JP2008144885A - 捩り振動低減装置 - Google Patents
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Abstract
【課題】中間部材の共振を抑制して振動と異音の発生を防ぐ
【解決手段】エンジンからの入力により回転する一対のサイドプレート9,10と該一対のサイドプレートの間に相対回転可能に収容されたセンタープレート11と、一対のサイドプレート9,10の夫々に形成された一対の端部ばね受部9b,10b間であってかつセンタープレート11に形成された一対の端部ばね受部11b間に円周方向に沿って直列配置された一対のばね12と、一対のサイドプレート9,10の間に配置された環状部14aと該環状部14aから半径方向へ突出して一対のばね12の間に介在させる中間ばね受部14bとを有するフローティングイコライザ14とを有する捩り振動低減装置において、フローティングイコライザ14と、これと相対回転するサイドプレート10とを摺動接触させてヒステリシスを発生させるウェーブワッシャ15を設けた。
【選択図】図1
【解決手段】エンジンからの入力により回転する一対のサイドプレート9,10と該一対のサイドプレートの間に相対回転可能に収容されたセンタープレート11と、一対のサイドプレート9,10の夫々に形成された一対の端部ばね受部9b,10b間であってかつセンタープレート11に形成された一対の端部ばね受部11b間に円周方向に沿って直列配置された一対のばね12と、一対のサイドプレート9,10の間に配置された環状部14aと該環状部14aから半径方向へ突出して一対のばね12の間に介在させる中間ばね受部14bとを有するフローティングイコライザ14とを有する捩り振動低減装置において、フローティングイコライザ14と、これと相対回転するサイドプレート10とを摺動接触させてヒステリシスを発生させるウェーブワッシャ15を設けた。
【選択図】図1
Description
本発明は、捩り振動低減装置に関し、入力側回転部材と出力側回転部材とを一対のばねを介して円周方向に連結するとともに一対のばねの間に中間部材の中間ばね受部を介在させたものにおいて、浮遊状態にある前記中間部材の共振を減衰させることにより、共振を原因とする振動と異音の発生を防止したものである。
車両に搭載したエンジンのクランク軸とトランスミッションの入力軸との間には、流体伝達により動力を伝達するトルクコンバータが設けられており、該トルクコンバータには捩り振動低減装置が設けられている。該捩り振動低減装置は、エンジンのクランク軸に連結される入力側回転部材と、トランスミッションの入力軸に連結される出力側回転部材と、円周方向に沿って配置され前記入力側回転部材と前記出力側回転部材とを円周方向に弾性的に連結するばねとにより構成されている。そして、円周方向に沿って配置されたばねが圧縮されて捩りを生じる際の捩り角度を大きくするため、一対のばねを直列に繋いでばねの部分を長くしたロングトラベルダンパ(LTDダンパ)が設けられる。LTDダンパの一対のばねを円弧に近い状態で配置するには、連結する一対のばねの中心線どうしを屈曲させる必要があり、そうすると屈曲させたために付き合わせた一対のばねの端部の外側には略三角形の隙間が生じる。この隙間を埋めるため、略三角形の中間ばね受部を設け、該中間ばね受部をリング状の環状部により連結させた中間部材が設けられる。中間部材を設けたLTDダンパとしては、自動車用手動式変速機のデュアルマスフライホィールや、クラッチ,自動変速機のトルクコンバータ内に配設される捩りダンパがある。
中間部材を設けた従来の捩り振動低減装置として特許文献1に記載のものが知られている。この捩り振動低減装置は、ドライブプレート2,3と該ドライブプレート2,3の間に配置されたハブ6とを設け、ドライブプレート2,3の窓4,5の内部であってハブ6のハブアーム7どうしの間に圧縮ばね10,11を介在させている。そして、ドライブプレート2,3とハブ6とに対して相対回転自在な円環状の釣合装置(中間部材)8に半径方向内側へ突出するアーム9を設け、該アーム9を圧縮ばね10,11の間に介在させている。円環状の釣合装置8は圧縮ばね10,11により並列ばねとして支持されていることから、釣合装置8はフリーで浮遊する振動体として振動系を構成しており、しかもヒステリシスを生じさせない。
近年は、エンジンの大容量化,高出力化に伴ってエンジントルクを増大させることに対応し、捩り振動低減装置の強度を大きくすることが行われ、捩り振動低減装置の各構成部材の高強度が必要になると中間部材も高強度が必要になることから、中間部材の重量が増大し、重量増大に伴いに中間部材のイナーシャ(慣性力)が増大する。
特開平10−213204号公報
ところが、中間部材のイナーシャが増大すると、浮遊した状態にある中間部材の固有振動数が低下する。このため、従来はエンジンの振動数の実用域外である周波数の高いところに共振点があったため問題になっていなかったが、中間部材の固有振動数の低下により共振点がエンジンの振動数の実用域である周波数の低いところに位置するようになり、エンジンの捩り振動を原因とする中間部材の共振が生じ、振動と異音が発生する。
そこで本発明は、浮遊した状態にある中間部材の共振を抑制し、振動と異音の発生を防止した捩り振動低減装置を提供することを目的とする。
請求項1に係る発明は、板状材どうしを結合して構成された一対のサイドプレートと該一対のサイドプレートの間に相対回転可能に収容されたセンタープレートとのいずれか一方により構成され駆動源からの入力により回転する入力側回転部材と、他方により構成された出力側回転部材と、前記一対のサイドプレートの夫々に形成された一対の端部ばね受部間であってかつ前記センタープレートに形成された一対の端部ばね受部間に円周方向に沿って直列配置された一対の弾性部材と、前記一対のサイドプレートの間に配置された環状部と該環状部から半径方向へ向かって突出して前記一対の弾性部材の間に介在させる中間ばね受部とを有する中間部材とを備えた捩り振動低減装置において、前記中間部材と前記中間部材に対して相対回転する部材とを摺動接触させてヒステリシスを発生させるヒステリシス発生手段を設けたことを特徴とする。
この発明によれば、ヒステリシス発生手段により、中間部材と該中間部材に対して相対回転する入力側回転部材または出力側回転部材とが摺動接触し、中間部材の共振が減衰される。このため、中間部材のイナーシャが小さいときは、一対のばねを並列配置して保持された状態の中間部材の振動系は周波数の高いところに共振点を持つため、共振点はエンジンの回転により生じる振動の周波数の実用域から外れており、中間部材の重量が大きくなって中間部材のイナーシャが大きくなると中間部材の共振点は周波数の低いところへ移動してエンジンの回転により生じる周波数の実用域に入ってくるが、ヒステリシス発生手段により中間部材の共振が減衰され、振動と異音の発生が防止される。
請求項2に係る発明は、請求項1に記載の捩り振動低減装置において、前記ヒステリシス発生手段は、前記一対のサイドプレートと、前記中間部材の前記環状部と、前記環状部を前記一対のサイドプレートのいずれか一方へ向かって付勢する軸方向付勢手段とにより構成されていることを特徴とする。
この発明によれば、ヒステリシス発生手段は、環状部をいずれか一方のサイドプレートへ向かって付勢する軸方向付勢手段を設けるだけでよいので、ヒステリシス発生手段の構成が簡単である。
請求項3に係る発明は、請求項2に記載の捩り振動低減装置において、前記軸方向付勢手段は、前記環状部と前記一対のサイドプレートの他方との間に配置された軸方向付勢部材により構成されていることを特徴とする。
この発明によれば、軸方向付勢手段は、環状部と一対のサイドプレートの他方との間に軸方向付勢部材を収容するだけでよいので、軸方向付勢手段の構成が簡単である。
請求項4に係る発明は、請求項3に記載の捩り振動低減装置において、前記軸方向付勢部材は、前記軸方向付勢部材の外周部が前記一対のサイドプレートのいずれかの筒部に規制されてセンタリングされていることを特徴とする。
この発明によれば、軸方向付勢部材は、一対のサイドプレートのいずれかの筒部に規制されてセンタリングされているので、センタリングのための機構を新たに設ける必要がない。
請求項1に係る捩り振動低減装置によれば、ヒステリシス発生手段により、中間部材と該中間部材に対して相対回転する入力側回転部材または出力側回転部材とが摺動接触し、中間部材の共振が減衰される。このため、中間部材の重量が大きくなってイナーシャが大きくなると、中間部材の共振点はエンジンの回転により生じる周波数の低いところへ移動して実用域に入ってくるが、ヒステリシス発生手段により中間部材の共振が減衰されるので、振動と異音の発生が防止される。
請求項2に係る捩り振動低減装置によれば、ヒステリシス発生手段は、環状部といずれか一方のサイドプレートとの間に軸方向付勢手段を配置するだけでよいので、ヒステリシス発生手段の構成が簡単である。
請求項3に係る捩り振動低減装置によれば、軸方向付勢手段は、軸方向付勢部材により構成されているので、軸方向付勢手段の構成が簡単である。
請求項4に係る捩り振動低減装置によれば、軸方向付勢部材は、一対のサイドプレートのいずれかの筒部に規制されてセンタリングされているので、センタリングのための機構を新たに設ける必要がない。
以下、本発明による捩り振動低減装置の実施の形態を説明する。
車両用のトルクコンバータの構成を図3に示す。このトルクコンバータは、エンジンのクランク軸とトランスミッションの入力軸との間に設けられている。図3に示すトルクコンバータ1の左方には図示しないエンジンのクランクシャフトが設けられており、該クランクシャフトにはトルクコンバータ1の左側のフロントカバー2が結合されている。該フロントカバー2に対してインペラシェル3aが同軸配置され、フロントカバー2とインペラシェル3aとの外周部どうしを溶接結合することにより、流体室を有するコンバータハウジング4が構成されている。前記インペラシェル3aとコア3bと複数のブレード3cとによりポンプインペラ3が構成されている。前記コンバータハウジング4の内部にはタービンランナ6が同軸配置され、該タービンランナ6と前記ポンプインペラ3とが対向する部分の外周部に流体伝達によるトルク伝達部8が構成されている。タービンランナ6はタービンシェル6aとコア6bと複数のブレード6cとにより構成されている。
ポンプインペラ3とタービンランナ6との間にはトルク増幅機能を有するステータ17が設けられている。フロントカバー1の内側には、フロントカバー1からの動力の接続・切離を行う多板式のロックアップクラッチ5が設けられている。そして、該ロックアップクラッチ5と前記タービンランナ6との間には、ロックアップクラッチ5またはトルク伝達部8からの回転を図示しないトランスミッションの入力軸に出力する際に、捩り振動を低減するための捩り振動低減装置7が設けられている。
前記ステータ17は一方向へのみ回転自在に設定されている。即ち、ステータ17の内側にアウタレース18が圧入嵌合され、該アウタレース18の内側にワンウエイクラッチ19を介してインナレース20が設けられ、該インナレース20は図示しないトランスミッションケースに固定されて回転が拘束された図示しない中空のステータシャフトにスプライン結合されている。ステータ17の左側には蓋体27が嵌合され、該蓋体27と後述するタービンハブ16との間およびステータ17とスリーブ31との間に、軸方向へのスラスト力を受けるスラスト軸受28,23が夫々設けられている。
前記ロックアップクラッチ5は、クラッチ入力側部材5aと、クラッチ出力側部材5bと、これらのクラッチ入力側部材5a,クラッチ出力側部材5bとスプライン嵌合する複数のクラッチ板5cと、フロントカバー2の軸心位置に固定されたピストンガイド24に対して軸方向へ摺動自在に設けられ、外周部がクラッチ板5cを軸方向右側へ押圧あるいは開放してロックアップクラッチ5を接続あるいは切り離しするロックアップピストン5dとによって構成されている。
前記捩り振動低減装置7について説明する。駆動源からの入力により回転する入力側回転部材として、円板形に成形した板状材の外周部どうしをリベット21を介して結合することにより構成された一対のサイドプレート9,10が設けられている。サイドプレート9は前記クラッチ出力側部材5bにリベット30を介して連結されており、外周部には短い筒部としての円筒部9cが形成されている。一方、サイドプレート10は略平板状に形成されており、中心側が前記タービンシェル6aにリベット22を介して連結されている。一対のサイドプレート9,10の間には相対回転可能にセンタープレート11が収容され、出力側回転部材を構成している。センタープレート11には円弧状の規制枠11cが形成され、該規制枠11cには、サイドプレート9から軸方向へ突出する突出部9dが遊嵌され、サイドプレート9とセンタープレート11との相対的な回動角度を規制している。
一対のサイドプレート9,10とセンタープレート11との間には、弾性部材としてのばね12が円周方向に沿って配置されている。ばね12を収容する部分の構成について説明する。図4に示すように、一対のサイドプレート9,10には、円周方向に沿って略等間隔であって円周方向および半径方向の同じ位置に、6つの窓9a,10aが形成され、窓9a,10aと対応するセンタープレート11の同じ位置には外周部に凹部11aが形成されている。これにより、窓9a,10aの両端には一対の端部ばね受部9b,10bが形成され、凹部11aの両端には半径方向外側へ突出する端部ばね受部11bが形成されている。そして、窓9a,10aと凹部11aとにわたって、一対のばね12が収容され、一対のサイドプレート9,10とセンタープレート11との相対回転により、一対の端部ばね受部9b,10bと一対の端部ばね受部11bとが円周方向へ相対的に移動して一対のばね12が圧縮される。一対のばね12の夫々は本実施の形態では、半径寸法の大きなばねの内部に小さなばねを収容した親子ばねが用いられている。
前記一対のサイドプレート9,10の間であってセンタープレート11の半径方向外側には、中間部材としてのフローティングイコライザ14が収容されている。フローティングイコライザ14は、図5に示すように環状部14aと該環状部14aから半径方向内側へ向かって突出する3つの略三角形状の中間ばね受部14bとにより構成されている。そして、中間ばね受部14bの部分が、前記一対のばね12の間に介在し、夫々のばね12の端部を受けている。
このように構成されたフローティングイコライザ14と、フローティングイコライザ14に対して相対回転する部材としてのサイドプレート10とを摺動接触させてヒステリシスを発生させるヒステリシス発生手段が設けられている。ヒステリシス発生手段は、一対のサイドプレート9,10と、該一対のサイドプレート9,10の間に配置されたフローティングイコライザ14の環状部14aと、該環状部14aをサイドプレート10へ向かって付勢する軸方向付勢手段とにより構成されている。該軸方向付勢手段は、環状部14aとサイドプレート9との間に配置された軸方向付勢部材としてのウェーブワッシャ15により構成されている。図6に示すように、ウェーブワッシャ15は、帯状のばね鋼を加工することによりスリット15aを有するリング状に形成し、かつ円周方向に沿って波板状に形成したものである。ウェーブワッシャ15は帯状の材料から形成するので、材料の歩留まりがよい。該ウェーブワッシャ15は、該ウェーブワッシャ15の外周部が、サイドプレート9の前記円筒部9cにより半径方向に規制されてセンタリングされている。
前記センタープレート11を図示しないトランスミッションの入力軸に連結するため、筒部とフランジ部とからなる出力ハブ13が設けられている。センタープレート11の内周部はリベット25を介して出力ハブ13のフランジ部に連結されている。出力ハブ13の筒部には内歯13aが形成され、該内歯13aが図示しないトランスミッションの入力軸の外周面に形成された外歯と係合している。出力ハブ13と前記ピストンガイド24との間にはスラスト軸受29が設けられている。出力ハブ13の筒部にはタービンハブ16の内周部が相対回転自在にセンタリングされ、リング26によって抜け止めされている。即ち、出力ハブ13の筒部の外周面に対してタービンハブ16の内周面が摺動自在になっている。このように回転自在に支持されたタービンハブ16の外周部近傍にはサイドプレート10およびタービンシェル6aの内周部をセンタリングするセンタリング用凹部16aが形成され、該センタリング用凹部16aにタービン側入力部材10およびタービンシェル6aを挿通させた状態で、タービン側入力部材10およびタービンシェル6aの内周部がタービンハブ16にリベット22を介して結合されている。
次に、捩り振動低減装置の作用を説明する。
ばね12は、サイドプレート9の一対の端部ばね受部9b間およびサイドプレート10の一対の端部ばね受部10b間に跨るように配置され、更にセンタープレート11の一対の端部ばね受部11b間に挟持された状態となっている。エンジンの回転力がクランク軸からロックアップクラッチ5を介してサイドプレート9に入力され、あるいはトルク伝達部8を介してサイドプレート10に入力されると、ばね12はサイドプレート9,10とセンタープレート11との相対回転により圧縮されて撓み、サイドプレート9,10とセンタープレート11との間に相対的な回転角度が生じ、センタープレート11から出力ハブ13を介して図示しないトランスミッションの入力軸へ出力される。このとき、一対のばね12が直列に配置されているため、長いばねを用いたのと同等になり、サイドプレート9,10とセンタープレート11との間の捩り角度が大きくなる。
ここで、円環状のフローティングイコライザ14は一対のばね12により並列ばねとして支持されていることから、フローティングイコライザ14はフリーで浮遊する振動体として振動系を構成している。このフローティングイコライザ14の共振周波数をf1とすると、
f1=(1/2π)√{(K1+K2)/I}・・・(1)
となる。ここで、K1,K2はばね12,12のばね定数であり、ここではK1=K2である。Iはフローティングイコライザ14のイナーシャ(慣性力)である。
f1=(1/2π)√{(K1+K2)/I}・・・(1)
となる。ここで、K1,K2はばね12,12のばね定数であり、ここではK1=K2である。Iはフローティングイコライザ14のイナーシャ(慣性力)である。
フローティングイコライザ14は現実には回転を伴うので、回転する場合のフローティングイコライザ14の共振周波数をf2とすると、
f2=(1/2π)√{(K1+K2)/(I+Is)}・・・(2)
となる。ここでIsは、ばね12に遠心力が加わることによる遠心力の大きさを、等価のイナーシャに換算した数値を示している。エンジンの捩り振動による振動数がこの(2)式で示す共振周波数f2に一致すると、車両の走行時にフローティングイコライザ14が共振し、振動と異音が発生する。
f2=(1/2π)√{(K1+K2)/(I+Is)}・・・(2)
となる。ここでIsは、ばね12に遠心力が加わることによる遠心力の大きさを、等価のイナーシャに換算した数値を示している。エンジンの捩り振動による振動数がこの(2)式で示す共振周波数f2に一致すると、車両の走行時にフローティングイコライザ14が共振し、振動と異音が発生する。
図2(a)に示す模式図は、LTDダンパにおいて、フローティングイコライザ14がサイドプレート9,10とセンタープレート11との間に一対のばね12により並列ばねを介して支持されて振動系を構成していることを示している。図2(b)にエンジン回転数に対するドライブシャフトのトルク変動の値を示すように、破線で示す一般的なダンパにはパワートレイン共振とファイナルデファレンシャル共振とが生じ、これらの共振を原因として2箇所でトルク変動が大きくなるが、実線で示すLTDダンパにはこれに加えてフローティングイコライザ共振が加わり、3箇所でトルク変動が大きくなる。ここで、パワートレイン共振とは捩り振動低減装置7のフローティングイコライザ14を除いた部分の共振であり、ファイナルデファレンシャル共振とはファイナルデファレンシャルギヤの部分の共振をいう。また、図2(b)のグラフはドライブシャフトのトルク変動を示すグラフであるが、エンジン回転数に対するドライブシャフトの捩り振動による振動数も図2(b)のグラフと相似のグラフとなる。
次に、図1(a)に示す模式図は、図2(a)のLTDダンパに対し、ヒステリシス発生手段を設けたものを示している。この場合は、図1(b)のエンジン回転数に対するドライブシャフトのトルク変動は、ヒステリシス発生手段が設けられていない実線で示すLTDダンパに対し、ヒステリシス発生手段が設けられている破線で示すLTDダンパでは、フローティングイコライザ共振による影響が抑制されていることがわかる。
この発明によれば、ヒステリシス発生手段により、フローティングイコライザ14と該フローティングイコライザ14に対して相対回転するサイドプレート9またはサイドプレート10とが摺動接触し、フローティングイコライザ14の共振が減衰される。即ち、フローティングイコライザ14のイナーシャが小さいときは、一対のばね12を並列配置して保持した状態のフローティングイコライザ14の振動系は周波数の高いところに共振点を持つため、共振点はエンジンの回転により生じる振動の周波数の実用域から外れており、フローティングイコライザ14の重量が大きくなってフローティングイコライザ14のイナーシャが大きくなるとフローティングイコライザ14の共振点は周波数の低いところへ移動してエンジンの回転により生じる周波数の実用域に入ってくるが、ヒステリシス発生手段によりフローティングイコライザ14の共振が減衰されるので、振動と異音の発生が防止される。
この発明によれば、ヒステリシス発生手段として、環状部14aを一方のサイドプレート10へ向かって付勢するウェーブワッシャ15を設けるだけでよいので、ヒステリシス発生手段の構成が簡単である。
この発明によれば、軸方向付勢手段として、環状部14aとサイドプレート9との間にウェーブワッシャ15を収容するだけでよいので、軸方向付勢手段の構成が簡単である。
この発明によれば、ウェーブワッシャ15は、サイドプレート9の筒部9cに規制されてセンタリングされているので、センタリングのための機構を新たに設ける必要がない。
なお、本実施の形態では弾性部材を3対設けたが、少なくとも1対あればよい。また、ヒステリシス発生手段としては、フローティングイコライザ14の環状部14aをサイドプレート10へ向かって付勢する構成のものを設けたが、環状部14aをサイドプレート9へ向かって付勢する構成にしてもよい。更に、サイドプレート9,10を入力側回転部材とし、サイドプレート10へ向かって環状部14aを付勢する構成のものを設けたが、サイドプレート9,10を出力側回転部材とし該サイドプレート9またはサイドプレート10へ向かって環状部14aを付勢する構成にしてもよい。また更に、フローティングイコライザ14としては、略三角形状の中間ばね受部14bの外側に環状部14aを有するものを設けたが、環状部14aを内側に設けることもできる。また更に、軸方向付勢手段としてウェーブワッシャを設けたが、皿ばねであってもよい。また更に、ウェーブワッシャを設けることなくフローティングイコライザ自体を波型に形成して軸方向付勢手段を兼用させてもよい。また更に、サイドプレートを円周方向に沿って間欠的に切り欠くことにより、サイドプレートに間欠的に凸部を形成するようにしてもよい。
9,10…サイドプレート(入力側回転部材,相対回転する部材)
9b,10b,11b…端部ばね受け部
9c…円筒部(筒部)
11…センタープレート(出力側回転部材)
12…ばね(弾性部材)
14…フローティングイコライザ(中間部材)
14a…環状部
14b…中間ばね受け部
15…ウェーブワッシャ(軸方向付勢部材,軸方向付勢手段,ヒステリシス発生手段)
9b,10b,11b…端部ばね受け部
9c…円筒部(筒部)
11…センタープレート(出力側回転部材)
12…ばね(弾性部材)
14…フローティングイコライザ(中間部材)
14a…環状部
14b…中間ばね受け部
15…ウェーブワッシャ(軸方向付勢部材,軸方向付勢手段,ヒステリシス発生手段)
Claims (4)
- 板状材どうしを結合して構成された一対のサイドプレートと該一対のサイドプレートの間に相対回転可能に収容されたセンタープレートとのいずれか一方により構成され駆動源からの入力により回転する入力側回転部材と、他方により構成された出力側回転部材と、前記一対のサイドプレートの夫々に形成された一対の端部ばね受部間であってかつ前記センタープレートに形成された一対の端部ばね受部間に円周方向に沿って直列配置された一対の弾性部材と、前記一対のサイドプレートの間に配置された環状部と該環状部から半径方向へ向かって突出して前記一対の弾性部材の間に介在させる中間ばね受部とを有する中間部材とを備えた捩り振動低減装置において、
前記中間部材と前記中間部材に対して相対回転する部材とを摺動接触させてヒステリシスを発生させるヒステリシス発生手段を設けたことを特徴とする捩り振動低減装置。 - 請求項1に記載の捩り振動低減装置において、
前記ヒステリシス発生手段は、前記一対のサイドプレートと、前記中間部材の前記環状部と、前記環状部を前記一対のサイドプレートのいずれか一方へ向かって付勢する軸方向付勢手段とにより構成されていることを特徴とする捩り振動低減装置。 - 請求項2に記載の捩り振動低減装置において、
前記軸方向付勢手段は、前記環状部と前記一対のサイドプレートの他方との間に配置された軸方向付勢部材により構成されていることを特徴とする捩り振動低減装置。 - 請求項3に記載の捩り振動低減装置において、
前記軸方向付勢部材は、前記軸方向付勢部材の外周部が前記一対のサイドプレートのいずれかの筒部に規制されてセンタリングされていることを特徴とする捩り振動低減装置。
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JP2011002014A (ja) * | 2009-06-18 | 2011-01-06 | Aisin Aw Industries Co Ltd | ダンパ装置 |
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JPH02434U (ja) * | 1988-06-14 | 1990-01-05 | ||
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-
2006
- 2006-12-12 JP JP2006333929A patent/JP2008144885A/ja active Pending
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