JP3450426B2 - ガス浸硫窒化処理方法 - Google Patents

ガス浸硫窒化処理方法

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JP3450426B2
JP3450426B2 JP11145194A JP11145194A JP3450426B2 JP 3450426 B2 JP3450426 B2 JP 3450426B2 JP 11145194 A JP11145194 A JP 11145194A JP 11145194 A JP11145194 A JP 11145194A JP 3450426 B2 JP3450426 B2 JP 3450426B2
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澤 均 椛
義 孝 ▲高▼橋
本 誠 次 山
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株式会社日本テクノ
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Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【産業上の利用分野】本発明は、鋼の表面に硬くて緻密
な窒素化合物層や窒素拡散硬化層を形成させると共に、
さらにその上に固体潤滑性のある浸硫層を生成させるこ
とにより、歯車,シャフト,金型といった鋼部品の耐磨
耗性,耐焼付性,耐かじり性などを改善するのに利用さ
れるガス浸硫窒化処理方法に関するものである。
【0002】
【従来の技術】浸硫窒化処理は、鋼の表面に窒素と硫黄
を拡散浸透させることにより、鋼の耐磨耗性や耐焼付性
などの改善を図る表面硬化法の一種であり、硫化物を添
加した溶融塩浴に被処理品を浸漬する塩浴法により行わ
れてきた。
【0003】また、NH3 やNH3 −RXガス,NH3
−N2 など各種の窒化雰囲気ガスにH2 S(硫化水素)
やCS2 (二硫化炭素)などの硫化物を浸硫要素として
少量添加した浸硫窒化雰囲気ガスを用いるガス浸硫窒化
法が実験室的に試みられている。
【0004】
【発明が解決しようとする課題】しかしながら、上記塩
浴法においては、例えばNa2 2 3 (チオ硫酸ナト
リウム)を浸硫要素として添加したNaCN,NaCN
O,Na2 CO3 などの溶融塩浴を使用する関係上、公
害対策が必要であるばかりでなく、塩浴成分であるシア
ン化合物やシアン酸化物、硫化物が高温で分解し易く、
変質して塩浴の浸硫性能や窒化性能が劣化するので、長
時間にわたって均一な処理を行うことが困難であるとい
う問題がある。 また、塩浴法では、微妙な窒素濃度の
制御が難しく、どうしても窒素濃度が過剰となり易く、
硬くて脆い多孔質層を備えた厚い窒素化合物が生成して
しまい、せっかく表面に形成された浸硫層も初期摩耗の
段階において多孔質層と共に消失する結果となって、処
理効果にばらつきが生じるという問題点がある。
【0005】一方、ガス浸硫窒化法においては、シアン
化合物のような猛毒物質を使用しない利点があるもの
の、少量とはいえ硫化水素や二硫化炭素などの有毒ガス
を使用するため、装置から排出される廃棄ガスの処理に
問題があると共に、塩浴法同様に、窒素過剰となって、
多孔質層を備えた厚い窒素化合物層が生成し易く、ばら
つきのない均一な処理が難しいという問題点のために実
験室的規模に留まっているのが実情であって、これら問
題点の解消がこのようなガス浸硫窒化処理を工業的に実
用化し、量産化するための課題となっていた。
【0006】
【発明の目的】本発明は、従来のガス浸硫窒化処理にお
ける上記課題に着目してなされたものであって、窒素化
合物層に脆弱な多孔質層を生成させることなく、緻密な
窒素化合物層や窒素拡散硬化層を潤滑性に富む浸硫層と
共に安定して生成させることができ、被処理品の初期摩
耗量を減少させ、耐磨耗性,耐焼付性などの大幅な改善
が可能なガス浸硫窒化処理方法を提供することを目的と
している。
【0007】
【課題を解決するための手段】本発明に係わるガス浸硫
窒化処理方法は、NHを含む窒化雰囲気ガスにガス状
の硫化物を添加した浸硫窒化雰囲気中に被処理品を保持
して、処理品の表面に窒素化合物層および窒素拡散硬化
層を生成させ、さらにその上に浸硫層を生成させるガス
浸硫窒化処理方法において、450〜530℃の処理温
度範囲において窒化させたのち、NHの供給を低減な
いしは停止すると共に、550〜590℃の処理温度範
囲において窒素を内部拡散させる構成、550〜590
℃の処理温度範囲においてNHの供給を断続させて、
表面窒化と窒素の内部拡散とを交互に繰り返す構成、あ
るいは450〜530℃の温度範囲から550〜590
℃の温度範囲に処理温度を徐々に上昇させる構成とした
ことを特徴としている。また、本発明に係わるガス浸硫
窒化処理装置は、被処理品を装入する密閉容器と、密閉
容器内の被処理品を加熱する加熱手段と、密閉容器内を
排気する排気手段と、密閉容器内にキャリヤガスを供給
するキャリヤガス供給手段と、密閉容器内にNHを供
給するアンモニアガス供給手段と、密閉容器内にガス状
の硫化物を供給する硫化物供給手段と、キャリヤガス,
NHおよび硫化物の供給量を制御するガス流量制御手
段と、密閉容器内に連結され密閉容器内から排出される
廃棄ガス中に含まれるNHを分解するアンモニア分解
手段と、アンモニア分解手段に連結されアンモニア分解
手段からの排出ガス中に含まれる硫化物を除害処理する
硫化物処理手段と、硫化物処理手段に連結され硫化物処
理手段からの排出ガスを燃焼させる燃焼手段を備えた構
成としたことを特徴としており、このようなガス浸硫窒
化処理方法および装置の構成を前述した従来の課題を解
決するための手段としている。
【0008】本発明に係わるガス浸硫窒化処理方法にお
いて、浸硫要素として窒化雰囲気ガス中に添加される硫
化物としては、硫化水素あるいは二硫化炭素などを用い
ることができる。
【0009】このうち、二硫化炭素は常温では液状をな
しているので、恒温槽内に設置した容器に入れ、これに
2 あるいはArなどのキャリヤガスをバブリングさせ
ることによって蒸発させ、キャリヤガスとともに密閉容
器内に送給する。 なお、雰囲気中の濃度制御について
は、恒温槽の温度およびキャリヤガスの通気量を調整す
ることによって行う。
【0010】硫化水素を使用する場合には、硫化水素発
生器あるいはボンベ入りの硫化水素を使用するが、硫化
水素をN2 によって1%程度に希釈した市販のボンベ入
りガスを使用することが、微量な硫化水素を制御するう
えで、あるいは安全管理のうえで望ましい。
【0011】また、市販の硫化アンモニウム液を使用
し、これに、二硫化炭素の場合と同様にキャリヤガスを
バブリングさせることによって、当該硫化アンモニウム
液に溶解している硫化水素をNH3 とともに気化させ
て、キャリヤガスによって密閉容器内に送給するように
してもよい。
【0012】窒化雰囲気ガスとしては、通常のガス窒化
雰囲気として知られているNH3 −N2 ,NH3 −N2
−CO2 ,NH3 −CO2 ,NH3 、あるいはNH3
RXガスなどを使用することができるが、上記硫化物と
の反応が少ないNH3 −N2の使用が制御上好ましい。
【0013】本発明に係わるガス浸硫窒化処理方法にお
いては、窒素化合物層に脆弱な多孔質層が生成しないよ
うに、厳密な雰囲気制御のもとで比較的低い処理温度に
おいて浸硫窒化処理がなされる。
【0014】例えば、処理温度が450〜530℃の範
囲の低温処理、450〜530℃の温度範囲において窒
化させたのちNH3 の供給を低減ないしは停止するとと
もに、550〜590℃の処理温度において窒素を内部
拡散させる2段処理、550〜590℃の温度範囲にお
いてNH3 の供給を断続させて表面窒化と窒素の内部拡
散とを交互に繰り返すパルス処理、さらには処理温度を
450〜530℃の温度範囲から550〜590℃の温
度範囲に徐々に上昇させる勾配処理などを目的に応じて
選択することができる。
【0015】すなわち、低温処理では、処理温度が45
0〜530℃と低いので極めて薄い窒素化合物層しか生
成せず、しかも窒素拡散硬化層も浅いので、例えば刃物
やドリルの刃先の処理などに適している。 このとき、
処理温度が450℃未満の場合には窒化が起らず、53
0℃を超えた場合には窒素化合物層の厚さが増大する。
【0016】また、2段処理においては、窒素化合物の
生成しにくい低温で窒化させたのち、NH3 の供給を中
止して拡散速度の速い高温で窒素を内部拡散させるので
窒素化合物層が薄く、拡散硬化層の比較的深い処理が可
能となる。
【0017】パルス処理では、550〜590℃という
比較的高い温度範囲においてNH3の供給を断続させる
ことにより、窒化と拡散とを繰り返すようにしているの
で、窒素化合物をさほど生成させることなく、窒素拡散
硬化層の深い処理を行うことができる。 このとき、処
理温度が550℃未満の場合には窒素の拡散速度が低く
なって拡散硬化層を深くすることができず、逆に処理温
度が590℃を超えた場合には窒素化合物層に脆弱な多
孔質層が形成されることになる。
【0018】さらに、勾配処理においては、窒素化合物
の生成しにくい低温域から窒素拡散の速い高温域まで徐
々に処理温度を上昇させるので、表面窒化と内部拡散が
バランスよく進行し、窒素化合物層をさほど増加させる
ことなく、窒素拡散硬化層の深い処理を行うことができ
る。
【0019】本発明に係わる浸硫窒化処理方法において
は、上記の各処理パターンを適宜組合わせたり、繰り返
したりすると共に、処理時間や雰囲気ガス組成を被処理
品の材質(鋼種),形状,寸法などに応じて選択するこ
とにより、目的に合致した硬化層深さを得ることができ
る。 このとき、硫黄は、窒素と異なり、α鉄に対して
ほとんど固溶限をもたないので、当該処理による浸硫層
は被処理品の表面のみに限定され、窒素化合物層の上に
3〜5μm程度の厚さに形成され、この浸硫層の厚さは
処理時間を長くしてもほとんど厚くはならない。
【0020】なお、本発明に係わるガス浸硫窒化処理方
法においては、上記のように、少量の硫化水素や二硫化
炭素のような有毒の硫化物が使用される関係上、処理に
使用されたのちの排気ガス中には未分解NH3 と共
に、上記硫化物のガスが含まれる。 したがって、本発
明に用いるガス浸硫窒化処理装置には、アンモニア分解
手段と共に上記硫化物の除害処理を行う硫化物処理手段
が設けてあり、残留NH3 を分解すると共に、硫化物
濃度を環境基準値以下の濃度に低下させたのち、燃焼手
段によって燃焼させて排気するようにしている。
【0021】
【発明の作用】本発明に係わるガス浸硫窒化処理方法に
おいては、例えば、少量の硫化水素や二硫化炭素などの
ガス状硫化物を添加したNH3 −N2 系浸硫窒化雰囲気
中において、当該雰囲気ガス成分を制御することによっ
て、例えば、窒素化合物の生成しにくい低温で被処理品
を窒化させたり、窒化後昇温することによって窒素を内
部拡散させたり、NH3 の供給を断続させることにより
窒化と拡散とを繰り返したりするようにしているので、
処理パターンの選択や組合わせによって、窒素拡散硬化
層の深さがそれぞれの目的に応じた適切なものとなり、
しかも窒素化合物層が増大したり、当該窒素化合物層に
脆弱な多孔質層が生成したりすることがない。 また、
硫黄はα鉄に対してほとんど固溶しないので、被処理品
表面に生成された窒素化合物層の上に潤滑性に富む浸硫
層が形成されることとなる。
【0022】
【0023】
【実施例】以下、本発明を図面に基づいて具体的に説明
する。
【0024】図1は、本発明に係わるガス浸硫窒化処理
方法に使用する装置の一例を示すものであって、図に示
すガス浸硫窒化処理装置1は、被処理品Sを挿入するレ
トルト(密閉容器)2を中心に構成されており、レトル
ト2の周囲は断熱材3によって覆われ、当該断熱材3の
内面には、レトルト2内の被処理品Sを加熱する加熱手
段としてのヒータ4が配設されている。
【0025】レトルト2には、雰囲気を攪拌してレトル
ト2内の温度分布を均一化するためのファン2aが設け
てあると共に、当該レトルト2の内部をパージしたり、
内部雰囲気を制御したりするための各種配管が接続され
ている。
【0026】すなわち、レトルト2には、処理に先だっ
てレトルト2内の空気をパージするために、当該レトル
ト2内を真空排気する排気手段としての真空ポンプ5が
バルブV1 を介して接続されると共に、真空排気された
レトルト2内にN2 ガスを供給するための復圧用窒素ボ
ンベ6がバルブV2 を介して接続されている。
【0027】また、前記レトルト2には、レトルト2内
にN2 ガスを供給するキャリヤガス供給手段としての窒
素ボンベ7がバルブV3 ,V4 、および高精度の流量計
であるマスフロメータM1 を介して接続されると共に、
バルブV3 およびV4 の間から分岐された配管には、バ
ルブV5 およびマスフロメータM2 を介して1%の硫化
水素を含むN2 ガスの詰まった硫化水素入り窒素ボンベ
8が接続されており、レトルト2内に硫化水素を供給す
る硫化物供給手段を構成している。
【0028】さらに、アンモニア供給手段としてのアン
モニアボンベ9がバルブV6 およびマスフロメータM3
を介して前記レトルト2に接続され、NH3 ガスをレト
ルト2内に供給するようになっており、これらマスフロ
メータM1 ,M2 ,M3 により、N2 ガス,NH3 ガス
および硫化水素の供給量を制御するガス流量制御手段が
構成されている。
【0029】なお、断熱材3とレトルト2の間に形成さ
れる炉内空間は、断熱材を貫通して設けられた配管によ
り、バルブV7 およびV8 を介して外気に連通してお
り、バルブV7 およびV8 を開放した状態において、バ
ルブV7 に接続された冷却ブロア10を作動させること
により、当該炉内空間に外気が導入され、レトルト2内
の被処理品Sを強制冷却することができるようにしてあ
る。
【0030】前記レトルト2は、排気管11およびバル
ブV9 を介してアンモニア分解炉(アンモニア分解手
段)12に接続されており、レトルト2からの排出ガス
は当該アンモニア分解炉12中に導かれ、分解炉12中
で高温に保持したNi系のアンモニア分解用触媒と接触
することによって、排出ガスに含まれるNH3 が窒素と
水素に分解される。
【0031】アンモニア分解炉12は、配管13によっ
てガスクーラー14に接続されており、ここでアンモニ
ア分解炉12からの排出ガスが一旦冷却されるようにな
っている。 なお、排出ガス量の少ない小型の浸硫窒化
処理装置の場合には、排出ガスが配管13を通過する間
に十分に冷却されることから、このようなガスクーラー
14を省略してもよい。
【0032】ガスクーラー14は、配管15を介して硫
化物処理手段である硫化水素分解装置16に接続されて
おり、ガスクーラー14により冷却されたアンモニア分
解炉12からの排出ガスが当該分解装置16中に充填さ
れた酸化鉄に接触するようになっており、これによって
排出ガス中に含まれる硫化水素が硫化鉄と水に分解され
る。
【0033】前記硫化水素分解装置16には、排出管1
7を介して燃焼筒18(燃焼手段)が接続されており、
当該燃焼筒18において、窒素,水素および水蒸気を含
む硫化水素分解装置16からの排出ガスを燃焼した上
で、燃焼ガスを排気ブロア19によって屋外に排気する
ようになっている。
【0034】なお、配管の所々に配設されたバルブV1
0,V11,V12,V13,V14は、それぞれの箇所におけ
るガス濃度を測定するためのサンプリング用のものであ
り、例えばバルブV11からサンプリングされた雰囲気の
残留アンモニア濃度を参照することによって、ガス供給
量を自動的に制御するようになすことも可能である。
【0035】また、上記ガス浸硫窒化処理装置1は、浸
硫源となる硫化物として硫化水素を使用する場合の装置
構成を示すものであって、硫化物として二硫化炭素を用
いる場合には、例えば硫化水素分解装置16の前に二硫
化炭素分解装置を設け、当該分解装置においてアンモニ
ア分解炉12からの排出ガスを水と共に加熱することに
よって二硫化炭素を硫化水素と二酸化炭素に分解したの
ち、硫化水素分解装置16に導き入れるようにすればよ
い。
【0036】次に、上記構成のガス浸硫窒化処理装置1
を用いて、種々の材質の試験片に種々の処理条件によっ
て浸硫窒化処理を施し、組織観察と共に硬度分布の測定
を行い、窒素化合物層や拡散硬化層の厚さを調査した。
【0037】参考例 まず、JIS G 4104に規定されるクロム鋼鋼材
SCr420からなる試験片を数個用意し、ガス浸硫窒
化処理装置1のすべてのバルブを閉じた状態で、上蓋を
開き、前記試験片(被処理品S)をレトルト2内に装入
した。
【0038】次に、上蓋を閉じ、バルブV1 を開けると
共に真空ポンプ5を作動させて、レトルト2内を真空排
気したのち、バルブV1 を閉じ、バルブV2 を開けるこ
とにより、レトルト2内をN2 ガスにより大気圧まで復
圧して、バルブV2 を閉じた。
【0039】そして、処理ガス導入用のバルブV3 ,V
4 ,V5 ,V6 およびガス排出用のバルブV9 を開いて
2 およびNH3 ガスと共にH2 S(硫化水素)を流し
ながら、ヒータ4に通電し、レトルト2内を510℃ま
で加熱し、この温度に5時間保持した。 なお、このと
きの各ガスの流量については、N2 ガスについては毎時
1m3 、NH3 ガスについては毎時2m3 、H2 Sにつ
いては、1%H2 SとN2 ガスとの混合ガス量として毎
分1L(H2 Sとしては毎時0.6L)に制御した。
このときの加熱温度および雰囲気ガス制御のタイムチャ
ートを図2に示す。 また、レトルト2内の温度および
雰囲気ガス組成が定常状態に達した後のレトルト2から
の排出ガス中の残留NH3 量は、約63.5%であっ
た。
【0040】5時間が経過した後、ヒータ4への通電を
切り、バルブV3 ,V4 を開いたまま、バルブV5 およ
びV6 を閉じることによりNH3 とH2 Sガスの供給を
止め、レトルト2内の雰囲気をN2 によってパージしな
がら、バルブV7 およびV8を開くとともに冷却ブロア
10を作動させ、これによって断熱材3とレトルト2の
間の炉内空間に外気を導入してレトルト2内の試験片を
強制冷却した。
【0041】冷却終了後、冷却ブロア10を停止させ、
バルブV7 ,V8 ,V3 ,V4 およびV9 を閉じ、上蓋
を開いて試験片をレトルト2から取出し、組織観察およ
び硬度分布の測定によって、窒素化合物層や拡散硬化層
の厚さを調査した。
【0042】その結果は,表1に示すとおりで、脆弱な
多孔質層はいずれの試験片にも形成されておらず、窒素
化合物層も極めて僅かに形成されているにすぎなく、比
較的浅い窒素拡散硬化層(Hv400以上)が生成して
いることが確認された。
【0043】実施例1 JIS G 4105に規定されるクロムモリブデン鋼
鋼材SCM435からなる試験片を数個用意し、ガス浸
硫窒化処理装置1の上蓋を開き、当該試験片をレトルト
2内に装入した。
【0044】次に、上蓋を閉じ、上記参考例と同じ要領
により、レトルト2内の空気をパージし、Nガスによ
り大気圧まで復圧した。
【0045】そして、処理ガス導入用のバルブV3 ,V
4 ,V5 ,V6 およびガス排出用のバルブV9 を開いて
およびNHガスと共にHSを流しながら、ヒー
タ4に通電し、レトルト2内を510℃まで加熱し、こ
の温度に3時間保持した。なお、このときの各ガスの流
量については、前記参考例と同様に、Nガス:毎時1
m3 ,NHガス:毎時2m3 ,HSガス:毎時0.
6Lにそれぞれ制御した。
【0046】そして、3時間が経過したのち、V6 を閉
じてNH3 の供給を中断させ、N2とH2 Sを流しなが
ら、レトルト2内を560℃に昇温し、この温度に2時
間保持し、2時間の経過後再びV6 を開き、N2 ,NH
3 ,H2 S雰囲気下で1時間だけさらに窒化させた。
このときの加熱温度および雰囲気ガス制御のタイムチャ
ートを図3に示す。 また、レトルト2からの排出ガス
中の残留NH3 量は、昇温前で約63.0%、昇温後の
窒化処理中では58.5%であった。 なお、この処理
終了間際の再窒化処理は、表面硬度の不足に対処するた
めのものであって、CrやAl含有量の高い鋼種におい
ては必ずしも必要はない。
【0047】こののち、ヒータ4への通電を切り、前記
参考例と同様に、NHとHSの供給を止め、レトル
ト2内の雰囲気をNによってパージしながら、冷却ブ
ロア10を作動させ、レトルト2内の試験片を強制冷却
した。
【0048】冷却終了後、冷却ブロア10を停止させ、
同様の要領により、上蓋を開いて試験片をレトルト2か
ら取出し、組織観察および硬度分布の測定によって、窒
素化合物層や拡散硬化層の厚さを調査した。
【0049】その結果は、表1に合わせて示すとおり
で、上記参考例と同様に、脆弱な多孔質層はいずれの試
験片にも形成されておらず、窒素化合物層が薄く、窒素
拡散硬化層の比較的深い浸硫窒化処理が可能であること
が確認された。
【0050】実施例2 JIS G 4105に規定されるクロムモリブデン鋼
鋼材SCM435からなる試験片を数個用意し、ガス浸
硫窒化処理装置1の上蓋を開き、当該試験片をレトルト
2内に装入した。
【0051】次に、上蓋を閉じ、上記実施例1と同じ要
領により、レトルト2内の空気をパージし、N2 ガスに
より大気圧まで復圧したのち、処理ガス導入用のバルブ
V3,V4 ,V5 ,V6 およびガス排出用のバルブV9
を開いてN2 およびNH3 ガスと共にH2 Sを流しなが
ら、ヒータ4に通電し、レトルト2内を560℃まで加
熱し、この温度に2時間保持した。 なお、このときの
各ガスの流量については、前記実施例1と同様に、N2
ガス:毎時1m3 ,NH3 ガス:毎時2m3 ,H2 Sガ
ス:毎時0.6Lにそれぞれ制御した。
【0052】そして、2時間が経過したのち、V6 を閉
じることによりNH3 の供給を2時間中断させ、2時間
経過後再びV6 を開いて、N2 ,NH3 ,H2 S雰囲気
下で2時間保持したのち、V6 を閉じることによりNH
3 の供給をさらに2時間中断させるとことによって、表
面窒化と窒素の内部拡散とをそれぞれ2時間ごとに2回
繰り返した。 このときの加熱温度および雰囲気ガス制
御のタイムチャートを図4に示す。 なお、レトルト2
からの排出ガス中の残留NH3 量は、前後2回の窒化処
理中で60.0%であった。
【0053】こののち、ヒータ4への通電を切り、前記
実施例1と同様に、NH3 とH2 Sの供給を止め、レト
ルト2内の雰囲気をN2 によってパージしながら、冷却
ブロア10を作動させ、レトルト2内の試験片を強制冷
却した。
【0054】冷却終了後、冷却ブロア10を停止させ、
同様の要領により、上蓋を開いて試験片をレトルト2か
ら取出し、組織観察および硬度分布の測定によって、窒
素化合物層や拡散硬化層の厚さを調査した。
【0055】その結果は、表1に合わせて示すとおり
で、上記実施例1と同様に、脆弱な多孔質層はいずれの
試験片にも形成されておらず、窒素化合物層が比較的薄
く、窒素拡散硬化層の深い浸硫窒化処理が可能であるこ
とが確認された。
【0056】実施例3 JIS G 4104に規定されるクロム鋼鋼材SCr
420からなる試験片を数個用意し、ガス浸硫窒化処理
装置1の上蓋を開き、当該試験片をレトルト2内に装入
した。
【0057】次に、上蓋を閉じ、上記実施例1と同じ要
領により、レトルト2内の空気をパージし、N2 ガスに
より大気圧まで復圧したのち、処理ガス導入用のバルブ
V3,V4 ,V5 ,V6 およびガス排出用のバルブV9
を開いてN2 およびNH3 ガスと共にH2 Sを流しなが
ら、ヒータ4に通電し、まずレトルト2内を510℃ま
で加熱し、510℃から560℃まで5時間かけて徐々
に昇温した。 なお、このときの各ガスの流量について
は、前記実施例1と同様に、N2 ガス:毎時1m3 ,N
3 ガス:毎時2m3 ,H2 Sガス:毎時0.6Lにそ
れぞれ制御した。 このときの加熱温度および雰囲気ガ
ス制御のタイムチャートを図5に示す。なお、レトルト
2からの排出ガス中の残留NH3 量については、63.
0%から60.0%に温度上昇に伴って徐々に減少し
た。
【0058】こののち、ヒータ4への通電を切り、前記
実施例1と同様に、NH3 とH2 Sの供給を止め、レト
ルト2内の雰囲気をN2 によってパージしながら、冷却
ブロア10を作動させ、レトルト2内の試験片を強制冷
却した。
【0059】冷却終了後、冷却ブロア10を停止させ、
同様の要領により、上蓋を開いて試験片をレトルト2か
ら取出し、組織観察および硬度分布の測定によって、窒
素化合物層や拡散硬化層の厚さを調査した。
【0060】その結果は、表1に合わせて示すとおり
で、上記実施例1と同様に、脆弱な多孔質層はいずれの
試験片にも形成されておらず、窒素化合物層がわずかに
厚くなるものの、窒素拡散硬化層の深い浸硫窒化処理が
可能であることが確認された。
【0061】
【表1】
【0062】摩擦摩耗試験 JIS G 4105に規定されるクロムモリブデン鋼
鋼材SCM415を素材として、厚さ6mm,直径50
mmの円板状試験片を切り出し、当該試験片に上記実施
例1と同様な方法によって浸硫窒化処理を施すととも
に、JIS G4401に規定される炭素工具鋼SK3
からなる接触面積2cmのリングを相手材として、回
転速度200rpm,荷重5kgfの条件で摩擦摩耗試
験を行い、45kgf・cmのトルクを超えるまでの回
転数を同一素材からなる未処理試験片や塩浴法によって
浸硫窒化処理を施した試験片の場合と比較することによ
り、本発明に係わるガス浸硫窒化処理方法による試験片
の耐摩擦摩耗性を評価した。
【0063】その結果は、表2に示すとおりで、未処理
品については、わずか35回転で、塩浴法による浸硫窒
化処理を施した試験片においても210回転でトルクオ
ーバーとなったのに対し、本発明に係わるガス浸硫窒化
処理方法を施した試験片においては、摩耗量も少なく、
510回転まで耐え、本発明に係わるガス浸硫窒化処理
を施すことによって耐摩擦摩耗性が大幅に改善されるこ
とが確認された。
【0064】なお、塩浴浸硫窒化処理については、約5
%のNa2 2 3 (チオ硫酸ナトリウム)を添加した
NaCN−Na2 CO3 −NaCl系塩浴中に、上記形
状の試験片を5時間浸漬することによって行った。
【0065】
【表2】
【0066】顕微鏡組織試験 図6および図7は、本発明に係わるガス浸硫窒化処理
と、従来の塩浴浸硫窒化処理を施した試験片の浸硫窒化
組織を比較して示す顕微鏡写真であって、本発明に係わ
るガス浸硫窒化処理方法による図6の浸硫窒化組織は、
図7に示した従来の塩浴浸硫窒化処理による浸硫窒化組
織にくらべ、窒素化合物層が薄いばかりでなく、脆弱な
多孔質層の生成が認められず、理想的な浸硫窒化組織と
なっていることが確認された。 なお、図6は前記実施
例2で得られた試験片の組織、図7は、クロム鋼鋼材S
Cr420からなる試験片を約5%のNa2 2
3 (チオ硫酸ナトリウム)を添加したNaCN−Na2
CO3 −NaCl系塩浴中に5時間浸漬した場合の浸硫
窒化組織をそれぞれ示すものである。
【0067】
【発明の効果】以上説明したように、本発明に係わるガ
ス浸硫窒化処理方法においては、例えば硫化水素などの
少量のガス状硫化物を添加した浸硫窒化雰囲気ガス中に
おいて、雰囲気ガス成分を制御することによって、例え
ば、窒素化合物の生成しにくい低温で被処理品を窒化さ
せたり、窒化後昇温することによって窒素を内部拡散さ
せたり、NH3 の供給を断続させることにより窒化と拡
散とを繰り返したりするようにしているので、窒素化合
物層に脆弱な多孔質層を生成させることなく、緻密な窒
素化合物層や窒素拡散硬化層を潤滑性に富む浸硫層と共
に安定して生成させることができ、しかも処理条件の選
択,組合わせによって窒素拡散硬化層を目的に応じた適
切な深さにすることができるという優れた効果がもたら
される。
【0068】
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明に係わるガス浸硫窒化処理方法を実施す
るための装置の構成を示す概略説明図である。
【図2】参考例に係わるガス浸硫窒化処理方法における
処理温度と雰囲気ガス組成の時間的関係を示すタイムチ
ャートである。
【図3】本発明に係わるガス浸硫窒化処理方法の第1の
実施例における処理温度と雰囲気ガス組成の時間的関係
を示すタイムチャートである。
【図4】本発明に係わるガス浸硫窒化処理方法の第2の
実施例における処理温度と雰囲気ガス組成の時間的関係
を示すタイムチャートである。
【図5】本発明に係わるガス浸硫窒化処理方法の第3の
実施例における処理温度と雰囲気ガス組成の時間的関係
を示すタイムチャートである。
【図6】本発明に係わるガス浸硫窒化処理方法による浸
硫窒化組織を示す顕微鏡写真である。
【図7】従来の塩浴法による浸硫窒化組織を示す顕微鏡
写真である。
【符号の説明】
1 ガス浸硫窒化処理装置 2 レトルト(密閉容器) 4 ヒータ(加熱手段) 5 真空ポンプ(排気手段) 7 窒素ボンベ(キャリヤガス供給手段) 8 硫化水素入り窒素ボンベ(硫化物供給手段) 9 アンモニアボンベ(アンモニア供給手段) 12 アンモニア分解炉(アンモニア分解手段) 16 硫化水素分解装置(硫化物処理手段) 18 燃焼筒(燃焼手段) S 被処理品 M1 ,M2 ,M3 マスフロメータ(ガス流量制御手
段)
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (56)参考文献 特開 平4−228557(JP,A) 特開 平3−105194(JP,A) 特開 昭60−39155(JP,A) (58)調査した分野(Int.Cl.7,DB名) C23C 8/28,8/34

Claims (4)

    (57)【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 NHを含む窒化雰囲気ガスにガス状の
    硫化物を添加した浸硫窒化雰囲気中に被処理品を保持し
    て、処理品の表面に窒素化合物層および窒素拡散硬化層
    を生成させ、さらにその上に浸硫層を生成させるガス浸
    硫窒化処理方法において、 450〜530℃の処理温度範囲において窒化させたの
    ち、NH3 の供給を低減ないしは停止すると共に、5
    50〜590℃の処理温度範囲において窒素を内部拡散
    させることを特徴とするガス浸硫窒化処理方法。
  2. 【請求項2】 NHを含む窒化雰囲気ガスにガス状の
    硫化物を添加した浸硫窒化雰囲気中に被処理品を保持し
    て、処理品の表面に窒素化合物層および窒素拡散硬化層
    を生成させ、さらにその上に浸硫層を生成させるガス浸
    硫窒化処理方法において、 550〜590℃の処理温度範囲においてNH3 の供
    給を断続させて、表面窒化と窒素の内部拡散とを交互に
    繰り返すことを特徴とするガス浸硫窒化処理方法。
  3. 【請求項3】 NHを含む窒化雰囲気ガスにガス状の
    硫化物を添加した浸硫窒化雰囲気中に被処理品を保持し
    て、処理品の表面に窒素化合物層および窒素拡散硬化層
    を生成させ、さらにその上に浸硫層を生成させるガス浸
    硫窒化処理方法において、 450〜530℃の温度範囲から550〜590℃の温
    度範囲に処理温度を徐々に上昇させることを特徴とする
    ガス浸硫窒化処理方法。
  4. 【請求項4】 硫化物は、硫化水素および二硫化炭素の
    うちの少なくとも1種であることを特徴とする請求項1
    〜3のいずれか1つの項に記載のガス浸硫窒化処理方
    法。
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