JP4728029B2 - 衛生洗浄便座装置及びトイレ装置 - Google Patents
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Description
進退自在な洗浄ノズルを内蔵した衛生洗浄便座装置であって、腰掛便器の上部平坦面に設けられる本体と、前記本体に付設された便座と、を備え、
前記本体は、前記腰掛便器のボウルに面する前面を有し、
前記前面は、前記ボウルに向けて傾斜した傾斜面を有し、
前記洗浄ノズルを突出させる開口部が前記傾斜面に設けられ、
前記開口部の開口を閉塞可能な塞ぎ板が前記開口部に設けられ、
前記洗浄ノズルからの捨て水を排出する第1の排水口が前記塞ぎ板の下に設けられ、
前記洗浄ノズル以外からの水を排出する第2の排水口が前記塞ぎ板の横に設けられ、
前記前面から下方に延在し、前記第1の排水口および前記第2の排水口から排出された水を前記ボウルに導く排水路が設けられたことを特徴とする衛生洗浄便座装置が提供される。
また、いわゆる「捨て水」を確実にボウルの中に排水でき、またさらに、衛生洗浄便座装置本体を腰掛便器に取り付けるに際して、この排水路をボウルの側壁面に突き当てることによって、もっとも適切な位置に確実かつ容易に取り付けることができる。
を備えたことを特徴とするトイレ装置が提供される。
ここで、前記前面は、前記ボウルの側壁面と略連続する湾曲面を有するものとすれば、特に汚れが付着しにくく、掃除を行いやすく、見栄えもすっきりとしたトイレ装置を提供することができる。
図1は、本発明の実施の形態の第1の具体例の衛生洗浄便座装置の模式斜視図である。 すなわち、衛生洗浄便座装置本体500は、腰掛便器300の上部後方の平坦面300Fに設置され、便座410が付設されている。また、便座410の上に、開閉自在の便蓋をさらに設けてもよすい。
本具体例の衛生洗浄便座装置本体500は、使用者が便座410に座った状態で水を噴射させて「おしり」などを洗浄することができる装置であり、商標名「ウォシュレット」などとして普及しているものと同様の機能を有する。なお、本願明細書において「水」とは冷水のみならず、温水も含むものとする。衛生洗浄便座装置本体500には、その他にも例えば、濡れた「おしり」を乾かす「温風乾燥機能」や、便座410を暖める「便座暖房機能」、腰掛便器内の臭いを除去する「脱臭機能」などを設けることができる。また、使用者の接近を検知して便蓋400を自動的に開き、使用者がいなくなると便蓋400を自動的に閉じる「オート開閉機能」を設けることもできる。これらの機能は、衛生洗浄便座装置本体500に設けられた操作部(図示せず)を適宜操作することにより実行・設定でき、また、トイレの壁面などに設置されたリモコン(図示せず)を操作することにより実行させることも可能である。
すなわち、本比較例においては、衛生洗浄便座装置本体500は、腰掛便器300のボウル310に延出し、破線Aにて表したように、その一部を覆うように設けられている。このように衛生洗浄便座装置本体500がボウル310に延出していると、その裏側が溜水からの「跳ね」などにより汚れやすく、また、この延出した部分には、男性の小用の際などに小水がかかりやすくなる。
図4及び図5は、本具体例及び比較例の衛生洗浄便座装置の模式断面図である。
すなわち、図4(a)及び(b)は、それぞれ本発明及び比較例において、3段式の洗浄ノズルが衛生洗浄便座装置本体500内に収容された状態を表す。また、図5(a)及び(b)は、それぞれ本発明及び比較例において、この洗浄ノズルがボウル310内に進出した状態を表す。
なお、衛生洗浄便座装置本体500の前面510を垂直から前方に20度程度傾斜させた場合には、傾斜した前面510によりボウル310が隠れる領域を小さくできるので、ボウル310の後方部分の清掃性を高めることができる。
本具体例においては、衛生洗浄便座装置本体500のボウル310に面した前面510のうちで、中央付近510Cは前方に傾斜した傾斜面とされているが、両端付近510Eにおいては、便器300の上部平坦面300Fに対してほぼ垂直な面とされている。
本具体例においては、衛生洗浄便座装置本体500のボウル310に面した前面510は略平面状とされている。そして、前面510は前方に傾斜した傾斜面とされている。このようにしても、図4及び図5に関して前述したように洗浄ノズルの収容スペースを確保でき、また、図6に関して前述したように、男性の小用時に前面510を視線から隠すことにより汚れなどが目立たない衛生洗浄便座装置を提供することができる。
図9は、捨て水の排水経路が設けられた衛生洗浄便座装置本体500を例示する模式断面図である。
すなわち、衛生洗浄便座装置本体500の中には、洗浄ノズル530にお湯や水を供給する水路系が内蔵されている。この水路系において、水分を外部に排出する必要が生ずる場合がある。また、洗浄ノズル530を動作させる際にも、衛生洗浄便座装置本体500の中で吐水させる場合がある。これらの場合、水やお湯を「捨て水」として衛生洗浄便座装置本体500の外に排出する必要がある。
排水チューブ592は、これらの各要素に接続され、必要に応じて水またはお湯を、排水口591に排水可能としている。なお、図10においては、3本の排水チューブ592が配設された具体例を表したが、排水チューブ592の数や配置については、衛生洗浄便座装置本体500の構造に応じて適宜決定することができる。
本具体例の場合、「捨て水」の排水チューブ592は、衛生洗浄便座装置本体500の前面510において、塞ぎ板525の横の上部に設けられた排水口593に接続されている。そして、排水路590は、排水口591の下方から排水口593の下方に亘って設けられ、これら排水口591、593から放出された「捨て水」をボウル310の中に導くようにされている。
本具体例の場合、「捨て水」の排水チューブ592は、衛生洗浄便座装置本体500の前面510において、塞ぎ板525の横の下方に設けられた排水口594に接続されている。そして、排水路590は、排水口591の下方から排水口594の下方に亘って設けられ、これら排水口591、594から放出された「捨て水」をボウル310の中に導くようにされている。
すなわち、同図(a)は、脱臭装置の平面構成図、同図(b)は、脱臭装置の正面図、同図(c)は、脱臭装置の側面図である。
すなわち、本体部556にモータ557が設けられ、ボールネジ558を回転駆動可能とされている。一方、脱臭ノズル552には、ボールネジ558と螺合する軸受け555が設けられている。モータ557がボールネジ558を回転させると、その回転方向に応じて軸受け555に摺動方向の駆動力が作用し、脱臭ノズル552が所定の方向にスライドする。
すなわち、待機状態においては、脱臭ノズル552は、図15(a)の矢印Aの方向にスライドして衛生洗浄便座装置本体500の中に収納されている(ステップS102)。そして、使用者がトイレ装置の便座410に座ると、衛生洗浄便座装置本体500に設けられた着座センサ502(図1参照)がこれを検知する(ステップS104)。
すると、衛生洗浄便座装置本体500に内蔵された制御部(図示せず)の指令により、脱臭ノズル552がスライド進出して図15(a)に表した状態となる(ステップS106)。続けて、排気ファン560が低速動作を開始する(ステップS108)。つまり、ボウル310の中の空気は排気ファン560により吸引され、触媒部562により臭気が除去されて排出される。
すると、排気ファン560は高速運転を開始する(ステップS112)。これにより、使用者が立ち上がった直後のボウル310内の臭気を上方に逃がすことなく脱臭装置に吸引し、脱臭することができる。
すなわち、同図(a)は、温風乾燥装置の側面構成図、同図(b)は、温風乾燥装置の平面図、同図(c)は、温風乾燥装置の正面図である。
温風乾燥装置570は、送風ファン572と、その排出側に設けられたヒータ部574と、その下流に設けられた送風路576と、を有する。送風ファンは、衛生洗浄便座装置本体500の背面側から空気を取り込み、ヒータ部574に送風する。ヒータ部574において暖められた空気は、送風路576に送出される。送風路576は、洗浄ノズル530の両側に分岐して設けられている。これら送風路576から放出される温風は、衛生洗浄便座装置本体500の開口部520を介して、使用者の「おしり」に向けて放出される。このようにして、洗浄ノズル530により洗浄した後の濡れた「おしり」などに温風をあてることにより、迅速に乾燥させることができる。
すなわち、送風ファン572やヒータ部574のサイズや配置を考慮すると、送風路576の形状を工夫した場合でも、温風を水平方向に放出させることは容易ではなく、図19に表したように、温風は斜め下に向けて放出されてしまう。しかし、これでは、便座410に座った使用者の「おしり」に効率的に温風があたらない。
また本具体例においては、塞ぎ板525の開き角度に応じて温風の方向を変えることができるので、例えば、使用者が塞ぎ板525の開き角度を調節することにより、使用者の好みに応じた方向に温風を向けることができる。またさらに、塞ぎ板525の開き角度を周期的に変化させることにより温風の方向を周期的に変化させて、「おしり」の広い範囲にむらなく温風があたるようにすることもできる。
すなわち、本具体例においては、リニアアクチュエータ526が設けられ、矢印Aの方向に駆動する。塞ぎ板525は、スプリング(図示せず)などにより開く方向に付勢されている。そして、塞ぎ板525の裏面に設けられた凸部525Pを、リニアアクチュエータ526の下端の凸部526Pで押すことにより、塞ぎ板525を閉じたり、また所定の角度まで開くことができる。
また一方、洗浄ノズル530により塞ぎ板525の開き角度を調節してもよい。すなわち、塞ぎ板525をスプリングなどで閉じた位置に付勢しておき、洗浄ノズル530で塞ぎ板525を押して開けるようにすることができる。この場合には、洗浄ノズル530の進出量により塞ぎ板525の開き角度を調整できる。
まず、待機状態においては、洗浄ノズル530は収納状態にあり、塞ぎ板525は閉じられている(ステップS202)。
そして、使用者が便座410に座り、衛生洗浄便座装置本体500やリモコンを操作して吐水スイッチをオンする(ステップS204)と、塞ぎ板525がまず吐水位置(図20:P3)まで開く(ステップS206)。なおこの時、衛生洗浄便座装置本体500に設けられた着座センサ502(図1参照)が検知状態である場合のみ、洗浄ノズルの動作が許可されるようにしてもよい。
使用者が温風スイッチをオフにする(ステップS222)と、ヒータ部574と送風ファン572の通電が終了し(ステップS224)、塞ぎ板525が閉じられて(ステップS226)、待機状態に戻る(ステップS228)。
図22は、衛生洗浄便座装置本体500の筺体の構造を説明するための模式断面図である。すなわち、図22(a)は、本実施形態において用いることができる筺体の一例を表し、図22(b)は、比較例の筺体を表す。
しかし、この構造の場合、図22(b)に矢印で表したように、腰掛便器300と筺体との隙間に浸入した水分Hがこの継ぎ目に浸入しやすい。
図23(a)に表した具体例の場合、衛生洗浄便座装置本体500の前面510の下端に、略チューブ状のパッキン606が設けられている。
また、図23(b)に表した具体例の場合、衛生洗浄便座装置本体500の前面510の下端に、前方に向けて鋭角的に突出したパッキン608が設けられている。
すなわち、本具体例においては、衛生洗浄便座装置本体500の前面510の中央付近に片状のパッキン610が取り付けられている。このパッキン610は、前面510に沿って下方に延在し、腰掛便器300と衛生洗浄便座装置本体500との隙間を塞ぐことにより水分の浸入を抑制する。また、このようなパッキン610を設けることにより、汚れが隙間に詰まることがなく、例えば、雑巾などで表面を拭くことにより汚れを簡単に取り除くことができる。
300 腰掛便器
300F 平坦面
310 ボウル
400 便蓋
410 便座
500 衛生洗浄便座装置本体
502 着座センサ
510 前面
510C 中央付近
510E 両端付近
520 開口部
525 塞ぎ板
525P 凸部
526 リニアアクチュエータ
526P 凸部
530 洗浄ノズル
532 取り付け台
534〜538 シリンダ
550 脱臭装置
552 脱臭ノズル
553 蓋
554 フィルタ
555 軸受け
556 本体部
557 モータ
558 ボールネジ
560 排気ファン
562 触媒部
570 温風乾燥装置
572 送風ファン
574 ヒータ部
576 送風路
590 排水路
591 排水口
592 排水チューブ
593、594 排水口
602 ケースカバー
604 ケースプレート
Claims (6)
- 進退自在な洗浄ノズルを内蔵した衛生洗浄便座装置であって、腰掛便器の上部平坦面に設けられる本体と、前記本体に付設された便座と、
を備え、
前記本体は、前記腰掛便器のボウルに面する前面を有し、
前記前面は、前記ボウルに向けて傾斜した傾斜面を有し、
前記洗浄ノズルを突出させる開口部が前記傾斜面に設けられ、
前記開口部の開口を閉塞可能な塞ぎ板が前記開口部に設けられ、
前記洗浄ノズルからの捨て水を排出する第1の排水口が前記塞ぎ板の下に設けられ、
前記洗浄ノズル以外からの水を排出する第2の排水口が前記塞ぎ板の横に設けられ、
前記前面から下方に延在し、前記第1の排水口および前記第2の排水口から排出された水を前記ボウルに導く排水路が設けられたことを特徴とする衛生洗浄便座装置。 - 前記前面は、前記ボウルの一部を取り囲む湾曲面を有することを特徴とする請求項1記載の衛生洗浄便座装置。
- 前記前面は、略平面状であることを特徴とする請求項1記載の衛生洗浄便座装置。
- 前記本体は、前記前面と対向する背面と前記腰掛便器の前記上部平坦面に面する底面の一部とが一体成形されたケースプレートと、前記傾斜面と前記腰掛便器の前記上部平坦面に面する底面の一部とが一体成形されたケースカバーと、を含む筺体を有することを特徴とする請求項1〜3のいずれか1つに記載の衛生洗浄便座装置。
- 腰掛便器と、
請求項1〜4のいずれか1つに記載の衛生洗浄便座装置と、
を備えたことを特徴とするトイレ装置。 - 腰掛便器と、
請求項1または2に記載の衛生洗浄便座装置と、
を備え、
前記前面は、前記ボウルの側壁面と略連続する湾曲面を有することを特徴とするトイレ装置。
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