JP4798626B2 - 発熱抵抗素子部品とその製造方法およびサーマルプリンタ - Google Patents
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Description
サーマルヘッドの高効率化においては、発熱抵抗体の下層に断熱層を形成する方法がある(例えば、特許文献1参照。)。発熱抵抗体で発生した熱量のうち、発熱抵抗体上方の耐摩耗層に伝達される上方伝達熱量の方が発熱抵抗下方の絶縁基板に伝達される下方伝達熱量よりも大きくなるので、印字時に必要とされるエネルギー効率が良好となる。
すなわち、発熱抵抗体の下に空洞部を設けることで、絶縁基板本体方向への断熱効果はあるものの、厚さ方向の中間位置に空洞部を形成するためにアンダーグレーズ層自体が比較的厚く形成される必要がある。このため、アンダーグレーズ層に伝達された熱量がアンダーグレーズ層内に蓄積されることとなり、発熱抵抗体の表面側への熱量の伝達量が少なくなって、発熱効率が低下するという問題がある。
本発明は、支持基板の上に積層された絶縁被膜の上に、複数の発熱抵抗体が間隔をあけて配列され、前記複数の各発熱抵抗体に電力を供給する配線が接続されてなり、前記支持基板の各発熱抵抗体により覆われる領域に、該支持基板を厚さ方向に貫通する貫通孔が設けられ、前記絶縁被膜の各発熱抵抗体により覆われる領域に、周囲よりも厚さが薄い薄肉部が設けられている発熱抵抗素子部品を提供する。
なお、空洞部の上側に位置する絶縁被膜中の断熱性能は、絶縁被膜が薄いほど高く、薄肉部の周縁部の絶縁被膜中の断熱性能は、絶縁被膜が厚いほど高くなる。本発明では、発熱抵抗体の直下には、極薄い絶縁被膜が形成され、その他の部分には比較的厚い絶縁被膜が形成されている。そのため、絶縁被膜の厚さが支持基板の全面にわたって均一な発熱抵抗素子部品に比べて、非常に高い断熱効果を得ることができ、その結果、非常に高い発熱効率をもつ発熱抵抗素子部品を提供することができる。
このようにすることで、隣接する発熱抵抗体ごとに設けられた空洞部間に基板を残すことができる。空洞部間に残った基板は、厚さ方向に延び、発熱抵抗体の上面から加えられる押圧力を支持する支持部材として機能する。その結果、印刷時等に発熱抵抗体の上面側から押圧力を受けても、空洞部間に残った基板により押圧力が支持され、耐圧性能が向上する。
このようにすることで、サーマルヘッド自体の機械的強度を高く保ったまま、さらに高い断熱性能を得ることができることとなる。
また、隣接する発熱抵抗体ごとに設けられた空洞部間により多くの基板を残すことができるので、製造も容易になるという長所を有する。
このようにすることで、耐圧強度(機械的強度)を向上することができるとともに、断熱性能をさらに高めることができる。
また、ウエハ全体にわたり、均一な特性をもつ発熱抵抗素子部品を得ることができる。
また、ウエハ全体にわたり、均一な特性をもつ発熱抵抗素子部品を得ることができる。
また、空洞部の上側に位置するエッチングストップ層は除去されることとなるので、エッチングストップ層の材質として熱伝導の良い金属材料を用いることができて、第1の絶縁被膜、第2の絶縁被膜、およびエッチングストップ層の材料の選択自由度が増すこととなって、第2の絶縁被膜の膜厚制御をより容易なものとすることができる。
本発明によれば、発熱効率を向上して省電力化を図り、少ない電力で長時間にわたり印刷を行うことができる。また、発熱抵抗体の配列ピッチを短縮して解像度の高い印刷を行うことができる。
本実施形態に係る発熱抵抗素子部品1は、サーマルプリンタに用いられるサーマルヘッド(以下、サーマルヘッドという。)である。図1に示すように、発熱抵抗素子部品1は、支持基板(以下、基板という。)2と、基板2の上に形成されたアンダーコート(絶縁皮膜)3を備えている。また、アンダーコート3の上には複数の発熱抵抗体4が間隔をあけて形成され(配列され)、発熱抵抗体4には配線5が接続されている。さらに、発熱抵抗素子部品1は、発熱抵抗体4および配線5の上面を被覆する保護膜6とを備えている。なお、図1中の符号7は、エッチングマスクである。
また、アンダーコート3には、貫通孔9に一致する位置に、周囲よりも厚さが薄い薄肉部10が形成されている。すなわち、アンダーコート3自体に段差を有しており、アンダーコート3の貫通孔9に対応する位置は薄く、その周囲は厚くなっている。これら貫通孔9および薄肉部10の内壁面とその内壁面の周囲を囲む周壁面とで構成される空間は、各発熱抵抗体4に配置された空洞部11を構成している。
基板2には、各発熱抵抗体4に個別に対応する貫通孔9同士を隔離する隔壁12が形成されている。これら隔壁12は、基板2の上層のアンダーコート3を支持する支持部材としての機能を有している。なお、本実施形態においては、貫通孔9および薄肉部10の横断面積は同じである。
配線5は、発熱抵抗体4の配列方向に直交する方向の一端に接続される共通配線5aと、他端に接続される個別配線5bとから構成されている。
まず、図2(a)に示すように、一定の厚さを有する基板2の表面に、絶縁材料からなるアンダーコート3を成膜する。基板2の材料としては、例えば、単結晶シリコン基板等が用いられる。また、アンダーコート3の材料としては、例えば、SiO2、SiO、Al2O3、Ta2O5、SiAlON、Si3N4等が用いられ、その成膜には、スパッタ法、真空蒸着法、CVD法のいずれかの方法が用いられる。基板2、およびアンダーコート3の厚さ寸法はそれぞれ、数百μm、および数十μm〜数百μmである。
そして、エッチングマスク7の表面にフォトレジスト(図示略)でパターニングした後、リアクティブ・イオン・エッチング(Reactive Ion Etching:RIE)によるドライエッチングまたはウェットエッチングを行い、エッチングマスク7をエッチングし、エッチング窓7aを形成する。エッチングマスク7は、基板2に空洞部11を形成するためのもので、表面側に発熱抵抗体4が配されることとなる領域にエッチング窓7aを形成し、残りの領域を被覆するようにパターニングされる。本実施形態のサーマルヘッド1によれば、エッチングマスク7のパターニングで形成されたエッチング窓7aの大きさは、発熱抵抗体4の発熱有効面積と同じになっている。
このようにして、図1に示すサーマルヘッド1が製造されこととなる。なお、図3は、図1に示すサーマルヘッド1を下方(図1(b)において下側)から見た要部平面図である。
なお、空洞部11の上側に位置するアンダーコート3中の断熱性能は、アンダーコート3が薄いほど高く、薄肉部10の周縁部のアンダーコート3中の断熱性能は、アンダーコート3が厚いほど高くなる。本実施形態では、発熱抵抗体4の直下には、極薄いアンダーコート3が形成され、その他の部分には比較的厚いアンダーコート3が形成されている。そのため、アンダーコート3の厚さが基板2の全面にわたって均一なサーマルヘッド1に比べて、非常に高い断熱効果を得ることができ、その結果、非常に高い発熱効率をもつサーマルヘッド1を提供することができる。
本実施形態の説明において、上述した第1の実施形態に係るサーマルヘッド1と構成を共通とする箇所には同一符号を付して説明を省略する。
このような製造方法は、基板2とアンダーコート3の材質が、例えば、シリコンとSiO2といったように異なる場合に用いられる。これは、基板2のエッチングとアンダーコート3のエッチングとでは、最適なエッチング条件が異なるからである。したがって、本実施形態では、空洞部11の形成工程を、基板2のエッチングに適した条件とアンダーコート3のエッチングに適した条件に分けることができる。例えば、シリコンからなる基板2に貫通孔9を形成する基板貫通工程ではSF6などのガスを導入して行うドライエッチングを用い、アンダーコート薄膜化工程ではCF4あるいはCHF3等のガスを導入して行うドライエッチングか、HF溶液によるウェットエッチングを用いることができる。
また、ウエハ全体にわたり、均一な特性をもつサーマルヘッド1を得ることができる。
その他の作用効果は、前述した第1実施形態のものと同じであるので、ここではその説明を省略する。
本実施形態の説明において、上述した実施形態に係るサーマルヘッド1と構成を共通とする箇所には同一符号を付して説明を省略する。
まず、図5(a)に示すように、基板2の表面に、断熱層となる空洞部11に対応する位置に凸部2aを形成する。形成方法としては、ドライエッチング法またはウェットエッチング法である。凸部加工の厚さは数十μm〜数百μmである。
そして、図5(c)に示すエッチングマスク7の形成、図5(d)に示す発熱抵抗体4の形成、図5(e)に示す配線5の形成、図5(f)に示す保護膜6の形成は、図2を用いて説明した製造方法と同様に行う。
なお、基板2の厚さは数百μmである。そのため、厚さ数百μmの基板2を貫通加工する必要があり、精度の高い加工技術が求められる。図2の製造方法では、アンダーコート3付近の空洞部11の形状は、基板2の裏面に形成されたエッチングマスク7が基板2を貫通した後に転写されるようになっている。そのため、基板2を貫通加工した後、断熱性能に影響するアンダーコート3付近の空洞部形状を所望のサイズにするためには、高い加工精度が要求される。
また、基板材料にシリコンを用い、アンダーコート材料にSiO2を用い、基板貫通工程でSF6等のガスを導入して行うドライエッチングを用いる場合、シリコンとSiO2で大きな選択比を得ることができる。
また、図5(b)のアンダーコート3を凸部2aが被覆されるように成膜する工程後に、アンダーコート3の表面を平坦化加工してもよい。平坦化加工としては、砥石を使う研削加工、細かい粒径の研磨剤を含む研磨液による機械研磨加工、CMP等が用いられる。このようにすることで、空洞部11の上側に位置するアンダーコート3の厚さ制御が容易となる。また、アンダーコート3の表面の段差をなくすことができ、その後の各成膜工程を良好に行っていくことができるので、発熱抵抗体4の全体の機械的強度をさらに向上させることができる。
さらに、アンダーコート3を形成する方法として、ガラスペースト等のペースト材料をスクリーン印刷法により塗布し、乾燥、焼成する方法を用いることができる。この方法は、数十μmの厚いアンダーコート3の層を形成でき、空洞部11近傍の断熱性能を高めることに有効な製造方法である。また、凹凸のある表面にガラスペーストを塗布することで、平坦な表面を得ることができる。そのため、空洞部11の上側に位置するアンダーコート3の厚さ制御が容易となる。また、アンダーコート3の表面の段差をなくすことができ、その後の各成膜工程を良好に行っていくことができるので、発熱抵抗体4の全体の機械的強度をさらに向上させることができる。
その他の作用効果は、前述した第1実施形態のものと同じであるので、ここではその説明を省略する。
本実施形態の説明において、上述した実施形態に係るサーマルヘッド1と構成を共通とする箇所には同一符号を付して説明を省略する。
これは、発熱抵抗体4から遠い部分は印字には寄与しないため、発熱抵抗体4およびその周辺部のみにアンダーコート3を形成することにより、印字に寄与しない領域の熱容量を減らし、効率向上および応答速度の高速化といった利点を得ることができるからである。
まず、図7(a)に示すように、基板2の表面に、アンダーコート3を埋め込む領域を形成するとともに、基板2の周囲が最も高くなるように、基板2をエッチングする。発熱抵抗体4および空洞部11に対応する位置とその周辺部の凹凸は発熱抵抗体4および空洞部11に対応する位置が凸部2bになるように形成する。基板2のエッチング方法としては、ドライエッチング法またはウェットエッチング法である。基板2の凸部加工の厚さは数十μm〜数百μmである。また、基板2の最も高い部分と発熱抵抗体4の周囲の高低差は数μm〜数十μmである。
そして、図7(c)に示すエッチングマスク7の形成、図7(d)に示す発熱抵抗体4の形成、図7(e)に示す配線5の形成、図7(f)に示す保護膜6の形成は、図2を用いて説明した製造方法と同様に行う。
また、アンダーコート3を形成する方法として、ガラスペースト等のペースト材料をスクリーン印刷法により塗布し、乾燥、焼成する方法を用いることができる。この方法は、数十μmの厚いアンダーコート3の層を形成でき、空洞部11近傍の断熱性能を高めることに有効な製造方法である。
さらに、凹凸のある表面にガラスペーストを塗布することで、平坦な表面を得ることができる。そのため、空洞部11の上側に位置するアンダーコート3の厚さ制御が容易となる。
さらにまた、アンダーコート3の表面の段差をなくすことができ、その後の各成膜工程を良好に行っていくことができるので、発熱抵抗体4の全体の機械的強度をさらに向上させることができる。
その他の作用効果は、前述した第1実施形態のものと同じであるので、ここではその説明を省略する。
図8は本発明の第5実施形態に係るサーマルヘッドを示す図であり、(a)は平面図、(b)は(a)のE−E縦断面図である。図9は図8のサーマルヘッドの製造方法を説明する工程図であり、図8(a)のF−F縦断面図である。
本実施形態の説明において、上述した実施形態に係るサーマルヘッド1と構成を共通とする箇所には同一符号を付して説明を省略する。
まず、図9(a)に示すように、基板2の表面に下層アンダーコート3bを形成する。下層アンダーコート3bの材料としては、ポリイミド等の樹脂が用いられ、形成方法には、ワニス上のポリイミドをスピンコートで塗布した後、乾燥、焼成、あるいは、加熱、加圧による融着を用いる。厚さ寸法は数μm〜数百μmである。
また、ウエハ全体にわたり、均一な特性をもつサーマルヘッド51を得ることができる。
その他の作用効果は、前述した第1実施形態のものと同じであるので、ここではその説明を省略する。
本実施形態の説明において、上述した実施形態に係るサーマルヘッド1と構成を共通とする箇所には同一符号を付して説明を省略する。
まず、図11(a)に示すように、基板2の表面に下層アンダーコート3bを形成する。下層アンダーコート3bの材料としては、ポリイミド等の樹脂のほか、SiO2、SiO、Al2O3、Ta2O5、SiAlON、Si3N4等の無機材料が用いられる。厚さ寸法は数十μm〜数百μmである。
また、空洞部11の上側に位置するエッチングストップ層3cは除去されることとなるので、エッチングストップ層3cの材質として熱伝導の良い金属材料を用いることができて、上層アンダーコート3a、下層アンダーコート3b、およびエッチングストップ層3cの材料の選択自由度が増すこととなって、上層アンダーコート3aの膜厚制御をより容易なものとすることができる。
図12は本発明の第7実施形態に係るサーマルヘッドを示す図であり、(a)は平面図、(b)は(a)のJ−J縦断面図である。図13は図12のサーマルヘッドの製造方法を説明する工程図であり、図12(a)のK−K縦断面図である。本実施形態の説明において、上述した実施形態に係るサーマルヘッド1と構成を共通とする箇所には同一符号を付して説明を省略する。
これは、断熱性能の点では、空洞部11のアンダーコート3と接する部分のサイズが大きい方が有利となるからである。
なお、機械的強度の点では、基板2に形成された空洞部11間の隔壁12が太いほど有利となる。サーマルヘッドのドット間隔は、製品仕様により決まっているため、第1実施形態ないし第6実施形態において説明したサーマルヘッドでは、空洞部11のアンダーコート3と接する部分のサイズと裏面のエッチング窓7aの平面視におけるサイズが等しくなっており、さらに高い断熱性能を得る場合には、機械的強度を犠牲にして、隔壁12を細くせざるを得ないこととなる。
まず、図13(a)に示すように、基板2の表面に、断熱層となる空洞部11に対応する位置に凸部2aを形成する。形成方法としては、ドライエッチング法またはウェットエッチング法である。凸部加工の厚さは数十μm〜数百μmである。
そして、図13(c)に示すエッチングマスク7の形成、図13(d)に示す発熱抵抗体4の形成、図13(e)に示す配線5の形成、図13(f)に示す保護膜6の形成は、図2を用いて説明した製造方法と同様に行う。
なお、エッチングマスク7を形成する際には、前述したように、図13(a)で形成した凸部のサイズよりも小さいエッチング窓7aがパターニングされるようになっている。
また、隔壁12が太くできるため、製造も容易になるという長所を有する。
その他の作用効果は、前述した第1実施形態のものと同じであるので、ここではその説明を省略する。
図14に示すように、サーマルヘッド81には、複数の空洞部11を塞ぐように基板2の下面に第2の基板13が接合されている。
第2の基板13としては、ガラス基板やシリコン基板、アルミナセラミクス基板等の絶縁性基板が用いられている。
このように構成することにより、隔壁12の下端面同士が第2の基板13で互いに接合(結合)されることとなるので、サーマルヘッド全体の機械的強度を増加させることができる。
また、第2の基板13により、各空洞部11の下端が塞がれて、各空洞部11がそれぞれ独立した密閉空間を形成することとなるので、断熱性能をさらに高めことができる。
本実施形態においては、例えば、真空状態においてシリコン基板2の裏面に第2の基板13としてガラス基板を貼り付けることにより、密封された空洞部8内を真空状態にすることができる。
このようにすることで、空洞部8内の空気による熱伝導をなくし、断熱効果をさらに向上することができる。また、発熱抵抗体4の作動による温度変化に応じて密封された空洞部8内の圧力が変動することを回避することができる。
一方、空洞部11内に大気圧より高い圧力状態の気体を封入することにしてもよい。このようにすることで、薄膜で構成される発熱抵抗体4の発熱面に外部から力が加わった場合に、空洞部8の内圧によりこの外力に対抗して発熱面の変形を防止し、あるいは、変形後に元の状態に復元する効果を得ることができる。
この場合に、空洞部11内に密封するガスとしては、N2、He、Ar等の不活性ガスを用いることが好ましい。このようにすることで、アンダーコート3を透過する密封ガスにより、発熱抵抗体4が酸化してしまうことを防止できる。また、第2の基板13と基板とを陽極接合で接合する場合、接合時に200〜400℃の高温で過熱される。したがって、不活性ガスを封入することで、陽極接合時の過熱によっても発熱抵抗体4が酸化したり特性劣化したりする問題を防止でき、信頼性および再現性の高いサーマルヘッドを構成することができる。
また、上記においては、第2の基板13により空洞部11を密封する場合について説明したが、これに代えて、基板あるいは第2の基板に空洞部11を大気開放するにするための開口部を形成してもよい。このようにすることで、各発熱抵抗体4に設けられた空洞部8内の内圧を均一な大気圧に保持することができる。空洞部11内の圧力は熱伝導に影響するため、空洞部11を大気開放することによって、各発熱抵抗体4の発熱特性を均一にすることができる。
本実施形態に係るサーマルプリンタ30は、本体フレーム31に、水平配置されるプラテンローラ32と、プラテンローラ32に感熱紙33を挟んで押し付けられる上記第1〜第10実施形態に係るサーマルヘッド1,41,51,61,71,81,91,101とを備えている。サーマルヘッド1,41,51,61,71,81,91,101は、プラテンローラ32の長手方向に配列された複数の発熱抵抗体4を有し、加圧機構34により所定の押圧力で感熱紙33に押し付けられるようになっている。図中、符号35は紙送り駆動モータである。
2 基板(支持基板)
2a 凸部
3 アンダーコート(絶縁被膜)
3a 上層アンダーコート(第2の絶縁被膜)
3b 下層アンダーコート(第1の絶縁被膜)
3c エッチングストップ層
4 発熱抵抗体
5 配線
5a 共通配線(配線)
5b 個別配線(配線)
7 エッチングマスク
7a エッチング窓
9 貫通孔
10 薄肉部
11 空洞部
13 第2の基板
14 連通孔
30 サーマルプリンタ
41 サーマルヘッド(発熱抵抗素子部品)
51 サーマルヘッド(発熱抵抗素子部品)
61 サーマルヘッド(発熱抵抗素子部品)
71 サーマルヘッド(発熱抵抗素子部品)
81 サーマルヘッド(発熱抵抗素子部品)
91 サーマルヘッド(発熱抵抗素子部品)
101 サーマルヘッド(発熱抵抗素子部品)
Claims (10)
- 支持基板の上に積層された絶縁被膜の上に、複数の発熱抵抗体が間隔をあけて配列され、前記複数の各発熱抵抗体に電力を供給する配線が接続されてなり、
前記支持基板の各発熱抵抗体により覆われる領域に、該支持基板を厚さ方向に貫通する貫通孔が設けられ、
前記絶縁被膜の各発熱抵抗体により覆われる領域に、周囲よりも厚さが薄い薄肉部が設けられている発熱抵抗素子部品。 - 前記貫通孔は、その平面視におけるサイズが、前記薄肉部の平面視におけるサイズよりも 小さく形成されている請求項1に記載の発熱抵抗素子部品。
- 前記貫通孔の下端が、第2の基板によって覆われている請求項1または請求項2に記載の発熱抵抗素子部品。
- 支持基板の表面に絶縁被膜を形成する絶縁被膜形成工程と、
前記支持基板の裏面に、エッチング窓を有するエッチングマスクを形成するエッチングマスク形成工程と、
前記絶縁皮膜の上の前記エッチング窓に対応する位置に発熱抵抗体を形成する発熱抵抗体形成工程と、
前記発熱抵抗体に接続する配線を形成する配線形成工程と、
前記エッチングマスクをマスクとして、前記支持基板の裏面側からエッチングすることにより、前記支持基板に貫通孔を形成するとともに、前記絶縁被膜に周囲よりも厚さが薄い薄肉部を形成する空洞部形成工程とを含む発熱抵抗素子部品の製造方法。 - 支持基板の表面に絶縁被膜を形成する絶縁被膜形成工程と、
前記支持基板の裏面に、エッチング窓を有するエッチングマスクを形成するエッチングマスク形成工程と、
前記絶縁皮膜の上の前記エッチング窓に対応する位置に発熱抵抗体を形成する発熱抵抗体形成工程と、
前記発熱抵抗体に接続する配線を形成する配線形成工程と、
前記エッチングマスクをマスクとして、前記支持基板の裏面側からエッチングすることにより、前記支持基板に貫通孔を形成する貫通孔形成工程と、
前記エッチングマスクをマスクとして、前記支持基板の裏面側からエッチングすることにより、前記絶縁被膜に周囲よりも厚さが薄い薄肉部を形成する薄肉部形成工程とを含む発熱抵抗素子部品の製造方法。 - 支持基板の表面に凸部を形成する凸部形成工程と、
支持基板の表面に前記凸部を被覆して平坦になるように絶縁被膜を形成する絶縁被膜形成工程と、
前記支持基板の裏面に、前記凸部に対応する位置にエッチング窓を有するエッチングマスクを形成するエッチングマスク形成工程と、
前記絶縁皮膜の上の前記エッチング窓に対応する位置に発熱抵抗体を形成する発熱抵抗体形成工程と、
前記発熱抵抗体に接続する配線を形成する配線形成工程と、
前記エッチングマスクをマスクとして、前記支持基板の裏面側からエッチングすることにより、前記支持基板に貫通孔を形成する空洞部形成工程とを含む発熱抵抗素子部品の製造方法。 - 支持基板の表面に、絶縁被膜を埋め込む領域を形成するとともに、前記支持基板の周囲が高くなるように、前記支持基板の表面をエッチングするエッチング工程と、
前記支持基板の表面の前記絶縁被膜を埋め込む領域に絶縁被膜を形成する絶縁被膜形成工程と、
前記支持基板の裏面に、エッチング窓を有するエッチングマスクを形成するエッチングマスク形成工程と、
前記絶縁皮膜の上の前記エッチング窓に対応する位置に発熱抵抗体を形成する発熱抵抗体形成工程と、
前記発熱抵抗体に接続する配線を形成する配線形成工程と、
前記エッチングマスクをマスクとして、前記支持基板の裏面側からエッチングすることにより、前記支持基板に貫通孔を形成する空洞部形成工程とを含む発熱抵抗素子部品の製造方法。 - 支持基板の表面に第1の絶縁被膜を形成する第1の絶縁被膜形成工程と、
前記第1の絶縁被膜の表面に第2の絶縁被膜を形成する第2の絶縁被膜形成工程と、
前記支持基板の裏面に、エッチング窓を有するエッチングマスクを形成するエッチングマスク形成工程と、
前記第2の絶縁皮膜の上の前記エッチング窓に対応する位置に発熱抵抗体を形成する発熱抵抗体形成工程と、
前記発熱抵抗体に接続する配線を形成する配線形成工程と、
前記エッチングマスクをマスクとして、前記支持基板の裏面側からエッチングすることにより、前記支持基板および前記第1の絶縁被膜に貫通孔を形成する空洞部形成工程とを含む発熱抵抗素子部品の製造方法。 - 支持基板の表面に第1の絶縁被膜を形成する第1の絶縁被膜形成工程と、
前記第1の絶縁被膜の表面にエッチングストップ層を形成するエッチングストップ層形成工程と、
前記エッチングストップ層の表面に第2の絶縁被膜を形成する第2の絶縁被膜形成工程と、
前記支持基板の裏面に、エッチング窓を有するエッチングマスクを形成するエッチングマスク形成工程と、
前記第2の絶縁皮膜の上の前記エッチング窓に対応する位置に発熱抵抗体を形成する発熱抵抗体形成工程と、
前記発熱抵抗体に接続する配線を形成する配線形成工程と、
前記エッチングマスクをマスクとして、前記支持基板の裏面側から前記エッチングストップ層に達するまで前記支持基板および前記第1の絶縁被膜をエッチングし、さらに前記エッチングストップ層を除去することにより、前記支持基板、前記第1の絶縁被膜、および前記エッチングストップ層に貫通孔を形成する空洞部形成工程とを含む発熱抵抗素子部品の製造方法。 - 請求項1から請求項3のいずれかに記載の発熱抵抗素子部品からなるサーマルヘッドを備えるサーマルプリンタ。
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