JP4892630B1 - 流体継手用ロックアップ装置 - Google Patents
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Abstract
【解決手段】本ロックアップ装置7は、複数組の第1弾性部材32それぞれは、半径方向における所定の位置において円周方向に並べて配置されている。また、複数組の第1弾性部材32それぞれは、フロート部材42に対して相対回転可能である。1組の第1弾性部材32は、複数のバネ部材32a,32bから構成されている。複数のバネ部材32a,32bそれぞれは、円周方向に連続して直列に配置されている。フロート部材42は、第1弾性部材32の半径方向への移動を規制する。
【選択図】図2
Description
トルクコンバータ1は、エンジン側のクランクシャフト(図示せず)からトランスミッションの入力シャフトにトルクを伝達するための装置であり、入力側の部材に固定されるフロントカバー2と、3種の羽根車(インペラー3、タービン4、ステータ5)からなるトルクコンバータ本体6と、ロックアップ装置7とから構成されている。
ロックアップ装置7は、フロントカバー2とタービン4との間の環状の空間に配置されている。ロックアップ装置7は、主に、ピストン30と、ドライブプレート31と、それぞれ複数の外周側及び内周側のトーションスプリング32,33と、外周側のトーションスプリング32と内周側のトーションスプリング33とを連結する中間部材34と、ドリブンプレート35と、を有している。
ピストン30は、円板状のプレート部材であり、フロントカバー2とタービン4との間の空間を軸方向に2分割するように配置されている。ピストン30の外周部は平坦な摩擦連結部30aとなっており、この摩擦連結部30aの軸方向エンジン側には摩擦フェーシング37が設けられている。この摩擦フェーシング37に対向して、フロントカバー2には平坦な摩擦面が形成されている。また、ピストン30の内周縁には軸方向トランスミッション側に延びる内周筒状部30bが設けられている。内周筒状部30bの内周面はタービンハブ17の外周面に対して軸方向及び回転方向に移動可能に支持されている。なお、内周筒状部30bの先端がタービンハブ17の一部に当接した状態では、軸方向トランスミッション側へのピストン30の移動が、規制されている。内周筒状部30bとタービンハブ17の外周面との間にはシールリング38が設けられている。
ドライブプレート31は、板金製の環状の部材であり、ピストン30における摩擦連結部30aの軸方向トランスミッション側に配置されている。このドライブプレート31の内周部が複数のリベット40によってピストン30に固定されている。また、ドライブプレート31の外周部には、軸方向トランスミッション側に延びる複数の係止部31aが形成されている。複数の係止部31aは円周方向に所定の間隔をあけて形成されており、外周側トーションスプリング32の端面を支持している。さらに、ドライブプレート31のピストン取付部の上方には、軸方向トランスミッション側に延びる支持部31bが形成されている。この支持部31bによって外周側トーションスプリング32の内周側が支持されている。
図2に示すように、複数の外周側トーションスプリング32それぞれは、同じ自由長に形成されている。また、複数の外周側トーションスプリング32それぞれは、半径方向における所定の位置において円周方向に並べて配置されている。複数組の外周側トーションスプリング32それぞれは、複数の外周側トーションスプリング32から構成されている。ここでは、1組2個で合計8個の外周側トーションスプリング32が設けられている。各組外周側トーションスプリング32において、2個の外周側トーションスプリング32は、互いに直列に作用するように並べて配置されている。
中間部材34は、ピストン30とタービンシェル15との間に配置された環状かつ円板状のプレート部材である。中間部材34は第1プレート44と第2プレート45とから構成されている。第1プレート44と第2プレート45とは軸方向に間隔を開けて配置されている。第1プレート44が軸方向エンジン側に配置され、第2プレート45が軸方向トランスミッション側に配置されている。第1プレート44と第2プレート45とは、外周部が複数のストッパピン46によって互いに相対回転不能でかつ軸方向に移動不能に連結されている。第1プレート44及び第2プレート45には、それぞれ軸方向に貫通する窓部44a,45aが形成されている。窓部44a,45aは、図1及び図2から明らかなように、円周方向に延びて形成されており、内周部と外周部には、軸方向に切り起こされた切り起こし部が形成されている。
複数の内周側トーションスプリング33のそれぞれは、中間部材34の両プレート44,45の窓部44a,45a内に配置されている。そして、各内周側トーションスプリング33は、窓部44a,45aによって円周方向両端及び半径方向両側が支持されている。さらに、各内周側トーションスプリング33は、窓部44,45の切り起こし部によって軸方向への飛び出しが規制されている。
ドリブンプレート35は、環状かつ円板状の部材であり、内周部がタービンシェル15とともにリベット18によってタービンハブ17のフランジ17aに固定されている。このドリブンプレート35は、第1プレート44と第2プレート45との間に、両プレート44,45に対して相対回転可能に配置されている。そして、ドリブンプレート35の外周部には、第1及び第2プレート44,45の窓部44a,45aに対応して、窓孔35aが形成されている。窓孔35aは軸方向に貫通する孔であり、この窓孔35aに内周側トーションスプリング33が配置されている。また、ドリブンプレート35の外周部には、図2の破線で示すように、円周方向に長い複数の切欠き35bが形成されている。そして、この切欠き35bをストッパピン46が軸方向に貫通している。したがって、ドリブンプレート35と中間部材34を構成する両プレート44,45とは、この切欠き35bが形成された角度範囲内で相対回転が可能である。
次に、動作について説明する。エンジン側のクランクシャフトからのトルクはフロントカバー2に入力される。これにより、インペラー3が回転し、作動油がインペラー3からタービン4へ流れる。この作動油の流れによりタービン4は回転し、タービン4のトルクは図示しない入力シャフトに出力される。
ここでは、まず、本ロックアップ装置7の説明を行う前に、各組の2個の外周側トーションスプリング32が、フロート部材42を介して、直列に作用する場合の説明を行う。これは、従来のロックアップ装置に相当する。従来のロックアップ装置は、各組の2個の外周側トーションスプリング32がフロート部材42を介して直列に作用する点を除くと、他の構成は、本ロックアップ装置7と同じである。この場合の捩り特性も、上述したような2段の捩り特性を有する。この2段の捩り特性を示すモデル図を、図3に示す。図3に示す記号Eはエンジンを示し、記号Tはトランスミッションを示す。また、記号Dr、記号F、記号M、及び記号Dvは、それぞれが、ドライブプレート、フロート部材、中間部材、ドリブンプレートを示す。さらに、この場合の捩り特性の概念図及びロックアップ装置の振動レベル(変動レベル)の概念図を、図4及び図5に示す。
(a)本発明は、以上のような実施形態に限定されるものではなく、本発明の範囲を逸脱することなく種々の変形又は修正が可能である。例えば、前記実施形態では弾性部材を直線状のコイルスプリングによって構成したが、他の弾性部材を用いても良い。例えば、直線状のコイルスプリングに代えて、アーク状のコイルスプリングを用いても良い。この場合、様々なバリエーションの捩り特性を、容易に設計することができる。また、外周側及び内周側トーションスプリングを構成するコイルスプリングの数や長さ等については、前記実施形態に限定されない。さらに、フロート部材42は、トーションスプリング(弾性部材)の外周側への移動を規制するためのものであって、その形状は前記実施形態に限定されない。
(b)前記実施形態では、各外周側トーションスプリング32の両端部にスプリングシート52が装着される場合の例を示した。しかしながら、スプリングシート52の形状及び装着形態は、前記実施形態に限定されず、どのようにしても良い。
(c)前記実施形態では、各外周側トーションスプリング32の両端部にスプリングシート52が装着される場合の例を示した。しかしながら、各組2個の外周側トーションスプリング32を直列に作用させることができれば、スプリングシート32は必ずしも用いる必要はない。例えば、各組2個の外周側トーションスプリング32の端部を、互いに直接的に当接させるようにしても良い。より具体的には、各組2個の外周側トーションスプリング32の座巻き部を、互いに直接的に当接させても良い。この場合、スプリングシートのような特別な部材が不用となるので、部品点数、及びスプリングシートの設置に要する工程を減らすことができる。
2 フロントカバー
4 タービン
7 ロックアップ装置
30 ピストン
31 ドライブプレート
32 外周側トーションスプリング
33 内周側トーションスプリング
34 中間部材
35 ドリブンプレート
42 フロート部材
52 スプリングシート
152 スプリングシート(他の実施形態)
252 スプリングシート(他の実施形態)
Claims (7)
- トルクを伝達するとともに捩り振動を吸収・減衰するための流体継手用のロックアップ装置であって、
入力回転部材と、
出力回転部材と、
前記入力回転部材と前記出力回転部材との相対回転によって回転方向に圧縮される複数組の第1弾性部材と、
前記第1弾性部材の半径方向への移動を規制するフロート部材と、
を備え、
複数組の前記第1弾性部材それぞれは、半径方向における所定の位置において円周方向に並べて配置され、前記フロート部材に対して相対回転可能であり、
1組の前記第1弾性部材は複数のバネ部材から構成され、複数のバネ部材それぞれは、円周方向に連続して直列に配置される、
流体継手用のロックアップ装置。 - 複数の前記バネ部材それぞれの両端部と、前記フロート部材とは、相対回転可能である、
請求項1に記載の流体継手用のロックアップ装置。 - 入力回転部材、複数組の第1弾性部材、出力回転部材の順に、トルクが伝達される、
請求項1又は2に記載の流体継手用のロックアップ装置。 - 複数の前記バネ部材それぞれは、シート部材を介して、円周方向に連続して直列に配置される、
請求項1から3のいずれかに記載の流体継手用のロックアップ装置。 - 複数の前記バネ部材それぞれは、円周方向に直接的に連続して直列に配置される、
請求項1から3のいずれかに記載の流体継手用のロックアップ装置。 - 前記バネ部材は、直線状のコイルスプリング及びアーク状のコイルスプリングのいずれか一方から、構成される、
請求項1から5のいずれかに記載の流体継手用のロックアップ装置。 - 複数組の前記第1弾性部材の内周側及び外周側のいずれか一方に配置され、前記出力回転部材にトルクを伝達する複数の第2弾性部材と、
トルクを前記第1弾性部材から前記第2弾性部材に伝達するために、前記入力回転部材に相対回転可能に配置された中間部材と、
をさらに備える請求項1から6に記載の流体継手用のロックアップ装置。
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