JP4798626B2 - 発熱抵抗素子部品とその製造方法およびサーマルプリンタ - Google Patents

発熱抵抗素子部品とその製造方法およびサーマルプリンタ Download PDF

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Description

本発明は、発熱抵抗素子部品とその製造方法およびサーマルプリンタに関するものである。
近年、サーマルプリンタは小型情報機器端末に多く用いられるようになってきている。小型情報機器端末はバッテリ駆動であるため、サーマルプリンタの省電力化が強く求められ、そのための発熱効率の高いサーマルヘッドが求められている。
サーマルヘッドの高効率化においては、発熱抵抗体の下層に断熱層を形成する方法がある(例えば、特許文献1参照。)。発熱抵抗体で発生した熱量のうち、発熱抵抗体上方の耐摩耗層に伝達される上方伝達熱量の方が発熱抵抗下方の絶縁基板に伝達される下方伝達熱量よりも大きくなるので、印字時に必要とされるエネルギー効率が良好となる。
特開平6−166197号公報
しかしながら、特許文献1に示される構造のサーマルヘッドには、以下の問題がある。
すなわち、発熱抵抗体の下に空洞部を設けることで、絶縁基板本体方向への断熱効果はあるものの、厚さ方向の中間位置に空洞部を形成するためにアンダーグレーズ層自体が比較的厚く形成される必要がある。このため、アンダーグレーズ層に伝達された熱量がアンダーグレーズ層内に蓄積されることとなり、発熱抵抗体の表面側への熱量の伝達量が少なくなって、発熱効率が低下するという問題がある。
また、空洞部を形成するために蒸発させる樹脂材料の寸法精度は低く、精密な形状の空洞部を形成することができない。このため、空洞部は、複数の発熱抵抗体の配列方向に沿って複数の発熱抵抗体に跨るように帯状に形成されるので、発熱抵抗体の位置におけるアンダーグレーズ層の強度が低く、印字の際に発熱抵抗体にかかる圧力によって、空洞部が潰れ易いという欠点がある。特に、発熱抵抗体との間に印刷用紙を挟むドラムは、発熱抵抗体の配列方向に沿って配されるため、アンダーグレーズ層が発熱抵抗体の配列方向に沿って割れる虞がある。
さらに、アンダーグレーズ層の厚さ方向の中間位置に空洞部を設ける従来の方法は、アンダーグレーズ下層の表面に、セルロース系樹脂からなる蒸発成分層を帯状に印刷して乾燥させ、その後、アンダーグレーズ下層と同一の絶縁材料からなるアンダーグレーズ表層形成ペーストを表面に形成して乾燥させる。さらに、このようにして積層された絶縁材料を約1300℃の温度で焼成することにより、蒸発成分層を蒸発させるものである。したがって、発熱抵抗体の下方に空洞部を設けるために複雑な工程が必要であり、製造に時間を要するという問題がある。
本発明は上述した事情に鑑みてなされたものであって、発熱抵抗体の発熱効率を向上して消費電力の低減を図り、発熱抵抗体下部の基板の強度を向上し、簡易にかつ安価に製造することができるサーマルヘッドとその製造方法およびサーマルプリンタを提供することを目的とする。
上記目的を達成するために、本発明は以下の手段を提供する。
本発明は、支持基板の上に積層された絶縁被膜の上に、複数の発熱抵抗体が間隔をあけて配列され、前記複数の各発熱抵抗体に電力を供給する配線が接続されてなり、前記支持基板の各発熱抵抗体により覆われる領域に、該支持基板を厚さ方向に貫通する貫通孔が設けられ、前記絶縁被膜の各発熱抵抗体により覆われる領域に、周囲よりも厚さが薄い薄肉部が設けられている発熱抵抗素子部品を提供する。
本発明によれば、発熱抵抗体の発熱有効面積部分の下方に、極薄い絶縁被膜が設けられ、さらにその下方に、支持基板が存在しない空洞部が設けられているので、空洞部が断熱層として機能し、発熱抵抗体で発生した熱(熱量)が、支持基板の厚さ方向へ流出してしまうことを抑制することができる。このように、発熱抵抗体の直下に空洞部が形成された発熱抵抗素子部品では、発熱抵抗体において発生した熱は、空洞部の上側に位置する絶縁被膜中において、支持基板の表面および裏面に平行な方向(すなわち、支持基板の厚さ方向と直交する方向)に広がり、薄肉部の周縁部まで伝わることとなる。その後、薄肉部の周縁部に達した熱流は、絶縁被膜中において支持基板の厚さ方向(すなわち、支持基板の表面および裏面と直交する方向)に伝わり、支持基板に達することとなる。
なお、空洞部の上側に位置する絶縁被膜中の断熱性能は、絶縁被膜が薄いほど高く、薄肉部の周縁部の絶縁被膜中の断熱性能は、絶縁被膜が厚いほど高くなる。本発明では、発熱抵抗体の直下には、極薄い絶縁被膜が形成され、その他の部分には比較的厚い絶縁被膜が形成されている。そのため、絶縁被膜の厚さが支持基板の全面にわたって均一な発熱抵抗素子部品に比べて、非常に高い断熱効果を得ることができ、その結果、非常に高い発熱効率をもつ発熱抵抗素子部品を提供することができる。
上記発明においては、前記貫通孔および前記薄肉部がそれぞれ、各発熱抵抗体に対して個別に設けられていることとしてもよい。
このようにすることで、隣接する発熱抵抗体ごとに設けられた空洞部間に基板を残すことができる。空洞部間に残った基板は、厚さ方向に延び、発熱抵抗体の上面から加えられる押圧力を支持する支持部材として機能する。その結果、印刷時等に発熱抵抗体の上面側から押圧力を受けても、空洞部間に残った基板により押圧力が支持され、耐圧性能が向上する。
上記発明においては、前記貫通孔は、その平面視におけるサイズが、前記薄肉部の平面視におけるサイズよりも小さく形成されていることが好ましい。
このようにすることで、サーマルヘッド自体の機械的強度を高く保ったまま、さらに高い断熱性能を得ることができることとなる。
また、隣接する発熱抵抗体ごとに設けられた空洞部間により多くの基板を残すことができるので、製造も容易になるという長所を有する。
上記発明においては、前記貫通孔の下端が、第2の基板によって覆われていることが好ましい。
このようにすることで、耐圧強度(機械的強度)を向上することができるとともに、断熱性能をさらに高めることができる。
本発明は、支持基板の表面に絶縁被膜を形成する絶縁被膜形成工程と、前記支持基板の裏面に、エッチング窓を有するエッチングマスクを形成するエッチングマスク形成工程と、前記絶縁皮膜の上の前記エッチング窓に対応する位置に発熱抵抗体を形成する発熱抵抗体形成工程と、前記発熱抵抗体に接続する配線を形成する配線形成工程と、前記エッチングマスクをマスクとして、前記支持基板の裏面側からエッチングすることにより、前記支持基板に貫通孔を形成するとともに、前記絶縁被膜に薄肉部を形成する空洞部形成工程とを含む発熱抵抗素子部品の製造方法を提供する。
本発明によれば、空洞部形成工程が、例えば、図2(b)のエッチングマスク7の形成工程と、図2(f)の基板2のエッチング工程の2工程のみで行われることとなるため、空洞部を形成するための工程数が少なくてすみ、生産性に優れた発熱抵抗素子部品を得ることができる。
本発明は、支持基板の表面に絶縁被膜を形成する絶縁被膜形成工程と、前記支持基板の裏面に、エッチング窓を有するエッチングマスクを形成するエッチングマスク形成工程と、前記絶縁皮膜の上の前記エッチング窓に対応する位置に発熱抵抗体を形成する発熱抵抗体形成工程と、前記発熱抵抗体に接続する配線を形成する配線形成工程と、前記エッチングマスクをマスクとして、前記支持基板の裏面側からエッチングすることにより、前記支持基板に貫通孔を形成する貫通孔形成工程と、前記エッチングマスクをマスクとして、前記支持基板の裏面側からエッチングすることにより、前記絶縁被膜に周囲よりも厚さが薄い薄肉部を形成する薄肉部形成工程とを含む発熱抵抗素子部品の製造方法を提供する。
本発明によれば、絶縁被膜の厚さ方向の加工精度が向上することから、断熱性能に影響を与える絶縁被膜の厚さの制御性が向上するため、高い断熱性能が得られることとなる。
また、ウエハ全体にわたり、均一な特性をもつ発熱抵抗素子部品を得ることができる。
本発明は、支持基板の表面に凸部を形成する凸部形成工程と、支持基板の表面に前記凸部を被覆して平坦になるように絶縁被膜を形成する絶縁被膜形成工程と、前記支持基板の裏面に、前記凸部に対応する位置にエッチング窓を有するエッチングマスクを形成するエッチングマスク形成工程と、前記絶縁皮膜の上の前記エッチング窓に対応する位置に発熱抵抗体を形成する発熱抵抗体形成工程と、前記発熱抵抗体に接続する配線を形成する配線形成工程と、前記エッチングマスクをマスクとして、前記支持基板の裏面側からエッチングすることにより、前記支持基板に貫通孔を形成する空洞部形成工程とを含む発熱抵抗素子部品の製造方法を提供する。
本発明によれば、絶縁被膜付近の空洞部の形状は、凸部形成工程で支持基板に形成した凸部の形状となる。そのため、厚さ数百μmの支持基板に貫通加工を施した後でも、絶縁被膜付近の空洞部の形状は所望のサイズとなる。したがって、空洞部の加工精度を簡易に向上させることができる。特に、多数の発熱抵抗体を直線状に配置した発熱抵抗素子部品では、1mmあたり4個から16個の発熱抵抗体を配置する必要があるため、この製造方法によれば、高い精度で多数の発熱抵抗体を配置することができ、高効率な発熱抵抗素子部品を得るのに大変有効である。
本発明は、支持基板の表面に、絶縁被膜を埋め込む領域を形成するとともに、前記支持基板の周囲が高くなるように、前記支持基板の表面をエッチングするエッチング工程と、前記支持基板の表面の前記絶縁被膜を埋め込む領域に絶縁被膜を形成する絶縁被膜形成工程と、前記支持基板の裏面に、エッチング窓を有するエッチングマスクを形成するエッチングマスク形成工程と、前記絶縁皮膜の上の前記エッチング窓に対応する位置に発熱抵抗体を形成する発熱抵抗体形成工程と、前記発熱抵抗体に接続する配線を形成する配線形成工程と、前記エッチングマスクをマスクとして、前記支持基板の裏面側からエッチングすることにより、前記支持基板に貫通孔を形成する空洞部形成工程とを含む発熱抵抗素子部品の製造方法を提供する。
本発明によれば、空洞部近傍の絶縁被膜の形状が凸部の形状の通りになるため、発熱抵抗体の下方に空洞部を簡易に、かつ、精度よく形成することができる。
本発明は、支持基板の表面に第1の絶縁被膜を形成する第1の絶縁被膜形成工程と、前記第1の絶縁被膜の表面に第2の絶縁被膜を形成する第2の絶縁被膜形成工程と、前記支持基板の裏面に、エッチング窓を有するエッチングマスクを形成するエッチングマスク形成工程と、前記第2の絶縁皮膜の上の前記エッチング窓に対応する位置に発熱抵抗体を形成する発熱抵抗体形成工程と、前記発熱抵抗体に接続する配線を形成する配線形成工程と、前記エッチングマスクをマスクとして、前記支持基板の裏面側からエッチングすることにより、前記支持基板および前記第1の絶縁被膜に貫通孔を形成する空洞部形成工程とを含む発熱抵抗素子部品の製造方法を提供する。
本発明によれば、第1の絶縁被膜と第2の絶縁被膜とでその材質が異なるようにすることで、それぞれに最適なエッチング条件が異なることとなり、空洞部形成工程において、第2の絶縁被膜をエッチングストップ層として機能させ、第1の絶縁被膜のみを除去することができるとともに、これら絶縁被膜の厚さ方向の加工精度が向上し、断熱性能に影響を与えるこれら絶縁被膜の厚さの制御性が向上して、高い断熱性能を得ることができる。
また、ウエハ全体にわたり、均一な特性をもつ発熱抵抗素子部品を得ることができる。
本発明は、支持基板の表面に第1の絶縁被膜を形成する第1の絶縁被膜形成工程と、前記第1の絶縁被膜の表面にエッチングストップ層を形成するエッチングストップ層形成工程と、前記エッチングストップ層の表面に第2の絶縁被膜を形成する第2の絶縁被膜形成工程と、前記支持基板の裏面に、エッチング窓を有するエッチングマスクを形成するエッチングマスク形成工程と、前記第2の絶縁皮膜の上の前記エッチング窓に対応する位置に発熱抵抗体を形成する発熱抵抗体形成工程と、前記発熱抵抗体に接続する配線を形成する配線形成工程と、前記エッチングマスクをマスクとして、前記支持基板の裏面側から前記エッチングストップ層に達するまで前記支持基板および前記第1の絶縁被膜をエッチングし、さらに前記エッチングストップ層を除去することにより、前記支持基板、前記第1の絶縁被膜、および前記エッチングストップ層に貫通孔を形成する空洞部形成工程とを含む発熱抵抗素子部品の製造方法を提供する。
本発明によれば、第1の絶縁被膜と第2の絶縁被膜との間に、第1の絶縁被膜とは材質の異なるエッチングストップ層が形成されている場合には、空洞部の上側に位置する第2の絶縁被膜の厚さの制御性がさらに向上することとなる。
また、空洞部の上側に位置するエッチングストップ層は除去されることとなるので、エッチングストップ層の材質として熱伝導の良い金属材料を用いることができて、第1の絶縁被膜、第2の絶縁被膜、およびエッチングストップ層の材料の選択自由度が増すこととなって、第2の絶縁被膜の膜厚制御をより容易なものとすることができる。
また、本発明は、上記いずれかの発熱抵抗素子部品からなるサーマルヘッドを備えるサーマルプリンタを提供する。
本発明によれば、発熱効率を向上して省電力化を図り、少ない電力で長時間にわたり印刷を行うことができる。また、発熱抵抗体の配列ピッチを短縮して解像度の高い印刷を行うことができる。
本発明によれば、発熱抵抗体の発熱効率を向上して消費電力の低減を図り、発熱抵抗体下部の基板の強度を向上し、簡易にかつ安価に製造することができるという効果を奏する。
本発明の第1の実施形態に係る発熱抵抗素子部品1とその製造方法について、図1ないし図3を参照して以下に説明する。図1は、本発明の第1実施形態に係る発熱抵抗素子部品であるサーマルヘッドを示す図であり、(a)は平面図、(b)は(a)のA−A縦断面図である。図2は、図1のサーマルヘッドの製造方法を説明する工程図であり、図1(a)のB−B縦断面図である。図3は、図1に示すサーマルヘッドを下方から見た要部平面図である。
本実施形態に係る発熱抵抗素子部品1は、サーマルプリンタに用いられるサーマルヘッド(以下、サーマルヘッドという。)である。図1に示すように、発熱抵抗素子部品1は、支持基板(以下、基板という。)2と、基板2の上に形成されたアンダーコート(絶縁皮膜)3を備えている。また、アンダーコート3の上には複数の発熱抵抗体4が間隔をあけて形成され(配列され)、発熱抵抗体4には配線5が接続されている。さらに、発熱抵抗素子部品1は、発熱抵抗体4および配線5の上面を被覆する保護膜6とを備えている。なお、図1中の符号7は、エッチングマスクである。
基板2には、発熱抵抗体4によって覆われる領域に、基板2の厚さ方向に貫通する貫通孔9が形成されている。貫通孔9の数量は、発熱抵抗体4の数量と等しい。
また、アンダーコート3には、貫通孔9に一致する位置に、周囲よりも厚さが薄い薄肉部10が形成されている。すなわち、アンダーコート3自体に段差を有しており、アンダーコート3の貫通孔9に対応する位置は薄く、その周囲は厚くなっている。これら貫通孔9および薄肉部10の内壁面とその内壁面の周囲を囲む周壁面とで構成される空間は、各発熱抵抗体4に配置された空洞部11を構成している。
空洞部11は、発熱抵抗体4の発熱有効面積に対応する位置に設けられており、発熱抵抗体4で発生した熱の基板2への流出を抑制する断熱層として機能する。なお、発熱抵抗体4の発熱有効面積とは、発熱抵抗体4の範囲(領域)から配線5との重複部分を除去した(除いた)範囲(領域)のことである。
基板2には、各発熱抵抗体4に個別に対応する貫通孔9同士を隔離する隔壁12が形成されている。これら隔壁12は、基板2の上層のアンダーコート3を支持する支持部材としての機能を有している。なお、本実施形態においては、貫通孔9および薄肉部10の横断面積は同じである。
配線5は、発熱抵抗体4の配列方向に直交する方向の一端に接続される共通配線5aと、他端に接続される個別配線5bとから構成されている。
次に、本実施形態に係るサーマルヘッド1の製造方法について説明する。
まず、図2(a)に示すように、一定の厚さを有する基板2の表面に、絶縁材料からなるアンダーコート3を成膜する。基板2の材料としては、例えば、単結晶シリコン基板等が用いられる。また、アンダーコート3の材料としては、例えば、SiO、SiO、Al、Ta、SiAlON、Si等が用いられ、その成膜には、スパッタ法、真空蒸着法、CVD法のいずれかの方法が用いられる。基板2、およびアンダーコート3の厚さ寸法はそれぞれ、数百μm、および数十μm〜数百μmである。
次に、図2(b)に示すように、基板2の、アンダーコート3が設けられている面とは逆側の面(以下、裏面という。)に、基板2の貫通孔9を加工するためのエッチングマスク7を形成する。具体的には、基板2の裏面に、スパッタ法、真空蒸着法、CVD法のいずれかの方法によりマスク材料からなるエッチングマスク7を成膜する。マスク材料としては、例えば、SiO、Si等の絶縁材料、あるいは、Al、Cr等の金属材料が用いられる。
そして、エッチングマスク7の表面にフォトレジスト(図示略)でパターニングした後、リアクティブ・イオン・エッチング(Reactive Ion Etching:RIE)によるドライエッチングまたはウェットエッチングを行い、エッチングマスク7をエッチングし、エッチング窓7aを形成する。エッチングマスク7は、基板2に空洞部11を形成するためのもので、表面側に発熱抵抗体4が配されることとなる領域にエッチング窓7aを形成し、残りの領域を被覆するようにパターニングされる。本実施形態のサーマルヘッド1によれば、エッチングマスク7のパターニングで形成されたエッチング窓7aの大きさは、発熱抵抗体4の発熱有効面積と同じになっている。
次いで、図2(c)に示すように、基板2の表面側に位置するアンダーコート3の上に発熱抵抗体4を形成する。発熱抵抗体4としては、例えば、Ta系やシリサイド系等の発熱抵抗体材料を用いる。この発熱抵抗体材料をスパッタリングや蒸着法、CVD法等により成膜し、リフトオフ法もしくはエッチング法により発熱抵抗体4を形成する。
次いで、図2(d)に示すように、例えば、Al、Al−Si、Au等の配線材料をスパッタリングや蒸着法等により成膜し、リフトオフ法もしくはエッチング法により個別配線5bおよび共通配線5aを形成する。
そして、図2(e)に示すように、例えば、Si0、Ta、SiAlON、SiN等からなる保護膜材料をスパッタリング、イオンプレーティング、CVD法等により成膜する。保護膜6は、基板2の表面側に位置する発熱抵抗体4および配線5の全面を被覆するように形成される。
最後に、図2(f)に示すように、図2(b)で形成されたエッチングマスク7をマスクとして、基板2の裏面側から、RIEによるドライエッチング法により基板2をエッチングし、裏面側からアンダーコート3の裏面に到達する空洞部を形成する。そして、さらにエッチングを行ってアンダーコート3の一部を除去し、空洞部11の上側(図2(f)において上側)に位置するアンダーコート3の厚さが薄くなるようにする。空洞部11の上側(図2(f)において上側)に位置するアンダーコートの膜厚は、数μm〜十μmである。
このようにして、図1に示すサーマルヘッド1が製造されこととなる。なお、図3は、図1に示すサーマルヘッド1を下方(図1(b)において下側)から見た要部平面図である。
このようにして構成された本実施形態に係るサーマルヘッド1によれば、発熱抵抗体4の発熱有効面積部分の下方に、極薄いアンダーコート3が設けられ、さらにその下方に、基板2が存在しない空洞部11が設けられているので、空洞部11が断熱層として機能し、発熱抵抗体4で発生した熱(熱量)が、基板2の厚さ方向へ流出してしまうことを抑制することができる。このように、発熱抵抗体4の直下に空洞部11が形成されたサーマルヘッド1では、発熱抵抗体4において発生した熱は、空洞部11の上側に位置するアンダーコート3中において、基板2の表面および裏面に平行な方向(すなわち、保護膜6の表面に平行な方向)に広がり、薄肉部10の周縁部まで伝わることとなる。その後、薄肉部10の周縁部に達した熱流は、アンダーコート3中において基板2の厚さ方向(すなわち、基板2の表面および裏面と直交する方向)に伝わり、基板2に達することとなる。
なお、空洞部11の上側に位置するアンダーコート3中の断熱性能は、アンダーコート3が薄いほど高く、薄肉部10の周縁部のアンダーコート3中の断熱性能は、アンダーコート3が厚いほど高くなる。本実施形態では、発熱抵抗体4の直下には、極薄いアンダーコート3が形成され、その他の部分には比較的厚いアンダーコート3が形成されている。そのため、アンダーコート3の厚さが基板2の全面にわたって均一なサーマルヘッド1に比べて、非常に高い断熱効果を得ることができ、その結果、非常に高い発熱効率をもつサーマルヘッド1を提供することができる。
また、空洞部11の形成は、図2(b)のエッチングマスク7の形成工程と、図2(f)の基板2のエッチング工程の2工程のみで行われる。そのため、空洞部11を形成するための工程数が少なくてすみ、生産性に優れたサーマルヘッド1を得ることができる。
さらに、各発熱抵抗体4に対して個別に空洞部11を設けることで、隣接する発熱抵抗体4ごとに設けられた空洞部11間に基板2(すなわち、隔壁12)を残すことができる。隔壁12は、厚さ方向に延び、発熱抵抗体4の上面から加えられる押圧力を支持する支持部材として機能する。その結果、印刷時等に発熱抵抗体4の上面側から押圧力を受けても、空洞部11間に残った隔壁12により押圧力が支持され、耐圧性能が向上する。
さらにまた、発熱抵抗体4を単結晶シリコン基板を用いて構成することにより、半導体製造技術を利用して、発熱抵抗体4の下方に空洞部11を簡易に、かつ、精度よく形成することができる。したがって、従来の方法と比較して、製造工数を削減することができる。
なお、本実施形態においては、空洞部11の横断面形状となるエッチング窓7aのサイズ(横断面積)を、発熱抵抗体4の発熱有効面積と同一としているが、本発明はこれに限定されるものではなく、発熱抵抗体4の発熱有効面積よりも大きくすることもできる。このように、空洞部11の横断面積が大きくなると、発熱抵抗体4において発生した熱が基板2に逃げる経路が長くなるため断熱性能が向上し、その結果、発熱効率が向上する。したがって、エッチング窓7aの大きさを発熱抵抗体4の発熱有効面積よりも大きくすることにより、発熱抵抗体4と基板2との断熱性能を向上させることができる。
本発明の第2の実施形態に係るサーマルヘッド1の製造方法について、図4を参照して説明する。
本実施形態の説明において、上述した第1の実施形態に係るサーマルヘッド1と構成を共通とする箇所には同一符号を付して説明を省略する。
本実施形態に係る製造方法は、空洞部11の形成工程を2段階(2ステップ)とした点で、図2に示した第1の実施形態に係るサーマルヘッド1の製造方法とは相違している。なお、製造されるサーマルヘッド1は第1の実施形態と同一のものである。
本実施形態に係る製造方法では、空洞部11の形成工程を、基板2の裏面側からRIEによるドライエッチング法によりアンダーコート3の裏面に到達するまでエッチングを行う基板貫通工程(図4(f)参照)と、アンダーコート3の一部を除去し、空洞部11の上側に位置するアンダーコート3を薄くするアンダーコート薄膜化工程(図4(g)参照)の2工程にわけて実施している。
このような製造方法は、基板2とアンダーコート3の材質が、例えば、シリコンとSiOといったように異なる場合に用いられる。これは、基板2のエッチングとアンダーコート3のエッチングとでは、最適なエッチング条件が異なるからである。したがって、本実施形態では、空洞部11の形成工程を、基板2のエッチングに適した条件とアンダーコート3のエッチングに適した条件に分けることができる。例えば、シリコンからなる基板2に貫通孔9を形成する基板貫通工程ではSFなどのガスを導入して行うドライエッチングを用い、アンダーコート薄膜化工程ではCFあるいはCHF等のガスを導入して行うドライエッチングか、HF溶液によるウェットエッチングを用いることができる。
このようにして構成された本実施形態に係るサーマルヘッド1によれば、アンダーコート3の厚さ方向の加工精度が向上することから、断熱性能に影響を与えるアンダーコート3の厚さの制御性が向上するため、高い断熱性能が得られることとなる。
また、ウエハ全体にわたり、均一な特性をもつサーマルヘッド1を得ることができる。
その他の作用効果は、前述した第1実施形態のものと同じであるので、ここではその説明を省略する。
本発明の第3の実施形態に係るサーマルヘッド1の製造方法について、図5を参照して説明する。
本実施形態の説明において、上述した実施形態に係るサーマルヘッド1と構成を共通とする箇所には同一符号を付して説明を省略する。
本実施形態に係る製造方法は、基板2の空洞部11に対応する位置(すなわち、発熱抵抗体4によって覆われる領域)に、凸部2aを形成する工程が付加されているという点で、図2に示した第1の実施形態に係るサーマルヘッド1の製造方法とは相違している。なお、製造されるサーマルヘッド1は第1の実施形態と同一のものである。
次に、本実施形態に係るサーマルヘッド1の製造方法について説明する。
まず、図5(a)に示すように、基板2の表面に、断熱層となる空洞部11に対応する位置に凸部2aを形成する。形成方法としては、ドライエッチング法またはウェットエッチング法である。凸部加工の厚さは数十μm〜数百μmである。
その後、図5(b)に示すように、アンダーコート3を、凸部2aが被覆され、かつ平坦になるように成膜する。
そして、図5(c)に示すエッチングマスク7の形成、図5(d)に示す発熱抵抗体4の形成、図5(e)に示す配線5の形成、図5(f)に示す保護膜6の形成は、図2を用いて説明した製造方法と同様に行う。
最後に、図5(g)に示すように、図5(c)で形成されたエッチングマスク7をマスクとして、基板2の裏面側から、RIEによるドライエッチング法により、基板2をエッチングして、裏面側からアンダーコート3の裏面に到達する空洞部11を形成する。
なお、基板2の厚さは数百μmである。そのため、厚さ数百μmの基板2を貫通加工する必要があり、精度の高い加工技術が求められる。図2の製造方法では、アンダーコート3付近の空洞部11の形状は、基板2の裏面に形成されたエッチングマスク7が基板2を貫通した後に転写されるようになっている。そのため、基板2を貫通加工した後、断熱性能に影響するアンダーコート3付近の空洞部形状を所望のサイズにするためには、高い加工精度が要求される。
また、基板材料にシリコンを用い、アンダーコート材料にSiOを用い、基板貫通工程でSF等のガスを導入して行うドライエッチングを用いる場合、シリコンとSiOで大きな選択比を得ることができる。
本実施形態に係る製造方法によれば、アンダーコート3付近の空洞部11の形状は、凸形成工程で基板2に形成した凸部の形状となる。そのため、厚さ数百μmの基板2に貫通加工を施した後でも、アンダーコート3付近の空洞部11の形状は所望のサイズとなる。したがって、空洞部11の加工精度を簡易に向上させることができる。特に、多数の発熱抵抗体4を直線状に配置したラインサーマルヘッドでは、1mmあたり4個から16個の発熱抵抗体4を配置する必要があるため、この製造方法によれば、高い精度で多数の発熱抵抗体4を配置することができ、高効率なラインサーマルヘッドを得るのに大変有効である。
また、図5(b)のアンダーコート3を凸部2aが被覆されるように成膜する工程後に、アンダーコート3の表面を平坦化加工してもよい。平坦化加工としては、砥石を使う研削加工、細かい粒径の研磨剤を含む研磨液による機械研磨加工、CMP等が用いられる。このようにすることで、空洞部11の上側に位置するアンダーコート3の厚さ制御が容易となる。また、アンダーコート3の表面の段差をなくすことができ、その後の各成膜工程を良好に行っていくことができるので、発熱抵抗体4の全体の機械的強度をさらに向上させることができる。
さらに、アンダーコート3を形成する方法として、ガラスペースト等のペースト材料をスクリーン印刷法により塗布し、乾燥、焼成する方法を用いることができる。この方法は、数十μmの厚いアンダーコート3の層を形成でき、空洞部11近傍の断熱性能を高めることに有効な製造方法である。また、凹凸のある表面にガラスペーストを塗布することで、平坦な表面を得ることができる。そのため、空洞部11の上側に位置するアンダーコート3の厚さ制御が容易となる。また、アンダーコート3の表面の段差をなくすことができ、その後の各成膜工程を良好に行っていくことができるので、発熱抵抗体4の全体の機械的強度をさらに向上させることができる。
その他の作用効果は、前述した第1実施形態のものと同じであるので、ここではその説明を省略する。
本発明の第4の実施形態に係るサーマルヘッド41とその製造方法について、図6および図7を参照して以下に説明する。図6は本発明の第4実施形態に係るサーマルヘッドを示す図であり、(a)は平面図、(b)は(a)のC−C縦断面図である。図7は図6のサーマルヘッドの製造方法を説明する工程図であり、図6(a)のD−D縦断面図である。
本実施形態の説明において、上述した実施形態に係るサーマルヘッド1と構成を共通とする箇所には同一符号を付して説明を省略する。
本実施形態に係るサーマルヘッド41は、発熱抵抗体4の周辺部のみにアンダーコート3が形成されているという点で、上述したサーマルヘッド1とは相違している。
これは、発熱抵抗体4から遠い部分は印字には寄与しないため、発熱抵抗体4およびその周辺部のみにアンダーコート3を形成することにより、印字に寄与しない領域の熱容量を減らし、効率向上および応答速度の高速化といった利点を得ることができるからである。
次に、本実施形態に係るサーマルヘッド41の製造方法について説明する。
まず、図7(a)に示すように、基板2の表面に、アンダーコート3を埋め込む領域を形成するとともに、基板2の周囲が最も高くなるように、基板2をエッチングする。発熱抵抗体4および空洞部11に対応する位置とその周辺部の凹凸は発熱抵抗体4および空洞部11に対応する位置が凸部2bになるように形成する。基板2のエッチング方法としては、ドライエッチング法またはウェットエッチング法である。基板2の凸部加工の厚さは数十μm〜数百μmである。また、基板2の最も高い部分と発熱抵抗体4の周囲の高低差は数μm〜数十μmである。
その後、図7(b)に示すように、アンダーコート3を凸部2bが被覆され、かつ、平坦化されるように成膜する。
そして、図7(c)に示すエッチングマスク7の形成、図7(d)に示す発熱抵抗体4の形成、図7(e)に示す配線5の形成、図7(f)に示す保護膜6の形成は、図2を用いて説明した製造方法と同様に行う。
最後に、図7(g)に示すように、図7(c)で形成されたエッチングマスク7をマスクとして、基板2の裏面側から、RIEによるドライエッチング法により、基板2をエッチングして、裏面側からアンダーコート3の裏面に到達する空洞部11を形成する。
本実施形態に係る製造方法によれば、空洞部11近傍のアンダーコート3の形状が凸部2bの形状の通りになるため、発熱抵抗体4の下方に空洞部11を簡易に、かつ、精度よく形成することができる。
また、アンダーコート3を形成する方法として、ガラスペースト等のペースト材料をスクリーン印刷法により塗布し、乾燥、焼成する方法を用いることができる。この方法は、数十μmの厚いアンダーコート3の層を形成でき、空洞部11近傍の断熱性能を高めることに有効な製造方法である。
さらに、凹凸のある表面にガラスペーストを塗布することで、平坦な表面を得ることができる。そのため、空洞部11の上側に位置するアンダーコート3の厚さ制御が容易となる。
さらにまた、アンダーコート3の表面の段差をなくすことができ、その後の各成膜工程を良好に行っていくことができるので、発熱抵抗体4の全体の機械的強度をさらに向上させることができる。
その他の作用効果は、前述した第1実施形態のものと同じであるので、ここではその説明を省略する。
本発明の第5の実施形態に係るサーマルヘッド51とその製造方法について、図8および図9を参照して以下に説明する。
図8は本発明の第5実施形態に係るサーマルヘッドを示す図であり、(a)は平面図、(b)は(a)のE−E縦断面図である。図9は図8のサーマルヘッドの製造方法を説明する工程図であり、図8(a)のF−F縦断面図である。
本実施形態の説明において、上述した実施形態に係るサーマルヘッド1と構成を共通とする箇所には同一符号を付して説明を省略する。
本実施形態に係るサーマルヘッド51は、アンダーコート3が、材質の異なる上層アンダーコート3aおよび下層アンダーコート3bにより構成されているという点で、上述したサーマルヘッド1とは相違している。
次に、本実施形態に係るサーマルヘッド51の製造方法について説明する。
まず、図9(a)に示すように、基板2の表面に下層アンダーコート3bを形成する。下層アンダーコート3bの材料としては、ポリイミド等の樹脂が用いられ、形成方法には、ワニス上のポリイミドをスピンコートで塗布した後、乾燥、焼成、あるいは、加熱、加圧による融着を用いる。厚さ寸法は数μm〜数百μmである。
その後、図9(b)に示すように、下層アンダーコート3bの表面に上層アンダーコート3aを形成する。上層アンダーコート3aの材料としては、SiO、SiO、Al、Ta、SiAlON、Si等の無機材料が用いられ、スパッタ法、真空蒸着法、CVD法のいずれかの方法により形成される。厚さ寸法は数μm〜数十μmである。
そして、図9(c)に示すエッチングマスク7の形成、図9(d)に示す発熱抵抗体4の形成、図9(e)に示す配線5の形成、図9(f)に示す保護膜6の形成、図9(g)に示す基板貫通形成は、図2を用いて説明した製造方法と同様に行う。
最後に、図9(h)に示すように、上層アンダーコート3aに達するまで下層アンダーコート3bを除去する。材料に樹脂を用いる場合、CFガスやOガスを導入したドライエッチング、または、アルカリ溶液によりウェットエッチングにより除去される。その際、上層アンダーコート3aは材質が異なるため、エッチングストップ層として機能する。
本実施形態に係る製造方法によれば、アンダーコート3の材質が、上層アンダーコート3aと下層アンダーコート3bとで異なり、それぞれに最適なエッチング条件が異なることとなり、基板貫通工程後のアンダーコート薄膜化工程で、上層アンダーコート3aをエッチングストップ層として機能させ、下層アンダーコート3bのみを除去することができるとともに、アンダーコート3の厚さ方向の加工精度が向上し、断熱性能に影響を与えるアンダーコート3の厚さの制御性が向上して、高い断熱性能を得ることができるからである。
また、ウエハ全体にわたり、均一な特性をもつサーマルヘッド51を得ることができる。
その他の作用効果は、前述した第1実施形態のものと同じであるので、ここではその説明を省略する。
本発明の第6の実施形態に係るサーマルヘッド61とその製造方法について、図10および図11を参照して以下に説明する。
本実施形態の説明において、上述した実施形態に係るサーマルヘッド1と構成を共通とする箇所には同一符号を付して説明を省略する。
本実施形態に係るサーマルヘッド61は、アンダーコート3が、上層アンダーコート3a、下層アンダーコート3b、およびこれらアンダーコート3a,3bの間に位置するとともに、下層のアンダーコートとは材質の異なるエッチングストップ層3cにより構成されているという点で、上述したサーマルヘッド1とは相違している。
次に、本実施形態に係るサーマルヘッド61の製造方法について説明する。
まず、図11(a)に示すように、基板2の表面に下層アンダーコート3bを形成する。下層アンダーコート3bの材料としては、ポリイミド等の樹脂のほか、SiO、SiO、Al、Ta、SiAlON、Si等の無機材料が用いられる。厚さ寸法は数十μm〜数百μmである。
その後、図11(b)に示すように、下層アンダーコート3bの表面にエッチングストップ層3cを形成する。エッチングストップ層3cの材料としては、Al等の金属材料等を用い、スパッタ法、真空蒸着法、CVD法のいずれかの方法により形成される。
そして、図11(c)に示すように、エッチングストップ層3cの表面に上層アンダーコート3aを形成する。上層アンダーコート3aの材料としては、エッチングストップ層3cと異なっていれば、下層アンダーコート3bの材料と同じものでも良い。
次に、図11(d)に示すエッチングマスク7の形成、図11(e)に示す発熱抵抗体4の形成、図11(f)に示す配線5の形成、図11(g)に示す保護膜6の形成、図11(h)に示す基板貫通形成は、図2を用いて説明した製造方法と同様に行う。
その後、図11(i)に示すように、エッチングストップ層3cに達するまで下層アンダーコート3bを除去する。この際、エッチングストップ層3cの材質が下層アンダーコート3bの材質と異なるため、エッチングストップ層3cのエッチングはされない、もしくは、エッチングストップ層3cのエッチング量は非常に少ない。
最後に、図11(j)に示すように、エッチングストップ層3cを除去する。なお、エッチングストップ層3cがSiO、SiO、Al、Ta、SiAlON、Si等の無機材料や樹脂のような低熱伝導材料で、数μm以下の膜厚であれば、この工程を省略することができる。
本実施形態に係る製造方法によれば、上層アンダーコート3aと下層アンダーコート3bとの間に、下層アンダーコート3bとは材質の異なるエッチングストップ層3cが形成されているので、空洞部11の上側に位置するアンダーコート(すなわち、上層アンダーコート3a)の厚さの制御性がさらに向上する。
また、空洞部11の上側に位置するエッチングストップ層3cは除去されることとなるので、エッチングストップ層3cの材質として熱伝導の良い金属材料を用いることができて、上層アンダーコート3a、下層アンダーコート3b、およびエッチングストップ層3cの材料の選択自由度が増すこととなって、上層アンダーコート3aの膜厚制御をより容易なものとすることができる。
本発明の第7の実施形態に係るサーマルヘッド71とその製造方法について、図12および図13を参照して以下に説明する。
図12は本発明の第7実施形態に係るサーマルヘッドを示す図であり、(a)は平面図、(b)は(a)のJ−J縦断面図である。図13は図12のサーマルヘッドの製造方法を説明する工程図であり、図12(a)のK−K縦断面図である。本実施形態の説明において、上述した実施形態に係るサーマルヘッド1と構成を共通とする箇所には同一符号を付して説明を省略する。
本実施形態に係るサーマルヘッド71は、空洞部11のアンダーコート3と接する内壁における側壁部分(すなわち、薄肉部10の周壁部分)で囲まれた空間の平面視におけるサイズが、基板2の裏面に形成されたエッチング窓7aの平面視におけるサイズよりも大きくなるように構成されているという点で、上述したサーマルヘッド1とは相違している。換言すれば、基板2に形成された貫通孔9の平面視におけるサイズは、アンダーコート3の薄肉部10の平面視におけるサイズよりも小さく構成されている。薄肉部10は、アンダーコート3の一部を窪ませて段差を設けて形成したものである。従って、薄肉部10の水平断面積は、アンダーコート3の窪み部の横(水平)断面積と等しい。これら空洞部11を形成する基板2の貫通孔9の平面視におけるサイズや、アンダーコート3の窪み部の平面視におけるサイズのことを口径と呼んでも良い。
これは、断熱性能の点では、空洞部11のアンダーコート3と接する部分のサイズが大きい方が有利となるからである。
なお、機械的強度の点では、基板2に形成された空洞部11間の隔壁12が太いほど有利となる。サーマルヘッドのドット間隔は、製品仕様により決まっているため、第1実施形態ないし第6実施形態において説明したサーマルヘッドでは、空洞部11のアンダーコート3と接する部分のサイズと裏面のエッチング窓7aの平面視におけるサイズが等しくなっており、さらに高い断熱性能を得る場合には、機械的強度を犠牲にして、隔壁12を細くせざるを得ないこととなる。
次に、本実施形態に係るサーマルヘッド71の製造方法について説明する。
まず、図13(a)に示すように、基板2の表面に、断熱層となる空洞部11に対応する位置に凸部2aを形成する。形成方法としては、ドライエッチング法またはウェットエッチング法である。凸部加工の厚さは数十μm〜数百μmである。
その後、図13(b)に示すように、アンダーコート3を、凸部2aが被覆され、かつ平坦になるように成膜する。
そして、図13(c)に示すエッチングマスク7の形成、図13(d)に示す発熱抵抗体4の形成、図13(e)に示す配線5の形成、図13(f)に示す保護膜6の形成は、図2を用いて説明した製造方法と同様に行う。
なお、エッチングマスク7を形成する際には、前述したように、図13(a)で形成した凸部のサイズよりも小さいエッチング窓7aがパターニングされるようになっている。
最後に、図13(g)に示すように、図13(c)で形成されたエッチングマスク7をマスクとして、基板2の裏面側から、RIEによるドライエッチング法により、基板2をエッチングして、裏面側からアンダーコート3の裏面に到達する空洞部11を形成する。 なお、この工程では。アンダーコート3に達するまでは、基板2の厚さ方向に垂直にエッチングが進み、その後、アンダーコート3がエッチングストップ層として機能して、エッチングは基板2の裏面に平行な方向(すなわち、基板2の厚み方向と直交する方向)に進む。その結果、図13(a)で形成した基板2の凸部2aが除去され、アンダーコート3近傍の空洞部11の平面視におけるサイズが、エッチング窓7aの平面視におけるサイズより大きくなる。
本実施形態に係るサーマルヘッド71によれば、サーマルヘッド自体の機械的強度を高く保ったまま、さらに高い断熱性能を得ることができることとなる。
また、隔壁12が太くできるため、製造も容易になるという長所を有する。
その他の作用効果は、前述した第1実施形態のものと同じであるので、ここではその説明を省略する。
図14は、図1に示した第1実施形態に係るサーマルヘッドの下端面を覆った構成の例を示す図である。なお、図14では、図1に示す例と共通の要素については共通の符号を付し、その詳細説明は省略する。
図14に示すように、サーマルヘッド81には、複数の空洞部11を塞ぐように基板2の下面に第2の基板13が接合されている。
第2の基板13としては、ガラス基板やシリコン基板、アルミナセラミクス基板等の絶縁性基板が用いられている。
このように構成することにより、隔壁12の下端面同士が第2の基板13で互いに接合(結合)されることとなるので、サーマルヘッド全体の機械的強度を増加させることができる。
また、第2の基板13により、各空洞部11の下端が塞がれて、各空洞部11がそれぞれ独立した密閉空間を形成することとなるので、断熱性能をさらに高めことができる。
本実施形態においては、例えば、真空状態においてシリコン基板2の裏面に第2の基板13としてガラス基板を貼り付けることにより、密封された空洞部8内を真空状態にすることができる。
このようにすることで、空洞部8内の空気による熱伝導をなくし、断熱効果をさらに向上することができる。また、発熱抵抗体4の作動による温度変化に応じて密封された空洞部8内の圧力が変動することを回避することができる。
一方、空洞部11内に大気圧より高い圧力状態の気体を封入することにしてもよい。このようにすることで、薄膜で構成される発熱抵抗体4の発熱面に外部から力が加わった場合に、空洞部8の内圧によりこの外力に対抗して発熱面の変形を防止し、あるいは、変形後に元の状態に復元する効果を得ることができる。
この場合に、空洞部11内に密封するガスとしては、N、He、Ar等の不活性ガスを用いることが好ましい。このようにすることで、アンダーコート3を透過する密封ガスにより、発熱抵抗体4が酸化してしまうことを防止できる。また、第2の基板13と基板とを陽極接合で接合する場合、接合時に200〜400℃の高温で過熱される。したがって、不活性ガスを封入することで、陽極接合時の過熱によっても発熱抵抗体4が酸化したり特性劣化したりする問題を防止でき、信頼性および再現性の高いサーマルヘッドを構成することができる。
また、発熱抵抗体4ごとに個別に形成された複数の空洞部11を相互に連絡するように、構成しても良い。図15は、図14に示したサーマルヘッド81の変形例として、空洞部11間を連絡する連通孔14を設けたサーマルヘッド91,101を示す要部縦断面図であって、(a)は隔壁12側に設けた例、(b)は第2の基板13側に設けた例を示す図である。図15(a)に示すように、基板2における第2の基板13が接合されている側の面には、複数の空洞部11間を互いに連通するように、隔壁12に溝を形成することにより連通孔14が設けられている。この連通孔14は、図15(b)に示すように、基板2に接合された第2の基板13における基板2側の面に溝を形成することで設けることもできる。このように連通孔14を設けることで、発熱抵抗体4ごとに温度状態が異なっても、全ての発熱抵抗体4に対する空洞部11内の圧力状態を一定にすることができるという利点がある。
また、上記においては、第2の基板13により空洞部11を密封する場合について説明したが、これに代えて、基板あるいは第2の基板に空洞部11を大気開放するにするための開口部を形成してもよい。このようにすることで、各発熱抵抗体4に設けられた空洞部8内の内圧を均一な大気圧に保持することができる。空洞部11内の圧力は熱伝導に影響するため、空洞部11を大気開放することによって、各発熱抵抗体4の発熱特性を均一にすることができる。
次に、本発明の一実施形態に係るサーマルプリンタ30について、図16を参照して以下に説明する。
本実施形態に係るサーマルプリンタ30は、本体フレーム31に、水平配置されるプラテンローラ32と、プラテンローラ32に感熱紙33を挟んで押し付けられる上記第1〜第10実施形態に係るサーマルヘッド1,41,51,61,71,81,91,101とを備えている。サーマルヘッド1,41,51,61,71,81,91,101は、プラテンローラ32の長手方向に配列された複数の発熱抵抗体4を有し、加圧機構34により所定の押圧力で感熱紙33に押し付けられるようになっている。図中、符号35は紙送り駆動モータである。
本実施形態に係るサーマルプリンタ30によれば、サーマルヘッド1,41,51,61,71,81,91,101の発熱効率が高く、少ない電力で感熱紙23に印刷することができる。したがって、バッテリの持続時間を長期化させることが可能となる。
なお、上記各実施形態においては、サーマルヘッド1,41,51,61,71,81,91,101および直接感熱発色するサーマルプリンタ30について説明したが、本発明はこれに限定されるものではなく、サーマルヘッド1,41,51,61,71,81,91,101以外の発熱抵抗素子部品やサーマルプリンタ30以外のプリンタ装置にも応用することができる。
例えば、発熱抵抗素子部品としては、熱によってインクを吐出するサーマル式またはバルブ式のインクジェットヘッドを始めとした用途に応用できる。また、サーマルヘッド1,41,51,61,71,81,91,101とほぼ同様の構造である熱消去ヘッドや、熱定着を必要とするプリンタ等の定着ヒータ、光導波路型光部品の薄膜発熱抵抗素子等、他の膜状の発熱抵抗素子部品を保有する電子部品でも同様の効果を得ることができる。
また、プリンタとしては、昇華型または溶融型転写リボンを使用した熱転写プリンタ、印字媒体の発色と証拠が可能なリライタブルサーマルプリンタ、加熱により粘着性を呈する感熱性活性粘着剤式ラベルプリンタ等に適用できる。
本発明の第1実施形態に係る発熱抵抗素子部品であるサーマルヘッドを示す図であり、(a)は平面図、(b)は(a)のA−A縦断面図である。 図1のサーマルヘッドの製造方法を説明する工程図であり、図1(a)のB−B縦断面図である。 図1に示すサーマルヘッドを下方から見た要部平面図である。 本発明の第2実施形態に係るサーマルヘッドの製造方法を説明する工程図である。 本発明の第3実施形態に係るサーマルヘッドの製造方法を説明する工程図である。 本発明の第4実施形態に係るサーマルヘッドを示す図であり、(a)は平面図、(b)は(a)のC−C縦断面図である。 図6のサーマルヘッドの製造方法を説明する工程図であり、図6(a)のD−D縦断面図である。 本発明の第5実施形態に係るサーマルヘッドを示す図であり、(a)は平面図、(b)は(a)のE−E縦断面図である。 図8のサーマルヘッドの製造方法を説明する工程図であり、図8(a)のF−F縦断面図である。 本発明の第6実施形態に係るサーマルヘッドを示す図であり、(a)は平面図、(b)は(a)のG−G縦断面図である。 図10のサーマルヘッドの製造方法を説明する工程図であり、図10(a)のH−H縦断面図である。 本発明の第7実施形態に係るサーマルヘッドを示す図であり、(a)は平面図、(b)は(a)のJ−J縦断面図である。 図12のサーマルヘッドの製造方法を説明する工程図であり、図12(a)のK−K縦断面図である。 本発明の他の実施形態に係るサーマルヘッドを示す要部縦断面図である。 図14に示したサーマルヘッドの変形例として、空洞部間を連絡する連通孔を設けたサーマルヘッドを示す要部縦断面図であって、(a)は隔壁側に設けた例、(b)は第2の基板側に設けた例を示す図である。 本発明の一実施形態に係るサーマルプリンタを示す縦断面図である。
符号の説明
1 サーマルヘッド(発熱抵抗素子部品)
2 基板(支持基板)
2a 凸部
3 アンダーコート(絶縁被膜)
3a 上層アンダーコート(第2の絶縁被膜)
3b 下層アンダーコート(第1の絶縁被膜)
3c エッチングストップ層
4 発熱抵抗体
5 配線
5a 共通配線(配線)
5b 個別配線(配線)
7 エッチングマスク
7a エッチング窓
9 貫通孔
10 薄肉部
11 空洞部
13 第2の基板
14 連通孔
30 サーマルプリンタ
41 サーマルヘッド(発熱抵抗素子部品)
51 サーマルヘッド(発熱抵抗素子部品)
61 サーマルヘッド(発熱抵抗素子部品)
71 サーマルヘッド(発熱抵抗素子部品)
81 サーマルヘッド(発熱抵抗素子部品)
91 サーマルヘッド(発熱抵抗素子部品)
101 サーマルヘッド(発熱抵抗素子部品)

Claims (10)

  1. 支持基板の上に積層された絶縁被膜の上に、複数の発熱抵抗体が間隔をあけて配列され、前記複数の各発熱抵抗体に電力を供給する配線が接続されてなり、
    前記支持基板の各発熱抵抗体により覆われる領域に、該支持基板を厚さ方向に貫通する貫通孔が設けられ、
    前記絶縁被膜の各発熱抵抗体により覆われる領域に、周囲よりも厚さが薄い薄肉部が設けられている発熱抵抗素子部品。
  2. 前記貫通孔は、その平面視におけるサイズが、前記薄肉部の平面視におけるサイズよりも 小さく形成されている請求項に記載の発熱抵抗素子部品。
  3. 前記貫通孔の下端が、第2の基板によって覆われている請求項1または請求項2に記載の発熱抵抗素子部品。
  4. 支持基板の表面に絶縁被膜を形成する絶縁被膜形成工程と、
    前記支持基板の裏面に、エッチング窓を有するエッチングマスクを形成するエッチングマスク形成工程と、
    前記絶縁皮膜の上の前記エッチング窓に対応する位置に発熱抵抗体を形成する発熱抵抗体形成工程と、
    前記発熱抵抗体に接続する配線を形成する配線形成工程と、
    前記エッチングマスクをマスクとして、前記支持基板の裏面側からエッチングすることにより、前記支持基板に貫通孔を形成するとともに、前記絶縁被膜に周囲よりも厚さが薄い薄肉部を形成する空洞部形成工程とを含む発熱抵抗素子部品の製造方法。
  5. 支持基板の表面に絶縁被膜を形成する絶縁被膜形成工程と、
    前記支持基板の裏面に、エッチング窓を有するエッチングマスクを形成するエッチングマスク形成工程と、
    前記絶縁皮膜の上の前記エッチング窓に対応する位置に発熱抵抗体を形成する発熱抵抗体形成工程と、
    前記発熱抵抗体に接続する配線を形成する配線形成工程と、
    前記エッチングマスクをマスクとして、前記支持基板の裏面側からエッチングすることにより、前記支持基板に貫通孔を形成する貫通孔形成工程と、
    前記エッチングマスクをマスクとして、前記支持基板の裏面側からエッチングすることにより、前記絶縁被膜に周囲よりも厚さが薄い薄肉部を形成する薄肉部形成工程とを含む発熱抵抗素子部品の製造方法。
  6. 支持基板の表面に凸部を形成する凸部形成工程と、
    支持基板の表面に前記凸部を被覆して平坦になるように絶縁被膜を形成する絶縁被膜形成工程と、
    前記支持基板の裏面に、前記凸部に対応する位置にエッチング窓を有するエッチングマスクを形成するエッチングマスク形成工程と、
    前記絶縁皮膜の上の前記エッチング窓に対応する位置に発熱抵抗体を形成する発熱抵抗体形成工程と、
    前記発熱抵抗体に接続する配線を形成する配線形成工程と、
    前記エッチングマスクをマスクとして、前記支持基板の裏面側からエッチングすることにより、前記支持基板に貫通孔を形成する空洞部形成工程とを含む発熱抵抗素子部品の製造方法。
  7. 支持基板の表面に、絶縁被膜を埋め込む領域を形成するとともに、前記支持基板の周囲が高くなるように、前記支持基板の表面をエッチングするエッチング工程と、
    前記支持基板の表面の前記絶縁被膜を埋め込む領域に絶縁被膜を形成する絶縁被膜形成工程と、
    前記支持基板の裏面に、エッチング窓を有するエッチングマスクを形成するエッチングマスク形成工程と、
    前記絶縁皮膜の上の前記エッチング窓に対応する位置に発熱抵抗体を形成する発熱抵抗体形成工程と、
    前記発熱抵抗体に接続する配線を形成する配線形成工程と、
    前記エッチングマスクをマスクとして、前記支持基板の裏面側からエッチングすることにより、前記支持基板に貫通孔を形成する空洞部形成工程とを含む発熱抵抗素子部品の製造方法。
  8. 支持基板の表面に第1の絶縁被膜を形成する第1の絶縁被膜形成工程と、
    前記第1の絶縁被膜の表面に第2の絶縁被膜を形成する第2の絶縁被膜形成工程と、
    前記支持基板の裏面に、エッチング窓を有するエッチングマスクを形成するエッチングマスク形成工程と、
    前記第2の絶縁皮膜の上の前記エッチング窓に対応する位置に発熱抵抗体を形成する発熱抵抗体形成工程と、
    前記発熱抵抗体に接続する配線を形成する配線形成工程と、
    前記エッチングマスクをマスクとして、前記支持基板の裏面側からエッチングすることにより、前記支持基板および前記第1の絶縁被膜に貫通孔を形成する空洞部形成工程とを含む発熱抵抗素子部品の製造方法。
  9. 支持基板の表面に第1の絶縁被膜を形成する第1の絶縁被膜形成工程と、
    前記第1の絶縁被膜の表面にエッチングストップ層を形成するエッチングストップ層形成工程と、
    前記エッチングストップ層の表面に第2の絶縁被膜を形成する第2の絶縁被膜形成工程と、
    前記支持基板の裏面に、エッチング窓を有するエッチングマスクを形成するエッチングマスク形成工程と、
    前記第2の絶縁皮膜の上の前記エッチング窓に対応する位置に発熱抵抗体を形成する発熱抵抗体形成工程と、
    前記発熱抵抗体に接続する配線を形成する配線形成工程と、
    前記エッチングマスクをマスクとして、前記支持基板の裏面側から前記エッチングストップ層に達するまで前記支持基板および前記第1の絶縁被膜をエッチングし、さらに前記エッチングストップ層を除去することにより、前記支持基板、前記第1の絶縁被膜、および前記エッチングストップ層に貫通孔を形成する空洞部形成工程とを含む発熱抵抗素子部品の製造方法。
  10. 請求項1から請求項のいずれかに記載の発熱抵抗素子部品からなるサーマルヘッドを備えるサーマルプリンタ。
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