JP5765843B2 - サーマルヘッドの製造方法 - Google Patents

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Description

本発明は、サーマルヘッドの製造方法に関するものである。
従来、サーマルプリンタに用いられ、印刷データに基づいて複数の発熱素子を選択的に駆動することによって紙等の感熱記録媒体に印刷を行うサーマルヘッドの製造方法が知られている(例えば、特許文献1参照)。
特許文献1に開示されているサーマルヘッドの製造方法は、上板基板の表面に凹部を形成し、該上板基板に対して凹部を閉塞するように支持基板を接合することで、上板基板と支持基板との間に空洞部を形成し、上板基板の裏面における凹部に対応する領域に発熱抵抗体を形成している。
このようにして製造されたサーマルヘッドによれば、空洞部を熱伝導率の低い断熱層として機能させることにより、発熱抵抗体から上板基板を介して支持基板側に逃げる熱量を低減し、印字に用いられる熱量を増大して発熱効率を向上することができる。
特開2010−94939号公報
特許文献1に開示されているサーマルヘッドでは、凹部の寸法や上板基板の厚さ寸法のばらつきがサーマルヘッドの発熱効率に大きく影響するため、これらの各寸法のばらつきを低減することが要求される。特に、上板基板の厚さ寸法のばらつきが発熱効率に最も影響することがわかっており、これを制御することが非常に重要である。
しかしながら、特許文献1に開示されているサーマルヘッドの製造方法によれば、同一基板内において上板基板の厚さ寸法にばらつきが生じたり、基板毎に上板基板の厚さ寸法にばらつきが生じたりしてしまう。そのため、サーマルヘッド毎に発熱効率のばらつきが生じてしまい、安定した品質のサーマルヘッドを製造することが難しいという問題がある。
本発明は上述した事情に鑑みてなされたものであって、発熱効率が高く、安定した品質のサーマルヘッドを製造することができる方法を提供することを目的とする。
上記目的を達成するために、本発明は以下の手段を採用する。
本発明は、支持基板の表面に凹部を形成する凹部形成工程と、前記凹部が形成された前記支持基板の表面に上板基板を積層状態に接合する接合工程と、前記支持基板に接合された前記上板基板を薄板化する薄板化工程と、薄板化された前記上板基板の厚さを測定する厚さ測定工程と、前記上板基板の厚さが所定値以上の領域を再び薄板化する再薄板化工程と、薄板化された前記上板基板の表面における前記凹部に対応する領域に発熱抵抗体を形成する発熱抵抗体形成工程とを含み、前記再薄板化工程が、1つのサーマルヘッドが形成される領域単位で前記上板基板を薄板化するサーマルヘッドの製造方法を採用する。
本発明によれば、凹部形成工程において支持基板の表面に凹部が形成され、接合工程において、凹部が形成された支持基板の表面に上板基板が積層状態に接合される。これにより、支持基板と上板基板との間に空洞部が形成される。この空洞部は、発熱抵抗体から発生した熱を遮断する中空断熱層として機能し、サーマルヘッドの発熱効率を向上することができる。そして、薄板化工程において、支持基板に接合された上板基板が薄板化され、発熱抵抗体形成工程において、薄板化された上板基板の表面における凹部に対応する領域に発熱抵抗体が形成される。
この場合において、発熱抵抗体形成工程に先立って、厚さ測定工程において薄板化された上板基板の厚さが測定され、再薄板化工程において上板基板の厚さが所定値以上の領域が再び薄板化される。これにより、発熱効率に大きく影響を与える上板基板の厚さ寸法のばらつきを低減することができ、一定の発熱効率を維持することができる。以上のように、本発明によれば、発熱効率が高く安定した品質のサーマルヘッドを製造することができる。
上記発明において、前記再薄板化工程が、1つのサーマルヘッドが形成される領域単位で前記上板基板を薄板化する
このようにすることで、1つのサーマルヘッド内において、上板基板の厚さ寸法が急激に変化してしまうことを防止することができる。また、これにより、大型の基板内の各サーマルヘッドの発熱効率を均一化することができ、かつ1つのサーマルヘッド内において、複数の発熱部からの発熱効率を均一化することができ、印字の濃度のばらつきを抑えることができる。
上記発明において、前記再薄板化工程が、前記厚さ測定工程により測定された厚さが所定値以下の領域に対して、前記1つのサーマルヘッドが形成される領域単位でレジストマスクを形成するレジストマスク形成工程と、前記レジストマスクが形成された前記上板基板にエッチング処理を行うエッチング処理工程とを含むこととしてもよい。
このようにすることで、レジストマスク形成工程において、厚さが所定値以下の領域に対してレジストマスクが形成され、エッチング処理工程において、レジストマスクが形成された上板基板に対してエッチング処理が行われる。これにより、上板基板の厚さ寸法のばらつきを容易に低減することができ、発熱効率を安定化することができる。
上記発明において、前記レジストマスク形成工程が、前記上板基板にポジ型のレジストを塗布した上で、前記上板基板の厚さが前記所定値よりも大きな領域を露光することで、前記所定値以下の領域に対してレジストマスクを形成することとしてもよい。
上記発明において、前記レジストマスク形成工程が、前記上板基板にネガ型のレジストを塗布した上で、前記上板基板の厚さが前記所定値以下の領域を露光することで、前記所定値以下の領域に対してレジストマスクを形成することとしてもよい。
本発明によれば、発熱効率が高く、安定した品質のサーマルヘッドを製造することができるという効果を奏する。
本発明の一実施形態に係るサーマルプリンタの概略構成図である。 図1のサーマルヘッドを保護膜側から見た平面図である。 図2のサーマルヘッドのA−A矢視断面図である。 図2のサーマルヘッドの製造過程における積層基板の平面図である。 図4の積層基板を部分的に拡大した断面図である。 図2のサーマルヘッドの製造過程におけるレジストマスクが形成された積層基板の平面図である。 図6の積層基板を部分的に拡大した断面図である。 図2のサーマルヘッドの製造方法を示すフローチャートである。 図8の厚さ測定工程および再薄板化工程における詳細な処理を示すフローチャートである。 図9の変形例を示すフローチャートである。
以下、本発明の一実施形態に係るサーマルヘッド1について図面を参照して説明する。
本実施形態に係るサーマルヘッド1は、例えば図1に示すようなサーマルプリンタ10に用いられており、印刷データに基づいて複数の発熱素子を選択的に駆動することによって、感熱紙12等の印刷対象物に印刷を行うものである。
サーマルプリンタ10は、本体フレーム11と、水平配置されるプラテンローラ13と、プラテンローラ13の外周面に対向配置されるサーマルヘッド1と、サーマルヘッド1を支持している放熱板15と(図3参照)、プラテンローラ13とサーマルヘッド1との間に感熱紙12を送り出す紙送り機構17と、サーマルヘッド1を感熱紙12に対して所定の押圧力で押し付ける加圧機構19とを備えている。
プラテンローラ13には、加圧機構19の作動により、感熱紙12を介してサーマルヘッド1が押し付けられるようになっている。これにより、プラテンローラ13の荷重が感熱紙12を介してサーマルヘッド1に加えられるようになっている。
放熱板15は、例えば、アルミ等の金属、樹脂、セラミックスまたはガラス等からなる板状部材であり、サーマルヘッド1の固定および放熱を目的とするものである。
サーマルヘッド1には、図2に示すように、発熱抵抗体7および一対の電極8(後述する共通電極8Aおよび個別電極8B)が、支持基板3の長手方向に複数配列されている。矢印Yは、紙送り機構17による感熱紙12の送り方向を示している。また、支持基板3の表面には、支持基板3の長手方向に延びる矩形状の凹部2が形成されている。
図2のA−A矢視断面図が、図3に示されている。
サーマルヘッド1は、図3に示すように、放熱板15に固定されている平板状の支持基板3と、支持基板3の表面に接合された平板状の上板基板5と、上板基板5上に設けられた発熱抵抗体7と、発熱抵抗体7に接続された一対の電極8と、発熱抵抗体7および一対の電極8を覆い、磨耗や腐食から保護する保護膜9とを備えている。
支持基板3は、例えば、300μm〜1mm程度の厚さを有するガラス基板やシリコン基板等の絶縁性の基板である。支持基板3の表面、すなわち上板基板5との境界面には、支持基板3の長手方向に延びる矩形状の凹部2が形成されている。この凹部2は、例えば、1μm〜100μmの深さ、50μm〜300μm程度の幅を有している。
上板基板5は、例えば、厚さ10μm〜100μm程度のガラス材質によって構成されており、発熱抵抗体7から発生した熱を蓄える蓄熱層として機能する。この上板基板5は、凹部2を閉塞するように支持基板3の表面に接合されている。上板基板5によって凹部2が覆われることにより、上板基板5と支持基板3との間には空洞部4が形成されている。
空洞部4は、全ての発熱抵抗体7に対向する連通構造を有しており、発熱抵抗体7から発生した熱が、上板基板5から支持基板3へ伝わることを抑制する中空断熱層として機能する。空洞部4を中空断熱層として機能させることで、発熱抵抗体7の下方の上板基板5を介して支持基板3に伝わる熱量よりも、発熱抵抗体7の上方へ伝わって印字等に利用される熱量を大きくすることができ、サーマルヘッド1の熱効率の向上を図ることができる。
発熱抵抗体7は、上板基板5の上端面において、それぞれ凹部2を幅方向に跨ぐように設けられ、凹部2の長手方向に所定の間隔をあけて複数配列されている。すなわち、各発熱抵抗体7は、上板基板5を介して空洞部4に対向して設けられ、空洞部4上に位置するように配置されている。
一対の電極8は、発熱抵抗体7を発熱させるためのものであり、各発熱抵抗体7の配列方向に直交する方向の一端に接続される共通電極8Aと、各発熱抵抗体7の他端に接続される個別電極8Bとから構成されている。共通電極8Aは、全ての発熱抵抗体7に一体的に接続され、個別電極8Bは個々の発熱抵抗体7にそれぞれ接続されている。
個別電極8Bに選択的に電圧を印加すると、選択された個別電極8Bとこれに対向する共通電極8Aとが接続されている発熱抵抗体7に電流が流れ、発熱抵抗体7が発熱するようになっている。この状態で、加圧機構19の作動により、発熱抵抗体7の発熱部分を覆う保護膜9の表面部分(印字部分)に感熱紙12を押し付けることで、感熱紙12が発色して印字されるようになっている。
なお、各発熱抵抗体7のうち実際に発熱する部分(以下、発熱部分を「発熱部7A」という。)は、発熱抵抗体7に一対の電極8が重なっていない部分、すなわち、発熱抵抗体7のうち共通電極8Aの接続面と個別電極8Bの接続面との間の領域であって、空洞部4のほぼ真上に位置する部分である。
上記のように構成されたサーマルヘッド1の製造方法について、図4から図10を用いて以下に説明する。
本実施形態においては、図4および図5に示すような大型の支持基板3および上板基板5から複数のサーマルヘッド1を製造する方法について説明する。
本実施形態に係るサーマルヘッド1の製造方法は、図8に示すように、支持基板3の表面に凹部2を形成する凹部形成工程S1と、凹部2が形成された支持基板3の表面に上板基板5の裏面を積層状態に接合する接合工程S2と、支持基板3に接合された上板基板5を薄板化する薄板化工程S3と、薄板化された上板基板5の厚さを測定する厚さ測定工程S4と、上板基板5の厚さが所定値以上の領域を再び薄板化する再薄板化工程S5と、薄板化された上板基板5の表面における凹部2に対応する領域に発熱抵抗体7を形成する発熱抵抗体形成工程S6と、発熱抵抗体7の両端に一対の電極8を形成する電極形成工程S7と、発熱抵抗体7および一対の電極8を含む上板基板5の表面に保護膜9を形成する保護膜形成工程S8と、このように形成された複数のサーマルヘッド1を個々に切り分ける切断工程S9とを備えている。以下、上記の各工程について具体的に説明する。
凹部形成工程S1においては、支持基板3として、例えば、300μm〜1mm程度の厚さを有する絶縁性のガラス基板が用いられる。まず、大型の支持基板3を配分し、個々のサーマルヘッド1ごとに領域を分ける。例えば、図4においては、一方向(紙面の縦方向)に4つ、他方向(紙面の横方向)に14つに分けた矩形状の領域が個々のサーマルヘッド1の領域となる。凹部形成工程S1は、この支持基板3の一表面において、個々の各サーマルヘッド1の領域ごとに、長手方向に延びる矩形状の凹部2を形成するようになっている。
凹部2の幅と深さは、熱効率に関してはそれぞれ寸法が大きいほど効果的であるが、製品間の品質のばらつきを抑えるために所定の範囲内に抑える必要がある。また、凹部2の幅寸法が大きすぎると上板基板5の強度が弱くなる。また、凹部2の深さ寸法を大きくすることは製造コストの上昇に繋がるので好ましくない。
凹部2は、例えば、支持基板3の一表面に、サンドブラスト、ドライエッチング、ウェットエッチング、レーザ加工、または、ドリル加工等を施すことによって形成することができる。サンドブラストによる加工を施す場合には、支持基板3の一表面にフォトレジスト材を被覆する。そして、所定パターンのフォトマスクを用いてフォトレジスト材を露光し、凹部2を形成する領域以外の部分を固化させる。
その後、支持基板3の表面を洗浄し、固化していないフォトレジスト材を除去する。そうすると、凹部2を形成する領域にエッチング窓が形成されたエッチングマスク(図示略)が得られる。この状態で、支持基板3の表面にサンドブラストを施し、所定の深さの凹部2を形成する。
また、ドライエッチングやウェットエッチング等のエッチングによる加工を施す場合には、上述したサンドブラストによる加工と同様に、支持基板3の一表面における凹部2を形成する領域にエッチング窓が形成されたエッチングマスクを形成する。この状態で支持基板3の表面にエッチングを施し、所定の深さの凹部2を形成する。
エッチング処理には、例えば、フッ酸系のエッチング液等を用いたウェットエッチングのほか、リアクティブイオンエッチング(RIE)やプラズマエッチング等のドライエッチングを用いることができる。また、支持基板が単結晶シリコンの場合は、水酸化テトラメチルアンモニウム溶液、KOH溶液、または、フッ酸と硝酸の混合液等のエッチング液等によるウェットエッチングが行われる。
次に、接合工程S2においては、支持基板3と同じ材料からなるガラス基板が上板基板5として用いられる。厚さが100μm以下のガラス基板は、製造やハンドリングが困難であり、また、高価である。そこで、当初から薄い上板基板5を支持基板3に接合するのではなく、製造やハンドリングが容易な厚さの上板基板5を支持基板3に接合し、その後、薄板化工程S3により上板基板5を所望の厚さに加工する。
接合工程S2では、まず、支持基板3の表面からエッチングマスクを全て除去して洗浄する。そして、支持基板3の表面に全ての凹部2を閉塞するように上板基板5を貼り合わせる。この際、支持基板3と上板基板5とは、熱処理等による直接接合か、極薄い接着層を有する陽極接合等が望ましい。厚い接着層を有する接合は、熱効率上あまり望ましくない。
支持基板3の表面が上板基板5により覆われ、各凹部2の開口が閉塞されることで、支持基板3と上板基板5との間に複数の空洞部4が形成される。この状態で、張り合わせた支持基板3と上板基板5とを加熱処理し、これらを熱融着により接合する。以下、支持基板3と上板基板5とを接合したものを積層基板6という。
次に、薄板化工程S3では、予め設定された加工条件に基づいて、積層基板6の上板基板5を薄板化する。上板基板5の薄板化はエッチングや研磨等により行う。上板基板5のエッチングには、凹部形成工程S1と同様に、各種エッチングを用いることができる。また、上板基板5の研磨には、例えば、半導体ウェーハ等の高精度研磨に用いられるCMP(ケミカルメカニカルポリッシング)等を用いることができる。
ここで、蓄熱層となる上板基板5の厚さは、サーマルヘッドの熱効率に大きく影響する。上板基板5は、熱効率上薄くするのが望ましいが、強度上あまり薄くすることができない。したがって、上板基板5の厚さは、10μmから50μm程度が望ましい。また、製品の品質のばらつきを抑えるためには、基板内や基板間における上板基板5の厚さのばらつきは、±10μm程度の規格内に入れることが望ましい。
しかしながら、均一に加工して上記のばらつき範囲内に入れることは容易ではない。一般的に、研磨で行う場合には、基板の周辺部に加圧がかかりやすいため、研磨量が大きくなりがちである。また、エッチングで行う場合でも、周辺部の方がエッチング液の循環が行われ易いため、エッチング量が多くなりがちである。また、エッチングの場合は、一度に大量の処理も可能であり、生産性上有利であるが、一度の処理における基板間ばらつきの量も大きくなることが予想される。
そこで、本実施形態に係るサーマルヘッド1の製造方法では、厚さ測定工程S4において上板基板5の厚さを測定し、再薄板化工程S5において必要に応じて上板基板5を再び薄板化加工する。この際の詳細な処理について、図9に示すフローチャートを用いて以下に説明する。
図9に示すように、厚さ測定工程S4では、例えば、測定顕微鏡、接触式の表面粗さ計、または、非接触式のレーザ変位計などを用いて、上板基板5の厚さを測定する(ステップS11)。この際、上板基板5の厚さの測定は、サーマルヘッド単位で全数行うことが望ましいが、予め設定された複数の測定ポイント(例えば周辺部と中央部)についてのみ行うこととしてもよい。また、1つのサーマルヘッドにおいて、複数個所(例えば3箇所)において上板基板5の厚さを測定し、測定した厚さの平均をそれぞれ算出することが望ましい。
次に、サーマルヘッド毎の上板基板5の厚さをデータとして取り込んでいく(ステップS12)。このデータは、後に再薄板化工程S5にフィードバックするために、電子データとして記録しておく。
再薄板化工程S5では、まず、上板基板5の全面にポジ型のフォトレジストを塗布する(ステップS13)。
次に、ステップS12において記録された上板基板5の厚さデータと照合し(ステップS14)、測定された厚さが所定値(例えば20μm±5μm)よりも大きな領域に対して露光・現像を行う(ステップS15:レジストマスク形成工程)。
これにより、図6および図7に示すように、測定された厚さが所定値(例えば20μm±5μm)以下の領域にレジストマスク30(図6の斜線部分)が形成される。このレジストマスク30は、サーマルヘッド単位で形成される。なお、図6および図7において、符号31は、レジストマスク30により覆われていない非レジストマスク領域を示している。
サーマルヘッド単位での露光は、例えばステッパ露光機を用いることにより、上記のような選択的なパターニングを行うことができる。他に、目的の部分にのみ露光を行う方法として、例えば基板サイズと同等の液晶シャッターをフォトマスクの代わりに用意して、上板基板5の厚さデータと照合を行い、露光したい部分に光を透過するように切り替えることとしてもよい。
以上のような、選択的に露光やエッチングを行う方式の場合、厚さデータと処理される基板とを1対1で対応させる必要がある。そのためには、基板にバーコード等の印刷を行い、露光またはエッチング処理する装置が自動で各基板のバーコードを読み取り、オンデマンドの工程とすることが非常に有効である。
次に、レジストマスク30が形成された上板基板5にエッチング処理が行われる(ステップS16:エッチング処理工程)。ここでは、前述の薄板化工程S3と同様の処理が行われる。これにより、レジストマスク30により覆われていない領域、すなわち、非レジストマスク領域31がエッチングされ、非レジストマスク領域31の薄板化加工が行われる。
次に、レジストマスク30を剥離して(ステップS17)、再び上板基板5の厚さを測定する(ステップS18)。
ステップS18において、上板基板5の厚さが規格外、すなわち、20μm±5μmよりも厚い場合には、ステップS12からステップS17までの処理が繰り返される。一方、上板基板5の厚さが規格内、すなわち、20μm±5μm以下の場合には、厚さ測定工程S4および再薄板化工程S5を終了して、発熱抵抗体形成工程S6に進む。
なお、1つのサーマルヘッドにおいて、複数個所(例えば3箇所)において上板基板5の厚さを測定している場合には、複数個所におけるデータの最小値が20μm±5μmの範囲内から外れないように、ステップS12からステップS17までの処理を行う。
次に、発熱抵抗体形成工程S6では、上述のように薄板化された上板基板5の表面における各凹部2に対応する領域に、それぞれ複数の発熱抵抗体7を形成する。発熱抵抗体7は、各空洞部4の長手方向に所定の間隔をあけて配列され、それぞれ空洞部4を幅方向に跨ぐように形成される。
発熱抵抗体7の形成には、スパッタリングやCVD(化学気相成長法)、または、蒸着等の薄膜形成法を用いることができる。上板基板5上にTa系やシリサイド系等の発熱抵抗体材料の薄膜を成膜し、この薄膜をリフトオフ法やエッチング法等を用いて成形することにより、所望の形状の発熱抵抗体7を形成することができる。
次に、電極形成工程S7は、発熱抵抗体形成工程S6と同様に、スパッタリングや蒸着法等により、上板基板5上に電極材料を成膜するようになっている。そして、この膜をリフトオフ法やエッチング法を用いて成形したり、電極材料をスクリーン印刷した後に焼成したりして、一対の電極8を形成する。電極材料としては、例えば、Al、Al−Si、Au、Ag、Cu、Pt等を用いることができる。
なお、発熱抵抗体7や一対の電極8を形成する順序は任意である。発熱抵抗体7および一対の電極8におけるリフトオフもしくはエッチングのためのレジスト材のパターニングでは、フォトマスクを用いてフォトレジスト材をパターンニングする。
次に、保護膜形成工程S8では、発熱抵抗体7および一対の電極8が形成された上板基板5上に保護膜材料を成膜して保護膜9を形成する。保護膜材料としては、例えば、SiO、Ta、SiAlON、Si、ダイヤモンドライクカーボン等が用いられる。また、成膜方法としては、スパッタリング、イオンプレーティング、CVD法等が用いられる。保護膜9を形成することにより、発熱抵抗体7および一対の電極8を磨耗や腐食から保護することができる。
次に、切断工程S9は、大型の積層基板6を個々のサーマルヘッド1の領域ごとに切断する。本実施形態においては、1枚の大型の積層基板6から56個のサーマルヘッド1が形成される。
以上のように、本実施形態に係るサーマルヘッド1の製造方法によれば、凹部形成工程S1において支持基板3の表面に凹部2が形成され、接合工程S2において、凹部2が形成された支持基板3の表面に上板基板5の裏面が積層状態に接合される。これにより、支持基板3と上板基板5との間に空洞部4が形成される。この空洞部4は、発熱抵抗体7から発生した熱を遮断する中空断熱層として機能し、サーマルヘッドの発熱効率を向上することができる。そして、薄板化工程S3において、支持基板3に接合された上板基板5が薄板化され、発熱抵抗体形成工程S6において、薄板化された上板基板5の表面における凹部2に対応する領域に発熱抵抗体7が形成される。
この場合において、発熱抵抗体形成工程S6に先立って、厚さ測定工程S4において薄板化された上板基板5の厚さが測定され、再薄板化工程S5において上板基板5の厚さが所定値以上の領域が再び薄板化される。これにより、発熱効率に大きく影響を与える上板基板5の厚さ寸法のばらつきを低減することができ、一定の発熱効率を維持することができる。すなわち、本実施形態に係るサーマルヘッド1の製造方法によれば、発熱効率が高く安定した品質のサーマルヘッドを製造することができる。
また、再薄板化工程S5において、1つのサーマルヘッドが形成される領域単位で上板基板5を薄板化することで、1つのサーマルヘッド内において、上板基板5の厚さ寸法が急激に変化してしまうことを防止することができる。これにより、1つのサーマルヘッド内において、複数の発熱抵抗体7からの発熱効率を均一化することができ、印字の濃度のばらつきを抑えることができる。
また、上板基板5の再薄板化加工を一度だけ行うのではなく、ステップS18において測定した上板基板5の厚さに応じて、ステップS12からステップS17までの処理を繰り返すことで、上板基板5を高精度に薄板化することができる。
なお、本実施形態に係るサーマルヘッド1の製造方法の変形例として、図10に示すように、ステップS12において記録された上板基板5の厚さデータと照合して(ステップS14)、測定された厚さが所定値(例えば20μm±5μm)以下の領域への露光を遮る遮光マスクを形成することとしてもよい(ステップS21)。具体的には、遮光フィルムを、ステップS11において測定された厚さが所定値(例えば20μm±5μm)よりも大きな領域に対してレーザカッターで切り抜き加工を行い、これを遮光マスクとして使用する。
また、本実施形態では、再薄板化工程S5において、上板基板5の全面にポジ型のフォトレジストを塗布し(ステップS13)、測定された厚さが所定値よりも大きな領域に対して露光・現像を行う(ステップS15)こととしたが、これに代えて、上板基板5の全面にネガ型のフォトレジストを塗布し、測定された厚さが所定値以下の領域に対して露光・現像を行うこととしてもよい。
以上、本発明の実施形態について図面を参照して詳述してきたが、具体的な構成はこの実施形態に限られるものではなく、本発明の要旨を逸脱しない範囲の設計変更等も含まれる。
例えば、上記の実施形態においては、大型の積層基板6単位で上板基板5を薄板化加工することとしたが、個々のサーマルヘッド1ごとに上板基板5を薄板化加工することとしてもよい。このようにすることで、より高品質なサーマルヘッド1を製造することができる。また、個々のサーマルヘッド1ごとに予め切り分けられた支持基板3および上板基板5を用いて、サーマルヘッド1を個別に製造することとしてもよい。
また、上記実施形態では、凹部形成工程S1において、支持基板3に凹部2を形成することとしたが、支持基板3および上板基板5の少なくともいずれか一方に凹部2を形成してもよい。例えば、上板基板5の一表面に凹部を形成することとしてもよいし、支持基板3および上板基板5の両方に凹部を形成することとしてもよい。
1 サーマルヘッド
2 凹部
3 支持基板
4 空洞部
5 上板基板
6 積層基板
7 発熱抵抗体
8 電極
9 保護膜
10 サーマルプリンタ
S1 凹部形成工程
S2 接合工程
S3 薄板化工程
S4 厚さ測定工程
S5 再薄板化工程
S6 発熱抵抗体形成工程
S7 電極形成工程
S8 保護膜形成工程
S9 切断工程

Claims (4)

  1. 支持基板の表面に凹部を形成する凹部形成工程と、
    前記凹部が形成された前記支持基板の表面に上板基板を積層状態に接合する接合工程と、
    前記支持基板に接合された前記上板基板を薄板化する薄板化工程と、
    薄板化された前記上板基板の厚さを測定する厚さ測定工程と、
    前記上板基板の厚さが所定値以上の領域を再び薄板化する再薄板化工程と、
    薄板化された前記上板基板の表面における前記凹部に対応する領域に発熱抵抗体を形成する発熱抵抗体形成工程とを含み、
    前記再薄板化工程が、1つのサーマルヘッドが形成される領域単位で前記上板基板を薄板化するサーマルヘッドの製造方法。
  2. 前記再薄板化工程が、
    前記厚さ測定工程により測定された厚さが所定値以下の領域に対して、前記1つのサーマルヘッドが形成される領域単位でレジストマスクを形成するレジストマスク形成工程と、
    前記レジストマスクが形成された前記上板基板にエッチング処理を行うエッチング処理工程とを含む請求項1に記載のサーマルヘッドの製造方法。
  3. 前記レジストマスク形成工程が、前記上板基板にポジ型のレジストを塗布した上で、前記上板基板の厚さが前記所定値よりも大きな領域を露光することで、前記所定値以下の領域に対してレジストマスクを形成する請求項2に記載のサーマルヘッドの製造方法。
  4. 前記レジストマスク形成工程が、前記上板基板にネガ型のレジストを塗布した上で、前記上板基板の厚さが前記所定値以下の領域を露光することで、前記所定値以下の領域に対してレジストマスクを形成する請求項2に記載のサーマルヘッドの製造方法。
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