JP4889100B2 - 衛生洗浄装置及びトイレ装置 - Google Patents

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Description

本発明は、衛生洗浄装置及びトイレ装置に関し、より具体的には、洋式腰掛便器に腰かけた使用者の「おしり」などを水で洗浄する衛生洗浄装置及びこれを備えたトイレ装置に関する。
衛生洗浄装置は、洗浄水を噴射する吐水ノズルをその内部に進退自在に収容し、腰掛便器の上面後部に設置して使用する形態のものが主流となっている。このような衛生洗浄装置に、温風を吹き出して使用者の「おしり」などを乾燥させる「温風乾燥機能」を設けると、さらに使い勝手がよくなり、トイレットペーパーの使用量を減らすことによる省資源化にも有効である。
従来の多くの衛生洗浄装置においては、温風ダクトの吹出口を横方向に偏平にし、その前に縦幅の小さい開閉板を設け、ダクトから吹き出す温風により開閉板が開く方式が採用されていた(特許文献1)。しかし、温風により開く開閉板のサイズや形状には制限があり、温風ダクトの吹出口の形状によっては、温風により開閉板を十分に開くことが困難な場合もある。特に、ダクトの吹出口すなわち開閉板の縦幅が大きくなると、温風により開閉板を十分に開くことが容易ではない。
一方、温風の開閉板を吐水ノズルの開閉板と兼用し、この開閉板を吐水ノズルの進退動作により開閉する衛生洗浄装置が開示されている(特許文献2)。しかしこの場合、吐水ノズルにより使用者の「おしり」などを洗浄する際にも、開閉板が開き温風ダクトの吹出口が開放した状態となる。従って、洗浄時に水や汚物などが飛散して温風ダクトの吹出口に汚れるという問題がある。
実開昭60−120082号公報 特許第3145817号公報
本発明は、温風ダクトの吹出口に設けられた開閉板を確実に開閉できる衛生洗浄装置及びこれを備えたトイレ装置を提供するものである。
本発明の一態様によれば、ケースプレートと、前記ケースプレートの上に設けられたケースカバーと、を有し、第1の開口部が設けられた筐体と、前記筐体の中に設けられた吐水ノズルと、前記筐体の中に設けられ、前記第1の開口部に吹出口が向けられた温風吹出ダクトと、前記筐体の中の前記ケースプレートの側に固定され、動力を供給する駆動源と、前記第1の開口部を覆い、前記ケースカバーの側に支持されるとともに前記吹出口よりも上方に設けられた回転軸を中心に開閉可能に支持された第1の開閉板と、前記筐体の中に設けられ、前記駆動源から供給される動力を前記回転軸よりも上方において前記第1の開閉板に伝達する伝達機構と、前記ケースカバーに固定され、前記第1の開閉板を開閉可能に支持するフレームと、を備え、前記伝達機構の引き動作により前記第1の開閉板が開かれることを特徴とする衛生洗浄装置が提供される。

また、本発明の他の一態様によれば、腰掛便器と、前記腰掛便器の上部に設置される上記の衛生洗浄装置と、を備えたことを特徴とするトイレ装置が提供される。
本発明によれば、温風ダクトの吹出口に設けられた開閉板を確実に開閉できる衛生洗浄装置及びこれを備えたトイレ装置を提供することができる。
以下、図面を参照しつつ本発明の実施の形態について説明する。
図1は、本実施形態にかかる衛生洗浄装置の一部拡大模式断面図である。すなわち、同図は、衛生洗浄装置の本体部を縦に切断した断面図である。
本実施形態の衛生洗浄装置の本体部400には、便座に座った状態の使用者の「おしり」などを乾燥させるための温風を吹き出す温風ダクト621が設けられている。本体部400には、開口(第1の開口部)402Aが設けられ、温風ダクト621の吹出口622は、この開口402Aに向けられている。そして、開口402Aには、温風ダンパー(第1の開閉板)470が開閉自在に支持されている。温風ダンパー470は、モータ(駆動源)472から第1レバー473及び第2レバー474(伝達機構)を介して伝達される駆動力により開閉される。すなわち、図1(a)に表したように閉じた状態からモータ472が矢印Aの方向に回転すると、この駆動力が第1レバー473を介して第2レバー474に伝達され、矢印Bの方向に引かれる。このような引き動作により、温風ダンパー470は矢印Cの方向に回転し、図1(b)に表したように開いた状態となる。温風ダンパー470を閉じる際には、モータ472を矢印Aとは逆の方向に回転させればよい。
本実施形態によれば、このように温風ダンパー470を電動開閉式とすることにより、温風吹出口の形状や大きさによらず、常に確実かつ円滑に開閉させることができる。
以下、温風ダンパー470の開閉機構を詳細に説明する前に、トイレ装置及び衛生洗浄装置の全体的な構成について説明する。
図2は、本発明の実施の形態にかかるトイレ装置の外観を表す模式斜視図である。
また、図3は、このトイレ装置の便座200と便蓋300を開いた状態を表す。
また、図4は、その本体部400の中央部を正面から眺めた模式図である。
本実施形態のトイレ装置は、洋式腰掛便器800と、その上に設けられた衛生洗浄装置100と、を備える。衛生洗浄装置100は、本体部400と、便座200と、便蓋300と、を有する。便座200と便蓋300は、本体部400に対して開閉自在にそれぞれ軸支されている。
本体部400には、衛生洗浄を実現するための衛生洗浄機能部が内蔵されている。すなわち、着座センサ420により使用者が便座200に座ったことを検知し、使用者のスイッチ操作などに応じて本体部400から吐水ノズル(図示せず)を便器800のボウル内に進出させ、その先端付近に設けられた吐水口から水を噴射して、便座に座った使用者の「おしり」などを洗浄可能とされている。なお、本願明細書において「水」という場合には、冷水のみならず、加熱されたお湯も含むものとする。
また、本体部400には、便座200に座った状態の使用者の「おしり」などに向けて温風を吹き付けて乾燥させる「温風乾燥ユニット」が設けられている。
またさらに、本体部400には、「脱臭ユニット」や「室内暖房ユニット」などの各種の機構が適宜設けられ、その側面には、脱臭ユニットからの排気口440及び室内暖房ユニットからの排出口450が適宜設けられている。また、使用者の接近を検知して便蓋300を自動的に開き、使用者がいなくなると便蓋300を自動的に閉じる「オート開閉機能」を設けることもできる。またさらに、便器800に洗浄水を流す「自動水洗機能」を、衛生洗浄装置100に付加してもよい。これは、ロータンクやフラッシュバルブの排水機構を動作させる駆動機構を設け、この駆動機構を動作させる信号を本体部400から出力して、便器800に自動的に洗浄水を流す機能である。
これらの機能は、本体部400に設けられた操作部(図示せず)を適宜操作することにより実行・設定でき、また、トイレの壁面などに設置されたリモコン(図示せず)を操作することにより実行させることも可能である。また、本体部400の上面に凹設部410が形成され、この凹設部410に一部が埋め込まれるように人体検知センサ500が設けられている。人体検知センサ500は、便蓋300が閉じた状態においては、その基部付近に設けられた透過窓310を介して使用者の存在を検知する。
本具体例においては、図3に表したように、本体部400が、便器800のボウル810の開口端に合わせて後退した形状を有する。すなわち、本体部400は、便器800の上部後方に設置され、その前面が、便器800のボウル810の開口端の形状に沿ってボウル810の開口端よりもボウル810の側にわずかに突出するように凹状に湾曲した湾曲凹面402とされている。なおここで、「後方」とは、図2に表したように、通常はロータンクやフラッシュバルブなどが設置される側であり、通常の使用態様において使用者からみて遠い側を意味する。
湾曲凹面402の左右には、ボウル810の開口端に沿って前方に向けて延出した延出部404が設けられている。湾曲凹面402は、その中央付近が高く、左右の延出部404に近づくにしたがって次第に低くなる形状を有する。
湾曲凹面402の中央付近の高い部分には、吐水ノズルを進出及び後退させる開口(第2の開口部)402B及びその開口402Bを覆う閉止部材としてのノズルダンパー(第2の開閉板)460が設けられ、その右側の開口402Aには温風ダンパー(第1の開閉板)470が設けられている。
図5は、ノズルダンパー460及び温風ダンパー470の開閉状態を表す模式図である。 これらのダンパー460、470は、いずれも開閉自在に支持され、待機状態においては、図5(a)に表したように、いずれも閉じられた状態とされる。そして、便座200に座った使用者の「おしり」などを洗浄するために吐水ノズルが進出すると、図5(b)に表したように、ノズルダンパー460が開く。また、温風乾燥ユニット620から使用者の「おしり」などに向けて温風を吹き付ける際には、図5(c)に表したように、温風ダンパー470が開く。図1に表した断面構造は、温風ダンパー470の位置で本体部400を切断したものである。
そして、本実施形態によれば、図1に関して前述したように、この温風ダンパー470を電動開閉式とすることにより、温風吹出口の形状や大きさによらず、常に確実かつ円滑に開閉させることができる。以下、温風ダンパー470の開閉機構についてさらに詳細に説明する。
図6は、温風ダンパー470の駆動機構を表す斜視組立図である。
また、図7は、温風ダンパー470及びモータ472の取付部を表す模式図である。
図1に表したように、本体部400は、筐体を構成するケースカバー430とケースプレート770とを有する。そして、温風ダンパー470の背後には温風乾燥ユニット620の吹出口622が配設されている。温風乾燥ユニットは、ファン及びヒータを内蔵し、吹出口622から使用者の「おしり」に向けて温風を吹き出す。
温風ダンパー470は、図7に表したようにノズルダンパー460とともにフレーム480に回動自在に支持され、このフレーム480がケースカバー430に取り付けられている。温風ダンパー470の回動運動の回転軸は、吹出口622よりも上方、すなわち温風ダンパー470の高さ方向の中心よりもやや上部に設けられている。一方、温風ダンパー470の背後には、モータ472が収容されている。モータ472は、取付台490を介してケースプレート770に固定されている。後に詳述するように、モータ472としては、例えばステッピングモータを用いることができ、本具体例においては、吐水ノズルの下に配置されている。モータ472の回転軸には、第1レバー473が結合されている。第1レバー473は、モータ472の回転動作に応じて所定の範囲で回動する。第1レバー473の先端には、第2レバー474が結合されている。第2レバー474の先端には保持部475が設けられている。保持部475は、温風ダンパー470の上部背面側に設けられたリンク軸476に結合されている。
図1(a)に表したように、温風ダンパー470が閉じた状態から、モータ472が矢印Aの方向に回転すると、第2レバー474が矢印Bの方向に引っ張られる。この引っ張り力は、温風ダンパー470のリンク軸476に伝達され、温風ダンパー470が矢印Cで表した方向に回動して開く。図1(b)は、温風ダンパー470が完全に開いた状態を表す。この状態において、温風ユニット620の吹出口622から吹き出した温風は、温風ダンパー470に遮られることなく、便座に座った使用者の「おしり」に確実にあてることができる。なお、図6は組立途中の状態を表し、組立が終了した後は、図6に表したように第1レバー473がほぼ正立した状態では温風ダンパー470は閉じた状態となる。
ここで、本体部400のケースカバー430の前方の上面には傾斜面408が設けられているが、便座200(図1及び図2参照)を閉じた状態においては、便座200の下面が傾斜面408に隣接する。温風ダンパー470が開いた時に、その先端が便座200の下面に当接すると、異音や傷つきなどが生ずる点で好ましくない。一方で、温風ダンパー470は、吹出口622から吹き出す温風を妨げることがないように、できるだけ大きく開くことが望ましい。
これに対して、本実施形態によれば、温風ダンパー470の回転軸を吹出口622よりも上方に設け、さらにその上方に設けたリンク軸476で第2レバー474に結合することにより、温風ダンパー470が開いた時の高さを抑えられ、便座200に当接することなく、且つ吹出口622を遮ることもなく、大きく開かせることができる。
なお、温風ダンパー470は、例えば、ポリプロピレンなどの樹脂により形成することができる。また、温風ダンパー470は、ステンレスや表面をアルマイト処理したアルミニウムなどにより形成してもよい。一方、フレーム480、第1レバー473、第2レバー474などは、樹脂などにより形成することができる。
またさらに、本実施形態によれば、図4などに表したように、湾曲凹面402の中央付近の高い部分に温風ダンパー470を設けることにより、使用者の「おしり」などを乾燥する温風の吹出口を好適な形状にできる。
図8は、温風の吹出口の形状を例示する模式図である。すなわち、同図(a)は本実施形態における吹出口622を例示し、同図(b)は比較例の吹出口622を例示する。
所定の風量の温風を吹き出すためには、吹出口の開口面積は所定の大きさである必要がある。本体部400の前面の高さが低い場合には、図8(b)に表したように、縦方向の幅が低く横方向に偏平な吹出口を採用せざるを得ない。例えば、図8(b)に例示した比較例の吹出口の場合、その縦方向の幅Aは10ミリメータであるのに対して横幅Bは43ミリメータであり、横方向に偏平した開口を有する。
しかし、図3及び図4に関して前述したように本体部400の前面を後退させて湾曲凹面402を形成したことにより、吹出口の位置は、使用者の「おしり」などから遠ざかることとなる。このような場合に図8(b)に表したような偏平な吹出口を用いると、温風が左右方向に拡散してしまい、使用者の「おしり」に十分な風量の温風を届かせることが困難となる。
またさらに、図8(b)に表したように吹出口622を偏平にした場合には、その前に設けた温風ダンパーを温風の勢いにより開くことも可能である。これは、温風ダンパーの高さ方向の幅が小さくて済むからである。
しかし、図8(a)に表したように、吹出口622の縦方向の寸法Aが大きくなると、温風ダンパー470の高さ方向の幅も大きくなる。すると、温風ダンパー470を温風の勢いで開けることが困難になる。
これに対して、本実施形態によれば、図1〜図7に関して前述したように温風ダンパー470を電動開閉式とすることにより、高さ方向の幅が大きい温風ダンパー470を確実に開閉できる。その結果として、図8(a)に表したように、縦方向の幅と横幅とが接近した吹出口622を設けることができる。これは、湾曲凹面402の中央付近を高くし、この近傍に電動開閉式の温風ダンパー470を設けたからである。例えば、図8(a)に例示した吹出口の場合、その開口の縦方向の幅Aを18ミリメータまで拡大できる。その結果、横方向の幅Bを27ミリメータまで縮小させ、開口寸法の縦横比を1に近づけることができる。このように開口寸法の縦横比を1に近づけることにより、集束した温風を吹き出すことができる。その結果として、使用者の「おしり」からみて後方に遠ざかった湾曲凹面402から使用者の「おしり」に集束した温風を届かせることができる。
なお、図8(b)に表した比較例の吹出口の開口面積は約430平方ミリメータであるのに対して、図8(a)に表した吹出口の開口面積は約480ミリメータである。つまり、湾曲凹面402の中央付近の背の高い部分にノズルダンパー460を設けることにより、吹出口の縦方向の寸法を大きくでき、開口の縦横比を1に近づけつつ開口面積を拡大することも可能となる。
図9は、吹出口622から放出される温風の方向を表す模式図である。
本実施形態においては、湾曲凹面402の中央付近に設けられた温風ダンパー470の背後に設けられた吹出口622から、図9(a)〜(c)に表したように、便座200に座った使用者の「おしり」の方向に集束した温風Hを吹き出すことができる。吹出口622が左右(水平)方向に偏平ではなく、開口寸法の縦横比が1に近いので、放出される温風Hが左右(水平)方向に拡がらず、集束した温風Hを遠くまで届けることができる。また、吹出口622の縦寸法を大きくすることにより、温風Hを上方に向けることができる。その結果として、便座200に座った使用者の「おしり」に、十分な風量の温風Hを届けることができる。
図10(a)は本実施形態、(b)は比較例の衛生洗浄装置の温風乾燥ユニットから放出される温風Hの分布を正面(前方)から眺めた模式図である。
ここで、本実施形態の温風乾燥ユニットは、図8(a)に表した吹出口を有し、比較例の温風乾燥ユニットは図8(b)に表した吹出口を有する。ここで、比較例は、図26に表した形態を有する。また、各図において、便座に座った使用者の「おしり」の中心位置を符号Cにより表した。
本実施形態においては、比較例よりも温風Hの中心位置を高くすることができる。これは、図8に関して前述したように、湾曲凹面402の中央付近の背の高い部分に吹出口622を設けることにより、開口の縦方向の寸法を大きくできたからである。
本具体例(図3参照)においては、比較例(図29参照)よりも吹出口622の位置が後方に遠ざかっているので、比較例の吹出口を本具体例の温風ダンパー470の位置に設けたとすると、使用者の「おしり」の位置において、温風Hの中心が下がってしまう。これに対して、本具体例の場合、使用者の「おしり」の位置において、比較例と比べて温風Hの中心を15ミリメータほど高くすることができる。このように温風Hの中心を高くすることにより、使用者の「おしり」に確実に温風Hをあてることができる。
また、比較例においては図10(b)に表したように温風Hが左右(水平)方向に拡がっているのに対して、本具体例においては図10(a)に表したように温風Hが左右方向にも拡がらず、集束したままの温風Hを使用者の「おしり」の位置まで届けることができる。
その結果として、図10(b)に表した比較例よりも図10(a)に表した本具体例においては、集束させ温度の低下を抑制した温風Hを遠くの使用者の「おしり」に確実に届けることができる。つまり、本実施形態によれば、図4などに表したように、湾曲凹面402の中央付近を高くし、この高い部分に電動開閉式の温風ダンパー470を設けることにより、温風ダンパー470を確実に開閉可能としつつ、温風の吹出口622の縦方向の寸法を拡大し縦横比を1に近づけて、集束した温風Hを遠くまで届けることができる。
以下、本具体例の温風ダンパー470の開閉機構について、その組立手順を参照しつつさらに詳細に説明する。
図11乃至図15は、温風ダンパー470の開閉機構の組立手順を例示する模式図である。
まず、図11(a)に表したように、モータ472の回転軸に第1レバー473を圧入する。そして、図11(b)に表したように、第1レバー473の側から取付台490に差し込み、ねじ491でモータ472を固定する。
次に、図12(a)に表したように、ケースプレート770の収容部770Dにモータ472を取り付ける。そして、図12(b)に表したように、温風ダンパー470と結合した第2レバー474の基端部を第1レバー473に差し込む。
その後、ケースプレート770の上には、ノズルユニットやその他各種の要素を取り付ける。ケースプレート770の上の部品の組立が終了した後に、図13に表したように、ケースカバー430をケースプレート770に取り付ける。この際に、ケースカバー430に固定したフレーム480に温風ダンパー470を取り付ける。
図14及び図15は、温風ダンパー470をフレーム480に取り付ける様子を表す模式断面図である。
温風ダンパー470の両側部には、裏面側に突出する支持部471が設けられている。支持部471には、外側に向けて突出した軸部471Pが設けられている。一方、フレーム480には、これら軸部471Pに対応して凹状の軸受け部480Cが設けられている。支持部471は、軸部471Pの周囲を肉抜きすることより、軸部471Pを弾性的に支持している。従って、温風ダンパー470をフレーム480の前方から押し込むことにより、いわゆるスナップフィット方式にて、軸部471Pを軸受け部480Cに嵌入させることができる。図16(e)は、温風ダンパー470をフレーム480に取り付けた状態における軸部471Pと軸受け部480Cの断面図である。軸部471Pのまわりを肉抜きして大きな弾性変形を容易としたことにより、軸部471Pの高さを高くしてもスナップフィットによる軸受け部480Cへの嵌入が容易となり、しかも、嵌入後は、軸受け部480に軸部471Pが深く入りこむので、結合が外れにくい構造を実現できる。
図17は、温風ダンパー470と第2レバー474との結合部を表す模式図である。すなわち、同図は、これらの要素を下方から眺めた模式図である。
モータ472からの駆動力を伝達する第2レバー474の先端に設けられた保持部475は、第2レバー474の移動方向Aに対してほぼ垂直な方向に延在している。一方、温風ダンパー470に設けられたリンク軸476は、図17(a)に表したように温風ダンパー470が閉じた状態においては、保持部475に対してほぼ平行である。しかし、図17(b)に表したように温風ダンパー470が開いた状態においては、リンク軸476は、保持部475に対して平行ではなく、傾いてねじれた配置関係にある。これは、本体部400の湾曲凹面402(図2、図3参照)に沿って温風ダンパー470を開閉させるために、温風ダンパー470の回転軸Cが、第2レバー474の移動方向A及びBに対して、非垂直すなわち垂直ではなく傾斜して設けられているからである。
従って、温風ダンパー470の開閉動作を円滑に行うためには、温風ダンパー470と第2レバー474との結合部に非対称な部分を設ける必要がある。本具体例の場合には、図17(b)に表したように温風ダンパー470を開いた状態において、保持部475がリンク軸476の「ねじれ」を吸収するように形成する必要がある。これに対して、本具体例においては、保持部475の開口形状を非対称に形成している。
図18は、第2レバー474の保持部475を拡大して表す模式図である。
保持部475の幅は、その延在方向Lに対して一定ではなく、端部寄り(吐水ノズルから遠い側)の幅W1よりも、中央寄り(吐水ノズルに近い側)の幅W2のほうが大きい。このように保持部475の幅を変化させることにより、図17(b)に表したようにリンク軸476の方向がねじれた場合にも、この「ねじれ」を吸収できる。その結果として、図17(a)に表したように第2レバー474を矢印Aの方向に引いて温風ダンパー470を開く時も、その逆に図17(b)に表したように第2レバー474を矢印Bの方向に押して温風ダンパー470を閉じる時も、リンク軸476を円滑に回転させ、スムーズに開閉動作させることができる。このようにして、温風ダンパー470を開く第2レバー474の移動方向を、吐水ノズルの進退方向と一致させることができ、本体部400内にデッドスペースを生じないようにすることができる。
次に、温風ダンパー470およびノズルダンパー460の取付部の構造について説明する。
図19は、温風ダンパー470およびノズルダンパー460の取付部を表す模式図である。
前述したように、温風ダンパー470およびノズルダンパー460は、フレーム480に取り付けられ、ケースカバー430に固定される。つまり、温風ダンパー470とノズルダンパー460は、ケースプレート770の側ではなく、ケースカバー430の側に支持される。仮に、温風ダンパー470およびノズルダンパー460をケースプレート770の側に支持した場合には、ケースプレート770とケースカバー430との取付位置の誤差により、温風ダンパー470およびノズルダンパー460がケースカバー430の湾曲凹面402からずれて凹凸が生じやすくなる。
これに対して、本実施形態においては、温風ダンパー470およびノズルダンパー460をケースカバー430の側に支持することにより、温風ダンパー470およびノズルダンパー460と、ケースカバー430と、の相対的な取付位置精度をより高くできる。その結果として、温風ダンパー470およびノズルダンパー460がずれることなくケースカバー430の湾曲凹面402と一体的に取り付けることができ、連続的で滑らかな湾曲凹面402を実現できる。
また一方、温風ダンパー470およびノズルダンパー460を同じフレーム480に取り付けることにより、これら温風ダンパー470およびノズルダンパー460の位置合わせが容易となり、また組立も簡単になる。例えば、ケースカバー430は、衛生洗浄装置の筐体を構成するために、強度の高い樹脂により形成することが望ましい。しかし、そのような樹脂の場合、成型性が十分に高くないこともあり得る。つまり、成形時の変型などが無視できず、温風ダンパー470やノズルダンパー460を精度よく取り付けるための精密な構造を形成することが容易でない場合もあり得る。
これに対して、フレーム480は筐体を構成しないので、ケースカバー430よりも強度が低くてもよく、それだけ成形性に優れた樹脂で形成することができる。つまり、温風ダンパー470やノズルダンパー460を高い精度で取り付けるための、精密な構造を正確に形成することが容易となる。また、フレーム480をケースカバー430に固定する際に、取付位置を調整することは比較的容易である。このように、好適な材料によりフレーム480を形成し、このフレーム480を介して温風ダンパー470およびノズルダンパー460をケースカバー430に固定することにより、高い取付精度が容易に得られる。その結果として、滑らかで連続的な湾曲凹面402を実現できる。
図20乃至図24は、フレーム480をケースカバー430に取り付けるまでの組立工程を表す工程図である。
まず、図20(a)に表したように、フレーム480にスプリング481を仮置きする。そして、図20(b)に表したように、軸体482をフレーム480及びスプリング481に差し込む。
その後、図21(a)及び(b)に表したように、軸体482の基端部482Cを回転させ、フレーム480の固定溝480Fに押し込む。ここでも、スナップフィット方式により基端部482Cを固定溝480Fに嵌入し固定することができる。なお、図21(c)は、図21(b)の矢印Aの方向からみた基端部482Cの部分の拡大図である。
しかる後に、図22に表したように、ノズルダンパー460をフレーム480に取り付ける。図23は、ノズルダンパー460の取付部を図22の矢印Aの方向から眺めた拡大断面図である。
ノズルダンパー460は、その背面の上部に、略S字状に屈曲した取付部461を有する。取付部461の屈曲部には、取付溝462が形成されている。そして、この取付部461の先端がスプリング481の端部を押さえ込むように、ノズルダンパー460を矢印Aの方向に圧入する。すると、図23(a)乃至(c)に表したように、取付部461の先端がスプリング481の付勢力に対抗してその先端を押さえ込みながら前進し、軸体482が取付溝462に挿入される。ここでも、スナップフィット方式により軸体482を取付溝462に固定できる。
図23(c)に表したように、ノズルダンパー460をフレーム480に取り付けた状態においては、スプリング481の付勢力により、ノズルダンパー460には矢印Bの方向に閉じる力が作用している。このようにして、ノズルダンパー460を閉じた状態に付勢することができる。
ノズルダンパー460を取り付けたら、図24に表したように、ねじ483などを用いてフレーム480をケースカバー430に固定する。この時、例えば、ネジ483をフレーム480に通すネジ穴をやや大きく形成しておくと、ケースカバー430に対するフレーム480の取付位置を微調整でき、温風ダンパー470およびノズルダンパー460を湾曲凹面402に一体的に取り付けることがさらに容易となる。
この後、図13乃至図16に関して前述したように、ケースカバー430をケースプレート770に取り付けて、第2レバー474に結合された状態の温風ダンパー470をフレーム480に装着する。
以上説明したように、温風ダンパー470およびノズルダンパー460をフレーム480を介してケースカバー430に固定する構造とすると、高い取り付け精度が得られ組立も容易となる。
次に、温風ダンパー470とノズルダンパー460との干渉について説明する。
図25及び図26は、温風ダンパー470とノズルダンパー460と干渉を説明するための模式図である。
ノズルダンパー460と温風ダンパー470とは、いずれも湾曲凹面402に沿って設けられているので、それらの回転軸は平行ではない。また、これらのダンパー460、470は隣接して設けられている。従って、これらのダンパー460、470が両方とも開くと、干渉することがある。このため、これらダンパー460、470の開閉の際には、所定の制御をする必要がある。
ここで、温風ダンパー470は、前述の如くモータ472により電動開閉される。一方、ノズルダンパー460は、スプリング481の付勢力により通常は閉じた状態に維持され、吐水ノズルが進出するとこれに押されて開く。従って、ノズルダンパー460と温風ダンパー470の開閉のタイミングによっては、両方が同時に開いてもよい場合がある。
図25に表した具体例の場合、ノズルヘッド611、第1のシリンダ部612及び第2のシリンダ部613からなる3段式の吐水ノズルが進出することにより、ノズルダンパー460が開いている。そして、このようにノズルダンパー460が開いた後に、モータ472により温風ダンパー470が開いている。温風ダンパー470が完全に開いた状態においては、その先端がノズルダンパー460に当接し、スプリング481の付勢力に対抗してノズルダンパー460をさらに持ち上げる。この時、温風ダンパー470とノズルダンパー460との間には、スプリング481の付勢力が作用しているだけであるので、これらダンパー460、470に傷が付いたり破損することはなく、引っかかる心配もない。
また、図25に表した状態においては、ノズルダンパー460は吐水ノズルから持ち上げられ離間している。従って、図26に表したように、吐水ノズルを後退させ本体部400に収納しても、ノズルダンパー460は温風ダンパー470に当接し開いた状態を維持する。つまり、ノズルダンパー460が温風ダンパー470よりも先に開き始めた場合には、これらダンパー460、470が互いに干渉しても強い力は作用しないので、傷がついたり、引っかかって動かなくなったり、破損や故障などが生ずることはない。
なお、図25及び図26に表した状態とは逆に、温風ダンパー470が開いた状態で吐水ノズルが進出することによりノズルダンパー460が開くと、これらダンパー460、470が干渉して互いに強い力が作用することがある。このため、温風ダンパー470が開いた状態でノズルダンパー460が開かないように制御することが望ましい。
以上、本実施形態における温風ダンパー470の開閉機構及びノズルダンパー460について説明した。
次に、本実施形態のトイレ装置の内部構造について具体例を参照しつつさらに詳細に説明する。
図27は、本体部400の内部を前方から眺めた斜視図である。
本体部400は、前述したように、筐体を構成するケースカバー430とケースプレート770とを有する。ケースカバー430の上面には、人体検知センサ500や表示部670が適宜設けられている。表示部670は、例えばトイレ装置に対する電源の投入状態などを適宜表示する役割を有する。また、ケースカバー430の前部の上部には、便座200を自動開閉させるための電動開閉ユニット780が突出して設けられている。
一方、ケースカバー430の内部をみると、その前方には、ノズルユニット610、温風乾燥ユニット620、脱臭ユニット630、が併設されている。なお、図6、図12及び図13などに表したように、温風ダンパー470を駆動するモータ472は、ノズルユニット610の下に設置されている。このようにすると、ノズルユニット610の下のスペースを有効に利用でき、また温風ダンパー470の近くから駆動力を伝達できる。
ノズルユニット610は、図5に関して前述したように、進退自在の吐水ノズルを有し、便座200に座った使用者の「おしり」などに水を噴射して洗浄する役割を有する。脱臭ユニット630は、便器800のボウル810内の空気を吸引し、脱臭して排気口440から排出する役割を有する。
また、ケースカバー430の内部の前部上方にはAC(交流)コントローラ640が設けられ、その後部には、バルブユニット650と熱交換ユニット660が設けられている。バルブユニット650から熱交換ユニット660に供給された水が加熱され、ノズルユニット610に併設されたポンプユニットで水に脈動を付与し、吐水ノズルにこの脈動水を供給する。
また、ケースカバー430の側面には、補助操作ユニット(図示せず)が適宜設けられている。補助操作ユニットは、ノズルユニット610による「おしり」の洗浄などを操作するスイッチが設けられ、例えば、リモコン(図示せず)による操作が不可能な状態においても衛生洗浄機能の動作を制御可能としたものである。
一方、ケースカバー430の内部の後部には、電動開閉ユニット720と便器洗浄バルブユニット730とが併設されている。電動開閉ユニット720は、便蓋300を開閉する役割を有する。便器洗浄バルブユニット730は、便器800に流す洗浄水の供給を制御する役割を有する。すなわち、本具体例のトイレ装置は、いわゆる「水道直結給水式」の構造を有し、ロータンクなどを設けずに、水道から供給される水を便器洗浄バルブユニット730を介して便器800に供給して洗浄を実施する。ただし、本発明はこれには限定されず、ロータンク式のトイレに取付可能な衛生洗浄装置も包含する。
一方、ケースカバー430の内部の最後部には、室内暖房ユニット740が設けられている。室内暖房ユニット740は、温風を排出口450(図2参照)から排出することによりトイレ装置が設置されたトイレ空間を暖房する役割を有する。
このような各種の機構を備えた本体部400に、図1〜図26に関して前述した温風ダンパー470及びその開閉機構が設けられている。
次に、本実施形態において、本体部400の前面を後方に後退させて湾曲凹面402とした効果について説明する。
図28は、本実施形態のトイレ装置から便座200と便蓋300を外して前方から眺めた斜視図である。
また、図29は、比較例のトイレ装置を前方から眺めた斜視図である。なお、図28及び図29は、便器800の前にしゃがんだ状態で便器を清掃する使用者の目線からみたボウル810の眺めを表し、具体的には、便器800の前端からおよそ100ミリメータ離れ、床面から約1000ミリメータの高さから眺めたボウル810の外観を表す。
また、図30は、本実施形態のトイレ装置の断面図であり、
図31は、比較例のトイレ装置の断面図である。図30及び図31は、便器800の前にしゃがんだ状態で便器を清掃する使用者の目線からみえる範囲を説明するための模式図である。
まず比較例について説明すると、図29及び図31に表した比較例においては、本体部400は便器800のボウル810の上に延出し、破線で表した領域400Pがボウル810の開口の後方部分を塞いでいる。しかし、このように本体部400がボウル810の上にはみだしていると、男性の立位の小用の際に小水が本体部400にかかりやすくなる。また、このように本体部400がボウル810の上にはみだしていると、ボウル810の有効開口面積が狭められるため、立位で小用をする男性に対して狭窄感を与える。また、このようにはみだした領域400Pの裏面側にも汚れが付着しやすく、その清掃性の点でも改善の余地がある。
さらには、このように本体部400がボウル810の上にはみだしていると、ボウル810の後方上部に汚れが付着しても見えず、且つ、その部位の清掃がしにくくかった。すなわち、図29に表した比較例の場合、使用者が便器800の前にしゃがんだ状態においても、ボウル810の上端のリム部820は、本体部のはみ出し領域400Pの陰に隠れて見えない。このため、使用者が領域400Pの下のリム部820を掃除するためには、さらにかがんだ姿勢で覗き込むようにしなければならない。
これに対して、本実施形態においては、図28及び図30に表したように、本体部400の前面を後退させて湾曲凹面402を形成することにより、男性の立位での小用の際にも小水がかかりにくくなり、使用者に対して視覚的な狭窄感を与えることもない。また、図4に関して前述したように、湾曲凹面402の中央付近を高くすることにより、男性の立位の小用に際して本体部400に小水がかかったとしても、湾曲凹面402の中央付近の背の高い部分で小水を受けてボウル810に落下させることができる。つまり、小水が本体部400の傾斜面408などにかかることを抑制でき、小水による汚れを可及的に減らすことができる。
そして、このように本体部400を後退させることにより、本体部400の裏面への汚れの付着も抑制でき、清掃性も格段に改善できる。すなわち、本実施形態によれば、図30に表したように、便器800の前にしゃがんだ使用者の視線からみて、ボウル810の後端のリム部820の上端付近まで見える。従って、使用者は、その姿勢のまま雑巾やブラシなどを用いてボウル810の後端まで清掃し、汚れが落ちてきれいになったことを確実且つ容易に確認できる。また、本実施形態においては、本体部400のボウル810の上への突出量が抑制されているので、その突出部の裏側に付着した汚れなどを清掃することも容易である。例えば、雑巾などで清掃する際にも、使用者が本体部400の裏側に雑巾をあてがった状態で、左右にサッと拭き取ることができる。
図32は、本実施形態における湾曲凹面402とボウル810との関係を説明するための模式平面図である。
同図に表したように、本体部の湾曲凹面402は、ボウル810の開口形状にほぼ沿った形態を保ちつつ、湾曲凹面402のほぼ全体がボウル810の開口端よりもボウル810の側にわずかに突出している。湾曲凹面402の左右前端でのボウル810への突出量をa、bとし、中央付近でのボウル810への突出量をcとすると、a及びbは相対的に小さく、cは相対的に大きくすることができる。このようにすれば、ボウル810の開口形状と略連続させてボウル810のほとんどを露出させつつ、本体部400とボウル810の開口端との隙間への小水などの侵入を効果的に防止できる。これは、男性の立位の小用の際には、小水は主に中央付近に向けられるからであり、さらに本体部400とボウル810の開口端との隙間が湾曲凹面402で覆われるため、その隙間に小水が直接かからないからである。また、このようにすると、排水及び脱臭のためのスペース(突出部)を確保することも容易となる。
具体的には、例えば、a及びbは概ね数ミリメータ乃至10ミリメータ程度で、cは概ね10ミリメータ乃至10数ミリメータ程度とすることができる。このように湾曲凹面402をわずかに突出させれば、小水の侵入を可及的に抑制できる。またさらに、本体部400からボウル810への排水を確保し、さらに脱臭機能のための脱臭吸気口を確保することもできる。
また、本体部400のボウル810への突出部の突出量をこのように制限することにより、例えば使用者の手指の先端から第1関節までの範囲で、雑巾を本体部400の裏側にまんべんなくあてがうことも可能となる。つまり、使用者は、手指の第1関節を軽く曲げた状態のまま、手指の先端に雑巾をあてがって、本体部400の湾曲凹面402に沿って左右に雑巾をサッと滑らすことにより、本体部400の裏側と、これに隣接するリム部820の上端部を確実に清掃することが可能となる。湾曲凹面402はボウル810と略連続した曲面を構成しているので、雑巾がひっかかることもなく、スムーズ且つ確実に清掃できる。
そして、本実施形態によれば、このように本体部400の前面を後退させて湾曲凹面402を形成し、その中央付近に電動開閉式の温風ダンパー470を設けることにより、高さ方向の寸法が大きい温風の吹出口を確実に開閉でき、かつ使用者の「おしり」に温風を確実に届かせることができる。
以上、具体例を参照しつつ、本発明の実施の形態について説明した。しかし、本発明は、これらの具体例に限定されるものではない。例えば、本発明の衛生洗浄装置及びトイレ装置に含まれる、吐水ノズル、脱臭装置、温風乾燥装置、着座センサ、筺体、リモコン、腰掛便器などの各要素については、当業者が適宜設計変更することにより本発明を同様に実施し、同様の効果を得ることができるものも本発明の要旨を含む限り、本発明の範囲に包含される。その他、衛生洗浄装置や便器を構成する各要素について変更を加えたものであっても、本発明の要旨を備える限りにおいて、本発明の範囲に包含される。
また、本発明のトイレ装置は、「ロータンク式」のものでもよく、または、水道からの水を便器に直接給水し洗浄する「水道直結給水式」のものでもよい。
また、図1乃至図32に関して前述した特徴部分は、技術的な可能な範囲においていかようにも組合せることができ、これら組合せにより得られた衛生洗浄装置及びトイレ装置についても、本発明の要旨を含む限りにおいて本発明の範囲に包含される。
その他、本発明の実施の形態として上述した衛生洗浄装置及びトイレ装置を基にして、当業者が適宜設計変更して実施しうるすべての衛生洗浄装置及びトイレ装置も同様に本発明の範囲に属する。
本実施形態にかかる衛生洗浄装置の一部拡大模式断面図である。 本発明の実施の形態にかかるトイレ装置の外観を表す模式斜視図である。 トイレ装置の便座200と便蓋300を開いた状態を表す。 本体部400の中央部を正面から眺めた模式図である。 ノズルダンパー460及び温風ダンパー470の開閉状態を表す模式図である。 温風ダンパー470の駆動機構を表す斜視組立図である。 温風ダンパー470及びモータ472の取付部を表す模式図である。 温風の吹出口の形状を例示する模式図であり、(a)は本実施形態における吹出口622を例示し、(b)は比較例の吹出口622を例示する。 吹出口622から放出される温風の方向を表す模式図である。 (a)は本実施形態、(b)は比較例の衛生洗浄装置の温風乾燥ユニットから放出される温風Hの分布を正面(前方)から眺めた模式図である。 温風ダンパー470の開閉機構の組立手順を例示する模式図である。 温風ダンパー470の開閉機構の組立手順を例示する模式図である。 温風ダンパー470の開閉機構の組立手順を例示する模式図である。 温風ダンパー470をフレーム480に取り付ける様子を表す模式断面図である。 温風ダンパー470をフレーム480に取り付ける様子を表す模式断面図である。 ノズルユニット610を取り付けた状態で正面から眺めた模式斜視図である。 温風ダンパー470と第2レバー474との結合部を表す模式図である。 第2レバー474の保持部475を拡大して表す模式図である。 温風ダンパー470およびノズルダンパー460の取付部を表す模式図である。 フレーム480をケースカバー430に取り付けるまでの組立工程を表す工程図である。 フレーム480をケースカバー430に取り付けるまでの組立工程を表す工程図である。 フレーム480をケースカバー430に取り付けるまでの組立工程を表す工程図である。 フレーム480をケースカバー430に取り付けるまでの組立工程を表す工程図である。 フレーム480をケースカバー430に取り付けるまでの組立工程を表す工程図である。 温風ダンパー470とノズルダンパー460と干渉を説明するための模式図である。 温風ダンパー470とノズルダンパー460と干渉を説明するための模式図である。 本体部400の内部を前方から眺めた斜視図である。 本実施形態のトイレ装置から便座200と便蓋300を外して前方から眺めた斜視図である。 比較例のトイレ装置を前方から眺めた斜視図である。 本実施形態のトイレ装置の断面図である。 比較例のトイレ装置の断面図である。 本実施形態における湾曲凹面402とボウル810との関係を説明するための模式平面図である。
符号の説明
100 衛生洗浄装置、200 便座、300 便蓋、310 透過窓、400 本体部、402 湾曲凹面、404 延出部、408 傾斜面、410 凹設部、420 着座センサ、430 ケースカバー、440 排気口、450 排出口、460 ノズルダンパー、461 取付部、462 取付溝、470 温風ダンパー、471 支持部、471P 軸部、472 モータ、473 第1レバー、474 第2レバー、475 保持部、476 リンク軸、480 フレーム、480 部、480C 軸受け部、480F 固定溝、481 スプリング、482 軸体、482C 基端部、483 ネジ、490 取付台、500 人体検知センサ、611 ノズルヘッド、610 ノズルユニット、612、613 シリンダ部、616 噴射孔、617 ノズル洗浄室、620 温風乾燥ユニット、622 吹出口、630 脱臭ユニット、640 コントローラ、650 バルブユニット、660 熱交換ユニット、670 表示部、720 電動開閉ユニット、730 便器洗浄バルブユニット、740 室内暖房ユニット、770 ケースプレート、770D 収容部、780 電動開閉ユニット、792 傾斜部、792A 前面、792B 斜面、793 壁状部、794 溝、794C 開口端、800 便器、800 洋式腰掛便器、810 ボウル、820 リム部

Claims (3)

  1. ケースプレートと、前記ケースプレートの上に設けられたケースカバーと、を有し、第1の開口部が設けられた筐体と、
    前記筐体の中に設けられた吐水ノズルと、
    前記筐体の中に設けられ、前記第1の開口部に吹出口が向けられた温風吹出ダクトと、
    前記筐体の中の前記ケースプレートの側に固定され、動力を供給する駆動源と、
    前記第1の開口部を覆い、前記ケースカバーの側に支持されるとともに前記吹出口よりも上方に設けられた回転軸を中心に開閉可能に支持された第1の開閉板と、
    前記筐体の中に設けられ、前記駆動源から供給される動力を前記回転軸よりも上方において前記第1の開閉板に伝達する伝達機構と、
    前記ケースカバーに固定され、前記第1の開閉板を開閉可能に支持するフレームと、
    を備え、
    前記伝達機構の引き動作により前記第1の開閉板が開かれることを特徴とする衛生洗浄装置。
  2. 前記筐体は、前記吐水ノズルを進退させる第2の開口部をさらに有し、
    前記第2の開口部を覆い、前記フレームに開閉可能に支持された第2の開閉板をさらに備えたことを特徴とする請求項記載の衛生洗浄装置。
  3. 腰掛便器と、
    前記腰掛便器の上部に設置される請求項1または2に記載の衛生洗浄装置と、
    を備えたことを特徴とするトイレ装置。
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