JP4879575B2 - 管接続部材の脱着方法 - Google Patents

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Description

本発明は、既設管の分岐部に取り付けられた管継手、バルブ、空気弁等の管接続部材を、前記既設管に対し不断流状態で他の管接続部材と交換または同じ管接続部材を修理して取り付け直すための管接続部材の脱着方法に関する。
従来、既設管の分岐部に対しフランジ等を介して連結される例えば空気弁および補修弁等の管接続部材を交換あるいは保守点検等のために前記既設管に対して脱着する場合、管接続部材を既設管から外す際に水圧等で多量の管内流体が流出するため、その管接続部材が連結されている既設管の流体の流れを元から遮断し、そのフランジ同士を連結しているボルトを挿脱して管接続部材を脱着しており、また、分岐部に接続された管接続部材を不断流状態で交換する場合には、密閉ケースによって分岐部を管接続部材を含めて外部から覆い、分岐部のフランジの接離を密閉ケースの外から操作するとともに、管接続部材を交換するために密閉ケース内を仕切る開閉機構が用いられていた(特許文献1参照)。
特許第3492391号公報(第3、4頁、図1)
しかしながら、この特許文献1に記載のものは、分岐部および管接続部材に対し比較的大きな密閉ケースを漏れのないように立設する必要があるため、トラス補剛形式の水管橋のように補剛材が空気弁の上方に設けられていたり、橋梁添架形式水管橋のように橋梁の桁が空気弁の直近に存在したりする場合、管接続部材(空気弁等)の上方に密閉ケースの設置空間や作業空間を確保することができなく、施工ができないという問題があった。
本発明は、上記問題点を解決するためになされたもので、管接続部材の上方や周囲に施工領域が確保できない場合においても不断流で管接続部材の脱着を行うことができる管接続部材の脱着方法を提供することを目的としている。
上記課題を解決するために、本発明の請求項1に記載の管接続部材の脱着方法は、
既設管に形成された分岐部に取り付けられる管接続部材の脱着方法であって、
前記既設管に開閉弁を有する密閉部材を水密に取り付ける工程と、前記密閉部材に取り付けた穿孔装置により、前記開閉弁を介して前記既設管の周壁の前記分岐部に対向する位置に挿入口を穿孔する工程と、前記穿孔装置に替えて前記密閉部材に取り付けた挿排出手段により、円錐形若しくは先端が切り落とされた円錐台形に形成された止水体と前記止水体を押圧する反力を受ける支持体とで構成され、前記分岐部の内径よりも大きく且つ前記挿入口よりも小さい外径を有する止水部材を、前記挿入口より既設管内に挿入して、前記止水体が前記分岐部と既設管との分岐口に当接して密着することで前記分岐部の既設管から管接続部材側への流れを止める工程と、前記分岐部が止水された状態で分岐部より管接続部材を取り外す工程と、前記分岐部に新たに管接続部材を接続する工程と、前記止水部材を前記挿排出手段により排出した後、前記既設管の周壁に形成した前記挿入口に弾性体よりなる止水体を有する密着栓体を送り出し、当該挿入口の位置において前記止水体を挟圧して膨出させることにより止水体を挿入口の切断面に密着させ、挿入口を閉塞する工程と、からなることを特徴としている。
この特徴によれば、既設管に挿入口を穿孔し、その挿入口より止水部材を既設管内に挿入して分岐部を止水することにより既設管に対して不断流状態で管接続部材を脱着することができるので、分岐部の上方に作業空間を必要とせず、既設管の任意の位置より作業を行うことができる。
また、挿入口が分岐部の対向位置に穿孔されるので、挿排出手段により止水部材を略まっすぐに挿入口より挿入するだけで分岐部の止水所定位置に移動させることができ、止水部材の挿排出の手段が簡易になり、また、その装置も単純な構造にすることができる。
また、止水体が円錐形に形成されているので、自動的に分岐口に対し芯あわせが行われ分岐口の形状に倣って密着させることができ止水効果を高める。止水体は先端が切り落とされた円錐台形でも同じ作用をする。
更に、密着栓体を構成する弾性体よりなる止水体が、当該挿入口の位置において挟圧されるとその外方に膨出することになり、挿入口の切断面に密着して挿入口を閉塞することができ、装置が単純な構造となり設置空間を少なくし、また、既設管の切断面に錆びが発生するのを防ぐことができる。
本発明の請求項に記載の管接続部材の脱着方法は、請求項に記載の管接続部材の脱着方法であって、
前記挿排出手段は、前記開閉弁に水密に取り付けた挿排出フランジと、前記止水部材を挿排出する作動装置と、該作動装置を支持する支柱とで構成されていることを特徴としている。
この特徴によれば、支柱に作動装置を支持させて、その作動装置により挿排出フランジを取り付けた開閉弁を介して止水部材を挿排出するので、不断水で安定して確実に止水部材を駆動できる。
本発明の請求項に記載の管接続部材の脱着方法は、請求項に記載の管接続部材の脱着方法であって、
前記作動装置は、止水部材が一方の端部に装着されるシャフトと、前記シャフトの他方の端部を固定支持する固定部材と、ハンドルの回転で前記固定部材を進退移動する螺合部材とで構成されていることを特徴としている。
この特徴によれば、ハンドルを回転させるだけで止水部材を駆動できるので熟練を要することなく止水部材を挿排出して脱着作業を行うことができる。
本発明の請求項に記載の管接続部材の脱着方法は、請求項1ないし3のいずれかに記載の管接続部材の脱着方法であって、
前記挿排出手段により前記止水部材を排出した後に、密着栓体で前記挿入口を閉塞し、前記密着栓体を水密に覆う保護部材を取り付けることを特徴としている。
この特徴によれば、密着栓体で挿入口を閉塞し、更に保護部材で密着栓体を覆うので、挿入口の水密性が向上し、また、密着栓体を外部の影響から守ることができる。
本発明の実施例を以下に説明する。
以下、本発明の実施例を図面に基づいて説明する。図1〜図17は、本発明の一実施形態を示すもので、図1は本発明に係る管接続部材の空気弁が分岐部に取り付けられている状態を示す説明図、図2は本発明に係る分岐部に取り付けた管接続部材の脱着方法における最初の工程であって、密閉部材を流体管に取り付けた状態を示す説明図、図3は穿孔装置を密閉部材に設置し、流体管を穿孔する工程の説明図、図4は挿排出装置を取り付る工程の説明図、図5は挿排出装置により挿入口から止水部材を挿入し分岐部を止水する工程の説明図、図6は止水状態の分岐部より空気弁を取り外し、新しく補修弁を介して空気弁を取り付ける工程の説明図、図7は止水部材に替えて密着栓体を取り付ける工程の説明図、図8は密着栓体を挿入口に設置して閉鎖する工程の説明図、図9は仮固定部材を取り付ける工程の説明図、図10は仮固定部材により密着栓体の抜け出しを防止して密閉部材を取り外す工程の説明図、図11は保護部材をシャフトに挿通し、シャフトで密着栓体の抜け出しを防止する工程の説明図、図12は仮固定部材を取り外したのちに保護部材を流体管に固定する工程の説明図、図13は挿排出装置を取り外し、キャップを設置した最終工程の説明図、図14(a)は密着栓体の側面図、(b)は(a)のC−C矢視図、(c)は(a)のD−D断面図、図15は別の止水部材を使用して分岐部を止水状態とし空気弁を取り外した状態の説明図、図16(a)は別の止水部材の側面図、(b)は(a)の底面図、(c)は(a)の断面図、図17(a)は別の挿排出装置のE−E断面図、(b)は(a)の底面図である。
図1に示すように、流体管Pの管内を流れる水道水中の空気を排出するために、あるいは管内が負圧にならないように流体管Pの所定箇所毎には空気弁AV1が設けられており、空気弁AV1は、流体管Pに設けられた分岐部Bの上端にフランジF1を介して取り付けられている。
通常は、空気弁AV1の修理、調整時に分岐部Bからの流れを開閉操作する補修弁Vが、流体管Pの分岐部Bに設けたフランジF1に取り付けられて、補修弁Bの上端にフランジを介して空気弁AV1が取り付けられている(図13参照)。
図1のように補修弁Vが設けられていない空気弁AV1や、補修弁Vが設けられていてもその補修弁Vが故障等によって止水不良となった空気弁AV1を交換する必要が生じた場合にも本工法の管接続部材の脱着方法が採用される。
以下、空気弁AV1の上方やその周囲に従来工法の密閉ケースを設置する作業空間が確保できない場合おいて、管接続部材としての空気弁AV1の脱着を不断流で行う方法を説明する。
まず、図2に示すように、流体管Pの外周面を清掃した後、分岐部Bの対向位置に開閉弁5が配置されるように流体管Pに水密に密閉部材1を取り付ける。密閉部材1に取り付けた後、開閉弁5にフランジ蓋を設置し水圧試験を行い水密性の確認を行う。
密閉部材1は、流体管Pの外周に水密に装着され、流体管Pの管軸の略直角方向を向いた分岐管部2aの先端に設けた分岐フランジ2bに開閉弁5を取り付けた分岐部材2と、互いに対向して設けられた分岐部材2のフランジ部2cとフランジ部3bとを締結部材4で締結して取り付けるバンド部材3とで構成されている。
分岐部材2の分岐管部2aの内周面に分岐フランジ2bが摺動可能に差し込まれ、その流体管P側に設けられた止水パッキンを管外周面に押し付けて止水している。分岐管部2aと分岐フランジ2bとにまたがって設けられ相対移動および固定する調整ボルトが設けられている。分岐部材2とバンド部材3が流体管Pに取り付けられた後でも調整ボルトを作動させることにより止水パッキンを流体管Pに押圧することができる。
バンド部材3は、分岐部Bを跨いで所定の間隔をあけて設けられ、流体管Pの外周に沿って略半周に亘って形成されるバンド部3aと、流体管Pの管軸に略平行で流体管Pの両側に設けられたフランジ部3bとよりなり、バンド部3a、3aに間隔があいているので空気弁AV1の上方よりかぶせるようにして流体管Pに取り付けることができる。
分岐フランジ2bに取り付けられる開閉弁5は、弁軸を回動することにより弁体5aが移動し通路を開閉する仕切弁であり、弁体5aを閉の状態にしたときには、流体管Pに水密に取り付けられた分岐部材2の分岐管部2aの内部に密閉空間を形成する。
次に、図3に示すように、知られている穿孔機13(穿孔装置)を開閉弁5に取り付け、開閉弁5の弁体5aを開状態とし、円筒形のホールソーカッター13aを図示しない油圧モーターなどで回転駆動し、かつ、ハンドル13bの回転操作による送り作用で流体管Pの周壁に後述する止水部材8よりも大きな径の挿入口14を穿孔する。穿孔終了後、ハンドル13bの逆回転操作によりホールソーカッター13aは切片を回収しながら穿孔機13側に引き戻され、開閉弁5の弁体5aを閉状態とした後に穿孔機13を開閉弁5より取り外す。
分岐部Bの対向位置に配置された開閉弁5に取り付けられた穿孔機13により穿孔された挿入口14は、分岐部Bの対向位置に設けられる。
次いで図4に示すように、挿排出手段である挿排出装置6を穿孔機13に替えて設置する。挿排出装置6は、主として開閉弁5に取り付ける挿排出フランジ7と、分岐部Bを空気弁AVの脱着の際に閉鎖する止水体8aを有する止水部材8と、シャフト9に取り付けられた止水部材8を挿排出する作動装置10と、この作動装置10を支持する支柱11、11と、支柱11、11を所定の間隔を空けて流体管Pに取り付ける挟着具12、12とから構成されている。
挿排出フランジ7は、開閉弁5に水密に取り付けられるフランジが形成され、略中央にシャフト9が水密に貫通し、止水部材8を収容することができる凹状の収容部が形成されている。
止水部材8は、分岐部Bの流体管Pとの接続部の分岐口BEに当接して止水する円錐形に形成された弾性体よりなる止水体8aと、シャフト9に着脱自在に取り付けられ、止水体8aを分岐口BEに押し付けたときの反力を受ける支持体8cとよりなり、止水部材8の外径は、分岐部Bの内径よりも大きく、かつ、挿入口14よりも小さく設定される。
密閉部材1の両側の流体管P外周に着脱自在に装着された挟着具12、12の鞍部にボルトにより着脱自在に取り付けられた一対の支柱11、11は中空の円筒形をしており、作動装置10のガイド部10aの両端部に取り付けられている。
作動装置10は、中央部にハンドル10bが設けられ、ハンドル10bを回転することにより両端部に設けた進退部材を作動させて送りネジ10cを支柱11内に進退させる機構を内蔵したガイド部10aと、略中央にシャフト9が固定され、両端に送りネジ10c、10cが固定された固定部材10dとよりなる。(図5参照)
ガイド部10aのハンドル10bを回転すると、進退機構により送りネジ10cが支柱11に対して進退し、固定部材10dに固定されたシャフト9も流体管Pに対して進退する。
挿排出装置6を設置した後、図5に示すように、開閉弁5の弁体5aを開状態として、ガイド部10aのハンドル10bを正回動して止水部材8を分岐部Bの方向に送り出し、所定の送り出しが終了した時点でハンドル10bの回動を終了する。送り出された止水部材8は、穿孔機13によって開けられた挿入口14より流体管P内に入り込み、挿入口14に対向した分岐部Bの分岐口BEに当接し、止水体8aが密着して流体管Pから分岐部Bへの流れを遮断する。止水体8aが円錐形に形成されているので、自動的に分岐口BEに対し芯あわせが行われ分岐口BEの形状に倣って密着させることができ止水効果を高める。止水体8aは先端が切り落とされた円錐台形でも同じ作用をする。
止水部材8を所定位置まで送った後、空気弁AV1より分岐部B側への止水が完了しているか確認し、止水が十分でない場合には、更にハンドル10bを正回動して止水部材8を分岐Bの方向に更に送り、止水体8aの圧着を強めて止水する。
止水部材8を送り出して止水する前に、分岐部Bの基の分岐口BEの周辺のさびを落とす作業を行うと止水性が向上する。
分岐部B側の止水が確認できた後、図6に示すように、分岐部Bが止水部材8により閉鎖された状態になっているので、流体管P内の水が流出することなくフランジF1より空気弁AV1を取り外し、新たに補修弁Vおよび空気弁AV2を取り付けることができる。
分岐部Bに補修弁Vおよび空気弁AV2を取り付けた後、ガイド部10aのハンドル10bを逆回転させて止水部材8を流体管P内から後退させ、開閉弁5の弁体5aよりも後方まで戻し、流体管P内から止水部材8を回収して開閉弁5の弁体5aを閉状態とする。
次に、図7に示すように、挿排出フランジ7を開閉弁5より取り外し、シャフト9に止水部材8に替えて密着栓体15を取り付け、再び挿排出フランジ7を開閉弁5に取り付ける。
密着栓体15は図14に示すように、押圧体15bと支持体15cにて挟圧されて挿入口14に密着して止水する弾性体よりなる止水体15aと、シャフト9に着脱自在に取り付けられ、押圧体15bの移動により止水体15aを挟圧するときの反力を受ける支持体15cと、回転することにより押圧体15bに固定されたネジ軸15eに沿って押圧体15bを移動させる回転体15dとより構成される。
ネジ軸15eは両側面を面取りを施され押圧体15bに固定されおり、止水体15a、支持体15cの中央に設けられた貫通孔に回転不能に挿通してその先端に回転体15dがねじ込まれている。
止水体15a、押圧体15bは流体管Pの径に倣った円弧状に湾曲している。
また、支持体15cには、流体管Pの外周に当接して過度の挿入を防ぐ突起部15fが膨出形成され、シャフト9の端部に設けられたフランジにボルトで取り付けるネジ孔15gが螺設されている。
このように構成された密着栓体15を、シャフト9の内部に設けられ、シャフト9の固定部材10d側の端部に形成された角頭部10fを回転させると同調して回転するスピンドル10eの一方の端部に形成された係合部を回転体15dに嵌合させるとともに、シャフト9の端部のフランジにボルトによって着脱自在に固定し、挿排出フランジ7を開閉弁に取り付ける。
その後、図8に示すように、開閉弁5の弁体5aを開状態とし、ガイド部10aのハンドル10bを正回転し、密着栓体15を挿入口14の方向に送り出し、密着栓体15に設けられた突起部15fが流体管Pの外周面に当接し所定位置に到達したら、角頭部10fを回転させると、スピンドル10eが回転すると共に回転体15dも回動し、押圧体15bが支持体15c方向に移動して止水体15aを挟圧し、止水体15aは膨出し挿入口14に密着して止水する。止水体15aは、挿入口14の切断面に密着するので、切断面に錆びが発生するのを防ぐことができる。
次いで、図9に示すように、シャフト9により密着栓体15を押さえてその抜け出しを防止した状態で密閉部材1の締結部材4を取り外し、分岐部材2とバンド部材3を分離する。
その後、両端部にバンド部材3のフランジ部3bと締結可能なフランジ部16aを形成した半割円筒状の仮固定部材16を密着栓体15に抜け出し防止に当接させると共にバンド部材3と締結部材4で締結し設置する。
このとき、バンド部材3から分離された分岐部材2、開閉弁5は挿排出装置6に支持された状態となり、密着栓体15は仮固定部材16で押圧保持されて挿入口14の封水状態が維持される。
次いで、図10に示すように、仮固定部材16により抜け出しが防止された密着栓体15よりシャフト9を取り外して、ハンドル10bを逆回転させシャフト9を後退させた後、開閉弁5と挿排出フランジ7との接続を解除し、分岐部材2および開閉弁5を撤去する。
次に、図11に示すように、密着栓体15を仮固定部材16により押圧保持した状態で、後述する保護部材17を挿通保持したシャフト9の先端を、作動装置10のハンドル10bを正回転させて送り出し、密着栓体15に当接させてシャフト9により再び押圧保持する。
保護部材17は、半割管形に形成され、バンド部材3のフランジ3bに対応するフランジ部17bが設けられており、密着栓体15の外面に当接する押さえ部17cが形成されるとともに、シャフト9を挿通するための挿通口17dを形成したボス17aが設けられている。
次いで、図12に示すように、締結部材4をはずして仮固定部材16とバンド部材3を分離して仮固定部材16を撤去し、シャフト9に挿通保持されている保護部材17を移動させて流体管P外周の片側に当接した状態で、この保護部材17のフランジ部17bと密閉部材1として取り付けに使用されていたバンド部材3とが流体管P外周に確実に本固定される。この場合必ずしもバンド部材3を使用するとは限らない。
保護部材17を流体管P外周に水密に取り付けた後、シャフト9、支柱11、11、挟着具12、12、挿排出装置6が取り外され、最後に図13に示すように、保護部材17のボス17a内周にキャップ17eを水密に螺着することで挿入口14が二重に水密に閉鎖され、分岐部Bに設置された空気弁AV1の脱着による交換作業が終了する。
従って、上記のような管接続部材の脱着方法によれば、分岐部Bや空気弁AV1の上方や周囲に従来の密閉ケースのような装置を立設することなく、穿孔機13により流体管Pに挿入口14を設け、その挿入口14より止水部材8を流体管P内に挿入して分岐部Bを止水することができるので、分岐部Bや空気弁AV1の上方や周囲に作業スペースがなくとも管接続部材の脱着を不断水で行うことができる。
また、挿入口14が分岐部の対向位置に穿孔されるので、挿排出装置6により止水部材8を略まっすぐに挿入口14より挿入するだけで分岐部Bを止水するための所定位置に送ることができるので、止水部材8の挿排出が簡単になり、挿排出装置6の構造も単純にすることができる。
そして、支柱11、11に作動装置10を支持させて、その作動装置10により挿排出フランジ7を取り付けた開閉弁5を介して止水部材8を挿排出するので、不断水で安定して確実に止水部材8を駆動できる。
更に、ハンドル10bを回転させるだけで止水部材8を駆動できるので熟練を要することなく止水部材8を挿排出して脱着作業を行うことができる。
また、止水部材8を流体管P内に挿入し、止水体8aを分岐部Bの流体管P内面に密着させて支持体8cによりその状態を保持することができるので、流体管Pから分岐部B側への流れを確実に止水し分岐部Bを閉鎖することができる。
そしてまた、密着栓体15で挿入口14を閉塞し、更に保護部材17で密着栓体15を覆うので、挿入口14の水密性が向上し、また、密着栓体15を外部からの影響から守ることができる。
前記実施例においては、止水部材8に替えて図16に示す止水部材8′を用いて同様に管接続部材の脱着を行うことができる。
止水部材8′は、図15に示すように分岐部B内に配置されて止水するため、分岐部Bの内径よりも小さい外径に形成されており、分岐部Bの内周面に当接して密着する圧肉円盤状に形成された弾性体よりなる止水体8aと、シャフト9に着脱自在に取り付けられ、止水体8aを挟圧するときの反力を受ける支持体8cと、止水体8aを間にはさみこんで支持体8cに対して相対移動する押圧体8bとよりなる。
押圧体8bは、中央にネジ軸8eが固定され、止水体8aに当接する面が中央に向かって凸状になるテーパー面に形成され、支持体8cに対して相対回転不能かつ上下移動可能に嵌合されている。
支持体8cは、中央にネジ軸8eが貫通する孔が設けられ、止水体8aに当接する面が中央に向かって凸状になるテーパー面に形成されており、反テーパー面には、シャフト9に取り付けるためのネジ孔が螺設されている。
止水部材8′は、押圧体8b、止水体8a、支持体8cの順に組み立てられてネジ軸8eに螺挿された回転体8dの上面が支持体8cに当接しており、回転体8dを回転することにより押圧体8bと支持体8cとが相対的に移動させることができ、この止水体8aを押圧変形させて半径方向に拡張し、分岐部Bの内面に密着遮蔽し止水状態にする。
分岐部Bの分岐口BEが経年変化により腐食し錆びこぶが発生していたりして前記止水部材8で止水できない場合などに止水部材8´を用いて分岐部Bの管状部分で止水することで管接続部材の脱着を行うことができる。
また、止水部材8′は、止水部材8に比べて外径が小さくてすむので流体管Pに穿孔する挿入口14も小径となり、密着栓体や穿孔機等の工事設備が小型となり作業時間の短縮が図られる。
また、前記実施例では、分岐口BEを塞ぐ止水部材8を挿排出する挿排出装置6を使用して、挿入口14を塞ぐ密着栓体15を設置していたが、それぞれ別の装置を用いてもよく、図17に示すような挿排出装置6′で止水部材8を挿排出し、密着栓体15の設置を前記挿排出装置6で行うこともできる。
挿排出装置6′は、挿排出装置6同様に開閉弁5に取り付ける挿排出フランジ7′と、分岐部Bを空気弁AVの脱着の際に閉鎖する止水体8aを有する止水部材8′′と、シャフト9′に取り付けられた止水部材8′′を挿排出する作動装置10′と、この作動装置10を支持する支柱11′、11′とから構成されている。
挿排出フランジ7′は、開閉弁5に水密に取り付けられるフランジが形成され、略中央にシャフト9′が水密に貫通している。
止水部材8′は、分岐部Bの流体管Pとの接続部の分岐口BEに当接して止水する弾性体よりなる止水体8aと、シャフト9′に着脱自在に取り付けられ、止水体8aを分岐口BEに押し付けたときの反力を受ける支持体8cとよりなり、止水部材8′′の外径は、分岐部Bの内径よりも大きく、かつ、挿入口14よりも小さく設定される。
作動装置10′は、端部に着脱自在にハンドル10′bが設けられ、ハンドル10bを回転することにより回動する送りネジ10′cと、送りネジ10′cを回転可能に支持するガイド部10′aと、略中央にシャフト9が固定され、送りネジ10′cが螺合された固定部材10′dとよりなる。
挿排出フランジ7′の中央には、水密に摺動可能なシャフト9′が設けられ、その周囲に固定された一対の支柱11′、11′と回転自在に設けられた送りネジ10′cが略平行に等間隔に立設されている。支柱11′、11′の端部に固定された円盤状のガイド部10′aが、送りネジ10′cの端部を突出させて回転自在に支持している。
略中央にシャフト9′を固定した固定部材10′dが、一対の支柱11′、11′に摺動可能に貫通され、また、送りネジ10′cに螺合して取り付けられている。
シャフト9′は、二重構造に形成され円筒状をなし、流体管P側端部に止水部材8′′が固定され、他端部は、二重構造の外筒部が固定部材10′dに固定されている。
シャフト9′の内軸は、外筒部に対して回転自在に設けられており、先端にスクレーパーを取り付けて、流体管P内に挿入した後に管内壁に接触させた状態で回転させ、錆び等を取り除くことができるようになっている。
送りネジ10′cの端部に取り付けたハンドル10′bを回動すると、送りネジ10′cに螺合している固定部材10′dが支柱11′、11′によって回転不能とされているので支柱11′、11′に案内、支持されながら前後に移動し、固定部材10′dに固定されているシャフト9′も挿排出フランジ7′、開閉弁5を介して流体管Pに挿排出移動し、止水部材8′′も挿排出される。
挿排出装置は挿入ストロークが管径分長く必要なので挿入口閉塞用の工具と別に設けたほうが経済的になる。
以上、本発明の実施例を図面により説明してきたが、本発明の具体的な構成はこれに限定されるものではない。
例えば、実施例で密着栓体は分岐部材とバンド部材を締結部材で着脱自在に設置されているが、分岐部材を溶接して固定してもよい。
また、密着栓体は分岐部材とバンド部材の2分割であったが、3分割であってもよい。
本発明に係る管接続部材の空気弁が分岐部に取り付けられている状態を示す説明図。 本発明に係る分岐部に取り付けた管接続部材の脱着方法における最初の工程であって、密閉部材を流体管に取り付けた状態を示す説明図。 穿孔装置を密閉部材に設置し、流体管を穿孔する工程の説明図。 挿排出装置を取り付ける工程の説明図。 挿排出装置により挿入口から止水部材を挿入し分岐部を止水する工程の説明図。 止水状態の分岐部より空気弁を取り外し、新しく補修弁を介して空気弁を取り付ける工程の説明図。 止水部材に替えて密着栓体を取り付ける工程の説明図。 密着栓体を挿入口に設置して閉鎖する工程の説明図。 仮固定部材を取り付ける工程の説明図。 仮固定部材により密着栓体の抜け出しを防止して密閉部材を取り外す工程の説明図。 保護部材をシャフトに挿通し、シャフトで密着栓体の抜け出しを防止する工程の説明図。 仮固定部材を取り外したのちに保護部材を流体管に固定にする工程の説明図。 挿排出装置を取り外し、キャップを設置した最終工程の説明図。 (a)は密着栓体の側面図、(b)は(a)のC−C矢視図、(c)は(a)のD−D断面図である。 別の止水部材を使用して分岐部を止水状態とし空気弁を取り外した状態の説明図。 (a)は別の止水部材の側面図、(b)は(a)の底面図、(c)は(a)の断面図である。 (a)は別の挿排出装置のE−E断面図、(b)は(a)の底面図である。
符号の説明
1 密閉部材
2 分岐部材
2a 分岐管部
2b 分岐フランジ
2c フランジ部
3 バンド部材
3a バンド部
3b フランジ部
4 締結部材
5 開閉弁
5a 弁体
6、6′ 挿排出装置(挿排出手段)
7、7′ 挿排出フランジ
8、8′、8′′ 止水部材
8a 止水体
8b 押圧体
8c 支持体
8d 回転体
8e ネジ軸
9、9′ シャフト
10、10′ 作動装置
10a ガイド部
10b ハンドル
10c 送りネジ(螺合部材)
10d 固定部材
10e スピンドル
10f 角頭部
11、11′ 支柱
12 挟着具
13 穿孔機(穿孔装置)
13a ホールソーカッター
13b ハンドル
14 挿入口
15 密着栓体
15a 止水体
15b 押圧体
15c 支持体
15d 回転体
15e ネジ軸
15f 突起部
15g ネジ孔
16 仮固定部材
16a フランジ部
17 保護部材
17a ボス
17b フランジ部
17c 押さえ部
17d 挿通口
17e キャップ
P 流体管(既設管)
B 分岐部
BE 分岐口
F1 フランジ
AV 空気弁(管接続部材)
V 補修弁(管接続部材)

Claims (4)

  1. 既設管に形成された分岐部に取り付けられる管接続部材の脱着方法であって、
    前記既設管に開閉弁を有する密閉部材を水密に取り付ける工程と、前記密閉部材に取り付けた穿孔装置により、前記開閉弁を介して前記既設管の周壁の前記分岐部に対向する位置に挿入口を穿孔する工程と、前記穿孔装置に替えて前記密閉部材に取り付けた挿排出手段により、円錐形若しくは先端が切り落とされた円錐台形に形成された止水体と前記止水体を押圧する反力を受ける支持体とで構成され、前記分岐部の内径よりも大きく且つ前記挿入口よりも小さい外径を有する止水部材を、前記挿入口より既設管内に挿入して、前記止水体が前記分岐部と既設管との分岐口に当接して密着することで前記分岐部の既設管から管接続部材側への流れを止める工程と、前記分岐部が止水された状態で分岐部より管接続部材を取り外す工程と、前記分岐部に新たに管接続部材を接続する工程と、前記止水部材を前記挿排出手段により排出した後、前記既設管の周壁に形成した前記挿入口に弾性体よりなる止水体を有する密着栓体を送り出し、当該挿入口の位置において前記止水体を挟圧して膨出させることにより止水体を挿入口の切断面に密着させ、挿入口を閉塞する工程と、からなることを特徴とする管接続部材の脱着方法。
  2. 前記挿排出手段は、前記開閉弁に水密に取り付けた挿排出フランジと、前記止水部材を挿排出する作動装置と、該作動装置を支持する支柱とで構成されている請求項1に記載の管接続部材の脱着方法。
  3. 前記作動装置は、止水部材が一方の端部に装着されるシャフトと、前記シャフトの他方の端部を固定支持する固定部材と、ハンドルの回転で前記固定部材を進退移動する螺合部材とで構成されている請求項2に記載の管接続部材の脱着方法。
  4. 前記挿排出手段により前記止水部材を排出した後に、密着栓体で前記挿入口を閉塞し、前記密着栓体を水密に覆う保護部材を取り付ける請求項1ないし3のいずれかに記載の管接続部材の脱着方法。
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