JP5385656B2 - 最大結晶粒の縮小化特性に優れた肌焼鋼 - Google Patents

最大結晶粒の縮小化特性に優れた肌焼鋼 Download PDF

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Description

本発明は、自動車、建築機械、その他産業機械において浸炭処理等の表面硬化処理をして使用される鋼部品を製造するのに有用な肌焼鋼に関する。
自動車、建築機械、その他産業機械において、高い材料強度が要求される機械構造用部品には、通常SCr、SCM、SNCM等のJIS規格で定められた肌焼鋼が使用される。これらの肌焼鋼は切削によって所望の形状に成形された後、浸炭や浸炭窒化処理などの表面硬化処理を施され、その後研磨などの工程を経て鋼部品が製造される。
近年、自動車、建築機械、産業機械などに使用される鋼部品は、生産効率の向上、および生産コストの低減が望まれており、成形方法を切削加工から鍛造へ変更することによって、機械加工にかかるコストを低減する取り組みが行われている。しかし、熱間鍛造だけでは高い精度を必要とする部品を製造することが困難であるため、冷間鍛造のみで高精度の部品を製造することが望まれている。
また、冷間鍛造後に表面硬化処理を施すと、オーステナイト結晶粒が粗大化するため、冷間鍛造を行う肌焼鋼には、冷間鍛造性に加えて結晶粒粗大化防止特性が要求される。
結晶粒の粗大化を防止する技術として、例えば特許文献1〜4には微細なTi系炭化物や炭窒化物を利用する技術が開示されている。特許文献1〜2は、微細なTiCやTi系炭窒化物を形成する為に、圧延の加熱時に十分に加熱する点に特徴がある。例えば、特許文献1では、圧延の加熱が不足するとTiCが粗大になると共にTi系炭硫化物が形成され、微細なTiCを十分に確保することができないことを記載している。特許文献2では、Ti系炭窒化物を均一微細に析出させるために粗大なTi系炭窒化物をオーステナイト中に一旦完全固溶させており、例えば、1300℃で3時間程度加熱している。
一方、特許文献3〜4は、短時間加熱と長時間加熱の両方を含んでいる点に特徴がある。特許文献3では、圧延前の加熱条件が1200〜1350℃で10〜60分程度になっており(実施例)、特許文献4では、圧延前の加熱条件が1200℃で10分以上になっている(実施例)。従って特許文献3〜4も、長時間加熱の場合は、前記特許文献1〜2と同様、Ti系炭化物・炭窒化物を完全固溶させた後、微細に析出させている。一方、短時間加熱では、Ti系炭化物・炭窒化物が完全固溶しない場合がある。
特開2008−81841号公報 特開2007−31787号公報 特開2007−162128号公報 特開2005−240175号公報
上述の特許文献1〜4のように、微細析出物を利用することで、結晶粒の粗大化防止特性を向上させることができる。本発明の目的は、従来技術を改善し、結晶粒をさらに高度に制御することにある。
特許文献1〜2と、特許文献3〜4の長時間加熱技術ではいずれもTi系炭化物・炭窒化物を十分に固溶することで、これらを微細析出させている。ところが、本発明者らがさらに検討を重ねたところ、Ti系炭化物・炭窒化物を十分に固溶させる場合にはTi系硫化物・炭硫化物も固溶してしまうこと、そうすると圧延後に粗大なTi系介在物(特に炭化物、炭窒化物)が増え、ほとんどの結晶粒は粗大化が防止されているが、ごく一部に特異的に大きな結晶粒が存在していること(混粒)が明らかとなった。また固溶時間が長くなると、一部のTi系炭化物・炭窒化物がオストワルド成長し、周辺の微細なTi系介在物を吸収することも、混粒が生じる原因と思われる。
一方、特許文献3〜4に開示の短時間加熱技術でも混粒が生じることが明らかとなった。そしてその原因について更に検討を進めた結果、特許文献3〜4ではTiが比較的多く添加されていること、そのため短時間加熱では粗大なTi系介在物が残存すること、そして粗大なTi系介在物が残存すると、オーステナイト域での熱処理時に周辺の微細なTi系介在物を吸収しオストワルド成長する結果、極一部で特異的に結晶粒が大きくなることが判明した。
そこで微細なTi系介在物を多数分散して結晶粒の粗大化を防止しつつも、最大となる結晶粒を縮小化できる技術(混粒を防止できる技術)を目指してさらに検討を進めた。その結果、Tiの添加量を抑えて鋳造段階での粗大なTi系介在物を抑制しつつ、圧延前の加熱時間を短くしてTi系硫化物・炭硫化物を適正量確保すれば、粗大なTi系介在物(炭化物、窒化物、炭窒化物、硫化物、炭硫化物)の形成を防止でき、その結果Ti系介在物のオストワルド成長を防止でき、かつTi系硫化物・炭硫化物によるピンニング効果も利用することができること、そのため混粒を生じることなく結晶粒を微細化できることを見出し、本発明を完成した。
すなわち、本発明に係る肌焼鋼はC:0.10〜0.25%(質量%の意味。以下、化学成分組成について同じ。)、Si:0.45%以下(0%を含まない)、Mn:0.60%以下(0%を含まない)、Cr:2.5%以下(0%を含まない)、Ti:0.010〜0.060%を含有し、残部は鉄および不可避不純物であり、面積10μm2以上のTi系硫化物および/またはTi系炭硫化物の合計面積率が1×10-5〜1.0×10-4%であるとともに、下記式(1)を満足している。このような肌焼鋼は、最大結晶粒の縮小化特性に優れている。
A/[Ti]≦0.080 …(1)
(式中、Aは面積10μm2以上のTi系の炭化物、炭窒化物、窒化物、硫化物、および炭硫化物の合計面積率(%)を示す。[Ti]は鋼中のTi含有量(質量%)を示す。)
前記肌焼鋼には、更にB:0.0005〜0.0050%、Mo:2.0%以下(0%を含まない)、Cu:0.10%以下(0%を含まない)、Ni:0.10%以下(0%を含まない)などを適宜添加しても良い。なお、前記不可避不純物は、例えばP:0.03%以下(0%を含まない)、S:0.030%以下(0%を含まない)、Al:0.1%以下(0%を含まない)、N:0.025%以下(0%を含まない)などである。
本発明には、上記の肌焼鋼を冷間加工した後、表面硬化処理した鋼材も含まれる。
本発明によれば、Tiの添加量を抑え、さらにTi系硫化物・炭硫化物を適正量確保しているため、粗大なTi系介在物を抑制することができ、肌焼鋼の最大結晶粒の縮小化特性を高めることができる。
図1は実施例で得られた鋼材を焼鈍するときのヒートパターンを示す図である。 図2は実施例で用いる試験片の形状を示す図である。 図3は実施例で得られた鋼材をガス浸炭するときのヒートパターンを示す図である。 図4は式(1)の左辺(A/[Ti])と最大結晶粒の粒度番号との関係を示す図である。
本発明は、部品形状に加工した後で表面硬化処理するのに適した鋼材、すなわち肌焼鋼を対象とする。そして表面硬化処理における加熱時に結晶粒が粗大化するのを防止するため、Tiが添加されている。Tiは鋼中で微細なTi(C、N)を生成し、表面硬化処理(浸炭など)時の結晶粒粗大化を抑制する。一方、Ti量が過剰になると、粗大なTi系介在物が残存し、オーステナイト域での熱処理時にオストワルド成長することによって、ごく一部で特異的に結晶粒が大きくなる。また、鋼材の製造コストの上昇や、粗大なTi系介在物の生成による冷間鍛造性および衝撃強度の低下を招く。そこでTi量は0.010〜0.060%、好ましくは0.015〜0.050%、より好ましくは0.025〜0.045%とする。
本発明の肌焼鋼は、さらにC:0.10〜0.25%、Si:0.45%以下(0%を含まない)、Mn:0.60%以下(0%を含まない)、Cr:2.5%以下(0%を含まない)を必須元素として含有する。各元素の添加理由は以下の通りである。
C:0.10〜0.25%
Cは部品として必要な芯部硬さを確保する上で重要な元素であり、C量が不足すると浸炭後の硬さ不足により、部品としての静的強度が不足する。一方、C量が過剰になると硬くなりすぎ、鍛造性が低下する。そこでC量は0.10〜0.25%、好ましくは0.12〜0.23%、より好ましくは0.14〜0.20%とする。
Si:0.45%以下(0%を含まない)
Siは焼戻し処理時の硬さ低減を抑制するため、表面硬化処理部品表層の硬さを確保するのに有効な元素である。しかし、添加量の増大に伴って材料の変形抵抗が増し、鍛造性を低下させる。そこでSiは0.45%以下、好ましくは0.02〜0.35%、より好ましくは0.05〜0.15%とする。
Mn:0.60%以下(0%を含まない)
Mnは脱酸材として作用し酸化物系介在物量を低減して鋼材の内部品質を高める作用を発揮するとともに、表面硬化処理(浸炭など)後の焼入れ時の焼入性を著しく向上させる効果を有する。しかし、Mnの増加に伴い縞状偏析が顕著となり、材質のバラツキが大きくなって冷間加工性に悪影響を与える。そこでMn量は0.60%以下、好ましくは0.10〜0.55%、より好ましくは0.20〜0.50%とする。
Cr:2.5%以下(0%を含まない)
Crは炭化物に固溶して炭化物の硬さを向上させる効果があるため、耐磨耗性の向上に有効である。また、Mnと同様に表面硬化処理(浸炭など)後の焼入れ時の焼入性を著しく向上させる効果を有する。一方、Cr量が過剰になると素材の硬度が高くなりすぎて鍛造性が不良となる。そこでCr量は、2.5%以下、好ましくは0.5〜2.3%、より好ましくは0.8〜2.0%とする。
本発明の肌焼鋼は、必要に応じて他の成分を含有していてもよい。他の成分としてはB、Mo、Cu、Niなどが例示でき、これらは単独で添加してもよく、適宜組み合わせて添加してもよい。B、Mo、Cu、Niなどの好ましい添加量及び添加理由は以下の通りである。
B:0.0005〜0.0050%
Bは微量で鋼材の焼入性を大幅に向上させる効果があることに加えて、結晶粒界を強化して衝撃強度を高める作用があるため添加してもよい。しかし、過剰に添加すると窒化物が生成しやすくなり、冷間及び熱間加工性を低下させる。そこでB量は0.0005〜0.0050%とするのが好ましく、より好ましくは0.0010〜0.0040%、さらに好ましくは0.0015〜0.0030%とする。
Mo:2.0%以下(0%を含まない)
Moは表面硬化処理(浸炭など)後の焼入れ時の焼入性を著しく向上させる効果に加え、耐衝撃強度の向上に有効であるので添加してもよい。しかし、過度に添加すると素材が硬くなるため被削性が低下する。そこでMo量は2.0%以下とするのが好ましく、より好ましくは0.01〜1.0%、さらに好ましくは0.05〜0.9%とする。
Cu:0.10%以下(0%を含まない)
CuはFeより酸化されにくい元素であるため、鋼材の耐食性を向上させる。しかし、Cu量が過剰になると鋼材の熱間延性が低下する。従って、Cu量は0.10%以下とするのが好ましく、より好ましくは0.01〜0.05%、さらに好ましくは0.01〜0.03%とする。
Ni:0.10%以下(0%を含まない)
NiはCuとともに鋼材の耐食性を向上させる元素であり、単独で添加してもよいが、Cuと組み合わせて添加することが望ましい。またNiは、鋼材の耐衝撃特性を向上させる効果もある。しかし、過剰に添加すると鋼材のコスト上昇を招く。そこで、Ni量は0.10%以下とするのが好ましく、より好ましくは0.01〜0.05%、さらに好ましくは0.01〜0.03%以下である。
本発明の肌焼鋼では、上記以外の成分(残部)は、通常、鉄及び不可避不純物である。なお、不可避不純物とは、原料(主原料、副原料など)や製造設備から混入してくる不純物を意味し、例えば、P、S、Al、Nなどが挙げられる。P、S、Al、Nなどの好ましい量は、以下の通りである。
P:0.03%以下(0%を含まない)
Pは結晶粒界に偏析して部品の衝撃特性を低減させる元素であるため、なるべく低減することが好ましい。P量は0.03%以下であり、好ましくは0.02%以下、より好ましくは0.015%以下とする。
S:0.030%以下(0%を含まない)
SはMnと結合してMnS介在物を生成し、部品の疲労強度、衝撃強度を低下させるため、なるべく低減することが好ましい。従ってS量は0.030%以下とし、好ましくは0.025%以下、より好ましくは0.023%以下とする。なお、Sは切削性の向上に寄与する場合がある。従ってS量は例えば0.001%以上、好ましくは0.005%以上、より好ましくは0.010%以上としてもよい。
Al:0.1%以下(0%を含まない)
Alは脱酸材として作用し酸化物系介在物を低減して鋼材の内部品質を高める作用を発揮する。一方、Al量が過剰になると粗大で硬い非金属介在物(Al23)が生成し、疲労特性を低下させる。そこでAl量は0.1%以下、好ましくは0.01〜0.05%とする。
N:0.025%以下(0%を含まない)
Nは量が多いと粗大なTi系介在物が生成して衝撃強度を低下させるとともに、鋼材の硬さ、変形抵抗を増大させ鍛造性を低減させる。そこでN量は0.025%以下、好ましくは0.020%以下、より好ましくは0.018%以下とする。
本発明の肌焼鋼では、上述したように、Tiの添加量を抑えて鋳造段階での粗大なTi系介在物の形成を抑制している。そのため、オーステナイト域での熱処理におけるオストワルド成長を抑制でき、Ti系介在物の粗大化を抑制できる。さらに、分塊圧延前の加熱時間を短時間とすることによってTi系硫化物・炭硫化物を適正量確保することができ、圧延後の粗大なTi系介在物を抑制することができる。Ti系介在物の粗大化を抑制すれば、最大結晶粒を縮小化でき、混粒を防止できる。さらに冷間鍛造性も向上できる。なお、Ti量が少なくなるほど粗大なTi系介在物の量も少なくなるため、粗大なTi系介在物の許容量はTi添加量に応じて定める。すなわち、本発明の肌焼鋼は式(1)を満足する。
A/[Ti]≦0.080 …(1)
(式中、Aは面積10μm2以上のTi系の炭化物、炭窒化物、窒化物、硫化物、および炭硫化物の合計面積率(%)を示す。[Ti]は鋼中のTi含有量(質量%)を示す。)
式(1)は面積10μm2以上のTi系介在物を粗大な介在物と位置づけ、その量が低減されていることを意味する。鋼中に存在するTi系介在物のうち微細な介在物はピンニング粒子と呼ばれ、結晶粒の粗大化防止に有効に働く。一方、粗大なTi系介在物はオーステナイト域での熱処理時に周辺の微細なTi系介在物を吸収し、オストワルド成長するため、粗大なTi系介在物の周辺ではピンニング粒子が減少して結晶粒粗大化防止効果を有効に発揮することができず、局所的に大きな異常粒を発生させる原因となってしまう。そこで、粗大なTi系介在物を抑制すれば、最大結晶粒を縮小化でき、混粒を防止できる。オストワルド成長は介在物の大きさに律速するので、本発明ではオストワルド成長するか否かの基準として面積10μm2以上を基準としている。
さらに、粗大なTi系介在物は鋼素地よりも硬いため、冷間鍛造時に鋼素地に比べて変形を受けにくく、鋼素地と粗大なTi系介在物との界面に局部的な歪みが集中し、割れが発生しやすくなるなど、冷間鍛造性に悪影響を及ぼす。従って、粗大なTi系介在物を低減することによって、最大結晶粒の縮小化に加えて、冷間鍛造性も確保できる。
そこで、好ましい式(1)の左辺(A/[Ti])の値を0.080以下とし、好ましくは0.07以下、より好ましくは0.06以下とする。なお、式(1)の左辺(A/[Ti])の値の下限は特に制限されないが、小さくしすぎても制御が難しくなるだけであってその効果が飽和する。したがって下限は例えば0.01以上(特に0.02以上)であってもよい。
本発明の肌焼鋼は、上述したように、Ti系硫化物・炭硫化物が適正量確保されている点にも特徴があり、具体的には、面積10μm2以上のTi系硫化物および/またはTi系炭硫化物の合計面積率が1×10-5〜1.0×10-4%になっており、好ましくは2×10-5〜0.8×10-4%、より好ましくは3×10-5〜0.6×10-4%である。
Ti系硫化物・Ti系炭硫化物は粗大であって、析出すると結晶粒粗大化防止効果が低下する。しかし、Ti系硫化物・Ti系炭硫化物は、Ti系炭化物・Ti系炭窒化物よりも弱いもののピンニング効果を有しているため、僅かであれば残しておいた方が良い。また、Ti系硫化物・Ti系炭硫化物の析出量を0にしようとすると、Ti系炭化物・Ti系炭窒化物が粗大化してしまうことからもTi系硫化物・Ti系炭硫化物を僅かであれば残しておいた方が良い。
本発明の肌焼鋼は、鋳造時の冷却速度を速くし、加熱温度を1200℃以上にする圧延の際の加熱速度を速くし、かつ加熱時間を極めて短くし、熱間加工前の加熱温度を低めにすることで製造できる。例えば、線材(棒鋼など)を製造する際には、分塊圧延、熱間圧延などするが、通常、分塊圧延の時の加熱温度の方が高いため、この加熱温度を1200℃以上にし、かつ急速、短時間加熱することが推奨される。鋳造の冷却速度を速くし、かつ加熱速度を速くすることで、Ti系介在物の粗大化を防止できる。また加熱時間を短くすることで、Ti系介在物のオストワルド成長を防止でき、かつTi系硫化物やTi系炭硫化物の消失を防止できる。さらに熱間加工前の加熱温度を低めにすることで、Ti系硫化物やTi系炭硫化物の消失を防止できる。各工程の好ましい製造条件は以下の通りである。
鋳造の際の凝固開始から凝固終了までの平均冷却速度、分塊圧延時の平均加熱速度はTi系介在物の粗大化を防止するためいずれも速くすることが推奨される。鋳造の際の凝固開始から凝固終了までの平均冷却速度は例えば150℃/h以上(より好ましくは180℃/h以上、さらに好ましくは200℃/h以上)とするのがよく、分塊圧延時の平均加熱速度は例えば、250℃/h以上(より好ましくは260℃/h以上、さらに好ましくは270℃/h以上)とするのがよい。
分塊圧延の加熱温度T1(℃)と加熱時間t(分)(t≦10)は式(2)、(3)を満足することが好ましい。
1200≦T1≦1300 …(2)
(T1+273)×log10(t)<1100 … (3)
加熱温度T1が1200℃未満であると、オストワルド成長は僅かに起こるものの、Ti系介在物の鉄基地への溶解はほとんどなく、またTi系硫化物および/またはTi系炭硫化物が固溶せずに残存することによって、これらの合計面積率が上記範囲を超えてしまう結果、粗大なTi系介在物を抑制することができない。一方、加熱温度T1が1300℃を超えると、Ti系炭化物、Ti系炭窒化物の固溶が進み微細な介在物が減少して平均結晶粒径が大きくなるとともに、Ti系硫化物および/またはTi系炭硫化物の固溶が進むことによってこれらを適正量確保することができず、さらに粗大なTi系介在物のオストワルド成長も進み、粗大なTi系介在物を抑制することができない。そこで加熱温度T1を1200≦T1≦1300とすることが望ましい。T1のより好ましい範囲は、1230≦T1≦1270である。
分塊圧延の加熱時間tが長くなると、微細なTi系介在物が減少するとともに、Ti系硫化物および/またはTi系炭硫化物が減少し、粗大なTi系介在物のオストワルド成長が進む。そこで分塊圧延の加熱時間tは極力短くすることが推奨され、式(3)の左辺((T1+273)×log10(t))は1100未満とするのが好ましく、さらに小さくてもよく、例えば500以下、特に0以下であってもよい。
熱間圧延の加熱温度は例えば850〜1000℃(より好ましくは900〜1000℃)とするのが好ましい。熱間圧延の加熱温度が1000℃を超えると、Ti系介在物が粗大化し、またTi系硫化物および/またはTi系炭硫化物が固溶してしまい、適正量確保することが困難である。
以下、実施例を挙げて本発明をより具体的に説明するが、本発明はもとより下記実施例によって制限を受けるものではなく、前・後記の趣旨に適合し得る範囲で適当に変更を加えて実施することも勿論可能であり、それらはいずれも本発明の技術的範囲に包含される。
転炉溶製により表1に示す化学成分に調整した鋼を鋳造し、得られた鋳片を所定温度まで加熱した後、分塊圧延することによって155mm×155mm×10mのビレットを得た。得られたビレットを再加熱して熱間圧延(棒鋼圧延)することによって、直径23mmの棒鋼を製造した。分塊圧延前の加熱条件および棒鋼圧延前の加熱条件は表2に示す通りである。なお、鋳造時の平均冷却速度および分塊圧延時の平均加熱速度は表3〜8に示す。
Figure 0005385656
Figure 0005385656
得られた棒鋼の各特性を以下のようにして評価した。
(1)冷間鍛造性
棒鋼を、図1に示すように760℃で5時間加熱した後、8時間かけて680℃まで冷却してから炉冷した(球状化焼鈍又は軟化焼鈍)。焼鈍後の棒鋼から直径15mm×高さ22.5mmの円柱状試験片を切り出した。該試験片の横断面(軸心に垂直な断面)のサンプルを採取し、D/4位置(Dは直径)における硬度を、ビッカース硬度計((株)アカシ製、荷重10kg)で測定した。ビッカース硬度が150HV以下の場合を冷間鍛造性に優れると評価した。
(2)結晶粒粗大化防止特性および最大結晶粒の縮小化特性(平均結晶粒度番号と最大結晶粒度番号)
前記棒鋼から直径15mm×高さ22.5mmの円柱状試験片を切り出し(図2)、この試験片を高さ方向に圧縮した(圧縮率70%)。その後、図3に示す浸炭条件(浸炭期条件は、温度:950℃、時間:70分、浸炭ガス:プロパンガス、カーボンポテンシャル:0.8。拡散期条件は、温度:850℃、時間:60分、浸炭ガス:プロパンガス、カーボンポテンシャル:0.8。焼入れ条件は、80℃まで油冷)でガス浸炭した。
相当歪で1.1となる箇所の旧オーステナイト粒の粒度番号GhをJIS G0551により求めた。より詳細には、計数方法(附属書3)によって、平均結晶粒度番号を求めた。また最大結晶粒度番号は、観察視野800μm×800μmの中で最も粗大な結晶粒の粒度番号を比較法によって求め、これを最大結晶粒度番号とした。この最大結晶粒度番号が5番よりも大きい場合、最大結晶粒が縮小化できていると評価した。
(3)面積10μm2以上のTi系介在物の面積率
棒鋼のD/4位置(Dは直径)から縦断面(軸心に平行な断面)のサンプルを切り出し研磨した。研磨面をEPMA(Electron Probe Microanalyzer)で測定した。面積が10μm2以上の介在物の組成を調べ、Ti含有量が5質量%以上の介在物をTi系介在物とし、さらにS含有量が5質量%以上であるものをTi系硫化物またはTi系炭硫化物とし、その面積率を算出した。Ti系炭化物、Ti系窒化物、およびTi系炭窒化物の合計面積率は、全Ti系介在物の面積率から、Ti系硫化物およびTi系炭硫化物の合計面積率を差し引いて求めた。また個々のTi系介在物について最大粒径を測定し、Ti系炭化物・窒化物・炭窒化物中での最大粒径の平均値、およびTi系硫化物・炭硫化物中での最大粒径の平均値をもとめ、表3〜8に「平均最大粒径」として示した。EPMAの測定条件は下記の通りである。
EPMA分析装置:JXA−8100型電子プローブマイクロアナライザー(日本電気株式会社製)
分析装置(EDS):SystemSix(サーモフィッシャーサイエンティフィック社製)
加速電圧:15kV
操作電流:4nA
測定面積:100mm2以上
観察倍率:200倍
結果を表3〜8に示す。
また式(1)の左辺(A/[Ti])を計算し、表3〜8に示す。さらにこの左辺(A/[Ti])と最大結晶粒の粒度番号との関係を図4に示す。
Figure 0005385656
Figure 0005385656
Figure 0005385656
Figure 0005385656
Figure 0005385656
Figure 0005385656
No.1〜15、17〜24、26〜29、31〜38、40〜55、57〜60、62〜65、67〜70、72〜83、85〜92、94〜97は、適正量のTiを添加し、かつTi系硫化物および/またはTi系炭硫化物を適正量確保できる圧延条件I〜IVを採用している。その結果、粗大なTi系介在物の生成を抑制することができ、A/[Ti]を小さくできているため、最大結晶粒も小さくすることができている。また冷間鍛造性にも優れている。
一方、No.16、25、30、39、56、61、71、93は分塊圧延温度が低い製造条件Vを採用した例である。これらはTi系介在物の鉄基地への溶解はほとんど起こらないが、オストワルド成長は僅かに起こっているため、A/[Ti]の値が大きくなり、最大結晶粒が大きくなっている。
No.66、84は分塊圧延温度が高い製造条件VIを採用した例である。分塊圧延温度が高いために、Ti系硫化物・炭硫化物が全て固溶してしまい、さらにTi系炭化物・窒化物・炭窒化物がオストワルド成長したため、粗大なTi系介在物が増加することとなりA/[Ti]の値が大きくなっている。そのため、最大結晶粒が大きくなっている。
またNo.98〜121は、成分組成が本願発明範囲から外れる例である。
No.98〜101はTi量が少ないため、A/[Ti]の値が大きくなり、その結果最大結晶粒が大きくなっている。またTi量が少ないため、微細なTi系介在物の量が不足し、平均結晶粒も粗大化している。
No.102〜105はTi量が多かった例であり、Ti量が過剰であったためにTi系介在物が粗大化しA/[Ti]の値が大きくなって、最大結晶粒が大きくなっている。またTi量が過剰であるため、ビッカース硬度が大きくなっている。
No.106〜109はMn量が多かった例であり、Mnの炭化物を形成しやすくなるため、鉄基地中のC量が減少する結果、Ti系炭化物、Ti系炭窒化物、Ti系窒化物のうち、粗大なTi系窒化物が形成されやすくなりA/[Ti]の値が大きくなって、最大結晶粒が大きくなっている。また、Mn量が過剰であるため、ビッカース硬度が大きくなっている。
No.110〜113はMn量およびS量が多かった例であり、上記No.106〜109と同様の理由により、A/[Ti]の値が大きくなって、最大結晶粒が大きくなっている。
No.114〜117はSi量が多かった例であり、Siの炭化物が形成しやすくなるため鉄基地中のC量が減少する結果、Ti系炭化物、Ti系炭窒化物、Ti系窒化物のうち、粗大なTi系窒化物が形成されやすくなり、A/[Ti]の値が大きくなって、最大結晶粒が大きくなっている。
No.118〜121はSi量およびMn量が多かった例であり、Siの炭化物やMnの炭化物が形成しやすくなるため鉄基地中のC量が減少する結果、Ti系炭化物、Ti系炭窒化物、Ti系窒化物のうち、粗大なTi系窒化物が形成されやすくなり、A/[Ti]の値が大きくなって、最大結晶粒が大きくなっている。
本発明の肌焼鋼は、加工性(特に冷間鍛造性)に優れ、表面硬化処理後の混粒を防止できるため、自動車、建築機械、その他産業機械における鋼部品(例えば、歯車、シャフト類、無段変速機(CVT)プーリ、等速ジョイント(CVJ)、軸受など)を製造するのに有用である。

Claims (6)

  1. C:0.10〜0.25%(質量%の意味。以下、化学成分組成について同じ。)、
    Si:0.45%以下(0%を含まない)、
    Mn:0.60%以下(0%を含まない)、
    Cr:2.5%以下(0%を含まない)、
    Ti:0.010〜0.060%、
    を含有し、残部は鉄および不可避不純物であり、
    面積10μm2以上のTi系硫化物およびTi系炭硫化物の合計面積率が1×10-5〜1.0×10-4%である(但し、Ti系硫化物およびTi系炭硫化物のいずれか一方がゼロの場合を含む。)とともに、
    下記式(1)を満足することを特徴とする最大結晶粒の縮小化特性に優れた肌焼鋼。
    A/[Ti]≦0.080 …(1)
    (式中、Aは面積10μm2以上のTi系の炭化物、炭窒化物、窒化物、硫化物、および炭硫化物の合計面積率(%)を示す。[Ti]は鋼中のTi含有量(質量%)を示す。)
  2. 前記不可避不純物には、P、S、Al、及びNが含まれ、これらの含有量が以下の通りである請求項1に記載の肌焼鋼。
    P:0.03%以下(0%を含まない)
    S:0.030%以下(0%を含まない)
    Al:0.1%以下(0%を含まない)
    N:0.025%以下(0%を含まない)
  3. 更に、B:0.0005〜0.0050%を含有する請求項1または2に記載の肌焼鋼。
  4. 更に、Mo:2.0%以下(0%を含まない)を含有する請求項1〜3のいずれかに記載の肌焼鋼。
  5. 更に、Cu:0.10%以下(0%を含まない)および/またはNi:0.10%以下(0%を含まない)を含有する請求項1〜4のいずれかに記載の肌焼鋼。
  6. 請求項1〜5のいずれかに記載の肌焼鋼を冷間加工した後、表面硬化処理した鋼材。
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