JP5881098B2 - サーマルヘッドの製造方法 - Google Patents

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本発明は、サーマルヘッドの製造方法に関するものである。
従来、サーマルプリンタに用いられるサーマルヘッドを製造する方法が知られている(例えば、特許文献1参照)。特許文献1に記載のサーマルヘッドの製造方法は、上板基板の一面に凹部を形成して凹部を閉塞するように支持基板を接合した後、上板基板の他面における凹部に対向する領域に発熱抵抗体を形成することにより、上板基板と支持基板との間に発熱抵抗体に対向して配置された空洞部を有するサーマルヘッドを製造する。
このようにして製造されたサーマルヘッドは、空洞部が熱伝導率の低い断熱層として機能することにより、発熱抵抗体から上板基板を介して支持基板側に逃げる熱量を低減し、印字に用いられる熱量を増大して発熱効率を向上することができる。サーマルヘッドの発熱効率は、空洞部の寸法や発熱抵抗体と空洞部との間の上板基板の厚さ寸法等により決定されるので、これらの各寸法のばらつきを低減することが要求される。
特開2010−94939号公報
しかしながら、サーマルヘッドの製造過程において、上記の寸法は基板間あるいはロット間でばらつきが生じる。また、空洞部や上板基板は、発熱抵抗体や電極、保護膜等の下に配されるため、サーマルヘッドを組み立てた最終段階で寸法を測定したり寸法を補正したりすることができない。そのため、従来の製造方法では、発熱効率のばらつきを抑えることができず、安定した品質のサーマルヘッドを製造することが難しいという問題がある。
本発明は上述した事情に鑑みてなされたものであって、発熱効率が高く安定した品質のサーマルヘッドを製造することができる製造方法を提供することを目的とする。
上記目的を達成するために、本発明は以下の手段を提供する。
本発明は、透明なガラス材料からなる支持基板、および、透明なガラス材料からなる上板基板の少なくとも一方の一面に開口する凹部を形成する凹部形成工程と、前記支持基板と前記上板基板とを板厚方向に配し、前記凹部の開口を閉塞して空洞部を形成するように前記支持基板と前記上板基板とを積層状態に接合する接合工程と、該接合工程により前記支持基板に接合された前記上板基板における前記空洞部に対して板厚方向に配される空洞部対面領域の厚さ寸法を測定する板厚測定工程と、該板厚測定工程により測定された前記厚さ寸法が所定の基準値を超えている場合に、前記上板基板の空洞部対面領域における前記支持基板側の表面にフェムト秒レーザを照射し、前記所定の基準値を満たすように、前記上板基板の空洞部対面領域の厚さを調整する板厚調整工程と、前記支持基板に接合された前記上板基板の表面における前記空洞部に対向する領域に発熱抵抗体を形成する抵抗体形成工程とを含むサーマルヘッドの製造方法を提供する。
本発明によれば、接合工程により支持基板と上板基板とを積層状態に接合し、凹部形成工程により形成された凹部を閉塞することにより、支持基板と上板基板との積層基板の接合部分に空洞部が形成される。そして、上板基板の空洞部対面領域に対して、板厚測定工程により測定されたその厚さ寸法が所定の基準値を超えている場合に、板厚調整工程によりその領域の支持基板側表面にフェムト秒レーザを照射して厚さを薄くし、所定の基準値を満たすように加工される。
フェムト秒レーザによる加工は、ガラス基板等の透明な材質に対しては、その内部にレーザ光を集光させ、基板の表面に損傷を与えることなく内部のみを加工することができる。したがって、フェムト秒レーザにより、積層基板における上板基板の空洞部対面領域のうちの支持基板側表面のみを加工し、支持基板とは反対側の表面の平面性を維持したまま上板基板の空洞部対面領域の厚さを調整することができる。これにより、後工程において、積層基板における上板基板上に発熱抵抗体を精度よく形成することができる。
この場合において、サーマルヘッドの発熱効率は、凹部の寸法(幅、深さ)や、特に上板基板の空洞部対面領域の厚さ等により決定されるので、板厚調整工程により、上板基板における空洞部対面領域の厚さを所定の基準値を満たすように調整することで、発熱効率の向上を図ることができる。また、凹部の深さにばらつきがある場合でも、そのばらつきを相殺することができる。これにより、発熱効率が高く安定した品質のサーマルヘッドを製造することができる。
上記発明においては、前記接合工程により前記支持基板に接合された後、前記板厚測定工程により厚さ寸法が測定される前の前記上板基板の厚さを薄板化する薄板化工程を含むこととしてもよい。
このように構成することで、薄板化工程により、上板基板の厚さを所望の厚さに形成することができる。したがって、接合工程において、ハンドリングが困難な薄さの上板基板を支持基板に接合するのではなく、ハンドリングし易い厚さの上板基板を支持基板に接合することができ、上板基板の取り扱いを容易かつ安全にすることができる。
また、上記発明においては、前記板厚調整工程が、前記空洞部対面領域の前記支持基板側の表面に対して、前記支持基板側からフェムト秒レーザを照射することとしてもよい。
このように構成することで、板厚調整工程を施す前に、支持基板に接合された上板基板上に発熱抵抗体や電極等を形成した場合であっても、板厚調整工程において、これら発熱抵抗体や電極にフェムト秒レーザを照射することなく、上板基板の空洞部対面領域の支持基板側表面にフェムト秒レーザを照射してその領域の厚さ寸法を調整することができる。
また、上記発明においては、前記凹部形成工程が、大判の前記支持基板および前記上板基板の少なくとも一方の一表面に前記凹部を複数形成し、前記板厚調整工程後に大判の前記上板基板および前記支持基板を個々のサーマルヘッドの領域ごとに切断する切断工程を含むこととしてもよい。
このように構成することで、大判の支持基板および上板基板から1度に多数のサーマルヘッドを製造することができ、生産性の向上およびコストの低減を図ることができる。また、凹部ごとの厚さにばらつきがある場合でも、サーマルヘッドごとの上板基板の凹部に対向する領域の厚さを精度よく管理することができる。
本発明によれば、発熱効率が高く安定した品質のサーマルヘッドを製造することができるという効果を奏する。
本発明の一実施形態に係る製造方法により製造されるサーマルヘッドの一例を示す概略構成図である。 本発明の一実施形態に係るサーマルヘッドの製造方法に用いられる大判の支持基板と上板基板との積層基板を板厚方向に見た平面図である。 図2の積層基板を板厚方向に切断した断面図である。 本発明の一実施形態に係るサーマルヘッドの製造方法を示すフローチャートである。 本発明の一実施形態に係るサーマルヘッドの製造方法の板厚調整工程により、上板基板の空洞部対面に照射するフェムト秒レーザの照射位置を示す断面図である。
以下、本発明の一実施形態に係るサーマルヘッドの製造方法について、図面を参照して説明する。
本実施形態に係るサーマルヘッドの製造方法は、例えば、図1に示すように、サーマルプリンタ(図示略)に用いられるサーマルヘッド10を製造するようになっている。本実施形態においては、図2および図3に示すような大判の支持基板12および上板基板14から複数のサーマルヘッド10を製造する方法について説明する。
本製造方法は、図4のフローチャートに示すように、支持基板12の一面に開口する凹部21を形成する凹部形成工程SA1と、支持基板12に凹部21の開口を閉塞して空洞部23を形成するように上板基板14を接合する接合工程SA2と、支持基板12に接合された上板基板14を薄板化する薄板化工程SA3と、上板基板14における空洞部23に対して板厚方向に配される領域の厚さ寸法を測定する板厚測定工程SA4と、測定した厚さ寸法が所定の基準値を超えている場合に、その領域の厚さを調整する板厚調整工程SA5とを含んでいる。
また、本製造方法は、支持基板12に接合された上板基板14の表面に発熱抵抗体15を形成する抵抗体形成工程SA6と、その上板基板14の表面上に発熱抵抗体15に接続する電極部17A,17Bを形成する電極形成工程SA7と、さらに上板基板14上に保護膜19を形成する保護膜形成工程SA8と、個々のサーマルヘッド10ごとに切り分ける切断工程SA9とを備えている。
以下、各工程について具体的に説明する。
凹部形成工程SA1においては、支持基板12として、例えば、300μm〜1mm程度の厚さを有する無アルカリガラス(例えば、日本電気硝子製OA−10G、または、同等品。)からなる透明なガラス基板が用いられる。まず、大判のガラス基板(支持基板12)を配分し、個々のサーマルヘッド10ごとに領域を分ける。例えば、図2においては、長手方向に14分割、幅方向に4分割した矩形状の領域が個々のサーマルヘッド10の領域となる。
凹部形成工程SA1は、この大判の支持基板12の一表面において、個々の各サーマルヘッド10の領域ごとに長手方向に延びる矩形状の凹部21を形成するようになっている(ステップSA1)。凹部21の幅と深さは、製品間の品質のばらつきを抑えるために所定の範囲内に抑える必要がある。例えば、凹部21の深さは1〜100μmとする。
凹部21は、例えば、支持基板12の一表面に、サンドブラスト、ドライエッチング、ウェットエッチング、レーザ加工、または、ドリル加工等を施すことによって形成することができる。
サンドブラストによる加工を施す場合は、支持基板12の一表面にフォトレジスト材を塗布して、所定パターンのフォトマスクを用いてフォトレジスト材を露光し、凹部21を形成する領域以外の部分を固化させる。その後、支持基板12の表面を洗浄し、固化していないフォトレジスト材を除去すると、凹部21を形成する領域にエッチング窓が形成されたエッチングマスク(図示略)が得られる。この状態で、支持基板12の表面にサンドブラストを施し、所定の深さ(深さ1〜100μm。)の凹部21を形成する。
また、ドライエッチングやウェットエッチング等のエッチングによる加工を施す場合には、上述したサンドブラストによる加工と同様に、支持基板12の一表面における凹部21を形成する領域にエッチング窓が形成されたエッチングマスクを形成する。この状態で支持基板12の表面にエッチングを施し、所定の深さの凹部21を形成する。エッチング処理には、例えば、フッ酸系のエッチング液等を用いたウェットエッチングのほか、リアクティブイオンエッチング(RIE)やプラズマエッチング等のドライエッチングを用いることができる。
次に、接合工程SA2においては、例えば、支持基板12と同様に、上板基板14として無アルカリガラスからなる透明な大判のガラス基板が用いられる。厚さが100μm以下のガラス基板(上板基板14)は製造やハンドリングが困難であり、また、高価である。そこで、当初から薄い大判の上板基板14を支持基板12に接合するのではなく、製造やハンドリングが容易な厚さの上板基板14を支持基板12に接合し、その後、薄板化工程SA4により上板基板14を所望の厚さに加工するようになっている(ステップSA2)。
接合工程SA2では、まず、支持基板12の表面からエッチングマスクを全て除去して洗浄する。そして、支持基板12の一面に全ての凹部21を閉塞するように上板基板14を貼り合わせる。例えば、室温にて接着層を用いずに上板基板14を支持基板12に直接貼り合わせる。次いで、張り合わせた支持基板12と上板基板14を加熱処理して熱融着により接合する。以下、支持基板12と上板基板14とを接合したものを積層基板13という。
積層基板13においては、支持基板12の一表面が上板基板14により覆われて各凹部21の開口が閉塞されることにより、支持基板12と上板基板14との間に複数の空洞部23が形成される。空洞部23の形状は任意であって、その大きさは発熱抵抗体15の寸法に近ければ、発熱抵抗体15よりも大きくても小さくてもよい。
次に、薄板化工程SA3は、積層基板13における上板基板14を所望の厚さまで薄板化するようになっている(ステップSA3)。上板基板14の薄板化はエッチングや研磨等によって行う。例えば、上板基板14を厚さ10μm以上100μm以下に薄板化する。
上板基板14のエッチングには、凹部形成工程SA1と同様に、各種エッチングを用いることができる。また、上板基板14の研磨には、例えば、半導体ウェーハ等の高精度研磨に用いられるCMP(ケミカルメカニカルポリッシング)等を用いることができる。
次に、板厚測定工程SA4は、積層基板13における上板基板14の空洞部23に対して板厚方向に配される領域(以下、空洞部対面領域という。)31の厚さを測定するようになっている(ステップSA4)。空洞部対面領域31の厚さの測定は、非接触式の測定器、例えば、干渉レーザ厚さ測定器などを用いて測定することができる。
次に、板厚調整工程SA5は、まず、空洞部対面領域31の厚さ寸法が所定の基準値を超えているか否かを判定するようになっている。そして、空洞部対面領域31における厚さ寸法が所定の基準値を超えている場合に、空洞部対面領域31における支持基板12側の表面、すなわち、上板基板14における凹部21に対向する表面(以下、空洞部対面という。)31Aにフェムト秒レーザを照射し、所定の基準値を満たすように、上板基板14の空洞部対面領域31の厚さを調整するようになっている(ステップSA5)。
具体的には、空洞部対面31Aの内、図5に示すような空洞部対面領域31の厚さが所定の基準値以上を有する部分に対して、支持基板12側から局所的にフェムト秒レーザを照射して部分的に厚さを薄くする。これにより、空洞部対面領域31全体の厚さが所定の基準値を満たすように調整する。図5は、説明上、積層基板13に発熱抵抗体15、電極部17A,17Bおよび保護膜19が形成されている状態を示している。
フェムト秒レーザによる加工は、支持基板12と上板基板14とを接合してなる積層基盤13のように透明な材質からなるガラス基板に対しては、その内部にレーザ光を集光させて、積層基板13の表面に損傷を与えることなく内部のみを加工することができる。これにより、積層基板13の一面、すなわち、上板基板14における発熱抵抗体15を形成する一面の平面性を保ちつつ、空洞部対面領域31の厚さを薄くすることができる。
次に、抵抗体形成工程SA6は、上板基板14の一面における各凹部21に対向する領域に、それぞれ複数の発熱抵抗体15を形成するようになっている(ステップSA6)。発熱抵抗体15は、各空洞部23の長手方向に沿って所定の間隔をあけて配列され、それぞれ空洞部23を幅方向に跨ぐように形成される。
発熱抵抗体15の形成には、スパッタリングやCVD(化学気相成長法)、または、蒸着等の薄膜形成法を用いることができる。上板基板14上にTa系やシリサイド系等の発熱抵抗体材料の薄膜を成膜し、この薄膜をリフトオフ法やエッチング法等を用いて成形することにより、所望の形状の発熱抵抗体15を形成することができる。
次に、電極形成工程SA7は、抵抗体形成工程SA6と同様に、スパッタリングや蒸着法等により、上板基板14上に電極材料を成膜するようになっている。そして、この膜をリフトオフ法やエッチング法を用いて成形したり、電極材料をスクリーン印刷した後に焼成したりして、電極部17A,17Bを形成するようになっている(ステップSA7)。電極材料としては、例えば、Al、Al−Si、Au、Ag、Cu、Pt等を用いることができる。
電極部17A,17Bは、各発熱抵抗体15の一端に接続される個別電極17Aと、全ての発熱抵抗体15の他端に一体的に接続される共通電極17Bとにより構成される。
発熱抵抗体15および電極部17A,17Bを形成する順序は任意である。発熱抵抗体15および電極部17A,17Bにおけるリフトオフもしくはエッチングのためのレジスト材のパターニングでは、フォトマスクを用いてフォトレジスト材をパターンニングする。
次に、保護膜形成工程SA8は、発熱抵抗体15および電極部17A,17Bを覆うように、上板基板14上に保護膜材料を成膜するようになっている(ステップSA8)。保護膜材料としては、例えば、SiO、Ta、SiAlON、Si、ダイヤモンドライクカーボン等が用いられる。また、成膜方法としては、スパッタリング、イオンプレーティング、CVD法等が用いられる。保護膜19を形成することにより、発熱抵抗体15および電極部17A,17Bを磨耗や腐食から保護することができる。
次に、切断工程SA9は、大判の積層基板13を個々のサーマルヘッド10の領域ごとに切断するようになっている(ステップSA9)。本実施形態においては、1枚の大判の積層基板13から56個のサーマルヘッド10が形成される。
このようにして製造されるサーマルヘッド10の作用について説明する。
個別電極17Aに選択的に電圧を印加すると、選択された個別電極17Aとこれに対向する共通電極17Bとが接続されている発熱抵抗体15に電流が流れて発熱する。発熱抵抗体15において発生した熱は、保護膜19側へ伝達されて印字等に利用される一方、一部が上板基板14を介して支持基板12側に伝達される。
上板基板14は、発熱抵抗体15において発生した熱を蓄える蓄熱層として機能する。一方、上板基板14と支持基板12との間に発熱抵抗体15に対向して配置される空洞部23は、発熱抵抗体15から支持基板12側への伝熱を抑制する中空断熱層として機能する。
したがって、空洞部23により、発熱抵抗体15において発生した熱の一部が上板基板14を介して支持基板12側へ逃げるのを抑制することができる。これにより、発熱抵抗体15から保護膜19側へ伝達されて印字等に利用される熱量を増大し、利用効率の向上を図ることができる。
この場合において、サーマルヘッド10の発熱効率は、凹部21の寸法(幅、深さ)や、特に上板基板14の空洞部対面領域31の厚さ等により決定されるので、板厚調整工程SA5により、上板基板14における空洞部対面領域31全体の厚さを所定の基準値を満たすように調整することで、発熱効率の向上を図ることができる。また、凹部21の深さにばらつきがある場合でも、そのばらつきを相殺することができる。これにより、発熱効率が高く安定した品質のサーマルヘッド10を複数製造することができる。
本実施形態においては、板厚調整工程SA5後に、抵抗体形成工程SA6、電極形成工程SA7および保護膜形成工程SA8を施すこととしたが、板厚調整工程SA5前に、抵抗体形成工程SA6、電極形成工程SA7および保護膜形成工程SA8を施すこととしてもよい。
板厚調整工程SA5において、上板基板14の空洞部対面31Aに対して、支持基板12側からフェムト秒レーザを照射する限り、発熱抵抗体15や電極部17A,17Bにフェムト秒レーザを照射することなく、上板基板14の空洞部対面31Aにフェムト秒レーザを照射してその領域の厚さ寸法を調整することができる。
一方、本実施形態においては、板厚調整工程SA5後に抵抗体形成工程SA6、電極形成工程SA7および保護膜形成工程SA8を施す限り、板厚調整工程SA5において、上板基板14の空洞部対面31Aに対して、支持基板12とは反対側、すなわち、上板基板14における発熱抵抗体15や電極部17A,17Bを形成する一面側からフェムト秒レーザを照射してその領域の厚さ寸法を調整することとしてもよい。
また、本実施形態においては、大判の支持基板12および上板基板14を用いて複数のサーマルヘッド10を形成し、接合工程SA9により個々のサーマルヘッド10に切断することとしたが、これに代えて、個々のサーマルヘッド10ごとに予め切り分けられた支持基板12および上板基板14を用いて、サーマルヘッド10を個別に製造することとしてもよい。
また、本実施形態においては、薄板化工程SA3を含むこととしたが、例えば、支持基板12に対して、当初から所望の厚さを有する上板基板14を貼り合わせることとしてもよい。このようにすることで、薄板化工程3を省略し製造時間を短縮することができる。
また、本実施形態では、凹部形成工程SA1において、支持基板12に凹部21を形成することとしたが、支持基板12および上板基板14の少なくとも一方に凹部を形成することとすればよい。例えば、上板基板14の一面に凹部を形成することとしてもよいし、支持基板12および上板基板14の両方に凹部を形成することとしてもよい。上板基板14に凹部を形成した場合は、板厚調整工程SA5により、上板基板14の凹部の底面にフェムト秒レーザを照射することになる。
また、本実施形態では、接合工程SA2において、支持基板12と上板基板14とを熱融着により接合することとしたが、これに代えて、例えば、支持基板12と上板基板14とを極薄い接着層により接合することとしてもよいし、陽極接合することとしてもよい。厚い接着層により接合するのは熱効率上望ましくない。
10 サーマルヘッド
12 支持基板
14 上板基板
15 発熱抵抗体
17A,17B 電極(電極部)
21 凹部
23 空洞部
31 空洞部対面領域
SA1 凹部形成工程
SA2 接合工程
SA3 薄板化工程
SA4 板厚測定工程
SA5 板厚調整工程

Claims (4)

  1. 透明なガラス材料からなる支持基板、および、透明なガラス材料からなる上板基板の少なくとも一方の一面に開口する凹部を形成する凹部形成工程と、
    前記支持基板と前記上板基板とを板厚方向に配し、前記凹部の開口を閉塞して空洞部を形成するように前記支持基板と前記上板基板とを積層状態に接合する接合工程と、
    該接合工程により前記支持基板に接合された前記上板基板における前記空洞部に対して板厚方向に配される空洞部対面領域の厚さ寸法を測定する板厚測定工程と、
    該板厚測定工程により測定された前記厚さ寸法が所定の基準値を超えている場合に、前記上板基板の空洞部対面領域における前記支持基板側の表面にフェムト秒レーザを照射し、前記所定の基準値を満たすように、前記上板基板の空洞部対面領域の厚さを調整する板厚調整工程と
    前記支持基板に接合された前記上板基板の表面における前記空洞部に対向する領域に発熱抵抗体を形成する抵抗体形成工程とを含むサーマルヘッドの製造方法。
  2. 前記接合工程により前記支持基板に接合された後、前記板厚測定工程により厚さ寸法が測定される前の前記上板基板の厚さを薄板化する薄板化工程を含む請求項1に記載のサーマルヘッドの製造方法。
  3. 前記板厚調整工程が、前記空洞部対面領域の前記支持基板側の表面に対して、前記支持基板側からフェムト秒レーザを照射する請求項1または請求項2に記載のサーマルヘッドの製造方法。
  4. 前記凹部形成工程が、大判の前記支持基板および前記上板基板の少なくとも一方の一表面に前記凹部を複数形成し、
    前記板厚調整工程後に大判の前記上板基板および前記支持基板を個々のサーマルヘッドの領域ごとに切断する切断工程を含む請求項1から請求項3のいずれかに記載のサーマルヘッドの製造方法。
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