JP4894462B2 - 清掃装置および画像形成装置 - Google Patents
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Description
これは、微細な研磨粒子が内部に分散され、感光体に付着するとトナーと同極性に帯電される導電性軟質ローラと、導電性繊維からなりトナーと逆極性のバイアス電圧を印加されるファーブラシとを有し、感光体の表面にまず導電性軟質ローラを同方向に移動するよう摺接し、ついで、ファーブラシを接触し、電気的吸着力により感光体上のトナーを除去するものである。
また、前記第1の清掃部材の前記表面層を形成する導電性繊維からなる布は、当該導電性繊維が編み込まれた布、当該導電性繊維が織り込まれた布、および当該導電性繊維からなる不織布のいずれかであることを特徴とすることができる。
また、前記第1の清掃部材は、前記表面層の下に導電性の弾性層を有することを特徴とすることができる。
また、前記第1の清掃部材および前記第2の清掃部材より前記像保持体の移動方向上流側に、当該像保持体上のトナーを帯電させる帯電手段をさらに備えることを特徴とすることができる。
また、前記回収部材に印加する電圧を制御する制御手段をさらに備え、前記制御手段は、前記回収部材が前記第1の清掃部材からトナーを回収する第1の制御と、前記回収部材が前記第2の清掃部材からトナーを回収する第2の制御と、を有することを特徴とすることができる。
また、前記第2の制御では、前記第1の清掃部材と前記回収部材との電位差が、放電開始電圧以上であることを特徴とすることができる。
本発明の画像形成装置は、トナー像を保持して移動する像保持体と、表面層が導電性繊維からなる布によって形成され前記像保持体に接して設けられ、所定の電圧が印加されて前記像保持体を清掃する第1の清掃部材と、前記像保持体に接して設けられ前記第1の清掃部材とは逆極性の所定の電圧が印加されて当該像保持体を清掃する第2の清掃部材と、前記第1の清掃部材と前記第2の清掃部材とに接して設けられて当該第1の清掃部材と当該第2の清掃部材とにより除去されたトナーを回収する回収部材と、を備えることを特徴とする。
また、前記第1の清掃部材の前記表面層が保持するトナー量は、30g/m2以上150g/m2以下であることを特徴とすることができる。
また、前記第1の清掃部材の前記表面層が保持するトナー量は、20g/m2以上150g/m2以下であり、画像を保持しない状態で前記像保持体を回転させる制御部をさらに備えることを特徴とすることができる。
また、前記回収部材に印加する電圧を制御する制御部をさらに備え、前記制御部は、前記回収部材に前記像保持体に保持されるトナー像の帯電極性と同極性の電圧を印加して前記第1の清掃部材が保持するトナーを回収する保持トナー回収制御を行う場合と、前記像保持体に保持されるトナー像の帯電極性と逆極性の電圧を前記回収部材に印加して前記第2の清掃部材からトナーを回収する通常制御を行う場合と、を有することを特徴とすることができる。
また、前記通常制御では、前記第1の清掃部材と前記回収部材との電位差が、放電開始電圧以上であることを特徴とすることができる。
また、前記制御部は、前記通常制御を終了する際に、前記保持トナー回収制御を所定時間実行することを特徴とすることができる。
また、前記制御部は、所定量の画像形成の後に、前記保持トナー回収制御を所定時間実行することを特徴とすることができる。
また、前記第1の清掃部材および前記第2の清掃部材より前記像保持体の移動方向上流側に、当該像保持体上のトナーを帯電させる帯電手段をさらに備えることを特徴とすることができる。
請求項2の発明によれば、本構成を有していない場合に比較して、第1の清掃部材の像保持体表面に対する摺擦力を低く設定することができると共に、トナーや放電生成物等の付着物除去機能を高めることができる。
請求項3の発明によれば、本構成を有していない場合に比較して、第1の清掃部材の弾性を調整することができ、像保持体の表面特性に対応した低い摺擦力を設定することが可能となる。
請求項4の発明によれば、本構成を有していない場合に比較して、帯電手段によって像保持体上のトナーの帯電を調整することができる。
請求項5の発明によれば、本構成を有していない場合に比較して、第1の清掃部材からのトナーの回収と、第2の清掃部材とからのトナーの回収とを、状況に応じて切り替えることによって、第1の清掃部材にトナーを保持させることが可能となる。
請求項6の発明によれば、本構成を有していない場合に比較して、第1の清掃部材と回収部材との間の放電によって、第1の清掃部材が保持するトナー帯電を再帯電させ、トナーの帯電を一定に保つことができる。
請求項7の発明によれば、本構成を有していない場合に比較して、表面層が導電性繊維からなる布によって形成された第1の清掃部材が、像保持体に柔軟に密着し、像保持体上の放電生成物等の付着物を除去することができ、付着物に起因する画像不良の発生を抑制することができると共に、清掃効率の低下を抑制することが可能となる。
請求項8の発明によれば、トナーと放電生成物等の付着物との両方を良好に除去することができる。
請求項9の発明によれば、放電生成物等の付着物を良好に除去することができる。
請求項10の発明によれば、本構成を有していない場合に比較して、第1の清掃部材からのトナーの回収と、第2の清掃部材からのトナーの回収とを、状況に応じて切り替えることによって、第1の清掃部材に保持したトナーの入れ替えができ安定した除去性能を得ることができる。
請求項11の発明によれば、本構成を有していない場合に比較して、第1の清掃部材と回収部材との間の放電によって第1の清掃部材が保持するトナー帯電を再帯電させ、トナーの帯電を一定に保つことができる。
請求項12の発明によれば、本構成を有していない場合に比較して、第1の清掃部材がトナーを保持しない状態を形成することによって、第1の清掃部材の保持したトナーの像保持体への転移を防ぐことができる。
請求項13の発明によれば、本構成を有していない場合に比較して、第1の清掃部材が保持するトナーを、所定量の画像形成毎に入れ替えることができ、付着物除去性能を保つことができる。
図1は本実施の形態を適用した画像形成装置の一例としてのカラープリンタ1の構成を示した図である。また、図2は、画像形成ユニット30の構成を示した図である。
図1に示すカラープリンタ1は、所謂タンデム型で構成されており、各色の画像データに対応して画像形成を行なう画像形成プロセス部20、たとえばパーソナルコンピュータ(PC)3やスキャナ等の画像読取装置4に接続され、これらから受信された画像データに対して所定の画像処理を施す画像処理部22、カラープリンタ1を構成する各部の動作を制御する制御手段としての制御部60、カラープリンタ1の各部に電力を供給する電源部65を含んで構成されている。
画像形成ユニット30は、図2に示すように、矢印A方向に回転しながら静電潜像が形成され、さらにトナー像が形成される像保持体としての感光体ドラム31、感光体ドラム31の表面を所定電位で一様に帯電するたとえばスコロトロンで構成された帯電器32、感光体ドラム31上に形成された静電潜像を現像する現像器33、転写後の感光体ドラム31表面に残留したトナー等の帯電極性を一定(たとえばマイナス極性)に揃えるクリーニング前帯電手段としてのクリーニング前帯電器34、転写後の感光体ドラム31の表面電荷を除電する除電ランプ35、転写後の感光体ドラム31表面に残留したトナー等を清掃する清掃装置の一例としてのドラムクリーナ36、帯電前の潜像履歴を消去する帯電前ランプ37を含んで構成されている。
ここで、各画像形成ユニット30Y,30M,30C,30Kは、現像器33に収納されたトナーを除いて、略同様に構成されている。
なお、画像形成プロセス部20をユニット化する構成は、このような画像形成ユニット30に限るものではなく、感光体ドラム31とドラムクリーナ36とを一体化した像保持体ユニットとし、その像保持体ユニットの単位で交換可能に構成しても良い。また、そのような像保持体ユニットが、さらに画像形成ユニット30を構成するようにしても良いものである。
中間転写ベルト41は、駆動ロール45,二次転写部T2において当該中間転写ベルト41を背部から支持するバックアップロール46,当該中間転写ベルト41を支持するアイドルロール47等によって、各画像形成ユニット30Y,30M,30C,30Kを巡る経路で張架され、図示しない回転駆動手段による駆動ロール45の回転によって図1の矢印B方向に循環移動するようになっている。また、中間転写ベルト41は、当接配置されたベルトクリーナ50を備えている。
また、記録媒体としての記録用紙Pを収容する用紙トレイ71と、この用紙トレイ71に収容された記録用紙Pを搬送する記録用紙搬送機構とを備えている。
記録用紙搬送機構は、用紙トレイ71から記録用紙Pを取り出すピックアップロール72、その記録用紙Pを二次転写部T2に搬送する搬送ロール73および記録用紙Pの位置を規定するレジストロール74、二次転写部T2から定着器80に搬送する搬送ベルト75等により構成されている。
そして、重畳トナー像が二次転写部T2に搬送されると、トナー像が二次転写部T2に搬送されるタイミングに合わせてレジストロール74から記録用紙Pが二次転写部T2に供給される。二次転写部T2では、二次転写ロール40とバックアップロール46との間に形成された転写電界の作用により、重畳トナー像は記録用紙P上に一括して静電転写(二次転写)される。
カラープリンタ1では、個々の画像形成に際して上記のごとき画像形成サイクルが繰り返されるものである。
図3は本実施の形態のドラムクリーナ36の構成を示した図である。また、図4はその第1クリーニングロール365Aの断面図である。
ドラムクリーナ36は、ハウジング361の内部に、感光体ドラム31に付着したトナーを除去する二本のクリーニングロール(第1の清掃部材としての第1クリーニングロール365Aおよび第2の清掃部材としての第2クリーニングロール365B、以下、特に分けて考える必要のない場合には、単にクリーニングロール365A,365Bと称する)と、これらクリーニングロール365A,365Bによって除去されたトナーを回収する回収部材としての回収ロール366と、この回収ロール366の表面に転移したトナーを掻き取るスクレーパ367と、を備えている。
また、回収ロール366は、第1クリーニングロール365Aと第2クリーニングロール365Bとの間に、両者に接して配置されている。
これらクリーニングロール365A,365Bおよび回収ロール366は、図示しない回転機構によってそれぞれ回転駆動されるようになっている。
第1クリーニングロール365Aおよび第2クリーニングロール365Bには、電源部65に配置されたクリーニングロールバイアス電源651A,651Bからそれぞれ所定のバイアス電圧が供給されるようになっており、また、回収ロール366には、電源部65に配置された回収ロールバイアス電源652から所定のバイアス電圧が供給されるようになっている。
第1クリーニングロール365Aは、ハウジング361に回転自在に支持された所定外径のロールであって、図4に示すように、所定径のシャフト365cの周囲に弾性層365bが所定層厚に形成され、さらに弾性層365bの表面を覆うようにたとえば900μmの厚さの繊維層(表面層)365aが形成されて構成されている。
シャフト365cは、たとえば、鉄、SUS等の金属で形成されている。弾性層365bは、たとえばカーボンブラック等の導電剤を配合して所定の抵抗値に調整されたスポンジ状の発泡ウレタンで形成されている。なお、ここでは発泡ウレタンを使用したが、これにかぎらずNBR、SBR、EPDM等のゴム材も適宜選択することができる。
また、不織布としては、乾式不織布、スポンジバンド、湿式不織布等があるが、本実施の形態では、乾式不織布を用いることができる。乾式不織布は、具体的には、繊維長が数センチ程度の繊維を、カードやエアランダム機で薄いシートとし、必要に応じて何枚かのシートを重ねて形成されたものであり、繊維の接合は、高圧細水流で絡めることで形成される。
なお、繊維層365aにおいては、導電性繊維にたとえば繊維層365aの耐久性を補強するための絶縁性の繊維を混合させた構成とすることもできる。
特に、弾性層365bと繊維層365aとを積層した構成であるため、クリーニングロール365の弾性を自在に調整することができ、感光体ドラム31の表面特性に対応した低い摺擦力を設定することが可能となる。
また、回収ロール366に対しても、密着性が高く、低い圧力で接触させることが可能となる。
そして、第2クリーニングロール365Bは、感光体ドラム31の軸方向に沿って接触するように配置され、その接触部位において感光体ドラム31と逆方向に回転(図3中反時計回り)するように構成されている。
なお、第2クリーニングロール365Bは、このようなブラシロールに限るものではなく、第1クリーニングロール365Aのように、表面層を繊維層としたロールであっても良いものである。
そして、回収ロール366は、前述のごとくクリーニングロール365A,365Bの両者に軸方向に沿って当接するように配置されており、それらの当接部において移動方向が対向するように、クリーニングロール365A,365Bと同方向に回転する(図3中反時計回り)ように構成されている。
このようにしてトナー収容部362に収容されたトナーは、搬送スクリュー368により画像形成ユニット30の外部に配置された回収ボックス(不図示)に搬出されるようになっている。
制御部60は、通常の画像形成作用中に行う第2の制御としての通常クリーニング制御と、画像形成作用中以外に設定される第1の制御としての回収制御と、の二つの制御モードを有している。これら二つの制御モードは、回収ロール366に印加するバイアス電圧の極性が異なる。
図5は通常クリーニング制御を説明する図、図6は回収制御を説明する図である。図中、内部に+又は−を表示した丸印が、その極性に帯電したトナーを示している。なお、以下の説明において構成要素の符号等は図1乃至図4参照のこと。
これにより、画像形成作用時において、第1クリーニングロール365Aは、感光体ドラム31の表面に残存するプラス極性に帯電したトナーを除去し、第2クリーニングロール365Bは感光体ドラム31の表面に残存するマイナス極性に帯電したトナーを除去する。回収ロール366は、第2クリーニングロール365Bが静電吸着したマイナス極性に帯電したトナーを回収する。
フィルミングは、クリーニング部材(本実施の形態におけるクリーニングロール365A,365B)の機械的な摺擦力によって削り取られた感光体ドラム31表面の成分が感光体ドラム31表面に固着することで、それを核としてトナーの成分が固着して感光体ドラム31表面に斑状や雨だれ状の付着域を生成し、形成された画像に斑状や雨だれ状の白抜けといった画像不良を生じさせるものである。
また、放電生成物は、画像形成サイクルにおいて帯電器32が感光体ドラム31を帯電する際の放電によって生じ、たとえば高速機やカラー機のようにプロセススピードの速い機種では多量に発生する。そして、その放電生成物が感光体ドラム31の表面に付着すると、特に高温高湿度環境下(たとえば、温度:28℃,湿度:85%)において低抵抗化し、これが感光体ドラム31表面の電荷をリークさせて潜像電位コントラストの低下を招き、画像中に白抜け部を生じさせるものである。
放電生成物は、一般的な弾性ロールやブラシロール等によっても摺擦力を強めることで除去することが可能である。しかし、そうすると感光体を削って前述のフィルミングを招来する。また、感光体ドラム31の寿命が短くなる。
すなわち、第1クリーニングロール365Aの表面に長時間トナーを保持していると、そのプラス極性の帯電電位が低下してゼロ電位となったりマイナスの極性に変化することが生じ得る。そのようなトナーは、クリーニングロール365Aの表面上に安定的に保持することができなくなる。このため、クリーニングロール365Aと回収ロール366との間の電位差を放電開始電圧以上に設定し、放電を行ってトナーにプラスの電荷で再帯電させ、安定して保持させるものである。本実施の形態においては、前述のごとく、第1クリーニングロール365Aに印加する−300Vのバイアス電圧に対して、回収ロール366に印加するバイアス電圧を+600Vとしてその電位差を900Vとしたものである。
制御部60は、画像形成ユニット30のドラムクリーナ36を除く各機構部が画像形成動作を行っている間は、通常クリーニング制御を行う。
すなわち、画像形成動作中には、通常クリーニング制御によって、感光体ドラム31の表面に残存するプラス又はマイナスのいずれの極性に帯電したトナーも、クリーニングロール365A,365Bによって除去する。第2クリーニングロール365Bが除去したマイナス極性に帯電したトナーは、回収ロール366によって順次回収される。一部のプラス極性に帯電したトナーは、第1クリーニングロール365Aに保持され、感光体ドラム31の表面のフィルミングや放電生成物等の付着物除去の作用に供される。
たとえば、画像形成が終了した後、各機構を停止する前に、通常クリーニング制御に引き続いて回収制御を所定時間実行し、第1クリーニングロール365Aが保持するプラス極性に帯電したトナーを回収ロール366によって回収する。
これにより、各機構が停止した状態では、クリーニングロール365A,365Bのいずれもトナーを保持しない状態となり、従って、感光体ドラム31の表面に接して停止していてもクリーニングロール365A,365Bからトナーが感光体ドラム31に逆に転移することはない。
つぎの画像形成に際しては、第1クリーニングロール365Aは新たなトナーを保持することとなる。これにより、第1クリーニングロール365Aの保持するトナーは、付着物除去性能の点で劣化したものから画像形成の都度新しいものに更新されることとなり、常に安定して高い付着物除去性能を得ることを可能としている。
また、多量の画像形成を連続して行う場合には、所定量(枚数)の画像形成を行った後、画像形成を一旦中断し、所定時間の回収制御を実行しても良い。これによって、第1クリーニングロール365Aの保持するトナーを所定量入れ替えることができる。
図7は、本実施の形態のドラムクリーナ36において、第1クリーニングロール365Aの繊維層365aに保持するトナー保持量(g/m2)と、感光体ドラム31の表面の放電生成物に起因する画像流れの発生の有無との関係、感光体ドラム31の表面の削れ等に起因するフィルミングの発生の有無との関係、さらにはトナーのクリーニング性能との関係をそれぞれ評価した図である。
この図7での評価は、10000枚のプリントを行なった後に一昼夜(ほぼ24時間)の間の放置を経て、1枚目をプリントさせた際の画像を評価することで行なった。感光体ドラム31表面に付着した放電生成物は、徐々に水分を吸着して感光体層の抵抗値が低下する程に画像流れによる白抜けは生じ易い。そこで、一昼夜の間の放置の後のプリント画像での評価を行なった。またフィルミングの発生の有無は、感光体ドラム31表面を顕微鏡で観察することで行なった。さらにクリーニング性能は、ドラムクリーナ36を通過後の感光体ドラム31の表面を観察することで行なった。
また、その場合に、感光体ドラム31表面を顕微鏡で観察した結果、トナー保持量のいずれの範囲においてもフィルミングの発生はないことが確認できた。これは、第1クリーニングロール365Aの感光体ドラム31表面に対する摺擦力が低く設定されていること、および、トナーがフィルミング物質を取り除くことに基づくものであると考えられる。
このように、図7の評価結果から、放電生成物を除去して画像流れやフィルミングの発生を抑えると共に、トナーに対するクリーニング性能を確保するためには、繊維層365aに保持するトナー量は、30〜150g/m2が好適であることが解った。
ただし、他の実験から、繊維層365aに常時トナーを保持した状態で、感光体ドラム31を所定時間(例えば、5分間)だけ回転させる動作を行なえば、トナー保持量が20g/m2であっても、画像流れの発生を抑制できる結果も得られている。したがって、画像形成の前や後のサイクルで、そのような動作を行なうことを前提とすれば、繊維層365aに保持するトナー量を、20〜150g/m2に設定することも可能である。
図8はその実験結果を示す図である。また、図9は比較例の概略構成図である。
実験は、画像密度7%のチャートを用いて、A4横送りで一日15000枚の画像形成を行い、終了時と翌朝(開始時)とにサンプリングを行って画像不良の発生を確認し、これを4日間連続して合計60000枚の画像形成を行った。また、30000枚毎に感光体表面の目視観察を行った。これらを、環境条件を複数に変えて実施した。
サンプリング画像は、
全面ハーフトーン画像(20%および30%)、全面白画像の三種類。
確認項目は、
白抜け画像欠陥(デリーション:放電生成物の感光体固着、フィルミング:トナーの感光体付着等)
全面白画像の黒筋(クリーニング不良)
環境条件は、
常温:温度22℃,湿度55%
高温高湿:温度28℃,湿度85%
低温低湿:温度10℃,湿度15%
である。
一方、比較例のブラシクリーニング装置では、高温/高湿環境化で朝のサンプリング時に像流れ(ハーフトーン白抜け)が発生した。
また、感光体表面にトナー/外添剤の付着物(フィルミング)が低温低湿環境化で少しずつ発生し、50000枚を超えるあたりから画質上に白抜けが発生した。
これにより、本実施の形態の有効性が確認できたものである。
○共通構成
感光体:有機感光体の上に耐摩耗層をコート
トナー:重合法により生成。平均粒径5.8μm
また、クリーニング前帯電器や帯電前ランプ等の他の特記しない条件は、共通である。
○本願構成
第1クリーニングロール365A
(表面に導電性繊維からなる繊維層を有する実施の形態のもの)
抵抗:5LogΩ(1kV印加時)
感光体ドラムとの食い込み量:0.75mm
印加電圧:−300V
第2クリーニングロール365B(導電性ブラシロール)
抵抗:5LogΩ(1kV印加時)
感光体ドラムとの食い込み量:1mm
印加電圧:+600V
回収ロール366(導電性フェノール樹脂ロール)
抵抗:5.5LogΩ(1kV印加時)
印加電圧:
通常クリーニング制御時:+600V
回収制御時:−600V
ここで、食い込み量とは、当接することによって、外径が圧縮する際の変位量を意味する。
図9に示すブラシクリーニング装置36′は、クリーニングブラシ801と回収ロール802とスクレーパ(かきとり部材)803とによって構成されたブラシクリーニング機構800が、二組、感光体ドラム31に対して配置されたものである。クリーニングブラシ801は、本実施の形態における第2クリーニングロール365B(図3参照)と同一であり、また、回収ロール802も本実施の形態における回収ロール366(図3参照)と同一のものを用いた。つまり、図3に示す本実施の形態の構成における第1クリーニングロール365Aがクリーニングブラシ801に置換され、二つのクリーニングブラシ801にそれぞれ回収ロール802が備えられたような構成のものである。
クリーニングブラシ801の感光体ドラム31との食い込み量:1mm(上下流共)
上流側のクリーニングブラシ801の印加電圧:+300V
下流側のクリーニングブラシ801の印加電圧:+600V
回収ロール802の印加電圧:+600V(上下流共)
たとえば、上記実施の形態では、表面層に導電性繊維からなる繊維層365aを備えてトナーを保持する第1クリーニングロール365Aを感光体ドラム31の回転方向上流側に配置し、下流側にトナーを回収する第2クリーニングロール365Bを配置したが、これらのクリーニングロール365A,365Bの位置を上下流逆に配置して構成しても良いものである。
また、本発明の清掃装置は、感光体ドラムを清掃する清掃装置に限らず、たとえば中間転写ベルトを清掃する清掃装置(上記実施の形態の図1中のベルトクリーナ50)等に用いても良いものである。それにより、感光体ドラムから中間転写ベルトに転移した放電生成物等を良好に除去することができる。
カラープリンタ1′は、中間転写ベルト41の下側に画像形成ユニット30(30Y,30M,30C,30K)が配置され、さらにその下側にレーザ露光装置26が配置された構成となっているものである。そして、中間転写ベルト41は図中時計回りに周回し、その周回経路の図中左側の二次転写部T2で中間転写ベルト41が保持したトナー像を記録用紙Pに転写するように構成されている。このような構成により、画像形成ユニット30からトナー像を中間転写ベルト41に転写する一次転写部T1と、中間転写ベルト41からトナー像を記録用紙Pに転写する二次転写部T2との間の、トナー像を支持した中間転写ベルト41の移動距離を短く設定することが可能となっているものである。
また、本発明の構成をモノクロの画像形成装置に適用しても良いことは、勿論である。
(1)第1クリーニングロール365Aが、表面に柔らかい導電性繊維からなる繊維層365aを配設し、加えて、繊維層365aの下層に弾性層365bを形成していることは、回収ロール366に対しても、密着性が高く、低い圧力で接触させることが可能となるので、回収ロール366に対してもその表面に傷をいれにくく、それによるトナーの回収不良も防止することができる。
(2)第1クリーニングロール365Aは、トナーの効果により放電生成物を除去できる分だけの低い摺擦力に設定できるので、削り取られた感光体ドラム31の成分が感光体ドラム31表面に固着してフィルミングを招来する虞は少ない。また、トナーは放電生成物のみではなく、削りとられた感光体ドラム31の成分なども吸着して取り除くので、さらにフィルミングを招来する虞は少ない。
Claims (13)
- 表面層が導電性繊維からなる布によって形成され、トナー像を保持する像保持体に接して設けられると共に、当該像保持体に形成される静電潜像をトナーによって現像する現像装置の帯電作用によるトナーの帯電極性と同極性の所定の電圧が印加されて当該像保持体を清掃する第1の清掃部材と、
前記第1の清掃部材より前記像保持体の回転方向下流側にて当該像保持体に接して設けられ当該第1の清掃部材とは逆極性の所定の電圧が印加されて当該像保持体を清掃する第2の清掃部材と、
前記第1の清掃部材と前記第2の清掃部材とに接して設けられて所定のバイアス電圧が印加され当該第1の清掃部材および当該第2の清掃部材から清掃時に回収されたトナーを回収する回収部材と、
を備えることを特徴とする清掃装置。 - 前記第1の清掃部材の前記表面層を形成する導電性繊維からなる布は、当該導電性繊維が編み込まれた布、当該導電性繊維が織り込まれた布、および当該導電性繊維からなる不織布のいずれかであることを特徴とする請求項1に記載の清掃装置。
- 前記第1の清掃部材は、前記表面層の下に導電性の弾性層を有することを特徴とする請求項1又は2に記載の清掃装置。
- 前記第1の清掃部材および前記第2の清掃部材より前記像保持体の回転方向上流側に、当該像保持体上のトナーを帯電させる帯電手段をさらに備えることを特徴とする請求項1乃至3のいずれか1項に記載の清掃装置。
- 前記回収部材に印加する電圧を制御する制御手段をさらに備え、
前記制御手段は、
前記回収部材が前記第1の清掃部材からトナーを回収する第1の制御と、
前記回収部材が前記第2の清掃部材からトナーを回収する第2の制御と、
を有することを特徴とする請求項1に記載の清掃装置。 - 前記第2の制御では、前記第1の清掃部材と前記回収部材との電位差が、放電開始電圧以上であることを特徴とする請求項5に記載の清掃装置。
- トナー像を保持して回転する像保持体と、
表面層が導電性繊維からなる布によって形成され前記像保持体に接して設けられると共に、当該像保持体に形成される静電潜像をトナーによって現像する現像装置の帯電作用によるトナーの帯電極性と同極性の所定の電圧が印加されて前記像保持体を清掃する第1の清掃部材と、
前記第1の清掃部材より前記像保持体の回転方向下流側にて当該像保持体に接して設けられ当該第1の清掃部材とは逆極性の所定の電圧が印加されて当該像保持体を清掃する第2の清掃部材と、
前記第1の清掃部材と前記第2の清掃部材とに接して設けられて当該第1の清掃部材と当該第2の清掃部材とにより除去されたトナーを回収する回収部材と、
を備えることを特徴とする画像形成装置。 - 前記第1の清掃部材の前記表面層が保持するトナー量は、30g/m2以上150g/m2以下であることを特徴とする請求項7に記載の画像形成装置。
- 前記第1の清掃部材の前記表面層が保持するトナー量は、20g/m2以上150g/m2以下であり、
画像を保持しない状態で前記像保持体を回転させる制御部をさらに備えることを特徴とする請求項7に記載の画像形成装置。 - 前記回収部材に印加する電圧を制御する制御部をさらに備え、
前記制御部は、
前記回収部材に前記像保持体に保持されるトナー像の帯電極性と同極性の電圧を印加して前記第1の清掃部材が保持するトナーを回収する保持トナー回収制御を行う場合と、
前記像保持体に保持されるトナー像の帯電極性と逆極性の電圧を前記回収部材に印加して前記第2の清掃部材からトナーを回収する通常制御を行う場合と、
を有することを特徴とする請求項7に記載の画像形成装置。 - 前記通常制御では、前記第1の清掃部材と前記回収部材との電位差が、放電開始電圧以上であることを特徴とする請求項10に記載の画像形成装置。
- 前記制御部は、前記通常制御を終了する際に、前記保持トナー回収制御を所定時間実行することを特徴とする請求項10に記載の画像形成装置。
- 前記制御部は、所定量の画像形成の後に、前記保持トナー回収制御を所定時間実行することを特徴とする請求項10に記載の画像形成装置。
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