JP4892534B2 - チョコレートプリンの製造方法およびチョコレートプリン - Google Patents

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Description

本発明は、チョコレートプリンの工業的な製造方法とこの製造方法により得られたチョコレートプリンに関する。
チョコレートとは、通常、カカオ豆を焙炒し摩砕してカカオマスとしたものに、牛乳、ココアバター、砂糖などを混合して得られる油中水滴型乳化物である。具体的には、カカオマスに、牛乳、ココアバター、砂糖などを混合した後、これをロール機で微粒化し、さらにコンチェにて精錬後、テンパリングマシンにてココアバターの結晶を安定化し、冷却固化して得られる。
このようなチョコレートを原料としたチョコレートプリンを工業的に製造する場合には、まず、チョコレートを加温下で水に溶解して、油中水滴型から水中油滴型へと転相させる。この際、水中油滴型の乳化状態を安定させるために、通常、親水性のある乳化剤が添加される。ついで、得られた水中油滴型乳化液を殺菌機で殺菌した後、容器に充填して冷却し、ゲル化剤の作用によりゲル化、固化させる方法により、チョコレートプリンが製造される。
このようなチョコレートプリンは、他のアイテムのプリンに比較して、ロングライフ製品の条件(例えば、UHT殺菌機では140℃、2秒相当、レトルト殺菌機では121.1℃、4分相当程度)で殺菌しても、保存中に細菌増殖による風味不良が発生する確率が高いことが経験的に知られている。
例えば非特許文献1には、大豆油中のB.subtilisの芽胞は、著しく耐熱性が高いことが述べられている。よって、油相部が連続相を形成しているチョコレートにおいても、芽胞が油脂に包まれて存在する確率が高く、その芽胞は耐熱性が高くなっている可能性があると考えられる。このような芽胞を形成する芽胞菌の殺菌は困難であり、芽胞菌が存在するチョコレートをチョコレートプリンの原料液に用いた場合、この原料液は通常の殺菌工程では殺菌されにくい、すなわち、殺菌性が低いという問題があった。
そこで、他のアイテムのプリンに比較してこのように殺菌性が低く、一般的な殺菌工程で十分には殺菌されにくいチョコレートプリンに対しては、賞味期限を長くするために、特許文献1や特許文献2に記載されているように、ポリリジンなどの保存料や、リゾチームなどの日持ち向上剤を併用する方法が採られていた。
N.MOLINら,「Effect of Lipid Materials on Heat Resistance of Bacterial Spores」,APPLIED MICROBIOLOGY,Nov.1967,p1422−1426,Vol.15,No.6 特開平05−68521号公報 特願2005−27563号公報
しかしながら、昨今の添加物を忌避する消費者の嗜好などに鑑みて、添加物の低減が課題となっている。また、リゾチームやポリリジン等の保存料、日持ち向上剤は、風味が良くない上に、殺菌性または静菌性を向上させ細菌的保存性を高める、という効果が十分には得られるものではないため、チョコレートプリン中に残留した菌の種類と量によっては、その増殖の抑制が不十分となる場合があった。
そのため、チョコレートプリンの製造方法においては、チョコレート中の芽胞菌の殺菌性または静菌性を高め、細菌的保存性を向上させる手段が望まれている。
本発明の目的は、細菌的保存性の優れたチョコレートプリンを製造する方法と、この方法により製造されたプリンとを提供することである。
本発明者は、油中水滴型乳化液の状態にあるチョコレートに対して、特定のHLBの第1の乳化剤を作用させることによって、チョコレート中の芽胞菌の殺菌性を向上させ、芽胞菌を殺菌工程で殺菌されやすい状態にできることに想到した。また、こうして得られたチョコレートプリンは風味低下も少ないことに想到して、本発明を完成するに至った。
本発明のチョコレートプリンの製造方法は、加熱溶解したチョコレートとHLBが3以上6以下である第1の乳化剤とを、前記チョコレートに含まれる脂肪を100質量%とした際の前記第1の乳化剤の割合が3〜5質量%となるように混合して、油中水滴型乳化液を調製する油中水滴型乳化液調製工程と、
前記油中水滴型乳化液とゲル化剤を含有する液とを混合して、水中油滴型乳化液を調製する水中油滴型乳化液調製工程と、
前記水中油滴型乳化液を殺菌する殺菌工程とを有することを特徴とする。
発明のチョコレートプリンは、加熱溶解したチョコレートとHLBが3以上6以下である第1の乳化剤とを、前記チョコレートに含まれる脂肪を100質量%とした際の前記第1の乳化剤の割合が3〜5質量%となるように混合して、油中水滴型乳化液を調製する油中水滴型乳化液調製工程と、
前記油中水滴型乳化液とゲル化剤を含有する液とを混合して、水中油滴型乳化液を調製する水中油滴型乳化液調製工程と、
前記水中油滴型乳化液を殺菌する殺菌工程とを有する方法により製造されたことを特徴とする。
なお、本発明のチョコレートプリンの製造方法及びチョコレートプリンにおいて、前記チョコレートプリンに配合されるチョコレートの添加量が20質量%であることが好ましい。
本発明によれば、細菌的保存性の優れたチョコレートプリンを提供することができる。
以下、本発明を詳細に説明する。
本発明のチョコレートプリンの製造方法では、加熱溶解したチョコレートとHLBが6以下である第1の乳化剤とを混合して、油中水滴型乳化液を調製し(油中水滴型乳化液調製工程)、この油中水滴型乳化液とゲル化剤を含有する液とを混合して、水中油滴型乳化液を調製し(水中油滴型乳化液調製工程)、この水中油滴型乳化液を殺菌する(殺菌工程)。
[油中水滴型乳化液調製工程]
油中水滴型乳化液調製工程は、加熱溶解したチョコレートとHLBが6以下である第1の乳化剤とを混合して、油中水滴型乳化液を調製する工程である。
ここで使用されるチョコレートは、市販品として一般に入手可能な油中水滴型乳化物のチョコレートである。
第1の乳化剤は、HLBが6以下である親水性の乳化剤が使用される。このような第1の乳化剤としては、HLBが6以下であって食品用乳化剤として入手可能なものであれば特に制限はなく、具体的には、グリセリン脂肪酸エステル、ショ糖脂肪酸エステル、ソルビタン脂肪酸エステル、プロピレングリコール脂肪酸エステル等の1種以上を使用できる。
第1の乳化剤は、油中水滴型の乳化状態にあるチョコレートに作用することにより、チョコレート中では油脂に包まれた状態で存在する、すなわち、油相中に存在する芽胞菌をより水和しやすい状態にするものと推測される。このように芽胞菌を水和しやすい状態とすることにより、芽胞菌の殺菌性が向上して、より殺菌されやすい状態となり、後の殺菌工程において従来のロングライフ製品の条件で殺菌した場合でも十分に殺菌でき、細菌的保存性の優れたチョコレートプリンを製造できると考えられる。好ましくは、第1の乳化剤のHLBは3以上である。
ここで第1の乳化剤のHLBが6を超えると、親水性が強すぎ、油相中に存在する芽胞菌に作用すること自体が難くなる。また、HLBが3未満であると、該乳化剤の親油性が強すぎ、油相中の芽胞菌を水和しやすい状態とすることが困難となる傾向にある。
なお、HLBとはHydrophile−Lipophile Balanceの頭文字を取ったものであり、親水親油バランスとも呼ばれる。
油中水滴型乳化液調製工程の具体的方法としては、まず、チョコレートを加熱溶解して油中水滴型乳化液とし、そこへ攪拌しながら第1の乳化剤を加えて、油中水滴型の乳化状態を維持しながら均一に溶解する方法が好適に例示できる。ここでチョコレートの加熱温度は、チョコレートに含まれる脂肪の融解温度によって異なるが、通常60〜80℃である。
油中水滴型乳化液調製工程におけるチョコレートと第1の乳化剤との割合は、チョコレートに含まれる脂肪を100質量%とした場合、第1の乳化剤の割合が3〜5質量%であることが好ましい。第1の乳化剤の割合がこの下限値以上であると、チョコレート中の芽胞菌の殺菌性を高めることができ、後の殺菌工程において十分に殺菌できる。一方、この上限値以下であると、風味の良いチョコレートプリンを得ることができる。
[水中油滴型乳化液調製工程]
水中油滴型乳化液調製工程は、上述の油中水滴型乳化液調製工程で調製された油中水滴型乳化液と、ゲル化剤を含有する液とを混合して、水中油滴型乳化液を調製する工程である。
ここでゲル化剤を含有する液(以下、ゲル化剤含有液という場合もある。)は、少なくともゲル化剤を含有するものであって、必要に応じて第2の乳化剤を含有する。さらに、チョコレートプリンに必要に応じて使用されるその他の成分、例えば、各種乳製品、糖類、卵類、甘味料、香料、調味料、乳化剤、増粘剤、安定剤、着色料などの1種以上をさらに含有する。
ゲル化剤含有液は、ゲル化剤と必要に応じて使用される第2の乳化剤とその他の成分の他にさらに水を含有し、水中にゲル化剤と第2の乳化剤とその他の成分とが溶解または分散した状態で、油中水滴型乳化液と混合されることが好ましい。また、油中水滴型乳化液との混合時には、ゲル化剤含有液をあらかじめ60℃以上の温度に加熱しておき、攪拌しながら混合することが好ましい。
ここで使用されるゲル化剤としては、液へ加熱溶解した後、冷却するとゲル化、固化するタイプのゲル化剤であれば特に制限なく使用できる。具体的には、例えば、市販の寒天、カラギーナン、ファーセルラン、ゼラチン、ローメトキシルペクチン、アルギン酸ナトリウム、ジェランガム、キサンタンガムとローカストビーンガムの混合ゲル化剤などが挙げられ、これらのうち1種以上を使用できる。使用されるゲル化剤の種類と添加量は、製造されるチョコレートプリンの食感と各ゲル化剤の特徴とを考慮して、決定する。
第2の乳化剤は、水中油滴型乳化液調製工程で得られた水中油滴型乳化液の水相部に分散して、水中油滴型乳化液の乳化状態を安定させるように作用するものである。そのため、第2の乳化剤を使用する場合、そのHLBは5以上であることが好ましい。HLBが5未満であると、該乳化剤の親油性が強すぎ、水相部に分散しにくくなる傾向がある。より好ましくは、6を超えたHLBであり、さらに好ましくは8以上である。また、好ましくは18以下で、より好ましくは13以下である。
第2の乳化剤としては、グリセリン脂肪酸エステル、ソルビタン脂肪酸エステル、ショ糖脂肪酸エステル、ポリソルベートなどが挙げられ、1種以上を使用できる。
また、第2の乳化剤の量は、水中油滴型乳化液の乳化状態を十分に安定化させることができ、かつ、チョコレートプリンの風味に影響を与えない範囲であることが好ましく、その点から、水中油滴型乳化液100質量%中、第2の乳化剤の割合は0.05〜0.5質量%であることが好ましい。
なお、一般的なプリンの製造においては、固化のために上述のようなゲル化剤を用いる方法の他、卵を用いる方法もあるが、本発明ではゲル化剤を用いる。ゲル化剤は、ゲル化温度以上に加熱されると溶融して液状になり、冷却されてゲル化温度以下になるとゲル化、固化する性質を持ち、これが熱可逆的に起こる。よって、ゲル化剤を使用した場合には、後述する殺菌工程において、チョコレート中の耐熱性菌である芽胞菌を殺菌するために水中油滴型乳化液を高温で加熱しても、その後の固化の工程に何ら支障はない。一方、ここで仮に卵を用いた場合には、卵のゲル強度(固化の程度)を食感に適したものとするためには、加熱温度と時間とを適切な加熱条件に設定する必要がある。また、卵の液状化−ゲル化は熱可逆的には起らない。よって、このような加熱条件と、後の殺菌工程で芽胞菌を殺菌する条件とを両立させることは困難である。
[殺菌工程]
殺菌工程は、上述のようにして調製された水中油滴型乳化液(以下、原料液という場合もある。)を殺菌機で殺菌する工程であり、通常、加熱殺菌により行う。
殺菌機としては、供給される原料液を連続的に殺菌するUHT殺菌機などの連続殺菌機、原料液をプリンの容器に充填後、殺菌するレトルト殺菌機等が使用できるが、原料液を連続殺菌機で殺菌した後に容器に充填し、その後、静置冷却して固化させる方法がゲル化剤のゲル化状態をコントロールしやすく、食感の良いチョコレートプリンが得られやすい。よって、連続殺菌機により殺菌することが好ましい。
連続殺菌機であるUHT殺菌機としては、プレート式UHT殺菌機(例えば商品名:MAU;森永エンジニアリング社製)、チューブラー式UHT殺菌機、直接加熱式UHT殺菌機などが例示でき、これらをいずれも使用できるが、チューブラー式UHT殺菌機は伝熱効率でプレート式UHT殺菌機に劣り、直接加熱式UHT殺菌機はフラッシュベッセル(加熱時に加えた蒸気を減圧して抜くチャンバー)で香気成分が抜けてしまうことから、間接加熱であるプレート式UHT殺菌機を使用することが好ましい。
UHT殺菌機を用いて殺菌工程を行う場合、140℃で2秒保持相当以上の条件が好ましい。この条件は、C.botulinumを対象として、12D以上の殺菌条件が確保できる条件として、ロングライフ製品としての安全性を見込んで設定されたものである。UHT殺菌機において「140℃で2秒保持」との条件は、レトルト殺菌機であれば「121.1℃で4分保持」に相当する条件である。
なお、「12D」とは、D値の12倍を意味する。また、D値とは、菌に固有の耐熱性の指標であって、ある加熱温度において、菌数を1/10にする保持時間を意味する。
殺菌工程における殺菌温度や、この殺菌温度に保持する保持時間は、殺菌温度と保持時間との兼ね合いで適宜変更することができる。
変更する際には、具体的には対象菌のZ値(℃)を考慮して、下記式(1)を満足するように、変更後の殺菌温度(X(℃))と変更後の保持時間(t(秒))とを決定することが好ましい。
X=140−Z(log(t/2))・・・(1)
なお、Z値とは、菌に固有の耐熱性の指標であって、D値を1/10または10倍にする温度変化幅を意味する。
例えば、チョコレートプリンにおいて、殺菌不良になる原因菌は、Z値が10℃前後のB.subtilisである場合が多いので、Z値=10℃と仮定すると、保持時間(t)が20秒であれば、殺菌温度(X)は130℃となる。
なお、殺菌温度とは、通常、殺菌機の最高加熱部における温度のことであり、保持時間は、最高加熱部に原料液が保持される時間である。
また、殺菌機としては、最高加熱部の後段の冷却部の途中に均質機を有する殺菌機を使用し、原料液の均質化を行うことが好ましい。
ここで最高加熱部よりも前段に均質機を有する殺菌機を使用して均質化を行った場合には、その後の最高加熱部において140℃で2秒保持相当以上の条件で加熱されることにより、原料液の乳化状態が壊れてしまう場合がある。そのため、最高加熱部の後段である冷却部の途中で均質化することが原料液の乳化状態を維持する点で効果的である。
均質機としては、プランジャーポンプとホモバルブで構成される一般的な高圧均質機が使用でき、例えば商品名:HOMOGENIZER(;三丸機械工業社製)が挙げられる。
均質化における高圧均質機の均質圧は、均質機の構造によって均質化効率が異なるものの、5MPa以上を目安とし、好ましくは5〜10MPaの範囲で行う。均質圧がこの範囲未満であると、均質化効果が低過ぎて、その後の工程で原料液の乳化状態が壊れ易くなる傾向にある。一方、均質圧がこの範囲を超えても乳化状態は向上しないため、省エネルギーの点から好適ではない。
均質化の温度は、80℃以上が好ましく、より好ましくは80〜90℃である。温度がこの範囲未満であると、十分な乳化状態が得られにくくなる。一方、この範囲を超えると、均質機の出口で原料液が沸騰して乳化状態が壊れる場合があるため、この沸騰を抑えるために、出口において一気に常圧に開放されないような装置的な工夫が必要になる。
殺菌機の冷却部における冷却温度は、原料液に含まれるゲル化剤のゲル化温度を超えた温度にする。各ゲル化剤のゲル化温度は、寒天が40℃、カラギーナンが45℃、ファーセルランが40℃、ゼラチン15℃、ローメトキシルペクチン55℃、アルギン酸ナトリウムが55℃、ジェランガム55℃、キサンタンガムとローカストビーンガムの混合ゲル化剤が50℃を目安にする。
このようにして殺菌機内で冷却された原料液を容器に充填し、密封した後、冷蔵庫にて静置冷却して、ゲル化剤のゲル化温度以下にしてゲル化、固化することにより、チョコレートプリンを製造できる。
以上説明したように、このような製造方法によれば、油中水滴型乳化液調製工程において、油中水滴型の乳化状態にあるチョコレートに対して、第1の乳化剤が作用することにより、チョコレート中の芽胞菌をより水和しやすい状態とすることができると推測される。そして、芽胞菌をこのように水和しやすい状態にすることによって、芽胞菌の殺菌性が向上して、より殺菌されやすい状態となり、殺菌工程において従来のロングライフ製品の条件で殺菌した場合でも、十分に殺菌でき、細菌的保存性の優れたチョコレートプリンを製造することができると考えられる。
なお、このような製造方法によれば、殺菌工程後の冷却された原料液を容器に充填、密封した後、冷蔵庫内で固化して、チョコレートプリンを製造する連続的な製造方法に代えて、殺菌工程の後に一旦貯蔵工程を設けてから、その後、容器へ充填し、固化する方法も採用できる。
具体的には、殺菌工程で殺菌した原料液をゲル化剤のゲル化温度以下まで冷却した後、一旦貯蔵し、その後、再び加温してゲル化剤を液状にし(再加温)、ゲル化温度を超えた温度まで冷却してから(再冷却)、容器に充填、固化する方法、すなわち、製造の全工程を殺菌工程までの工程と、それ以降の工程との2つに分割することができる。
これは、上述のとおり、第1の乳化剤を油中水滴型の乳化状態にあるチョコレートに作用させることにより、原料液の殺菌性が向上し、殺菌工程後に貯蔵工程を一旦設けたとしても、細菌増殖しないチョコレートプリンが製造できるようになったためである。
このように製造の全工程を2つに分割することができると、製造計画における要員配置やタイムスケジュールに自由度を与えることができ、工業的に非常に有益である。
以下本発明について、試験例、実施例を挙げて具体的に説明する。
なお、表1、3、6、9中の数値の単位は、いずれも「質量%」である。
[試験例]
<試験1>
(目的)
この試験は、チョコレートに添加する第1の乳化剤のHLBを検索する目的で実施された。
(試料の調製)
表1の配合割合に従い、チョコレートと第1の乳化剤と乾燥菌体とからなるチョコレート成分を沸騰水浴上で70℃に加温して溶解し、均一になるまで撹拌し、油中水滴型乳化液を調製した(油中水滴型乳化液調製工程)。
一方、ゲル化剤含有液を構成する表1の各原料を別の容器に混合、溶解し、沸騰水浴上で80℃に加温し、ホモミキサー(特殊機化工業社製)で撹拌した。ここへ、先に調製した油中水滴型乳化液を混合して水中油滴型乳化液を調製した(水中油滴型乳化液調製工程)。
ついで、これをパウチ(東洋製罐社製)に100gずつ詰め、ヒートシールして密封した後、レトルト殺菌機(日阪製作所社製)で熱水温度を115℃に設定し、F値(Z=10として、基準温度121.1℃に相当する保持時間(分))が4.0±0.2になるように保持時間をコントロールして殺菌し(殺菌工程)、冷却して60℃にし、冷蔵庫に静置して10℃に冷却して試料(チョコレートプリン)を調製した。
尚、乾燥菌体は、B.subtilis(寄託機関:NITE(独立行政法人製品評価技術基盤機構)特許微生物寄託センター、NBRC番号:NBRC13719)を培養して、芽胞を形成させ、凍結乾燥したものである。
(評価方法)
[インキュベーションテスト]
各試料10個を、35℃のインキュベーションルームに入れ5日間保持した後、官能検査により各試料の腐敗の有無を確認し、不良率(不良数/検体数)を算出した。
この結果を表2に示す。
(結果)
表2より、テストNo.1および6は腐敗が認められ、テストNo.2〜5は腐敗が認められなかった。
(考察)
この結果より、第1の乳化剤のHLBは6以下が好ましく、さらには3以上が好ましいことが分った。
また、この試験により、チョコレートに添加する第1の乳化剤は、グリセリン脂肪酸エステル、ショ糖脂肪酸エステル、ソルビタン脂肪酸エステルのいずれであっても効果的であり、特に乳化剤の種類は限定されないと推定された。
Figure 0004892534
Figure 0004892534
<試験2>
(目的)
この試験は、チョコレートに添加する第1の乳化剤の添加量を検索する目的で実施された。
(試料の調製)
表3の配合割合に従い、試験1と同じ方法で調製した。
(評価方法)
[インキュベーションテスト]
試験1と同一の方法で行った。この結果を表4に示す。
[風味評価]
10人のパネルにて、各試料の風味評価をし、風味が良好な順に順位をつけ、各試料の順位の合計を求めた。この結果から、順位法の検定表を用いる方法(「おいしさを測る−食品官能検査の実際」、p28、古川秀子著、幸書房、1994年)で有意差を検定した。この結果を表5に示す。
(結果)
表4より、テストNo.13〜16のいずれも腐敗が認められなかった。
表5より、テストNo.11≧12=13≧14≧15>16(>:左が右より上位で統計的に有意差がある。≧:左が右より上位であるが、統計的な有意差は無い。)であった。
(考察)
この試験により、チョコレートに添加する第1の乳化剤の量は、チョコレートの脂肪に対して、3質量%以上で殺菌性は良好になるが、5質量%を超えると風味的に好ましくないことが解った。従って、第1の乳化剤の添加量はチョコレートの脂肪に対して、3〜5質量%が好ましいことが分った。
Figure 0004892534
Figure 0004892534
Figure 0004892534
<試験3>
(目的)
この試験は、殺菌工程に供する原料液の調製順序を検索する目的で実施された。
(試料の調製)
表6の配合割合に従い、以下の通り、2種類の調製順序で原料液を調製した。
即ち、
(1)チョコレートと第1の乳化剤と乾燥菌体とからなるチョコレート成分を沸騰水浴上で70℃に加温して溶解し、均一になるまで撹拌し、油中水滴型乳化液を調製した。
一方、ゲル化剤含有液を構成する表6の各原料を別の容器に混合、溶解し、沸騰水浴上で80℃に加温し、ホモミキサー(特殊機化工業社製)で撹拌した。ここへ、先に調製した油中水滴型乳化液を混合して、原料液である水中油滴型乳化液を調製した。
(2)チョコレート成分とゲル化剤含有液とを区別せず、表6に記載の全ての原料を同時に同じ容器内にて、沸騰水浴上で80℃に加温して溶解し、ホモミキサー(特殊機化工業社製)で撹拌しながら均一になるまで混合して、原料液である水中油滴型乳化液を調製した。
上記調製順序以外の部分は、試験1と同一の方法で行った。
(評価方法)
[インキュベーションテスト]
試験1と同一の方法で行った。この結果を表7に示す。
(結果)
表7より、テストNo.21は腐敗が認められなかったが、テストNo.22は腐敗が認められた。
(考察)
この結果より、油中水滴型の乳化状態にあるチョコレートに第1の乳化剤を加えて作用させ、その後、別途調製したゲル化剤含有液と混合して、水中油滴型乳化液とすることが殺菌性の点で好ましいことが分かった。
Figure 0004892534
Figure 0004892534
<試験4>
(目的)
この試験は、殺菌条件を検索する目的で実施された。
(試料の調製)
表3のNo.11とNo.14の配合割合に従い、試験1と同じ方法で調製し、これらをキャピラリーチューブに密封し、オイルバス中で加熱した後冷却した。これらをそれぞれNo.31、No.34とする。
(評価方法)
調製した試料を培養して、D値とZ値を算出した。この結果を表8に示す。
(結果)
表8より、No.31(No.11)は、No.34(No.14)よりD値が約35倍程度になっていると推定できる。
(考察)
この試験により、チョコレート中に存在する芽胞は著しく耐熱性が高くなることが分った(No.31)。また、本発明の方法に従ってチョコレートに第1の乳化剤を作用させると、D値、Z値共に、一般的なB.subtilisの水和した状態の芽胞の耐熱性となることが分った(No.34)。
Figure 0004892534
[実施例]
表9の配合割合に従い、チョコレートを加熱釜で60℃に加熱溶解し、これに第1の乳化剤を混合し、撹拌して均一に溶解し、油中水滴型乳化液を調製した(油中水滴型乳化液調製工程)。
一方、ゲル化剤含有液を構成する各原料をミキサー(商品名:スーパーミキサー;ヤスダファインテ社製)で水に分散させ、60℃に加温して撹拌して溶融・分散させた。ここへ、先に調製した油中水滴型乳化液を混合して、均一に分散・溶解して水中油滴型乳化液である原料液を調製した(水中油滴型乳化液調製工程)。
このようにして調製した原料液をプレート式UHT殺菌機(MOプレート式殺菌機:森永エンジニアリング社製)で140℃、2秒の殺菌を行い(殺菌工程)、85℃に冷却し、冷却部の途中にある均質機(HOMOGENIZER:三丸機械工業社製)で15MPaの条件で均質化し、再び冷却部に戻して20℃に冷却し、アセプティックタンク(ヤスダファインテ社製)で24時間貯蔵した。
その後、再加温・再冷却装置(商品名:スピフレックス;新光産業社製)で85℃に再加温し60℃に再冷却して、充填機(DOGAseptic:GASTI社製)のメインフィラーで、過酸化水素水で滅菌し乾燥したプラスチックカップ(吉野工業所社製)に120gを充填し、シール部で、過酸化水素水で滅菌し乾燥したアルミニウムリッド(東洋アルミニウム社製)を被せ、ヒートシーラーで熱圧シールして密封した後、冷蔵庫に静置して10℃に冷却してチョコレートプリンを製造した。
このチョコレートプリンの3000個を35℃のインキュベーションルームで5日間保持した後、官能検査で腐敗の有無を確認した結果、腐敗率は0個/3000個であった。
また、このチョコレートプリンの100個を10℃の冷蔵庫3ヶ月間保存した後、官能検査で風味を確認した結果、腐敗は全く無く、外観・風味共に良好であった。
尚、この工程で、UHT殺菌後アセプティックタンクで24時間貯蔵して、再加温再冷却して充填工程以降へ進める工程を取った理由は、仕込みから殺菌までの工程と充填以降の工程を切り離して、製造計画と人員配置に自由度を与えるためであり、滅菌レベルの殺菌ができているために採り得る可能な工程である。
Figure 0004892534
本発明によれば、チョコレートを原料に使用するチョコレートプリンの製造において、チョコレート中の芽胞菌の殺菌性を向上させ、ロングライフ製品の殺菌条件での殺菌を可能にすることができる。この方法によれば、仕込みから殺菌までの工程とそれ以降の充填に至る工程とを分割することができ、製造計画に自由度を与えることができ、工業的に非常に有用である。

Claims (4)

  1. 加熱溶解したチョコレートとHLBが3以上6以下である第1の乳化剤とを、前記チョコレートに含まれる脂肪を100質量%とした際の前記第1の乳化剤の割合が3〜5質量%となるように混合して、油中水滴型乳化液を調製する油中水滴型乳化液調製工程と、
    前記油中水滴型乳化液とゲル化剤を含有する液とを混合して、水中油滴型乳化液を調製する水中油滴型乳化液調製工程と、
    前記水中油滴型乳化液を殺菌する殺菌工程とを有することを特徴とするチョコレートプリンの製造方法。
  2. 前記チョコレートプリンに配合されるチョコレートの添加量が20質量%である請求項1に記載のチョコレートプリンの製造方法。
  3. 加熱溶解したチョコレートとHLBが3以上6以下である第1の乳化剤とを、前記チョコレートに含まれる脂肪を100質量%とした際の前記第1の乳化剤の割合が3〜5質量%となるように混合して、油中水滴型乳化液を調製する油中水滴型乳化液調製工程と、
    前記油中水滴型乳化液とゲル化剤を含有する液とを混合して、水中油滴型乳化液を調製する水中油滴型乳化液調製工程と、
    前記水中油滴型乳化液を殺菌する殺菌工程とを有する方法により製造されたことを特徴とするチョコレートプリン。
  4. 前記チョコレートプリンに配合されるチョコレートの添加量が20質量%である請求項3に記載のチョコレートプリン。
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