JP4888381B2 - 色変換装置、色変換プログラム、および色変換方法 - Google Patents

色変換装置、色変換プログラム、および色変換方法 Download PDF

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本発明は色変換装置、色変換プログラム、および色変換方法に関するものである。
記録用紙にインクを吐出することにより画像を形成可能な画像形成装置が知られている。インクには大きく分けて顔料インクと染料インクとがあるが、顔料インクは染料インクに比較して定着性が低い。よって、例えば両面印刷の裏面を印刷する場合は、表面に印刷済みの顔料インクに、用紙搬送ローラが接触し、その顔料インクが記録用紙から剥離し、用紙搬送ローラを汚してしまうという不都合が生じる。
特に、黒インク(以下Kインクと称する)は顔料インクで構成される場合が多く、上述のような不都合が生じやすい。なお、インクの定着性は、普通紙、専用紙、光沢紙であるかによって異なるだけではなく、例えば、普通紙の中でも製造メーカ、または製造工程などが異なると、様々に変動する。定着性の高い記録用紙が用いられる場合は、Kインクの濃度が高くてもそれほど問題とならないが、定着性の低い記録用紙が用いられる場合は、Kインクの濃度が高いと上述の不都合が生じやすい。よって、Kインクの濃度(使用量)を、記録用紙の定着性に応じた適切な値に調整することが重要である。
図9は、従来のGCR(Gray Component Replacement)テーブルに格納される、グレー成分値minKと補正値との対応関係の一例を示すグラフである。このGCRテーブルは、グレー成分をKインクに置き換えるために用いられるテーブルである。このテーブルを用いてKインクの濃度(ΔK)、および有彩色成分である、シアン(以下Cと称する)、マゼンタ(以下Mと称する)、イエロー(以下Yと称する)の補正値(ΔC,ΔM,ΔY)が決定される。
ここで、上述したような、Kインク定着性に関する問題点を解決するために、単にKインクの濃度を記録用紙の定着性に応じて制限することとすると、本来は高いグレー成分を有する暗く濃い色が、明るい色よりも薄く表現されてしまうという色合いの逆転現象が生じるという不具合が生じる。
色合いの逆転現象についてより詳細に説明すると、図9に示すように、従来のGCRテーブルを用いた場合、グレー成分が大となるほど、すなわち、暗い色となるほど、Kインクの濃度は高くなる一方で、CMYの各インクの濃度は低下させられる。換言すれば、グレー成分の低い明るい色の方が、CMYのインク濃度が高い。したがって、定着性の記録用紙を用いる場合に、単に、Kインクの濃度のみを低減させると、本来はグレー成分が高い濃い色であるにも拘わらず、グレー成分が低い明るい色よりもインク総量が低くなり、その結果、薄い色として表現されてしまうという色合いの逆転現象が生じ得るのである。
このような色合いの逆転現象を防止するためには、図9に示すGCRテーブルを記録用紙の種類毎に予め記憶しておくことが考えられる。すなわち、記録用紙の定着性に応じたKインクの濃度、およびそのKインクの濃度に応じたCMYの濃度を予め定めておくのである。しかし、このようにすると、使用可能性がある全ての記録用紙についてテーブルを作成し、記憶しなければならず、色テーブル作成工数およびメモリ使用量が膨大なものとなってしまい、それに必要なメモリを用意しなければならなくなる。
そこで、特許文献1には、両面印刷を行う際には、片面印刷を行う場合に比較して、全体として、色の濃度を薄くする(すなわち、インクの使用量を少なくする)技術が開示されている。このようにすれば、吐出されたインクは記録用紙に吸収され、両面印刷を行う場合であっても、既印刷面が用紙搬送ローラなどを汚すことが防止される。
特開2007−118238号公報
しかしながら、特許文献1は、両面印刷のみを問題とするものであり、インク定着性の低い記録用紙において発生し得るその他の問題点は何ら改善されない。例えば、片面印刷の場合でも、インクの定着性が低い記録用紙では、ユーザの指などで擦られると、インクが剥がれ、ユーザの指などを汚すという問題点がある。
本発明は、上記問題点を解決するためになされたものであり、記録媒体からの無彩色インクの剥離が抑制され、その結果、記録媒体から剥離した無彩色インクによって、他の部材や記録媒体が汚されることを抑制でき、色合いの逆転現象が生じ難く、且つテーブルの作成工程やメモリ使用量を節約することができる色変換装置、色変換プログラム、および色変換方法を提供することを目的としている。
この目的を達成するために、態様1の色変換装置は、無彩色のインクと有彩色のインクとを用いて記録媒体に画像を形成するために、入力値を、無彩色成分値と有彩色成分値とを含む出力値に変換するものであって、前記入力値を用いて無彩色成分値と有彩色成分値とを決定する決定手段であって、予め定められた関係に従って、入力値のグレー成分が大となるほど有彩色成分値が大となるように、有彩色成分値を決定する前記決定手段と、前記決定手段により決定される無彩色成分値を、画像形成対象の記録媒体の種類に応じて予め定められた制限値で制限する制限手段と、前記決定手段により決定された有彩色成分値と、前記制限手段により制限された無彩色成分値とに基づく出力値を決定する出力値決定手段とを備えることを特徴とする。
態様2の色変換装置は、態様1の色変換装置において、入力値に対応する有彩色成分値の関係を定めるルックアップテーブルを参照し、入力値を有彩色成分値に変換する色変換手段と、その色変換手段により変換された有彩色成分値から、入力値のグレー成分に相当するグレー成分値を求めるグレー成分値決定手段と、そのグレー成分値決定手段により決定されるグレー成分値と、前記色変換手段により変換された有彩色成分値の補正に用いる補正値との対応関係を、前記予め定められた関係として記憶する補正値記憶手段とを備え、前記決定手段は、前記色変換手段により変換された有彩色成分値を、前記補正値記憶手段に記憶された補正値で補正することにより前記有彩色成分値を決定するものであり、前記補正値記憶手段は、入力値のグレー成分が大となるほど、補正の結果として得られる有彩色成分値が大となるように定められた補正値を記憶することを特徴とする。
態様3の色変換装置は、態様1の色変換装置において、入力値のグレー成分が大となるほど有彩色成分値が大となるように定められたルックアップテーブルを、前記予め定められた関係として記憶するルックアップテーブル記憶手段を備え、前記決定手段は、前記ルックアップテーブル記憶手段に記憶されたルックアップテーブルに基づいて、無彩色成分値および有彩色成分値を決定するものであることを特徴とする。
態様4の色変換装置は、態様1から3のいずれかの色変換装置において、前記決定手段により決定された有彩色成分値に対応するインク濃度と、前記無彩色成分制限手段により制限された無彩色成分値に対応するインク濃度との合計が、画像形成対象の記録媒体の種類に応じて予め定められたインク量制限値以下となるように、前記有彩色成分値に対応するインク濃度と無彩色成分値に対応するインク濃度とのうち、有彩色成分値に対応するインク濃度のみを低減させるインク量制限手段を備えることを特徴とする。
態様5の色変換装置は、態様4の色変換装置において、各色成分値に対応して定まるインク調整値に基づいて、前記決定手段により決定される有彩色成分値および前記制限手段により制限された無彩色成分値を調整する調整手段を備え、前記インク量制限手段は、前記調整手段により調整された各色成分値をその色成分のインク濃度とし、各色のインク濃度の合計が前記インク量制限値以下となるように、前記調整手段により調整された有彩色成分に対応するインク濃度を低減させることを特徴とする。
態様6の色変換プログラムは、無彩色のインクと有彩色のインクとを用いて記録媒体に画像を形成するために、入力値を、無彩色成分値と有彩色成分値とを含む出力値に変換する処理を色変換装置に実行させるプログラムであって前記入力値を用いて無彩色成分値と有彩色成分値とを決定する決定手段であって、予め定められた関係に従って、入力値のグレー成分が大となるほど有彩色成分値が大となるように、有彩色成分値を決定する前記決定手段と、前記決定手段により決定される無彩色成分値を、画像形成対象の記録媒体の種類に応じて予め定められた制限値で制限する制限手段と、前記決定手段により決定された有彩色成分値と、前記制限手段により制限された無彩色成分値とに基づく出力値を決定する出力値決定手段として前記画像処理装置を機能させることを特徴とする。
態様7の色変換方法は、無彩色のインクと有彩色のインクとを用いて記録媒体に画像を形成するために、入力値を、無彩色成分値と有彩色成分値とを含む出力値に変換する方法であって、前記入力値を用いて無彩色成分値と有彩色成分値とを決定する決定工程であって、予め定められた関係に従って、入力値のグレー成分が大となるほど有彩色成分値が大となるように、有彩色成分値を決定する前記決定工程と、前記決定工程により決定される無彩色成分値を、画像形成対象の記録媒体の種類に応じて予め定められた制限値で制限する制限工程と、前記決定工程により決定された有彩色成分値と、前記制限工程により制限された無彩色成分値とに基づく出力値を決定する出力値決定工程とを有することを特徴とする。
態様1の色変換装置によれば、決定手段により決定された無彩色成分値が、画像形成対象の記録媒体の種類に応じて予め定められた制限値で制限される。したがって、無彩色インクの濃度が、記録媒体の種類に応じた適切な濃度に制限され、記録媒体からの無彩色インクの剥離が抑制される。その結果、記録媒体から剥離した無彩色インクによって、他の部材や記録媒体が汚されることを抑制できるという効果がある。
さらに、決定手段により決定される有彩色成分値は、入力値のグレー成分が大となるほど有彩色成分値が大となるように決定される値である。よって、グレー成分が高い色、すなわち暗い色の入力値に対して決定される有彩色成分値は、明るい色の入力値に対応して決定される有彩色成分値よりも高い値となる。その結果、決定手段により決定される無彩色成分値を制限した場合であっても、グレー成分が高い暗い色が、グレー成分が低い明るい色よりも色合いが薄くなるという色合いの逆転現象が生じ難いという効果がある。
また、有彩色成分値および無彩色成分を決定するための予め定められた関係を、記録媒体の種類毎に準備しておく必要はないので、例えばGCRテーブルや色変換テーブルを記録媒体の種類毎に記憶しておく場合に比較して、テーブルの作成工程やメモリ使用量を節約することができるという効果がある。
態様2の色変換装置によれば、態様1の色変換装置の奏する効果に加え、以下の効果を奏する。補正値記憶手段は、入力値のグレー成分が大となるほど、補正の結果として得られる有彩色成分値が大となるように定められた補正値を記憶するので、決定手段は、その補正値を用いて、入力値のグレー成分が大となるほど有彩色成分値が大となるように、入力値に対応した有彩色成分値を決定することができる。ここで、補正値記憶手段には、記録媒体の種類毎の補正値を記憶させる必要がないので、例えばGCRテーブルを記録媒体の種類毎に予め作成し、記憶しておく場合に比較して、メモリ使用量や、テーブルの決定に要する工程数を節約することができるという効果がある。
態様3の色変換装置によれば、態様1の色変換装置の奏する効果に加え、ルックアップテーブル記憶手段には、記録媒体の種類毎のルックアップテーブルを記憶させる必要がないので、記録媒体の種類毎にルックアップテーブルを作成し、記憶する場合に比較して、メモリ使用量やテーブルの決定に要する工程数を節約することができるという効果がある。
態様4の色変換装置によれば、態様1から3のいずれかの色変換装置の奏する効果に加え、前記決定手段により決定された有彩色成分値に対応するインク濃度と、前記無彩色成分制限手段により制限された無彩色成分値に対応するインク濃度との合計が、画像形成対象の記録媒体の種類に応じて予め定められたインク量制限値以下となるように、有彩色成分値に対応するインク濃度のみが低減させられるので、記録媒体が吸収可能なインク量よりもインク総量が大となることに起因するインク溢れが抑制されると共に、無彩色のインク濃度は保持されるため、暗い色の濃さを保つことができるという効果がある。無彩色のインクは、有彩色のインクに比較して少量で濃い色を表現することができるからである。
態様5の色変換装置によれば、態様4の色変換装置の奏する効果に加え、各色成分値に対応して定まるインク調整値に基づいて、前記決定手段により決定される有彩色成分値および前記制限手段により制限された無彩色成分値が調整された後、各色のインク濃度の合計が前記インク量制限値以下となるように、有彩色成分に対応するインク濃度が低減させられるので、インク量制限値の限界まで、インク濃度を高く保つことができるという効果がある。
態様6の色変換プログラムによれば、色変換装置で実行されることにより、態様1の色変換装置と同様の作用効果が得られる。
態様7の色変換方法によれば、態様1の色変換装置と同様の効果が得られる。
以下、本発明の好ましい実施例について、添付図面を参照して説明する。図1は、本発明の色変換装置の第1実施形態であるパーソナルコンピュータ10(以下、PC10と称す)と、PC10に接続された画像形成装置40との電気的構成を模式的に示すブロック図である。
第1実施形態におけるPC10は、R(赤)G(緑)B(青)の各色成分値からなる入力値RGBを、C(シアン)M(マゼンタ)Y(イエロー)K(ブラック)の各色成分値からなる出力値CMYKに変換する装置である。
PC10は、上記出力値CMYKを含む印刷データを画像形成装置40に転送する。画像形成装置40は、PC10から入力された印刷データに基づいて、CMYのインク(有彩色のインクの例)、およびKのインク(無彩色インクの例)を記録用紙(記録媒体の一例)へ吐出して画像形成を行ういわゆるインクジェットプリンタで構成されている。本実施形態では、画像形成装置40で用いられるKインクは顔料インクで構成され、有彩色CMYのインクは染料インクで構成されるものとして説明する。
本実施形態のPC10は、出力値CMYKに含まれる黒成分値K(無彩色成分値の一例)を、記録用紙の種類に応じた適切な値とするように構成されている。その結果、画像形成装置40において、記録用紙からのKインク(無彩色インクの一例)の剥離が抑制され、記録用紙から剥離したKインクによって、他の部材や記録用紙が汚されることを抑制できる。
図1に示すように、PC10は、CPU11、ROM12、RAM13、ハードディスクドライブ14(以下、HDD14と称す)、USBインターフェイス16、入力装置17、表示装置18とを主に有し、これらはバスライン20を介してお互いに接続されている。
CPU11は、ROM12やRAM13やHDD14に記憶される固定値やプログラムに従って、バスライン20により接続された各部を制御する。ROM12は、PC10の動作を制御するためのプログラムなどが格納されたメモリであり、RAM13は、CPU11の処理に必要なデータなどを一時的に記憶するための読み書き可能なメモリである。
HDD14は、ハードディスクドライブであり、図4および図5を参照して後述するページ印刷処理(S1)を実行するためのプリンタドライバ141が格納(インストール)されている。HDD14には、さらに、ルックアップテーブル142、GCRテーブル143、用紙種類テーブル144が記憶されている。
ルックアップテーブル142は、PC10の表示装置18における表示色と、画像形成装置40において形成される色とを合わせるために、入力値RGBに対し、CMYの各色成分値とを対応付けて記憶するテーブルである。このルックアップテーブル142を参照することにより、入力値RGBが、一次変換データCに変換される。なお、この一次変換データCに含まれる各有彩色成分値C,M,Yのうち、最小の値、すなわちCMYの各色が重なっている範囲を、入力値のグレー成分に相当するグレー成分値minKと称する。
GCRテーブル143は、グレー成分値minKの一部を、黒成分値に置換するための補正値(ΔC,ΔM,ΔY)を格納するテーブルである。なお、GCRテーブル143の詳細については、図2を参照して後述する。
入力装置17は、ユーザ指示を入力するためのものであり、例えば、キーボードやマウスなどで構成される。表示装置18は、例えば、CRTディスプレイや液晶ディスプレイなどにより構成され、各種処理内容や入力されたデータなどを視覚的に表示するものである。
画像形成装置40は、演算装置であるCPU51と、そのCPU51により実行される各種の制御プログラムやデータを記憶したROM52と、この画像形成装置40に接続されるPC10から入力された印刷データや制御信号を記憶するためのメモリであるRAM53とを備えている。また、これらのCPU51、ROM52、RAM53は、バスライン58を介して互いに接続されており、かかるバスライン58は、入出力ポート59に接続されている。
この入出力ポート59は、記録ヘッド54と、記録ヘッド54を搭載するキャリッジ(図示せず)を往復移動させる駆動力を供給するキャリッジモータ(CRモータ)55と、記録用紙を搬送する搬送ローラや排紙ローラを回動させる用紙搬送モータ(LFモータ)56とを備えた駆動部57にも接続されている。CPU51は、PC10から入力された印刷データを記録ヘッド54による印刷が可能な印刷データに展開し、そのデータを各ノズルに対する吐出信号として、記録ヘッド54へ出力する。この吐出信号に応じて記録ヘッド54を駆動することにより、各ノズルからインクが吐出され、記録用紙に印刷が行われる。また、CRモータ55およびLFモータ56は、記録ヘッド54へ出力される吐出信号に同期して駆動される。
記録ヘッド54には、記録用紙へインクを吐出するためのノズルが形成されている。そして、図示しないインクカートリッジから記録ヘッド54に供給されるCMYKのインクが、ノズルから吐出され、記録用紙に画像が形成される。
また、入出力ポート59は、操作キー45,LCD(液晶表示装置)46、メモリカードスロット47、USBインターフェイス48に接続されており、その結果、CPU51により各部を制御することができる。
PC10と画像形成装置40とは、USBI/F16,48、およびUSBケーブル60を介して、通信可能に接続される。
図2は、GCRテーブル143に格納される、グレー成分値minKと補正値および黒成分値Kとの対応関係を示すグラフである。図2に示すように、GCRテーブル143は、グレー成分値minKと、CMYの補正値(ΔC,ΔM,ΔY)、および黒成分値Kとの予め定められた対応関係を格納する。なお、補正値(ΔC,ΔM,ΔY)が、特許請求の範囲に記載の「有彩色成分値の補正に用いる補正値」の例に相当する。
このグレー成分値minKに対応した補正値(ΔC,ΔM,ΔY)を用いて、一次変換データCを下記(2)から(4)式に示すように補正する。また、グレー成分値minKに対応した黒成分値Kを、(5)式に示すように、そのまま、入力値RGBに対応した黒成分値Kとする。これら(2)式から(5)式に示す演算により、入力値RGBに対応する色データCを決定することができる。
なお、下記(2)から(5)式は、色データCを求めるための演算式の一例に過ぎず、下記(2)から(5)式とは異なる演算を用いて、色データCが求められても良い。
=C−minK+ΔC ・・・(2)
=M−minK+ΔM ・・・(3)
=Y−minK+ΔY ・・・(4)
=K ・・・(5)
図2に示すように、GCRテーブル143に格納された黒成分値Kは、グレー成分値minKが大きいほど増大する。また、GCRテーブル143に格納された補正値ΔC,ΔM,ΔYも、グレー成分値minKが大きいほど増大する。すなわち、補正値ΔC,ΔM,ΔYを表す関数、ΔC=f(minK),ΔM=f(minK),ΔY=f(minK)の傾きが、常に0以上となるように、補正値ΔC,ΔM,ΔYが定められている。換言すれば、グレー成分値minKが大となるほど、補正の結果として得られるC,M,Yが大となるように、ΔC,ΔM,ΔYが予め定められているということができる。
このようにして色データCが求められると、この色データCのうち、黒成分値Kは、図3を参照して後述する調整パラメータa(特許請求の範囲に記載の制限値の一例)により制限される。一方、有彩色成分値C,M,Yは、図3を参照して後述するインク総量b(特許請求の範囲に記載のインク量制限値の一例)に従って調整される。
図3は用紙種類テーブル144の一例を模式的に示す図である。図3に示すように、用紙種類テーブル144は、調整パラメータaと、インク総量bとを記録用紙の種類に対応付けて格納するテーブルである。
図3に示す用紙種類テーブル144に例示する記録用紙の種類のうち、「専用紙」は、高画質な画像を得るために専用の処理が施された用紙であって、インクの定着性が最も良く、また、吸収可能なインク総量も前記処理が施されていない用紙(以下、普通紙)と比べて大きいのである。一方、用紙1,用紙2,用紙3はいずれも普通紙であって、製造工程や製造メーカの違いにより、インクの定着性が互いに異なると共に、吸収可能なインク総量も互いに異なる。
この用紙種類テーブル144は、プリンタドライバ141のインストール時にHDD14に作成される。このとき用紙種類テーブル144には、プリンタベンダーが予め想定した、複数種類の記録用紙の種類と、それに対応する調整パラメータaおよびインク総量bとが格納されるものとして説明する。しかしながら、この用紙種類テーブル144に、ユーザが、適宜、新たな記録用紙種類とそれに対応する調整パラメータaおよびインク総量bを追加することができるように構成されても良い。
まず、調整パラメータaについて説明する。調整パラメータaは、色データCに含まれる黒成分値Kを、記録用紙の種類に応じて制限するためのパラメータである。具体的には、ユーザにより選択された記録用紙に対応する調整パラメータaが用紙種類テーブル144から読み出され、黒成分値Kに乗算されることにより、黒成分値Kが制限される。下記(6)式に、調整パラメータaを用いた演算処理の一例を示す。
=a*K ・・・(6)
この調整パラメータaは、記録用紙における黒インクの定着性が高いほど、高い値となるように定められている。
ここで「インクの定着性」とは、例えば、印刷後、測定対象の印刷面に、測定用の転写紙を置き、所定の圧力で、印刷面と転写紙とを擦り、印刷面の上に置いた転写紙へのインクの転写(明度)を測定することにより測ることができる。インクの定着性が低い記録用紙の場合、その印刷面から転写紙へのインク転写量は多いから、その明度が低くなる。すなわち、定着性として低い値が得られる。一方、インクの定着性が高い記録用紙の場合、その印刷面から転写紙へのインク転写量が少ないので、その明度が高くなる。すなわち、定着性として高い値が得られる。
調整パラメータaとしては、Kインクの定着性が高い記録用紙ほど、高い値が対応付けられる。例えば、専用紙は、インクの定着性が高いので、調整パラメータaとして、例えば「1」が記憶されている。すなわち、Kインクの使用濃度は制限されず、記録用紙の特性を生かし、高画質の画像を形成することができる。
一方、インクの定着性が低い記録用紙ほど、調整パラメータaとしては小さい値が対応付けられる。例えば、用紙1は、インクの定着性が低いので、調整パラメータaとして、例えば「0」が記憶されている。このようにKインクの定着性が低い記録用紙については、Kインクの濃度が大きく制限されることとなる。このようにすれば、記録用紙からのKインクの剥離が抑制され、記録用紙から剥離したKインクによって、他の部材や記録用紙が汚されることを抑制できる。
次に、インク総量bについて説明する。インク総量bは、記録用紙が吸収することができるインク量と相関関係にある値である。
図3に示すように、例えば、専用紙のように、インクの吸収性が高い記録用紙については、インク総量bとして予め高い値が対応付けられている。一方、例えば、用紙2のように、インクの吸収性が悪い記録用紙については、インク総量bとして低い値が対応付けられている。本実施形態では、記録用紙の吸収性に応じて有彩色成分値C,M,Yを調整することにより、インク溢れを抑制することとしているが、詳細は、図5を参照して後述する。
なお、記録用紙の種類が特定されなかった場合は、用紙種類テーブル144において、「その他」に対応付けられた調整パラメータaおよびインク総量bが用いられる。
図4は、上述したPC10で実行されるページ印刷処理(S1)を示すフローチャートである。このページ印刷処理(S1)は、PC10において、印刷対象のデータ(以下、印刷対象データという)が指定され、ユーザによって印刷指示が出されると実行される処理であり、入力値RGBを、出力値CMYKに変換し、画像形成装置40へ出力する処理である。なお、このページ印刷処理(S1)は、印刷対象のデータに含まれる各ページについて実行されるが、ここでは説明を簡単にするために、1ページ分のデータが、印刷対象データとして指定されたものとして説明する。
ページ印刷処理(S1)では、まず、印刷サイズと用紙種類の情報を取得する(S2)。印刷サイズの情報は、印刷対象ファイルのサイズを示す情報である。また、用紙種類の情報は印刷指示時にユーザにより入力される情報である。
次に、印刷対象データから1ピクセル分のピクセルデータを、入力値RGBとして取得し(S4)、この入力値RGBを出力値CMYKへ変換する色変換処理(S6)を実行する。色変換処理(S6)の詳細は、図5を参照して説明する。
そして、色変換処理(S6)により得られた出力値CMYKについてハーフトーン処理を実行し(S8)、全ピクセルを処理したか否かを判断する(S10)。S10の判断が否定される場合(S10:No)、S4に戻り、次のピクセルデータを取得し、処理を繰り返す。
このようにして処理を繰り返すうちに、全ピクセルの処理を終了すると(S10:Yes)、次に、得られた全ピクセル分の出力値CMYKを印刷データに変換し(S12)、画像形成装置40へ転送し(S14)、処理を終了する。印刷データを受信した画像形成装置40は、印刷データに基づき、CMYKのインクを記録用紙に吐出し、画像を形成する。
図5は、色変換処理(S6)を示すフローチャートである。この色変換処理(S6)は、入力値RGBを出力値CMYKへ変換する処理である。
色変換処理(S6)では、まず、LUTを用いた色変換処理(S62)を実行する。この処理では、ルックアップテーブル142(図1参照)に記憶された関係に従って、入力値RGBを一次変換データCに変換し、出力する。
次に、グレー成分決定処理(S64)を実行する。この処理は、一次変換データCから、入力値RGBのグレー成分値minKを決定し、出力する処理である。
次に、S62の処理で得られた一次変換データCを、グレー成分値minKに対応する補正値ΔC,ΔM,ΔYで補正すると共に(上記(2)〜(5)式参照)、グレー成分値minKに対応する黒成分値Kを用いて、入力値RGBに対応する色データCを決定する色成分決定処理(S65)を実行する。
次に、黒成分値制限処理(S66)により、色データCに含まれる黒成分値Kを、画像形成対象の記録用紙の種類に応じて定まる調整パラメータaにより制限する。このようにすれば、画像形成装置40において、記録用紙に吐出されるKインクの濃度が、記録用紙の種類に応じた適切な濃度に制限され、記録用紙からのKインクの剥離が抑制される。その結果、記録用紙から剥離したKインクによって、他の部材や記録用紙が汚されることを抑制できる。
なお、上述したように、S65の処理では、図2を参照して説明したGCRテーブル143に従って、色データCが決定されるので、グレー成分値minKが大となるほど、色データCに含まれる有彩色成分Cが大となるように値が決定されることとなる。よって、グレー成分値minKが高い色、すなわち暗い色の入力値に対して決定される有彩色成分値は、明るい色の入力値に対応して決定される有彩色成分値よりも高い値となる。その結果、決定手段により決定される無彩色成分値を制限した場合であっても、グレー成分が高い暗い色が、グレー成分が低い明るい色よりも色合いが薄くなるという色合いの逆転現象が生じ難い。
次に、S65の処理で決定された有彩色成分値C、およびS66の処理により制限された黒色成値Kを、各色成分値に対応して定まるインク調整値に基づいて調整する、インク量調整処理を実行する(S67)。このインク量調整は、吐出されたインクの広がり(ドットゲイン)を調整するために行われる処理である。
なお、有彩色成分値C,M,Yを、S67の処理で調整して得られる値を、有彩色成分値に対応するインク濃度C’,M’,Y’と称し、黒成分値Kを、S67の処理で調整して得られる値を、黒成分値に対応するインク濃度K’と称することとすると、インク濃度C’,M’,Y’,K’は、所定のテーブル(図示していない単調増加関数)を参照して、例えば、下記(7)から(10)式のように算出することができる。
C’=g(C) ・・・(7)
M’=g(M) ・・・(8)
Y’=g(Y) ・・・(9)
K’=g(K) ・・・(10)
次に、インク濃度C’,M’,Y’,K’の合計SUM(SUM=C’+M’+Y’+K’)が、画像形成対象の記録用紙の種類に応じたインク総量b以下となるように、有彩色成分のインク濃度C’,M’,Y’を低減させるインク総量演算処理を実行する(S68)。
このインク総量演算処理(S68)では、まず、SUMがインク総量b以下か否かを判断する。この判断が否定される場合は、有彩色成分のインク濃度C’,M’,Y’を低減させることなく、色変換処理(S6)を終了する。この場合、インク濃度C’,M’,Y’,K’が、それぞれ、出力値のCMYKとして決定される。
一方、SUMがインク総量bより大であると判断された場合、下記(11)〜(14)式に従って、インク濃度C’,M’,Y’を低減させ、出力値のCMYKとして決定する。
C=C’*(b−K’)/(SUM−K’) ・・・(11)
M=M’*(b−K’)/(SUM−K’) ・・・(12)
Y=Y’*(b−K’)/(SUM−K’) ・・・(13)
K=K’ ・・・(14)
このようにすれば、出力値CMYKに含まれる各色成分値CMYKを合計した値は、インク総量b以下となる。よって、記録用紙が吸収可能なインク量よりもインク総量が大となることに起因するインク溢れが抑制されるので、コックリングやフェザリングの発生が抑制される。また、Kのインク濃度は保持されるため、暗い色の濃さを保つことができる。また、上述の演算式によれば、CMYの各色成分値の大小関係が保たれるので、簡単な演算で色味を正確に保ったまま、CMYの各色成分値を低減させることができる。
また、有彩色成分値Cおよび黒成分値Kが、インク調整値に基づいて調整された後、各色のインク濃度C’,M’,Y’,K’の合計がインク総量b以下となるように、有彩色成分のインク濃度C’,M’,Y’が低減させられるので、インク総量bの限界まで、インク濃度を高く保つことができる。
本実施形態の色変換処理(S6)によれば、GCRテーブル143を、記録用紙の種類毎に準備しておく必要はないので、GCRテーブルを記録用紙の種類毎に記憶しておく場合に比較して、テーブルの作成工程やメモリ使用量を節約することができる。
次に、第2実施形態について説明する。上述した第1実施形態は、GCRテーブル143を用いて有彩色成分値Cおよび黒成分値Kを決定するものであった。これに対し、第2実施形態は、GCRテーブル143を用いずに、有彩色成分値Cおよび黒成分値Kを決定するように構成されている。
図6(a)は、第2実施形態のPC10のHDD14を模式的に示すブロック図である。第2実施形態のPC10と第1実施形態のPC10とは、HDD14の構成のみが異なり、その他の構成は同一であるので、HDD14以外の構成については、図示及び説明を省略する。
図6(a)に示すように、第2実施形態のPC10のHDD14には、用紙種類テーブル144、プリンタドライバ145、ルックアップテーブル146が格納されている。用紙種類テーブル144は、図3を参照して説明した第1実施形態の用紙種類テーブル144と同一のテーブルであるため、図示及び説明を省略する。
プリンタドライバ145は、図7を参照して後述する色変換処理(S70)を含む、ページ印刷処理を実行するプログラムである。
ルックアップテーブル146は、第2実施形態の色変換処理(S70)において、入力値RGBを、色データCに変換するために用いられるテーブルである。なお、上述した第1実施形態では、GCRテーブル144を用いた補正後のデータを、色データCと称していたが、本第2実施形態では、GCRテーブル144を用いないため、ルックアップテーブル146を用いて入力値RGBを変換することにより得られたデータを、色データCと称することとする。以下、図6(b),(c)を参照して、ルックアップテーブル146について説明する。
図6(b)は、赤(R)、緑(G)、青(B)、および黒(K)、白(W)の5点を頂点とするRGB立方体を示す図である。図6(b)に示す例では、RGB色空間が27個の小立方体に分割されている。ここで、第2実施形態のルックアップテーブル146には、小立方体の各頂点に対応するRGB値の各々について、対応するCMYK値が対応付けられている。この対応関係を利用して、入力値RGBを、CMYKの色成分値からなる色データCに変換する。
特に、本第2実施形態のPC10で用いられるルックアップテーブル146には、入力値RGBのグレー成分が大となるほど有彩色成分値CMYが大となるように、小立方体の拡張点に対し、CMYK値が対応付けられている。すなわち、図6(a)に示す立方体において、黒(K)と白(W)を結ぶ直線をI軸とする。そして、小立方体の各頂点からI軸に対して垂線を下ろす場合、そのI軸上における垂線の足が、白(W)へ近づくほど、対応付けられた有彩色成分値CMYが大となる。
図6(c)は、ルックアップテーブル146に格納される対応関係を示すグラフである。図6(c)に示すグラフは、立方体から抽出された7つの頂点P〜Pを横軸に取ると共に、各頂点P〜Pに対応付けられたCMYKの各色成分値を縦軸に取って示すグラフである。図6(c)に示すように、ルックアップテーブル146は、入力値RGBのグレー成分が大となるほど、すなわち、PからPに近づくほど、有彩色成分値CMYが大となるように予め定められた関係を記憶している。
ここで、「入力値RGBのグレー成分が大となるほど有彩色成分値CMYが大となるように予め定められた関係」とは、入力値RGBのグレー成分が大となるほど、色変換により得られる色データCのうち、有彩色成分C,M,Yの合計が大となるように、入力値RGBと有彩色成分値CMYとの対応関係が定められていることを意味している。
すなわち、入力値RGBのグレー成分が大となるほど、シアン成分値C、マゼンタ成分値Mと、イエロー成分値Yとの各々が大となる関係に限定されない。ルックアップテーブル146に格納される対応関係は、例えば、図6(c)に示すように、マゼンタ成分値Mの軌跡(図6(c)において、二点鎖線で示す軌跡)が、傾き負となる部分を含んでいたとしても、他の色の成分値の増加量が、マゼンタ成分値Mの低下量を上回ることにより、結果として、色変換により得られる有彩色成分C,M,Yの合計が大と有彩色成分値CMYの合計が増加するものであれば良い。図6(c)に示すように、Kインク量最大値付近における、有彩色成分の若干の低下を許容することにより、黒の色味が保持される。
さらに、ルックアップテーブル146に格納される対応関係は、図6(c)に示す例に限られるものではなく、例えば、シアン成分値C、マゼンタ成分値M、イエロー成分値Yのそれぞれについて描かれる軌跡の傾きが、常に0以上となるように、ルックアップテーブル146が構成されていても良い。
図7は、第2実施形態のPC10において実行される色変換処理(S70)を示すフローチャートである。なお、第2実施形態のPC10は、図4を参照して説明したページ印刷処理(S1)に含まれる色変換処理(S6)に替えて、図7に示す色変換処理(S70)を実行する。
図7に示すように、色変換処理(S70)では、まず、図6を参照して説明したルックアップテーブル146に基づいて、入力値RGBに相当する色データCを決定する(S72)。
次に、S72の処理で決定された色データCのうち、黒成分値Kを、画像形成対象の記録用紙の種類に応じて定まる調整パラメータaにより制限する黒成分値制限処理を実行する(S74)。これにより、第1実施形態の同様に、記録用紙に吐出されるKインクの濃度が、記録用紙の種類に応じた適切な濃度に制限される。
また、S72の処理では、図6を参照して説明したルックアップテーブル146に従って、色データCが決定されるので、入力値RGBのグレー成分が大となるほど、色データCに含まれる有彩色成分Cが大となるように値が決定されることとなる。よって、第1実施形態と同様に、グレー成分が高い暗い色が、グレー成分が低い明るい色よりも色合いが薄くなるという色合いの逆転現象が生じ難い。
次に、S72の処理で決定された有彩色成分C、およびS74の処理により制限された黒成分値Kを、各色成分値に対応して定まるインク調整値に基づいて調整する、インク量調整処理を実行する(S76)。
次に、インク量調節処理後の有彩色成分値に対応するインク濃度C’,M’,Y’、およびインク量調節処理後の黒成分値に対応するインク濃度K’の合計SUM(SUM=C’+M’+Y’+K’)が、画像形成対象の記録用紙の種類に応じたインク総量b以下となるように、有彩色成分のインク濃度C’,M’,Y’を低減させ、出力値を決定するインク総量演算処理を実行する(S78)。なお、インク量調整処理(S76)は、図5を参照して説明したインク量調整処理(S67)と同一の処理であり、インク総量演算処理(S78)は、図5を参照して説明した総量演算処理(S68)と同一の処理であるため、その詳細な説明は省略する。
第2実施形態の色変換処理(S70)によれば、第1実施形態の色変換処理(S6)の奏する効果に加え、ルックアップテーブル146を、記録用紙の種類毎に準備しておく必要はないので、ルックアップテーブルを記録用紙の種類毎に記憶しておく場合に比較して、テーブルの作成工程やメモリ使用量を節約することができる。
以上、実施形態に基づき本発明を説明したが、本発明は上述した実施形態に何ら限定されるものではなく、本発明の趣旨を逸脱しない範囲内で種々の改良変更が可能であることは容易に推察できるものである。
例えば、第1実施形態で説明したGCRテーブル143(図2参照)に格納される補正値(ΔC,ΔM,ΔY)は、様々に変更可能である。
図8は、変形例のGCRテーブルに格納される、グレー成分値minKと補正値との対応関係を示すグラフである。変形例のGCRテーブルにおいては、グレー成分値minKが大となるにつれて、補正値(ΔC,ΔM,ΔY)が増大し、補正値(ΔC,ΔM,ΔY)が最大値に到達すると、グレー成分値minKの増大に拘わらず、補正値(ΔC,ΔM,ΔY)が一定の値をとるように定められた値が格納される。その結果、グレー成分値minKが所定値以上となると、補正の結果として得られる有彩色成分値Cの値は一定となる。このように構成されたGCRテーブルを用いても、上述した第1実施形態と同様の効果が得られる。
すなわち、特許請求の範囲に記載の、「入力値のグレー成分が大となるほど、補正の結果として得られる有彩色成分値が大となるように定められた補正値」とは、例えば、図2に示したような補正値の軌跡を描くと、その傾きが常に正となる補正値に限定されるものではなく、例えば、図8に例示したように、横軸にグレー成分値minKをとり縦軸に補正値をとった座標平面に、GCRテーブルに格納された補正値(ΔC,ΔM,ΔY)の軌跡を色毎に描くと、その軌跡の傾きが「0」となる部分を含むように定められた補正値であっても良い。
さらに、「補正の結果として得られる有彩色成分値が大となるように定められた補正値」とは、出力値が複数色の有彩色成分値を含む場合は、複数色の成分値がそれぞれ大となるように定められた補正値に限定されるものではなく、その複数色の有彩色成分値を合計した値が、グレー成分が大となるほど大となるように定められた補正値であっても良い。
また、第1実施形態の色変換処理(S6)では、GCRテーブル143(図2参照)に記憶された関係に従って補正を行っていたが、例えば、GCRテーブルに替えて、UCR(Under Color Removal)テーブルが用いられる場合にも本発明は適用可能である。
また、上述した第1実施形態および第2実施形態では、ユーザにより入力された記録用紙の種類に対応する調整パラメータa、およびインク総量bが決定されるものとして説明したが、例えば、記録用紙に付加されたRFID(Radio Frequency Identification)や、バーコードを読み取ることにより、記録用紙種類を特定し、その特定された記録用紙の種類に基づいて、調整パラメータa、およびインク総量bが決定されるものであっても良い。
また、ユーザの主観的な感覚で記録用紙を分類させ、その分類を示す情報を、記録用紙の種類として、ユーザに入力させることとしても良い。例えば、記録用紙に対するインクの定着性およびインク吸収性の各々について、「良」、「中」、「悪」のいずれかをユーザに入力させ、その入力された種類に応じて予め記憶されていた調整パラメータaおよびインク総量bを用いることとしても良い。このようにすれば、ユーザの主観的な感覚に適合した適切な調整パラメータaおよびインク総量bが決定される。
また、上述した第1実施形態および第2実施形態のインク総量制限処理(S68,S78)では、CMYのバランスを保持したまま、各色成分値を低減させたが、これに替えて、各色に異なる割合で色成分値を低減させても良い。
また、上述した第1実施形態および第2実施形態の色変換処理(S6,S70)は、PC10で実行されるものとして説明したが、画像形成装置40で実行されることとしても良い。この場合、画像形成装置40が、特許請求の範囲に記載の色変換装置に相当し、画像形成装置40に記憶されたプログラムが、特許請求の範囲に記載の色変換プログラムに相当する。
また、上述した第1実施形態および第2実施形態では、入力値RGBをCMYKの4色を含む出力値に変換する場合について説明したが、画像形成装置が、ライトシアン、ライトマゼンタ(有彩色のインクの例)、ライトブラック(無彩色のインクの例)など、5色以上を用いて画像を形成する場合であって、入力値が5色以上の色成分値に変換される場合においても、本発明は適用可能である。
本発明の色変換装置の第1実施形態であるPC10と、PCに接続された画像形成装置との電気的構成を模式的に示すブロック図である。 GCRテーブルに格納される、グレー成分値minKと補正値との対応関係を示すグラフである。 用紙種類テーブルの一例を模式的に示す図である。 PCで実行されるページ印刷処理を示すフローチャートである。 色変換処理を示すフローチャートである。 (a)は、第2実施形態のPCのHDDを模式的に示すブロック図であり、(b)は、赤(R)、緑(G)、青(B)、および黒(K)、白(W)の5点を頂点とするRGB立方体を示す図であり、(c)は、ルックアップテーブルに格納される対応関係を示すグラフである。 第2実施形態のPCにおいて実行される色変換処理を示すフローチャートである。 変形例のGCRテーブルに格納される、グレー成分値minKと補正値との対応関係を示すグラフである。 従来のGCRテーブルに格納される、グレー成分値minKと補正値との対応関係の一例を示すグラフである。
10 PC(色変換装置の一例)
14 HDD(ルックアップテーブル記憶手段の一例)
141,145 プリンタドライバ(色変換プログラムの一例)
142 ルックアップテーブル
143 GCRテーブル(補正値記憶手段の一例)
146 ルックアップテーブル
S62 色変換手段の一例
S64 グレー成分値決定手段の一例
S65,S72 決定手段の一例、決定工程の一例
S66,S74 制限手段の一例、制限工程の一例
S67,S76 調整手段の一例
S68,S78 出力値決定手段の一例、出力値決定工程の一例、インク量制限手段の一例

Claims (7)

  1. 無彩色のインクと有彩色のインクとを用いて記録媒体に画像を形成するために、入力値を、無彩色成分値と有彩色成分値とを含む出力値に変換する色変換装置であって、
    前記入力値を用いて無彩色成分値と有彩色成分値とを決定する決定手段であって、予め定められた関係に従って、入力値のグレー成分が大となるほど有彩色成分値が大となるように、有彩色成分値を決定する前記決定手段と、
    前記決定手段により決定される無彩色成分値を、画像形成対象の記録媒体の種類に応じて予め定められた制限値で制限する制限手段と、
    前記決定手段により決定された有彩色成分値と、前記制限手段により制限された無彩色成分値とに基づく出力値を決定する出力値決定手段とを備えることを特徴とする色変換装置。
  2. 入力値に対応する有彩色成分値の関係を定めるルックアップテーブルを参照し、入力値を有彩色成分値に変換する色変換手段と、
    その色変換手段により変換された有彩色成分値から、入力値のグレー成分に相当するグレー成分値を求めるグレー成分値決定手段と、
    そのグレー成分値決定手段により決定されるグレー成分値と、前記色変換手段により変換された有彩色成分値の補正に用いる補正値との対応関係を、前記予め定められた関係として記憶する補正値記憶手段とを備え、
    前記決定手段は、前記色変換手段により変換された有彩色成分値を、前記補正値記憶手段に記憶された補正値で補正することにより前記有彩色成分値を決定するものであり、
    前記補正値記憶手段は、入力値のグレー成分が大となるほど、補正の結果として得られる有彩色成分値が大となるように定められた補正値を記憶することを特徴とする請求項1記載の色変換装置。
  3. 入力値のグレー成分が大となるほど有彩色成分値が大となるように定められたルックアップテーブルを、前記予め定められた関係として記憶するルックアップテーブル記憶手段を備え、
    前記決定手段は、
    前記ルックアップテーブル記憶手段に記憶されたルックアップテーブルに基づいて、無彩色成分値および有彩色成分値を決定するものであることを特徴とする請求項1記載の色変換装置。
  4. 前記決定手段により決定された有彩色成分値に対応するインク濃度と、前記無彩色成分制限手段により制限された無彩色成分値に対応するインク濃度との合計が、画像形成対象の記録媒体の種類に応じて予め定められたインク量制限値以下となるように、前記有彩色成分値に対応するインク濃度と無彩色成分値に対応するインク濃度とのうち、有彩色成分値に対応するインク濃度のみを低減させるインク量制限手段を備えることを特徴とする請求項1から3のいずれかに記載の色変換装置。
  5. 各色成分値に対応して定まるインク調整値に基づいて、前記決定手段により決定される有彩色成分値および前記制限手段により制限された無彩色成分値を調整する調整手段を備え、
    前記インク量制限手段は、前記調整手段により調整された各色成分値をその色成分のインク濃度とし、各色のインク濃度の合計が前記インク量制限値以下となるように、前記調整手段により調整された有彩色成分値に対応するインク濃度を低減させることを特徴とする請求項4記載の色変換装置。
  6. 無彩色のインクと有彩色のインクとを用いて記録媒体に画像を形成するために、入力値を、無彩色成分値と有彩色成分値とを含む出力値に変換する処理を色変換装置に実行させる色変換プログラムであって、
    前記入力値を用いて無彩色成分値と有彩色成分値とを決定する決定手段であって、予め定められた関係に従って、入力値のグレー成分が大となるほど有彩色成分値が大となるように、有彩色成分値を決定する前記決定手段と、
    前記決定手段により決定される無彩色成分値を、画像形成対象の記録媒体の種類に応じて予め定められた制限値で制限する制限手段と、
    前記決定手段により決定された有彩色成分値と、前記制限手段により制限された無彩色成分値とに基づく出力値を決定する出力値決定手段として前記画像処理装置を機能させることを特徴とする色変換プログラム。
  7. 無彩色のインクと有彩色のインクとを用いて記録媒体に画像を形成するために、入力値を、無彩色成分値と有彩色成分値とを含む出力値に変換する色変換方法であって、
    前記入力値を用いて無彩色成分値と有彩色成分値とを決定する決定工程であって、予め定められた関係に従って、入力値のグレー成分が大となるほど有彩色成分値が大となるように、有彩色成分値を決定する前記決定工程と、
    前記決定工程により決定される無彩色成分値を、画像形成対象の記録媒体の種類に応じて予め定められた制限値で制限する制限工程と、
    前記決定工程により決定された有彩色成分値と、前記制限工程により制限された無彩色成分値とに基づく出力値を決定する出力値決定工程とを有することを特徴とする色変換方法。
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