JP7494486B2 - 便座装置 - Google Patents

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Description

本発明の態様は、一般的に、便座装置に関する。
便座を洗浄するために、便座の表面と裏面に洗浄液を吐出する便座装置が知られている(例えば、特許文献1)。便座装置は、例えば、使用者がいない時に洗浄液を便座に吐出することにより、自動的に便座の洗浄を行う。
一方で、使用者が便座を清掃する際に、便座装置から便座に洗浄液を吐出できるようにしたいという要望もある。例えば、便座に吐出された洗浄液をトイレットペーパーなどを用いて拭き取ることにより、便座を手軽に清掃できるようにすることが望まれている。
便座を洗浄液で手軽に拭き取り清掃するためには、なるべく便座の広範囲に洗浄液を吐出することが好ましい。しかしながら、便座の広範囲に洗浄液を吐出しようとすると、洗浄液が便座の外側まで飛散してしまう可能性が生じる。便座の外側まで洗浄液が飛散してしまうと、実際には何ら影響がなかったとしても、使用者に不要な不安感などを与えしまうことが心配される。また、便座の外側に飛散しないように便座の広範囲に洗浄液を吐出しようとすると、洗浄液の吐出の制御が複雑になってしまう。
特開2019-112923号公報
本発明は、かかる課題の認識に基づいてなされたものであり、便座の外側への洗浄液の飛散及び洗浄液の吐出の制御の複雑化を抑制しつつ、吐出された洗浄液を用いて便座を適切に拭き取り清掃できるようにした便座装置を提供することを目的とする。
本発明は、便器のボウル部よりも後方に配置される本体部と、開口部を有し、前記本体部に回動可能に軸支される便座と、前記便座に洗浄液を吐出する洗浄液吐出部と、前記洗浄液吐出部の動作を制御する制御部と、使用者の操作情報を前記制御部に入力するための入力部と、を備え、前記制御部は、前記操作情報の入力に基づいて前記洗浄液を前記便座の一部の領域のみに吐出し、前記便座の表面、裏面、及び前記開口部の内側面における前記開口部の後端よりも前方に位置する洗浄対象部位を拭き取り清掃するために必要な量の前記洗浄液を前記一部の領域に滞留させる手動洗浄モードを有することを特徴とする便座装置である。
この便座装置によれば、手動洗浄モードによって便座の一部の領域のみに洗浄液を滞留させる。これにより、使用者がトイレットペーパーなどを用いて洗浄液を塗り広げることで、便座の洗浄対象部位を拭き取り清掃することができる。この際、洗浄液を便座の一部の領域のみに吐出することにより、便座の広範囲に洗浄液を吐出する場合と比べて、洗浄液が便座の外側に飛散してしまうことを抑制することができる。また、洗浄液を便座の一部の領域のみに吐出することにより、便座の外側に飛散しないように便座の広範囲に洗浄液を吐出する場合と比べて、洗浄液の吐出の制御が複雑になってしまうことも抑制することができる。従って、便座の外側への洗浄液の飛散及び洗浄液の吐出の制御の複雑化を抑制しつつ、吐出された洗浄液を用いて便座の洗浄対象部位を適切に拭き取り清掃できるようにした便座装置を提供することができる。さらには、使用者がトイレットペーパーなどの清掃用具を手で持って、洗浄液吐出部から吐出された洗浄液を清掃用具に直接的に付着させる場合と比べて、洗浄液が使用者の手に付着してしまうことを抑制し易くすることもできる。
本発明の態様によれば、便座の外側への洗浄液の飛散及び洗浄液の吐出の制御の複雑化を抑制しつつ、吐出された洗浄液を用いて便座を適切に拭き取り清掃できるようにした便座装置が提供される。
第1の実施形態に係るトイレ装置を模式的に表す斜視図である。 第1の実施形態に係る便座装置の要部構成を模式的に表すブロック図である。 第1の実施形態に係る便座装置の一部を模式的に表す断面図である。 第1の実施形態に係る便座装置の一部を模式的に表す平面図である。 第1の実施形態に係る便座装置の変形例の一部を模式的に表す断面図である。 第2の実施形態に係る便座装置の一部を模式的に表す断面図である。 第2の実施形態に係る便座装置の一部を模式的に表す底面図である。 第3の実施形態に係る便座装置の一部を模式的に表す断面図である。 第3の実施形態に係る便座装置の一部を模式的に表す底面図である。 第4の実施形態に係る便座装置の一部を模式的に表す平面図である。 第5の実施形態に係る便座装置の要部構成を模式的に表すブロック図である。 第6の実施形態に係る便座装置の要部構成を模式的に表すブロック図である。 第6の実施形態に係る便座装置の変形例を模式的に表すブロック図である。 第7の実施形態に係る便座装置の一部を模式的に表す断面図である。
以下、本発明の実施形態について図面を参照しつつ説明する。なお、各図面中、同様の構成要素には同一の符号を付して詳細な説明は適宜省略する。
(第1の実施形態)
図1は、第1の実施形態に係るトイレ装置を模式的に表す斜視図である。
図1に表したように、トイレ装置2は、洋式腰掛便器(以下説明の便宜上、単に「便器100」と称する)と、便座装置10と、を備える。便器100は、汚物を受ける凹状のボウル部101を有する。便座装置10は、便器100の上部に設置されている。
便座装置10は、便器100のボウル部101よりも後方に配置される本体部12と、本体部12に回動可能に軸支される便座14と、本体部12に回動可能に軸支される便蓋16と、を備える。図1では、便座14が閉じた状態(下げられた状態)、及び便蓋16が開いた状態(上げられた状態)を表している。便蓋16は、閉じた状態では、便座14を上方から覆う。なお、本願明細書において、「上方」、「下方」、「前方」、「後方」、「左側方」、及び「右側方」のそれぞれは、開いた便蓋16に背を向けて便座14に座った使用者から見た方向である。
図2は、第1の実施形態に係る便座装置の要部構成を模式的に表すブロック図である。 なお、図2は、便座装置10の水路系と電気系の要部構成を併せて表している。
図2に表したように、本体部12は、使用者が便座14に座ったことを検知する着座検知センサ20を有する。また、本体部12は、身体洗浄機能部58を有する。身体洗浄機能部58は、本体部12の内部に内蔵され、便座14に座った使用者の人体局部(「おしり」など)の洗浄を実現する。
着座検知センサ20が便座14に座った使用者を検知している場合において、使用者が例えばリモコンなどの手動操作部24を操作すると、身体洗浄機能部58の洗浄ノズル58a(以下説明の便宜上、単に「ノズル58a」と称する)を便器100のボウル部101内に進出させることができる。なお、図1では、ノズル58aがボウル部101内に進出した状態を表している。
ノズル58aの先端部には、ひとつまたは複数の吐水口が設けられている。そして、ノズル58aは、その先端部に設けられた吐水口から水を噴射して、便座14に座った使用者の「おしり」などを洗浄することができる。
この例において、便座装置10は、換言すれば、身体洗浄機能部58を有する衛生洗浄装置である。但し、便座装置10は、必ずしも身体洗浄機能部58を有していなくてもよい。便座装置10は、例えば、便座14の暖房機能を有する暖房便座装置などでもよい。
着座検知センサ20は、使用者の便座14への着座の有無を検知することができる。着座検知センサ20は、使用者の着座及び離座を検知する。着座検知センサ20には、マイクロ波センサ、測距センサ(赤外線投光式センサ)、超音波センサ、タクトスイッチ、静電容量スイッチ(タッチセンサ)、または歪みセンサを用いることができる。
なお、タクトスイッチ、静電センサ及び歪みセンサなどのセンサを用いる場合には、これらのセンサは、便座14に設けられる。便座14に使用者が座ると、使用者の体重によってタクトスイッチが押下される。または、使用者が静電センサの上に着座する。または、使用者の体重によって歪みセンサに圧力が加えられる。これらのセンサからの電気信号により、使用者の着座を検知することができる。
人体検知センサ22は、便器100の前方にいる使用者、すなわち便座14から前方へ離れた位置に存在する使用者を検知する。つまり、人体検知センサ22は、トイレ室に入室して便座14に近づいてきた使用者を検知する。このような人体検知センサとして、例えば焦電センサ、マイクロ波センサ、超音波センサ、または測距センサ(赤外線投光式センサ)を用いることができる。人体検知センサ22は、トイレ室のドアを開けて入室した直後の使用者や、トイレ室に入室する直前の使用者、すなわちトイレ室に入室しようとしてドアの前に存在する使用者を検知してもよい。例えば、マイクロ波センサを用いた場合には、トイレ室のドア越しに使用者の存在を検知することもできる。
手動操作部24は、例えば、スイッチまたはボタンなどを有するリモコンである。手動操作部24は、使用者からの操作指示の入力を受け付け、入力された操作指示に基づく使用者の操作情報(信号)を制御部70に入力する。制御部70は、手動操作部24から入力された操作情報に基づいて便座装置10の各部の動作を制御する。なお、手動操作部24と制御部70との間の通信は、有線でもよいし、無線でもよい。
また、本体部12の内部には、便座用モータ26、便蓋用モータ28、便座ヒータ30、送風装置32、温風ヒータ34、及び風向き変更部36が設けられている。便座用モータ26は、制御部70からの指令に基づいて、電動で便座14を回動させ開閉する。便蓋用モータ28は、制御部70からの指令に基づいて、電動で便蓋16を回動させ開閉する。
便座ヒータ30は、例えば便座14の内部に設けられている。便座ヒータ30は、制御部70からの指令に基づいて通電が行われることで、便座14の着座面を内側から温める。便座ヒータ30には、例えば、チュービングヒータや、シーズヒータ、ハロゲンヒータ、カーボンヒータなどが用いられる。
送風装置32は、例えば本体部12の内部に設けられたファンである。送風装置32は、制御部70からの指令に基づいて動作する。送風装置32は、例えばモータの回転に伴い羽根が回転することにより、便器100内(ボウル部101内)に向けて送風することができる。送風装置32は、例えばモータの回転制御により、風量を変更可能な風量変更部となっている。送風装置32は、例えば、便座14に座った使用者の局部に向けて送風する。
温風ヒータ34は、送風装置32によって本体部12の外部へ送られる空気を温める。これにより、使用者の局部に向けて温風を送り、局部を乾燥させることができる。また、風向き変更部36は、本体部12から便器100内に向けて送られる風の向きを変更する。風向き変更部36は、例えばモータによりダンパやルーバなどの向きを変更させて、便器100内に送出される風の向きを変更する。また、風向き変更部36は、コアンダ効果により風の向きを可変に制御してもよい。
水路系において、便座装置10は、管路40~43、電磁弁50、バキュームブレーカ52、除菌水生成部54、切替弁56、ノズル58a、ノズル洗浄室58c、及び洗浄液吐出部60を有する。これらは、本体部12内に配置されている。
管路40は、水道や貯水タンクなどの図示しない給水源から供給された水を洗浄液吐出部60やノズル58aなどに導くためのものである。管路40の上流側には、電磁弁50が設けられている。電磁弁50は、開閉可能な電磁バルブであり、本体部12の内部に設けられた制御部70からの指令に基づいて水の供給を制御する。
管路40上において、電磁弁50の下流には、バキュームブレーカ52が設けられている。このバキュームブレーカ52は、例えば水を流すための流路と、流路内に空気を取り込むための吸気口と、吸気口を開閉する弁機構と、を有する。弁機構は、例えば流路に水が流れているときに吸気口を塞ぎ、水の流れの停止とともに吸気口を開放して流路内に空気を取り込む。すなわち、バキュームブレーカ52は、管路40に水の流れがないときに、空気を取り込む。弁機構には、例えばフロート弁が用いられる。バキュームブレーカ52は、上記のように管路40内に空気を取り込むことにより、例えば管路40のバキュームブレーカ52よりも下流の部分の水抜きを促進させる。バキュームブレーカ52は、例えば、ノズル58aや洗浄液吐出部60からの水抜きを促進する。
管路40上において、バキュームブレーカ52の下流には、除菌水を生成する除菌水生成部54が設けられている。除菌水生成部54は、例えば次亜塩素酸などを含む除菌水を生成する。除菌水生成部54としては、例えば電解槽ユニットが挙げられる。電解槽ユニットは、制御部70からの通電の制御によって、陽極板(図示せず)と陰極板(図示せず)との間の空間(流路)を流れる水道水を電気分解する。なお、除菌水は、次亜塩素酸を含むものには限定されない。除菌水は、例えば銀イオンや銅イオンなどの金属イオンを含む溶液、電解塩素やオゾンなどを含む溶液、酸性水またはアルカリ水などでもよい。除菌水生成部54は電解槽に限らず、除菌水を生成可能な任意の構成でよい。
管路40上において、除菌水生成部54の下流には、切替弁56が設けられている。切替弁56の下流には、身体洗浄機能部58のノズル58aやノズル洗浄室58c、洗浄液吐出部60が設けられている。管路40は、切替弁56により、ノズル58aへ水を導く管路41、ノズル洗浄室58cへ水を導く管路42、及び洗浄液吐出部60へ水を導く管路43に分岐している。切替弁56は、制御部70からの指令に基づいて、管路41、管路42、及び管路43のそれぞれの開閉を制御する。つまり、切替弁56は、ノズル58a、ノズル洗浄室58c、及び洗浄液吐出部60への水の供給を制御する。切替弁56は、制御部70からの指令に基づいて、給水源から供給された水道水又は除菌水生成部54から供給された除菌水を、ノズル58a、ノズル洗浄室58c、及び洗浄液吐出部60のいずれかに選択的に供給する。切替弁56は、例えば、水を供給する経路を切り替えるとともに、下流に供給する水の流量を調整できるようにしてもよい。
身体洗浄機能部58は、ノズル58a、ノズルモータ58b、ノズル洗浄室58c、及びノズルダンパ58dを有している。ノズル58aは、非使用時にはノズルダンパ58dの後方に位置して本体部12内に収納されている。そして、人体局部の洗浄時などにおいて、ノズル58aは、ノズルモータ58bからの駆動力を受け、本体部12に対して開閉可能なノズルダンパ58dを押圧して、便器100のボウル部101内に進出する。ノズルモータ58bは、制御部70からの指令に基づいて駆動する。ノズル58aは、本体部12から前方へ進出した状態で、吐水口から水を吐出して、人体局部を洗浄する。ノズル洗浄室58cは、その内部に設けられた吐水口から除菌水あるいは水道水を噴射することにより、ノズル58aの外周表面(胴体)を洗浄する。
洗浄液吐出部60は、便座14に洗浄液を吐出する。洗浄液吐出部60は、便座14に向けて洗浄液を吐出し、便座14に洗浄液を付着させることにより、使用者による便座14の拭き取り清掃を可能にする。このように、便座装置10では、洗浄液吐出部60から便座14に洗浄液を吐出し、トイレットペーパーなどの清掃用具を用いて使用者に便座14の拭き取り清掃を行わせることにより、洗浄液による便座14の洗浄を手軽に行うことができる。
洗浄液吐出部60は、除菌水生成部54で生成された除菌水を洗浄液として便座14に吐出する。これにより、便座14の洗浄を行うことができるとともに、便座14の除菌も行うことができる。但し、洗浄液は、除菌水に限ることなく、例えば、給水源から供給された水道水などでもよい。洗浄液は、便座14の洗浄が可能な任意の液体でよい。
制御部70には、図示しない電源回路から電力を供給される回路が用いられる。制御部70は、例えばマイコンなどの集積回路を含む。制御部70は、使用者を検知する人体検知センサ22または着座検知センサ20の検知情報、手動操作部24の操作情報に基づいて、便座用モータ26、便蓋用モータ28、便座ヒータ30、送風装置32、温風ヒータ34、風向き変更部36、電磁弁50、バキュームブレーカ52、除菌水生成部54、切替弁56、ノズルモータ58b、及び洗浄液吐出部60を制御する。
制御部70は、人体検知センサ22の検知情報(使用者の存在の有無を示す信号)や、着座検知センサ20の検知情報(使用者の着座の有無を示す信号)を受信し、受信した検知情報に基づいて、便座装置10の各部の動作を制御する。
このように、便座装置10は、便器100のボウル部101よりも後方に配置される本体部12と、本体部12に回動可能に軸支される便座14と、便座14に洗浄液を吐出する洗浄液吐出部60と、洗浄液吐出部60の動作を制御する制御部70と、使用者の操作情報を制御部70に入力するための手動操作部24(入力部)と、を備える。
なお、使用者の操作情報を制御部70に入力するための手動操作部24は、リモコンなどに限ることなく、本体部12に一体的に設けられた操作パネルなどでもよい。また、使用者の操作情報は、例えば、スマートフォンなどの外部端末からインターネットなどのネットワークを介して制御部70に入力してもよい。この場合には、ネットワークを介して外部端末と通信を行うための通信機器を、使用者の操作情報を制御部70に入力するための入力部とすればよい。このように、入力部は、使用者の操作を受け付けて操作情報を制御部70に入力する操作部でもよいし、通信によって受信した操作情報を制御部70に入力する通信機器でもよい。入力部の構成は、操作情報を制御部70に入力可能な任意の構成でよい。
図3は、第1の実施形態に係る便座装置の一部を模式的に表す断面図である。
図4は、第1の実施形態に係る便座装置の一部を模式的に表す平面図である。
図2~図4に表したように、洗浄液吐出部60は、ノズル62と、ノズル駆動部64と、を有する。ノズル62は、便座14に向けて洗浄液を吐出するための吐出口62aを有する。ノズル62は、例えば、連続した流水状の洗浄液を吐出口62aから吐出する。
ノズル駆動部64は、本体部12内に収納した位置(図3において二点鎖線で表した位置)と、ボウル部101内に進出した位置(図3において実線で表した位置)と、にノズル62を移動させる。
洗浄液吐出部60は、ノズル駆動部64を駆動し、ボウル部101内に進出した位置にノズル62を移動させた状態で、ノズル62の吐出口62aから洗浄液(除菌水)を吐出することにより、便座14に洗浄液を吐出する。
また、ノズル駆動部64は、ノズル62の進退移動の位置(前後方向の位置)、左右方向を軸とするノズル62の傾きの角度、あるいは進退移動の軸を回転軸とするノズル62の回転の角度などを調整することにより、ノズル62から吐出される洗浄液の吐出の範囲を調整する。これにより、便座14のより広い範囲に流水状の洗浄液を吐出することができる。なお、ノズル62から吐出される洗浄液の吐出の範囲を調整する構成は、上記に限ることなく、吐出の範囲を適切に調整することができる任意の構成でよい。また、ノズル駆動部64は、必ずしもノズル62から吐出される洗浄液の吐出の範囲を調整する構成を有しなくてもよい。ノズル駆動部64は、ノズル62の進退移動のみを行う構成でもよい。
ノズル62は、便器100のボウル部101に向けて洗浄液を吐出する吐出口62bをさらに有する。吐出口62bは、例えば、洗浄液をミスト状にしてボウル部101に吐出する。吐出口62bは、換言すれば、ミスト状の洗浄液をボウル部101に噴霧する。吐出口62bは、換言すれば、噴霧口である。これにより、洗浄液を流水状に吐出する場合と比べて、洗浄液をボウル部101のより広い範囲に吐出することができる。
このように、洗浄液吐出部60は、便器100内にも洗浄液を吐出可能である。便座装置10は、着座検知センサ20と人体検知センサ22とを便座装置10の使用状況を検知する検知部として備えている。制御部70は、着座検知センサ20又は人体検知センサ22の検知結果に基づいて、便器100内に向けて洗浄液(除菌水)を吐出する自動便器洗浄モードを有する。
制御部70は、例えば、人体検知センサ22が使用者を検知した際に、ノズル62の吐出口62bからボウル部101に水道水を吐出することにより、ボウル部101のボウル面を濡らす。これにより、ボウル部101のボウル面に汚物などを付着し難くすることができる。また、制御部70は、例えば、使用者の便座装置10から離れる動きを人体検知センサ22が検知した際に、ノズル62の吐出口62bからボウル部101に除菌水を吐出することにより、ボウル部101のボウル面を除菌する。これにより、ボウル部101に黒ずみなどが生じてしまうことを抑制することができる。
なお、検知部は、着座検知センサ20のみでもよいし、人体検知センサ22のみでもよい。また、検知部は、着座検知センサ20や人体検知センサ22に限ることなく、便座装置10の使用状況を検知可能な任意のセンサなどでよい。
この例では、便座14に向けて洗浄液を吐出するための吐出口62aと、ボウル部101に向けて洗浄液を吐出する吐出口62bと、を1つのノズル62に設けている。ボウル部101に向けて洗浄液を吐出する吐出口62bは、例えば、便座14に向けて洗浄液を吐出するための吐出口62aを有するノズル62とは別のノズルなどに設けてもよい。洗浄液吐出部60は、便座14に向けて洗浄液を吐出するための吐出口62aを有するノズル62と、ボウル部101に向けて洗浄液を吐出する吐出口62bを有するノズルと、の2つのノズルを有してもよい。
洗浄液吐出部60の構成は、上記に限ることなく、便座14及びボウル部101に洗浄液を吐出可能な任意の構成でよい。また、洗浄液吐出部60は、必ずしもボウル部101に洗浄液を吐出可能でなくてもよい。洗浄液吐出部60の構成は、少なくとも便座14に洗浄液を吐出可能な任意の構成でよい。
例えば、この例では、局部洗浄用のノズル58aとは別に、洗浄液を吐出するためのノズル62を設けているが、流水状の洗浄液を吐出する場合には、局部洗浄用のノズル58aを用いて便座14に洗浄液を吐出してもよい。換言すれば、身体洗浄機能部58を洗浄液吐出部60として用いてもよい。ノズル62及びノズル駆動部64は、必要に応じて設けられ、省略可能である。
図4に表したように、便座14は、便座本体14aと、便座本体14aの後端に設けられた一対のヒンジ部14bと、を有する。一対のヒンジ部14bは、例えば、便座本体14aの後端の両側端部から後方に向かって延びる。本体部12は、一対のヒンジ部14bを介して便座14を開閉可能に軸支する。
この例において、便座14の構成は、本体部12を一対のヒンジ部14bで挟む外側ヒンジの構成である。便座14の構成は、これとは反対に、便座本体14aの後端の中央部に設けられた1つのヒンジ部14bの両側を本体部12で挟む内側ヒンジの構成としてもよい。
外側ヒンジの構成の場合、便座本体14aは、換言すれば、便座14を閉じた状態において、便座14の左右方向の中央における後端よりも前方側の部分である。一方、内側ヒンジの構成の場合、便座本体14aは、換言すれば、便座14を閉じた状態において、便座14の後端の左右端よりも前方側の部分である。
便座本体14aは、開口部14cを有する。便座本体14aは、ボウル部101の外縁を囲むように便器100の上に設けられ、開口部14cを介してボウル部101を露呈させる。これにより、使用者は、便座14に座った状態でボウル部101に排泄を行うことができる。この例では、貫通孔状の開口部14cが形成された、いわゆるO型の便座14を示している。便座14は、O型に限ることなく、U字型などでもよい。
便座14の便座本体14aは、表面USと、裏面LSと、外側面OSと、を有する。表面USは、換言すれば、便座14を閉じた状態における便座本体14aの上面である。表面USは、換言すれば、使用者が着座する着座面である。裏面LSは、換言すれば、便座14を閉じた状態における便座本体14aの下面である。また、便座14は、開口部14cを有することにより、内側面ISをさらに有する。外側面OSは、便座本体14aの外側を向く側面であり、内側面ISは、便座本体14aの内側(開口部14c側)を向く側面である。
制御部70は、手動操作部24からの操作情報の入力に基づいて洗浄液を便座14の一部の領域のみに吐出し、便座14の洗浄対象部位CTPを拭き取り清掃するために必要な量の洗浄液を一部の領域に滞留させる手動洗浄モードを有する。なお、以下では、手動洗浄モードにおいて洗浄液を吐出する一部の領域を便宜的に吐出領域SDAと称す。便座14の洗浄対象部位CTPは、例えば、便座14の表面US、裏面LS、及び開口部14cの内側面ISにおける開口部14cの後端よりも前方に位置する部位である。
吐出領域SDAの面積は、例えば、洗浄対象部位CTPの面積の90%以下である。換言すれば、吐出領域SDAの面積は、開口部14cの後端よりも前方に位置する表面US、裏面LS、及び内側面ISの合計の面積の90%以下である。吐出領域SDAの面積は、例えば、洗浄対象部位CTPの面積の60%以下であることがより好ましい。これにより、洗浄液が便座14の外側に飛散してしまうことを抑制し易くすることができる。また、吐出領域SDAの面積は、例えば、洗浄対象部位CTPの面積の10%以上であることが好ましい。これにより、便座14の洗浄対象部位CTPを拭き取り清掃するために必要な量の洗浄液を吐出領域SDAに滞留させ易くすることができる。吐出領域SDAの面積は、例えば、洗浄対象部位CTPの面積の30%以上であることがより好ましい。これにより、便座14の洗浄対象部位CTPを拭き取り清掃するために必要な量の洗浄液を吐出領域SDAにより滞留させ易くすることができる。吐出領域SDAの面積は、なるべく狭くすることが好適である。吐出領域SDAの面積は、例えば、便座14の洗浄対象部位CTPを拭き取り清掃するために必要な量の洗浄液を滞留させることが可能な最小の面積とすることが好適である。
前述のように、制御部70は、自動便器洗浄モードにおいて、便器100内に洗浄液を吐出する。この際、制御部70は、ノズル62の吐出口62bから洗浄液を吐出することにより、ボウル部101の比較的広範囲に洗浄液を吐出する。図3及び図4に表したように、自動便器洗浄モードにおける洗浄液の吐出の範囲BDA(図4においてハッチングを施した範囲)は、例えば、ボウル部101のボウル面の略全体である。手動洗浄モードにおける洗浄液の吐出領域SDA(吐出の範囲)は、自動便器洗浄モードにおける洗浄液の吐出の範囲BDAよりも狭い。
制御部70は、例えば、手動洗浄モードにおいて吐出領域SDAに滞留させる洗浄液の量を0.05μL/cm以上とする。また、制御部70は、例えば、手動洗浄モードにおいて吐出領域SDAに滞留させる洗浄液の量を3000μL/cm以下とする。便座14の洗浄対象部位CTPを拭き取り清掃するために必要な量とは、例えば、0.05μL/cm以上3000μL/cm以下である。これにより、レギュラーサイズの便座14又はエロンゲートサイズの便座14において、便座本体14aの表面US、裏面LS、及び内側面IS(洗浄対象部位CTP)の拭き取り清掃を適切に行うことができる。
制御部70は、例えば、便座本体14aの内側面ISに吐出領域SDAを設定する。図3及び図4に表したように、制御部70は、例えば、便座本体14aの前方側の内側面ISに吐出領域SDAを設定する。図3の丸囲み部に表したように、制御部70は、例えば、便座本体14aの前方側の内側面ISに吐出領域SDAを設定することにより、手動洗浄モードにおいて便座本体14aの前方側の内側面ISに洗浄液CLを滞留させる。また、制御部70は、便座本体14aの表面US以外に吐出領域SDAを設定する。制御部70は、例えば、便座本体14aの前方側の内側面ISのみに吐出領域SDAを設定する。
以上、説明したように、本実施形態に係る便座装置10は、手動洗浄モードによって便座14の一部の領域(吐出領域SDA)のみに洗浄液を滞留させる。これにより、使用者がトイレットペーパーなどを用いて洗浄液を塗り広げることで、便座14の洗浄対象部位CTPを拭き取り清掃することができる。この際、洗浄液を便座14の一部の領域のみに吐出することにより、便座14の広範囲に洗浄液を吐出する場合と比べて、洗浄液が便座14の外側に飛散してしまうことを抑制することができる。また、洗浄液を便座14の一部の領域のみに吐出することにより、便座14の外側に飛散しないように便座14の広範囲に洗浄液を吐出する場合と比べて、洗浄液の吐出の制御が複雑になってしまうことも抑制することができる。従って、便座14の外側への洗浄液の飛散及び洗浄液の吐出の制御の複雑化を抑制しつつ、吐出された洗浄液を用いて便座14の洗浄対象部位CTPを適切に拭き取り清掃できるようにした便座装置10を提供することができる。さらには、使用者がトイレットペーパーなどの清掃用具を手で持って、洗浄液吐出部60から吐出された洗浄液を清掃用具に直接的に付着させる場合と比べて、洗浄液が使用者の手に付着してしまうことを抑制し易くすることもできる。
また、便座装置10では、吐出領域SDAの面積を、洗浄対象部位CTPの面積の90%以下とすることにより、便座14の外側への洗浄液の飛散及び洗浄液の吐出の制御の複雑化をより抑制し易くすることができる。
また、便座装置10では、制御部70が、手動洗浄モードにおいて吐出領域SDAに滞留させる洗浄液の量を0.05μL/cm以上とする。これにより、便座14の洗浄対象部位CTPを拭き取り清掃するために必要な量の洗浄液を便座14の吐出領域SDAに適切に滞留させ、便座14の洗浄対象部位CTPの拭き取り清掃を適切に行うことができる。また、トイレットペーパーなどの清掃用具を適度に濡らすことができ、拭き取り動作時に清掃用具によって便座14に傷が付いてしまうことを抑制することができる。
また、便座装置10では、制御部70が、手動洗浄モードにおいて吐出領域SDAに滞留させる洗浄液の量を3000μL/cm以下とする。これにより、便座14の洗浄対象部位CTPを拭き取り清掃するために必要な量の洗浄液を便座14の吐出領域SDAに適切に滞留させ、便座14の洗浄対象部位CTPの拭き取り清掃を適切に行うことができる。また、例えば、トイレットペーパーを清掃用具として用いる場合に、トイレットペーパーが濡れ過ぎて、拭き取り動作時に破れてしまうことを抑制することができる。
また、便座装置10では、制御部70が、便座14の内側面ISに吐出領域SDAを設定する。このように、便座14の内側面ISに洗浄液を滞留させることで、使用者は、便座14が閉じた状態において、便座14の裏面LSまで手を入れることなく、トイレットペーパーなどの清掃用具に洗浄液を付着させ、便座14の表面USなどを拭き取り清掃することができる。
また、便座装置10では、制御部70が、便座14の表面US以外に吐出領域SDAを設定する。これにより、便座14の拭き取り清掃をより適切に行うことができる。また、便座14の表面USは、汚れ負荷が低いため、清掃用具で洗浄液を塗り広げるだけでも、適切に拭き取り清掃を行うことができる。
また、便座装置10では、手動洗浄モードにおける洗浄液の吐出の範囲を、自動便器洗浄モードにおける洗浄液の吐出の範囲よりも狭くすることにより、便座14の外側への洗浄液の飛散及び洗浄液の吐出の制御の複雑化をより抑制し易くすることができる。
図5は、第1の実施形態に係る便座装置の変形例の一部を模式的に表す断面図である。 図5に表したように、この例において、便座14の便座本体14aは、内側面ISから裏面LSよりも下方まで突出した突出部14pを有する。なお、上記実施形態と機能・構成上実質的に同じものについては、同符号を付し、詳細な説明を省略する。これは、以下の実施形態においても、同様とする。
突出部14pは、例えば、便座14を閉じた状態において、便器100の上端面102(リム面)よりも内側に位置するとともに、便器100の上端面102よりも下方まで突出する。換言すれば、便座14を閉じた状態において、突出部14pの下端は、便器100の上端面102よりも下方に位置する。
突出部14pは、ボウル部101の内側から外側に向かって水平方向に見た時に、便座本体14aの裏面LSと便器100の上端面102との間に空く隙間を覆う。これにより、突出部14pは、例えば、便座14に着座した男性使用者から排出された尿が、便座本体14aの裏面LSと便器100の上端面102との間に空く隙間から便器100の外部に漏れ出てしまうことを抑制する。突出部14pは、内側面ISの前方側の部分のみに設けてもよいし、内側面ISの全周にわたって設けてもよい。突出部14pは、上記のような便器100の外側への尿の漏れを抑制できるように、少なくとも内側面ISの前方側の部分(内側面ISの前後方向の中央よりも前方の部分)に設けられていればよい。
突出部14pは、例えば、便座本体14aの内側面ISと連続面を形成する。突出部14pは、例えば、便座本体14aの内側面ISと連続面を形成するように曲がった曲面部を有する。これにより、例えば、内側面ISに当たった尿などを突出部14pに誘い込み、内側面ISに当たった尿などを突出部14pで捕集し易くすることができる。
また、突出部14pは、例えば、便座本体14aの裏面LSと連続面を形成する。突出部14pは、例えば、便座本体14aの裏面LSと連続面を形成するように曲がった曲面部を有する。これにより、例えば、ボウル部101から跳ねて裏面LSに当たってしまった尿などを突出部14pに誘い込み、裏面LSに当たってしまった尿などを突出部14pで捕集し易くすることができる。
この例において、制御部70は、便座14の突出部14pに吐出領域SDAを設定する。制御部70は、例えば、便座本体14aの前方側の内側面IS及び突出部14pに吐出領域SDAを設定する。
このように、この例では、便座14が、突出部14pを有する。これにより、便座本体14aの裏面LSと便器100の上端面102との間に尿などが入り込んでしまうことを抑制することができる。そして、この例では、制御部70が、突出部14pに吐出領域SDAを設定する。このように、汚れ負荷の大きい部分である突出部14pに洗浄液を直接的に吐出することにより、突出部14pを拭き取り清掃し易くすることができる。
(第2の実施形態)
図6は、第2の実施形態に係る便座装置の一部を模式的に表す断面図である。
図7は、第2の実施形態に係る便座装置の一部を模式的に表す底面図である。
図6及び図7に表したように、この例において、制御部70は、便座本体14aの裏面LSの前方部に吐出領域SDAを設定する。裏面LSの前方部とは、例えば、裏面LSを前後方向の長さを基準に三等分した時の前方側の三分の一の部分である。
この例においても、制御部70は、便座本体14aの表面US以外に吐出領域SDAを設定する。さらに、制御部70は、便座本体14aの裏面LSの前後方向の中央部以外に吐出領域SDAを設定する。裏面LSの前後方向の中央部とは、例えば、裏面LSを前後方向の長さを基準に三等分した時の中央の三分の一の部分である。制御部70は、例えば、便座本体14aの裏面LSの前方部のみに吐出領域SDAを設定する。
便座本体14aの裏面LSの前方部に吐出領域SDAを設定する場合にも、吐出領域SDAの面積は、例えば、洗浄対象部位CTPの面積の90%以下である。また、便座本体14aの裏面LSの前方部に吐出領域SDAを設定する場合にも、吐出領域SDAは、自動便器洗浄モードにおける洗浄液の吐出の範囲BDAよりも狭い。
この例では、例えば、図6に表したように、閉じた状態の便座14に対し、便座本体14aの裏面LSと便器100の上端面102との間の隙間から裏面LSに向けて洗浄液を吐出することで、裏面LSに設定された吐出領域SDAに洗浄液を滞留させることができる。
また、この例では、便座14が、弾性部材14dをさらに有する。弾性部材14dは、裏面LSの外縁に沿って設けられ、便座本体14aの裏面LSと便器100の上端面102との間の隙間を塞ぐ。弾性部材14dは、裏面LSの前方部の外縁に設けられる。これにより、裏面LSの前方部に設定された吐出領域SDAに滞留した後の洗浄液が、便器100の外側に漏れ出てしまうことを抑制することができる。弾性部材14dは、例えば、裏面LSの全周の外縁に設けてもよい。これにより、吐出領域SDAに滞留した後の洗浄液が、便器100の外側に漏れ出てしまうことを、より確実に抑制することができる。
但し、弾性部材14dは、必要に応じて設けられ、省略可能である。例えば、裏面LSの前方部に向けて洗浄液を吐出するだけで、吐出領域SDAに適切に洗浄液を滞留させることができ、便器100の外側に洗浄液が漏れ出る可能性が低い場合には、弾性部材14dを設けなくてもよい。
このように、この例では、制御部70が、便座本体14aの裏面LSの前方部に吐出領域SDAを設定する。このように、便座14に着座した男性使用者の排尿が飛散し易い便座本体14aの裏面LSの前方部に洗浄液を直接的に吐出することにより、汚れ負荷の大きい便座本体14aの裏面LSの前方部を拭き取り清掃し易くすることができる。
また、この例では、制御部70が、便座本体14aの裏面LSの前後方向の中央部以外に吐出領域SDAを設定する。このように、洗浄液を吐出する吐出領域SDAを汚れ負荷の低い便座本体14aの裏面LSの前後方向の中央部以外の部分に設定することで、便座14の洗浄対象部位CTPの拭き取り清掃をより適切に行うことができる。また、便座本体14aの裏面LSの前後方向の中央部は、汚れ負荷が低いため、清掃用具で洗浄液を塗り広げるだけでも、適切に拭き取り清掃を行うことができる。
(第3の実施形態)
図8は、第3の実施形態に係る便座装置の一部を模式的に表す断面図である。
図9は、第3の実施形態に係る便座装置の一部を模式的に表す底面図である。
図8及び図9に表したように、この例において、制御部70は、便座本体14aの裏面LSの後方部に吐出領域SDAを設定する。裏面LSの後方部とは、例えば、裏面LSを前後方向の長さを基準に三等分した時の後方側の三分の一の部分である。
この例においても、制御部70は、便座本体14aの表面US以外に吐出領域SDAを設定する。さらに、制御部70は、便座本体14aの裏面LSの前後方向の中央部以外に吐出領域SDAを設定する。制御部70は、例えば、便座本体14aの裏面LSの後方部のみに吐出領域SDAを設定する。
便座本体14aの裏面LSの後方部に吐出領域SDAを設定する場合にも、吐出領域SDAの面積は、例えば、洗浄対象部位CTPの面積の90%以下である。また、便座本体14aの裏面LSの後方部に吐出領域SDAを設定する場合にも、吐出領域SDAは、自動便器洗浄モードにおける洗浄液の吐出の範囲BDAよりも狭い。
この例では、例えば、図8に表したように、閉じた状態の便座14に対し、便座本体14aの裏面LSと本体部12との間の隙間から裏面LSに向けて洗浄液を吐出することで、裏面LSに設定された吐出領域SDAに洗浄液を滞留させることができる。
この場合、例えば、便座本体14aの裏面LSの外縁に弾性部材を設け、便座本体14aの裏面LSと本体部12との間の隙間、及び便座本体14aの裏面LSと便器100の上端面102との間の隙間を塞ぐことにより、便器100の外側への洗浄液の漏れを抑制してもよい。例えば、便座本体14aの裏面LSの後方部のうち、左右方向の中央部にのみ吐出領域SDAを設定した場合など、洗浄液が便器100の外側に漏れてしまう可能性が低い場合には、必ずしも弾性部材などを設けなくてもよい。
このように、この例では、制御部70が、便座本体14aの裏面LSの後方部に吐出領域SDAを設定する。このように、排便時に便器100のボウル部101内に溜まった汚水などが跳ね返り易い便座本体14aの裏面LSの後方部に洗浄液を直接的に吐出することにより、汚れ負荷の大きい便座本体14aの裏面LSの後方部を拭き取り清掃し易くすることができる。
(第4の実施形態)
図10は、第4の実施形態に係る便座装置の一部を模式的に表す平面図である。
図10に表したように、この例において、制御部70は、手動洗浄モードにおいて、吐出領域SDAを便座14の複数の箇所に分けて設定し、便座14の洗浄対象部位CTPを拭き取り清掃するために必要な量の洗浄液を複数の箇所に分散させて滞留させる。
例えば、図10に表したように、ノズル駆動部64が、吐出口62aの向きを変化させるようにノズル62を移動させる。これにより、便座14の複数の箇所に洗浄液を吐出することができる。但し、便座14の複数の箇所に洗浄液を吐出する構成は、上記に限定されるものではない。例えば、便座14の複数の箇所のそれぞれに対応する複数のノズル62を設けることによって、便座14の複数の箇所に洗浄液を吐出できるようにしてもよい。あるいは、便座14の複数の箇所のそれぞれに対応する複数の吐出口62aをノズル62に設けることによって、便座14の複数の箇所に洗浄液を吐出できるようにしてもよい。この例における洗浄液吐出部60の構成は、便座14の複数の箇所に洗浄液を吐出可能な任意の構成でよい。
制御部70は、例えば、便座本体14aの内側面ISに吐出領域SDAの複数の箇所を設定する。吐出領域SDAの複数の箇所を設定する位置は、内側面ISに限ることなく、便座本体14aの任意の位置でよい。例えば、1つの箇所を内側面ISに設定し、別の箇所を裏面LSの前方部や裏面LSの後方部などに設定してもよい。
このように、この例では、便座14を拭き取り清掃するために必要な量の洗浄液を複数の箇所に分散させて滞留させる。これにより、一箇所にまとめて滞留させる場合と比べて、洗浄液を便座14に滞留させ易くすることができるとともに、洗浄液を清掃用具で便座14に塗り広げ易くすることができ、便座14の洗浄対象部位CTPの拭き取り清掃をよりし易くすることができる。
(第5の実施形態)
図11は、第5の実施形態に係る便座装置の要部構成を模式的に表すブロック図である。
図11に表したように、この例では、洗浄液吐出部60が、ノズル62及びノズル駆動部64に代えて、噴霧部66を有する。噴霧部66は、給水源から供給された水道水又は除菌水生成部54から供給された除菌水を洗浄液とし、洗浄液をミスト状にして便座14に吐出する。
噴霧部66において、ミスト状の洗浄液が便座14に付着する位置、及びミスト状の洗浄液が便座14に付着する量は、例えば、ミスト状の洗浄液を吐出する向きや吐出の強さなどを調整することによって制御することができる。ミスト状の洗浄液を付着させる便座14の位置(吐出領域SDAの位置)は、内側面ISでもよいし、裏面LSの前方部でもよいし、裏面LSの後方部でもよい。ミスト状の洗浄液を付着させる便座14の位置は、便座14の任意の位置でよい。
また、例えば、ミスト状の洗浄液の粒径が300μm以下である場合には、送風装置32からの送風によって生じる気流に、噴霧部66から噴霧されたミスト状の洗浄液を乗せることで、ミスト状の洗浄液が付着する範囲及び各範囲における洗浄液の付着量を制御することができる。なお、粒径とは、ボウル部101及び便座14に付着する前の空中に存在する微粒子の粒径であり、例えばザウター平均粒径(総体積/総表面積)である。
例えば、風向き変更部36によって便器100内に送出される風の向きを変更することで、ミスト状の洗浄液の付着する位置を変更することができる。従って、風向き変更部36で風の向きを変更することで、便座14を拭き取り清掃するために必要な量の洗浄液を複数の箇所に分散させて滞留させることもできる。但し、ミスト状の洗浄液を吐出して洗浄液を複数の箇所に分散させて滞留させる構成は、上記に限ることなく、例えば、ミスト状の洗浄液を吐出するノズルの向きを変えることなどによって行ってもよい。
なお、噴霧部66から吐出するミスト状の洗浄液の粒径は、300μmより大きくてもよい。本願明細書において、「ミスト状」とは、例えば、粒径が1mm以下の状態をいう。
このように、この例では、洗浄液吐出部60が、洗浄液をミスト状にして吐出する。これにより、洗浄液を便座14に滞留させ易くすることができ、便座14の拭き取り動作を行う前に、洗浄液が便座14から垂れ落ちてしまうことを抑制することができる。
(第6の実施形態)
図12は、第6の実施形態に係る便座装置の要部構成を模式的に表すブロック図である。
図12に表したように、この例では、洗浄液吐出部60が、洗剤タンク80と、ポンプ81と、洗剤水生成部82と、泡吐出部83と、を有する。
洗剤タンク80は、内部の空間に液状の洗剤を収容する。洗剤タンク80は、例えば、洗剤を供給するための供給口、及び供給口を開閉する蓋部などを有し、洗剤を補給できるようにする。
ポンプ81は、管路などを介して洗剤タンク80と接続されるとともに、管路などを介して洗剤水生成部82と接続される。ポンプ81は、制御部70の制御に基づいて動作し、洗剤タンク80に収容された洗剤を洗剤水生成部82に供給する。
洗剤水生成部82は、ポンプ81と接続されるとともに、切替弁56と接続される。制御部70は、ポンプ81を駆動して洗剤を洗剤水生成部82に供給するとともに、電磁弁50及び切替弁56を駆動して給水源から供給された水道水を洗剤水生成部82に供給する。洗剤水生成部82は、供給された洗剤と水道水とを混合することにより、洗剤及び水道水から洗剤水を生成する。洗剤水生成部82は、管路などを介して泡吐出部83と接続され、生成した洗剤水を泡吐出部83に供給する。
泡吐出部83は、洗剤水生成部82から供給された洗剤水に空気を混ぜることにより、洗剤水を泡化させる。泡吐出部83は、この泡化した洗剤水を泡状の洗浄液として便座14に吐出する。洗剤水を泡化させる構成としては、例えば、洗剤水と空気とをメッシュ状の部材に通すことによって泡化させる構成などを用いることができる。
泡状の洗浄液は、ノズル62から流水状の洗浄液を吐出する場合と同様に、吐出口の向きや吐出の強さなどを調整することによって、便座14に付着する位置を制御することができる。泡状の洗浄液を付着させる便座14の位置(吐出領域SDAの位置)は、内側面ISでもよいし、裏面LSの前方部でもよいし、裏面LSの後方部でもよい。泡状の洗浄液を付着させる便座14の位置は、便座14の任意の位置でよい。
また、泡吐出部83においても、ノズル62から流水状の洗浄液を吐出する場合と同様に、吐出口の向きなどを変更することで、便座14を拭き取り清掃するために必要な量の洗浄液を複数の箇所に分散させて滞留させることができる。
このように、この例では、洗浄液吐出部60が、洗浄液を泡状にして吐出する。これにより、洗浄液を便座14に滞留させ易くすることができ、便座14の拭き取り動作を行う前に、洗浄液が便座14から垂れ落ちてしまうことを抑制することができる。また、洗剤水を洗浄液として吐出することで、便座14をより適切に洗浄することができる。なお、洗浄液を泡状にして吐出する構成は、上記に限ることなく、泡状の洗浄液を吐出可能な任意の構成でよい。
図13は、第6の実施形態に係る便座装置の変形例を模式的に表すブロック図である。 図13に表したように、この例では、泡吐出部83が、局部洗浄用のノズル58aに設けられている。このように、ノズル58aに泡吐出部83を設け、洗剤水生成部82で生成した洗剤水をノズル58aに供給することにより、ノズル58aの泡吐出部83から泡状の洗浄液を吐出するようにしてもよい。この場合には、例えば、進退移動の機構などを別途設ける必要を抑制し、便座装置10の部品点数の削減を図ることができる。例えば、製造コストの増加を抑制しつつ、泡状の洗浄液の吐出を可能とすることができる。
(第7の実施形態)
図14は、第7の実施形態に係る便座装置の一部を模式的に表す断面図である。
図14に表したように、この例では、洗浄液吐出部60が、便蓋16の内面16aに設けられている。内面16aは、便蓋16を閉じた状態において、下方を向く面である。
この例において、洗浄液吐出部60は、ノズル90と、ノズル駆動部92と、ケース部94と、を有する。ノズル90は、便座14に向けて洗浄液(除菌水)を吐出するための吐出口90aを有する。ノズル90は、例えば、連続した流水状の洗浄液を吐出口90aから吐出する。
ケース部94は、便蓋16の内面16aに設けられている。ノズル90は、便蓋16を閉じた状態において、下方に延びるようにケース部94に設けられている。ノズル90は、例えば、便蓋16を閉じた状態において、ケース部94から略垂直に下方に延びる。吐出口90aは、ノズル90の側面に設けられ、便蓋16を閉じた状態において、側方を向く。これにより、吐出口90aから洗浄液を吐出することで、便座14の内側面ISや便座14の裏面LSに洗浄液を吐出することができる。
ノズル駆動部92は、ケース部94内に設けられている。ノズル駆動部92は、軸方向を中心にノズル90を回転させる。換言すれば、ノズル駆動部92は、便蓋16を閉じた状態において、垂直方向を軸にノズル90を回転させる。これにより、吐出口90aの向きを変え、便座14の広い範囲に洗浄液を吐出することが可能となる。ノズル駆動部92は、例えば、ケース部94内に収納した位置と、ケース部94から吐出させた位置と、にノズル90を進退移動させる機構をさらに有してもよい。
このように、洗浄液吐出部60は、便蓋16の内面16aに設けてもよい。この場合にも、便座14の内側面ISや便座14の裏面LSに洗浄液を適切に吐出することができる。なお、便蓋16の内面16aに洗浄液吐出部60を設けた場合に、ノズル90から吐出する洗浄液は、流水状に限ることなく、ミスト状や泡状でもよい。また、図14では、洗浄液吐出部60の略全体を便蓋16の内面16aに設けている。これに限ることなく、例えば、洗浄液の吐出の範囲を調整する必要が無い場合などには、ノズル90のみを便蓋16の内面16aに設ける構成などとしてもよい。
以上説明した実施形態に基づく便座装置として、例えば以下に述べる態様のものが考えられる。
第1の態様は、便器の後方に配置される本体部と、開口部を有し、前記本体部に回動可能に軸支される便座と、前記便座に洗浄液を吐出する洗浄液吐出部と、前記洗浄液吐出部の動作を制御する制御部と、使用者の操作情報を前記制御部に入力するための入力部と、を備え、前記制御部は、前記操作情報の入力に基づいて前記洗浄液を前記便座の一部の領域のみに吐出し、前記便座の表面、裏面、及び前記開口部の内側面における前記開口部の後端よりも前方に位置する洗浄対象部位を拭き取り清掃するために必要な量の前記洗浄液を前記一部の領域に滞留させる手動洗浄モードを有することを特徴とする便座装置である。
この便座装置によれば、手動洗浄モードによって便座の一部の領域のみに洗浄液を滞留させる。これにより、使用者がトイレットペーパーなどを用いて洗浄液を塗り広げることで、便座の洗浄対象部位を拭き取り清掃することができる。この際、洗浄液を便座の一部の領域のみに吐出することにより、便座の広範囲に洗浄液を吐出する場合と比べて、洗浄液が便座の外側に飛散してしまうことを抑制することができる。また、洗浄液を便座の一部の領域のみに吐出することにより、便座の外側に飛散しないように便座の広範囲に洗浄液を吐出する場合と比べて、洗浄液の吐出の制御が複雑になってしまうことも抑制することができる。従って、便座の外側への洗浄液の飛散及び洗浄液の吐出の制御の複雑化を抑制しつつ、吐出された洗浄液を用いて便座の洗浄対象部位を適切に拭き取り清掃できるようにした便座装置を提供することができる。さらには、使用者がトイレットペーパーなどの清掃用具を手で持って、洗浄液吐出部から吐出された洗浄液を清掃用具に直接的に付着させる場合と比べて、洗浄液が使用者の手に付着してしまうことを抑制し易くすることもできる。
第2の態様は、第1の態様において、前記一部の領域の面積は、前記便座の前記洗浄対象部位の面積の90%以下であることを特徴とする便座装置である。
この便座装置によれば、洗浄液を吐出する一部の領域の面積を、洗浄対象部位の面積の90%以下とすることにより、便座の外側への洗浄液の飛散及び洗浄液の吐出の制御の複雑化をより抑制し易くすることができる。
第3の態様は、第1又は第2の態様において、前記制御部は、前記手動洗浄モードにおいて前記一部の領域に滞留させる前記洗浄液の量を0.05μL/cm以上とすることを特徴とする便座装置である。
この便座装置によれば、便座を拭き取り清掃するために必要な量の洗浄液を便座の一部の領域に適切に滞留させ、便座の拭き取り清掃を適切に行うことができる。また、トイレットペーパーなどの清掃用具を適度に濡らすことができ、拭き取り動作時に清掃用具によって便座に傷が付いてしまうことを抑制することができる。
第4の態様は、第1~第3のいずれか1つの態様において、前記制御部は、前記手動洗浄モードにおいて前記一部の領域に滞留させる前記洗浄液の量を3000μL/cm以下とすることを特徴とする便座装置である。
この便座装置によれば、便座を拭き取り清掃するために必要な量の洗浄液を便座の一部の領域に適切に滞留させ、便座の拭き取り清掃を適切に行うことができる。また、例えば、トイレットペーパーを清掃用具として用いる場合に、トイレットペーパーが濡れ過ぎて、拭き取り動作時に破れてしまうことを抑制することができる。
第5の態様は、第1~第4のいずれか1つの態様において、前記洗浄液吐出部は、前記洗浄液をミスト状又は泡状にして吐出することを特徴とする便座装置である。
この便座装置によれば、洗浄液を便座に滞留させ易くすることができ、便座の拭き取り動作を行う前に、洗浄液が便座から垂れ落ちてしまうことを抑制することができる。
第6の態様は、第1~第5のいずれか1つの態様において、前記制御部は、前記便座の内側面に前記一部の領域を設定することを特徴とする便座装置である。
この便座装置によれば、便座の内側面に洗浄液を滞留させることで、使用者は、便座が閉じた状態において、便座の裏面まで手を入れることなく、トイレットペーパーなどの清掃用具に洗浄液を付着させ、便座の表面などを拭き取り清掃することができる。
第7の態様は、第1~第6のいずれか1つの態様において、前記便座は、内側面から裏面よりも下方まで突出した突出部を有し、前記制御部は、前記便座の前記突出部に前記一部の領域を設定することを特徴とする便座装置である。
この便座装置によれば、便座が突出部を有することにより、便座の裏面と便器の上端面との間に尿などが入り込んでしまうことを抑制することができる。そして、汚れ負荷の大きい部分である突出部に洗浄液を直接的に吐出することにより、突出部を拭き取り清掃し易くすることができる。
第8の態様は、第1~第7のいずれか1つの態様において、前記制御部は、前記便座の裏面の前方部に前記一部の領域を設定することを特徴とする便座装置である。
この便座装置によれば、便座に着座した男性使用者の排尿が飛散し易い便座の裏面の前方部に洗浄液を直接的に吐出することにより、汚れ負荷の大きい便座の裏面の前方部を拭き取り清掃し易くすることができる。
第9の態様は、第1~第7のいずれか1つの態様において、前記制御部は、前記便座の裏面の後方部に前記一部の領域を設定することを特徴とする便座装置である。
この便座装置によれば、排便時に便器内に溜まった汚水などが跳ね返り易い便座の裏面の後方部に洗浄液を直接的に吐出することにより、汚れ負荷の大きい便座の裏面の後方部を拭き取り清掃し易くすることができる。
第10の態様は、第1~第9のいずれか1つの態様において、前記制御部は、前記便座の表面以外に前記一部の領域を設定することを特徴とする便座装置である。
この便座装置によれば、洗浄液を吐出する領域を汚れ負荷の低い便座の表面以外の部分に設定することで、便座の拭き取り清掃をより適切に行うことができる。また、便座の表面は、汚れ負荷が低いため、清掃用具で洗浄液を塗り広げるだけでも、適切に拭き取り清掃を行うことができる。
第11の態様は、第1~第10のいずれか1つの態様において、前記制御部は、前記便座の裏面の前後方向の中央部以外に前記一部の領域を設定することを特徴とする便座装置である。
この便座装置によれば、洗浄液を吐出する領域を汚れ負荷の低い便座の裏面の前後方向の中央部以外の部分に設定することで、便座の拭き取り清掃をより適切に行うことができる。また、便座の裏面の前後方向の中央部は、汚れ負荷が低いため、清掃用具で洗浄液を塗り広げるだけでも、適切に拭き取り清掃を行うことができる。
第12の態様は、第1~第11のいずれか1つの態様において、使用状況を検知する検知部をさらに備え、前記洗浄液吐出部は、前記便器内にも前記洗浄液を吐出可能であり、前記制御部は、前記検知部の検知結果に基づいて、前記便器内に向けて前記洗浄液を吐出する自動便器洗浄モードをさらに有し、前記手動洗浄モードにおける前記洗浄液の吐出の範囲は、前記自動便器洗浄モードにおける前記洗浄液の吐出の範囲よりも狭いことを特徴とする便座装置である。
この便座装置によれば、手動洗浄モードにおける洗浄液の吐出の範囲を、自動便器洗浄モードにおける洗浄液の吐出の範囲よりも狭くすることにより、便座の外側への洗浄液の飛散及び洗浄液の吐出の制御の複雑化をより抑制し易くすることができる。
第13の態様は、第1~第12のいずれか1つの態様において、前記制御部は、前記手動洗浄モードにおいて、前記一部の領域を前記便座の複数の箇所に分けて設定し、前記便座の前記洗浄対象部位を拭き取り清掃するために必要な量の前記洗浄液を前記複数の箇所に分散させて滞留させることを特徴とする便座装置である。
この便座装置によれば、便座を拭き取り清掃するために必要な量の洗浄液を複数の箇所に分散させて滞留させることにより、一箇所にまとめて滞留させる場合と比べて、洗浄液を便座に滞留させ易くすることができるとともに、洗浄液を清掃用具で便座に塗り広げ易くすることができ、便座の拭き取り清掃をよりし易くすることができる。
以上、本発明の実施形態について説明した。しかし、本発明はこれらの記述に限定されるものではない。前述の実施形態に関して、当業者が適宜設計変更を加えたものも、本発明の特徴を備えている限り、本発明の範囲に包含される。例えば、便座装置などが備える各要素の形状、寸法、材質、配置、設置形態などは、例示したものに限定されるわけではなく適宜変更することができる。また、前述した各実施形態が備える各要素は、技術的に可能な限りにおいて組み合わせることができ、これらを組み合わせたものも本発明の特徴を含む限り本発明の範囲に包含される。
2 トイレ装置、 10 便座装置、 12 本体部、 14 便座、 16 便蓋、 20 着座検知センサ、 22 人体検知センサ、 24 手動操作部、 26 便座用モータ、 28 便蓋用モータ、 30 便座ヒータ、 32 送風装置、 34 温風ヒータ、 36 風向き変更部、 40,41,42,43 管路、 50 電磁弁、 52 バキュームブレーカ、 54 除菌水生成部、 56 切替弁、 58 身体洗浄機能部、 58a ノズル、 58b ノズルモータ、 58c ノズル洗浄室、 58d ノズルダンパ、 60 洗浄液吐出部、 62 ノズル、 64 ノズル駆動部、 66 噴霧部、 70 制御部、 80 洗剤タンク、 81 ポンプ、 82 洗剤水生成部、 83 泡吐出部、 90 ノズル、 92 ノズル駆動部、 94 ケース部、 100 便器、 101 ボウル部、 102 上端面

Claims (10)

  1. 便器のボウル部よりも後方に配置される本体部と、
    開口部を有し、前記本体部に回動可能に軸支される便座と、
    前記便座に洗浄液を吐出する洗浄液吐出部と、
    前記洗浄液吐出部の動作を制御する制御部と、
    使用者の操作情報を前記制御部に入力するための入力部と、
    を備え、
    前記制御部は、前記操作情報の入力に基づいて前記洗浄液を前記便座の一部の領域のみに吐出し、前記便座の表面、裏面、及び前記開口部の内側面における前記開口部の後端よりも前方に位置する洗浄対象部位を拭き取り清掃するために必要な量の前記洗浄液を前記一部の領域に滞留させる手動洗浄モードを有し、
    前記制御部は、前記便座の内側面に前記一部の領域を設定することを特徴とする便座装置。
  2. 便器のボウル部よりも後方に配置される本体部と、
    開口部を有し、前記本体部に回動可能に軸支される便座と、
    前記便座に洗浄液を吐出する洗浄液吐出部と、
    前記洗浄液吐出部の動作を制御する制御部と、
    使用者の操作情報を前記制御部に入力するための入力部と、
    を備え、
    前記制御部は、前記操作情報の入力に基づいて前記洗浄液を前記便座の一部の領域のみに吐出し、前記便座の表面、裏面、及び前記開口部の内側面における前記開口部の後端よりも前方に位置する洗浄対象部位を拭き取り清掃するために必要な量の前記洗浄液を前記一部の領域に滞留させる手動洗浄モードを有し、
    前記便座は、内側面から裏面よりも下方まで突出した突出部を有し、
    前記制御部は、前記便座の前記突出部に前記一部の領域を設定することを特徴とする便座装置。
  3. 便器のボウル部よりも後方に配置される本体部と、
    開口部を有し、前記本体部に回動可能に軸支される便座と、
    前記便座に洗浄液を吐出する洗浄液吐出部と、
    前記洗浄液吐出部の動作を制御する制御部と、
    使用者の操作情報を前記制御部に入力するための入力部と、
    を備え、
    前記制御部は、前記操作情報の入力に基づいて前記洗浄液を前記便座の一部の領域のみに吐出し、前記便座の表面、裏面、及び前記開口部の内側面における前記開口部の後端よりも前方に位置する洗浄対象部位を拭き取り清掃するために必要な量の前記洗浄液を前記一部の領域に滞留させる手動洗浄モードを有し、
    前記制御部は、前記便座の裏面の前方部に前記一部の領域を設定することを特徴とする便座装置。
  4. 便器のボウル部よりも後方に配置される本体部と、
    開口部を有し、前記本体部に回動可能に軸支される便座と、
    前記便座に洗浄液を吐出する洗浄液吐出部と、
    前記洗浄液吐出部の動作を制御する制御部と、
    使用者の操作情報を前記制御部に入力するための入力部と、
    を備え、
    前記制御部は、前記操作情報の入力に基づいて前記洗浄液を前記便座の一部の領域のみに吐出し、前記便座の表面、裏面、及び前記開口部の内側面における前記開口部の後端よりも前方に位置する洗浄対象部位を拭き取り清掃するために必要な量の前記洗浄液を前記一部の領域に滞留させる手動洗浄モードを有し、
    前記制御部は、前記便座の裏面の後方部に前記一部の領域を設定することを特徴とする便座装置。
  5. 便器のボウル部よりも後方に配置される本体部と、
    開口部を有し、前記本体部に回動可能に軸支される便座と、
    前記便座に洗浄液を吐出する洗浄液吐出部と、
    前記洗浄液吐出部の動作を制御する制御部と、
    使用者の操作情報を前記制御部に入力するための入力部と、
    を備え、
    前記制御部は、前記操作情報の入力に基づいて前記洗浄液を前記便座の一部の領域のみに吐出し、前記便座の表面、裏面、及び前記開口部の内側面における前記開口部の後端よりも前方に位置する洗浄対象部位を拭き取り清掃するために必要な量の前記洗浄液を前記一部の領域に滞留させる手動洗浄モードを有し、
    前記制御部は、前記手動洗浄モードにおいて、前記一部の領域を前記便座の複数の箇所に分けて設定し、前記便座の前記洗浄対象部位を拭き取り清掃するために必要な量の前記洗浄液を前記複数の箇所に分散させて滞留させることを特徴とする便座装置。
  6. 前記一部の領域の面積は、前記便座の前記洗浄対象部位の面積の90%以下であることを特徴とする請求項1~5のいずれか1つに記載の便座装置。
  7. 前記制御部は、前記手動洗浄モードにおいて前記一部の領域に滞留させる前記洗浄液の量を0.05μL/cm2以上とすることを特徴とする請求項1~6のいずれか1つに記載の便座装置。
  8. 前記制御部は、前記手動洗浄モードにおいて前記一部の領域に滞留させる前記洗浄液の量を3000μL/cm2以下とすることを特徴とする請求項1~7のいずれか1つに記載の便座装置。
  9. 前記洗浄液吐出部は、前記洗浄液をミスト状又は泡状にして吐出することを特徴とする請求項1~8のいずれか1つに記載の便座装置。
  10. 使用状況を検知する検知部をさらに備え、
    前記洗浄液吐出部は、前記便器内にも前記洗浄液を吐出可能であり、
    前記制御部は、前記検知部の検知結果に基づいて、前記便器内に向けて前記洗浄液を吐出する自動便器洗浄モードをさらに有し、
    前記手動洗浄モードにおける前記洗浄液の吐出の範囲は、前記自動便器洗浄モードにおける前記洗浄液の吐出の範囲よりも狭いことを特徴とする請求項1~9のいずれか1つに記載の便座装置。
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