JP4886553B2 - 車両用ブレーキ液圧制御装置 - Google Patents

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Description

本発明は、車両用ブレーキ液圧制御装置に関する。特に、主として自動二輪車、自動三輪車、オールテレーンビークル(ATV)などバーハンドルタイプの車両に搭載可能な車両用ブレーキ液圧制御装置に関する。
従来、自動二輪車等の車両における制動力を、ポンプによる液圧の加圧によって制御するようにした車両用ブレーキ液圧制御装置が知られている(例えば、特許文献1,2参照)。
特許文献1および特許文献2の車両用ブレーキ液圧制御装置は、ブレーキ液圧の大きさを電気的に制御するように構成されており、アンチロックブレーキ制御に必要となる前記ポンプや電磁弁を具備しているとともに、ブレーキ操作子のストローク量に応じた操作反力を当該ブレーキ操作子に付与するシミュレータ等を備えて構成されている。
このような車両用ブレーキ液圧制御装置では、ブレーキバイワイヤ制動されるイグニッションオン状態でマスタシリンダから車輪ブレーキに至るブレーキ液の流路が遮断される、いわゆるブレーキバイワイヤ制動が可能な構成となっており、通常の増圧を行う際には、液圧源であるマスタシリンダから車輪ブレーキ(ホイールシリンダ)に通じる流路が遮断されて、車輪ブレーキに通じる液圧回路に設けられたポンプを作動させることによりブレーキ液圧を車輪ブレーキにかける制御が行われている。
特開2002−264787号公報 特開2006−123767号公報
本発明は、ブレーキバイワイヤ制動を用いた車両用ブレーキ液圧制御装置において、新規なブレーキ液圧回路を備えた車両用ブレーキ液圧制御装置を提供することを課題とする。
このような課題を解決するために創案された本発明は、ブレーキ操作子の操作に応じて作動するポンプにより昇圧されたブレーキ液圧により車輪ブレーキに制動力を付与するブレーキバイワイヤ制動可能なブレーキ系統を備えた車両用ブレーキ液圧制御装置であって、前記ブレーキ系統は、前記車輪ブレーキに通じる第一液圧路と、前記第一液圧路とは分離され、前記ポンプから吐出されたブレーキ液が流入する第二液圧路と、を備え、前記第二液圧路には、前記ポンプから吐出されたブレーキ液圧を受けてストロークし、前記第一液圧路に圧力を付与する圧力付与部材が設けられており、前記第二液圧路と前記ポンプの吸入口側との間を連通接続する循環液圧路と、前記循環液圧路に設けられ、当該循環液圧路を開閉するカット弁を有するレギュレータと、前記循環液圧路における前記ポンプの吸入口側に接続され、前記レギュレータを介して戻されたブレーキ液を貯溜する貯液室と、前記カット弁の閉弁時に、前記循環液圧路における前記ポンプの吸入口側へ向けたブレーキ液の流れを許容するリリーフ弁と、を備えて構成されており、前記カット弁は、常開型のリニアソレノイド弁であり、前記ブレーキ操作子によるブレーキ操作が開始された後に、前記カット弁の開弁圧を調整することで前記第二液圧路のブレーキ液圧を調節するとともに、前記ブレーキ操作子によるブレーキ操作が終了した際に、前記カット弁を開弁させることで前記第二液圧路のブレーキ液圧を減圧することを特徴とする。
かかる車両用ブレーキ液圧制御装置によると、ブレーキ系統は、車輪ブレーキに通じる第一液圧路と、この第一液圧路とは分離された第二液圧路とを備えて構成されており、第二液圧路に設けられた圧力付与部材にポンプから吐出されたブレーキ液が流入して圧力付与部材がストロークし、このストロークによって第一液圧路に圧力が付与される。つまり、第二液圧路で昇圧されたブレーキ液圧が圧力付与部材を介して第一液圧路へ伝わるようになり、これによって、第一液圧路の車輪ブレーキに対して制動力を生じさせることができる。したがって、圧力付与部材を介してブレーキバイワイヤ制動が可能な、新規な液圧回路を有する車両用ブレーキ液圧制御装置が得られる。
また、第二液圧路とポンプの吸入口側との間を連通接続する循環液圧路と、循環液圧路に設けられ、当該循環液圧路を開閉するカット弁を有するレギュレータと、循環液圧路におけるポンプの吸入口側に接続され、レギュレータを介して戻されたブレーキ液を貯溜する貯液室と、カット弁の閉弁時に、循環液圧路におけるポンプの吸入口側へ向けたブレーキ液の流れを許容するリリーフ弁と、を備えた構成であるので、ポンプから第二液圧路へ吐出されたブレーキ液が、循環液圧路を介してポンプの吸入口側へ循環されるというブレーキ液の循環経路が形成されるようになり、ブレーキ液の昇圧を効率よく行うことができる。したがって、ブレーキ操作子の操作による制動の応答性がより向上された車両用ブレーキ液圧制御装置が得られる。
また、カット弁は、常開型のリニアソレノイド弁であり、ブレーキ操作子によるブレーキ操作が開始された後に、カット弁の開弁圧を調整することで第二液圧路のブレーキ液圧を調節することができる。
また、ブレーキ操作子によるブレーキ操作が終了した際に、カット弁を開弁させることで第二液圧路のブレーキ液圧を減圧する構成であるので、ブレーキ操作子によるブレーキ操作が終了すると、圧力付与部材が非作動状態に復帰するとともに、第二液圧路から循環液圧路へのブレーキ液の流入が許容され、第二液圧路のブレーキ液が循環液圧路を通じて貯液室に戻されて貯溜される。
さらに、圧力付与部材が非作動状態に復帰すると、第一液圧路からブレーキ液が圧力付与部材に戻されることとなるので、ブレーキ操作子の操作による制動の応答性がより向上された車両用ブレーキ液圧制御装置が得られる。
また、前記圧力付与部材は、大径部と小径部とからなる段付きピストンと、この段付きピストンを摺動可能に収容するシリンダ室と、を含んで構成され、前記シリンダ室は、前記大径部が配置される大径室と、前記小径部が配置される小径室とを有し、前記大径室は前記第一液圧路に連通しており、前記小径室は前記第二液圧路に連通しており、前記ポンプを作動させて前記第二液圧路と前記小径室のブレーキ液圧を昇圧させることで前記段付きピストンを前記大径室側に摺動させ、前記大径室に貯溜されていたブレーキ液を前記大径室から前記第一液圧路に吐出させることで前記車輪ブレーキにブレーキ液圧を付与するように構成されていることを特徴とする。
この構成によれば、ポンプにより昇圧されたブレーキ液圧で第二液圧路に連通する小径室のブレーキ液圧を昇圧させて、段付きピストンを大径室側に摺動させるようになっているので、ブレーキ液圧の昇圧によって段付きピストンが大径室側に摺動すると、大径室側から第一液圧路へ吐出されるブレーキ液は、段付きピストンの小径部と大径部との受圧面積の差によって、小径室側に流入したブレーキ液よりも量の多いものとなる。したがって、第一液圧路におけるブレーキ液の昇圧を早めることができるようになり、ブレーキ液圧が倍増されて車輪ブレーキに大きな制動力を発生させることができる。これによって、ブレーキ操作子の操作による制動の応答性が向上する。
また、前記圧力付与部材の前記シリンダ室には、前記段付きピストンを前記小径室側に付勢する付勢部材が設けられている構成とするのがよい。
この構成によれば、第二液圧路のブレーキ液圧が減圧されて、これに連通する小径室のブレーキ液圧が減圧されると、付勢部材によって段付きピストンが小径室側にスムーズに戻されるようになり、第一液圧路から大径室にブレーキ液が吸入される。これにより、第一液圧路の車輪ブレーキに作用していたブレーキ液圧が減圧される。その際に、次の増圧制御に備えて大径室にブレーキ液を貯溜することができる。つまり、非制動時(減圧時)に大径室にブレーキ液を十分に貯留することで、次の増圧制御開始におけるポンプの作動時に、応答性よく大径室側から第一液圧路へブレーキ液を吐出させることができ、すばやく増圧制御に入れることができる。したがって、ブレーキ操作子の操作による制動の応答性が向上された車両用ブレーキ液圧制御装置が得られる。
前記大径室には、前記ポンプの停止時および前記ブレーキ操作子の非操作時に、前記第一液圧路からブレーキ液が流入して貯溜されることを特徴とする。
この構成によれば、ポンプの停止時およびブレーキ操作子の非操作時に第一液圧路から大径室内にブレーキ液が流入して貯溜されるので、ブレーキ操作子の操作による制動の応答性がより向上された車両用ブレーキ液圧制御装置が得られる。
また、本発明は、前記ブレーキ操作子の操作に応じた操作反力を前記ブレーキ操作子に付与するダミーシリンダを有するストロークシミュレータと、このストロークシミュレータにかかるブレーキ液圧を検出する検出手段と、を備え、前記検出手段により検出されたブレーキ液圧の大きさに応じた制動力が車輪ブレーキに付与される構成とするのがよい。
この構成によれば、ストロークシミュレータにかかるブレーキ液圧が検出手段により検出され、この検出されたブレーキ液圧の大きさに応じた制動力が車輪ブレーキに付与されるようになっているので、ブレーキ操作子の操作力に応じた制動力を車輪ブレーキに好適に付与することができる、ブレーキバイワイヤ制動可能な液圧回路を有する車両用ブレーキ液圧制御装置が得られる。
本発明によると、ブレーキバイワイヤ制動を用いた車両用ブレーキ液圧制御装置において、新規なブレーキ液圧回路を備えた車両用ブレーキ液圧制御装置が得られる。
以下、本発明を実施するための最良の形態を、添付した図面を参照しつつ詳細に説明する。なお、説明において、同一の要素には同一の符号を用い、重複する説明は省略する。
(第1実施形態)
参照する図面において、図1は本発明の第1実施形態に係る車両用ブレーキ液圧制御装置を示すブレーキ液圧回路図、図2は同じく車両用ブレーキ液圧制御装置に適用される圧力付与部材を示す断面図である。
図1に示すように、本実施形態の車両用ブレーキ液圧制御装置(以下、「ブレーキ制御装置」という。)Uは、自動二輪車、自動三輪車、オールテレーンビークル(ATV)などバーハンドルタイプの車両に好適に用いられるものであり、図示しない車両の前輪および後輪に付与する制動力(ブレーキ液圧)を適宜制御する。以下においては、ブレーキ制御装置Uを自動二輪車に適用した例について説明する。また、ブレーキ制御装置Uは、通常、前輪ブレーキおよび後輪ブレーキの二系統から構成されるが、各系統は同一の構成からなるので、以下においては主として前輪ブレーキに係る系統について説明し、適宜後輪ブレーキに係る系統について説明する。
図1に示すように、本実施形態のブレーキ制御装置Uは、マスタシリンダMC側に接続されたストロークシミュレータを含むシミュレータ部10と、前輪ブレーキ40側に接続されたモジュレータ部20とを備えたブレーキバイワイヤ制動可能なブレーキ系統を備えて構成されており、マスタシリンダMCに接続されたブレーキ操作子(ブレーキレバー)Lの操作に応じた制動力が前輪ブレーキ40に付与されるようになっている。
そして、ブレーキ制御装置Uは、前輪ブレーキ40に通じる液圧路Cと、この液圧路Cとは分離された液圧路Dとを備えており、この液圧路Dに設けられた圧力付与部材30によって液圧路Cに対して圧力が付与されるようになっている。
ここで、シミュレータ部10は、主として、ダミーシリンダ11と、開閉弁12と、チェック弁12aと、遮断弁13と、第一液圧センサ14とを備えて構成されている。
また、モジュレータ部20は、液圧調整回路20A、および前記圧力付与部材30を備えた圧力付与回路20Bを備えて構成されている。
液圧調整回路20Aは、前輪ブレーキ40に作用するブレーキ液圧の大きさを調整するものであり、主として、ポンプ21Aと、制御弁手段Vと、リザーバ25と、第二液圧センサ26とを備えて構成される。
また、圧力付与回路20Bは、前輪ブレーキ40に通じる液圧路Cにブレーキ液圧を付与するためのものであり、前記したポンプ21Bおよび圧力付与部材30の他に、主として、レギュレータ27および貯液室28を備えて構成される。
以下、各部について詳細に説明する。
なお、以下では、ブレーキ液圧回路全体を通して、マスタシリンダMCから前輪ブレーキ40に至る液圧路(流路)を「第一液圧路C」と称し、また、液圧調整回路20Aにおいて、第一液圧路Cからリザーバ25に至る流路を「開放路E」と称し、さらに、ポンプ21Aから第一液圧路Cに至る流路を「吐出液圧路G」と称する。また、圧力付与回路20Bにおいて、ポンプ21Bから圧力付与部材30に至る流路を「第二液圧路D」と称し、この第二液圧路Dからポンプ21Bの吸入口側に至る流路を「循環液圧路H」と称する。
なお、「上流側」とは、マスタシリンダMC側のことを意味し、「下流側」とは、前輪ブレーキ40側のことを意味する。
マスタシリンダMCは、ブレーキ液を貯蔵するブレーキ液タンク室が接続された図示しないシリンダを有しており、シリンダ内にはブレーキレバーLの操作によりシリンダの軸方向へ摺動してブレーキ液を流出する図示しないロッドピストンが組み付けられている。
(シミュレータ部)
シミュレータ部10のダミーシリンダ11は、ブレーキレバーLの操作に起因して第一液圧路Cに吐出されたブレーキ液を一時的に貯溜するとともに、ブレーキレバーLの操作反力を発生させるものであり、シリンダ本体11aと、このシリンダ本体11aの内部に摺動自在に挿入されたピストン11bと、ピストンスプリング11cとを備えている。
開閉弁12は、ダミーシリンダ11と第一液圧路Cとを連通する流路に設けられた常閉型の電磁弁からなり、第一液圧路Cにおいてこれよりも下流側に設けられた遮断弁13が後記するように第一液圧路Cを遮断しているとき(ポンプ21Bの作動時)に開弁して、第一液圧路Cからダミーシリンダ11へのブレーキ液の流入を許容する(図4参照)。本実施形態においては、自動二輪車の図示しないエンジンやモータ等の駆動手段を始動させたときに、開閉弁12が開弁するように設定されている。なお、開閉弁12を構成する常閉型の電磁弁は、その弁体を駆動させるための電磁コイルが後記する制御装置100と電気的に接続されており、制御装置100からの指令に基づいて電磁コイルを励磁すると開弁し、電磁コイルを消磁すると閉弁する。
チェック弁12aは、開閉弁12に並列に接続された一方向弁からなり、ダミーシリンダ11から第一液圧路Cへのブレーキ液の流出のみを許容する。
また、本実施形態では、開閉弁12にエマージェンシー用のチェック弁12bが並列に接続されている。このチェック弁12bは、一方向弁からなり、第一液圧路Cからダミーシリンダ11へのブレーキ液の流出のみを許容し、シミュレータ部10内の第一液圧路Cにおけるブレーキ液圧が所定の値よりも高くなるのをダミーシリンダ11へブレーキ液圧を逃がすことによって防止する。これによって、第一液圧センサ14が高圧のブレーキ液圧にさらされることが回避され、第一液圧センサ14の破損が防止される。
遮断弁13は、常開型の電磁弁からなり、モジュレータ部20へ通じる第一液圧路Cを開閉する役割をなす。つまり、マスタシリンダMC側(ダミーシリンダ11側)からモジュレータ部20側へのブレーキ液の流入を許容する状態および遮断する状態を切り換えるものである。なお、遮断弁13を構成する常開型の電磁弁は、その弁体を駆動させるための電磁コイルが後記する制御装置100と電気的に接続されており、制御装置100からの指令に基づいて電磁コイルを励磁すると閉弁し、電磁コイルを消磁すると開弁する。本実施形態においては、前記のように車両の駆動手段の始動とともに遮断弁13が閉弁するように設定されている。つまり、遮断弁13は、車両の駆動手段を駆動させている間は、マスタシリンダMC側からモジュレータ部20側へのブレーキ液の流入を遮断する(図4参照)。なお、遮断弁13は、駆動手段の停止あるいは制御装置100が停止している状態においては開弁し、ブレーキレバーLの操作力(つまり、マスタシリンダMCで発生したブレーキ液圧)は、第一液圧路Cを通じて前輪ブレーキ40へ直に伝達する(図1参照)ようになっている。
第一液圧センサ14は、遮断弁13により遮断された第一液圧路Cにおけるブレーキ液圧の大きさを検出する液圧検出センサである。第一液圧センサ14で計測されるブレーキ液圧は、マスタシリンダMCにおけるブレーキ液圧と相関する物理量であるが、実質的には、マスタシリンダMCにおけるブレーキ液圧とみなすことができる。
第一液圧センサ14で計測されたブレーキ液圧は、制御装置100に随時取り込まれ、モジュレータ部20側におけるブレーキ制御に用いられる。
(モジュレータ部)
モジュレータ部20を構成する液圧調整回路20Aの制御弁手段Vは、前輪ブレーキ40の上流側に設けられ、第一液圧路Cを開放しつつ開放路Eを遮断する状態、第一液圧路Cを遮断しつつ開放路Eを開放する状態および第一液圧路Cを遮断しつつ開放路Eを遮断する状態を切り換える機能を有しており、入口弁23、出口弁24、チェック弁23aを備えて構成されている。
入口弁23は、第一液圧路Cに設けられた常開型の電磁弁である。入口弁23は、通常時に開いていることで、第一液圧路Cを通じて前輪ブレーキ40へブレーキ液圧が伝達するのを許容している。また、入口弁23は、例えば、不図示の車輪がロックしそうになったときに制御装置100により閉塞される(アンチロックブレーキ制御)ことで、第一液圧路Cから前輪ブレーキ40に伝達されるブレーキ液圧を遮断する。
出口弁24は、第一液圧路Cと開放路Eとの間に介設された常閉型の電磁弁である。出口弁24は、通常時に閉塞されているが、例えば、車輪がロックしそうになったときに制御装置100により開放される(アンチロックブレーキ制御)ことで、前輪ブレーキ40に作用するブレーキ液圧を開放路Eを通じてリザーバ25に逃がす。
チェック弁23aは、入口弁23に並列に接続されている。このチェック弁23aは、前輪ブレーキ40側から入口弁23をバイパスして、入口弁23の上流側へのブレーキ液の流入のみを許容する弁であり、ブレーキレバーLの操作によるブレーキの入力が解除された場合に、入口弁23を閉じた状態にしたときにおいても、前輪ブレーキ40側から入口弁23の上流側へのブレーキ液の流入を許容する。
リザーバ25は、開放路Eに設けられており、シリンダ部25aと、リザーバピストン25bと、戻しばね25cとを備えて構成されており、出口弁24が開放されることによって逃がされるブレーキ液圧を吸収する役割を有している。
ポンプ21Aは、吸入弁21bと吐出弁21aとを備えており、開放路Eと第一液圧路Cに通じる吐出液圧路Gとの間に介設されて、リザーバ25で貯溜されているブレーキ液を吸入して吐出液圧路Gに吐出する機能を有している。このようなポンプ21Aの作動により、後記するアンチロックブレーキ制御時に、リザーバ25によるブレーキ液の吸収によって減圧された吐出液圧路Gや第一液圧路Cの圧力状態が回復される。
また、ポンプ21Aの吐出口側には、図示せぬダンパやオリフィスが設けられており、その協働作用によってポンプ21Aから吐出されたブレーキ液の脈動を減衰させている。
第二液圧センサ26は、第一液圧路Cにおける制御弁手段Vと前輪ブレーキ40との間に設けられており、第一液圧路Cにおけるブレーキ液圧の大きさを計測するものである。計測されるブレーキ液圧は、前輪ブレーキ40におけるブレーキ液圧と相関する物理量である。
圧力付与回路20Bに設けられた圧力付与部材30は、第二液圧路Dのブレーキ液圧を、これとは分離された第一液圧路Cに付与する役割をなすものであり、図2(a),図3に示すように、大径部31Aと小径部31Bとからなる段付きピストン31と、この段付きピストン31を摺動可能に収容するシリンダ室としての装着穴50Aを含んで構成される。装着穴50A内には、段付きピストン31の大径部31Aが配置される大径室R1と、小径部31Bが配置される小径室R2とが形成されている。
この例では、装着穴50Aが、ブレーキ制御装置U(図1参照)のボディを成す基体50の側面等に形成されている。この装着穴50Aは、開口側から奥側に向けて段状に順次縮径する有底円筒状を呈しており、開口部50aと、この開口部50aに通じる第一孔壁部51と、この第一孔壁部51よりも幾分径の小さい第二孔壁部52と、この第二孔壁部52よりも径の小さい第三孔壁部53と、この第三孔壁部53よりもさらに径の小さい第四孔壁部54とを備えている。そして、第一孔壁部51の内側面には、第二液圧路Dが開口形成されており、また、第四孔壁部54の内側面には、第一液圧路Cに通じる圧力液圧路C1が開口形成されている。これによって、これらの液圧路を通じてブレーキ液が圧力付与部材30に対して流出入可能となっている。さらに、第二孔壁部52の内側面には、基体50の外側面に開口形成された図示しない開口部に連通する通気孔55が開口形成されており、この通気孔55を通じて空気が第二孔壁部52内に流出入可能となっている。
なお、装着穴50Aは、基体50に形成したものに限られず、他の部材に対して形成してもよい。
装着穴50A内には、段付きピストン31の他、付勢部材としての戻しばね32と、有底円筒状のスリーブ33が配置される。
段付きピストン31は、前記のように、大径部31Aと小径部31Bとからなり、大径部31Aが、Oリング31aを介して大径室R1を形成する第三孔壁部53内に摺動可能に配置されており、その端面には、圧力液圧路C1を通じて第一液圧路Cのブレーキ液圧が作用するようになっている。また、小径部31Bは、小径室R2を形成するスリーブ33内にOリング31bおよびシール部材31cを介して摺動可能に挿入されており、その端面には、小径室R2に流出入される第二液圧路Dのブレーキ液圧が作用するようになっている。シール部材31cは、樹脂製の材料からなり、Oリング31bとともに小径室R2を封止し、さらにOリング31bの位置ずれやはみ出しを規制するようなっている。
戻しばね32は、装着穴50Aの底面と段付きピストン31との間に圧縮状態で配置されており、段付きピストン31を小径室R2側(装着穴50Aの開口部50a側)へ付勢している。これによって、第二液圧路Dにブレーキ液圧が作用していない状態では、段付きピストン31が、小径室R2側へ摺動して大径部31Aの段部端面31eとスリーブ33の先端部33eとが当接した状態に保持される。本実施形態では、この保持された状態で、大径室R1から圧力液圧路C1を通じて第一液圧路Cに至る流路において、ブレーキ液圧が作用しないように(ブレーキ液圧がゼロとなるように)されている。
そして、後記するように、第二液圧路Dを通じて小径室R2にブレーキ液圧が伝達されると、戻しばね32の付勢力に抗して段付きピストン31が大径室R1側へ摺動し、大径室R1に貯溜されていたブレーキ液が圧力液圧路C1を通じて第一液圧路Cに吐出されて第一液圧路Cにブレーキ液圧が付与される。
ここで、段付きピストン31の摺動圧力(大径室R1側への摺動による吐出圧力)は、段付きピストン31の大径部31Aの受圧面積と小径部31Bの受圧面積との差、および戻しばね32のばね定数を選択することによって適宜設定可能である。
なお、ポンプ21Bの停止時およびブレーキレバーLの非操作時には、段付きピストン31が小径室R2側へ摺動し、大径室R1には、第一液圧路Cからブレーキ液が流入して貯溜される。
スリーブ33は、段付きの有底円筒状を呈しており、円筒内部35に段付きピストン31の小径部31Bが摺動可能に配置されて小径室R2を形成する。スリーブ33は、装着穴50Aの第一孔壁部51にOリング33cを介して装着される第一周壁部33Aおよび装着穴50Aの第二孔壁部52にOリング33dを介して装着される第二周壁部33Bを備えて、装着穴50Aに密着した状態に挿入され、開口部50a側からC字状の抜け止め部材34で固定される。第一周壁部33Aには、第一孔壁部51の第二液圧路Dの開口部に対応する位置に、周溝33aが形成されており、この周溝33aと小径室R2とを連通する連通孔33bが複数個所(図2(a)では2個のみ図示)設けられている。
図1を再び参照して、ポンプ21Bは、吸入弁21bと吐出弁21aとを備えており、第二液圧路Dの始端と循環液圧路Hの終端との間に介設されている。そして、ポンプ21Bは、ブレーキレバーLによるブレーキ操作が開始されることで作動され、貯液室28に貯溜されているブレーキ液を吸入して、これを第二液圧路Dに吐出するようになっている。このようなポンプ21Bの作動により、第二液圧路Dに設けられた圧力付与部材30の小径室R2に対して、昇圧されたブレーキ液圧が伝達される。また、ブレーキレバーLによるブレーキ操作終了後には、後記するレギュレータ27のカット弁27aが循環液圧路Hを開くことで、第二液圧路Dから循環液圧路Hへのブレーキ液の流入が許容され、第二液圧路Dに流入したブレーキ液が循環液圧路Hを通じて貯液室28に戻されるようになっている。
なお、ポンプ21Bの吐出口側には、図示せぬダンパやオリフィスが設けられ、ブレーキ液の脈動を減衰させている。
貯液室28は、ポンプ21Bの吸入口側の循環液圧路Hに設けられており、ポンプ21Bから第二液圧路Dへ吐出するブレーキ液を貯溜する大気開放型のタンクである。なお、貯液室28には、第二液圧路Dで増圧時等に使用されるのに十分な液量のブレーキ液が貯溜されている。
レギュレータ27は、循環液圧路Hにおけるブレーキ液の通流を許容する状態および遮断する状態を切り換える機能と、循環液圧路Hにおけるブレーキ液の通流が遮断されているときに第二液圧路Dのブレーキ液圧を所定値以下に調節する機能とを有しており、カット弁27aおよびチェック弁27bを備えて構成されている。
カット弁27aは、循環液圧路Hの途中に介設された常開型のリニアソレノイド弁であり、循環液圧路Hにおけるブレーキ液の通流を許容する状態および遮断する状態を切り換えるものである。すなわち、カット弁27aは、ソレノイドへの通電を制御することによって開弁圧を調節することが可能な構成(リリーフ弁としての機能を併せ備えた構成)となっている。カット弁27aは、ブレーキレバーLによるブレーキ操作が開始されることで制御装置100の指令により閉じられ、循環液圧路Hを通じてポンプ21Bの吸入口側へブレーキ液が流れるのを遮断する。このようにカット弁27aが閉じられると、ポンプ21Bの作動で昇圧されたブレーキ液圧が第二液圧路Dから圧力付与部材30の小径室R2に伝達され、段付きピストン31が大径室R1側へ摺動する。これによって、第一液圧路Cのブレーキ液圧が昇圧され、前輪ブレーキ40に対する制動力が発生する。
また、カット弁27aは、ブレーキレバーLによるブレーキ操作が開始された後に、開弁圧を調節することで、昇圧された第二液圧路D側のブレーキ液圧を適宜、カット弁27aよりもポンプ21Bの吸入口側の循環液圧路Hへ開放してブレーキ液圧を調節することができる。ちなみに、開弁圧の調整は、第二液圧路Dから循環液圧路Hを通じてレギュレータ27にかかるブレーキ液圧と、ソレノイドへの通電によって制御される、弁を閉じようとする力とのバランスをとることによって行うことができる。
また、カット弁27aは、ブレーキレバーLによるブレーキ操作が終了されることで開かれ、循環液圧路Hにおけるブレーキ液の通流を許容する。このようにカット弁27aが開かれると、第二液圧路Dのブレーキ液圧が減圧され、段付きピストン31が戻しばね32の付勢力によって小径室R2側へ摺動し、非作動状態に復帰する。
チェック弁27bは、カット弁27aに並列に接続されている。このチェック弁27bは、循環液圧路Hにおけるカット弁27aをバイパスしたブレーキ液の流れを許容する一方向弁である。このチェック弁27bは、第二液圧路Dのブレーキ液圧と循環液圧路Hのブレーキ液圧との差圧が所定値よりも高くなったときに作動してブレーキ液圧をポンプ21Bの吸入口側に逃がし、圧力付与部材30に必要以上に昇圧されたブレーキ液圧が作用するのを回避するようになっている。
モータ29は、液圧調整回路20Aおよび圧力付与回路20Bのポンプ21A,21Bの共通の動力源であり、制御装置100からの指令に基づいて作動する。
制御装置100は、第一液圧センサ14、第二液圧センサ26、図示しない前輪に固着されたパルサーギアの側面に対向して固定配置される前輪用の車輪速度センサ101、および同じく図示しない後輪に固着されたパルサーギアの側面に対向して固定配置される後輪用の車輪速度センサ102等からの出力に基づいて、各ブレーキ系統のレギュレータ27のカット弁27a、開閉弁12,遮断弁13の開閉、制御弁手段Vの入口弁23および出口弁24の開閉、並びに、モータ29の作動を制御する。
次に、図1,図4の液圧回路を参照しつつ、制御装置100によって実現される通常のブレーキ制御、アンチロックブレーキ制御について説明する。
はじめに、図示しないエンジンが停止した状態(イグニッションオフ状態)では、図1に示すように、シミュレータ部10の遮断弁13が開弁されており、第一液圧路CがマスタシリンダMCから前輪ブレーキ40まで連通された状態にされる。また、シミュレータ部10の開閉弁12が閉弁されて、第一液圧路Cとダミーシリンダ11との間が遮断された状態にされる。つまり、ブレーキレバーLを操作すると、その操作によるブレーキ液圧がモジュレータ部20側にかかり、制御弁手段Vの入口弁23を通じて前輪ブレーキ40に作用する状態にされる。
ここで、圧力付与回路20Bにおける圧力付与部材30の大径室R1にもブレーキレバーLの操作によるブレーキ液圧が作用するが、段付きピストン31は、戻しばね32によって小径室R2側に付勢されて保持されているので、段付きピストン31が摺動することはない。また、段付きピストン31は、大径室R1にブレーキ液を貯溜した状態で保持されることとなり、後記するように、エンジン作動後のブレーキ操作時に、大径室R1に貯溜されたブレーキ液を吐出させて制動力を迅速に立ち上げる役割を果たす。
次に、エンジン(不図示)を作動させると、図4に示すように、制御装置100によって遮断弁13が閉弁されて、シミュレータ部10とモジュレータ部20との間で第一液圧路Cが遮断された状態にされ、シミュレータ部10とモジュレータ部20とが分離された状態にされる。また、開閉弁12が開弁されて、シミュレータ部10内において、第一液圧路Cとダミーシリンダ11との間が連通された状態にされる。つまり、ブレーキレバーLの操作によるブレーキ液圧がダミーシリンダ11に作用する状態にされる。
一方、モジュレータ部20側においては、第一液圧路Cがシミュレータ部10側から分離された状態にされることで、前輪ブレーキ40にマスタシリンダMCからのブレーキ液圧が直接にはかからない状態にされる。つまり、ブレーキレバーLの操作力に起因して発生したブレーキ液圧は、前記のように、そのままダミーシリンダ11にかかり、これと同時に、第一液圧センサ14によってそのブレーキ液圧が計測される。
また、遮断弁13が遮断されると、第一液圧センサ14のブレーキ液圧を検出して、ブレーキ液圧の発生が必要な場合には、モータ29が回転を開始し、ポンプ21A,21Bが作動を開始する。
ここで、ブレーキレバーLが操作されず、ブレーキの入力がない状態では、入口弁23は閉弁状態にある。
(通常のブレーキ制御)
各車輪がロックする可能性のない通常のブレーキ制御時においては、運転者がブレーキレバーLを操作すると、その操作力により起因して発生したブレーキ液圧が第一液圧センサ14により検出され、入口弁23が開弁状態にされるとともに、レギュレータ27のカット弁27aが閉弁状態にされ、さらに、モータ29が駆動されてポンプ21Bが作動を開始する。これにより、循環液圧路Hの貯液室28にあるブレーキ液がポンプ21Bに吸引されて第二液圧路Dに吐出され、第二液圧路Dのブレーキ液圧が昇圧される。第二液圧路Dのブレーキ液圧が昇圧されると、第二液圧路Dから圧力付与部材30の小径室R2に昇圧されたブレーキ液が流入し、段付きピストン31が戻しばね32の付勢力に抗して、大径室R1側に摺動される(図2(b)参照)。そうすると、段付きピストン31の大径室R1に貯溜されていたブレーキ液が圧力液圧路C1を通じて第一液圧路Cに吐出される。これによって、第一液圧路Cのブレーキ液圧が昇圧され、前輪ブレーキ40に制動力が付与される。そして、第二液圧センサ26で計測される圧力値が第一液圧センサ14で計測される圧力値に対応する圧力値となるまで、この状態が継続されて前輪が制動される。
ここで、段付きピストン31の大径部31Aが受けるブレーキ液圧の受圧面積が、小径部31Bが受けるブレーキ液圧の受圧面積よりも大きく設定されているため、大径室R1側から圧力液圧路C1を通じて第一液圧路Cへ吐出されるブレーキ液は、段付きピストン31の小径部31Bと大径部31Aとの受圧面積の差によって、小径室R2側に流入したブレーキ液よりも量の多いものとなる。したがって、第一液圧路Cにおけるブレーキ液の昇圧を早めることができるようになり、ブレーキ液圧が倍増されて前輪ブレーキ40に大きな制動力を発生させることができる。これによって、ブレーキレバーLの操作による制動の応答性が向上する。
なお、ブレーキレバーLを緩めたときや操作を終了したときには、レギュレータ27のカット弁27aが循環液圧路Hを開くことで、第二液圧路Dから循環液圧路Hへのブレーキ液の流入が許容され、第二液圧路Dのブレーキ液が循環液圧路Hを通じて貯液室28に戻されて貯溜される。これによって、圧力付与部材30の段付きピストン31が小径室R2側に摺動し、第一液圧路Cのブレーキ液が圧力液圧路C1を通じて大径室R1に戻される。
(アンチロックブレーキ制御)
アンチロックブレーキ制御は、車輪がロック状態に陥りそうになったときに実行されるものであり、例えば、前輪ブレーキ40に作用するブレーキ液圧を減圧、増圧あるいは一定に保持する状態を適宜選択することによって実現される。なお、減圧、増圧および保持のいずれを選択するかは、前輪用の車輪速度センサ101から得られた車輪速度に基づいて、制御装置100によって判断される。
そして、制御装置100において前輪ブレーキ40に作用するブレーキ液圧を減圧すべきであると判断された場合には、制御弁手段Vにより第一液圧路Cが遮断され、開放路Eが開放される。具体的には、制御装置100により入口弁23を励磁して閉弁状態にするとともに、出口弁24を励磁して開弁状態にする。このようにすると、前輪ブレーキ40に通じる第一液圧路Cのブレーキ液が開放路Eを通ってリザーバ25に流入し、その結果、前輪ブレーキ40に作用していたブレーキ液圧が減圧される。
また、制御装置100において前輪ブレーキ40に作用するブレーキ液圧を一定に保持すべきであると判断された場合には、制御弁手段Vにより第一液圧路Cおよび開放路Eがそれぞれ遮断される。具体的には、制御装置100により入口弁23を励磁して閉弁状態にするとともに、出口弁24を消磁して閉弁状態にする。このようにすると、前輪ブレーキ40、入口弁23および出口弁24で閉じられた流路内にブレーキ液が閉じ込められることになり、その結果、前輪ブレーキ40に作用しているブレーキ液圧が一定に保持される。
さらに、制御装置100によって、前輪ブレーキ40に作用するブレーキ液圧を増圧すべきであると判断された場合には、制御弁手段Vにより第一液圧路Cが開放され、開放路Eが遮断される。具体的には、制御装置100により入口弁23を消磁して開弁状態にするとともに、出口弁24を消磁して閉弁状態にする。このようにすると、ポンプ21Bの作動により圧力付与部材30の大径室R1から圧力液圧路C1を通じて第一液圧路Cへブレーキ液が吐出され、第一液圧路Cのブレーキ液圧が増圧される。
なお、第二液圧路Dのブレーキ液圧が設定値以上になった場合には、リザーバ25のチェック弁27bの働きにより第二液圧路Dのブレーキ液がカット弁27aをバイパスして循環液圧路Hのポンプ21Bの吸入口側に逃がされ、その結果として、圧力付与部材30に過剰なブレーキ液圧が作用することが回避される。
以上説明したブレーキ制御装置Uによると、ブレーキ系統が、前輪ブレーキ40に通じる第一液圧路Cと、この第一液圧路Cとは分離された第二液圧路Dとを備えて構成されており、第二液圧路Dに設けられた圧力付与部材30にポンプ21Bから吐出されたブレーキ液が流入して段付きピストン31が大径室R1側に摺動し、第一液圧路Cの前輪ブレーキ40に対して制動力を生じさせることができる。したがって、圧力付与部材30を介してブレーキバイワイヤ制動が可能な、新規な液圧回路を有するブレーキ制御装置Uが得られる。
また、圧力付与部材30は、大径部31Aと小径部31Bとからなる段付きピストン31と、この段付きピストン31を摺動可能に収容する装着穴50Aを含んで構成され、ポンプ21Bにより昇圧されたブレーキ液圧で第二液圧路Dに連通する小径室R2のブレーキ液圧を昇圧させて、段付きピストン31を大径室R1側に摺動させるようになっているので、ブレーキ液圧の昇圧によって段付きピストン31が大径室R1側に摺動すると、大径室R1側から第一液圧路Cへ吐出されるブレーキ液は、段付きピストン31の小径部31Bと大径部31Aとの受圧面積の差によって、小径室R2側に流入したブレーキ液よりも量の多いものとなる。したがって、第一液圧路Cにおけるブレーキ液の昇圧を早めることができるようになり、ブレーキ液圧が倍増されて前輪ブレーキ40に大きな制動力を発生させることができる。これによって、ブレーキレバーLの操作による制動の応答性が向上する。
また、圧力付与部材30には、段付きピストン31を小径室R2側に付勢する戻しばね32が設けられているので、第二液圧路Dのブレーキ液圧が減圧されて、これに連通する小径室R2のブレーキ液圧が減圧されると、戻しばね32によって段付きピストン31が小径室R2側にスムーズに戻されるようになり、第一液圧路Cから大径室R1にブレーキ液がスムーズに吸入される。これにより、第一液圧路Cの前輪ブレーキ40に作用していたブレーキ液圧が減圧される。また、制動力が低下される。その際に、次の増圧制御に備えて大径室R1にブレーキ液を貯溜することができる。つまり、非制動時に大径室R1にブレーキ液を十分に貯留することで、次の増圧制動開始におけるポンプ21Bの作動時に、応答性よく大径室R1側から第一液圧路Cへブレーキ液を吐出させることができ、すばやく増圧制御に入れることができる。したがって、ブレーキレバーLの操作による制動の応答性が向上されたブレーキ制御装置Uが得られる。
また、大径室R1には、ポンプ21Bの停止時およびブレーキレバーLの非操作時に、第一液圧路Cからブレーキ液が流入して貯溜されるので、ブレーキレバーLの操作による制動の応答性がより向上されたブレーキ制御装置Uが得られる。
また、ブレーキレバーLの操作に応じた操作反力をブレーキレバーLに付与するダミーシリンダ11を有するストロークシミュレータを備えているので、ブレーキレバーLの操作力に応じた制動力を前輪ブレーキ40に好適に付与することができる、ブレーキバイワイヤ制動可能な液圧回路を有する車両用ブレーキ液圧制御装置Uが得られる。
なお、圧力付与部材30は、段付きピストン31を備えたものに限られることはなく、通常のピストンを備えた構成として、第二液圧路Dから第一液圧路Cへブレーキ液圧が伝達されるように構成してもよい。
また、第二液圧路Dとポンプ21Bの吸入口側との間を連通接続する循環液圧路Hが設けられているので、ポンプ21Bから第二液圧路Dへ吐出されたブレーキ液が、循環液圧路Hを介してポンプ21Bの吸入口側へ循環されるというブレーキ液の循環経路が形成されるようになり、ブレーキ液の昇圧を効率よく行うことができる。したがって、ブレーキレバーLの操作による制動の応答性がより向上されたブレーキ制御装置Uが得られる。
(第2実施形態)
図5は本発明の第2実施形態に係るブレーキ制御装置U’に適用されるブレーキ液圧回路図である。
本実施形態が前記第1実施形態と大きく異なるところは、液圧調整回路20A(図1参照)が設けられておらず、前輪ブレーキ40に作用するブレーキ液圧を調整する機能を圧力付与回路20Bに併せもたせた点である。したがって、液圧調整回路20Aが設けられていない分、部品点数および必要となる液圧路が大幅に削減されたブレーキ制御装置U’が構成されている。
第一液圧路Cは、前輪ブレーキ40に対して直に接続されており、遮断弁13の開弁時には、ブレーキレバーLの操作力が第一液圧路Cを通じて前輪ブレーキ40へ直に伝達するように構成されている、また、遮断弁13の閉弁時には、圧力付与部材30の段付きピストン31から圧力液圧路C1を通じて第一液圧路Cに吐出されたブレーキ液が前輪ブレーキ40に対して直接的に作用するように構成されている。なお、前輪ブレーキ40の上流側には、第二液圧センサ26が設けられている。
次に、図5,図6の液圧回路を参照しつつ、制御装置100’によって実現される通常のブレーキ制御、アンチロックブレーキ制御について説明する。
はじめに、図示しないエンジンが停止した状態(イグニッションオフ状態)では、第1実施形態と同様であり、図5に示すように、シミュレータ部10の遮断弁13が開弁されマスタシリンダMCから前輪ブレーキ40まで連通された状態にされる。これにより、ブレーキレバーLを操作すると、その操作によるブレーキ液圧が、モジュレータ部20側に直接的にかかり前輪ブレーキ40に作用することとなる。
次に、エンジンを作動させると、図6に示すように、制御装置100’によって遮断弁13が閉弁されて、シミュレータ部10とモジュレータ部20との間で第一液圧路Cが遮断された状態にされ、シミュレータ部10とモジュレータ部20とが分離された状態にされる。また、開閉弁12が開弁されて、シミュレータ部10内において、第一液圧路Cとダミーシリンダ11との間が連通された状態にされ、ブレーキレバーLの操作によるブレーキ液圧がダミーシリンダ11に作用する状態にされる。
一方、モジュレータ部20側においては、第一液圧路Cがシミュレータ部10側から分離された状態にされることで、前輪ブレーキ40にマスタシリンダMCからのブレーキ液圧が直接にはかからない状態にされる。つまり、ブレーキレバーLの操作力に起因して発生したブレーキ液圧は、前記のように、そのままダミーシリンダ11にかかり、これと同時に、第一液圧センサ14によってそのブレーキ液圧が計測される。
また、遮断弁13が遮断されると、第一液圧センサ14のブレーキ液圧を検出して、ブレーキ液圧の発生が必要な場合には、モータ29が回転を開始し、ポンプ21Bが作動を開始する。
(通常のブレーキ制御)
各車輪がロックする可能性のない通常のブレーキ制御時においては、前記第一実施形態と同様であり、運転者がブレーキレバーLを操作すると、その操作力により起因して発生したブレーキ液圧が第一液圧センサ14により検出され、レギュレータ27のカット弁27aが閉弁状態にされ、モータ29が駆動されてポンプ21Bが作動を開始する。これにより、循環液圧路Hの貯液室28にあるブレーキ液がポンプ21Bに吸引されて第二液圧路Dに吐出され、第二液圧路Dのブレーキ液圧が昇圧される。すると、第二液圧路Dから圧力付与部材30の小径室R2に昇圧されたブレーキ液が流入し、段付きピストン31が戻しばね32の付勢力に抗して大径室R1側に摺動され、段付きピストン31の大径室R1に貯溜されていたブレーキ液が圧力液圧路C1を通じて第一液圧路Cに吐出される。これによって、第一液圧路Cのブレーキ液圧が昇圧され、前輪ブレーキ40に制動力が付与される。そして、第二液圧センサ26で計測される圧力値が第一液圧センサ14で計測される圧力値に対応する圧力値となるまで、この状態が継続されて前輪が制動される。
本実施形態においても、大径室R1側から圧力液圧路C1を通じて第一液圧路Cへ吐出されるブレーキ液は、段付きピストン31の小径部31Bと大径部31Aとの受圧面積の差によって、小径室R2側に流入したブレーキ液よりも量の多いものとなり、ブレーキ液圧が倍増されて前輪ブレーキ40に大きな制動力を発生させることができる。これによって、ブレーキレバーLの操作による制動の応答性が向上する。
なお、ブレーキレバーLを緩めたときや操作を終了したときには、レギュレータ27のカット弁27aが循環液圧路Hを開くことで、第二液圧路Dから循環液圧路Hへのブレーキ液の流入が許容され、第二液圧路Dのブレーキ液が循環液圧路Hを通じて貯液室28に戻されて貯溜される。これによって、圧力付与部材30の段付きピストン31が小径室R2側に摺動し、第一液圧路Cのブレーキ液が圧力液圧路C1を通じて大径室R1に戻される。
(アンチロックブレーキ制御)
アンチロックブレーキ制御時に、制御装置100’において前輪ブレーキ40に作用するブレーキ液圧を減圧すべきであると判断された場合には、前記したブレーキレバーLを緩めたときと同様の動作が行われる。つまり、レギュレータ27のカット弁27aが循環液圧路Hを開くことで、第二液圧路Dから循環液圧路Hへのブレーキ液の流入が許容され、第二液圧路Dのブレーキ液が循環液圧路Hを通じて貯液室28に戻されて貯溜される。これによって、圧力付与部材30の段付きピストン31が小径室R2側に摺動し、第一液圧路Cのブレーキ液が圧力液圧路C1を通じて大径室R1に戻され、第一液圧路Cの前輪ブレーキ40に作用していたブレーキ液圧が減圧される。
また、制御装置100’において前輪ブレーキ40に作用するブレーキ液圧を一定に保持すべきであると判断された場合には、レギュレータ27のカット弁27aの開弁圧が調整され、昇圧された第二液圧路D側のブレーキ液圧が適宜、カット弁27aを通じてポンプ21Bの吸入口側の循環液圧路Hへ開放される。その結果、第二液圧路Dのブレーキ液圧が一定に保持される状態に調節される。
さらに、制御装置100’によって、前輪ブレーキ40に作用するブレーキ液圧を増圧すべきであると判断された場合には、レギュレータ27のカット弁27aが閉弁され、循環液圧路Hが遮断されて第二液圧路Dのブレーキ液圧が昇圧される。これによって、ポンプ21Bの作動により圧力付与部材30の大径室R1から第一液圧路Cへブレーキ液が吐出され、第一液圧路Cのブレーキ液圧が増圧される。
なお、第二液圧路Dのブレーキ液圧が設定値以上になった場合には、リザーバ25のチェック弁27bの働きにより第二液圧路Dのブレーキ液がカット弁27aをバイパスして循環液圧路Hのポンプ21Bの吸入口側に逃がされ、その結果として、圧力付与部材30に過剰なブレーキ液圧が作用することが回避される。
このようなブレーキ制御装置U’によれば、液圧調整回路20A(図1参照)を必要とせず、圧力付与回路20Bによって、アンチロックブレーキ制御を行うことができるので、部品点数を削減することができ、コストを低減することができる。また、ブレーキ制御装置U’における流路の設計等やその組み立てが簡単になるとともに、部品点数が削減されることによって、装置のコンパクト化も実現することができる。
以上、本発明の実施形態について説明したが、本発明は前記した実施形態に限定されることなく適宜変形して実施することが可能である。
例えば、前記実施形態では、装着穴50Aの奥側に第一液圧路Cに通じる圧力液圧路C1が形成され、入口側に第二液圧路Dが形成された例を示したが、これに限られることはなく、図7(a),図8に示すように、装着穴60Aの入口側に第一液圧路Cに通じる圧力液圧路C1を形成し、奥側に第二液圧路Dを形成することで、圧力付与部材30’を構成してもよい。なお、前記圧力付与部材30と同一の要素には同一の符号を用い、重複する説明は省略する。
装着穴60Aは、ブレーキ制御装置U(図1参照)のボディを成す基体50の異なる側面等に形成されており、開口側から奥側に向けて段状に順次縮径する有底円筒状を呈している。装着穴60Aは、開口部60aと、この開口部60aに通じる第一孔壁部61と、この第一孔壁部61よりも径の小さい第二孔壁部62と、この第二孔壁部62よりも幾分径の小さい第三孔壁部63と、この第三孔壁部63よりもさらに小さい第四孔壁部64と、この第四孔壁部64よりも径の小さい第五孔壁部65を備えている。そして、第二孔壁部62の内側面には圧力液圧路C1が開口形成されており、また、第四孔壁部64の内側面には通気孔55が開口形成されており、さらに、第五孔壁部65の底面(装着穴60Aの底面)には、第二液圧路Dが開口形成されている。
装着穴60A内には、段付きピストン31の他、付勢部材としての戻しばね32と、蓋部材70が配置される。
段付きピストン31は、大径部31Aが、Oリング31aを介して大径室R1を形成する第三孔壁部63内に摺動可能に配置されており、その端面には、圧力液圧路C1を通じて第一液圧路Cのブレーキ液圧が作用するようになっている。また、小径部31Bは、Oリング31bおよびシール部材31cを介して小径室R2を形成する第五孔壁部65内に摺動可能に配置されており、その端面には、小径室R2に流出入される第二液圧路Dのブレーキ液圧が作用するようになっている。
戻しばね32は、装着穴60Aの開口部60aにOリング70aを介して装着される蓋部材70の底部71と段付きピストン31との間に圧縮状態で配置されており、段付きピストン31を小径室R2側(装着穴60Aの底部側)へ付勢している。これによって、第二液圧路Dにブレーキ液圧が作用していない状態では、段付きピストン31が小径室R2側へ摺動して、大径部31Aの段部端面31eが装着穴60Aの第三孔壁部63と第四孔壁部64との段部60eに当接した状態に保持される(図7(a)参照)。この例では、この保持された状態で、大径室R1から圧力液圧路C1を通じて第一液圧路Cに至る流路に、ブレーキ液圧が作用しないようにされている。なお、戻しばね32には、大径部31Aの側面に形成された突部31dが挿入されている。
そして、図7(b)に示すように、第二液圧路Dを通じて小径室R2にブレーキ液圧が伝達されると、戻しばね32の付勢力に抗して段付きピストン31が大径室R1側へ摺動し、大径室R1に貯溜されていたブレーキ液が圧力液圧路C1を通じて第一液圧路Cに吐出されて第一液圧路Cにブレーキ液圧が付与される。
この例においても、段付きピストン31の摺動圧力(大径室R1側への摺動による吐出圧力)は、段付きピストン31の大径部31Aの受圧面積と小径部31Bの受圧面積との差、および戻しばね32のばね定数を選択することによって適宜設定することができる。
また、ポンプ21B(図1参照)の停止時およびブレーキレバーLの非操作時には、段付きピストン31が小径室R2側へ摺動し、大径室R1には、第一液圧路Cからブレーキ液が流入して貯溜される。
このような圧力付与部材30’を用いることによっても、前記実施形態と同様の作用効果が得られ、第二液圧路Dに設けられた圧力付与部材30’にポンプ21Bから吐出されたブレーキ液が流入して段付きピストン31が大径室R1側に摺動し、第一液圧路Cの前輪ブレーキ40に対して制動力を生じさせることができる。したがって、圧力付与部材30’を介してブレーキバイワイヤ制動が可能な、新規な液圧回路を有するブレーキ制御装置Uが得られる。
なお、前記した圧力付与部材30,30’の各構成部材は、前記した形状に限られるものではなく、任意の形状を採用することができる。
本発明の第1実施形態に係る車両用ブレーキ液圧制御装置を示すブレーキ液圧回路図である。 (a)は車両用ブレーキ液圧制御装置に適用される圧力付与部材を示す断面図、(b)は同じく動作を示す断面図である。 圧力付与部材を示す分解斜視図である。 ブレーキ液圧回路図の説明図である。 本発明の第2実施形態に係る車両用ブレーキ液圧制御装置を示すブレーキ液圧回路図である。 ブレーキ液圧回路図の説明図である。 (a)は圧力付与部材の変形例を示す断面図、(b)は同じく動作を示す断面図である。 圧力付与部材を示す分解斜視図である。
符号の説明
10 シミュレータ部
11 ダミーシリンダ
11a シリンダ本体
12 開閉弁
13 遮断弁
14 第一液圧センサ
20 モジュレータ部
20A 液圧調整回路
20B 圧力付与回路
21A ポンプ
21B ポンプ
25 リザーバ
26 第二液圧センサ
27 レギュレータ
27a カット弁
28 貯液室
30 圧力付与部材
30’ 圧力付与部材
31 段付きピストン
31A 大径部
31B 小径部
33e 先端部
40 前輪ブレーキ
50 基体
50A 装着穴
100 制御装置
100’ 制御装置
C 第一液圧路
C1 圧力液圧路
D 第二液圧路
L ブレーキレバー
MC マスタシリンダ
R1 大径室
R2 小径室
U ブレーキ制御装置(車両用ブレーキ液圧制御装置)
U’ ブレーキ制御装置(車両用ブレーキ液圧制御装置)

Claims (5)

  1. ブレーキ操作子の操作に応じて作動するポンプにより昇圧されたブレーキ液圧により車輪ブレーキに制動力を付与するブレーキバイワイヤ制動可能なブレーキ系統を備えた車両用ブレーキ液圧制御装置であって、
    前記ブレーキ系統は、前記車輪ブレーキに通じる第一液圧路と、
    前記第一液圧路とは分離され、前記ポンプから吐出されたブレーキ液が流入する第二液圧路と、を備え、
    前記第二液圧路には、前記ポンプから吐出されたブレーキ液圧を受けてストロークし、前記第一液圧路に圧力を付与する圧力付与部材が設けられており、
    前記第二液圧路と前記ポンプの吸入口側との間を連通接続する循環液圧路と、
    前記循環液圧路に設けられ、当該循環液圧路を開閉するカット弁を有するレギュレータと、
    前記循環液圧路における前記ポンプの吸入口側に接続され、前記レギュレータを介して戻されたブレーキ液を貯溜する貯液室と、
    前記カット弁の閉弁時に、前記循環液圧路における前記ポンプの吸入口側へ向けたブレーキ液の流れを許容するリリーフ弁と、を備えて構成されており、
    前記カット弁は、常開型のリニアソレノイド弁であり、
    前記ブレーキ操作子によるブレーキ操作が開始された後に、前記カット弁の開弁圧を調整することで前記第二液圧路のブレーキ液圧を調整するとともに、前記ブレーキ操作子によるブレーキ操作が終了した際に、前記カット弁を開弁させることで前記第二液圧路のブレーキ液圧を減圧することを特徴とする車両用ブレーキ液圧制御装置。
  2. 前記圧力付与部材は、大径部と小径部とからなる段付きピストンと、この段付きピストンを摺動可能に収容するシリンダ室と、を含んで構成され、前記シリンダ室は、前記大径部が配置される大径室と、前記小径部が配置される小径室とを有し、
    前記大径室は前記第一液圧路に連通しており、
    前記小径室は前記第二液圧路に連通しており、
    前記ポンプを作動させて前記第二液圧路と前記小径室のブレーキ液圧を昇圧させることで前記段付きピストンを前記大径室側に摺動させ、前記大径室に貯溜されていたブレーキ液を前記大径室から前記第一液圧路に吐出させることで前記車輪ブレーキにブレーキ液圧を付与するように構成されていることを特徴とする請求項1に記載の車両用ブレーキ液圧制御装置。
  3. 前記圧力付与部材の前記シリンダ室には、前記段付きピストンを前記小径室側に付勢する付勢部材が設けられていることを特徴とする請求項2に記載の車両用ブレーキ液圧制御装置。
  4. 前記大径室には、前記ポンプの停止時および前記ブレーキ操作子の非操作時に、前記第一液圧路からブレーキ液が流入して貯溜されることを特徴とする請求項2または請求項3に記載の車両用ブレーキ液圧制御装置。
  5. 前記ブレーキ操作子の操作に応じた操作反力を前記ブレーキ操作子に付与するダミーシリンダを有するストロークシミュレータと、
    このストロークシミュレータにかかるブレーキ液圧を検出する検出手段と、を備え、
    前記検出手段により検出されたブレーキ液圧の大きさに応じた制動力が車輪ブレーキに付与されることを特徴とする請求項1から請求項4のいずれか1項に記載の車両用ブレーキ液圧制御装置。
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