JP4518604B2 - 浸硫焼入処理、浸硫浸炭処理および浸硫浸炭窒化処理方法 - Google Patents

浸硫焼入処理、浸硫浸炭処理および浸硫浸炭窒化処理方法 Download PDF

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Description

【0001】
【発明の属する技術分野】
本発明は、例えば、歯車やシャフト、金型などのような鋼部品の表面に、固体潤滑性に優れた浸硫層を容易に、低コストで生成させることができ、鋼部品の耐摩擦摩耗性,耐焼付性などを向上させ、疲労強度を改善することができる浸硫焼入れ処理方法、浸硫浸炭処理方法および浸硫浸炭窒化処理方法に関するものである。
【0002】
【従来の技術】
浸硫処理は、母材の表面に硫化層を形成させるものであって、硫化物の潤滑効果により金属転移現象の発生を防止して、摩耗抵抗や耐焼付性を向上させ、疲労強度を改善できることが知られている。
【0003】
このような浸硫処理は、従来、硫化物を添加した溶融塩浴に被処理品を浸漬する塩浴法、ガス法、電解法などにより行われているが、他の熱処理、例えば浸炭や浸炭窒化処理などと組み合わせて浸硫処置を行う場合にも、それぞれの処理が別工程においてそれぞれ単独に行われていた。
【0004】
例えば、浸炭との複合浸硫処理の場合には、被処理品に浸炭焼入れ焼戻しを施したのち、別工程の塩浴中で170〜180℃に加熱することによって被処理品の表面にFeSを形成させるようにしていた。また、浸硫処理と同様の潤滑被膜処理であるデフリックコート処理の場合にも、浸炭焼入れ焼戻しを終えた後の被処理品にMoSの焼付け処理を施すようにしていた。
【0005】
【発明が解決しようとする課題】
このように、他の熱処理とを組み合わせた従来の複合浸硫処理においては、浸硫処理と熱処理とがそれぞれ別工程で行われていることから、処理設備や作業スペースがそれぞれに必要になると共に、工程管理が複雑となって時間的な無駄や熱的な損失が多くなる結果、処理コストがかさむという問題点があり、このような問題点の解消が従来の複合浸硫処理における課題となっていた。
【0006】
なお、窒化との複合浸硫処理である浸硫窒化処理については、ガス法や塩浴法、あるいはプラズマ法によって、窒化による表面硬化と浸硫による潤滑処理との同時処理が行われることもあるが、この浸硫窒化処理は、430〜630℃のフェライト温度域での処理であって焼入れを伴わないために処理品の内部硬さを高めることができず、十分な強度を得ることができない。
【0007】
【発明の目的】
本発明は、従来の複合浸硫処理における上記課題に着目してなされたものであって、焼入れを伴う各種熱処理と浸硫処理との複合処理を一工程で同時に行うことができ、処理コストの大幅な削減が可能な浸硫焼入れ処理、浸硫浸炭処理、および浸硫浸炭窒化処理方法を提供することを目的としている。
【0008】
【課題を解決するための手段】
本発明の請求項1に係わる浸炭処理方法は、 加熱室内に収納した鋼製ワークを窒素雰囲気中で所定の焼入温度に加熱したのち、当該焼入温度に均熱保持しながら加熱室内に硫化物を生成するガスを供給しワーク表面に浸硫層を生成させて焼入れすることを特徴としており、本発明の請求項2に係わる浸硫焼入処理方法においては、硫化物生成ガスと共にアンモニアガスを供給する構成としたことを特徴としており、浸硫処理方法におけるこのような構成を前述した従来の課題を解決するための手段としている。
【0009】
本発明の請求項3に係わる浸硫浸炭処理方法は、ガス浸炭により加熱室内の鋼製ワーク表面に浸炭層を生成させたのち、加熱室内に硫化物を生成するガスを供給しワーク表面に浸炭層と共に浸硫層を生成させて焼入れする構成とし、本発明の請求項4に係わる浸硫処理方法においては、加熱室内に収納した鋼製ワークを窒素雰囲気中で所定の浸炭温度に加熱し、加熱室内に浸炭性ガスを供給してワーク表面に浸炭層を生成させる構成とし、請求項5に係わる浸硫処理方法においては、加熱室内に収納した鋼製ワークを窒素雰囲気中で所定の浸炭温度に加熱し、昇温後加熱室内を一旦減圧したのち、浸炭性ガスを断続的に供給して加熱室内の圧力を変動させながらワーク表面に浸炭層を生成させ、浸炭層の生成後加熱室内を窒素雰囲気にした状態で硫化物を生成するガスを加熱室内に供給する構成とし、さらに本発明の請求項6に係わる浸硫浸炭処理方法においては、焼入温度への降温過程または焼入温度での均熱保持期間内に硫化物生成ガスの供給を開始する構成としたことを特徴としている。
【0010】
本発明の請求項7に係わる浸硫浸炭窒化処理方法は、ガス浸炭により加熱室内の鋼製ワーク表面に浸炭層を生成させたのち、加熱室内に窒化性ガスおよび硫化物を生成するガスを供給しワーク表面に浸炭窒化層と共に浸硫層を生成させて焼入れする構成とし、本発明の請求項8に係わる浸硫浸炭窒化処理方法においては、加熱室内に収納した鋼製ワークを窒素雰囲気中で所定の浸炭温度に加熱し、加熱室内に浸炭性ガスを供給してワーク表面に浸炭層を生成させる構成とし、請求項9に係わる浸硫浸炭窒化処理方法においては、加熱室内に収納した鋼製ワークを窒素雰囲気中で所定の浸炭温度に加熱し、昇温後加熱室内を一旦減圧したのち、浸炭性ガスを断続的に供給して加熱室内の圧力を変動させながらワーク表面に浸炭層を生成させ、浸炭層の生成後加熱室内を窒素雰囲気にした状態で窒化性ガスおよび硫化物を生成するガスを供給する構成としたことを特徴としている。
【0011】
さらに、本発明の請求項10に係わる浸硫浸炭窒化処理方法は、ガス浸炭窒化により加熱室内の鋼製ワーク表面に浸炭窒化層を生成させたのち、加熱室内に硫化物を生成するガスを供給しワーク表面に浸炭窒化層と共に浸硫層を生成させて焼入れする構成としており、本発明の請求項11に係わる浸硫浸炭窒化処理方法は、ガス浸炭窒化により加熱室内の鋼製ワーク表面に浸炭窒化層を生成させたのち、さらに窒化性ガスの供給を続けながら硫化物を生成するガスを加熱室内に供給しワーク表面に浸炭窒化層と共に浸硫層を生成させて焼入れする構成としており、請求項12に係わる浸硫浸炭窒化処理方法においては、加熱室内に収納した鋼製ワークを窒素雰囲気中で所定の浸炭窒化温度に加熱し、加熱室内に浸炭性ガスおよび窒化性ガスを供給してワーク表面に浸炭窒化層を生成させる構成としており、さらに請求項13に係わる浸硫浸炭窒化処理方法においては、焼入温度への降温過程または焼入温度での均熱保持期間内に硫化物生成ガスの供給を開始する構成としており、浸硫浸炭窒化処理方法におけるこのような構成を前述した従来の課題を解決するための手段としたことを特徴としている。
【0012】
【発明の実施の形態】
本発明に係わる浸硫焼入処理方法、浸硫浸炭処理方法、および浸硫浸炭窒化処理方法においては、単純な焼入処理において、あるいはガス浸炭、ガス浸炭窒化プロセスにおいて、浸炭が終了したのち、引き続き焼入温度に均熱保持している間に、加熱室内に硫化物を生成するガスを供給することによって、焼入処理、浸炭処理、あるいは浸炭窒化処理と浸硫処理との複合処理を一工程で同時に行うものであるが、この硫化物生成ガスとしては、例えば、硫化水素(HS)や二硫化炭素(CS)を使用することができる。なお、二硫化炭素は常温では液状をなしているので、恒温槽内に設置した容器に入れ、これにNあるいはArなどのキャリヤガスをバブリングさせることによって蒸発させ、キャリヤガスとともに加熱室内に送給するようになすことが望ましい。
【0013】
また、硫化水素を使用する場合には、硫化水素発生器あるいはボンベ入りの硫化水素を100%のまま、もしくは混合器により窒素や水素で希釈して使用するが、硫化水素を窒素によって数%に希釈したボンベ入りガスを使用することが、微量な硫化水素を制御するうえで、あるいは安全管理のうえで望ましい。
【0014】
図1は、本発明に係わる浸硫焼入処理におけるヒートパターンの一例を示すものであって、本発明に係わる浸硫焼入処理方法においては、ワークを雰囲気炉の加熱室内に装入した状態で、加熱室内の雰囲気をパージして窒素に置換したのち、焼入温度T1 への昇温が開始される。焼入温度T1 としては、素材の焼入性を考慮して、通常、750〜900℃程度の温度が選択される。
【0015】
焼入温度T1 に昇温したのち、ワークの温度むらをなくすために、当該温度T1 に所定の時間t1 の間均熱保持されたのち、油や水などの冷媒中に急冷される。そして、この均熱保持の間に、硫化水素のような硫化物生成ガスが加熱室内に供給されることによりワーク表面に硫化層が生成するので、焼入れと浸硫処理との複合処理が一工程で同時に行われることになり、焼入れ処理による強度と浸硫層の形成による表面潤滑性とを兼ね備えた製品が低コストのもとに得られることになる。
【0016】
このとき、請求項2に記載しているように、硫化物生成ガスと共に少量のアンモニアガスを供給することができ、これによって加熱室内が還元性雰囲気となり、浸硫層が形成されやすくなると共に、ワーク表面に若干の窒素が侵入することによって、焼入れ性が向上し、製品の焼戻し抵抗が改善されることになる。
【0017】
なお、後述するように、硫黄(S)は、オーステナイト温度域において拡散するので、硫化物生成ガスの供給を長時間続けたり、早期に供給したりすることは、硫黄がワークの内部に深く浸透するため好ましくない。したがって、必ずしも焼入温度T1 への昇温と同時に硫化物生成ガスの供給を開始する必要はなく、焼入れの直前の一定時間供給を続けることが、硫黄が内部に拡散することなくワークの表面のみに浸硫層を形成させる観点から望ましい。
【0018】
図2は、本発明に係わる浸硫浸炭処理におけるヒートパターンの一例を示すものであって、この例に示す浸硫浸炭処理方法においては、ワークを雰囲気炉の加熱室内に装入した状態で、加熱室内の雰囲気をパージして窒素に置換したのち、浸炭温度T2 への昇温が開始される。浸炭温度T2 としては、これを高く設定することにより浸炭時間を短縮することができるが、一般には850〜1030℃程度の温度範囲に選択される。
【0019】
浸炭温度T2 に昇温したのち、加熱室内への浸炭性ガスの供給が開始され、ワーク表面に浸炭層が生成される。浸炭性ガスとしては、特に限定されず、例えばメタンやプロパン,ブタンなどのような飽和炭化水素ガス、あるいはアセチレンやエチレンなどのような不飽和炭化水素ガスを用いることができる。なお、浸炭性ガスについては、加熱室内に連続的に供給しても良いが、ワーク表面における炭素濃度の急激な富化によるセメンタイトの析出を回避する観点から浸炭性ガスを断続的に供給するようになすことが望ましい。
【0020】
浸炭時間t2 については、目的とする浸炭層深さに応じて適宜選択されるが、一般に1時間〜5時間、とくに大きな浸炭層深さが必要な場合には10時間以上の処理時間が設定されることもある。
【0021】
所定の浸炭時間が終了すると、浸炭性ガスの供給が停止され、拡散、焼入温度への降温および焼入温度での均熱保持に移行するが、拡散時間t3 については、一般に通常浸炭時間t2 とほぼ同じ時間か、やや短い時間に設定される。なお、目的とする浸炭深さが浅い場合には、拡散過程なしに焼入温度T3 に降温することもある。この焼入温度T3 については、ワーク素材鋼の焼入性を考慮して、通常800〜900℃の温度に設定される。
【0022】
当該浸硫浸炭処理においては、浸炭が終了したのち、例えば焼入温度への降温開始と共に、硫化水素のような硫化物生成ガスが加熱室内に供給される。そして、焼入温度T3 に保持されることによって温度が均一化され、この間に表面に浸炭層と硫化層が形成されたワークが、例えば油中に焼入れされるので、浸炭焼入と浸硫処理との複合処理が一工程で同時に行われ、浸炭焼入れ処理による表面硬さおよび内部強度と共に、浸硫層による表面潤滑性を兼ね備えた製品が低コストのもとに得られることになる。
【0023】
このとき、硫黄(S)は、炭素(C)や窒素(N)に比べて原子径が大きく、フェライト中ではほとんど拡散しないが、浸炭や、後述する浸炭窒化のようなオーステナイト温度域での処理の場合には内部に深く拡散するので、硫化物生成ガスの供給を浸炭の前や浸炭中に高温で長時間行うことは好ましくない。したがって、請求項6に記載しているように、浸炭温度T2 から焼入温度T3 への降温過程の間、あるいは焼入温度T3 での均熱保持期間中に硫化物生成ガスの供給を開始し、焼入の直前まで供給を続けることが望ましい。
【0024】
図3は、本発明に係わる浸硫浸炭処理におけるヒートパターンの他の例を示すものであって、この浸硫浸炭処理方法においては、ワークを雰囲気炉の加熱室内に装入した状態で、加熱室内の雰囲気をパージして窒素に置換したのち、浸炭温度T2 への昇温が開始される。このときの加熱室内の雰囲気圧力P1 としては、特に限定されないが、通常大気圧程度とする。
【0025】
加熱室内の雰囲気温度およびワークの温度が所定の浸炭温度T2 に到達すると、加熱室内を真空排気し、雰囲気圧力が67Pa(0.5Torr)以下の圧力P2 (拡散圧力)になるまで減圧される。
【0026】
次に、上記した浸炭性ガスの供給が開始され、加熱室内の雰囲気圧力がP3 (浸炭圧力)になるまで供給される。この浸炭圧力P3 としては、133〜4000Pa(1〜30Torr)の範囲とすることが望ましい。そして、当該圧力P3 に数秒〜5分保持したのち、再度真空排気を行い、前記拡散圧力P2 まで減圧する。このような操作を10回ないし数10回繰り返すことによってワーク表面に浸炭層が生成されると、加熱室内が真空排気され、拡散圧力P2 での拡散過程を経て、焼入温度への降温および焼入温度での均熱保持に移行する。そして、焼入温度T3 への降温開始と共に、加熱室内に窒素ガスが供給されて、例えば大気圧に復圧され、これと同時に硫化物生成ガスが加熱室内に供給される。
【0027】
そして、焼入温度T3 に所定時間保持されて温度が均一化され、表面に浸炭層と共に浸硫層が形成されたワークは、例えば油中に焼入れされ、浸炭焼入れ処理による表面硬さおよび内部強度と、浸硫層による表面潤滑性とを兼ね備えた製品が低コストのもとに得られることになる。
【0028】
この浸硫浸炭処理方法においては、浸炭温度T2 への昇温後、浸炭性ガスを断続供給することによって、加熱室内の雰囲気圧力がP2 とP3 との間で変動することから、ワーク表面への炭素の侵入と、侵入した炭素の内部への拡散とが交互に繰り返され、表面での急激な炭素富化によるセメンタイトの析出が回避されると共に、減圧下(P2 )で浸炭性ガスが供給されるので、細い穴やスリットなどを備えた複雑な形状のワークにおいても浸炭性ガスがワークの全面をカバーし、むらなく浸炭層が形成されることになる。また、この浸硫浸炭処理方法においては、浸炭の終了後に加熱室内を復圧しても良く、また、焼入温度T3 に降温してから硫化物生成ガスを供給するようにしても支障はない。
【0029】
本発明に係わる浸硫浸炭窒化処理方法は、そのヒートパターンの例を図4あるいは図5に示すように、浸炭性ガスおよび硫化物ガスの供給に加えて、例えばアンモニアガス(NH )のような窒化性ガスを供給することを除いて、図2あるいは図3に示した浸硫浸炭処理方法と本質的に変わらない。つまり、図2あるいは図3に示した浸硫浸炭処理における適当な時期に窒化性ガスを供給することに
よって、浸硫浸炭窒化処理が可能になる。
【0030】
すなわち、図4に示す浸硫浸炭窒化処理方法においては、図2の浸硫浸炭処理と同様に、ワークを加熱室内に装入し、加熱室内の雰囲気を窒素に置換したのち、浸炭温度T4 への昇温が開始され、ワークおよび雰囲気温度が所定の浸炭温度T4 に到達すると、上記した浸硫浸炭処理と同様の浸炭性ガスと、窒化性ガスとして例えばアンモニアガスが供給される。窒化性ガスの供給時期については、とくに限定されず、浸炭性ガスと同時に供給するばかりでなく、図中に破線で示すように、例えば硫黄源としての硫化物生成ガスと共に処理工程の後半のみ、すなわち焼入温度T5 への降温が開始されたのちに供給するようにしてもよい。また、浸炭性ガスと同様に、断続供給するようにしてもよい。
【0031】
硫化物生成ガスの供給タイミングについては、上記浸硫浸炭処理と同様に、製品内部にまで及ぶ硫黄の過度の拡散を防止する観点から、請求項6に記載しているように、浸炭温度T4 から焼入温度T5 への降温期間中、あるいは焼入温度T5 における均熱保持期間中に硫化物生成ガスの供給を開始し、焼入れの直前まで供給を続けることが望ましい。
【0032】
この浸硫浸炭窒化処理方法においては、焼入温度T5 に均熱保持される間に、ワーク表面に浸炭窒化層に加えて硫化層が形成され、この状態で焼入れされるので、浸炭窒化焼入れと浸硫処理との複合処理が一工程で同時に行われることになり、浸炭窒化焼入れ処理による表面硬さや内部強度,焼入れ性,焼戻し抵抗などと、浸硫層による表面潤滑性とを兼ね備えた製品が低コストのもとに得られることになる。
【0033】
また、図5に示す浸硫浸炭窒化処理方法においては、図3の浸硫浸炭処理と同様に、浸炭温度T4 への到達後、加熱室内が真空排気され、拡散圧力P2 まで減圧され、以後、浸炭性ガスの供給と減圧とが繰り返され、加熱室内の圧力がP2 とP3 との間で変動する間にワーク表面に浸炭層が生成される。そして、浸炭層の生成後、加熱室内が圧力P1 の窒素雰囲気に復圧された状態で窒化性ガスと共に、硫化物生成ガスが供給され、焼入温度T5 に均熱保持される間にワーク表面に浸炭層に加えて窒化層および硫化層が形成され、この状態で焼入れされ、浸炭窒化焼入れと浸硫処理との複合処理が一工程で同時に行うことができる。
【0034】
なお、本発明に係わる浸硫浸炭処理方法および浸硫浸炭窒化処理方法においては、前述したように、ガス浸炭あるいはガス浸炭窒化プロセスの後半において、硫化物を生成するガスを加熱室内に供給することによって、浸炭層あるいは浸炭窒化層に加えて浸硫層を生成させるものであるからして、ガス浸炭やガス浸炭窒化については、上記の例示方法のみに限定される訳ではなく、真空浸炭法や変成炉方式などのガス浸炭方法、ガス浸炭窒化方法をも広く適用することができる。
【0035】
また、本発明に係わる上記各浸硫処理方法においては、硫化水素や二硫化炭素のような硫化物が使用される関係上、処理に使用されたのちの排気ガス中には上記硫化物のガスが含まれることになる。したがって、本発明に係わる各種浸硫処理に際しては、使用する処理設備に硫化物の除害処理を行う硫化物処理手段を設けて、硫化物ガスを処理した上で排気することが必要となる。
【0036】
【実施例】
以下、本発明を実施例に基づいてさらに具体的に説明する。
【0037】
JIS G 4105に規定されるクロムモリブデン鋼SCM415を用いて、歯数:31、歯幅:16mm、モジュール:2.55、圧力角:22.5°、ピッチ内径:79mmの歯車を作成した。
【0038】
そして、これら歯車を図4に示すような雰囲気炉1に装入し、図5に示すパターンの浸硫浸炭窒化処理を施した。
【0039】
すなわち、図6に示す雰囲気炉1の前室3の入口側真空扉3aを開放し、前記歯車(ワーク)をトレーに載置した状態で前室3内に入れ、真空扉3aを閉じた状態で、真空排気装置を作動させて前室3および加熱室2内の空気をパージしたのち、図外のガス制御装置を介して窒素ガスを導入し、大気圧(P1 )に復圧することにより前室3および加熱室2内を窒素ガスに置換した。
【0040】
次に、前室3の内側真空扉3bおよび加熱室2の断熱扉2aを開放し、炉内搬送装置5を作動させてワークとしての歯車をトレーと共に押し出し、加熱室2内に装入したのち、真空扉3bおよび断熱扉2aを閉じ、撹拌用のファン12を回転させながら、加熱室2のラジアントチューブヒータ10に通電して昇温を開始した。
【0041】
加熱室2の温度が、この実施例における浸炭温度900℃(T4 )に到達した時点で、加熱室2内の窒素ガスを真空排気し、13Pa(P2 =0.1Torr)となるまで減圧したのち、浸炭性ガスとしてアセチレンガスと窒素との50%混合ガスを加熱室2内の圧力P3 が1068Pa(8Torr)となるまで供給した。そして、5秒間この圧力P3 に保持したのち、真空排気を開始して加熱室2内を13Pa(P2 )まで減圧し、再度アセチレンガスの混合ガスを供給するという操作を4分ごとに都合15回繰り返した(浸炭時間t5 =60分)。
【0042】
次いで、減圧雰囲気にさらに60分(t6 )保持して拡散させたのち、焼入温度850℃(T5 )への降温を開始すると共に、加熱室2内を窒素ガスにより大気圧(P1 )に復圧した。そして窒化性ガスとしてのアンモニアガスを加熱室2内に標準状態で毎分1NL供給すると共に、窒素中に浸硫用の硫化物生成ガスである硫化水素を1%含有する混合ガスを毎分15NL供給した。
【0043】
アンモニアガスおよび硫化水素の混合ガスを供給しながら、焼入温度850℃に60分保持してワークの均熱化を図ったのち、前室3の内側真空扉3bおよび加熱室2の断熱扉2aを開放した状態で、炉内搬送装置5を作動させてワークである歯車をトレーと共に加熱室2から引き出し、前室3内の雰囲気圧力を4000Pa(P4 =300Torr)に減圧したのち、昇降装置6の下降作動によって歯車(ワーク)を80℃に調整した油槽4内に焼入れた。
【0044】
図7は、上記処理を施した歯車表面部のEPMAによる分析結果を示すものであって、歯車表面には、C,NおよびSの富化現象が認められ、浸炭層,窒化層と共に、浸硫層が生成していることが確認された。
【0045】
また、図8は、上記歯車表面部の硬度分布をマイクロビカース硬度計を用いて、0.3kg荷重で測定した結果を示すものであって、最高硬さ約800Hv、0.5mmの有効硬化層深さ(550Hv以上)を備えた硬化層が形成されていることが確認された。
【0046】
さらに、図10は、上記歯車について、負荷サイクル60Hzでパルセータ式歯車疲労試験(図9参照)を行った結果を示し、本発明に係わる上記浸硫浸炭窒化処理を施した歯車においては、浸硫層の形成によって潤滑性,耐摩耗性が向上してピッチング強度が増し、同様の条件のもとに、硫化水素を供給することなく浸炭窒化処理のみを施した比較歯車に較べて、疲労強度が向上していることが判明した。
【0047】
また、実装試験の結果、上記浸硫浸炭窒化処理を施した歯車においては、浸硫層の形成によって潤滑性が向上し、ギヤ鳴りが大幅に減少することも確認されている。
【0048】
【発明の効果】
本発明の請求項1に係わる浸硫焼入処理方法においては、鋼製ワークが焼入温度に均熱保持されている間に、硫化水素のような硫化物を生成するガスを加熱室内に供給し、ワーク表面に浸硫層を生成させて焼入れするようにしているので、焼入れと浸硫処理との複合処理を一工程で同時に行うことができ、焼入れ処理による強度と浸硫層の形成による表面潤滑性や耐摩耗性を兼ね備えた製品を安価に得ることができ、請求項2に係わる浸硫焼入処理方法においては、硫化物生成ガスと共にアンモニアガスを供給するようにしているので、加熱室内が還元性雰囲気となって浸硫層が形成されやすくなると共に、ワーク表面に若干の窒素が侵入することによって、焼入れ性や焼戻し抵抗を向上させることができるという極めて優れた効果がもたらされる。
【0049】
本発明の請求項3に係わる浸硫浸炭処理においては、ガス浸炭によって鋼製ワーク表面に浸炭層を生成させたのち、硫化物生成ガスを加熱室内に供給しワーク表面に浸炭層と共に浸硫層を生成させて焼入れするようにしているので、浸炭焼入れと浸硫処理との複合処理が一工程で同時に行われ、浸炭焼入処理による性能と浸硫層の形成による性能とを併せ持った製品を安価に得ることができ、請求項4に係わる浸硫浸炭処理方法においては、鋼製ワークを窒素雰囲気中で加熱し、炭化水素系ガスのような浸炭性ガスを加熱室内に供給して浸炭層を生成させるようにしているので、ワークの昇温が速やかで、浸炭層を容易に形成することができ、請求項5に係わる浸硫浸炭処理方法においては、鋼製ワークを窒素雰囲気中で加熱し、昇温後加熱室をいったん減圧したのち、浸炭性ガスを断続供給して加熱室内に圧力変動を生じさせて浸炭層を形成するようにしているので、細い穴や狭いスリットを備えた複雑な形状のワークの場合でも浸炭むらを防止することができ、請求項6に係わる浸硫浸炭処理方法においては、硫化物生成ガスの供給を焼入温度への降温過程、もしくは焼入温度での保持期間に開始するようにしているので、高温度での長時間の浸硫を避けることができ、硫黄の製品の内部への浸透を防止することができるという極めて優れた効果がもたらされる。
【0050】
本発明の請求項7に係わる浸硫浸炭窒化処理においては、ガス浸炭によって鋼製ワーク表面に浸炭層を生成させたのち、アンモニアガスのような窒化性ガスと硫化物生成ガスとを加熱室内に供給し、ワーク表面に浸炭窒化層と共に浸硫層を生成させて焼入れするようにしているので、浸炭窒化焼入れと浸硫処理との複合処理が一工程で同時に行われ、浸炭窒化焼入処理による性能と浸硫層の形成による性能とを兼ね備えた製品を低コストのもとに得ることができ、請求項8に係わる浸硫浸炭窒化処理方法においては、請求項4に係わる浸硫浸炭処理方法と同様に、鋼製ワークを窒素雰囲気中で加熱し、浸炭性ガスを加熱室内に供給して浸炭層を生成させるようにしているので、ワークの昇温が速やかで、浸炭層を容易に形成することができ、請求項9に係わる浸硫浸炭窒化処理方法においては、請求項5に係わる浸硫浸炭処理方法と同様に、鋼製ワークを窒素雰囲気中で加熱して昇温後加熱室をいったん減圧したのち、浸炭性ガスを断続供給して加熱室内に圧力変動を生じさせて浸炭層を形成するようにしているので、複雑な形状のワークの場合でも浸炭むらをなくすことができるという効果がもたらされる。
【0051】
請求項10に係わる浸硫浸炭窒化処理方法においては、ガス浸炭窒化によって鋼製ワーク表面に浸炭窒化層を生成させたのち、硫化物生成ガスを加熱室内に供給し、ワーク表面に浸炭窒化層と共に浸硫層を生成させて焼入れするようにしているので、同様に浸炭窒化焼入れと浸硫処理との複合処理を一工程で同時に行うことができ、浸炭窒化焼入処理による性能と浸硫層の形成による性能とを兼ね備えた製品を安価に得ることができ、請求項11に係わる浸硫浸炭窒化処理方法においては、ガス浸炭窒化によって鋼製ワーク表面に浸炭窒化層を生成させたのち、窒化性ガスの供給を継続しつつ、硫化物生成ガスを加熱室内に供給しワーク表面に浸炭窒化層と共に浸硫層を生成させて焼入れするようにしているので、ワーク表面に侵入した窒素が均熱保持中に抜けてしまうようなことがない。さらに、請求項12に係わる浸硫浸炭窒化処理方法においては、鋼製ワークを窒素雰囲気中で加熱し、浸炭性ガスおよび窒化性ガスを加熱室内に供給して浸炭窒化層を生成させるようにしているので、ワークの昇温が速やかで、浸炭窒化層を容易に形成することができ、請求項13に係わる浸硫浸炭窒化処理方法においては、硫化物生成ガスの供給を焼入温度への降温過程、もしくは焼入温度での保持期間に開始するようにしているので、請求項6に係わる浸硫浸炭処理方法と同様に、高温度での長時間の浸硫が回避され、硫黄の製品内部への深い浸透を防止することができるという極めて優れた効果がもたらされる。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明に係わる浸硫焼入処理方法におけるヒートパターンおよび硫化物生成ガス供給のタイミングの一例を示す説明図である。
【図2】本発明に係わる浸硫浸炭処理方法におけるヒートパターンと、浸炭性ガスおよび硫化物生成ガス供給のタイミングの一例を示す説明図である。
【図3】本発明に係わる浸硫浸炭処理方法におけるヒートパターンと、浸炭性ガスおよび硫化物生成ガス供給のタイミングの他の例を示す説明図である。
【図4】本発明に係わる浸硫浸炭窒化処理方法におけるヒートパターンと、浸炭性ガス,窒化性ガスおよび硫化物生成ガス供給のタイミングの一例を示す説明図である。
【図5】本発明に係わる浸硫浸炭窒化処理方法におけるヒートパターンと、浸炭性ガス,窒化性ガスおよび硫化物生成ガス供給のタイミングの他の例を示す説明図である。
【図6】(a)および(b)は本発明の実施例に用いた雰囲気炉の構造を示すそれぞれ正面図および側断面図である。
【図7】本発明に係わる浸硫浸炭窒化処理を施した歯車表面におけるC,N,SおよびFeの分析結果を示すグラフである。
【図8】本発明に係わる浸硫浸炭窒化処理を施した歯車表面における硬度分布の測定結果を示すグラフである。
【図9】パルセータ式歯車疲労試験の要領を示す概略図である。
【図10】本発明に係わる浸硫浸炭窒化処理を施した歯車のパルセータ式歯車疲労試験結果を浸炭窒化処理のみを施した歯車と比較して示すグラフである。

Claims (13)

  1. 加熱室内に収納した鋼製ワークを窒素雰囲気中で所定の焼入温度に加熱したのち、当該焼入温度に均熱保持しながら加熱室内に硫化物を生成するガスを供給しワーク表面に浸硫層を生成させて焼入れすることを特徴とする浸硫焼入処理方法。
  2. 硫化物生成ガスと共にアンモニアガスを供給することを特徴とする請求項1記載の浸硫焼入処理方法。
  3. ガス浸炭により加熱室内の鋼製ワーク表面に浸炭層を生成させたのち、加熱室内に硫化物を生成するガスを供給しワーク表面に浸炭層と共に浸硫層を生成させて焼入れすることを特徴とする浸硫浸炭処理方法。
  4. 加熱室内に収納した鋼製ワークを窒素雰囲気中で所定の浸炭温度に加熱し、加熱室内に浸炭性ガスを供給してワーク表面に浸炭層を生成させることを特徴とする請求項3記載の浸硫浸炭処理方法。
  5. 加熱室内に収納した鋼製ワークを窒素雰囲気中で所定の浸炭温度に加熱し、昇温後加熱室内を一旦減圧したのち、加熱室内に浸炭性ガスを断続的に供給して加熱室内の圧力を変動させながらワーク表面に浸炭層を生成させ、浸炭層の生成後加熱室内を窒素雰囲気にした状態で硫化物を生成するガスを加熱室内に供給することを特徴とする請求項3記載の浸硫浸炭処理方法。
  6. 焼入温度への降温過程または焼入温度での均熱保持期間内に硫化物生成ガスの供給を開始することを特徴とする請求項3ないし請求項5のいずれかに記載の浸硫浸炭処理方法。
  7. ガス浸炭により加熱室内の鋼製ワーク表面に浸炭層を生成させたのち、加熱室内に窒化性ガスおよび硫化物を生成するガスを供給しワーク表面に浸炭窒化層と共に浸硫層を生成させて焼入れすることを特徴とする浸硫浸炭窒化処理方法。
  8. 加熱室内に収納した鋼製ワークを窒素雰囲気中で所定の浸炭温度に加熱し、加熱室内に浸炭性ガスを供給してワーク表面に浸炭層を生成させることを特徴とする請求項7記載の浸硫浸炭窒化処理方法。
  9. 加熱室内に収納した鋼製ワークを窒素雰囲気中で所定の浸炭温度に加熱し、昇温後加熱室内を一旦減圧したのち、浸炭性ガスを断続的に供給して加熱室内の圧力を変動させながらワーク表面に浸炭層を生成させ、浸炭層の生成後加熱室内を窒素雰囲気にした状態で窒化性ガスおよび硫化物を生成するガスを供給することを特徴とする請求項7記載の浸硫浸炭窒化処理方法。
  10. ガス浸炭窒化により加熱室内の鋼製ワーク表面に浸炭窒化層を生成させたのち、加熱室内に硫化物を生成するガスを供給しワーク表面に浸炭窒化層と共に浸硫層を生成させて焼入れすることを特徴とする浸硫浸炭窒化処理方法。
  11. ガス浸炭窒化により加熱室内の鋼製ワーク表面に浸炭窒化層を生成させたのち、さらに窒化性ガスの供給を続けながら硫化物を生成するガスを加熱室内に供給しワーク表面に浸炭窒化層と共に浸硫層を生成させて焼入れすることを特徴とする浸硫浸炭窒化処理方法。
  12. 加熱室内に収納した鋼製ワークを窒素雰囲気中で所定の浸炭窒化温度に加熱し、加熱室内に浸炭性ガスおよび窒化性ガスを供給してワーク表面に浸炭窒化層を生成させることを特徴とする請求項10または請求項11載の浸硫浸炭窒化処理方法。
  13. 焼入温度への降温過程または焼入温度での均熱保持期間内に硫化物生成ガスの供給を開始することを特徴とする請求項7ないし請求項12のいずれかに記載の浸硫浸炭窒化処理方法。
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