JP4884600B2 - 衝撃吸収バンパ構造 - Google Patents

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Description

【0001】
【発明の属する技術分野】
本発明は、歩行者保護と軽衝突時の車体保護との双方を満足させることの可能な衝撃吸収バンパ構造に関する。
【0002】
【従来の技術】
一般に、乗用車等の車両用バンパーは、例えば図10に示すように、車体の表面に露出するバンパフェイシャ1と、このバンパフェイシャ1を背面から支持するバンパビーム2とを備え、このバンパビーム2が車両のサイドメンバ等に固設されていると共に、バンパフェイシャ1には車体側フレーム3に固設するための取付け部4が設けられている。
【0003】
更に、走行車両のバンパが歩行者の脚部に衝突したとき、脚部に与える衝撃を干渉するために、バンパフェイシャを合成樹脂製等の弾性体で形成し、更に、バンパフェイシャ1とバンパビーム2との間に、ポリウレタン、ポリプロピレン等の発泡体からなる衝撃吸収体5が介装されている。尚、このような、衝撃吸収体を内装するバンパ構造は、例えば特開2000-318551号公報に開示されている。
【0004】
【発明が解決しようとする課題】
ところで、図10(a)に示すように、衝撃吸収体5を用いて歩行者の脚部(図においては脚部を模擬した打撃試験用脚部インパクタKが二点鎖線で示されている)を保護するためには、この衝撃吸収体5の剛性をある程度低くし、衝突の際の反力が歩行者の脚部に印加され難くすることが好ましい。
【0005】
しかし、衝撃吸収体5の剛性を低下させると、衝撃吸収性を高めるために、衝撃吸収体5の前方への突出量Lを長く設定する必要があるが、衝撃吸収体5を前方へ突出させると、車体前面の造形の一部を担うバンパフェイシャ1が車体前方へ突出してしまうため、意匠的に好ましくない。尚、図10(a)には、バンパビーム2を車体後方へ後退させ、その分、バンパフェイシャ1の前方への突出量を押さえた状態が示されている。
【0006】
しかし、図10(a)に示すように、バンパビーム2を車体後方へ後退させると、その後方に配設されているラジエータパネル等の部品も後退せざるを得なくなり、エンジン房内の艤装が著しく制約を受けてしまう不都合がある。
【0007】
又、歩行者保護を優先するために衝撃吸収体5の剛性を低下させると、壁面、相手車両のバンパ等の外部剛体に対する軽衝突時のエネルギ吸収量が不足してしまい、外部剛体(図においては、外部剛体を模擬した高位置用振り子式インパクタMHと低位置用振り子式インパクタMLとが、それぞれで示されている)は、衝撃吸収体5を押し潰し、バンパビーム2に衝突する位置まで侵入してしまう。
【0008】
このとき、バンパの周囲に配設されている、グリル、ランプ等、バンパ以外の車体部品6が、バンパビーム2の車体後方への後退により、このバンパビーム2よりも相対的に前方へ突出されていると、これらの車体部品6が損傷を受けて、損害が拡大してしまう不都合がある。
【0009】
この場合、図10(b)に示すように、衝撃吸収体5の剛性を高め、その分、突出量Lを短くすれば、相対的にバンパビーム2を車体前方へ移動させることができ、エンジン房内の艤装上有利であり、又、車体部品6よりもバンパビーム2を前方へ突出させることができるため、外部剛体との軽衝突の際に、外部剛体により車体部品6を損傷させることが無くなり、損害を最小限にとどめることが可能となるが、軽衝突時の初期荷重の立ち上がりが大きくなってしまうため、歩行者の脚部を十分に保護することができなくなる。
【0010】
本発明は、上記事情に鑑み、バンパビームを車体後方へ後退させてエンジン房内に制約を与えてしまうことがなく、しかも歩行者の脚部を十分に保護することができ、その上軽衝突時の損害を最小限にとどめることの可能な衝撃吸収バンパ構造を提供することを目的とする。
【0011】
【課題を解決するための手段】
上記目的を達成するため本発明は、バンパフェイシャと該バンパフェイシャの車体後方に対設するバンパビームとの間に衝撃吸収体が介装されている衝撃吸収バンパ構造において、上記バンパビームの前面に前方へ開口する溝部が形成され、上記溝部の底面に、該溝部よりも前方に突出する突出量を有する上記衝撃吸収体の後端面が当接され、上記溝部の上下方向の距離が、上記底面よりも前端面側の方が長く、上記溝部と上記衝撃吸収体の後端面との当接部分の上下に、上記当接部分を頂点とし、車両前方側に他方の二つの頂点を有する断面が略三角形状である空間が形成され、上記バンパビームの上記前端面から上記底面までの深さが上記衝撃吸収体の突出部分が圧潰されたときに残される最小の厚さと同等或いはそれ以下に設定されていることを特徴とする。
【0012】
このような構成では、バンパビームの前面に衝撃吸収体の後端面を当接する溝部を設けることで、衝撃吸収体の前方への突出量を変更することなく、バンパビームの背面を前方へ移動させることが可能となり、エンジン房内の艤装に対して制約を与えることなく、衝撃吸収体の衝撃吸収性を確保することができる。更に、バンパビームの前端面から溝部底面までの深さを衝撃吸収体の突出部が圧潰されたときに残される最小の厚さと同等或いはそれ以下に設定することで、前方からの衝突により衝撃吸収体が圧潰された場合でも、歩行者の脚部に対しバンパビームからの反力が直接伝達され難くなる。更に軽衝突時はバンパビームの前端面にて衝撃荷重が受けとどめられるため、車体部品の損傷を最小限とすることができる。
【0013】
この場合、好ましくは、1)上記バンパビームの上記前端面が車体先端よりも前方へ突出されていることを特徴とする。
【0014】
2)上記バンパビームが中空断面状に形成された押し出し成型品であることを特徴とする。
【0015】
3)上記バンパビームが、上記溝部を前方へ開口する断面ハット状に形成されていると共に、上下に形成されたフランジ状の上記前端面間がレグ部材を介して設定間隔毎に連設支持され、一方上記衝撃吸収体に上記レグ部材との干渉を回避するノッチが形成されていることを特徴とする。
【0016】
4)上記衝撃吸収体の上下部に上記バンパビームの前面に当接するフランジ部が形成されていることを特徴とする。
【0017】
【発明の実施の形態】
以下、図面に基づいて本発明の一実施の形態を説明する。図1〜図4に本発明の第1実施形態を示す。図1に衝撃吸収バンパの断面側面図が示されている。
【0018】
同図の符号11Aは車両用衝撃吸収バンパとしてのフロントバンパで、車体前面に取付けられている。このフロントバンパ11Aを構成するバンパフェイシャ12は合成樹脂等の弾性材を素材に形成されており、車体前面の造形の一部として機能している。このバンパフェイシャ12の上面に、後方へ延出された上部取付け面12aが一体形成され、一方、下部に後方へ延出する2股の下部取付け面12b,12cが一体形成されている
又、車体前面にはラジエータパネル(図示せず)が設けられており、このラジエータパネルの上下部に、車体側フレームの一例である上部フレーム13と、方形閉断面状に形成された下部フレーム14とが設けられている。この上部フレーム13にバンパフェイシャ12の上部取付け面12aがクリップ15を介して固定され、又、下部取付け面12b,12cが下部フレーム14の上下面にクリップ15を介して固定されている。
【0019】
又、バンパフェイシャ12の内面には、車体後方へ開口する上下2段の凹部16,17が形成されており、上段凹部16の後方に、車幅方向へ延出するバンパビーム18が配設されている。このバンパビーム18は車両のサイドメンバ等にバンパステー(図示せず)を介して固設されている。このバンパビーム18は、アルミニュウム材等を用いた押出し成型品であり、前面の上下方向中央に車幅方向へ延出する部位としての溝部18aが形成されている。更に、バンパビーム18の上下前端面18bが、グリル、ランプ等、バンパを構成する部品以外の車体部品19の最先端部19aよりも車体前方へ突出されている。
【0020】
このバンパビーム18に形成された溝部18aに衝撃吸収体20の背面が固設されている。この衝撃吸収体20はポリウレタン発泡体、ポリプロピレン発泡体等の発泡体で形成されており、その発泡率は、バンパ前面が歩行者の脚部に衝突したとき、この脚部に与える衝撃を吸収することができるように、比較的高い発泡率(例えばポリプロピレン発泡体では、発泡率45倍程度)で形成されている。又、この衝撃吸収体20は高い発泡率で形成されているため、比較的長い突出量(約100mm程度)を有している。
【0021】
又、溝部18aの底面から前端面18bまでの張出し量(深さ)D、衝撃吸収体20が対人衝突により圧潰したときの最小残存厚さtと同じか、それよりも若干短い長さで形成されている(図2参照)。すなわち、この張出し量(深さ)Dは、衝突時、衝撃吸収体20が圧潰しても、衝撃吸収体20の突出部分が残される最小の厚さである最小残存厚さtを越えることのない値に設定することで、歩行者の脚部がバンパビーム18に接触する手前で、衝撃が吸収されるように設定されている。
【0022】
このような構成では、バンパビーム18の前面に溝部18aを形成し、この溝部18aに衝撃吸収体20の背面を当接するようにしたので、衝撃吸収体20の前方への突出量を、破線で示す従来の衝撃吸収体5の突出量と同じに設定しても、バンパビーム18を従来のバンパビーム2に比べ、溝部18aの深さD分だけ、相対的に前方へ移動させることが出来る。
【0023】
その結果、バンパビーム18の後方に配設されているラジエータパネル等の部品を前方へ移動させることが可能となり、フロントバンパ11A全体の厚さを縮小することができると共に、相対的にエンジン房内の容積を大きくすることができ、エンジン房内の艤装上の制約が緩和される。
【0024】
次に、歩行者の脚部を模擬した打撃試験用脚部インパクタKを用い、この脚部インパクタKをバンパフェイシャ12に対して前方から衝突させた場合について説明する。
【0025】
この脚部インパクタKを車体前方からバンパフェイシャ12に衝突させると、衝撃吸収体5が圧潰して、脚部インパクタKに印加する反力を吸収するが、図2に示すように、このときの衝撃吸収体20の最小残存厚さtに対し、バンパビーム18の溝部18aの深さDが、同一か、それよりも若干浅く設定されているため、脚部インパクタKがバンパビーム18から大きな反力を受けることはなく、歩行者の脚部を車体側の衝撃から保護することが出来る。
【0026】
又、図3、図4に、CAE(Computer Aided Engineering)システムを用いて行なったシミュレーションの結果を示す。図3に示すスタートの状態から、脚部インパクタモデルKを介してフロントバンパ11Aに対し、一定速度(慣性力のみ)の打撃を与えると、バンパフェイシャ12が上下に変形され、衝撃吸収体20が後方へ圧潰されて速度が次第に減衰され、やがて脚部インパクタモデルKが停止する。
【0027】
すると、図4に示すように、脚部インパクタモデルKは膝部を中心とする曲げモーメントで若干屈曲されるが、内部に著しい損傷を与えることはなく、衝突時の衝撃エネルギは衝撃吸収体20により吸収される。従って、歩行者の脚部を衝突時の衝撃から有効に保護することができる。
【0028】
又、フロントバンパ11Aに対し、前方から、壁面、相手車両のバンパなどの外部剛体を模擬した高位置用振り子式インパクタMH、或いは低位置用振り子式インパクタMLを介して打撃を与えると、図2に示すように、バンパフェイシャ12、及び衝撃吸収体20が圧潰され、やがてバンパビーム18の前端面18bに衝突する。
【0029】
このとき、この前端面18bが、車体部品19の最先端部19aよりも前方へ突出されているため、高位置用振り子式インパクタMH、或いは低位置用振り子式インパクタMLが、車体部品19に損傷を与えることが無く、損害を最小限にとどめることができる。
【0030】
このように、本実施の形態によれば、バンパビーム18の前面に溝部18aを形成し、この溝部18aに衝撃吸収体20を取付けることで、この衝撃吸収体20の性能を低下させることなく、フロントバンパ11A全体の厚さを縮小させることができる。
【0031】
又、溝部18aの深さDを衝撃吸収体20の最小残存厚さtと同じか、それよりも若干短く形成したので、歩行者の脚部がバンパビーム18の前端面18bに衝突して反力を受けることが無く、歩行者の脚部を車体側の衝撃から保護することが出来る。
【0032】
更に、バンパビーム18の前端面18bが、グリル、ランプ等の車体部品19の最先端部19aよりも前方へ突出されているため、車両、壁面等の外部剛体が、フロントバンパ11Aに軽衝突した場合は、外部剛体はバンパビーム18の前端面18bで掛止されるため、その後方に配設されている車体部品19に損傷を与え難くなり、損害を最小限にとどめることができる。
【0033】
その結果、歩行者保護と、対車両軽衝突に対する剛性との双方を、フロントバンパ11Aの前方への突出量を少なくした上で両立させることが可能となる。
【0034】
又、図5〜図7に本発明による第2実施の形態を示す。上述した第1実施の形態では、バンパビーム18として押出し成型品を採用しているが、本実施の形態によるフロントバンパ11Bは、バンパビーム28としてハット状に形成されたプレス成型品を採用し、このバンパビーム28の溝部28aを前方に開口させて配設し、この溝部28aに衝撃吸収体30の背面を当接したものである。
【0035】
バンパビーム28をプレス成型品としたので、バンパビーム28の奥行きから板厚を除いた領域を溝部28aの深さDとすることができる。従って、このバンパビーム28の溝部28aの深さDと、第1実施の形態によるバンパビーム18の溝部18aの深さDとを同一とした場合、本実施の形態によるバンパビーム28を、第1実施の形態によるバンパビーム18よりも薄く形成することができ、その分、フロントバンパ11B全体の厚さを更に縮小することが出来る。
【0036】
この場合、図6、図7に示すように、バンパビーム28のフランジ状に形成されている上下前端面28b間を、レグ部材29を介して所定間隔毎に連結支持することで、バンパビーム28の溝部28aが上下方向へ開いてしまうことが防止され、上下方向に対する強度を増すことができる。
【0037】
尚、図6に示すように、本実施の形態では、レグ部材29は、短冊状に形成された平板の両端を上下前端面28bの背面に折り曲げて固定するようにしているが、スポット溶接等の溶接、或いは接着等により固定するようにしても良い。
【0038】
一方、衝撃吸収体30には、この衝撃吸収体30をバンパビーム28の溝部28aに装着する際に、レグ部材29との干渉を回避するためのノッチ30aが、レグ部材29に対応する位置に形成されている。
【0039】
このような構成によれば、バンパビーム28として、プレス成型品を採用したので、バンパビーム28の奥行きの殆どを溝部28aの深さDとすることができるため、相対的にバンパビーム28の奥行きを薄くして、フロントバンパ11B全体の厚さを縮小させることができる。
【0040】
又、レグ部材29によりバンパビーム28に形成した溝部28aの上下方向への広がりを防止するようにしたので、強度的にも十分保証することができる。
【0041】
更に、衝撃吸収体30をバンパビーム28の溝部28aに装着すると、衝撃吸収体30に形成したノッチ30aが、レグ部材29に係入されて位置決めされると共に、抜けとどめとしての機能を発揮させることができる。
【0042】
又、図8、図9に本発明による第3実施の形態を示す。本実施の形態は第2実施の形態の変形例であり、衝撃吸収体30の上下面に、バンパビーム28に形成した上下前端面28bに当接するフランジ部30bを形成したものである。
【0043】
衝撃吸収体30に、バンパビーム28の上下前端面28bに当接するフランジ部30bを形成することで、図9に示すように、高位置用振り子式インパクタMH、或いは低位置用振り子式インパクタMLを衝撃吸収体30に対して、前方から個別に衝突させたとき、衝撃吸収体30は、上下面に形成したフランジ部30bが上下前端面28bに支持された状態で変形するため、この衝撃吸収体30が上下方向へ倒れ込むことが無く、衝撃吸収体30から受けた衝撃を確実に吸収することができる。
【0044】
更に、このとき、バンパビーム28に形成した上下前端面28bと高位置用振り子インパクタMH、或いは低位置用振り子式インパクタMLとの間に、衝撃吸収体30に形成したフランジ部30bが挟み込まれるため、高位置用振り子式インパクタMH、或いは低位置用振り子式インパクタMLからの衝撃荷重がフランジ部30bの圧潰により減衰されて上下前端面28bに伝達されるので、バンパビーム28の破損を防止することができる。
【0045】
尚、本発明による車両用衝撃吸収バンパ構造は、フロントバンパに限らず、リヤバンパに適用しても良い。
【0046】
【発明の効果】
以上、説明したように本発明によれば、バンパビームの前面に衝撃吸収体の後端面を当接する溝部を設けたので、衝撃吸収体の前方への突出量を変更することなく、バンパビームの背面を前方へ移動させることが可能となり、エンジン房内の艤装に対して制約を与えることなく、歩行者の脚部を十分に保護することができる。
【0047】
更に、バンパビームの前端面から溝部底面までの深さを衝撃吸収体が圧潰されたときの最小残存厚さと同等或いはそれ以下に設定したので、前方からの軽衝突を受けて衝撃吸収体が圧潰された場合でも、歩行者の脚部にバンパビームからの反力が直接伝達され難くなるため、歩行者の脚部を衝突荷重から有効に保護することができる。
【0048】
又、軽衝突時はバンパビームの前端面にて衝撃荷重が受けとどめられるため、車体部品の損傷を最小限とすることができる。
【図面の簡単な説明】
【図1】第1実施の形態による衝撃吸収バンパの断面側面図
【図2】同、圧潰後の衝撃吸収バンパの断面側面図
【図3】同、衝突実験開始時のシミュレーション画像を示す説明図
【図4】同、衝突実験後のシミュレーション画像を示す説明図
【図5】第2実施の形態による衝撃吸収バンパの断面側面図
【図6】同、バンパビームと衝撃吸収体との部分分解斜視図
【図7】同、バンパビームと衝撃吸収体との部分斜視図
【図8】第3実施の形態によるバンパビームと衝撃吸収体との部分斜視図
【図9】同、圧潰後の衝撃吸収バンパの断面側面図
【図10】従来の衝撃吸収バンパの断面側面図
【符号の説明】
11A,11B フロントバンパ(衝撃吸収バンパ)
12 バンパフェイシャ
18,28 バンパビーム
18a,28a 溝部
19 車体部品
19a 先端部
20,30 衝撃吸収体
28b 上下前端面
30a ノッチ
30b フランジ部
D 深さ
t 最小残存厚さ

Claims (5)

  1. バンパフェイシャと該バンパフェイシャの車体後方に対設するバンパビームとの間に衝撃吸収体が介装されている衝撃吸収バンパ構造において、
    上記バンパビームの前面に前方へ開口する溝部が形成され、
    上記溝部の底面に、該溝部よりも前方に突出する突出量を有する上記衝撃吸収体の後端面が当接され、
    上記溝部の上下方向の距離が、上記底面よりも前端面側の方が長く、上記溝部と上記衝撃吸収体の後端面との当接部分の上下に、上記当接部分を頂点とし、車両前方側に他方の二つの頂点を有する断面が略三角形状である空間が形成され、
    上記バンパビームの上記前端面から上記底面までの深さが上記衝撃吸収体の突出部分が圧潰されたときに残される最小の厚さと同等或いはそれ以下に設定されていることを特徴とする衝撃吸収バンパ構造。
  2. 上記バンパビームの上記前端面が車体先端よりも前方へ突出されていることを特徴とする請求項1記載の衝撃吸収バンパ構造。
  3. 上記バンパビームが中空断面状に形成された押し出し成型品であることを特徴とする請求項1或いは2記載の衝撃吸収バンパ構造。
  4. 上記バンパビームが、上記溝部を前方へ開口する断面ハット状に形成されていると共に、上下に形成されたフランジ状の上記前端面間がレグ部材を介して設定間隔毎に連設支持され、
    一方上記衝撃吸収体に上記レグ部材との干渉を回避するノッチが形成されていることを特徴とする請求項1或いは2記載の衝撃吸収バンパ構造。
  5. 上記衝撃吸収体の上下部に上記バンパビームの前面に当接するフランジ部が形成されていることを特徴とする請求項1〜4の何れか1項に記載の衝撃吸収バンパ構造。
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