JP2014122367A - 真空浸窒処理方法 - Google Patents
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Abstract
【課題】低濃度の浸窒処理を炉内の鋼材の位置に無関係に一様に行うことが可能な真空浸窒処理方法を提供する
【解決手段】真空雰囲気下での浸窒処理に際して、必要量の浸窒ガスを不活性ガスと混合させた処理用ガスを使用する。浸窒ガスを、その容量の2倍〜10倍の不活性ガスと混合するのが好適である。
【選択図】 なし
【解決手段】真空雰囲気下での浸窒処理に際して、必要量の浸窒ガスを不活性ガスと混合させた処理用ガスを使用する。浸窒ガスを、その容量の2倍〜10倍の不活性ガスと混合するのが好適である。
【選択図】 なし
Description
本発明は真空浸窒処理方法に関し、特に、鋼材表面窒素濃度が0.5%以下の低濃度の浸窒処理を行うのに適した真空浸窒処理方法に関するものである。
特許文献1には、真空浸炭浸窒処理の工程が示されており、ここでは、炉圧を0.3〜1.7kPaの真空雰囲気に維持しつつ、炉温900〜950℃で浸炭処理と拡散処理を行った後、炉温790〜890℃で浸窒処理を行なっている。
ところで、浸窒処理を低濃度で行う場合には炉内へのアンモニア等の浸窒ガスの供給量を絞ることになる。一方、浸窒処理の対象となる歯車等の鋼材は多数を積層した状態で炉内へ搬入される。この状態で炉内への浸窒ガスの供給量を絞ると、浸窒ガスは外部の鋼材に接触し分解して、内部の鋼材まで至らないために、外部と内部とで鋼材の浸窒処理に大きなバラツキが生じるという問題があった。
そこで、本発明はこのような課題を解決するもので、低濃度の浸窒処理を炉内の鋼材の位置に無関係に一様に行うことが可能な真空浸窒処理方法を提供することを目的とする。
上記目的を達成するために、本第1発明では、真空雰囲気下での浸窒処理に際して、必要量の浸窒ガスを不活性ガスと混合させた処理用ガスを使用することを特徴とする。
本第1発明においては、浸窒処理を低濃度で行うために浸窒ガスの供給量を絞っても、これは不活性ガスと混合されて全体が十分な容量になり、積層された内部の鋼材まで浸窒ガスが供給される結果、外部と内部の鋼材の浸窒処理に大きなバラツキが生じるのが抑えられ、低濃度の浸窒処理が炉内の鋼材の位置に無関係に一様に行われる。
本第2発明では、前記浸窒ガスを、その容量の2倍〜10倍の不活性ガスと混合する。本第2発明においては浸窒ガスの搬送が良好になされる。
以上のように、本発明の真空浸窒処理方法によれば、低濃度の浸窒処理を炉内の鋼材の位置に無関係に一様に行うことができる。
なお、以下に説明する実施形態はあくまで一例であり、本発明の要旨を逸脱しない範囲で当業者が行う種々の設計的改良も本発明の範囲に含まれる。
図1には本発明方法を適用する真空浸炭浸窒処理の工程を示す。炉圧を1500Paの真空に保ち、炉温をA3点(750℃)以上の930℃まで上昇させて所定時間の浸炭と拡散を行った後(図1のX領域)、炉温を850℃まで低下させて所定時間の窒化(浸窒)処理を行う(図1のY領域)。
図1には本発明方法を適用する真空浸炭浸窒処理の工程を示す。炉圧を1500Paの真空に保ち、炉温をA3点(750℃)以上の930℃まで上昇させて所定時間の浸炭と拡散を行った後(図1のX領域)、炉温を850℃まで低下させて所定時間の窒化(浸窒)処理を行う(図1のY領域)。
表1は、炉圧1500Pa、炉温850℃で、浸窒ガスとしてのアンモニア(NH3)ガスと不活性ガスとしての窒素(N2)ガスの単位炉容積当たりの導入流量、および単位炉容積当たりの全ガス導入流量とこの時のNH3ガスの導入割合(添加割合)を変化させて、鋼材表面の窒素(N)濃度の最大値と最小値の差(品質)等を調べたものである。なお、表1のA領域はNH3ガスの添加割合を100%とし、B領域はNH3ガスの添加割合を50%、C領域はNH3ガスの添加割合を10%としてある。
なお、この場合の炉容積は400Lであり、炉内には歯車等の鋼材Wを例えば図4に示すように各トレー1内に縦横5個で25個収容し、このトレー1を図5に示すように5段重ねで炉2内に収容する。なお、図5(1)は炉2の正面概略断面であり、図5(2)は炉2の側面概略断面である。図5より明らかなように、N2ガスとNH3ガスを混合したガスのガス導入ノズル21が、積層されたトレー1の左右方向中央の上方で前後二箇所に設けられるとともに、上記トレー1の中心下方に排気口2が設けられている。
図4中の三桁の括弧つき数字は、トレー1に収納された鋼材Wの位置を示すもので、最初の桁は上方からのトレー1の段順を、続く二桁が各段のトレー平面内での前後左右の行列順を示す。例えば[131]は最上段のトレー1の、第3行第1列の位置にある鋼材Wであることを示す。本実施形態では、第1段、第3段、第5段の各トレー1につき、鋼材表面のN濃度が最大になると予想される[11][13][31]の行列位置にある鋼材Wと、鋼材表面のN濃度が最小になると予想される[33]の行列位置にある鋼材Wのそれぞれ上記N濃度を測定する。表2には測定された鋼材表面のN濃度の一例を示し、これは表1の後述するd欄の測定値に対応するものである。
図2には、表1における単位炉容積当たりの全ガス導入流量(L/s/L)を横軸に、鋼材の表面窒素(N)濃度を縦軸にとって、パラメータとしてNH3の添加割合を100%、50%、10%の三種で変更した場合のグラフを示す。図2中、黒塗りの各点は既述のように積層された状態で浸窒処理される多数の鋼材のうち、表面への窒素の浸透割合(表面窒素(N)濃度)が最大であった鋼材の濃度値を示し、また白塗りの各点は表面窒素(N)濃度が最小であった鋼材の濃度値を示す。したがって、全ガス導入流量を同一としてNH3の添加割合を上記三種で変化させた時の表面窒素(N)濃度の最大値と最小値の差が、これら三種の添加割合で浸窒処理した場合の処理のバラツキ、すなわち品質ということになる。
ここで、浸窒処理における鋼材の表面窒素(N)濃度値はほぼNH3ガスの単位炉容積当たりの導入流量(以下、単に導入流量という)で決まる。例えば表1でNH3の導入流量が1.41×10-3(L/s/L)であるのは、NH3添加割合が100%のときは表1中のa欄、50%のときはb欄、10%のときはc欄である。これを図2で見ると、上記表1中の各欄の値は図2中のa、b、cのライン上にある。
また、表1でNH3の導入流量が3.54×10-3(L/s/L)であるのは、NH3添加割合が100%のときは表1中のd欄、50%のときはe欄、10%のときはf欄である。これを図2で見ると、上記表1中の各欄の値は図2中のd、e、fのライン上にある。
さらに、表1でNH3の導入流量が7.07×10-3(L/s/L)であるのは、NH3添加割合が100%のときは表1中のg欄、50%のときはh欄、10%のときはi欄である。これを図2で見ると、上記表1中の各欄の値は図2中のg、h、iのライン上にある。
そこで、図3には、NH3ガスの全ガス導入流量(L/s/L)を横軸に、表面窒素(N)濃度のバラツキの規格値(表1の最右欄)を縦軸にとって、パラメータとしてNH3の添加割合を100%、50%、10%の三種で変更した場合のグラフを示す。なお、上記規格値とは表面窒素(N)濃度の最大値と最小値の差を当該濃度の平均で除した値であり、浸窒処理の品質を示している。なお、図3中のa〜iの各点は、表1中のa〜i欄、および図2中のラインa〜i上の各点に対応している。
図3より明らかなように、図3中のa点に対するb,c点、あるいはd点に対するe,f点、g点に対するh,i点のように、必要量のNH3ガスを供給しつつこれを窒素ガスで50%(b点、e点、h点)あるいは10%(c点、f点、i点)に希釈した、つまりNH3ガスを2倍あるいは10倍の窒素ガスと混合させた処理用ガスを使用すると、浸窒処理における鋼材の表面窒素(N)濃度を0.5%以下の低い値に維持しつつそのバラツキ規格値(品質)を小さくすることができる。
なお、浸窒ガスとしてはアンモニアに限られず、不活性ガスも窒素ガスに限られないことはもちろんである。また、必要量の浸窒ガスを何倍の不活性ガスと混合させるかは、設計的に決定されるが、浸窒ガス容量の2倍〜10倍程度とするのが良い。混合させる方法は、混合した状態のガスを炉内に供給しても、あるいは浸窒ガスと不活性ガスを個別に炉内へ供給して炉内で混合させても、そのいずれでも良い。なお、浸窒ガスを導入するタイミングは図1のY領域に限らず、浸炭後の拡散期も含め、必ずしも連続していなくても良い。また上記実施形態では真空浸炭浸窒処理工程について説明したが、本発明の対象は浸窒処理工程のみを行うものであってももちろん良い。
Claims (2)
- 真空雰囲気下での浸窒処理に際して、必要量の浸窒ガスを不活性ガスと混合させた処理用ガスを使用することを特徴とする真空浸窒処理方法。
- 前記浸窒ガスを、その容量の2倍〜10倍の不活性ガスと混合する請求項1に記載の真空浸窒処理方法。
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