JP4893720B2 - 熱硬化性樹脂組成物及びその製造方法 - Google Patents

熱硬化性樹脂組成物及びその製造方法 Download PDF

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Description

本発明は、部品実装のための導電ペースト、特に熱硬化性はんだペーストとして用いられる熱硬化性樹脂組成物及びその製造方法に関するものである。
従来、配線板等に部品を実装するにあたり、クリームはんだと呼ばれる材料が用いられている(例えば、特許文献1参照。)。クリームはんだは、はんだ粒子、フラックス成分及び溶剤を含む組成物である。このクリームはんだは、リフロー炉中で加熱されると、はんだ粒子が融点以上で溶解すると共に、このはんだ粒子の表面の酸化層がフラックス成分の作用によって除去される。これにより、はんだ粒子が一体化し、部品実装を完遂する。このクリームはんだを用いたはんだリフロープロセスを採用すると、多くの部品を配線板等に一括して接続でき、生産性が高くなる。
特開2004−185884号公報
しかし、従来のクリームはんだにあっては、印刷性が悪いものであったため、印刷時や加熱時等のだれが多いという問題があった。
また、従来のクリームはんだは強度及び靭性が十分ではないため、配線板等にはんだ接続だけで部品を固定すると、部品の脱落が起こりやすく、また、温度変化や衝撃によりはんだ接続部にクラックが起こりやすいという問題もあった。
本発明は上記の点に鑑みてなされたものであり、配線板等への部品実装のための導電ペースト、特に熱硬化性はんだペーストとして使用可能であり、印刷性が良好であり、複数の部品を配線板等に実装するにあたり、はんだリフロー処理により一括して部品実装が可能であり、従来よりもはんだ粒子の一体性に優れ、かつはんだ接続部に高い強度及び靭性を付与することができる熱硬化性樹脂組成物及びその製造方法を提供することを目的とするものである。
本発明の請求項1に係る熱硬化性樹脂組成物は、融点240℃以下のはんだ粒子、熱硬化性樹脂バインダー、ジカルボン酸を含むフラックス成分、有機系チクソ性付与剤、無機系チクソ性付与剤を含有する熱硬化性樹脂組成物であって、有機系チクソ性付与剤として、下記構造式(1)で示されるソルビトール系の有機化合物を用いると共に、無機系チクソ性付与剤として、疎水性の二酸化ケイ素を用いることを特徴とするものである。
Figure 0004893720
請求項2に係る発明は、請求項1において、有機系チクソ性付与剤の含有量が、熱硬化性樹脂組成物全量に対して0.5〜5.0質量%であることを特徴とするものである。
請求項3に係る発明は、請求項1又は2において、無機系チクソ性付与剤の含有量が、熱硬化性樹脂組成物全量に対して0.3〜2.0質量%であることを特徴とするものである。
請求項4に係る発明は、請求項1乃至3のいずれか1項において、はんだ粒子の含有量が、熱硬化性樹脂組成物全量に対して70〜95質量%であることを特徴とするものである。
本発明の請求項5に係る熱硬化性樹脂組成物の製造方法は、請求項1乃至4のいずれか1項に記載の熱硬化性樹脂組成物を製造する方法であって、熱硬化性樹脂バインダーとして液状エポキシ樹脂を用い、融点240℃以下のはんだ粒子、液状エポキシ樹脂の一部又は全部、フラックス成分を予め混合・混練する工程と、この工程で得られた混合物に液状エポキシ樹脂の残部、硬化剤、有機系チクソ性付与剤、無機系チクソ性付与剤を添加する工程とを含むことを特徴とするものである。
本発明の請求項1に係る熱硬化性樹脂組成物によれば、配線板等への部品実装のための導電ペースト、特に熱硬化性はんだペーストとして使用可能であり、印刷性が良好であり、複数の部品を配線板等に実装するにあたり、はんだリフロー処理により一括して部品実装が可能であり、従来よりもはんだ粒子の一体性に優れ、かつはんだ接続部に高い強度及び靭性を付与することができるものである。
請求項2に係る発明によれば、かすれを防止して、印刷性向上の効果を得ることができるものである。
請求項3に係る発明によれば、かすれを防止して、印刷性向上の効果を得ることができるものである。
請求項4に係る発明によれば、熱硬化性樹脂バインダーのブリードを防止することができると共に、熱硬化性樹脂バインダーによる補強効果が低下するのを防止することができるものである。
本発明の請求項5に係る熱硬化性樹脂組成物の製造方法によれば、はんだ粒子表面へのフラックス成分の吸着を促進することができ、そのため、熱硬化性樹脂組成物をはんだ粒子が溶融する温度まで加熱した場合に、フラックス成分中のカルボキシル基とはんだ粒子表面の金属酸化被膜との反応を促進することができ、溶融したはんだ粒子の一体化を促進することができるものである。また、熱硬化性樹脂組成物の硬化物中の、有効に作用しないフラックス成分の濃度を減少させ、硬化物の強度を向上することができるものである。
以下、本発明の実施の形態を説明する。
本実施形態では、熱硬化性樹脂組成物は、融点が240℃以下のはんだ粒子、熱硬化性樹脂バインダー、ジカルボン酸を含むフラックス成分、有機系チクソ性付与剤、無機系チクソ性付与剤を含有する。
そして、この熱硬化性樹脂組成物中のフラックス成分としては、下記構造式(2)で示される化合物を用いることができる。
HOOCHC−X−CHCOOH …(2)
この式中の−X−は、−O−、−S−、−S−S−のうちのいずれかである。すなわち、フラックス成分として、下記構造式(3)で示されるジグリコール酸、下記構造式(4)で示されるチオジグリコール酸、下記構造式(5)で示されるジチオジグリコール酸のうちの少なくとも一種を用いることができる。
HOOCHC−O−CHCOOH …(3)
HOOCHC−S−CHCOOH …(4)
HOOCHC−S−S−CHCOOH …(5)
フラックス成分は、上記のような化合物のうち一種の化合物からなるものであってもよく、二種以上の化合物からなるものであってもよい。また、フラックス成分は、上記化合物に加えて、一般に用いられる他のフラックスを含むものであってもよい。
この構造式(2)で示される化合物は、カルボキシル基を両末端に有しているが、室温では溶融しないためフラックス活性はそれ程大きくなく、室温での保存安定性に優れている。一方、この化合物が100℃以上の温度に加熱されると溶融し、優れた活性力(還元力)が顕在化してカルボキシル基とはんだ粒子表面の金属酸化被膜との反応が促進され、はんだ粒子から酸化被膜を効果的に除去することができるようになる。このため、低温加熱により溶融したはんだ粒子の一体化を促進することができる。
なお、カルボキシル基を両末端に有する化合物としては、一般的には脂肪族骨格を有するグルタル酸、アジピン酸、ピメリン酸、セバシン酸、コルク酸等が挙げられる。しかし、これらは180℃以下の低温では還元力が不足気味であるため、金属表面の酸化膜に対する十分な還元作用を期待することができず、特にBi、In等の低融点の特殊な金属類を含むはんだに対しては、その還元力は十分に満足できるレベルではない。
これに対して、上記化学式(3)〜(5)に示すような、主骨格に酸素原子、又は1個若しくは2個の硫黄原子が結合した構造の化合物は、脂肪族骨格の化合物と比べて、優れた還元力を発揮することができる。その理由は、主骨格の酸素原子及び硫黄原子が電子供与性の原子であるために、金属との配位接合性が高くなり、その結果、脂肪族骨格の化合物と比べて優れた還元力を発揮するためであると推察される。
また、はんだ粒子は、上記の通り融点が240℃以下のものであればよい。はんだ粒子の融点の下限は特に制限されないが、80℃以上であることが好ましい。前記条件を満たす限り、はんだ粒子の組成は特に制限されないが、具体例として、Snをベースとする、Ag、Cu等の金属との合金や、Bi、Zn、In等の金属との合金を挙げることができる。また、はんだ粒子の含有量は、熱硬化性樹脂組成物全量に対して70〜95質量%であることが好ましい。これにより、熱硬化性樹脂バインダーのブリードを防止することができると共に、熱硬化性樹脂バインダーによる補強効果が低下するのを防止することができるものである。しかし、はんだ粒子の含有量が70質量%未満であると、熱硬化性樹脂バインダーがブリードするおそれがあり、逆に95質量%を超えると、熱硬化性樹脂バインダーによる補強効果が低下するおそれがある。
また、熱硬化性樹脂バインダーとしては、特に制限されず、エポキシ樹脂、ポリイミド樹脂、シアン酸エステル樹脂、ベンゾオキサジン樹脂、ポリエステル樹脂等の適宜の熱硬化性樹脂を使用することができる。このうち、特にエポキシ樹脂を用いることが好ましい。エポキシ樹脂は比較的低温で硬化すると共に接着性が高いため、従来のはんだリフロー処理より低い温度でも十分な硬化性を発揮して部品実装を可能とすると共に十分な補強効果を発揮することができる。
熱硬化性樹脂バインダーとしてエポキシ樹脂を用いる場合は、通常は熱硬化性樹脂組成物中に硬化剤を含有させ、あるいはさらに必要に応じて硬化促進剤を含有させる。
硬化剤としては公知公用の適宜のものを使用することができる。例えばフェノールノボラック樹脂、ナフタレン骨格含有フェノール樹脂、ジシクロペンタジエン型フェノール樹脂、フェノールアラルキル樹脂等を使用することができる。硬化剤の使用量は適宜設定されるが、エポキシ樹脂のエポキシ当量に対する硬化剤の化学量論上の当量比が0.8〜1.2の範囲となるようにすることが好ましい。また、硬化促進剤を使用する場合も、公知公用の適宜のものを使用することができる。例えばトリフェニルホスフィン、トリメチルホスフィン等の有機リン化合物、2−メチルイミダゾール、2−フェニル−4−メチルイミダゾール、2−フェニルイミダゾール等のイミダゾール類、1,8−ジアザビシクロ(5,4,0)ウンデセン−7、トリエタノールアミン、ベンジルジメチルアミン等の3級アミン類等が挙げられる。
熱硬化性樹脂組成物中のフラックス成分の含有量は適宜設定されるが、特に熱硬化性樹脂バインダーの含有量に対してフラックス成分の含有量が1〜50phrであることが好ましい。このように前記含有量を1phr以上とすることでフラックス成分がフラックスとしての十分な作用を発揮し、また前記含有量が50phr以下であることで熱硬化性樹脂組成物の硬化物により部品実装時に十分な補強効果を発揮することができる。
また、熱硬化性樹脂組成物中の熱硬化性樹脂バインダーとフラックス成分の合計量は、前記組成物の全量に対して5〜30質量%であることが好ましい。前記含有量を5質量%以上とすることで、熱硬化性樹脂組成物に良好な流動性を付与すると共に、はんだ粒子が一体化した際のボイドの発生を抑制することができ、さらに優れた補強作用を発揮することができる。また前記含有量を30質量%以下とすることで、熱硬化性樹脂組成物中に十分な量のはんだ粒子を確保することができ、はんだ粒子の溶融一体化が容易となって、接続部分の接続抵抗を十分に低くすることが可能となる。
また、有機系チクソ性付与剤及び無機系チクソ性付与剤は、熱硬化性樹脂組成物に配合すると、良好な印刷性が得られ、印刷時や加熱時等のだれを少なくすることができるものである。ここで、有機系チクソ性付与剤としては、上記構造式(1)で示されるソルビトール系の有機化合物を用いるものであり、また無機系チクソ性付与剤としては、疎水性の二酸化ケイ素を用いるものである。この疎水性の二酸化ケイ素は、表面がメチル化される等して、水に対する親和性が小さくなった二酸化ケイ素のことである。そしてこのような有機系チクソ性付与剤と無機系チクソ性付与剤を両方用いることにより、有機系チクソ性付与剤又は無機系チクソ性付与剤のみを用いる場合に比べて、印刷性を向上させることができるものである。しかし、有機系チクソ性付与剤のみを用いる場合には、熱硬化性樹脂組成物をはんだ粒子が溶融する温度まで加熱すると、熱硬化性樹脂バインダーのブリードが多くなり、実装密度の高いプリント配線板の製造時において、ブリードした熱硬化性樹脂バインダーが、隣接する2次実装部の基板電極を覆ってしまい、2次実装が不可能となるものである。また、無機系チクソ性付与剤のみを用いる場合には、熱硬化性樹脂組成物の粘度が高くなりすぎ、かすれたりして印刷性が悪くなるおそれがある。
また、有機系チクソ性付与剤の含有量は、熱硬化性樹脂組成物全量に対して0.5〜5.0質量%であることが好ましい。これにより、かすれを防止して、印刷性向上の効果を得ることができるものである。しかし、有機系チクソ性付与剤の含有量が0.5質量%未満であると、印刷性向上の効果が得られないおそれがある。逆に有機系チクソ性付与剤の含有量が5.0質量%を超えると、熱硬化性樹脂組成物の粘度が高くなりすぎ、かすれたりして印刷性が悪くなるおそれがある。さらに、熱硬化性樹脂組成物をはんだ粒子が溶融する温度まで加熱する場合に、熱硬化性樹脂バインダーのブリードが多くなり、実装密度の高いプリント配線板の製造時において、ブリードした熱硬化性樹脂バインダーが、隣接する2次実装部の基板電極を覆ってしまい、2次実装が不可能となるおそれがある。
また、無機系チクソ性付与剤の含有量は、熱硬化性樹脂組成物全量に対して0.3〜2.0質量%であることが好ましい。これにより、かすれを防止して、印刷性向上の効果を得ることができるものである。しかし、無機系チクソ性付与剤の含有量が0.3質量%未満であると、印刷性向上の効果が得られないおそれがあり、逆に無機系チクソ性付与剤の含有量が2.0質量%を超えると、熱硬化性樹脂組成物の粘度が高くなりすぎ、かすれたりして印刷性が悪くなるおそれがある。
また、本発明に係る熱硬化性樹脂組成物は、上記必須成分のほか、通常用いられる改質剤、添加剤を含有することができる。また、この熱硬化性樹脂組成物の粘度を低減し、あるいは流動性を付与する目的で、低沸点の溶剤や可塑剤を加えることもできる。
本発明に係る熱硬化性樹脂組成物の、好適な製造方法について説明する。この方法では、熱硬化性樹脂バインダーとして液状エポキシ樹脂を用い、硬化剤を併用する。
まず、はんだ粒子、熱硬化性樹脂バインダー、フラックス成分を予め混合・混練し、予備混合物を調製する。前記予備混合物中に配合する熱硬化性樹脂バインダーは、熱硬化性樹脂組成物に含有させる予定の熱硬化性樹脂バインダー全量(以下、熱硬化性樹脂バインダー全量という)のうち、全部であってもよく、一部であってもよい。この予備混合物を調製することで、はんだ粒子表面へのフラックス成分の吸着を促進することができる。
上記予備混合物を調製する際の熱硬化性樹脂バインダー(液状エポキシ樹脂)の添加は、はんだ粒子へのフラックス成分の馴染み性を向上するために行われる。この予備混合物の調製に用いられる熱硬化性樹脂バインダーの、熱硬化性樹脂バインダー全量に対する比率は、はんだ粒子の比率やフラックス成分の種類等に依存するため、特に限定されない。ただし、はんだ粒子表面へのフラックス成分の馴染み性を十分に向上するためには前記比率が30質量%以上であることが好ましく、また予備混合物中のフラックス成分の濃度を十分に高く保つことではんだ粒子へのフラックス成分の吸着を促進するためには、前記比率が80質量%以下であることが好ましい。
次に、前記予備混合物に硬化剤、有機系チクソ性付与剤及び無機系チクソ性付与剤を添加する。このとき、予備混合物中の熱硬化性樹脂バインダーが、熱硬化性樹脂バインダー全量のうちの一部である場合は、熱硬化性樹脂バインダーの残部も添加する。これにより、本発明に係る熱硬化性樹脂組成物を製造することができる。
上記製造方法によって熱硬化性樹脂組成物を製造すると、フラックス成分によって、はんだ粒子表面の酸化層除去の効果を高く得ることができ、はんだ粒子を十分に一体化させることができるものである。また、フラックス成分が、はんだ粒子表面にダイレクトに吸着されるため、熱硬化性樹脂組成物をはんだ粒子が溶融する温度まで加熱した場合に、フラックス成分中のカルボキシル基とはんだ粒子表面の金属酸化被膜との反応を促進することができ、溶融したはんだ粒子の一体化を促進することができる。また、熱硬化性樹脂組成物の硬化物中の、有効に作用しないフラックス成分の濃度を減少させ、硬化物の強度を向上することができる。
以下、本発明を実施例によって具体的に説明する。
(実施例1)
はんだ粒子として、Snが96.5質量%、Agが3.0質量%、Cuが0.5質量%であるものを用いた(Sn96.5Ag3.0Cu0.5)。このはんだ粒子は常法に従って作製した。なお、このはんだ粒子の融点は218℃であった。
そして、上記はんだ粒子を82.5質量部、熱硬化性樹脂バインダーとして液状エポキシ樹脂(東都化成株式会社製、品番「YD128」)を10.5質量部、硬化剤(味の素ファインテクノ株式会社製、品番「アミキュアPN23」)を2質量部、フラックス成分としてジグリコール酸を2質量部、有機系チクソ性付与剤として上記構造式(1)で示されるソルビトール系有機化合物(新日本理化株式会社製)を2質量部、無機系チクソ性付与剤として疎水性の二酸化ケイ素(日本アエロジル株式会社製、品番「疎水性アエロジルRY200」)を1質量部用意した。そしてはんだ粒子、液状エポキシ樹脂、フラックス成分を予め混合した後、この混合物に硬化剤、有機系チクソ性付与剤、無機系チクソ性付与剤を添加してさらにディスパーを用いて均一に混練して、ペースト状の熱硬化性樹脂組成物を得た。
(実施例2〜5)
はんだ粒子、熱硬化性樹脂バインダー、硬化剤、フラックス成分、有機系チクソ性付与剤、無機系チクソ性付与剤の配合量を下記[表1]に示すように変更した以外は、実施例1と同様にして熱硬化性樹脂組成物を得た。
(実施例6)
熱硬化性樹脂組成物を製造するための成分として、実施例1と同様のはんだ粒子を81.5質量部、熱硬化性樹脂バインダーとしてシアン酸エステル樹脂(Lonza社製、品番「L−10」)を11.5質量部、硬化剤としてFeアセチルアセトナート(Fe(acac)3)を0.1質量部、フラックス成分としてチオジグリコール酸を2.9質量部、有機系チクソ性付与剤として上記構造式(1)で示されるソルビトール系有機化合物(新日本理化株式会社製)を3質量部、無機系チクソ性付与剤として疎水性の二酸化ケイ素(日本アエロジル株式会社製、品番「疎水性アエロジルRY200」)を1質量部用意した。そしてはんだ粒子、シアン酸エステル樹脂、フラックス成分を予め混合した後、この混合物に硬化剤、有機系チクソ性付与剤、無機系チクソ性付与剤を添加してさらにディスパーを用いて均一に混練して、ペースト状の熱硬化性樹脂組成物を得た。
(比較例1)
はんだ粒子、熱硬化性樹脂バインダー、硬化剤、フラックス成分の配合量を下記[表2]に示すように変更した以外は、実施例1と同様にして熱硬化性樹脂組成物を得た。なお、有機系チクソ性付与剤、無機系チクソ性付与剤は用いなかった。
(比較例2)
はんだ粒子、熱硬化性樹脂バインダー、硬化剤、フラックス成分、有機系チクソ性付与剤の配合量を下記[表2]に示すように変更した以外は、実施例1と同様にして熱硬化性樹脂組成物を得た。なお、無機系チクソ性付与剤は用いなかった。
(比較例3)
はんだ粒子、熱硬化性樹脂バインダー、硬化剤、フラックス成分、無機系チクソ性付与剤の配合量を下記[表2]に示すように変更した以外は、実施例1と同様にして熱硬化性樹脂組成物を得た。なお、有機系チクソ性付与剤は用いなかった。
(比較例4)
はんだ粒子、熱硬化性樹脂バインダー、硬化剤、フラックス成分、無機系チクソ性付与剤の配合量を下記[表2]に示すように変更すると共に、有機系チクソ性付与剤として水添ヒマシ油(エレメンティスジャパン株式会社製、品番「THIXCIN R」)を2質量部用いるようにした以外は、実施例1と同様にして熱硬化性樹脂組成物を得た。
(比較例5)
はんだ粒子、熱硬化性樹脂バインダー、硬化剤、フラックス成分、有機系チクソ性付与剤の配合量を下記[表2]に示すように変更すると共に、無機系チクソ性付与剤として親水性の二酸化ケイ素(日本アエロジル株式会社製、品番「親水性アエロジル#90」)を用いるようにした以外は、実施例1と同様にして熱硬化性樹脂組成物を得た。
(比較例6)
はんだ粒子、フラックス成分、有機系チクソ性付与剤の配合量を下記[表2]に示すように変更した以外は、実施例1と同様にして熱硬化性樹脂組成物を得た。なお、熱硬化性樹脂バインダー、硬化剤、無機系チクソ性付与剤は用いなかった。
(比較例7)
熱硬化性樹脂バインダー、硬化剤、フラックス成分、有機系チクソ性付与剤、無機系チクソ性付与剤の配合量を下記[表2]に示すように変更すると共に、はんだ粒子として銀粒子を82.5質量部用いるようにした以外は、実施例1と同様にして熱硬化性樹脂組成物を得た。なお、銀粒子の融点は962℃であった。
(評価試験)
各実施例及び比較例で得られた熱硬化性樹脂組成物を用いて、次のような評価試験を行った。
1.だれ試験
JIS Z 3284「附属書7印刷時のだれ試験」及び「附属書8加熱時のだれ試験」に従ってだれ挙動を評価した。
2.はんだ粒子の一体化性評価
配線板(FR−4グレード)の表面にAuメッキが施された端子(パット)を形成し、前記パットの表面に、通常の方法に従い、熱硬化性樹脂組成物をスクリーン印刷法で塗布した。塗布後の熱硬化性樹脂組成物の厚みは、約70μmであった。この配線板をオーブン内で150℃で10分間加熱し、熱硬化性樹脂組成物を熱硬化させた。その後、前記熱硬化性樹脂組成物の硬化物を顕微鏡で観察し、下記評価基準で評価した。
「◎」:はんだ粒子が一体化した球状の層の周りを、はんだ粒子を含まない樹脂硬化物の層が取り囲み、二層に分離した。
「○」:はんだ粒子が一体化した球状の層の周りを、若干のはんだ粒子を含んだ樹脂硬化物の層が取り囲み、二層に分離した。
「△」:中央部でははんだ粒子の密度が高く、周辺部でははんだ粒子の密度が比較的低かった。
「×」:はんだ粒子の一体化が観察されない。
3.表面性状評価
上記の「1.はんだ粒子の一体化性評価」で形成された熱硬化性樹脂組成物の硬化物を指触し、粘着感の有無を下記評価基準で評価した。
「○」:粘着感がない(タックフリー)。
「×」:粘着感がある。
4.接続抵抗値評価
上記の「1.はんだ粒子の一体化性評価」の場合と同様の方法で配線板のパットに熱硬化性樹脂組成物を塗布した後、このパット上に0Ωの1608チップ抵抗器を配置した。この状態で配線板に対し、リフロー炉内で、最高温度150℃の条件でリフロー処理を施し、配線板上に前記チップ抵抗器を実装した。
処理後のチップ抵抗器の電気抵抗を測定した。
5.部品シェア強度評価
上記の「3.接続抵抗値評価」の評価において配線板に実装されたチップ抵抗器のシェア強度を測定した。
以上の評価試験による評価結果を下記[表1][表2]に示す。
Figure 0004893720
Figure 0004893720

Claims (5)

  1. 融点240℃以下のはんだ粒子、熱硬化性樹脂バインダー、ジカルボン酸を含むフラックス成分、有機系チクソ性付与剤、無機系チクソ性付与剤を含有する熱硬化性樹脂組成物であって、有機系チクソ性付与剤として、下記構造式(1)で示されるソルビトール系の有機化合物を用いると共に、無機系チクソ性付与剤として、疎水性の二酸化ケイ素を用いることを特徴とする熱硬化性樹脂組成物。
    Figure 0004893720
  2. 有機系チクソ性付与剤の含有量が、熱硬化性樹脂組成物全量に対して0.5〜5.0質量%であることを特徴とする請求項1に記載の熱硬化性樹脂組成物。
  3. 無機系チクソ性付与剤の含有量が、熱硬化性樹脂組成物全量に対して0.3〜2.0質量%であることを特徴とする請求項1又は2に記載の熱硬化性樹脂組成物。
  4. はんだ粒子の含有量が、熱硬化性樹脂組成物全量に対して70〜95質量%であることを特徴とする請求項1乃至3のいずれか1項に記載の熱硬化性樹脂組成物。
  5. 請求項1乃至4のいずれか1項に記載の熱硬化性樹脂組成物を製造する方法であって、熱硬化性樹脂バインダーとして液状エポキシ樹脂を用い、融点240℃以下のはんだ粒子、液状エポキシ樹脂の一部又は全部、フラックス成分を予め混合・混練する工程と、この工程で得られた混合物に液状エポキシ樹脂の残部、硬化剤、有機系チクソ性付与剤、無機系チクソ性付与剤を添加する工程とを含むことを特徴とする熱硬化性樹脂組成物の製造方法。
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