ところで、近年のカラープリンタでは、インク液滴をより小さく、薄く、緻密にすることが、粒状感の低減や階調性の向上を実現するために望ましいとされている。しかしながら、被記録媒体として布帛(例えば、Tシャツ)を用いる布帛用インクジェットプリンタでは、Tシャツの表面を十分に隠蔽して繊維に十分な量のインクを染み込ませるために、記録紙などに印刷する場合に比べて大量のインクを吐出する必要がある。そして、被記録媒体に大量のインクを吐出するためには、インク液滴をより大きくする必要がある。すると、大きなインク液滴で印刷を行う布帛用インクジェットプリンタでは、特に高明度高彩度(黄色)領域から低明度低彩度(黄褐色)領域へのグラデーションを再現すると、そのグレー成分の粒状感が目立ちやすいという問題があった。
また、特許文献1のように、コンポジットグレーを純色に混ぜ合わせて明度、彩度を落としていく技術では、色のもつ特徴に画像品質が左右されるという問題があった。図15は、色相と明度との関係を示す図である。
図15に示すように、黄色と青紫色とは全色相の中で最も明度差があるペアであるところ、インクジェットプリンタの色再現範囲を考えた場合、黄色に比べて青紫領域は彩度の表現範囲が狭い。よって、RGB値の255階調では、黄色の純色(R=G=255,B=0)から黒色(R=G=B=0)と青紫色の純色(R=G=0,B=255)は等しいが、実際の色再現能力には大きな差がある。また、この2つの純色には、L*値に現れている明度差がある。例えば、黄褐色では粒状感に注意しなければならないが、青紫色ではそれほど気にならない程度である。逆に、Yインクは他のインクよりも明度が高いため、どのインクを用いても明度・彩度共に下がる。一方、青紫色にグレー成分を追加するためにYインクを用いると、色に濁り感が出て彩度は若干落ちるが、明度を下げることはできない。なお、黄色と青紫色は上記のような問題が最も大きい色相であるが、オレンジ色や青色や赤紫色など別の色相でも多かれ少なかれ粒状感と明度・彩度の調整の問題が発生する。
よって、最適なLUTを作成するためには、各色域での測色や印刷結果の確認及び微調整といった熟練者による手作業が必要となる。さらに、画像記録に使用されるインクや被記録媒体などの条件が異なると色域(色再現範囲)も異なるため、これらの条件も考慮してLUTを作成する必要がある。しかしながら、上記条件をすべて満たすようなLUTを作成しようとすると、手作業で確認すべき項目が多くなり、その作成工程が煩雑となって作業の迅速さを欠くという問題があった。また、手作業に頼ると個体差を生じてしまい、複数個のLUT間の安定性(正確性)を保つことが難しいという問題があった。
本発明は上記課題を解決するためになされたものであり、印刷データを作成するための墨生成テーブルを迅速かつ正確に作成することができ、かつインクジェット記録装置でカラー画像を記録するのに好適な印刷データを作成することができる色変換装置、色変換方法及び色変換プログラムの提供を目的とする。
上記目的を達成するために、請求項1に係る発明の色変換装置は、ブラックインクと、互いに組み合わせることにより無彩色を表現することができる複数のカラーインクを含む複数のインクをインクジェットヘッドから吐出して、被記録媒体にカラー画像を記録するインクジェット記録装置で用いられる印刷データを作成する色変換装置において、前記複数のカラーインクを用いて印刷したカラーパッチのL*a*b*値測定において、L*値が最も高いカラーインクを用いて印刷した一次色のカラーパッチを基準として、それ以外の少なくとも一つのカラーインクを用いて印刷した一次色又は二次色のカラーパッチとのL*値の差を判定するL*値差判定手段と、前記L*値差判定手段により判定されたL * 値の差に基づいて、前記カラー画像を表現する画素の色と前記複数のインクの組み合わせとの対応を定義した墨生成テーブルを作成する墨生成テーブル作成手段とを備え、前記墨生成テーブル作成手段は、前記L*値差判定手段によりL*値の差が40以上であると判定された前記カラーパッチに対応する前記カラー画像の画素の色について、前記無彩色を表現する複数のカラーインクの組み合わせと前記ブラックインクとを前記インクジェットヘッドから吐出することで暗色化するように、前記墨生成テーブルを作成することを特徴とする。
また、請求項2に係る発明の色変換装置は、請求項1に記載の発明の構成に加え、前記墨生成テーブル作成手段は、前記L*値差判定手段によりL*値の差が53以上であると判定された前記カラーパッチに対応する前記カラー画像の画素の色について、前記無彩色を表現する複数のカラーインクの組み合わせと前記ブラックインクとを前記インクジェットヘッドから吐出することで暗色化するのに代えて、前記ブラックインクのみを前記インクジェットヘッドから吐出することで暗色化するように、前記墨生成テーブルを作成することを特徴とする。
また、請求項3に係る発明の色変換装置は、請求項1又は2に記載の発明の構成に加え、前記L*値が最も高いカラーインクは、イエローインクであることを特徴とする。
また、請求項4に係る発明の色変換方法は、ブラックインクと、互いに組み合わせることにより無彩色を表現することができる複数のカラーインクを含む複数のインクをインクジェットヘッドから吐出して、被記録媒体にカラー画像を記録するインクジェット記録装置で用いられる印刷データを作成する色変換方法において、前記複数のカラーインクを用いて印刷したカラーパッチのL*a*b*値測定において、L*値が最も高いカラーインクを用いて印刷した一次色のカラーパッチを基準として、それ以外の少なくとも一つのカラーインクを用いて印刷した一次色又は二次色のカラーパッチとのL * 値の差を判定するL*値差判定工程と、前記L*値差判定工程により判定されたL * 値の差に基づいて、前記カラー画像を表現する画素の色と前記複数のインクの組み合わせとの対応を定義した墨生成テーブルを作成する墨生成テーブル作成工程とを備え、前記墨生成テーブル作成工程は、前記L*値差判定工程によりL*値の差が40以上であると判定された前記カラーパッチに対応する前記カラー画像の画素の色について、前記無彩色を表現する複数のカラーインクの組み合わせと前記ブラックインクとを前記インクジェットヘッドから吐出することで暗色化するように、前記墨生成テーブルを作成することを特徴とする。
また、請求項5に係る発明の色変換方法は、請求項4に記載の発明の構成に加え、前記墨生成テーブル作成工程は、前記L*値差判定手段によりL*値の差が53以上であると判定された前記カラーパッチに対応する前記カラー画像の画素の色について、前記無彩色を表現する複数のカラーインクの組み合わせと前記ブラックインクとを前記インクジェットヘッドから吐出することで暗色化するのに代えて、前記ブラックインクのみを前記インクジェットヘッドから吐出することで暗色化するように、前記墨生成テーブルを作成することを特徴とする。
また、請求項6に係る発明の色変換方法は、請求項4又は5に記載の発明の構成に加え、前記L*値が最も高いカラーインクは、イエローインクであることを特徴とする。
また、請求項7に係る発明の色変換プログラムは、ブラックインクと、互いに組み合わせることにより無彩色を表現することができる複数のカラーインクを含む複数のインクをインクジェットヘッドから吐出して、被記録媒体にカラー画像を記録するインクジェット記録装置で用いられる印刷データを作成する色変換プログラムであって、コンピュータを、前記複数のカラーインクを用いて印刷したカラーパッチのL*a*b*値測定において、L*値が最も高いカラーインクを用いて印刷した一次色のカラーパッチを基準として、それ以外の少なくとも一つのカラーインクを用いて印刷した一次色又は二次色のカラーパッチとのL*値の差を判定するL*値差判定手段と、前記L*値差判定手段により判定されたL * 値の差に基づいて、前記カラー画像を表現する画素の色と前記複数のインクの組み合わせとの対応を定義した墨生成テーブルを作成する墨生成テーブル作成手段として機能させ、前記墨生成テーブル作成手段は、前記L*値差判定手段によりL*値の差が40以上であると判定された前記カラーパッチに対応する前記カラー画像の画素の色について、前記無彩色を表現する複数のカラーインクの組み合わせと前記ブラックインクとを前記インクジェットヘッドから吐出することで暗色化するように、前記墨生成テーブルを作成することを特徴とする。
また、請求項8に係る発明の色変換プログラムは、請求項7に記載の発明の構成に加え、前記墨生成テーブル作成手段は、前記L*値差判定手段によりL*値の差が53以上であると判定された前記カラーパッチに対応する前記カラー画像の画素の色について、前記無彩色を表現する複数のカラーインクの組み合わせと前記ブラックインクとを前記インクジェットヘッドから吐出することで暗色化するのに代えて、前記ブラックインクのみを前記インクジェットヘッドから吐出することで暗色化するように、前記墨生成テーブルを作成することを特徴とする。
請求項1に係る発明の色変換装置では、L*値が最も高いカラーインクを用いて印刷したカラーパッチと、それ以外のカラーインクを用いて印刷したカラーパッチとのL*値差が40以上であれば、そのL * 値差が40以上のカラーパッチに対応するカラー画像の画素の色については、無彩色を表現する複数のカラーインクの組み合わせとブラックインクとをインクジェットヘッドから吐出することで暗色化が実行されるように墨生成テーブルが作成される。そして、この墨生成テーブルに基づいて作成された印刷データによれば、インクジェット記録装置で低明度領域の色相を十分な暗さで表現(印刷)可能である。よって、印刷データを作成するための墨生成テーブルを迅速かつ正確に作成することができ、かつインクジェット記録装置でカラー画像を記録するのに好適な印刷データを作成することができる。
また、請求項2に係る発明の色変換装置では、請求項1に記載の発明の効果に加え、L*値が最も高いカラーインクを用いて印刷したカラーパッチとのL*値差が53以上のカラーパッチに対応するカラー画像の画素の色については、ブラックインクのみをインクジェットヘッドから吐出することで暗色化が実行されるように墨生成テーブルが作成される。そして、この墨生成テーブルに基づいて作成された印刷データによれば、インクジェット記録装置で最低明度領域の色相を十分な暗さで表現(印刷)可能である。よって、印刷データを作成するための墨生成テーブルを迅速かつ正確に作成することができ、かつインクジェット記録装置でカラー画像を記録するのに好適な印刷データを作成することができる。
また、請求項3に係る発明の色変換装置では、請求項1又は2に記載の発明の効果に加え、L*値が最も高いカラーインクはイエローインクである。よって、CMYK形式のインクを用いた記録を実行するインクジェット記録装置に好適な墨生成テーブル及び印刷データを作成することができる。
また、請求項4に係る発明の色変換方法では、L*値が最も高いカラーインクを用いて印刷したカラーパッチと、それ以外のカラーインクを用いて印刷したカラーパッチとのL*値差が40以上であれば、そのL * 値差が40以上のカラーパッチに対応するカラー画像の画素の色については、無彩色を表現する複数のカラーインクの組み合わせとブラックインクとをインクジェットヘッドから吐出することで暗色化が実行されるように墨生成テーブルが作成される。そして、この墨生成テーブルに基づいて作成された印刷データによれば、インクジェット記録装置で低明度領域の色相を十分な暗さで表現(印刷)可能である。よって、印刷データを作成するための墨生成テーブルを迅速かつ正確に作成することができ、かつインクジェット記録装置でカラー画像を記録するのに好適な印刷データを作成することができる。
また、請求項5に係る発明の色変換方法では、請求項4に記載の発明の効果に加え、L*値が最も高いカラーインクを用いて印刷したカラーパッチとのL*値差が53以上のカラーパッチに対応するカラー画像の画素の色については、ブラックインクのみをインクジェットヘッドから吐出することで暗色化が実行されるように墨生成テーブルが作成される。そして、この墨生成テーブルに基づいて作成された印刷データによれば、インクジェット記録装置で最低明度領域の色相を十分な暗さで表現(印刷)可能である。よって、印刷データを作成するための墨生成テーブルを迅速かつ正確に作成することができ、かつインクジェット記録装置でカラー画像を記録するのに好適な印刷データを作成することができる。
また、請求項6に係る発明の色変換方法では、請求項4又は5に記載の発明の効果に加え、L*値が最も高いカラーインクはイエローインクである。よって、CMYK形式のインクを用いた記録を実行するインクジェット記録装置に好適な墨生成テーブル及び印刷データを作成することができる。
また、請求項7に係る発明の色変換プログラムでは、L*値が最も高いカラーインクを用いて印刷したカラーパッチと、それ以外のカラーインクを用いて印刷したカラーパッチとのL*値差が40以上であれば、そのL * 値差が40以上のカラーパッチに対応するカラー画像の画素の色については、無彩色を表現する複数のカラーインクの組み合わせとブラックインクとをインクジェットヘッドから吐出することで暗色化が実行されるように墨生成テーブルが作成される。そして、この墨生成テーブルに基づいて作成された印刷データによれば、インクジェット記録装置で低明度領域の色相を十分な暗さで表現(印刷)可能である。よって、印刷データを作成するための墨生成テーブルを迅速かつ正確に作成することができ、かつインクジェット記録装置でカラー画像を記録するのに好適な印刷データを作成することができる。
また、請求項8に係る発明の色変換プログラムでは、請求項7に記載の発明の効果に加え、L*値が最も高いカラーインクを用いて印刷したカラーパッチとのL*値差が53以上のカラーパッチに対応するカラー画像の画素の色については、ブラックインクのみをインクジェットヘッドから吐出することで暗色化が実行されるように墨生成テーブルが作成される。そして、この墨生成テーブルに基づいて作成された印刷データによれば、インクジェット記録装置で最低明度領域の色相を十分な暗さで表現(印刷)可能である。よって、印刷データを作成するための墨生成テーブルを迅速かつ正確に作成することができ、かつインクジェット記録装置でカラー画像を記録するのに好適な印刷データを作成することができる。
以下、本発明の実施の形態について説明する。本実施の形態に係る印刷システム1は、本発明の色変換装置、色変換方法及び色変換プログラムの一例として、画像データに基づいて印刷データを作成するパーソナルコンピュータ(PC)10と、PC10で作成された印刷データに基づいて、被印刷媒体の布帛であるTシャツに印刷するインクジェット方式のプリンタ20とから構成される。
まず、本実施の形態に係る印刷システム1の構成について説明する。図1は、印刷システム1の電気的構成を示すブロック図である。図2は、RAM13の記憶エリアの構成を示す概念図である。図3は、HDD15の記憶エリアの構成を示す概念図である。
図1に示すように、PC10は、PC10の制御を司るCPU11に、BIOS等のプログラムを記憶したROM12と、データを一時的に記憶するRAM13と、データの読み込みを行うCD−ROMドライブ14と、データの記憶装置であるハードディスクドライブ(HDD)15とが、バスを介して接続されている。さらに、プリンタ20とのデータ通信を行うためのインターフェイス(I/O)16と、ユーザに操作画面を表示するモニタ17と、ユーザが操作の入力を行うキーボード18aやマウス18bと、後述する測色パッチを測色する測色計19とが、バスを介してCPU11に接続されている。なお、PC10には、図示外のフロッピー(登録商標)ディスクドライブ、音声等の入出力部、各種インターフェイスなども設けられている。
なお、CD−ROMドライブ14に挿入可能なCD−ROMには、後述するテーブル作成前処理(図4)及びテーブル作成処理(図9)を実行するための色変換プログラムや、印刷データ作成処理(図14)を実行するためのプリンタドライバや、プログラムの実行時に使用される設定やデータ等が記憶されており、導入時には、CD−ROMからHDD15上のプログラム記憶エリア152や情報記憶エリア153(図3参照)にセットアップされて記憶されるようになっている。
次に、図2に示すように、PC10のRAM13には、プログラムの実行中の一時的なデータを記憶するワークエリア131と、印刷対象の画像データを一時的に記憶する入力画像データ記憶エリア132と、後述する画像データを印刷データに色変換するためのカラープロファイル及び墨生成テーブルを記憶するテーブル記憶エリア133と、画像データに基づいて作成された印刷データを記憶する印刷データ記憶エリア134とが設けられている。さらに、RAM13には、図示外の各種記憶エリアが設けられている。
また、図3に示すように、PC10のHDD15には、PC10の動作を制御するためCPU11が実行する各種のプログラム等を記憶したオペレーティングシステム(OS)記憶エリア151と、PC10で実行される色変換プログラムやプリンタドライバなどを記憶したプログラム記憶エリア152と、プログラムの実行に必要な設定や初期値、データ等の情報を記憶した情報記憶エリア153と、複数の画像データが格納された画像データ記憶エリア154とが設けられている。さらに、HDD15には、図示外の各種記憶エリアが設けられている。
このような構成の印刷システム1において、PC10では、後述のテーブル作成前処理(図4)及びテーブル作成処理(図9)により、被記録媒体やインクなどの条件に応じた墨生成テーブルが作成されて記憶される。そして、アプリケーションなどから印刷実行が指示されると、後述の印刷データ作成処理(図14)により、画像データが色変換されて印刷データが作成される。そして、USB等の規格に基づく通信ケーブルによって接続されたプリンタ20に印刷データを送信される。プリンタ20は、印刷データに基づいてTシャツへ印刷を行う。
なお、プリンタ20は、従来の布帛用インクジェットプリンタと同様の構成であり、画像データに基づく画像をTシャツに印刷する際には、原則として、そのグレー成分をCMYインクを組み合わせたコンポジットグレーによって表現(印刷)するものである。ただし、後述するように、プリンタ20は画像データのグレー成分を、Kインクや墨入りコンポジットグレーによって表現(印刷)することも可能となっている。
以下、本実施の形態に係る印刷システム1において、PC10で実行される処理を中心について説明する。
まず、後述するテーブル作成処理(図9)の前段階として、グレー成分を置き換えるCMY値の範囲を特定するための「テーブル作成前処理」について説明する。図4は、テーブル作成前処理を示すフローチャートである。図5は、測色パッチ100の平面図である。図6は、Yインク,Mインク,Cインクにおける色相の変化を円形表示した色相変化図である。図7は、墨入りコンポジットグレー使用範囲テーブル110のデータ構成図である。図8は、墨グレー使用範囲テーブル120のデータ構成図である。なお、テーブル作成前処理(図4)は、ユーザが本処理の開始をキーボード18a又はマウス18bを用いて指示すると、先述の色変換プログラムに基づいてCPU11により実行される。
図4に示すように、テーブル作成前処理では、まず被記録媒体であるTシャツと同一素材の布帛に、プリンタ20で使用するCインク,Mインク,Yインクを用いて印刷した測色パッチ100を、ユーザが測色計19を用いて測色する(S1)。
図5に示すように、測色パッチ100には、Cインク,Mインク,Yインクの単色からなるカラーパッチと、CインクとMインクを一定の比率で混ぜて作った、青緑色(シアン色)から赤紫色(マゼンタ色)までのカラーパッチとが複数印刷されている。ユーザは測色計19を用いて、測色パッチ100に印刷された各カラーパッチを測色して、それぞれの明度L*をPC10に入力する。PC10に入力された各カラーパッチの明度L*は、RAM13のワークエリア131に記憶される。なお、図5では理解を容易にするために、各カラーパッチの実際の色に代えて、各カラーパッチのCMYK値を表示している。
ここで、KインクはL*値が低く、インクの種類や製造メーカによる差はあるものの、綿100%のTシャツ生地に印刷された印刷結果を、コニカミノルタ製分光測色計CM−3700dにより測色すると、30前後の値をとる。また、YインクはL*値が高く、Kインクと同様にインクの種類や製造メーカによる差はあるものの、80前後の値をとる。また、Cインク及びMインクのL*値は40を越え60未満の間の値を取る。
図4に戻り、L*値差が40以上のカラーパッチに基づいて、墨入りコンポジットグレー使用範囲テーブルが作成される(S3)。ここでは、ワークエリア131に記憶された各カラーパッチのL*値に基づいて、以下の処理が行われる。まず、Cインクの単色パッチ、Mインクの単色パッチ及び混色パッチの各L*値を、それぞれYインクの単色パッチのL*値と比較して、そのL*値差が40以上のカラーパッチを特定する。そして、該当するカラーパッチのCMY値を特定することで、画像データのグレー成分を墨入りコンポジットグレーで表現する色相の範囲(墨入りコンポジットグレー使用範囲)を特定する。墨入りコンポジットグレーは、コンポジットグレーとKインクとを組み合わせた無彩色である。そして、この墨入りコンポジットグレー使用範囲をCMYK値で表したテーブルを作成する。
図6に示すように、S3ではYインクとのL*値差が40以上の色相の範囲(墨入りコンポジットグレー使用範囲)として、青緑色(シアン色)〜青色〜赤紫色(マゼンタ色)の低明度の色相領域が特定されることになる。この低明度領域の暗い色相は、CMYインクを組み合わせたコンポジットグレーを使用しても、コンポジットグレーにはYインクが含まれているために彩度を十分に落とすことができない。すなわち、低明度領域の色相は、コンポジットグレーのみでは十分にその暗さを表現することができない。よって、YインクとのL*値差が40以上の色相は、墨入りコンポジットグレーを用いてグレー成分を表現(印刷)する墨入りコンポジットグレー使用範囲としている。
そして、図7に示すように、YインクとのL*値差が40以上のカラーパッチをCMYK値で一覧表示した墨入りコンポジットグレー使用範囲テーブル110が作成され、RAM13のワークエリア131に記憶される。なお、図7では、L*値差が40以上になるカラーパッチが、シアン255,マゼンタ26のものからシアン26,マゼンタ255のものまでであることを例示している。
図4に戻り、L*値差が53以上のカラーパッチに基づいて、墨グレー使用範囲テーブルが作成される(S5)。すなわち、S3と同様にして、YインクとのL*値差が53以上のカラーパッチを特定して、画像データのグレー成分をKインクのみで表現する色相の範囲(墨グレー使用範囲)を特定したテーブルを作成する。
図6に示すように、S5ではYインクとのL*値差が53以上の色相の範囲(墨グレー使用範囲)として、青色周辺の低明度の色相領域が特定されることになる。この最低明度領域の暗い色相は、墨入りコンポジットグレーを使用しても彩度を十分に落とすことができない。すなわち、最低明度領域の色相は、墨入りコンポジットグレーでは十分にその暗さを表現することができない。よって、YインクとのL*値差が53以上の色相を、Kインクのみでグレー成分を表現する墨グレー使用範囲としている。
そして、図8に示すように、YインクとのL*値差が53以上のカラーパッチをCMYK値で一覧表示した墨グレー使用範囲テーブル120が作成され、RAM13のワークエリア131に記憶される。なお、図8では、L*値差が53以上になるカラーパッチが、シアン255,マゼンタ205のものからシアン180,マゼンタ255のものまでであることを例示している。
次に、RGB形式の画像データをCMYK形式の印刷データに色変換するための墨生成テーブルを作成する「テーブル作成処理」について説明する。図9は、テーブル作成処理を示すフローチャートである。図10は、処理前の墨生成テーブル200のデータ構成図である。図11は、墨入りコンポジットグレー使用領域と色値との関係を説明するための図である。図12は、墨入りコンポジットグレー変換テーブル130のデータ構成図である。図13は、墨グレー変換テーブル140のデータ構成図である。なお、テーブル作成処理(図9)は、ユーザが本処理の開始をキーボード18a又はマウス18bを用いて指示すると、先述の色変換プログラムに基づいてCPU11により実行される。
図9に示すように、テーブル作成処理では、まず処理前の墨生成テーブル200が読み込まれる(S11)。HDD15の所定記憶エリアには、あらかじめ従来の技術と同様にして作成された通常の墨生成テーブル200が記憶されており、この墨生成テーブル200がRAM13のワークエリア131に読み込まれる。
図10に示すように、処理前の墨生成テーブル200は、RGB形式の画像データをCMYK形式の印刷データに色変換するためのプロファイルであり、画像データを表現する255階調のRGB値を、4色のインクを表現するCMYK値に各々対応づけたテーブルである。なお、処理前の墨生成テーブル200は従来のものと同様であるから、これに基づいて画像データを印刷データに変換すると、その印刷データでは画像データのグレー成分がコンポジットグレーのみを用いて表現(印刷)されることになる。
以下の処理では、処理前の墨生成テーブル200に対して、先述の墨入りコンポジットグレー使用範囲テーブル110及び墨グレー使用範囲テーブル120を用いる範囲を特定し、墨入りコンポジットグレーを用いるRGB値領域と、墨グレーを用いるRGB値領域とを特定する。具体的には、図11に示すように、明度(lightness)をY軸とし、彩度(satulation)をX軸とし、R=G=B=0として、画像データにおける255階調のRGB値を表した場合、墨入りコンポジットグレーを用いるRGB値(墨グレーを用いるRGB値を含む)からR=G=B=0(黒色)までの領域が、グレー成分としてKインク(墨入りコンポジットグレーを含む)を使用する領域となる。そして、処理前の墨生成テーブル200において、当該RGB値領域に対応するCMYK値を変更して、コンポジットグレーではなくKインク(墨入りコンポジットグレーを含む)でグレー成分が表現されるようにする。
まず、墨入りコンポジットグレー使用範囲があるか否かが判定される(S13)。ここで、墨入りコンポジットグレー使用範囲テーブル110に各カラーパッチのCMYK値がセットされていれば、墨入りコンポジットグレー使用範囲がある(S13:YES)と判定される。
墨入りコンポジットグレー使用範囲がある場合(S13:YES)、処理前の墨生成テーブル200と墨入りコンポジットグレー使用範囲テーブル110とが比較され、墨入りコンポジットグレー使用範囲テーブル110にセットされた墨入りコンポジットグレー使用範囲に対応するRGB値が、処理前の墨生成テーブル200から特定される(S15)。
そして、墨入りコンポジットグレー変換テーブル130が読み込まれる(S17)。すなわち、HDD15の所定記憶エリアには、あらかじめ作成された墨入りコンポジットグレー変換テーブル130が記憶されており、この墨入りコンポジットグレー変換テーブル130がRAM13のワークエリア131に読み込まれる。図12に示すように、墨入りコンポジットグレー変換テーブル130は墨入りコンポジットグレーでグレー成分が表示されるようにインク量を調整するためのテーブルであり、255階調のRGB値のグレー成分と、当該RGB値に対応するCMYK値の操作量(増減量)とが定義されている。
次に、処理前の墨生成テーブル200が墨入りコンポジットグレー変換テーブル130に基づいて書き換えられる(S19)。ここでは、処理前の墨生成テーブル200において、S15で特定された墨入りコンポジットグレー使用範囲に含まれるCMYK値が、当該CMYK値に対応するRGB値のグレー成分の大きさに応じて、以下のように増減される。なお、以下では、図7に示す墨入りコンポジットグレー使用範囲テーブル110にセットされたCMYK値(255,26,0,0)を例示して説明する。
まず、処理前の墨生成テーブル200において、墨入りコンポジットグレー使用範囲に含まれるCMYK値に対応するRGB値のグレー成分を、255から当該RGB値の彩度を減算して求める。なお、RGB値の彩度は、R値,G値,B値のうちで最大値のものから最小値のものを減算した値である。例えば、図10に示す墨生成テーブル200では、CMYK値(255,26,0,0)に対応するのはRGB値(10,163,255)である。よって、RGB値のグレー成分=255−(255−10)=10となる。
そして、このグレー成分に対応するCMYK値の増減量を、墨入りコンポジットグレー変換テーブル130を参照して求める。例えば、図12に示す墨入りコンポジットグレー変換テーブル130では、RGB値のグレー成分「10」に対応するCMYK値の増減量(−2,−2,−2,10)となる。
最後に、処理前の墨生成テーブル200において、墨入りコンポジットグレー使用範囲に含まれるCMYK値を、RGB値のグレー成分に対応するCMYK値の増減量に基づいて操作する。例えば、図10に示す処理前の墨生成テーブル200では、RGB値(10,163,255)に対応するCMYK値(255,26,0,0)が、CMYKの各増減量(−2,−2,−2,10)に基づいてCMYK値(253,24,0,10)に変更される。テーブル作成処理(図9)のS19では、S15で特定されたRGB値の全てについて、上記処理が実行される。
次に、墨入りコンポジットグレー使用範囲がない場合(S13:NO)又はS19の後は、墨グレー使用範囲があるか否かが判定される(S21)。ここで、墨グレー使用範囲テーブル120に各カラーパッチのCMYK値がセットされていれば、墨グレー使用範囲がある(S21:YES)と判定される。
墨グレー使用範囲がある場合(S21:YES)、処理前の墨生成テーブル200と墨グレー使用範囲テーブル120とが比較され、墨グレー使用範囲テーブル120にセットされた墨グレー使用範囲に対応するRGB値が、処理前の墨生成テーブル200から特定される(S23)。
そして、墨グレー変換テーブル140が読み込まれる(S25)。すなわち、HDD15の所定記憶エリアには、あらかじめ作成された墨グレー変換テーブル140が記憶されており、この墨グレー変換テーブル140がRAM13のワークエリア131に読み込まれる。図13に示すように、墨グレー変換テーブル140は墨グレー(Kインク)でグレー成分が表示されるようにインク量を調整するためのテーブルであり、255階調のRGB値のグレー成分と、当該RGB値に対応するCMYK値の操作量(増減量)とが定義されている。
次に、処理前の墨生成テーブル200が墨グレー変換テーブル140に基づいて書き換えられる(S27)。ここでは、処理前の墨生成テーブル200において、S23で特定された墨グレー使用範囲に含まれるCMYK値が、当該CMYK値に対応するRGB値のグレー成分の大きさに応じて、先述のS19と同様にして増減される。
図8に示す墨グレー使用範囲テーブル120にセットされたCMYK値(255,205,0,0)を例示して説明する。図10に示す墨生成テーブル200では、CMYK値(255,205,0,0)に対応するのはRGB値(5,5,255)である。よって、RGB値のグレー成分=255−(255−5)=5となる。次に、図13に示す墨グレー変換テーブル140では、RGB値のグレー成分「5」に対応するCMYK値の増減量(−3,−1,−2,5)となる。最後に、図10に示す処理前の墨生成テーブル200では、RGB値(5,5,255)に対応するCMYK値(255,205,0,0)が、CMYK値の増減量(−3,−1,−2,5)に基づいてCMYK値(252,204,0,5)に変更される。テーブル作成処理(図9)のS27では、S23で特定されたRGB値の全てについて、上記処理が実行される。
図9に戻り、墨グレー使用範囲がない場合(S21:NO)又はS27の後は、上記処理が行われた処理後の墨生成テーブル200´(図示外)がRAM13のワークエリア131からテーブル記憶エリア133に書き出されて(S29)、テーブル作成処理(図9)が終了する。
以上の処理により作成された処理後の墨生成テーブル200´は、処理前の墨生成テーブル200と同様に、RGB値の画像データをCMYK値の印刷データに色変換するためのものである。しかし、コンポジットグレー使用範囲に対応するRGB形式の画素を、そのグレー成分を墨入りコンポジットグレーで表現(印刷)するCMYK形式の画素に変換する点で異なる。また、墨グレー使用範囲に対応するRGB形式の画素を、そのグレー成分を墨グレー(Kインク)のみで表現(印刷)するCMYK形式の画素に変換する点で異なる。
次に、プリンタ20で用いられる印刷データを作成する「印刷データ作成処理」について説明する。図14は、印刷データ作成処理を示すフローチャートである。なお、印刷データ作成処理(図14)は、ユーザが印刷実行をキーボード18a又はマウス18bを用いて指示すると、アプリケーションからプリンタドライバが起動されて、当該プリンタドライバに基づいてCPU11により実行される。
まず、印刷対象となる画像データが読み込まれる(S31)。すなわち、HDD15の画像データ記憶エリア154に格納された画像データが、RAM13の入力画像記憶エリア132に読み込まれる。なお、入力画像データ記憶エリア132に読み込まれる画像データは、図示外のインターフェイスを介して外部機器から取り込まれたものでもよいし、ユーザがキーボード18aやマウス18bを用いて入力したものでもよい。
次に、カラープロファイルによりカラーマッチングが実行される(S33)。本処理で用いられるカラープロファイルは、異デバイス間で色再現を行うためのLUT(ルックアップテーブル)であり、一般には各デバイスの開発メーカなどにより提供される。カラープロファイルは、あらかじめRAM13のテーブル記憶エリア133に記憶されている。ここでは、カラープロファイルに基づいて非デバイス依存の色空間であるL*a*b*値が参照されて、画像データの色値が補正される。
次に、処理後の墨生成テーブル200´により、RGB形式の画像データがCMYK形式に色変換される(S35)。すなわち、先述のテーブル作成処理(図9)で作成された処理後の墨生成テーブル200´に基づいて、RGB形式の画像データの各画素が各々対応するCMYK形式の画素に変換される。
ここで、先述したように、処理後の墨生成テーブル200´に基づいて、RGB形式の画像データの画素のうち、コンポジットグレー使用範囲に対応する画素は、そのグレー成分を墨入りコンポジットグレーで表現(印刷)するCMYK形式の画素に変換される。また、墨グレー使用範囲に対応する画素は、そのグレー成分を墨グレー(Kインク)のみで表現(印刷)するCMYK形式の画素に変換される。なお、それ以外の画素は、処理前の墨生成テーブル200と同様にして、そのグレー成分をコンポジットグレーのみで表現(印刷)するCMYK形式の画素に変換される。
そして、CMYK形式に変換されたすべての画素について擬似階調処理による2値化が行われて(S37)、プリンタ20で印刷を実行するための印刷データが作成されて(S39)、印刷データ作成処理(図14)が終了する。なお、擬似階調処理は、CMYK形式のデータを印刷階調に落として2値化するための処理であり、ここでは誤差拡散法による擬似階調処理が行われるものとする。また、S39で作成された印刷データは、RAM13の印刷データ記憶エリア134に記憶される。
その後、所定のタイミングで、印刷データ記憶エリア134に記憶された印刷データがI/O16を介してプリンタ20に送信される。そして、プリンタ20では、印刷を実行するためのプログラムがCPU(図示外)により実行されて、受信した印刷データが印刷バッファ(図示外)に蓄積されて、当該印刷データに基づいて被記録媒体であるTシャツに印刷が実行される。
以上、本実施形態の印刷システム1によれば、PC10において、L*値が最も高いYインクと、それ以外のカラーインク(Cインクの単色パッチ、Mインクの単色パッチ及び混色パッチ)とのL*値差が40以上であれば、そのL * 値差が40以上のカラーパッチに対応するカラー画像の画素の色について、コンポジットグレーとKインクとをインクジェットヘッドから吐出することで暗色化が実行されるように処理後の墨生成テーブル200´が作成される。そして、処理後の墨生成テーブル200´に基づいて作成された印刷データによれば、プリンタ20で低明度領域の色相を十分な暗さで表現(印刷)可能である。
そして、L*値が最も高いYインクと、それ以外のカラーインク(Cインクの単色パッチ、Mインクの単色パッチ及び混色パッチ)とのL*値差が53以上であれば、そのL * 値差が53以上のカラーパッチに対応するカラー画像の画素の色について、Kインクのみをインクジェットヘッドから吐出することで暗色化が実行されるように処理後の墨生成テーブル200´が作成される。そして、処理後の墨生成テーブル200´に基づいて作成された印刷データによれば、プリンタ20で最低明度領域の色相を十分な暗さで表現(印刷)可能である。
よって、印刷データを作成するための墨生成テーブル200´を迅速かつ正確に作成することができ、かつプリンタ20でカラー画像を印刷するのに好適な印刷データを作成することができる。特に、L*値が最も高いインクはイエローインクとしたので、CMYK形式のインクを用いて布帛に印刷するプリンタ20に好適な墨生成テーブル200´及び印刷データを作成することができる。
ところで、上記実施の形態において、コンポジットグレーが本発明の「無彩色」であり、Cインク,Mインク,Yインクが本発明の「無彩色を表現することができる複数のカラーインク」に相当する。そして、PC10が本発明の「色変換装置」に相当し、プリンタ20が本発明の「インクジェット記録装置」に相当する。また、テーブル作成前処理(図4)を実行するCPU11が本発明の「L*値差判定手段」に相当し、テーブル作成処理(図9)を実行するCPU11が本発明の「墨生成テーブル作成手段」に相当する。また、テーブル作成前処理(図4)及びテーブル作成処理(図9)が、本発明の「色変換方法」に相当する。
なお、本発明は、上記実施の形態に限定されるものではなく、各種の変形が可能なことはいうまでもない。例えば、上記実施の形態では被記録媒体としてTシャツなどの布帛に印刷するプリンタ20を例示したが、記録紙やラベルなどの他の被記録媒体に印刷するプリンタであっても、本発明を適用可能である。
また、入力される画像データはRGB形式に限定されず、CMYK形式やHSV形式などの他の色空間によるデータであってもよい。同様に、出力される印刷データは、各プリンタの記録方式に応じて、RGB形式やHSV形式などの他の色空間によるデータであってもよい。また、上記実施の形態では、CMYK形式による4色のインクを使用しているが、使用するインクの色数はこれに限らず、より多くのインクを使用するものであってもよい。
そして、上記のように各種の色空間によるデータを用いることができることから、その色空間に応じてL*値が最も高い色材(インク)はYインクとは異なるものとなり、また無彩色を表現するための色材(インク)の組み合わせも異なるものとなる場合があるが、いずれの場合であっても本発明を適用可能である。
また、上記実施の形態で示した測色パッチ100や各種テーブル(墨入りコンポジットグレー使用範囲テーブル110,墨グレー使用範囲テーブル120,墨入りコンポジットグレー変換テーブル130,墨グレー変換テーブル140,処理前の墨生成テーブル200)は一例にすぎず、データの色空間や色材の種類、あるいは被記録媒体の種類などの各種条件に応じて、最適のものを使用すればよい。