以下に、図面を参照して、本願に係る発明を実施するための最良の形態について説明する。
[第一実施形態]
まず、本発明の第一実施形態について図面を参照して説明する。図1は本発明の第一実施形態である遊技機の概略正面図、図2は第一実施形態の遊技機の概略制御ブロック図、図3は第一実施形態の遊技機における乱数発生手段及び主制御基板の概略ブロック図である。ここでは、遊技機が、いわゆるパチスロ機といわれる回胴式遊技機である場合を考える。
第一実施形態の回胴式遊技機の正面には、図1に示すように、リール11a,11b,11cと、表示窓12と、メダル投入口13と、クレジット数表示部14と、ベットボタン15a,15b,15cと、入賞ライン16a,16b,16c,16d,16eと、有効ライン表示部17と、スタートレバー(スタート手段)18と、停止ボタン19a,19b,19cと、払出数表示部21と、メダル放出口22と、メダル受皿23と、画像表示部24と、電飾表示部25と、スピーカ26とが配設されている。
また、かかる回胴式遊技機は、上記の各構成要素に加えて、図2に示すように、投入メダル検出センサ51と、ベットボタン操作検出センサ52a,52b,52cと、スタートレバー操作検出センサ53と、停止ボタン操作検出センサ54a,54b,54cと、リール駆動手段61a,61b,61cと、乱数発生手段70と、主制御基板80と、周辺制御基板90とを備える。
図1に示すように、回胴式遊技機の中央部のやや上側には、三つのリール11a,11b,11cが配設されている。各リール11a,11b,11cは、複数の図柄を一列に配した図柄列を有する回胴であり、回転可能に構成されている。三つのリール11a,11b,11cはそれぞれ、リール駆動手段61a,61b,61cにより駆動される。ここで、リール駆動手段61a,61b,61cとしては、例えばステッピングモータが用いられる。これらリール駆動手段61a,61b,61cの制御は、主制御基板80により行われる。
各リール11a,11b,11cに配される図柄には、例えば、赤色の数字「7」図柄、青色の数字「7」図柄、リプレイ図柄、METEOR図柄、なすび図柄、ベル図柄、チェリー図柄等がある。各リール11a,11b,11cの外周には、これらの図柄が合計21個配されている。また、リール11a,11b,11c毎に各図柄の数及び図柄の配置順序は異なっている。
表示窓12はリール11a,11b,11cに対応する位置に設けられた透明な窓部である。遊技者は、リール11a,11b,11cの停止時において表示窓12からそれぞれのリール11a,11b,11cに付された三つの図柄を目視することができる。
メダル投入口13は、遊技者がメダルを投入するための投入口である。投入メダル検出センサ51はメダル投入口13の内部に設けられており、メダルがメダル投入口13に投入されたことを検出するものである。投入メダル検出センサ51からの検出信号は主制御基板80に送られる。
クレジット数表示部14は、メダルのクレジット数を所定の範囲内で表示するものである。例えば、最大50枚までクレジット数を表示することができる。メダル投入口13からメダルを投入すると、主制御基板80は、投入メダル検出センサ51からの信号に基づいて、現在のクレジット数からその投入したメダルの数だけ増加させた数をクレジット数表示部14に表示させる。また、主制御基板80は、遊技において所定の役が成立すると、その役に対応して払い出されるメダルの払出枚数を現在のクレジット数に加算し、その加算した数をクレジット数表示部14に表示させる。
ベットボタン15a,15b,15cは、表示窓12の左下側に設けられている。ベットボタン15aは、メダルを一枚賭けて遊技を行うことを選択するボタンであり、ベットボタン15bは、メダルを二枚賭けて遊技を行うことを選択するボタンであり、ベットボタン15cは、メダルを三枚賭けて遊技を行うことを選択するボタンである。ベットボタン操作検出センサ52a,52b,52cはそれぞれ、ベットボタン15a,15b,15cが押されたことを検出するものである。各ベットボタン操作検出センサ52a,52b,52cからの検出信号は、主制御基板80に送られる。これにより、主制御基板80は、メダルを何枚賭けて遊技を行うのかを認識することができる。
表示窓12には、五つの入賞ライン16a,16b,16c,16d,16eが描かれている。このうち、三つの入賞ライン16a,16b,16cは、互いに平行であって横方向に延びている。また、入賞ライン16dは左上から右下に向かって延び、入賞ライン16eは左下から右上に向かって延びている。そして、入賞ライン16d,16eは表示窓12の中央で交差している。三つのリール11a,11b,11cが停止した場合、これらの入賞ライン16a,16b,16c,16d,16eのうち有効な入賞ライン上に所定の図柄が揃い、所定の役が成立すると、当該遊技が入賞となり、所定数のメダルが払い出される。
表示窓12の左側には、有効ライン表示部17が設けられている。かかる有効ライン表示部17は、当該遊技において入賞ライン上に所定の図柄が揃ったときに入賞となる有効な入賞ラインの数を遊技者に知らせるためのものである。具体的には、ベットボタン15aが押されると、主制御基板80は、有効ライン表示部17の「1MEDAL」を点灯させる。この場合には、表示窓12の中央において横方向に延びている入賞ライン16aだけが有効な入賞ラインとなる。ベットボタン15bが押されると、主制御基板80は、有効ライン表示部17の「2MEDALS」を点灯させる。この場合には、三つの入賞ライン16a,16b,16cが有効な入賞ラインとなる。そして、ベットボタン15cが押されると、主制御基板80は、有効ライン表示部17の「3MEDALS」を点灯させる。この場合には、五つの入賞ライン16a,16b,16c,16d,16eがすべて有効な入賞ラインとなる。
スタートレバー18は、遊技を開始する旨を指示するために遊技者が操作するものである。ここで、一回の遊技は、スタートレバー18が操作されることにより開始し、三つの停止ボタン19a,19b,19cがすべて押されることにより終了する。スタートレバー操作検出センサ53は、スタートレバー18が操作されたことを検出するものである。スタートレバー操作検出センサ53は、スタートレバー18が操作されたことを検出すると、遊技開始信号を乱数発生手段70及び主制御基板80に送る。乱数発生手段70は、スタートレバー操作検出センサ53から遊技開始信号を受けると、一の乱数値を取得し、その取得した乱数値を主制御基板80に送出する。また、主制御基板80は、ベットボタン操作検出センサ52a,52b,52cのいずれかから信号を受けているときに、スタートレバー操作検出センサ53から遊技開始信号を受けると、遊技開始の処理を行う。具体的には、主制御基板80は、乱数発生手段70から送られた乱数値に基づいて役の抽選処理を行うと共に、三つのリール11a,11b,11cの回転動作を開始する。
停止ボタン19a,19b,19cはそれぞれ、リール11a,11b,11cの回転動作を停止させるためのものである。停止ボタン操作検出センサ54a,54b,54cはそれぞれ、停止ボタン19a,19b,19cが押されたことを検出するものである。各停止ボタン操作検出センサ54a,54b,54cからの検出信号は、主制御基板80に送られる。これにより、主制御基板80は、遊技者によってどの停止ボタンが押されたのかを認識することができる。そして、主制御基板80は、停止ボタン操作検出センサ54a,54b,54cからの検出信号を受けると、当該停止ボタン操作検出センサに対応するリールの回転動作を停止する。
このように、遊技者がスタートレバー18を操作し、三つのリール11a,11b,11cが回転動作を開始した後、遊技者が停止ボタン19a,19b,19cを押すことにより、リール11a,11b,11cが停止する。このとき、それらのリール11a,11b,11cに付されている図柄が有効な入賞ライン上において特定の組合せとなると、役が成立することになる。
役の種類には、大きく分けて、大役(ボーナス)と小役とがある。大役には、例えば、赤色及び青色の数字「7」の図柄が有効な入賞ライン上に揃った場合の役であるビックボーナス(BB)と、METEOR図柄が有効な入賞ライン上に揃った場合の役であるレギュラーボーナス(RB)とがある。大役になると、回胴式遊技機は、遊技者に有利な遊技状態に移行する。例えば、BBが成立した場合には、メダルが15枚払い出されるとともに、遊技者が最も多量のメダルを獲得可能なBB遊技に突入する。また、RBが成立した場合には、メダルが15枚払い出されるとともに、BB遊技に次いで遊技者が多量のメダルを獲得可能なRB遊技に突入する。
一方、小役は、例えば、なすび図柄やベル図柄が有効な入賞ライン上に揃った場合の役である。かかる小役が成立したときには、所定枚数のメダルが払出される。また、いわゆる単チェリー、いわゆる角チェリーという小役がある。単チェリーの小役とは、有効ライン表示部17の「1MEDAL」又は「3MEDALS」が点灯している場合にあっては、有効な入賞ライン16aの左側の位置にチェリー図柄が停止したとき、あるいは、有効ライン表示部17の「2MEDALS」が点灯している場合にあっては、有効な入賞ライン16a,16b,16cのいずれかの左側の位置にチェリー図柄が停止したときの小役のことである。また、角チェリーの小役とは、有効ライン表示部17の「3MEDALS」が点灯している場合に、有効な入賞ライン16b,16cのいずれかの左側の位置にチェリー図柄が停止したときの小役のことである。すなわち、角チェリーの小役では、有効な入賞ライン16b,16dにおいて、又は有効な入賞ライン16c,16eにおいて、単チェリーの小役が二つ成立する。単チェリー、角チェリーの小役が成立した場合も、所定枚数のメダルが払出される。その他に、リプレイ図柄が有効な入賞ライン上に揃った場合の役がある。この役が成立した場合には、再遊技、すなわち、今回の遊技に賭けたメダルと同数のメダルが自動投入され、遊技者は新たにメダルを投入することなく、再度遊技が可能な状態になる。
払出数表示部21は、成立した役に対応して払い出されるメダルの払出枚数を表示するものである。払出数表示部21の制御は主制御基板80により行われる。メダル放出口22からは、クレジット数が50枚を超えた場合におけるその超過分のメダルが放出され、図示しない清算ボタンを操作した場合にあってはそのときのクレジット数に対応する数のメダルが放出される。メダル受皿23は、メダル放出口22から放出されるメダルを蓄積するための皿である。
画像表示部24は、表示窓12の右側に設けられている。画像表示部24としては、例えば液晶表示装置が用いられる。画像表示部24は、複数の数字や図形等の画像を変動表示することにより、役の成立の予告、所定の情報の告知、その他の演出を行う。この画像表示部24の制御は、主制御基板80からのコマンドに基づき周辺制御基板90により行われる。
電飾表示部25は、回胴式遊技機の上部に設けられている。この電飾表示部25は、多数のランプやLED等からなり、各種の遊技状態を報知したり、遊技の演出を行ったりする。主制御基板80が遊技の進行状況等に応じて周辺制御基板90に所定のコマンドを送ると、周辺制御基板90は電飾表示部25を制御する。
スピーカ26は、音により遊技の演出を行うものである。主制御基板80が遊技の進行状況に応じて周辺制御基板90に所定のコマンドを送ると、周辺制御基板90はスピーカ26を制御する。
乱数発生手段70、主制御基板80及び周辺制御基板90は、回胴式遊技機の内部に取り付けられている。周辺制御基板90は、主制御基板80と通信ケーブル線を介して接続されている。
乱数発生手段70は、所定範囲の数値を順次発生すると共に、スタートレバー操作検出センサ53からの遊技開始信号を受けたタイミングで当該数値を乱数値として取得し、その取得した乱数値を主制御基板80に送出するものである。かかる乱数発生手段70は、図3に示すように、水晶発振器(発振手段)71と、乱数カウンタ(計数手段)72と、ラッチ回路(保持手段)73とを備える。水晶発振器71は、例えば10MHzの周波数のクロック信号を発生するものである。
乱数カウンタ72は、クロック信号が入力する度にその入力するクロック信号の数を所定の範囲内で繰り返し計数するものである。ここでは、乱数カウンタ72として、例えば16ビットハードウェア乱数カウンタを用いており、乱数カウンタ72の計数値は0から65535までの範囲で変動する。具体的に、乱数カウンタ72は、クロック信号が入力するタイミングで、計数値を順次、インクリメントしていく。そして、乱数カウンタ72の計数値が最大値(65535)になった場合、次にクロック信号が乱数カウンタ72に入力すると、乱数カウンタ72の計数値は0に戻る。
ラッチ回路73は、所定のタイミングで乱数カウンタ72の計数値を乱数値として取得して保持するものである。このラッチ回路73には、スタートレバー操作検出センサ53からの遊技開始信号が入力するようになっている。ラッチ回路73は、スタートレバー操作検出センサ53からの遊技開始信号を受けたときに、乱数カウンタ72の計数値を取得する。ラッチ回路73が保持する乱数値は主制御基板80に送られ、主制御基板80のRAMに一時記憶される。
主制御基板80は、主に遊技内容やメダルの払出しの制御及び管理を行う。また、主制御基板80は、役の抽選処理を行う。この役の抽選処理については後に詳述する。主制御基板80は、抽選結果に応じて所定のコマンドを周辺制御基板90に送る。
更に、主制御基板80は、リール11a,11b,11cを駆動及び停止させるリール制御を行う。この主制御基板80のリール制御には、リールの駆動開始制御、リールの駆動停止制御の他、例えば、役に当選した場合に行われるリール引込み制御、役に当選しなかった場合に行われる外れ制御等がある。
リール引込み制御とは、停止ボタンが押されたタイミングから所定のコマ数(例えば、4コマ)の範囲内に当該役を構成する図柄が存在するときに、その図柄を有効な入賞ライン上に引き込むようにリールの停止位置を制御することをいう。但し、遊技者が停止ボタンを押したタイミングにおいて上記の所定のコマ数の範囲内に当該役を構成する図柄が存在しないときには、リールの引込み制御が働かず、押したなりの図柄が有効な入賞ライン上に停止する。したがって、このときには、当該役を構成する図柄は有効な入賞ライン上に揃わず、当該役は成立しないことになる。
外れ制御とは、有効な入賞ラインにはいずれの役も成立しないように、リールの停止位置を制御することをいう。したがって、この場合には、遊技者が特定の役を狙って停止ボタンを押したとしても、どのような役も成立せず、遊技の結果は外れとなる。
周辺制御基板90は、主に遊技の演出に関わる機能を実現する。すなわち、周辺制御基板90は、画像表示部24、電飾表示部25、スピーカ26を制御する。周辺制御基板90は、主制御基板80からのコマンドを受けて、所定の処理を実行する。
具体的には、周辺制御基板90は、主制御基板80から所定のコマンドを受けたとき、そのコマンドに基づいて遊技の演出の内容を決定し、画像表示部24、電飾表示部25及びスピーカ26にそれぞれ、画像演出用パターンデータ、電飾演出用パターンデータ、音声データを送る。これにより、画像表示部24は、その画像演出用パターンデータに基づいて画像を表示し、電飾表示部25は、その電飾演出用パターンデータに基づいてランプやLEDの点灯を行う。また、スピーカ26は、所定の音声を出力して遊技の演出を行う。
次に、第一実施形態の回胴式遊技機における主制御基板80の構成について詳しく説明する。ここで、図3では、主制御基板80が行う制御系のうち役の抽選処理に関するものだけを示している。
主制御基板80は、図3に示すように、ROM81と、RAM82と、CPU(遊技制御手段)83と、乱数値比較手段(検出手段)84と、変更手段85と、抽選手段86とを備えている。
ROM81は、乱数値と役の対応関係を定める定義データをテーブル形式で複数パターン格納する定義パターン格納領域811と、後述する乱数値用の閾値のデータを格納している乱数値用閾値格納領域812と、遊技の制御に必要な各種のプログラムを格納しているプログラム格納領域(不図示)とを有している。定義パターン格納領域811には、8種類の定義データのパターンがテーブル形式で格納されている。図4はROM81に格納された8個の定義データのパターンを説明するための図である。本実施形態では、図4に示すように、パターン1からパターン8まで8つのパターンが格納されている。図4に示すように、各パターンは、0〜65535の乱数値を8つの当選エリア(0〜7)に区分して、乱数値と役との対応関係を定義している。
パターン1では、0から47335までの乱数値の範囲(47336通り)を当選エリア「0」(不当選)、47336から47485までの乱数値の範囲(150通り)を当選エリア「1」(RB)、47486から47757までの乱数値の範囲(272通り)を当選エリア「2」(BB)、47758から53757までの乱数値の範囲(6000通り)を当選エリア「3」(ベル)、53758から62735までの乱数値の範囲(8978通り)を当選エリア「4」(再遊技)、62736から63035までの乱数値の範囲(300通り)を当選エリア「5」(角チェリー)、63036から65035までの乱数値の範囲(2000通り)を当選エリア「6」(単チェリー)、そして、65036から65535までの乱数値の範囲(500通り)を当選エリア「7」(なすび)としている。
パターン2は、パターン1の不当選の役をRBの後の位置に移動したものであり、この移動に応じてRBと不当選の乱数値の範囲が変更されている。その他は、パターン1と同様である。パターン3は、パターン2の不当選の役をBBの後の位置に移動したものであり、この移動に応じてBBと不当選の乱数値の範囲が変更されている。パターン4以下の各パターンも、同様に、一つ前のパターンの不当選の役の位置を順次ずらすことにより作成したものである。したがって、第一実施形態によれば、8つのパターンを容易に作成することができる。
なお、上述した各パターンは、BB遊技やRB遊技以外の一般遊技時に使用されるものであり、各パターンは、この他に、通常の公知の回胴式遊技機のように、BB遊技時及びRB遊技時に使用される乱数値と役の対応関係を定めるデータも有しているが、説明を簡略化するために、第一実施形態では、BB遊技時及びRB遊技時のデータは省略している。
RAM82は、乱数発生手段70のラッチ回路73に保持された乱数値を記憶する今回乱数値格納領域821と、前回の遊技時の乱数値を記憶する前回乱数値格納領域822と、今回の遊技で使用する定義データのパターン番号を記憶するパターン番号格納領域823と、データを一時的に記憶する作業領域(不図示)とを有している。ここで、今回乱数値格納領域821及び前回乱数値格納領域822が本発明の乱数値記憶手段に対応する。
乱数値比較手段84は、RAM82の今回乱数値格納領域821に記憶されている今回の乱数値と、前回乱数値格納領域822に記憶されている前回の乱数値との差を求め、その差とROM81の乱数値用閾値格納領域812に記憶されている閾値とを比較し、その差が閾値より小さいときに信号を出力する。すなわち、乱数値比較手段84は、今回の乱数値と前回の乱数値との差が閾値より小さいときに、遊技状態が予め定めた所定の状態になったと判断し、所定の信号を出力する。
変更手段85は、乱数値比較手段84が所定の信号を出力したときに、これまで使用していた定義データのパターンを変更する。たとえば、これまでパターン1を使用していたときには、次のパターン2、或いは前のパターン8に変更する。また、簡単な乱数発生回路を用いて、現在使用しているパターンを除いた他の7つのパターンから均等な確率で一つのパターンを選ぶようにしてもよい。また、変更手段85は、変更後のパターンの番号をRAM82のパターン番号格納領域823に格納し、処理終了の信号を発する。なお、変更手段85は、パターン番号を変更しない場合にも、処理終了の信号を発する。
抽選手段86は、変更手段85が処理終了の信号を発すると、今回乱数値格納領域821に記憶されている乱数値が予め定められた当たり値又は外れ値のいずれであるかを判定する抽選処理を行うものである。具体的には、抽選手段86は、ROM81の定義パターン格納領域811に格納されている定義データの一のパターンに基づいて、この乱数値がどの当選エリアに属するかを調べることにより、役に当選したか、当選しなかったかを決定する。抽選手段86の抽選結果はCPU83に送られる。
CPU83は、ROM81に格納されたプログラムを実行することにより、遊技内容の制御等を行う。例えば、CPU83は、リール11a,11b,11cを駆動及び停止させるリール制御を行う。このCPU83のリール制御には、リールの駆動開始制御、リールの駆動停止制御の他、例えば、上述した、役に当選した場合に行われるリール引込み制御、及び、役に当選しなかった場合に行われる外れ制御等がある。また、CPU83は、抽選手段86の抽選結果に応じて所定のコマンドを周辺制御基板90に送る。
尚、回胴式遊技機に関しては、さまざまな規格が定められている。その一つに、スタートレバー18を操作してから4.1秒を経過しないと、次にスタートレバー18を操作しても、リール11a,11b,11cが回転しないという規格がる。このため、主制御基板80のCPU83は、かかる規格に合致するように、リール11a,11b,11cの駆動開始制御を行う。但し、スタートレバー18を操作してから4.1秒以内に、次にスタートレバー18を操作した場合であっても、主制御基板80のCPU83がベットボタン操作検出センサ52a,52b,52cのいずれかから信号をすでに受けていれば、抽選手段84による抽選処理は行われる。
次に、第一実施形態の回胴式遊技機において主制御基板80が行う抽選処理の手順について説明する。図5は第一実施形態の回胴式遊技機において主制御基板80が行う抽選処理の手順を説明するためのフローチャートである。
遊技者がスタートレバー18を押下すると、スタートレバー操作検出センサ53がCPU83とラッチ回路73に信号を送出する。ラッチ回路73は、この信号を受けると、16ビットの乱数カウンタ72から乱数値を採取して保持する。一方、CPU83は、この信号を受けると、図5に示す抽選処理を開始する。ステップS1では、CPU83は、ラッチ回路73に保持されている乱数値をRAM82の今回乱数値格納領域821に記憶する。なお、前回の遊技で得られた乱数値は、前回乱数値格納領域822に記憶されている。
次に、乱数値比較手段84は、今回乱数値格納領域821から今回の乱数値を採取し(S2)、前回乱数値格納領域822から前回の乱数値を採取する(S3)。また、採取した今回の乱数値と前回の乱数値との差を算出する(S4)。次に、その算出した差と、乱数値用閾値格納領域812に記憶されている閾値とを比較し、その差が閾値未満であるか否かを判断して、その結果を示す信号を出力する(S5)。
乱数値比較手段84が、閾値未満であると判断してその旨の信号を出力すると、ステップS6に移行し、変更手段85は、抽選処理を行うときに使用する定義データのパターンを、現在使用しているパターン(たとえばパターン1)から、残りの他の一のパターン(パターン2〜パターン8のいずれか)に上述した方法により変更する。変更後のパターンの番号は、変更手段85により、パターン番号格納領域823に記憶される。
ステップS7では、抽選手段86は、今回乱数値格納領域821に記憶されている乱数値について、パターン番号格納領域823に記憶されているパターン番号の定義データを使用して、今回の当選役を決定する。最後に、CPU83は、今回乱数値格納領域821に記憶されている乱数値を、前回乱数値格納領域822に記憶する(S8)。また、ステップS5の判断で、算出した差が閾値以上であるときには、ステップS6の処理を行うことなく、ステップS7の処理に移行して上述した当選役を決定する処理を行う。以上で、第一実施形態の回胴式遊技機において主制御基板80が行う抽選処理を終了する。
第一実施形態では、乱数値用閾値格納領域812に格納される乱数値用の閾値として、不当選を除く他の抽選役(RB、BB、ベル、再遊技、角チェリー、単チェリー、なすび)の乱数値の範囲のうちの最も小さい値、或いは、RBやBBのような大役の乱数値の範囲のうちの小さい値を用いる。第一実施形態の場合は、何れの場合でも、閾値は図4に示すようにRBの150となる。しかしながら、回胴式遊技機の種類によっては、たとえば、役が当選しても、すぐに当たりを還元するのではなく、主制御基板で当選役をストックしておき、予め定めた一定の条件、たとえばある小役が所定回数出現したときに、ストックしていた当選役をまとめて還元する、いわゆるST機(ストックタイム機)では、大役の乱数値の範囲より、上記ストック状態を解除するための特定の小役の乱数値の範囲が小さい場合がある。この場合、閾値は、当該小役の乱数値の範囲となる。このように、第一実施形態で使用される乱数用の閾値は、遊技機の種類に応じて、決められるものである。
乱数発生手段70による乱数は、乱数カウンタ72を用いて生成するので、65535をカウントすると、また0に戻って、カウントし直す。したがって、生成される乱数値は周期性を有するものとなる。このため、遊技者が不正な遊技方法で各遊技において、同じような当たり役の乱数値を発生させることも可能である。この場合、その遊技者は、常に勝ち続けることとなる。特に、今回の乱数値と前回の乱数値との差が150以内のときに、遊技者が不正を行っている蓋然性が高い。逆に、遊技者が意図しないのに、各遊技ごとに同じような外れ役の乱数値ばかりを発生させてしまうこともある。この場合、その遊技者は、常に負け続けることとなる。これに対して、第一実施形態の回胴式遊技機によれば、前回の乱数値と今回の乱数値の差が予め定めた閾値より小さいときには、使用する定義データのパターンを変更するので、このような偏った乱数値の発生を防止することができる。したがって、乱数カウンタを用いて乱数を生成する場合でも、当たり役の乱数値の周期性を排除し、当たり役の偏りを修正して、変化に富んだ遊技を提供することができる。また、体感機などを使用した不正行為を確実に防止することができる。
なお、第一実施形態では、遊技機が回胴式遊技機である場合について説明したが、本発明は、回胴式遊技機に限定されるものではなく、遊技機は、パチンコ遊技機であってもよい。
また、上記の第一実施形態では、検出手段が乱数値比較手段である場合について説明したが、本発明は、これに限定されるものではなく、検出手段は、前回の乱数値と今回の乱数値との差が予め定めた乱数値用の閾値より小さい状態が所定回数だけ連続したときに信号を発する乱数値連続比較手段であってもよい。
[第二実施形態]
次に、本発明の第二実施形態について図面を参照して説明する。図6は本発明の第二実施形態である遊技機における乱数発生手段及び主制御基板の概略ブロック図である。
第二実施形態の遊技機が第一実施形態のものと異なるのは、ROM81に乱数値用閾値格納領域812の代わりに計測値用閾値格納領域813を設け、RAM82に前回乱数値格納領域822の代わりに今回計測値格納領域824と前回計測値格納領域825とを設け、乱数値比較手段84の代わりに計数値比較手段84aを設け、更に計測手段87を新たに設けた点である。その他の点は、第一実施形態と同じである。したがって、第二実施形態において、第一実施形態のものと同一の機能を有するものには、同一の符号或いは対応する符号を付すことにより、その詳細な説明を省略する。尚、第二実施形態においても、遊技機がいわゆるパチスロ機といわれる回胴式遊技機である場合を考える。
次に、第二実施形態の回胴式遊技機における主制御基板80aの構成について詳しく説明する。ここで、図6では、主制御基板80aが行う制御系のうち役の抽選処理に関するものだけを示している。
主制御基板80aは、図6に示すように、ROM81と、RAM82と、CPU(遊技制御手段)83と、計測値比較手段(検出手段)84aと、変更手段85と、抽選手段86と、計測手段87とを備えている。
ROM81は、乱数値と役の対応関係を定める定義データをテーブル形式で複数パターン格納する定義パターン格納領域811と、後述する計数値用の閾値のデータを格納している計数値用閾値格納領域813と、遊技の制御に必要な各種のプログラムを格納しているプログラム格納領域(不図示)とを有している。
RAM82は、乱数発生手段70のラッチ回路73に保持された乱数値を記憶する今回乱数値格納領域821と、今回の遊技で使用する定義データのパターン番号を記憶するパターン番号格納領域823と、後述する計測手段87によって今回計測された計測値を記憶する今回計測値格納領域824と、計測手段87によって前回計測された計測値を記憶する前回計測値格納領域825と、データを一時的に記憶する作業領域(不図示)とを有している。ここで、今回計測値格納領域824及び前回計測値格納領域825が本発明の計測値記憶手段に対応する。
計測手段87は、前回のスタートレバー操作検出センサ53からの信号を受信した時から、今回のスタートレバー操作検出センサ53からの信号を受信する時までの時間を計測する。すなわち、計測手段87は、スタートレバー18の押し下げ間隔を計測する。計測手段87の計測値は、RAM82の今回計測値格納領域824に記憶される。計測手段84は、遊技機本体に電源が投入されると、常に計測しつづける。
計測値比較手段84aは、RAM82の今回計測値格納領域824に記憶された今回の計測値と、前回計測値格納領域825に記憶された前回の計測値との差を算出し、その差とROM81の計測値用閾値格納領域813に格納された計測値用の閾値とを比較し、その結果を示す信号を出力する。すなわち、計測値比較手段84aは、今回の計測値と前回の計測値との差が閾値より小さいときに、遊技状態が予め定めた所定の状態になったと判断し、所定の信号を出力する。
変更手段85は、計測値比較手段84aが所定の信号を出力したときに、これまで使用していた定義データのパターンを他のパターンに変更する。その他の点は、第一実施形態の変更手段と同様である。また、抽出手段86も、第一実施形態のものと同様である。
次に、第二実施形態の回胴式遊技機において主制御基板80aが行う抽選処理の手順について説明する。図7は第二実施形態の回胴式遊技機において主制御基板80aが行う抽選処理の手順を説明するためのフローチャートである。
遊技者がスタートレバー18を押下すると、スタートレバー操作検出センサ53がCPU83とラッチ回路73に信号を送出する。ラッチ回路73は、この信号を受けると、16ビットの乱数カウンタ72から乱数値を採取して保持する。一方、CPU83は、この信号を受けると、図7に示す抽選処理を開始する。ステップS11では、CPU83は、ラッチ回路73に保持されている乱数値をRAM82の今回乱数値格納領域821に記憶する。
次に、計測値比較手段84aは、今回計測値格納領域824から計測手段87が計測した今回の計測値を採取し(S12)、前回計測値格納領域825から前回の計測値を採取する(S13)。また、採取した今回の計測値と前回の計測値との差を算出する(S14)。次に、その算出した差と、計測値用閾値格納領域813に記憶されている計測値用の閾値とを比較し、その差が閾値未満であるか否かを判断して、その結果を示す信号を出力する(S15)。
計測値比較手段84aが、閾値未満であると判断してその旨の信号を出力すると、ステップS16に移行し、変更手段85は、抽選処理を行うときに使用する定義データのパターンを、現在使用しているパターン(たとえばパターン1)から、残りの他の一のパターン(パターン2〜パターン8のいずれか)に上述した方法により変更する。変更後のパターンの番号は、変更手段85により、パターン番号格納領域823に記憶される。
ステップS17では、抽選手段86は、今回乱数値格納領域821に記憶されている乱数値について、パターン番号格納領域823に記憶されているパターン番号の定義データを使用して、今回の当選役を決定する。最後に、CPU83は、今回計測値格納領域824に記憶されている計測値を、前回計測値格納領域825に記憶する(S18)。また、ステップS15の判断で、算出した差が閾値以上であるときには、ステップS16の処理を行うことなく、ステップS17の処理に移行して上述した当選役を決定する処理を行う。以上で、第二実施形態の回胴式遊技機において主制御基板80aが行う抽選処理を終了する。
なお、第二実施形態で使用する計測値用の閾値は、乱数発生手段の水晶発振器の周波数や定義データの当たり領域の範囲等を考慮して定める。水晶発振器の周波数を考慮するのは、水晶発振器の周波数に応じて、同一の乱数値が生成される周期が決まり、この周期に対応する間隔でスタートレバーを押下すると、連続して当たり役を発生させることが可能となるからである。また、特に、一般的に、BB又はRBの当り領域がせまいため、これらの当り領域に基づいて閾値を決めることにより、BB又はRBが狙い撃ちされたときに、使用する定義データのパターンを変えて、BB又はRBの当り領域を常に変動させることができる。これにより、BB又はRBが狙い撃ちされるのを確実に防ぎ、遊技内容の不規則性を確保して、遊技の興趣の向上を図ることができる。すなわち、本実施形態の場合、回胴式遊技機の機種に応じて、各機器の水晶発振器の周波数や狙い撃ちされると特に影響が大きい役の当り領域に基づいて、この閾値を決定することが望ましい。
第二実施形態の遊技機は、今回の計測値と前回の計測値との差が所定の閾値より小さいときに、定義データのパターンを変更することにより、第一実施形態と同様の作用・効果を奏する。
なお、上記の第二実施形態では、検出手段が計測値比較手段である場合について説明したが、本発明は、これに限定されるものではなく、検出手段は、前回の計測値と今回の計測値との差が閾値より小さい状態が所定回数だけ連続したときに信号を出力する計測値連続比較手段であってもよい。
[第三実施形態]
次に、本発明の第三実施形態について図面を参照して説明する。図8は本発明の第三実施形態である遊技機における乱数発生手段及び主制御基板の概略ブロック図である。
第三実施形態の遊技機が第一実施形態のものと異なるのは、ROM81に乱数値用閾値格納領域812の代わりに遊技数用閾値格納領域814を設け、RAM82に前回乱数値格納領域822の代わりに遊技数格納領域826を設け、乱数値比較手段84の代わりに遊技数比較手段84bを設け、更に遊技数計数手段88を新たに設けた点である。その他の点は、第一実施形態と同じである。したがって、第三実施形態において、第一実施形態のものと同一の機能を有するものには、同一の符号或いは対応する符号を付すことにより、その詳細な説明を省略する。尚、第三実施形態においても、遊技機がいわゆるパチスロ機といわれる回胴式遊技機である場合を考える。
次に、第三実施形態の回胴式遊技機における主制御基板80bの構成について詳しく説明する。ここで、図8では、主制御基板80bが行う制御系のうち役の抽選処理に関するものだけを示している。
主制御基板80bは、図8に示すように、ROM81と、RAM82と、CPU(遊技制御手段)83と、遊技数比較手段(検出手段)84aと、変更手段85と、抽選手段86、遊技数計数手段88とを備えている。
ROM81は、乱数値と役の対応関係を定める定義データをテーブル形式で複数パターン格納する定義パターン格納領域811と、後述する遊技数用の閾値のデータを格納している遊技数用閾値格納領域814と、遊技の制御に必要な各種のプログラムを格納しているプログラム格納領域(不図示)とを有している。
RAM82は、乱数発生手段70のラッチ回路73に保持された乱数値を記憶する今回乱数値格納領域821と、今回の遊技で使用する定義データのパターン番号を記憶するパターン番号格納領域823と、後述する遊技数計数手段88によって計数された遊技数のデータを記憶する遊技数格納領域826と、データを一時的に記憶する作業領域(不図示)とを有している。
遊技数計数手段88は、スタートレバー18が押下されたことを検知するスタートレバー操作検出センサ53から信号を受信するごとに、1を加算する処理を行うことにより、遊技の回数を計数する。計数した遊技数のデータは、RAM82の遊技数格納領域826に記憶される。
遊技数比較手段84bは、RAM82の遊技数格納領域826に記憶された遊技数とROM81の遊技数用閾値格納領域814の格納された遊技数用の閾値とを比較し、その結果を示す信号を出力する。すなわち、遊技数比較手段84bは、遊技数格納領域826に記憶された遊技数が閾値以上であるときに、遊技状態が予め定めた所定の状態になったと判断し、所定の信号を出力する。
変更手段85は、遊技数比較手段84bが所定の信号を出力したときに、これまで使用していた定義データのパターンを他のパターンに変更する。その他の点は、第一実施形態の変更手段と同様である。また、抽出手段86も、第一実施形態のものと同様である。
次に、第三実施形態の回胴式遊技機において主制御基板80bが行う抽選処理の手順について説明する。図9は第三実施形態の回胴式遊技機において主制御基板80bが行う抽選処理の手順を説明するためのフローチャートである。
遊技者がスタートレバー18を押下すると、スタートレバー操作検出センサ53がCPU83とラッチ回路73に信号を送出する。ラッチ回路73は、この信号を受けると、16ビットの乱数カウンタ72から乱数値を採取して保持する。一方、CPU83は、この信号を受けると、図9に示す抽選処理を開始する。ステップS21では、CPU83は、ラッチ回路73に保持されている乱数値をRAM82の今回乱数値格納領域821に記憶する。
次に、遊技数比較手段84bは、RAM82の遊技数格納領域826から遊技数計数手段88が計数した遊技数のデータを採取する(S22)。また、その採取した遊技数と遊技数用閾値格納領域814に記憶されている遊技数用の閾値とを比較し、採取した遊技数が閾値以上であるか否かを判断して、その結果を示す信号を出力する(S23)。
遊技数比較手段84bが、閾値以上であると判断してその旨の信号を出力すると、ステップS24に移行し、変更手段85は抽選処理を行うときに使用する定義データのパターンを、現在使用しているパターン(たとえばパターン1)から、残りの他の一のパターン(パターン2〜パターン8のいずれか)に上述した方法により変更する。変更後のパターンの番号は、変更手段85により、パターン番号格納領域823に記憶される。
ステップS25では、抽選手段86は、今回乱数値格納領域821に記憶されている乱数値について、パターン番号格納領域823に記憶されているパターン番号の定義データを使用して、今回の当選役を決定する。また、ステップS23の判断で、採取した遊技数が閾値より小さいと判断したときには、ステップS24の処理を行うことなく、ステップS25の処理に移行して上述した当選役を決定する処理を行う。以上で、第三実施形態の回胴式遊技機において主制御基板80bが行う抽選処理を終了する。
なお、第三実施形態で使用する遊技数用の閾値は、1でも良いし、2以上の整数値であってもよい。この閾値は、定義データの当たり領域の範囲等を考慮して定める。本実施形態の場合、特に、BBやRBを除く、当り領域の広い役が狙い撃ちされるのを防いで、遊技の不規則性を確保するものである。したがって、各回胴式遊技機の当り領域の広い役に基づいて、この閾値を定めることが望ましい。
第三実施形態の遊技機は、遊技数が所定の閾値以上になったときに、定義データのパターンを変更することにより、第一実施形態と同様の作用・効果を奏する。
[第四実施形態]
次に、本発明の第四実施形態について図面を参照して説明する。図10は本発明の第四実施形態である遊技機における乱数発生手段及び主制御基板の概略ブロック図である。
第四実施形態の遊技機が第一実施形態のものと異なるのは、ROM81に新たに指定遊技数格納領域816を設けると共に乱数値用閾値格納領域812の代わりに出玉率用閾値格納領域815を設け、RAM82に新たに払出メダル数格納領域828と投入メダル数格納領域829を設けると共に前回乱数値格納領域822の代わりに現在出玉率格納領域827を設け、乱数値比較手段84の代わりに出玉率比較手段84cを設け、更に遊技数計数手段88と遊技数確認手段89と現在出玉率算出手段100を新たに設けた点である。その他の点は、第一実施形態と同様である。したがって、第四実施形態において、第一実施形態のものと同様の機能を有するものには、同一の符号或いは対応する符号を付すことにより、その詳細な説明を省略する。尚、第四実施形態においても、遊技機がいわゆるパチスロ機といわれる回胴式遊技機である場合を考える。
次に、第四実施形態の回胴式遊技機における主制御基板80cの構成について詳しく説明する。ここで、図10では、主制御基板80cが行う制御系のうち役の抽選処理に関するものだけを示している。
主制御基板80cは、図10に示すように、ROM81と、RAM82と、CPU(遊技制御手段)83と、出玉率比較手段(検出手段)84cと、変更手段85と、抽選手段86と、遊技数計数手段88と、遊技数確認手段89と、現在出玉率算出手段100を備えている。
ROM81は、乱数値と役の対応関係を定める定義データをテーブル形式で複数パターン格納する定義パターン格納領域811と、後述する出玉率用の閾値のデータを格納している出玉率用閾値格納領域815と、後述する予め定めた所定の指定遊技数のデータを格納する指定遊技数格納領域816と、遊技の制御に必要な各種のプログラムを格納しているプログラム格納領域(不図示)とを有している。
RAM82は、乱数発生手段70のラッチ回路73に保持された乱数値を記憶する今回乱数値格納領域821と、今回の遊技で使用する定義データのパターン番号を記憶するパターン番号格納領域823と、後述する遊技数計数手段88によって計数された遊技数のデータを記憶する遊技数格納領域826と、各ゲームごとに現在出玉率算出手段100が算出した現在の出玉率のデータを格納する現在出玉率格納領域827と、遊技機が払い出したメダルの数を記憶する払出メダル数格納領域828と、遊技者が投入したメダルの数を記憶する投入メダル数格納領域829と、データを一時的に記憶する作業領域(不図示)とを有している。なお、遊技機が払い出すメダルの数を計数して、払出メダル数格納領域828に記憶する払出メダル計数手段及び遊技者が投入したメダルの数を計数して投入メダル数格納領域829に記憶する投入メダル計数手段は公知のものであるので、その詳細な説明を省略する。また、メダル払出数格納領域828や投入メダル数格納領域829等に記憶されたRAM82のデータは、遊技機の電源が切断された後も、バックアップ電源(不図示)により保持される。
遊技数計数手段88は、スタートレバー18が押下されたことを検知するスタートレバー操作検出センサ53からの信号を主制御基板80cが受信するごとに、1を加算する処理を行うことにより、遊技の回数を計数する。計数した遊技数のデータは、RAM82の遊技数格納領域826に記憶される。
遊技数確認手段89は、各ゲーム毎にRAM82の遊技数格納領域826に記憶された遊技数のデータを読み出し、ROM81の指定遊技数格納領域816に記憶された指定遊技数のデータ(本実施形態の場合「50」)と一致したか否かを確認する。一致していれば、その旨の信号を出力する。なお、遊技数確認手段89が、一致している旨の信号を出力した後、CPU83は遊技数計数手段88が計数している遊技の回数を0に戻し、次の50回の計数に備える。
現在出玉率算出手段100は、各ゲームごとに、すなわち、主制御基板80cがスタートレバー操作検出センサ53からの信号を受信するごとに、直近の所定回数(例えば400回、6000回又は17500回)の遊技における遊技媒体の投入数に対する払出数の比率である現在の出玉率を算出して、その結果を現在出玉率格納領域827に記憶する。
出玉率比較手段84cは、RAM82の現在出玉率格納領域827に記憶された現在の出玉率とROM81の出玉率用閾値格納領域815に格納された出玉率用の閾値とを比較し、その結果を示す信号を出力する。すなわち、出玉率比較手段84cは、現在出玉率格納領域827に記憶された出玉率が予め定めた所定の2つの閾値(本実施形態の場合、55%と120%)になったときに、例えば120%を超えたとき、又は、55%を下まわったときに、遊技状態が予め定めた所定の状態になったと判断し、所定の信号を出力する。
変更手段85は、出玉率比較手段84cが所定の信号を出力したときに、これまで使用していた定義データのパターンを抽選により変更する。たとえば、簡単な乱数発生回路を用いて、現在使用しているパターンを除いた他の7つのパターンから均等な確率で一つのパターンを選ぶ。また、変更手段85は、変更後のパターンの番号をRAM82のパターン番号格納領域823に格納し、処理終了の信号を発する。抽出手段86は、第一実施形態のものと同様である。
次に、本実施形態の出玉率について説明する。遊技機の出玉率は下式で表わすことができる。
出玉率(%)={(払い出しメダル枚数)÷(投入メダル枚数)}×100
この出玉率は、各遊技機ごとに、各遊技機に設けられた出玉率設定スイッチにより、1〜6の6段階に設定することができる。この設定値は、設定値1から順に出玉率が高くなるように設計されている。通常、設定値1又は2に設定された遊技機を低設定の遊技機と呼び、設定値3又は4に設定された遊技機を中設定の遊技機、設定値5又は6に設定された遊技機を高設定の遊技機と呼んでいる。ホールの新規開店時には、殆どの遊技機を設定値5又は6の高設定に設定して、遊技者が容易に賞メダルを獲得することができようにしている。このようにホールでは、ほぼ毎日のように、その日の営業方針に沿って、各遊技機の出玉率の設定を変更している。
本実施形態の遊技機は、適正な数の賞メダルを払い出すことができるように、出玉率を55%から120%までの範囲に設計しているものとする。しかしながら、そのように設計された遊技機をホールに設置して、実際に使用すると、出玉率が120%より大きくなったり、逆に55%より小さくなったりすることがある。ホール内で、このような状態の遊技機が多くなると、ホールが意図する営業方針を実現することができなくなる。
図11は、実際の出玉率に応じた定義データのパターンの変更を説明するための図である。本実施形態では、図11に示すように実際の出玉率が55%から120%までの範囲であるときには、出玉率が適正であるので、定義データのパターンは変更しない。これに対して、実際の出玉率が120%より大きいときには、遊技者が体感機等を用いて不正に多量のメダルを獲得している可能性が高い。また、不正が行なわれていなくても、遊技者が一定の周期でスタートレバー18を押下することにより、頻繁に当選エリアが選択されて、実際の出玉率が設計された出玉率を上回り、出過ぎの状態となっている。このような不正行為や出過ぎを防止するために、出玉率が120%より大きいときには、使用している定義データのパターンを他の定義データのパターンに変更する。
また、遊技者がスタートレバー18を押下するタイミングが悪く、不当選エリアを頻繁に選択するタイミングとなっていると、実際の出玉率が設計された出玉率55%より小さくなり、出不足の状態となることが多い。そこで、本実施形態では、かかる出不足の状態を防止するために、出玉率が55%より小さくなったときにも、使用している定義データのパターンを他の定義データのパターンに変更することにしている。これにより、遊技者が悪いタイミングでスタートレバーを押下していても、参照する定義データのパターンが変わるので、不当選エリアを頻繁に選択する状態を回避することが可能となる。すなわち、本実施形態では、出玉率が55%から120%までの範囲以外となっときには、使用している定義データのパターンを他の定義データのパターンに変更することにより、出玉率が55%から120%の範囲となるように制御している。
次に、第四実施形態の回胴式遊技機において主制御基板80cが行う抽選処理の手順について説明する。図12は第四実施形態の回胴式遊技機において主制御基板80cが行う抽選処理の手順を説明するためのフローチャートである。
遊技者がスタートレバー18を押下すると、スタートレバー操作検出センサ53が主制御基板80cとラッチ回路73に信号を送出する。ラッチ回路73は、この信号を受けると、16ビットの乱数カウンタ72から乱数値を採取して保持する。一方、CPU83は、この信号を受けると、図12に示す抽選処理を開始する。ステップS31では、CPU83は、ラッチ回路73に保持されている乱数値をRAM82の今回乱数値格納領域821に記憶する。
ステップS32では、現在出玉率算出手段100は、RAM82の払出メダル数格納領域828に記憶されている払い出しメダル数のデータと、投入メダル数格納領域829に記憶されている投入メダル数のデータとを用いて、現在の新たな出玉率を算出し、その結果を現在の出玉率としてRAM82の現在出玉率格納領域827に格納する。このように、本実施形態では、毎ゲームごとに、すなわちスタートレバー操作検出センサ53からの信号を受信するごとに、現在出玉率算出手段100は出玉率を算出して、その結果を現在出玉率格納領域827に格納する。ステップS33では、遊技数計数手段88が、スタートレバー操作検出センサ53からの信号を受信するごとに、遊技の回数に1を加算し、その結果をRAM82の遊技数格納領域826に格納する。
次に、遊技数確認手段89は、ROM83の指定遊技数格納領域816から指定遊技数のデータ(本実施形態の場合「50」)を取得し(S34)、RAM82の遊技数格納領域826から遊技数のデータを取得する(S35)。ステップS36では、遊技数確認手段89は、取得した指定遊技数のデータと遊技数のデータとを比較し、遊技数が指定遊技数に到達したか否かを判断する。遊技数が指定遊技数(50回)より小さいときには、定義データのテーブルを変更することなく、ステップS41に移行して、抽選手段86が今回乱数値格納領域821に記憶されている乱数値について、パターン番号格納領域823に記憶されているパターン番号の定義データを使用して、今回の当選役を決定する。
一方、ステップS36の判断で、遊技数が指定遊技数(50回)と一致していれば、CPU83は、次の50回の計数に備えて遊技数計数手段88が計数している遊技の回数を0にリセットする。また、出玉率比較手段84cは、RAM82の現在出玉率格納領域827から現在の出玉率のデータを取得し(S37)、ROM83の出玉率閾値用格納領域815から出玉率の閾値(本実施形態の場合、「55%」と、「120%」)のデータを取得する(S38)。出玉率比較手段84cは、その取得した現在の出玉率と、出玉率の閾値とを比較し、取得した現在の出玉率が閾値55%から120%までの範囲にあるか否かを判断して、その結果を示す信号を出力する(S39)。このように遊技数が指定遊技数(50回)になったときに、出玉率を算出して、算出した出玉率が所定の閾値範囲にあるか否かを判断するのは、ある程度の回数のゲームを行わないと、出玉率が変わらないからである。なお、指定遊技数は50回に限定されるものではない。
現在の出玉率が閾値55%から120%までの範囲にあると出玉率比較手段84cが判断し、その旨の信号を出力すると、定義データのパターンを変更することなく、ステップS41に移行して、上述した当選役決定処理を行う。
一方、現在の出玉率が閾値120%より大きいと出玉率比較手段84cが判断し、その旨の信号を出力すると、ステップS40に移行する。ステップS40では、変更手段85は、抽選処理を行うときに使用する定義データのパターンを、現在使用しているパターン(たとえばパターン1)から、残りの他の一のパターン(パターン2〜パターン8のいずれか)に上述した方法により変更する。変更後のパターンの番号は、変更手段85により、パターン番号格納領域823に記憶される。ステップS41では、抽選手段86が今回乱数値格納領域821に記憶されている乱数値について、パターン番号格納領域823に記憶されている変更後のパターン番号の定義データを使用して、今回の当選役を決定する。
また、ステップS39で、現在の出玉率が閾値55%より小さいと出玉率比較手段84cが判断し、その旨の信号を出力したときも、ステップS40に移行し、以下、上述した、現在の出玉率が閾値120%より大きいときと同様の処理を行う。すなわち、現在使用しているパターン(たとえばパターン1)から、残りの他の一のパターン(パターン2〜パターン8のいずれか)に上述した方法により変更した後、当選役決定処理を行う。以上で、第四実施形態の回胴式遊技機において主制御基板80cが行う抽選処理を終了する。
上記の第四実施形態の遊技機は、出玉率が所定の閾値の範囲以外になったときに、定義データのパターンを変更することにより、従来の遊技機ができなかった出玉率の制御を行うことができる。その他の作用・効果は、第一実施形態と同様である。
また、第四実施形態で使用する出玉率の閾値は、低設定の遊技機、中設定の遊技機及び高設定の遊技機の各遊技機ごとに、別個の閾値を使用するようにしてもよい。これにより低設定、中設定及び高設定の各設定に応じた、出玉率の制御を行うことが可能となる。また、出玉率の閾値は、上述した設定値1〜6の各設定値ごとに、別個の閾値を使用するようにしてもよい。例えば、設定値1のときには出玉率が95%に、設定値2のときには出玉率が99%に、設定値3のときには出玉率が103%に、設定値4のときには出玉率が107%に、設定値5のときには出玉率が111%に、設定値6のときには出玉率が116%に設計されている場合、出玉率の閾値の範囲は、各設定値のプラスマイナス3%の範囲となるように段階状に設定し、この範囲以外であるときに、パターンを変更するようにしてもよい。これにより、各設定値毎に、各設定値の出玉率に応じた出玉率の制御を行うことが可能となる。また、第四実施形態では、出玉率が55%から120%までの範囲以外のときに、定義データのパターンを変更する場合について説明したが、体感機等を用いて特定の抽選結果を狙い撃ちする不正な行為やメダルの出過ぎを防止するだけであれば、出玉率が予め定めた所定の閾値(120%)より大きくなったときだけ、定義データのパターンを変更するようにしてもよい。
また、上記の第四実施形態では、遊技数係数手段、遊技数格納領域、指定遊技数格納領域及び遊技数確認手段を設けた場合について説明したが、本発明はこれに限定されるものではなく、これらのものを省略し、各ゲームごとに現在の出玉率が予め定めた所定の閾値範囲にあるか否かを判断して、定義データのパターンを変更するようにしてもよい。
[他の実施形態]
尚、本発明は上記の各実施形態に限定されるものではなく、その要旨の範囲内において種々の変形が可能である。たとえば、本発明は、上述した第一、第二、第三、第四の実施形態を組み合わせたものでもよいし、また、上述した四つの実施形態のいずれか二つを組み合わせたものでもよい。
また、検出手段は上記の各実施形態に限定されるものはなく、検出手段は、たとえば、払出したメダルや投入したメダルの数を計数しそのメダル数が所定の閾値以上になったときに、信号を発するものでもよい。また、検出手段は、BB等の当たり役が発生した状態を検出し、この検出した回数が所定の回数以上になったときに、信号を出力するものであってもよい。更に、検出手段は、所定の時間を検出して信号を出力するものであってもよい。
また、定義データの記憶は、テーブル形式のものに限定されるものではなく、他の方法、たとえばデータベース等を用いて記憶するものであってもよい。
更に、本発明の遊技機で用いられる定義データのパターンの数は、上述した8個に限定されるものではなく、また、役の種類も、上述した8個の役に限定されるものでもない。