチングストップ層41と凸部20となる材料を連続成膜しておくことで、凸部20のパターニングにおいてオーバーエッチングを防ぐことができ、正確に凸部20の高さを形成することができる。エッチングストップ層41としては、SiO2、ガラスに比べ、エッチングレートが遅い材料が選ばれる。CF系のガスを使ったドライエッチングではMgO、Ta2O5などを用いることができる。
[第2の変形例]
以下に、本実施形態に係るサーマルヘッド1の製造方法の第2の変形例について説明する。
本変形例に係るサーマルヘッド1の製造方法が、前述した第2の実施形態に係るサーマルヘッド1の製造方法と異なる点は、薄板化工程と凸部形成工程との順番が異なる点である。
凸部形成工程では、図13(d)に示すように、ドライエッチングやウェットエッチング等を施すことによって、上板基板5の上端面(表面)において、支持基板3に形成された凹部2に対応する領域に凸部20を形成する。
薄板化工程では、図13(c)に示すように、上板基板5の上端面(表面)側を、ドライエッチングやウェットエッチングを施すことで、上板基板5を例えば約1μm〜100μmの厚さに加工する。このように薄板化を行うことで、凸部形成工程において形成された凸部20の形状をそのまま残しつつ、上板基板5を薄板化することができる。
以上、本発明の各実施形態について図面を参照して詳述してきたが、具体的な構成はこの実施形態に限られるものではなく、本発明の要旨を逸脱しない範囲の設計変更等も含まれる。
例えば、凸部20は、台形またはお椀型の縦断面形状を有していることとして説明したが、発熱抵抗体7を形成することができればよく、例えば矩形等の縦断面形状としてもよい。
また、支持基板3の長手方向に延びる矩形状の凹部2を形成し、空洞部4が全ての発熱抵抗体7に対向する連通構造を有することとしたが、これに代えて、支持基板3の長手方向に沿って、発熱抵抗体7に対向する位置にそれぞれ独立した凹部を形成することとし、上板基板5によって凹部ごとに独立した空洞部が形成されることとしてもよい。これにより、複数の独立した中空断熱層を備えるサーマルヘッドを形成することができる。
1,31,32,33,34,35 サーマルヘッド
2 凹部
3 支持基板
4 空洞部
5 上板基板
7 発熱抵抗体
8 電極部
9 保護膜
10 サーマルプリンタ(プリンタ)
20 凸部
21 先端面
22 側面

Claims (7)

  1. 表面に凹部を有する支持基板と、
    該支持基板の表面に積層状態に接合された上板基板と、
    該上板基板の表面に前記凹部を跨ぐように設けられた発熱抵抗体と、
    該発熱抵抗体の両側に設けられた一対の電極とを備え、
    該一対の電極の間に配置される前記上板基板の前記電極側の表面に凸部が形成され、前記電極からの電流の供給により発熱する前記発熱抵抗体の発熱部が、前記一対の電極の間から前記凸部に沿ってこれら電極よりも上方にまたは該電極と同一の高さまで突出するサーマルヘッド。
  2. 前記凸部が、前記凹部に対応する領域内に形成されている請求項1に記載のサーマルヘッド。
  3. 前記凸部が、前記凹部に対応する領域を越えて外側の領域まで延びている請求項1に記載のサーマルヘッド。
  4. 前記凸部が、平坦な先端面と、該先端面の両端に該先端面に向かって漸次先細となるように傾斜して形成された側面とを有している請求項1から請求項3のいずれかに記載のサーマルヘッド。
  5. 前記凸部の高さが、前記電極の高さ以上に形成されている請求項1から請求項4のいずれかに記載のサーマルヘッド。
  6. 請求項1から請求項5のいずれかに記載のサーマルヘッドを備えるプリンタ。
  7. 支持基板の表面に開口部を形成する開口部形成工程と、
    該開口部形成工程により前記開口部が形成された前記支持基板の表面に上板基板の裏面を積層状態に接合する接合工程と、
    該接合工程により前記支持基板に接合された前記上板基板を薄板化する薄板化工程と、
    前記接合工程により前記支持基板に接合された前記上板基板の表面に凸部を形成する凸部形成工程と、
    前記上板基板の表面において、前記開口部を跨ぐように発熱抵抗体を形成する抵抗体形成工程と、
    該抵抗体形成工程により形成された発熱抵抗体の両端に電極層を形成する電極層形成工程とを備え
    前記抵抗体形成工程が、前記電極層からの電流の供給により発熱する前記発熱抵抗体の発熱部を前記電極層の間から前記凸部に沿ってこれら電極層よりも上方にまたは該電極層と同一の高さまで突出させるサーマルヘッドの製造方法。
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