JP4912086B2 - 管接続部材の脱着方法 - Google Patents

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本発明は、既設管の分岐部に取り付けられた管継手、バルブ、空気弁等の管接続部材を、前記既設管に対し不断流状態で他の管接続部材と交換または同じ管接続部材を修理して取り付け直すための管接続部材の脱着方法に関する。
従来、既設管の分岐部にフランジ等を介して連結される例えば空気弁及び補修弁等の管接続部材を、交換あるいは保守点検等のために前記既設管に対して脱着する場合、管接続部材を既設管から外す際に水圧等で多量の管内流体が流出するため、その管接続部材が連結されている既設管の流体の流れを元から遮断し、そのフランジ同士を連結しているボルトを挿脱して管接続部材を脱着していた。また、分岐部に接続された管接続部材を不断流状態で交換する場合には、密閉ケースによって分岐部を管接続部材も含めて外部から覆い、分岐部のフランジに密閉ケースの外からの操作で管接続部材を押圧するとともに、管接続部材を交換するために密閉ケース内を仕切る作業弁が用いられていた(特許文献1参照)。
特許第3533276号公報(第2、3頁、図3)
しかしながら、この特許文献1に記載のものは、分岐部及び管接続部材に対し比較的大きな密閉ケースを漏れのないように立設する必要があり、しかも分岐部のフランジの連結の解除を操作窓より行うので作業に熟練を要し、また密閉ケース用の作業弁を備えるため装置全体が大型化するという問題があった。
本発明は、上記問題点を解決するためになされたもので、脱着のための装置が大型化することなく容易に構築でき、しかも熟練を要することなく、不断流で管接続部材の脱着を行うことができる管接続部材の脱着方法を提供することを目的としている。
上記課題を解決するために、本発明の請求項1に記載の管接続部材の脱着方法は、既設管の分岐部に取り付けられた管接続部材の脱着方法であって、
前記分岐部のフランジと管接続部材のフランジとのフランジを接続しているボルト・ナットを作業用ボルト・ナットに交換する工程と、弁体を有する弁装置を前記分岐部のフランジに水密に取り付ける工程と、前記作業用ボルト・ナットを緩めて前記両フランジ間に間隙を設け、前記間隙に弁体を挿入する工程と、前記弁装置に弁体押圧機構を設け、該弁体押圧機構を操作することにより前記弁体を分岐部のフランジの座に押圧して、前記分岐部の既設管から管接続部材側への流れを止める工程と、前記分岐部が止水された状態で分岐部より管接続部材を取り外す工程と、前記分岐部内に閉塞部材を挿入して分岐部を閉塞する工程と、を有し、前記分岐部に新たに管接続部材を接続する作業に備えることを特徴としている。
この特徴によれば、分岐部のフランジに水密に取り付けた弁装置の弁体を、弁装置に設けた弁体押圧機構によってフランジの座に押圧して管接続部材側への流れを止めて管接続部材を取り外し、閉塞部材により分岐部を閉塞した後に管接続部材を取り付けて不断流状態で管接続部材を脱着ることができるので、フランジ部に取り付けるだけの簡単で、大型化しない装置により、極めて簡単な操作により不断流状態で脱着することができる。
本発明の請求項2に記載の管接続部材の脱着方法は、請求項1に記載の管接続部材の脱着方法であって、前記閉塞部材を有する閉塞装置が前記弁装置に取り付けられていることを特徴としている。
この特徴によれば、閉塞部材を設けた閉塞装置が管接続部材を撤去した後の弁装置に取り付けられるので、装置を小型化することができる。
本発明の請求項3に記載の管接続部材の脱着方法は、請求項1または2に記載の管接続部材の脱着方法であって、前記弁装置は径方向に二分割されるとともに該二分割された弁装置の上側に閉塞装置取付面が平坦に設けられていること特徴としている。
この特徴によれば、弁装置が径方向に二分割されているのでフランジに外側より取り付けることができ、該二分割された弁装置の上側には平坦に形成された閉塞装置取付面に閉塞装置を設置することができるので、確実に止水することができる。
本発明の請求項に記載の管接続部材の脱着方法は、請求項1ないしのいずれかに記載の管接続部材の脱着方法であって、前記弁装置に止水シート押圧部を設け、該止水シート押圧部を作動させることによりフランジの周面に止水シートを密着させて水密に取り付けること特徴としている。
この特徴によれば、止水シートがフランジに密着させられるので確実に止水することができる。
本発明の請求項に記載の管接続部材の脱着方法は、請求項に記載の管接続部材の脱着方法であって、前記止水シート押圧部は、分岐部のフランジに向かって作動する押圧部と、管接続部材のフランジに向かって作動する押圧部とに分かれて設けられていることを特徴としている。
この特徴によれば、分岐部と管接続部材とのそれぞれのフランジに止水シートを別々に押圧するので、分岐部を止水しながら管接続部材の止水を解除することができ、管接続部材の脱着の作業を効率よく行うことができる。
本発明の請求項に記載の管接続部材の脱着方法は、請求項1ないしのいずれかに記載の管接続部材の脱着方法であって、前記作業用ボルト・ナットは、前記フランジのボルト挿通孔に水密に取り付けられていることを特徴としている。
この特徴によれば、ボルト挿通孔より水が漏水することがないので、脱着作業が容易に行える。
本発明の請求項に記載の管接続部材の脱着方法は、請求項1ないしのいずれかに記載の管接続部材の脱着方法であって、前記弁装置は、前記分岐部に接続されているフランジを離す方向に移動させるフランジ離間機構が設けられていることを特徴としている。
この特徴によれば、フランジ離間機構によりフランジ間に間隙を確実にあけることができるので、フランジ間に容易に弁体を挿入することができ作業を効率よく行うことができる。
本発明の実施例を以下に説明する。
以下、本発明の実施例を図面に基づいて説明する。図1〜図20は、本発明の一実施形態を示すもので、図1は本発明に係る管接続部材の空気弁及びフランジ短管が分岐部に取り付けられている状態を示す説明図、図2は本発明に係る分岐部に取り付けた管接続部材の脱着方法における最初の工程であって、作業用ボルト・ナットに取り替えた状態を示す説明図、図3は弁装置をフランジに設置する工程の説明図、図4はフランジ離間部によりフランジ間に間隙を設ける工程の説明図、図5はフランジ間に挿入した弁体を弁体押圧部でフランジの座に押圧する工程の説明図、図6はフランジ短管のフランジへのパッキンの押圧を解除する工程の説明図、図7は空気弁及びフランジ短管を取り外す工程の説明図、図8は弁装置の上部に閉塞装置を設置する工程の説明図、図9は弁体を退避させて分岐部を通水状態とする工程の説明図、図10は閉塞部材を分岐口に挿入して閉鎖する工程の説明図、図11は弁装置及び収容ケースを撤去する工程の説明図、図12は分岐部に補修弁及び収容ケースを取り付ける工程の説明図、図13は閉塞部材を回収する工程の説明図、図14は閉塞装置を撤去し、空気弁を取り付ける工程の説明図、図15は本実施例の弁装置の説明図、図16は実施例における弁装置の断面図、図17は弁装置の部分断面図、図18は作業用ボルト・ナットの取付断面図、図19は本実施例における閉塞装置の説明断面図、図20は別実施例の説明部分断面図である。
図1に示すように、流体管P(既設管)の管内を流れる水道水中の空気を管外に排出するために、あるいは管内が負圧にならないようにするために流体管Pの所定箇所毎には空気弁AV1(管接続部材)が設けられており、空気弁AV1は、流体管Pに設けられた分岐部Bの上端のフランジF1及びフランジ短管FP(管接続部材)を介して取り付けられている。
通常は、空気弁AV1の修理、調整時に分岐部Bからの流れを開閉操作する補修弁V(管接続部材)が、流体管Pの分岐部Bに設けたフランジF1に取り付けられて、補修弁Vの上端にフランジを介して空気弁AV2が取り付けられている場合が多い(図14参照)。
図1のように補修弁Vが設けられていない空気弁AV1や、補修弁Vが設けられていてもその補修弁Vが故障等によって止水不良となった空気弁AV1を交換する必要が生じた場合に本工法の管接続部材の脱着方法が採用される。
はじめに、本工法で使用する弁装置1について説明する。
弁装置1は、図15に示すように、弁収容部材2と取付部材3とに二分割されており、フランジF1、フランジF2を周方向より挟み込み、取付ボルト・ナット4で接続して設置する。
弁収容部材2は、全面を弾性体のシール部材2bで覆われた板状の弁体2aが分岐部Bのフランジの座Sで止水するように弁軸2cの回転操作で進退可能に設けられている矩形部2eと、フランジF1の外径より若干大きめの内径の円弧状部2fと、円弧状部2fより外側に突出し、取付ボルト・ナット4を相通するボルト孔が設けられた掛止部2gと、フランジ離間部5(フランジ離間機構)とよりなる。円弧状部2fの下部には、フランジF1の下面に接離可能に螺挿された当接部2iが設けられたフランジ方向に突出した鍔部2hがボルト・ナットBNの操作に影響しないように形成されている。また、円弧状部2fの内周面にはフランジF1、フランジF2の外周面に当接して止水する弾性体の止水シート2dが設けられ、後述する取付部材3の止水シート8と端部同士が当接しあう長さに設けられている(図16参照)。
フランジ離間部5は、図17(a)に示すように横断面視下面がフランジと略平行で、上面が先細りのテーパー面で構成された楔体5aと、楔体5aを前後進させるネジ部材5bと、楔体5aとネジ部材5bとを収容している内装部5eとよりなり、楔体5aの後部とネジ部材5bの前方は、ネジ部材5bが回転しても楔体5aは回転しない状態で前後進させられるように係合し、水密に取り付けられている。
円弧状部2fの適所に、フランジ側には楔体5aの回転を防止する面が設けられて楔体5aを配置する矩形孔5cが孔設され、その外側にはネジ部材5bが螺合されるネジ孔5dが螺設された内装部5eが設けられている。
ネジ部材5bを回転させることにより楔体5aは矩形孔5c内を回転することなく直線的に前後進する。
取付部材3は、弁収容部材2の円弧状部2fと略等しくフランジF1の外径より若干大きめの内径の上、下押圧体7a、7bを内装した円弧状部3aと、円弧状部3aより外側に突出し、取付ボルト・ナット4を挿通するボルト孔が設けられた掛止部3bと、弁収容部材2のそれと同様のフランジ離間部5と、弁体2aをフランジの座Sに押し付ける弁体押圧部6と、止水シート押圧部7とよりなる。
円弧状部3aの下部には、フランジF1の下面に接離可能に螺挿された当接部3dが設けられたフランジ方向に突出した鍔部3cがボルト・ナットBNの操作に影響しないように形成されている。フランジ離間部5は、上記弁収容部材2のフランジ離間部5と同じ構成をとっており、本実施例では内装部5eは後述する弁体押圧部6の内装部6eと一体となっていて、円弧状部3aの適所に、2箇所設けられている。
弁体押圧部6(弁体押圧機構)は、図17(b)に示すように横断面視上面がフランジと略平行で、下面が先細りのテーパー面で構成された楔体6aと、楔体6aを前後進させるネジ部材6bと、楔体6aとネジ部材6bとを収容している内装部6eとよりなり、楔体6aの後部とネジ部材6bの前方は、ネジ部材6bが回転しても楔体6aは回転しない状態で前後進させられるように係合している。
フランジ離間部5の内装部5eと一体となった内装部6eが、フランジ側には楔体6aの回転を防止する面が設けられて楔体6aを配置する矩形孔6cが孔設され、その外側にはネジ部材6bが螺合されるネジ孔6dが螺設されて設けられている。
止水シート押圧部7(パッキン押圧機構)は、図17(c)に示すようにフランジF1、F2の外周面に密着する止水シート8を分岐部のフランジF1に押圧する円弧状の下押圧体7bと、管接続部材のフランジF2に押圧する上押圧体7aと、上、下押圧体7a、7bを前後進させるネジ部材7c、7cと、ネジ部材7cが螺装されるネジ孔7dが設けられた内装部7eとよりなり、上、下押圧体7a、7bの後部とネジ部材7cの前方は、ネジ部材7cが回転しても上、下押圧体7a、7bは回転しない状態で前後進させられるように係合し、水密に取り付けられている。
上、下押圧体7a、7bの内周面にはフランジF1、フランジF2の外周面に当接して止水する弾性体の止水シート8が設けられ、前述した弁収容部材2の止水シート2dと端部同士が当接しあい、フランジ離間部5、弁体押圧部6それぞれの楔体5a、6aが出入する孔が設けられている。
弁収容部材2と取付部材3との当接部分にはパッキン10が設けられて水密に接合されており、それぞれは略隙間なく当接するとともに、上部は段差がなく略均一の面になり、後述する閉塞装置11の収容ケース12に形成されたフランジ12aが水密に接続されるフランジ載置部2j,3eが形成されている。また、弁収容部材2と取付部材3との当接部分には、図示しない凹凸部が形成されて接合したときに均一な面のフランジ載置部2j,3eが自動的に形成される構造となっている。
次に、管接続部材としての空気弁AV1の脱着を不断流で行う方法を説明する。
まず、図1に示すように、分岐部BのフランジF1及びフランジF1にボルト・ナットBNで接続されているフランジ短管FPのフランジF2を清掃し、フランジの状態を確認する。パッキン等による止水に悪影響をもたらすような凹凸等があれば補修を行い、その後、ボルト・ナットBNを1本ずつフランジより取り外し、作業用ボルト・ナット9に取り換え、図2のようにすべてを作業用ボルト・ナット9に交換する。
作業用ボルト・ナット9は、図18に示すようにナット9aと、ボルト9bと、ワッシャ9cとにより構成されており、ナット9aは、一端部が閉塞され他端部が開放されて内周面にボルト9bに対応する雌ネジが螺設されている六角柱に形成されている。また、開放端側にはつば部が設けられ、フランジに当接する面にパッキン溝が刻まれ、パッキンが収容されている。
ボルト9bは、ナット9aの雌ネジと対応する六角ボルトであり、フランジF1、フランジF2に所定の間隙をあけてもナット9aとネジ部が十分にかみ合う長さに設定されている。
ワッシャ9cは、ドーナッツ状のシール部材とシール部材の外周と一平面とを覆う金属製の座金本体より構成されている。
作業用ボルト・ナット9に交換することによりナット9aのパッキンと、ワッシャ9cのシール部材によりフランジのボルト挿通孔からの漏水が防止される。
作業用ボルト・ナット9は、本実施例に限らず、ナット9aを通常のナットを使用してワッシャ9cを設けて止水してもよく、また、ボルトの頭部にパッキン溝を設けてパッキンを収容し止水してもよく、フランジのボルト挿通孔からの漏水を防止する構造のボルト・ナットであればよい。
次に、図3に示すように、フランジF1、フランジF2に周方向より弁収容部材2、取付部材3に二分割された弁装置1を取り付ける。
弁装置1をフランジに取り付けるには、まず、フランジ離間部5のネジ部材5bを回転操作して楔体5aをその先端が止水シート2d、8より若干突出する位置にセットした後、楔体5aの底面が分岐部BのフランジF1の上面に接する状態で弁収容部材2、取付部材3を向き合わせてフランジF1、フランジF2を周方向より挟み込み、対向する弁収容部材2、取付部材3の掛止部2g、3bのボルト孔に取付ボルト・ナット4を挿通しナットで締め付けてパッキン10を介して弁装置1を設置する。止水シート押圧部7のネジ部材7cを回転操作し上、下押圧体7a、7bをフランジ方向に移動させて止水シート2d、8をフランジF1、フランジF2の外周面に圧着させる。次に、当接部2i、3dを回転操作し、その先端をフランジF1の下面に当接させる。
止水シート2d、8が当接するフランジF2の外周面にグリースを塗布した後に弁装置1を設置すると後述するフランジF2の移動がスムーズになる。
楔体5aの下面がフランジF1の上面に当接して位置決めされるので、弁収容部材2、取付部材3の位置合わせ容易となり、また、上下方向の設置位置が確実に行われる。
このように弁装置1を取り付けると、フランジF1とフランジF2との間の間隙は止水シート2d、8により、フランジF1、フランジF2のボルト挿通孔は作業用ボルト・ナット9のパッキンとシール部材により、弁収容部材2と取付部材3とはパッキン10により止水されるので水密に設置することができる。
次に、図4に示すように、フランジF1とフランジF2との間に弁装置1の弁体2aが挿入できるように間隙をあける。
作業用ボルト・ナット9を1本ずつ少しずつ緩め、フランジ離間部5のネジ部材5bを回転操作して楔体5aをフランジ方向に前進させると楔体5aの楔作用でフランジF2がフランジF1から離れる方向に移動する。フランジF1、フランジF2がなるべく平行になるように少しずつ移動させる。作業用ボルト・ナット9を緩めることで水圧の作用によって移動させても良い。フランジF2を移動させている間も、フランジF1とフランジF2の間の間隙は止水シート2d、8により、フランジF1、フランジF2のボルト挿通孔は作業用ボルト・ナット9のパッキンと、シール部材により止水されており、フランジF2から上部の空気弁等の離脱は作業用ボルト・ナット9によって防止されている。楔体5aを前進させると、テーパー面がフランジF2の角の下部に当たり、当接部2i、3dがフランジF1の下面に当接しているので反力を得られてフランジ2Fが上方に移動する。
フランジ離間部5によってフランジ間に間隙を確実にあけられるので、弁体2aを確実にそして容易に挿入することができ作業を効率よく行うことができる。
次いで、図5に示すように、フランジF1とフランジF2との間隙に、弁装置1の弁軸2cを回転操作し弁体2aをフランジ中心方向に移動させ分岐部Bを閉塞する所定位置まで挿入し、弁体押圧部6のネジ部材6bを転操作して楔体6aを前進させ楔体6aのテーパー面で弁体2aをフランジF1の座Sに押圧させて止水する。このとき、当接部2i、3dを螺挿すると反力として弁装置1全体が流体管P方向に移動する力が働くのでさらに弁体2aを座Sに押し付けることができる。
弁体2aがシール部材2bで覆われているので、シール部材2bがフランジF1の座Sに強く押し付けられて、分岐部Bからの流れが確実に止水される。
次に、分岐部Bからの流れが止められているので、図6に示すように空気弁AV1、フランジ短管FPを取り外す準備として、止水シート押圧部7の上押圧体7aのネジ部材7cを逆回転して上押圧体7aを後退させてフランジF2への止水シート2d、8の押圧を解除し、図7に示すように作業用ボルト・ナット9を外して、分岐部BのフランジF1よりフランジ短管FP、空気弁V1を取り外す。
押圧部が上押圧体7aと下押圧体7bとに分かれているので分岐部BのフランジF1を止水シート2d、8で押圧しながら、フランジ短管FPのフランジF2の押圧を解除することができるので、不断流で取り外すことができる。
また、分岐部BのフランジF1の座Sに弁体2aを押圧して止水しているので、作業用ボルト・ナット9を取り外しても漏水することがなく、当接部2i、3dがフランジF1の下面に当接しているので、弁体2aに水圧がかかっても水圧による弁装置1の移動を防止することができる。
次に図8に示すように閉塞装置11を管接続部材(フランジ短管FP、空気弁AV1)が取り除かれた状態の弁装置1に取り付ける。
閉塞装置11は、図19に示すように、弁装置1のフランジ載置部2j、3eに水密に取り付けられる収容ケース12と、収容ケース12の内部に収容され、分岐部Bの分岐口を閉鎖する閉塞部材13とから構成されている。
収容ケース12は、一端に弁装置1のフランジ載置部2j、3eに水密に接続可能なフランジ12aを有し、内部には閉塞部材13が収容されており、フランジ12aには、分岐部BのフランジF1のボルト挿通孔に対応したボルト挿通孔が形成されている。
閉塞部材13は、筒状の弾性体13aの中央を貫通し、上端に装着されたハンドル17の操作による回転により先端の係合体13dを半径方向に伸縮させるスピンドル14と、上端にハンドル17’を備え下方にネジが螺設されるとともに、その下方に弾性体13aの支持体13bを有するスリーブ15と、このスリーブ15のネジに螺合されその上端にハンドル17’’を備えるとともに下端に弾性体13a上部を押圧できる押圧体13cを備えたパイプ16とで構成されている。
ハンドル17、17’、17’’は、スピンドル14、スリーブ15及びパイプ16に着脱自在に取り付けられており、また、スピンドル14、スリーブ15及びパイプ16は、収容ケース12に対して水密に取り付けられている。
上記閉塞装置11は、部材弁装置1のフランジ載置部2j、3eに図示していないパッキンを介して載置し、収容ケース12のフランジ12aのボルト挿通孔と分岐部BのフランジF1のボルト挿通孔とに長いものに代えたボルト9bをワッシャ9cを介して挿通し、ナット9aで締め付けて水密に取り付けられる。
次いで図9に示すように弁体押圧部6のネジ部材6bを逆回転操作して楔体6aを後退させて座Sへの密着を解除し、弁装置1の弁軸2cを逆回転操作し弁体2aを矩形部2e内に移動させ分岐部Bを開放する。
図10に示すように、スリーブ15のハンドル17’を用いて閉塞部材13を分岐部B内面の所定位置まで送り込み、スピンドル14のハンドル17を回転操作し、スピンドル14の先端の係合体13dを半径方向に伸張させて分岐口BEの流体管Pの内周面に係止させる。この状態でスリーブ15のハンドル17’を持ち固定し、パイプ16のハンドル17’’を回転操作させて弾性体13aを挟持している支持体13bと押圧体13cとを相対移動させて、この弾性体13aを押圧変形させて半径方向に拡張し、分岐口BE内部を遮蔽し止水状態とする。
次いで、図11に示すように、スピンドル14、スリーブ15及びパイプ16よりハンドル17、17’、17’’をそれぞれ取り外し、パイプ16を固定させるためのストッパ(図示せず)をスリーブ15の上端に固定し、弾性体13aの拡張状態を維持する。この状態で、作業用ボルト・ナット9を取り外して分岐部BのフランジF1から弁装置1及び収容ケース12を撤去する。
その後、図12に示すように、スピンドル14、スリーブ15及びパイプ16に新しい補修弁V及び収容ケース12を挿通し、補修弁Vを分岐部BのフランジF1にボルト・ナットBNで水密に接続し、補修弁Vの上側に収容ケース12を設置する。
分岐部BのフランジF1の座Sを点検、清掃、補修した後に補修弁Vを取り付けることができるので、止水性能を確実に確保することができる。
補修弁V及び収容ケース12が取り付けられると、スピンドル14、スリーブ15及びパイプ16にハンドル17、17’、17’’を取り付け、スリーブ15のハンドル17’を支持した状態でパイプ16のハンドル17’’を操作して弾性体13aを縮小させ、スピンドル14を操作して係合体13dを縮小させて分岐口BEの流体管Pの内周面との係止を解除し、図13に示すように閉塞部材13を収容ケース12の内部まで引き上げる。
次に、図14に示すように補修弁Vを閉にして収容ケース12を取り外した後、補修弁Vの上側に空気弁AV2を取り付け、補修弁Vを開にすることにより、新たな補修弁Vを空気弁AV2の下方に設置できる。この場合、空気弁AV2を新たなものに変換できることは勿論、空気弁AV1の、点検、保守を行って再度取り付けることもできる。
上記実施形態の管接続部材の脱着方法によれば、分岐部BのフランジF1に水密に取り付けた弁装置1の弁体2aを、フランジF1の座Sに押圧することにより、管接続部材FP、AV1側への流れを止め、流体管Pに対して不断流状態で管接続部材FP、AV1を脱着することができるので、フランジに取り付けるだけの簡単で、大型化しない装置を使用し、ボルトの回転という極めて簡単な操作により不断流状態で脱着することができ、また、閉塞装置11を用いることにより、フランジF1の座Sを点検、清掃、補修等ができるので、取り付ける管接続部材の水密性を高く維持することができる。
以上、この方法によれば、分岐部BのフランジF1に水密に取り付けた弁装置1の弁体2aを、フランジF1の座Sに押圧することにより、管接続部材FP、AV1側への流れを止め、流体管Pに対して不断流状態で管接続部材FP、AV1を脱着することができるので、フランジに取り付けるだけの簡単で、大型化しない装置を使用し、ボルトの回転という極めて簡単な操作により不断流状態で脱着することができる。
以上、本発明の実施例を図面により説明してきたが、本発明の具体的な構成はこれに限定されるものではない。
例えば、実施例では弁体押圧部は楔体とネジ部で構成されていたが、図20に示すように、弁体係合部3fを設けて、弁体2aを弁体係合部3fに係止させた後、当接部2i、3dを操作し、弁装置1全体を流体管P側に移動させてフランジF1の座Sに弁体2aを押圧さて止水してもよい。
また、実施例での閉塞装置はフランジF1のボルト挿通孔を利用して取り付けられているが弁装置にフランジを設けボルト・ナット当により直接取り付けてもよい。この場合フランジF1のボルト挿通孔を止水栓でふさぐ必要がある。
また、実施例では、止水シート押圧部が取付部材のみに設けられていたが、弁収容部材にも設けられてもよい。
また、実施例で弁装置の弁体は弁軸の回転操作で移動したが、外部の力により押し込むだけの簡単な構造でもよく、また、フランジ離間部はネジにより進退しているが、外部の直接的力で挿入抜出してもよい。
あるいは、弁装置は弁収容部材と取付部材の二分割であったが、三分割であってもよく、ネジ部材の先端を円錐形に形成すれば楔体はなくてもよい。
本発明に係る管接続部材の空気弁及びフランジ短管が分岐部に取り付けられている状態を示す説明図である。 本発明に係る分岐部に取り付けた管接続部材の脱着方法における最初の工程であって、作業用ボルト・ナットに取り替えた状態を示す説明図である。 弁装置をフランジに設置する工程の説明図である。 フランジ離間部によりフランジ間に間隙を設ける工程の説明図である。 フランジ間に挿入した弁体を弁体押圧部でフランジの座に押圧する工程の説明図である。 フランジ短管のフランジへのパッキンの押圧を解除する工程の説明図である。 空気弁及びフランジ短管を取り外す工程の説明図である。 弁装置に閉塞装置を設置する工程の説明図である。 弁体を退避させて分岐部を通水状態とする工程の説明図である。 閉塞部材を分岐口に挿入して閉鎖する工程の説明図である。 弁装置及び収容ケースを撤去する工程の説明図である。 分岐部に補修弁及び収容ケースを取り付ける工程の説明図である。 閉塞部材を回収する工程の説明図である。 閉塞装置を撤去し、空気弁を取り付ける工程の説明図である。 本実施例の弁装置の説明図であり、(a)は平面図、(b)は側面図、(c)は底面図である。 本実施例における弁装置の断面図であり、(a)は図13(b)のA−A断面図、(d)は図13(a)のB−B断面図である。 本実施例における弁装置の部分断面図であり、(a)はフランジ離間部の断面図、(b)は弁体押圧部の断面図、(c)は止水シート押圧部の断面図である。 作業用ボルト・ナットの取付断面図である。 本実施例における閉塞装置の説明断面図である。 別実施例の説明部分断面図である。
符号の説明
1 弁装置
2 弁収容部材
2a 弁体
2b シール部材
2c 弁軸
2d 止水シート
2e 矩形部
2f 円弧状部
2g 掛止部
2h 鍔部
2i 当接部
2j フランジ載置部
3 取付部材
3a 円弧状部
3b 掛止部
3c 鍔部
3d 当接部
3e フランジ載置部
3f 弁体係合部
4 取付ボルト・ナット
5 フランジ離間部(フランジ離間機構)
5a 楔体
5b ネジ部材
5c 矩形孔
5d ネジ孔
5e 内装部
6 弁体押圧部(弁体押圧機構)
6a 楔体
6b ネジ部材
6c 矩形孔
6d ネジ孔
6e 内装部
7 止水シート押圧部(パッキン押圧機構)
7a 上押圧体
7b 下押圧体
7c ネジ部材
7d ネジ孔
7e 内装部
8 止水シート
9 作業用ボルト・ナット
9a ナット
9b ボルト
9c ワッシャ
10 パッキン
11 閉塞装置
12 収容ケース
12a フランジ
13 閉塞部材
13a 弾性体
13b 支持体
13c 押圧体
13d 係合体
14 スピンドル
15 スリーブ
16 パイプ
17 ハンドル
17’、17’’ ハンドル
P 流体管(既設管)
B 分岐部
BE 分岐口
BN ボルト・ナット
F1、F2 フランジ
S 座
AV1、AV2 空気弁(管接続部材)
FP フランジ短管(管接続部材)
V 補修弁(管接続部材)

Claims (7)

  1. 既設管の分岐部に取り付けられた管接続部材の脱着方法であって、
    前記分岐部のフランジと管接続部材のフランジとのフランジを接続しているボルト・ナットを作業用ボルト・ナットに交換する工程と、弁体を有する弁装置を前記分岐部のフランジに水密に取り付ける工程と、前記作業用ボルト・ナットを緩めて前記両フランジ間に間隙を設け、前記間隙に弁体を挿入する工程と、前記弁装置に弁体押圧機構を設け、該弁体押圧機構を操作することにより前記弁体を分岐部のフランジの座に押圧して、前記分岐部の既設管から管接続部材側への流れを止める工程と、前記分岐部が止水された状態で分岐部より管接続部材を取り外す工程と、前記分岐部内に閉塞部材を挿入して分岐部を閉塞する工程と、を有し、前記分岐部に新たに管接続部材を接続する作業に備えることを特徴とする管接続部材の脱着方法。
  2. 前記閉塞部材を有する閉塞装置が前記弁装置に取り付けられている請求項1に記載の管接続部材の脱着方法。
  3. 前記弁装置は径方向に二分割されるとともに、該二分割された弁装置の上側に閉塞装置取付面が平坦に設けられている請求項1または2に記載の管接続部材の脱着方法。
  4. 前記弁装置に止水シート押圧部を設け、該止水シート押圧部を作動させることによりフランジの周面に止水シートを密着させて水密に取り付ける請求項1ないしのいずれかに記載の管接続部材の脱着方法。
  5. 前記止水シート押圧部は、分岐部のフランジに向かって作動する押圧部と、管接続部材のフランジに向かって作動する押圧部とに分かれて設けられている請求項に記載の管接続部材の脱着方法。
  6. 前記作業用ボルト・ナットは、前記フランジのボルト挿通孔に水密に取り付けられている請求項1ないしのいずれかに記載の管接続部材の脱着方法。
  7. 前記弁装置は、前記分岐部に接続されているフランジを離す方向に移動させるフランジ離間機構が設けられている請求項1ないしのいずれかに記載の管接続部材の脱着方法。
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