JP4881577B2 - 真空浸炭処理部品およびその製法 - Google Patents

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本発明は、自動車などの輸送機器や建設機械その他の産業機械などにおいて、真空浸炭処理して使用される機械部品に関するものであり、特に軸受やCVT用プーリー、シャフト類、歯車、軸付き歯車などに関するものである。
輸送機器、建設機械その他の各種産業機械用として用いられる機械部品のなかでも、特に高強度(例えば、耐摩耗性や耐ピッチング性)が要求される部品には、従来から浸炭処理や窒化処理、浸炭窒化処理などの表面硬化熱処理が行なわれている。熱処理の方法としては、固形浸炭、液体浸炭、ガス浸炭等があるが、浸炭を均一に行うことができ、しかも連続操業が容易で大量生産に適しているという理由で、ガス浸炭が主に用いられている。特に近年では、環境に悪影響を及ぼさず、かつ省エネルギーが図れるという理由で、ガス浸炭のなかでも真空浸炭(減圧浸炭)の適用が進められてきている。
真空浸炭法とは、実用上必要限度まで空気を排除できる加熱炉(一般に真空炉と称される)に、微量の炭化水素系の浸炭性ガスを導入して浸炭する方法であり、その処理工程は大きく次のように分けられる。即ち、鋼部品を真空浸炭処理温度まで加熱する昇温工程、加熱後の鋼部品内の温度を均一にする均熱工程、均熱後、浸炭性ガスを導入して鋼部品の表面を浸炭する浸炭工程、鋼部品表面に導入した炭素を鋼部品内部へ拡散させる拡散工程、降温して焼入れ処理を行う焼入れ工程である。そして真空浸炭法では、浸炭工程の他に、均熱工程と焼入れ工程も減圧下で行われることがある。
こうした真空浸炭法に関しては、次の技術が既に提案されている。例えば、特許文献1では、真空浸炭工程で、浸炭期と拡散期とを複数回繰返すようにしており、浸炭期にはアセチレンと窒素の混合ガスを導入し、拡散期にはこの導入ガスを真空排気している。特許文献2には、浸炭性ガスとしてエチレンと窒素の混合ガスを用い、減圧下で浸炭することが記載されている。またこの文献には、均熱工程と拡散工程を真空下で行うことが記載されている。
ところで従来の真空浸炭処理部品は、耐衝撃性に劣っており、前記特許文献1および2で得られる真空浸炭処理部品も同様であった。
特開2000−303160号公報(特許請求の範囲、段落0031など) 特開2000−336469号公報(特許請求の範囲、段落0012、段落0013など)
本発明は、この様な状況に鑑みてなされたものであり、その目的は、耐衝撃性に優れた真空浸炭処理部品を提供することにある。また、本発明の他の目的は、こうした真空浸炭処理部品の製法を提供することにある。
本発明者らは、鋼部品を真空浸炭処理して得られる真空浸炭処理部品の耐衝撃性を高めるべく検討を重ねてきた。その結果、従来の真空浸炭処理部品の表面を顕微鏡で観察したところ結晶粒が粗大化していたこと、そして真空浸炭処理中における部品表面からの脱窒素(脱N)を防止すれば、結晶粒の粗大化を抑制でき、真空浸炭処理部品の耐衝撃性が向上することを見出し、本発明を完成した。
即ち、本発明は、鋼部品を真空浸炭処理して得られた真空浸炭処理部品に関するものであり、該部品表面から深さ50μm位置までの領域における平均窒素量(表面N量)と、部品内部のN量との比(表面N量/内部N量)が、0.8以上である点に要旨を有する。
前記深さ50μm位置までの領域について、光学顕微鏡を用いて倍率200倍で観察したとき、観察視野面積に占める結晶粒度番号が4番以下の面積率は、例えば、5%未満程度になっている。
ところで一般に、真空浸炭処理部品を製造するには、鋼部品を真空浸炭処理温度まで加熱する昇温工程、加熱後の鋼部品内の温度を均一にする均熱工程、均熱後、浸炭性ガスを導入して鋼部品の表面を浸炭する浸炭工程、鋼部品表面に導入した炭素を鋼部品内部へ拡散させる拡散工程、降温して焼き入れ処理を行う焼入れ工程などを行う必要があり、更に前記浸炭工程を含む1つ以上の工程を減圧下で行う(真空浸炭処理)必要がある。本発明の真空浸炭処理部品は、前記均熱工程、浸炭工程、拡散工程のうち減圧下で行う工程(例えば、全圧を3kPa以下にする工程)で、当該減圧状態を維持しながらN原子含有ガスを導入することにより製造できる。この減圧下で行う工程では、前記N原子含有ガスの分圧を10Pa以上にすることが好ましい。
本発明の真空浸炭処理部品は、部品表面に適量のNが存在しているため、部品表面における結晶粒の粗大化を防止でき、部品の耐衝撃性を向上したものとなる。こうした真空浸炭処理部品を製造するに当たっては、減圧下で行う工程でN原子含有ガスを導入すればよい。
真空浸炭処理して得られる部品における結晶粒の粗大化は、減圧下で行う工程中に部品表面が脱Nされることによって起こると考えられる。即ち、部品表面に存在するN量が減少すると、部品表面に分散する窒化物(析出物)が減少してピンニング効果が低下するため、結晶粒が粗大化すると考えられる。従って、真空浸炭処理部品の表面に適量のNが存在していれば、部品表面における結晶粒の粗大化を防止でき、耐衝撃性が向上する。こうした窒化物の減少による結晶粒の粗大化は、真空浸炭処理で起こり易い。真空浸炭処理では少なくとも浸炭工程を含むいくつかの工程を減圧状態で行うため、大気圧下での浸炭処理と比べると減圧時に部品表面が脱Nされ易いからである。部品表面が脱Nされると、表面に窒化物が殆ど形成されず、結晶粒が粗大化して耐衝撃性が劣化する。そこで本発明者らは真空浸炭処理時における部品表面からの脱Nを防止するために検討したところ、減圧状態で行う工程において、N原子含有ガスを導入すればよいことを見出した。
本発明の真空浸炭処理部品は、部品表面から深さ50μm位置までの領域における平均窒素量(表面N量)と、部品内部のN量との比(表面N量/内部N量比、以下N比ということがある)が、0.8以上である。部品表面から深さ50μm位置までの領域にNが多く存在していれば、部品表面に窒化物が多く形成されるため、該窒化物によるピンニング効果で結晶粒の粗大化が防止され、その結果、部品の耐衝撃性を高めることができる。
部品表面から深さ50μm位置までの領域における平均窒素量に注目したのは、部品表面からの深さがあまりにも深い位置における結晶粒を微細化しても部品の耐衝撃性向上に寄与しないからであり、また真空浸炭処理される領域が部品表面からおおよそ50μm程度であるからである。
なお、「部品内部」とは、真空浸炭処理しても浸炭されない領域(非影響部)を意味し、例えば、部品の最深部である。
前記N比は、好ましくは0.85以上、より好ましくは0.90以上、更に好ましくは0.95以上である。N比の上限は特に限定されず、例えば、1以下であってもよく、更には積極的に窒化することによってN比を1超にしてもよい。ただし窒化が進み過ぎると却って耐衝撃性が悪くなるため、N比の上限は3程度であることが好ましい。N比は2.8以下であることがより好ましく、更に好ましくは2.6以下である。従って、例えば、真空浸炭処理部品の内部N量が0.010%(質量%の意味。以下同じ)の場合は、表面N量は0.008%以上(好ましくは0.0085%以上、より好ましくは0.0090%以上、更に好ましくは0.0095%以上)である。
表面N量および内部N量は、それぞれに該当する領域を旋盤にて研磨し、研磨粉を採取してこれを化学分析して平均窒素量を測定すればよい。また内部N量は、真空浸炭処理前における部品に含まれるN量を予め測定しておき、この値を内部N量として使用してもよい。
なお、真空浸炭処理して得られた真空浸炭処理部品と、ガス浸炭して得られたガス浸炭処理部品を比較すると、真空浸炭処理部品の表面には粒界酸化組織が観察されないが、ガス浸炭処理部品の表面には粒界酸化組織が観察される。粒界酸化組織の有無は、部品表面を光学顕微鏡で例えば400倍程度で観察すれば確認できる。
上記真空浸炭処理部品には、窒化物や炭窒化物などを形成してピンニング効果を発揮する元素(例えば、Al,Nb,Tiなど)を含有する鋼材を使用する。表面の脱Nを防止して、結晶粒の粗大化を防止するためである。Al,Nb,Ti量の下限は、これらの元素の併用の有無によって異なるが、例えば、以下の通りである。なお、成分について「%」は「質量%」の意味である。
Al:0.01%以上
Alは、窒化物を形成して、ピンニング効果を発揮する。このAl窒化物を有効に形成するためには、Alは、例えば、0.01%以上、好ましくは0.02%以上、更に好ましくは0.03%以上にする。なお、Alは脱酸剤としても作用する。しかしAlが過剰になると、粗大なAl窒化物が形成されると共に、粗大で硬質のアルミナ(Al)が形成される。そのため、結晶粒の粗大化防止特性を却って害するばかりでなく、加工性や衝撃特性にも悪影響をおぼす。従って、Alは、例えば、0.3%以下、好ましくは0.2%以下、より好ましくは0.1%以下にするのが望ましい。
Nb:0.01%以上
Nbは、窒化物や炭窒化物を形成して、ピンニング効果を発揮する。このNb窒化物や炭窒化物を有効に形成するためには、Nbは、例えば、0.01%以上、好ましくは0.02%以上、より好ましくは0.03%以上にする。しかし、Nbが多過ぎると、Nbの窒化物や炭窒化物などが粗大化し、衝撃強度や転動疲労強度が低下する。従ってNbは、0.2%以下、好ましくは0.15%以下、より好ましくは0.1%以下にすることが推奨される。
Ti:0.002%以上
Tiも、Nbと同様、窒化物や炭窒化物を形成してピンニング効果を発揮する。このTi窒化物や炭窒化物を有効に形成するためには、Tiは、例えば、0.002%以上、好ましくは0.005%以上、更に好ましくは0.010%以上にする。しかしTiが過剰になると、Tiの窒化物や炭窒化物などが粗大化し、衝撃強度や転動疲労強度が低下する。従ってTiは、0.2%以下、好ましくは0.15%以下、更に好ましくは0.1%以下にすることが望ましい。
なお、真空浸炭処理部品には、Al,NbおよびTiをそれぞれ単独で含有していてもよく、2種以上を適宜組み合わせて含有していてもよい。特に、後述するように、均熱工程、浸炭工程、拡散工程を1000℃以上で行う場合には、Nbおよび/またはTiを含むようにする。特に、Nbを含有することが好ましい。
また、鋼材(部品芯部)のN量は、例えば、0.003%以上、好ましくは0.005%以上、更に好ましくは0.010%以上である。但しNが多過ぎると、例えば熱間加工性や衝撃特性に悪影響を及ぼす。従ってN量は、0.025%以下、好ましくは0.02%以下、より好ましくは0.019%以下にすることが望ましい。
前記Al,Nb,Tiなど以外の成分は特に限定されず、例えば、一般の浸炭用鋼と同様にしてもよい。一般の浸炭用鋼としては、例えば、JIS G4052に規定されているCr鋼、Cr−Mo鋼、Ni−Cr鋼、Ni−Cr−Mo鋼、Mn鋼、Mn−Cr鋼等を用いることができる。
こうした一般の浸炭用鋼の成分組成をまとめると、基本元素としてCを0.05〜0.3%程度、Siを2%以下(0%を含まない)程度、およびMnを2%以下(0%を含まない)程度含んでおり、好ましくはさらにCrを含有し、必要に応じてさらに種々の追加元素(例えば、NiやMoなど)を含有している。各元素の添加理由と好ましい添加量は、以下の通りである。
Cは、機械部品として要求される芯部硬さや強度を確保する上で重要な元素である。しかしC量が多過ぎると、部品が硬くなり過ぎて加工性(例えば、鍛造性や被削性など)が低下する。好ましいC量は、0.05%以上(より好ましくは0.1%以上、更に好ましくは0.15%以上)、0.3%以下(より好ましくは0.28%以下、更に好ましくは0.25%以下)である。
Siは、脱酸剤として作用し、鋼中の酸化物系介在物量を低減して内部品質を高める作用を有すると共に、焼戻し処理時の硬さ低下を抑えて浸炭部品の表層硬さを確保するのに作用する元素である。こうした作用を有効に発揮させるには、Siは0.01%以上含有することが好ましい。Siは、より好ましくは0.05%以上であり、更に好ましくは0.10%以上である。しかし、Siが多過ぎると、素材が硬くなりすぎて加工性(例えば、鍛造性や切削性など)が劣化する。好ましいSi量の上限は1%、より好ましくは0.8%、更に好ましくは0.6%である。
Mnは、脱酸剤として作用し、酸化物系介在物量を低減して鋼材の内部品質を高める作用を有すると共に、浸炭焼入れ時の焼入れ性を高める作用を有している。こうした作用を有効に発揮させるには、Mnは0.2%以上含有することが好ましい。Mnは、より好ましく0.25%以上、更に好ましくは0.30%以上である。しかしMnが多過ぎると、中心偏析が顕著に発生して内部品質を却って劣化させるばかりでなく、縞状組織も顕著となって内部特性のバラツキが大きくなり、衝撃特性が低下する。従って、Mn量は、通常、2%以下に設定され、より好ましくは1.5%以下、更に好ましくは1%以下である。
Crは、炭化物中に固溶してそれらの硬さを高める作用を有しており、耐摩耗性の向上に寄与する。そのため歯車や軸受等の摺動部品にとっては極めて重要な元素になる。Crは、好ましくは0.3%以上、より好ましくは0.5%以上、更に好ましくは0.7%以上含有することが望ましい。しかしCrが過剰になると鋼材が硬くなり過ぎて加工性(例えば、被削性や鍛造性など)が劣化する。従ってCrを添加する場合、通常、2%以下、好ましくは1.8%以下、より好ましくは1.5%以下にすることが多い。
追加の元素としては、前記Ni,Moの他、種々の元素を挙げることができる。追加の元素と、その好ましい量を整理すると、以下の通りである。
(a)Cu:1%以下(0%を含まない)および/またはNi:3%以下(0%を含まない)
(b)Mo:1%以下(0%を含まない)
(c)B:0.003%以下(0%を含まない)
(d)Pb+Bi:0.1%以下(0%を含まない)
(e)Mg:0.01%以下(0%を含まない)、Ca:0.01%(0%を含まない)、Te:0.02%(0%を含まない)よりなる群から選ばれる少なくとも1種
(f)V:0.5%以下(0%を含まない)、Zr:0.2%以下(0%を含まない)、REM:0.1%以下(0%を含まない)よりなる群から選ばれる少なくとも1種、等。
(a)CuとNiは、共に鋼材の耐食性を向上させる元素である。こうした作用を発揮させるには、Cuは、0.01%以上含有させることが好ましく、より好ましくは0.1%以上、さらに好ましくは0.2%以上である。しかしCuを過剰に含有すると熱間加工性が低下する。従ってCu量は、1%以下に抑えることが好ましく、より好ましくは0.8%以下、更に好ましくは0.6%以下である。一方、Niは、鋼材の耐食性を向上させるほか、鋼材の耐衝撃性向上にも寄与するので、適量添加することが有効である。従ってNi量は、0.01%以上含有させることが好ましく、より好ましくは0.05%以上、更に好ましくは0.10%以上である。しかしNiを過剰に含有するとコスト高となる。従ってNi量は、3%以下に抑えることが好ましく、より好ましくは2%以下、更に好ましくは1.5%以下である。CuとNiは、各々単独で、あるいは2種を含有すればよい。
(b)Moは、真空浸炭処理部品の表層硬さを確保するのに作用する元素である。また真空浸炭焼入れ時の焼入れ性を高めると共に、耐水素脆性を抑えるうえでも有効に作用する。こうした作用を発揮させるには、Moは、0.1%以上含有することが好ましく、より好ましくは0.13%以上、更に好ましくは0.15%以上である。しかし、Moを過剰に含有させてもその効果は飽和し、コスト高になる。また鋼材が硬質化して加工性を劣化させる。従ってMo量は、1%以下に抑えることが好ましく、より好ましくは0.8%以下、更に好ましくは0.5%以下である。
(c)Bは、鋼材の焼入れ性を高める元素であり、また結晶粒界を強化して衝撃特性を向上させる元素である。こうした作用は微量の含有でも発揮するが、有効に発揮させるには、0.0005%以上、より好ましくは0.0008%以上、更に好ましくは0.001%以上にする。しかしB添加による効果は約0.003%で飽和し、0.003%を超えると、鋼中にB窒化物が生成して冷間加工性や熱間加工性に悪影響を及ぼす。従ってB量は、0.003%以下とすることが好ましく、より好ましくは0.0025%以下、更に好ましくは0.0020%以下である。
(d)PbとBiは、鋼材の被削性を向上する元素であり、被削性が特に求められる場合は各々単独で、あるいは2種を含有することが有効である。PbとBiは、合計で0.001%以上含有させることが好ましく、より好ましくは0.005%以上、更に好ましくは0.008%以上である。しかし多過ぎると鋼素材の強度が低下する。従ってPbとBi量は、合計で0.1%以下に抑えることが好ましく、より好ましくは0.08%以下、更に好ましくは0.05%以下である。
(e)Mg,Ca,Teは、鋼中に形成される硫化物系介在物の展伸を抑制し、衝撃特性を高める作用を有している。こうした作用は、CaとMgの場合は、0.0001%未満の添加では有効に発揮されず、一方0.01%を超えると粗大な酸化物の生成によって鋼材強度を逆に低下させる恐れが生じてくる。そのためCaとMgは、夫々0.0001〜0.01%の範囲で添加することが好ましく、より好ましくは0.002〜0.005%である。Teの場合も同様に0.0005%未満ではその効果が有効に発揮されず、また0.02%を超えると熱間延性が著しく低下し鋼材の製造および部品への加工が困難になる。Teは0.0005〜0.02%、より好ましくは0.001〜0.01%、更に好ましくは0.002〜0.005%の範囲で含有させるのがよい。これらの元素はそれぞれ単独で、あるいは2種以上を含有すればよい。
(f)V,Zr,REMは、いずれも炭素や窒素と反応しやすい元素であり、鋼中に微細な析出物(例えば、炭化物や窒化物、炭窒化物など)を形成して結晶粒の粗大化防止するのに寄与する。こうした作用を有効に発揮させるには、Vは、0.01%以上(より好ましくは0.03%以上、更に好ましくは0.05%以上)、Zrは、0.01%以上(より好ましくは0.015%以上、更に好ましくは0.020%以上)、REMは、0.001%以上(より好ましくは0.005%以上、更に好ましくは0.008%以上)含有するのがよい。しかし過剰に含有すると、鋼中にVやZr,REMを含む粗大な析出物を形成し、却って結晶粒を粗大化させるので、Vは、0.5%以下(より好ましくは0.4%以下、更に好ましくは0.3%以下)、Zrは、0.2%以下(より好ましくは0.15%以下、更に好ましくは0.1%以下)、REMは、0.1%以下(より好ましくは0.08%以下、更に好ましくは0.05%以下)とする。これらの元素はそれぞれ単独で、あるいは2種以上を含有すればよい。
鋼材成分の残部は、Feと不可避不純物であってもよい。不可避不純物としては、例えば、P、S、O(酸素)などが挙げられる。これらの不可避不純物は、次に示す範囲にすることが推奨できる。
P:0.03%以下(0%を含む)
Pは、鋼材中に不可避的に含まれる元素であるが、結晶粒界に偏析して部品の衝撃特性を低下させる元素であるため、できるだけ低減することが望ましい。従ってPは、0.03%以下、好ましくは0.02%以下、より好ましくは0.015%以下、更に好ましくは0.01%以下とした。
S:0.2%以下(0%を含む)
Sは、鋼材中に不可避的に含まれる元素であるが、MnやTiなどと結合してMnS介在物やTiS介在物などを形成し、部品の衝撃強度を低下させるため、なるべく少なく抑えることが好ましい。従ってSは、0.2%以下、好ましくは0.1%以下、より好ましくは0.05%以下とした。しかしSは、切削性を高める作用も有しているので、切削性が重視される場合は適量含有させることが望ましい。こうした場合は、例えば0.005%以上含有することが好ましく、より好ましくは0.008%以上、更に好ましくは0.01%以上含有させることが推奨される。
O:0.002%以下(0%を含む)
O(酸素)は、鋼材に不可避的に含まれる元素であり、鋼材の強度特性を低下させるため、できるだけ低減することが望ましい。従ってOは、0.002%以下、好ましくは0.0018%以下、より好ましくは0.0015%以下とした。
上記真空浸炭処理部品は、表面N量を適切にしているため、結晶粒の粗大化を抑制できる。結晶粒の大きさは、鋼材成分(特にピンニングに影響する成分)や真空浸炭処理温度によっても異なるため、一概に規定できるものではないが、例えば、結晶粒度番号が4番以下の結晶粒の割合(面積率)を、5%未満程度、好ましくは3%以下程度、最も好ましくは0%にできる。なおこの割合は、該部品表面から深さ50μm位置までの領域を、光学顕微鏡を用いて倍率200倍で観察し、結晶粒度番号が4番以下の結晶粒の面積率(観察視野全体を100%とする)を算出することによって求めることができる。なお、結晶粒度番号は、JIS G0551の規定に従って求める。
本発明の真空浸炭処理部品は、真空浸炭処理中の部品表面からの脱Nを防止することによって製造できる。即ち、真空浸炭処理は、(1)鋼部品を真空浸炭処理温度まで加熱する昇温工程、(2)加熱後の鋼部品内の温度を均一にする均熱工程、(3)均熱後、浸炭性ガスを導入して鋼部品の表面を浸炭する浸炭工程、(4)鋼部品表面に導入した炭素を鋼部品内部へ拡散させる拡散工程、および(5)降温して焼き入れ処理を行う焼入れ工程に分けることができ、少なくとも前記(3)浸炭工程を含む1つ以上の工程が減圧下で行われる。例えば、(1)昇温工程から(5)焼入れ工程まで全てを減圧下で行う場合もあれば、(2)均熱工程から(4)拡散工程までを減圧下で行う場合もあり、さらには(3)浸炭工程のみを減圧下で行う場合もある。ところが、前記(2)均熱工程、(3)浸炭工程、(4)拡散工程などは、一般に極めて高い温度(例えば、900〜1000℃程度)で行われており、近年では1000℃以上で行うこともある。このような高温下での処理を減圧下で行うと、部品表面の脱Nが促進される。
そこで本発明では、(2)均熱工程、(3)浸炭工程および(4)拡散工程のうち減圧下で行う工程を、当該減圧状態を維持しながらN原子含有ガスを導入することによって、脱Nを低減することとした。なお(1)昇温工程や(5)焼入れ工程を減圧下で行う場合には、これらの工程でも、減圧状態を維持しながらN原子含有ガスを導入することが望ましい。
なお上記減圧下で行う工程(減圧工程)では、全圧を、通常3kPa以下程度、好ましくは2.5kPa以下程度、更に好ましくは2kPa以下程度にすることが多い。真空に近づくほど、環境に対する負荷を軽減でき、かつ省エネルギー化にも貢献できる。特に(3)浸炭工程は減圧度をさらに高めることが望ましく、全圧を、例えば、1.5kPa以下、好ましくは1kPa以下、特に0.8kPa以下にすることが推奨される。全圧の下限は、減圧時に導入するN原子含有ガスの圧力以上である。
上記減圧工程で導入するN原子含有ガスとしては、例えば、窒素ガスやアンモニアガスを用いることができる。これらは、夫々単独で使用してもよいし、混合して用いてもよい。
減圧工程でのN原子含有ガスの分圧(N原子含有ガスが複数の場合は、これらの分圧の合計を意味する。以下、同じ)は、例えば、10Pa以上、好ましくは100Pa以上、更に好ましくは300Pa以上である。N原子含有ガスの分圧が大きくなるほど、脱Nを効果的に防止できる。なお、(2)均熱工程や(4)拡散工程で減圧する場合には、N原子含有ガスの分圧を更に高めてもよく、例えば、500Pa以上、特に800Pa以上としても構わない。N原子含有ガスの分圧の上限は特に限定されず、全圧を超えない範囲で設定すればよい。
上記真空浸炭処理では、少なくとも(3)浸炭工程を減圧下(真空下)で行う限り、他の工程は減圧下で行ってもよく、非減圧下(例えば、大気圧下)で行ってもよい。例えば、(1)均熱工程から(5)焼入れ工程までの全工程を減圧下で行ってもよく、(1)昇温工程、(2)均熱工程、(4)拡散工程、及び(5)焼入れ工程のうち任意の工程[例えば、(1)昇温工程だけ;(1)昇温工程と(5)焼入れ工程の2工程;(1)昇温工程、(2)均熱工程、(4)拡散工程、(5)焼入れ工程の4工程など]を非減圧下で行い、残りの工程を減圧下で行ってもよい。全工程を減圧下で行う場合には、工程操作を簡便化できる。また(1)昇温工程や(2)均熱工程などを非減圧下で行う場合には、加熱効率を高めることができる。なお非減圧(大気圧など)の工程では、部品表面の酸化を防止するために不活性ガス(例えば、窒素ガスなど)を導入してもよい。
減圧工程でのN含有ガスの導入以外は、公知の条件をそのまま、または適宜変更して採用できる。例えば、(1)昇温工程における昇温速度(加熱速度)は、2〜20℃/min程度の範囲から選択できる。昇温速度は、好ましくは5℃/min程度以上、更に好ましくは10℃/min程度以上である。(2)均熱工程の保持時間は、熱処理する部品の総重量によって変わるため一律に規定することができず、鋼部品内の温度を均一にできる限り特に限定されない。後述する実施例で用いた試験片については、保持時間は例えば0.5〜2時間程度とすることが好ましい。
(3)浸炭工程の処理温度は、例えば900℃以上である。真空浸炭処理温度が900℃未満では、鋼部品を充分に浸炭できない。真空浸炭処理温度は950℃以上にすることがより好ましく、更に好ましくは1000℃以上である。しかし真空浸炭処理温度が高くなり過ぎると、鋼部品の結晶粒が著しく粗大化し易くなり、耐衝撃性を向上させることが難しくなってくる。従って真空浸炭処理温度は、好ましくは1200℃以下、より好ましくは1150℃以下、更に好ましくは1100℃以下にする。
浸炭工程で使用する浸炭性ガスとしては、例えば、鎖状炭化水素ガスが好ましい。鎖状炭化水素ガスとしては、例えば、アセチレン、エチレン、プロピレン、プロパン、ブタン、メタンなどを用いることができる。これらのガスのなかでも、アセチレンは入手が容易で、しかも分子内に3重結合を有するため活性が強く反応し易いため好適に用いることができる。これらのガスは夫々単独で、或いは任意に選ばれる2種以上を混合して用いることができる。
浸炭工程における処理時間や、後述する拡散工程における保持時間は、狙いとする浸炭深さに合わせて設定されるファクターであり、一律に規定することはできない。浸炭工程における処理時間については、例えば3〜30分程度である。
(4)拡散工程における保持時間については、鋼部品表面に導入した炭素を鋼部品内部へ拡散できる範囲であればよく、例えば3分〜3時間程度である。(5)焼入れ工程では、真空浸炭処理温度から油冷することが推奨される。
以下、本発明を実施例によって更に詳細に説明するが、下記実施例は本発明を限定する性質のものではなく、前・後記の趣旨に適合し得る範囲で適当に変更して実施することも可能であり、それらはいずれも本発明の技術的範囲に含まれる。
表1に示す成分組成(残部は、Feおよび不可避不純物)の鋼材を小型溶製炉で溶製し、直径30mmの丸棒状に熱間鍛造した後、これを溶体化処理、焼ならし処理し、次いで切削加工して図1〜3に示す試験片を作製した。
図1は、窒素量分析用試験片の概略説明図であり、該試験片は、直径26mm、長さ130mmの円柱状で、長手方向の末端から5mmの位置に、真空浸炭処理時に試験片を吊すためのキリ穴(直径3mm)を設けている。図2は、結晶粒粗大化調査用試験片の概略説明図であり、該試験片は、直径8mm、長さ12mmの円柱状鋼を、加工フォーマスター試験機を用いて熱間で圧縮した状態を示している。加熱温度は1250℃とし、圧縮率(加工率)は70%とした。なお、熱間で圧縮したのは、実際の歯車やCVTプーリー等の部品の多くが熱間鍛造で粗加工されており、この租加工を模擬するためである。図3は、シャルピー衝撃試験用試験片の概略説明図であり、該試験片には長手方向の末端から5mmのところに、真空浸炭処理時に試験片を吊るすためのキリ穴(直径2mm)が設けられている。
上記各試験片を真空浸炭炉にて1050℃で真空浸炭処理した後、窒素量分析、結晶粒粗大化調査および耐衝撃性評価を行った。
上記真空浸炭処理は、表2に示す条件1〜9で行った。即ち、上記各試験片を真空浸炭炉に装入した後、室温から1050℃まで昇温速度10℃/minで昇温した(昇温工程)。次に、1050℃で40分保持して均熱した後(均熱工程)、分圧が0.6kPaとなるように浸炭性ガスを導入して10分浸炭し(浸炭工程)、次いで浸炭性ガスの供給を止め、1050℃で50分保持して拡散させた(拡散工程)。次に、1050℃から油冷して焼入れした(焼入れ工程)。浸炭性ガスとしては、アセチレンガスと窒素ガスを、体積比2:1で混合した混合ガスを導入し、焼入れ後の部品の表面炭素濃度が0.7〜0.8%になるように調節した。表1に示した○は、各工程で各ガスを導入していることを示している。
但し、表1に示した条件1では、上記各試験片を真空浸炭炉に装入した後、炉内を1kPaに減圧してから昇温を開始した。また、均熱工程、浸炭工程、拡散工程では、全圧を1kPaとすると共に、分圧が0.5kPaとなるようにN原子含有ガスとして窒素ガスを導入した。
条件2は、昇温工程を大気圧下で行い、試験片を加熱した後、炉内を1kPaに減圧し、均熱工程を行った。なお、昇温工程では、分圧が0.5kPaとなるように不活性ガスとして窒素ガスを導入した。一方、均熱工程、浸炭工程、拡散工程では、全圧を1kPaとすると共に、分圧が0.5kPaとなるようにN原子含有ガスとして窒素ガスを導入した。
条件3は、上記条件2において、均熱工程では分圧が1kPaとなるようにN原子含有ガスとしてアンモニアガスを導入し、浸炭工程では分圧が0.5kPaとなるようにN原子含有ガスとしてアンモニアを導入し、拡散工程では分圧が1kPaとなるようにN原子含有ガスとしてアンモニアガスを導入した点以外は同じである。
条件4は、上記条件2において、焼入れ工程の全圧が50kPaとなるように不活性ガスとして窒素ガスを導入した点以外は同じである。
条件5は、上記条件1において、均熱工程、浸炭工程、拡散工程ではN原子含有ガスを導入しない点以外は同じとした。条件6は、上記条件2において、均熱工程、浸炭工程、拡散工程でN原子含有ガスを導入しない点以外は同じとした。条件7は、上記条件1において、均熱工程と浸炭工程でN原子含有ガスを導入しない点以外は同じとした。条件8は、上記条件4において、拡散工程でN原子含有ガスを導入しない点以外は同じとした。条件9は、上記条件1において、均熱工程と拡散工程でN原子含有ガスを導入しない点以外は同じとした。
次に、得られた真空浸炭処理試験片を用い、窒素量分析、結晶粒粗大化調査、耐衝撃性評価を行った。
窒素量分析は、上記試験片表面から深さ50μm位置までの領域における平均窒素量(表面N量)と、該試験片内部のN量を上記手順で測定した。但し、内部N量は、試験片に含まれる窒素量(即ち、下記表1のN量)をそのまま代用した。表面N量と内部N量の値を下記表3または表4に示す。また、表面N量と内部N量との比(N比)を算出して下記表3または表4に示す。N比は、0.8以上の場合を合格(判定○)、0.8未満の場合を不合格(判定×)とした。
結晶粒粗大化調査は、試験片の表面から深さ50μm位置までの領域を、光学顕微鏡を用いて200倍の倍率で10視野観察し、結晶粒のサイズが、JIS規格で定める結晶粒度番号4番以下に相当する場合を粗大化している領域とし(粗粒部)、結晶粒度番号5番以上に相当する場合を微細化している領域とし(整粒部)、観察視野面積に占める粗粒部の面積割合(粗粒率)を求めた。粗粒率が5%未満の場合を粗大粒無し(合格○)、粗粒率が5%以上の場合を粗大粒有り(不合格×)と評価した。粗粒率と評価結果を下記表3または表4に示す。
耐衝撃性評価は、シャルピー衝撃試験を室温で行うことにより評価した。シャルピー試験は3回行い、結果を平均した。試験結果を下記表3または表4に示す。シャルピー衝撃試験の結果は、強度が30J/cm以上の場合を合格(評価○)、30J/cm未満の場合を不合格(評価×)とする。
Figure 0004881577
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Figure 0004881577
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表1〜4から次のように考察できる。No.1〜4、No.10〜13、No.19〜22、No.28〜31は、いずれも本発明で規定する要件を満たす例であり、試験片表面からの脱Nが防止されているため、試験片表面の結晶粒は粗大化していない。その結果、耐衝撃性を向上させている。一方、No.5〜9、No.14〜18、No.23〜27、No.32〜36は、いずれも本発明で規定する要件を満たさない例であり、試験片表面からの脱Nを充分に防止できていない。従って、試験片表面の結晶粒が粗大化しており、耐衝撃性が悪い。なお、No.37は、JIS規格に相当する鋼種からなる試験片を高温(1050℃)で真空浸炭処理した例である。
図1は、窒素量分析用試験片の概略説明図である。 図2は、結晶粒粗大化調査用試験片の概略説明図である。 図3は、シャルピー衝撃試験用試験片の概略説明図である。

Claims (3)

  1. 鋼部品を真空浸炭処理して得られた真空浸炭処理部品であって、該部品表面から深さ50μm位置までの領域における平均窒素量(表面N量)と、部品内部のN量との比(表面N量/内部N量)が、0.8以上3以下であることを特徴とする耐衝撃性に優れた真空浸炭処理部品。
  2. 前記真空浸炭処理部品の表面から深さ50μm位置までの領域を、光学顕微鏡を用いて倍率200倍で観察したときに、観察視野面積に占める結晶粒度番号が4番以下の面積率が5%未満である請求項1に記載の真空浸炭処理部品。
  3. 請求項1または2に記載の真空浸炭処理部品を製造する方法であり、鋼部品を真空浸炭処理温度まで加熱する昇温工程、加熱後の鋼部品内の温度を均一にする均熱工程、均熱後、浸炭性ガスを導入して鋼部品の表面を浸炭する浸炭工程、鋼部品表面に導入した炭素を鋼部品内部へ拡散させる拡散工程および降温して焼き入れ処理を行う焼入れ工程を含み、少なくとも前記浸炭工程を含む1つ以上の工程を減圧下で行う真空浸炭処理によって真空浸炭処理部品を製造する方法であって、
    前記均熱工程、浸炭工程、拡散工程のうち減圧下で行う工程では、当該減圧状態を維持しながらN原子含有ガスを導入し、且つ全圧を3kPa以下、前記N原子含有ガスの分圧を10Pa以上にすることを特徴とする耐衝撃性に優れた真空浸炭処理部品の製法。
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