(第1の実施形態)
図1〜図10を参照して、コンセント及びプラグを家屋の屋外の壁面に設けられる防水コンセント及びこの防水コンセントに挿入されるプラグとして具体化した第1の実施形態について説明する。コンセントはプラグと共に接続装置を構成する。
図2に示すように、防水コンセント(以下、「コンセントA」)は、プラグBの栓刃91(図7参照)が挿入される差込口75(図3参照)が設けられたコンセント本体1Aと、このコンセント本体1Aに設けられるとともに差込口75の開閉動作を行う扉開閉機構1Bとにより構成されている。
以下では、壁面の表側及び裏側を規定する方向を「前後方向X」とし、鉛直方向に沿う方向を「上下方向Z」とし、前後方向及び上下方向の両方に直交する方向を「左右方向Y」とする。また前後方向Xにおいて、壁面の表側に向かう方向を「前方」とし、壁面の裏側に向かう方向を「後方」とする。
コンセント本体1Aには、電線が接続されるとともに、プラグBが接続されることによりプラグBに電線からの電力を供給するコンセントブロック2と、このコンセントブロック2を内部に収納するとともに保持するボディ3とが設けられている。このボディ3の後方には、壁面と前後方向Xの間に配置される防水パッキン(以下、「パッキン4」)が取り付けられている。ボディ3及び防水パッキン4の両方は、壁面の裏側に配置された取付枠5にねじ部材SC1によって固定されている。コンセントブロック2は、ねじ部材SC2によってボディ3に固定されている。またボディ3の前方の面である前面には、化粧カバー6が取り付けられている。
ボディ3には、矩形状の枠体である本体部20と、本体部20の上方から前方に向かい突出する保持部21とが設けられている。この保持部21には、コンセントブロック2が収納されている。またボディ3の左右方向Yの中央部における上端部及び下端部には、ねじ部材SC1を挿通するための貫通孔22が設けられている。下方の貫通孔22には、ねじ部材SC1を覆うカバー体23が取り付けられている。
パッキン4には、矩形状の枠体である本体部30と、本体部30の前面を覆う蓋部31とが連続一体に設けられている。この蓋部31の上方には、この蓋部31を前後方向に貫通するとともに前後方向Xの正面視において矩形状に形成された電線挿通孔32が設けられている。この電線挿通孔32には、壁面の裏側から配線された電線が挿通されるようになる。蓋部31の外周縁と本体部30との接続部分には全周に亘り段部33が設けられている。この段部33により、ボディ3とパッキン4とが互いに嵌合するようになる。またボディ3の貫通孔22に対応するパッキン4の箇所には、ねじ部材SC1を挿通するための貫通孔34が設けられている。
取付枠5には、略矩形状の挿通孔41が設けられた矩形状の枠体である本体部40が設けられている。本体部40の挿通孔41の上下方向の両側には、本体部40を前後方向Xに貫通するとともに壁面の裏側に取り付けられたスイッチボックス(不図示)にねじ部材(不図示)により取り付けられるための取付孔42が設けられている。この取付孔42の上下方向Zの両側には、パッキン4の貫通孔34と対応するとともに本体部40を前後方向Xに貫通する貫通孔43が設けられている。
化粧カバー6は、保持部21を前方から覆うとともに表面が曲面形状にて形成される周壁部50と、この周壁部50の上方を覆うとともに後方に向かうにつれて上方に傾斜する上壁51とが設けられている。これら周壁部50と上壁51とにより、化粧カバー6は下方に開口するようになる。
扉開閉機構1Bには、開閉動作を行う扉体7と、この扉体7に取り付けられるシャフト8と、シャフト8を収納するとともに保持する軸ボディ9とが設けられている。この軸ボディ9は、ねじ部材SC3によりボディ3に取り付けられている。またシャフト8には、扉体7を差込口75に向かい付勢する付勢手段であるつるまきばね(以下、「ばね10」)が取り付けられている。
扉開閉機構1Bは、軸ボディ9に設けられたシャフト挿通孔9aにシャフト8を挿入し、シャフト8のシャフト挿通孔9aよりも左右方向Yの両側にばね10を取り付けた状態において、ばね10よりも左右方向Yの両側のシャフト8の部位に扉体7を取り付ける。これにより、シャフト8を回転軸として、扉体7は回転するようになる。即ち扉体7の開閉動作はシャフト8を中心とした回転によって行われる。
図3(a)に示すように、コンセントブロック2には、ボディ3(図2参照)に保持される筐体であるコンセントボディ11及びコンセントカバー12が樹脂材料を射出成形することにより成形されている。これらコンセントボディ11及びコンセントカバー12によって形成される内部空間には、3個の端子板13、4個の錠ばね14及び2個の解除釦15がそれぞれ収納されている。またコンセントボディ11及びコンセントカバー12には、コンセントボディ11及びコンセントカバー12とは別部材として、栓刃(不図示)を受ける受口カバー16が設けられている。
コンセントボディ11及びコンセントカバー12のそれぞれには、受口カバー16を嵌合することにより固定する固定部11a,12aが設けられている。
コンセントボディ11の底壁11bには、この底壁11bを前後方向に貫通するとともに上記内部空間に連通する電線挿通孔11cが設けられている。この電線挿通孔11cには、電線が挿入されるようになる。また底壁11bには、底壁11bを前後方向Xに貫通するとともに解除釦15を操作するための操作孔11dが設けられている。
端子板13は、左右方向Yに配列された2個の電源端子板13Aと、これら電源端子板13Aと左右方向Yに隣接して配列された1個の接地端子板13Bとにより構成されている。
各電源端子板13Aには、上下方向Z及び左右方向Yに沿う平板状の基部60と、この基部60から下方に向かい延びる刃受部61と、基部60の上端部から後方に延びる錠ばね接触部62と、基部60の下端部から後方に向かい延びる電線接触部63とが設けられている。錠ばね14は基部60に当接するとともに錠ばね接触部62と電線接触部63との上下方向Zの間に収納されている。解除釦15は、左右方向Yに配列された錠ばね14の間に配置されている。刃受部61には、一対の第1挟持片64Aと、これら第1挟持片64Aに左右方向Yに隣接して配置される第2挟持片64Bとが設けられている。
接地端子板13Bには、電源端子板13Aと同様に基部(不図示)、刃受部65、錠ばね接触部66及び電線接触部67とが設けられている。接地端子板13Bには、錠ばね接触部66及び電線接触部67が左右方向Yに離間して2つそれぞれ設けられている。そして錠ばね14は各錠ばね接触部66と電線接触部67との間に収納され、これら錠ばね14の左右方向Yの間に解除釦15が配置されている。
受口カバー16は、上下方向Zの平面視において略四角形状に形成された本体部70が設けられている。この本体部70の上方には、固定部11a,12aと嵌合する周壁面71が設けられている。また本体部70の下方には、上下方向Zの平面視において円形に形成されるとともに下面72から上方に向かい凹む凹部73が設けられている。この凹部73の底面74には、差込口75が設けられている。
図3(b)に示すように、差込口75は、上下方向Zの平面視において左右方向Yが長手の長方形となる2つの電源挿入孔75aと、略丸形となる接地挿入孔75bとが設けられている。電源挿入孔75aは、左右方向Yに配列され、接地挿入孔75bは電源挿入孔75aの左右方向Yの間且つ電源挿入孔75aよりも後方に設けられている。
次にコンセントブロック2と電線との接続方法及び解除方法の概略について説明する。
コンセントブロック2に電線を接続する際には、コンセントボディ11の電線挿通孔11cに電線を挿通する。そして電線は錠ばね14と接触するとともに、錠ばね14によって電線接触部63に向かい押圧される。これにより端子板13と電線との接続が完了する。またコンセントブロック2から電線を解除する際には、マイナスドライバー等の工具を操作孔11dに挿入し、解除釦15を前方に移動させる。これにより解除釦15が錠ばね14を押圧して、錠ばね14の電線を押圧する力を低減させる。この状態において、電線を後方に向かい引き抜くことによりコンセントブロック2から電線は解除される。
図4(a)に示すように、扉体7には、平板状に形成される基部80が設けられている。基部80には、その中央部に表面80aから下方に向かい凹む凹所81が設けられ、その後方の端部にシャフト8(図2参照)を挿通する一対のシャフト挿通部82が設けられ、その左右方向Yの中央且つ前方の端部に下方に向かい湾曲状に凹む湾曲凹部83が設けられている。
凹所81には、下方の部位を構成する底面84と、この底面84と基部80とを互いに接続する接続部85とが設けられている。接続部85のうち底面84と基部80とを前後方向Xに接続するものは、下方に向かうにつれて後方に傾斜する前方傾斜面85aが形成されている。また接続部85のうち底面84と基部80とを左右方向Yに接続するものは、下方に向かうにつれて互いに近づくように傾斜する一対の側方傾斜面85bが形成されている。
凹所81の前後方向Xの中央部には、底面84から上方に突出するとともに左右方向Yに対向する接続部85を互いに連結する仕切壁86が設けられている。この仕切壁86の後面86a(図4(b)参照)は、左右方向Y及び上下方向Zに沿った平面形状にて形成されている。また仕切壁86により、凹所81は、仕切壁86より前方側の領域である規制部87と、仕切壁86より後方側の領域である固定部88とに区分けされる。
規制部87に対応する底面84には、前後方向X及び左右方向Yに沿った平面形状の平面84aが設けられ、固定部88に対応する底面84には、平面84aと同様の平面84b(図4(b)参照)と後方に向かうにつれて上方に傾斜する傾斜面84cが設けられている。傾斜面84cの傾斜角度は、傾斜面85a,85bの傾斜角度よりも小さくなるように形成されている。
仕切壁86の前面86b側には、仕切壁86の頂面86c及び平面84aを互いに接続するとともに前面86bから前方に向かうにつれて下方に傾斜する傾斜部89が設けられている。この傾斜部89は、左右方向Yに離間して2つ設けられている。
図5に示すように、コンセントブロック2は、保持部21の下端部に設けられた嵌合部24に嵌合することにより保持部21に対する位置が規定されている。具体的には、嵌合部24に設けられた挿通孔25にコンセントブロック2が挿入されるとともに、挿通孔25の周縁の当接面26にコンセントブロック2が当接している。これにより、受口カバー16の差込口75が形成される底面74は、挿通孔25よりもコンセントAの内部に設けられるようになる。コンセントブロック2がボディ3に固定された状態において、凹部73は、下方に向かい開口するとともに後方に傾斜するに従い下方に傾斜するように配置されている。これにより、底面74及び差込口75は下方に向かい露出することとなる。
またコンセントAは、扉体7が化粧カバー6の周壁部50の下端面52と当接した状態を「閉状態」(実線の扉体7)としている。このような閉状態の扉体7の位置が閉位置となる。また下端面52は、受口カバー16の底面74と平行となるように形成されている。
シャフト8は挿通孔25付近に設けられ、扉体7は閉状態から下方に向かい回転可能となる。そして図中の二点鎖線にて示すように、扉体7が下端面52に対して離間した状態を「開状態」としている。このような開状態の扉体7の位置が開位置となる。以下では、扉体7が閉状態または開状態となるように動作する方向を「開閉動作方向W」とする。この開閉動作方向Wは、ばね10が扉体7を付勢する方向に対応している。そして開閉動作方向Wにおいて、閉状態に向かう方向を「閉方向」とし、開状態に向かう方向を「開方向」とする。また閉状態において、ばね10(図2参照)により、基部80は下端面52を常に押圧した状態にて維持されるようになる。
図6(a)に示すように、化粧カバー6の下端面52は、凹部73を外側から囲うように形成されている。即ち化粧カバー6は、底面74を下方に露出させるとともに底面74以外のコンセントブロック2の面を前方及び左右方向Yから覆っている。そして閉状態において、扉体7は差込口75(底面74)の全体を下方から覆うようになる。また凹所81は、差込口75と対応した箇所に位置するようになる。また基部80は下端面52の全周に亘り当接するようになる。
図6(b)に示すように、閉状態において、基部80は化粧カバー6の周壁部50の略全周に亘り周壁部50よりも前方及び左右方向Yに突出している。また基部80の湾曲凹部83は周壁部50よりも前方に突出している。
図7を参照して、プラグBの構造について説明する。なお、図7中には、コンセントAに関する説明に用いている「前後方向X」、「左右方向Y」、「上下方向Z」とは別に定められた「前後方向X」、「左右方向Y」、「上下方向Z」を示しており、図7に関する説明では図7中に示した方向を用いることとする。
図7(a)に示すように、プラグBには、使用者がプラグBを把持するための略円筒形状のプラグボディ90と、プラグボディ90から前方に突出する栓刃91とが設けられている。またプラグボディ90の後方には、栓刃91が受けた電力を機器(不図示)に供給するためのケーブル92が設けられている。プラグボディ90は樹脂材料を射出成形することにより成形されている。
プラグボディ90には、その前後方向Xの中央部の両側面に使用者の指が係る平面形状の把持部93と、その下部に下方に向かい突出する突起部94と、その上部に使用者がプラグBの方向を視認する位置表示部95とが設けられている。
栓刃91は、電線挿通孔に挿入される一対の電源用栓刃91aと、接地挿入孔に挿入される接地用栓刃91bとにより構成されている。接地用栓刃91bは、電源用栓刃91aよりも前方に突出している。また各電源用栓刃91aは、前後方向Xの平面視において左右方向Yに長手の略長方形状に形成され、接地用栓刃91bは、丸ピン形状に形成されている。
位置表示部95は前後方向Xに沿って延びる長方形状の突起である。そして位置表示部95がプラグBの上方に位置する場合には、電源用栓刃91aが左右方向に沿って配列されるようになる。
図7(b)に示すように、突起部94は、下端部94aと、下端部94aから前方に向かうにつれて上方に傾斜する前方傾斜部94bと、下端部94aから左右方向Yに向かうにつれて上方に傾斜する側方傾斜部94cとが設けられている。また下端部94aの後端には、上方に沿って延びる保持面94dが設けられている。またプラグボディ90の突起部94より後方には、突起部94から後方に向かい延びる平面状の当接面96が設けられている。この当接面96が設けられる部位の外径は、プラグボディ90の円筒形状の部位における他の部位の外径よりも小さく形成されている。
前方傾斜部94bは、前方に向かうにつれて左右方向Yの幅が大きくなるように形成されている。前方傾斜部94bには、下方から見た平面視において略三角形状に形成されるとともに上方に向かい凹む凹部94eが設けられている。この凹部94eは、肉抜きの役割を果たしている。即ち凹部94eを設けることにより、突起部94及びその周囲にひけや巣が発生することを抑制している。
図1及び図8〜図10を参照して、コンセントAにプラグBを接続する態様及びコンセントAからプラグBを抜き去る態様のそれぞれについて説明する。図1では、プラグBが扉体7を開状態とするとともに規制部87に収納される様子を示し、図9では、プラグBが隔壁を越えて固定部88に収納されてコンセントAへの接続が完了する様子を示している。図10では、プラグBをコンセントAから抜き去る様子を示している。なお、図1及び図8〜図10では、プラグBのケーブル92を省略して示している。
図1(a)に示すように、閉状態の扉体7に対して、扉体7の化粧カバー6より突出した部位をプラグボディ90の前方の端部によって引っ掛けるようにして扉体7を開状態となるように回転させる。また扉体7を開状態とする方法としては、使用者の指によって扉体7を開方向に動作させてもよい。
図1(b)に示すように、栓刃91を受口カバー16の底面74に対向した位置にプラグBが移動した状態において、栓刃91を受口カバー16に向かい挿入する。以下では、この栓刃91の挿入方向を「栓刃挿入方向V」とする。この栓刃挿入方向Vにおいて、プラグBが受口カバー16に向かう方向を「挿入方向」とし、プラグBが受口カバー16から離間する方向を「抜去方向」とする。
図1(c)に示すように、プラグBを挿入方向に向かい挿入すると、扉体7の前方の端部と突起部94とが接触する。この状態においてさらにプラグBを挿入方向に向かい挿入すると、突起部94の前方傾斜部94bが扉体7をさらに開方向に回転させるようになる。そして下端部94aが扉体7に当接するようになる。
図1(d)に示すように、下端部94aが扉体7に当接した状態にてプラグBを挿入方向に向かい挿入すると突起部94が規制部87に収納されるようになる。具体的には、突起部94は前方傾斜面85aによって規制部87に案内されるとともに規制部87の底面84に当接するようになる。このとき扉体7は突起部94が規制部87に案内されるにつれて閉方向に回転する。
またこの状態において、栓刃91が差込口75に対して栓刃挿入方向Vにおいて対応した位置に配置されるようになる。具体的には、栓刃91のうちの接地用栓刃91bの先端部91b1が差込口75(接地挿入孔75b)に挿入されるようになる。一方、電源用栓刃91aは差込口75よりも挿入方向に位置している。即ち上記栓刃91の差込口75に対する配置状態において、栓刃挿入方向VにプラグBを移動させると、栓刃91が差込口75に挿入されるようになる。
図8に示すように、図1(d)の状態では、突起部94の下端部94aの左右方向Yの幅H1と、凹所81の底面84の平面84aの左右方向Yの幅H2とが略同一となる。これにより、突起部94が左右方向Yに移動しようとしても、凹所81に接触するようになる。即ち、栓刃挿入方向V及び開閉動作方向W(即ち、扉体7が開位置において突起部94と当接してばね部材10(図2参照)による扉体7を付勢する方向)の両方と直交する左右方向Yに突起部94が移動しようとしても規制部87によって栓刃91と差込口75とが対応する位置に規制されるようになる。
図9(a)に示すように、規制部87に突起部94が収納された状態からプラグBを挿入方向に向かい挿入すると突起部94の前方傾斜部94bが凹所81の傾斜部89に接触するようになる。これにより、突起部94が傾斜部89を滑るように頂面86cに向かい移動する。突起部94と傾斜部89との接触により、扉体7は開方向に移動するようになる。また電源用栓刃91aは差込口75(電源挿入孔75a)に挿入されるようになる。
図9(b)に示すように、突起部94の下端部94aが頂面86cと当接したときに扉体7がプラグBをコンセントAに挿入する際に最も開方向に移動した状態となる。ここで、凹所81には、仕切壁86よりも挿入方向、即ち栓刃挿入方向のコンセントA側に固定部88が設けられるとともに、仕切壁86よりも抜去方向、即ち栓刃挿入方向のコンセントA側とは反対側に規制部87が設けられている。
図9(c)に示すように、突起部94が頂面86cを超えると、固定部88に収納されるようになる。このとき、扉体7は閉方向に向かい回転するとともに、当接面96と頂面86cとが当接し、仕切壁86と突起部94の保持面94dとが当接するようになる。また頂面86cは当接面96と当接するようになる。これにより、プラグBのコンセントAへの接続が完了する。即ち栓刃91が刃受部61(図3参照)に挟持された状態となる。この状態において、プラグBに左右方向Yへの力が加わったとしても、突起部94が固定部88と当接することにより、上記力によって栓刃91と刃受部61との接続部分に力が加わることを抑制することができる。以上により、プラグBを操作するのみにて、扉体7を開状態とするとともにコンセントAへの接続及びコンセントAからプラグBが抜けることを抑制する抜け止め機構の構成までを行うことができる。即ち使用者はプラグBを把持する片手のみにて、コンセントAへの接続及び上記抜け止め機構を完了することができる。
またこの状態において、仕切壁86及び保持面94dは栓刃挿入方向Vに対して直交する平面を有している。
ここで、ケーブル92(図7参照)を引っ掛ける等により不用意にプラグBがコンセントAに対して抜けようとする場合、保持面94dが仕切壁86と栓刃挿入方向Vに対して当接するため、プラグBがコンセントAから抜けることが抑制される。特にこの状態において、仕切壁86及び保持面94dがそれぞれ栓刃挿入方向Vに対して略垂直なるように形成され、且つ保持面94dが仕切壁86に面接触することにより、仕切壁86がプラグBの抜去方向の力を正面から受けることとなる。
またプラグボディ90の凹部73に挿入される部位の外径は、凹部73の内径と略同一となるように形成されている。即ちプラグボディ90と凹部73との間には、僅かな隙間のみが形成されるようになる。ここで、「僅かな隙間」とは、プラグBがコンセントAに接続した状態において、使用者の指が入らない程度の大きさのことを言う。
図10(a)に示すように、プラグBをコンセントAから抜き去るときには、使用者は基部80の抜去方向の端部を開方向に押圧する。そして突起部94が仕切壁86と栓刃挿入方向Vに重なる部位がなくなるようにする。即ち保持面94dと仕切壁86とが当接しなくなる。そして、この状態において、プラグBを抜去方向に引くことにより、プラグBをコンセントAから抜き去ることができるようになる。
またプラグボディ90の外径よりも基部80が左右方向Yに大きく形成されるため(図8参照)、プラグボディ90の外径と基部とが左右方向に同一である場合と比較して、使用者が扉体7を容易に押圧することができる。
プラグBをコンセントAから抜き去った後には、図10(b)に示すように、ばね10(図2参照)の作用により、扉体7は下端面52に向かい、即ち閉状態となるように回転動作する。
上述のように、本実施形態においては、コンセント本体1Aのうち凹部73の底面74が挿入面を構成しており、開状態にある扉体7は挿入面から突出する支持体として機能する。さらに、扉体7の基部80の表面80aは、支持体のうちプラグボディ90と対向する面である支持面を構成する。すなわち、支持面である表面80aに形成された規制部87は、プラグBの挿入時に突起部94を案内し、支持面に沿う平面内で栓刃91の挿入方向と直交する直交方向(左右方向Y)へのプラグボディ90の移動を規制する。この状態では、コンセント本体1Aに対するプラグボディ90の位置は、栓刃91が差込口75に対応する(つまり栓刃91の進行方向前方に差込口75が位置する)ように、規制されることになる。
本実施形態によれば、以下に示す効果を奏することができる。
(1)本実施形態では、扉体7の基部80に規制部87が設けられる構成である。この構成によれば、規制部87にプラグボディ90の突起部94が収納されることにより、差込口75に対するプラグBの左右方向Yの位置が決定されるようになる。したがって、差込口75に対するプラグBの左右方向Yの位置合わせが容易となる。
ところで、本実施形態のような防水コンセントでは、差込口に雨水が侵入するのを抑制する目的として、差込口が下方に向かい開口している構造が知られている。またこのような防水コンセントでは、使用者が差込口を視認することが困難であり、プラグをコンセントに接続する作業が煩雑であった。
その点、本実施形態では、規制部87によってプラグBの差込口75に対する左右方向Yの位置が決定するため、その状態においてプラグBを栓刃挿入方向Vに移動するのみにて、プラグBをコンセントAに接続することが可能となる。
(2)本実施形態では、規制部87に突起部94が収納された状態において、接地用栓刃91bの先端部91b1が接地挿入孔75bに挿入されている構成である。したがって、規制部87に突起部94が収納されることにより、上述のプラグBの差込口75に対する左右方向Yの位置が決定されることに加えて、栓刃91の差込口75に対する位置が決定されるようになる。その結果、コンセントAにプラグBをより容易且つ確実に接続することができる。
(3)本実施形態では、扉体7に傾斜部89が設けられる構成である。したがって、プラグBを規制部87から挿入方向に移動するのみにて、仕切壁86(規制部87)を乗り越えることができる。即ち、プラグBが仕切壁86(規制部87)を乗り越えるために使用者が別途扉体7を手で開方向に移動させる必要がない。その結果、プラグBをコンセントAに容易に接続することができる。
また、傾斜部89は仕切壁86の前方に接続される構成である。したがって、プラグBの保持面94dと仕切壁86との当接によって、仕切壁86が前方に変形したり破損したりすることを抑制している。即ち傾斜部89は仕切壁86の補強を兼ねている。
(4)本実施形態では、プラグBのコンセントAへの接続が完了した状態において、仕切壁86が保持面94dと当接する構成である。したがって、プラグBが不用意にコンセントAから抜けてしまうことを抑制することができる。すなわち、固定部88により栓刃91が刃受部61に挟持した状態を維持されるため、ケーブルを引っ掛ける等により不用意にプラグBをコンセントAから抜き去る方向に力が加わったとしても、コンセントAからプラグBが抜けてしまうことを防ぐことができる。
ところで、上述のプラグのコンセントからの抜け止めの機構としては、栓刃及び端子板の刃受部にそれぞれ係合部を設け、プラグがコンセントに接続された状態において、各係合部が互いに係合して抜け止めを行うものが知られている。しかしながら、このような抜け止め機構では、この抜け止め機構が省略された刃受部と比較して、刃受部の弾性変形が大きくなってしまう。したがって、刃受部のばね性が低下しやすい問題がある。
その点、本実施形態では、扉体7に仕切壁86が設けられ、プラグボディ90に保持面94dが設けられる構成であるため、栓刃91と刃受部61とによって抜け止め機構を構成していない。したがって、栓刃及び刃受部に抜け止め機構を設ける場合と比較して、プラグBをコンセントAに挿抜する回数を増大してもコンセントAからプラグBを抜け止めする機能を維持することができる。
(5)本実施形態では、基部80に凹所81が設けられ、この凹所81に規制部87及び仕切壁86が設けられる構成である。この構成によれば、基部80より閉方向に規制部87及び仕切壁86が設けられる扉体と比較して、プラグBをコンセントAに挿入する際の扉体7を開方向に開く回転量を低減することができる。したがって、扉体7を開くための力を少なくすることができるため、プラグBをコンセントAに容易に挿入することができる。また、規制部87を凹所により形成するため、扉体7に簡単な形状を設けることのみによってコンセントAに対するプラグBの位置を決めることができる。しかも、凹所81に仕切壁86が設けられることにより固定部88及び規制部87が設けられるため、1つの凹所81にて固定部88及び規制部87が形成されることとなり、簡単な構成によって、固定部88及び規制部87を構成することができる。
(6)本実施形態では、規制部87に対応する接続部85には前方傾斜面85aが設けられる構成である。この構成によれば、突起部94が規制部87に収納される際に、前方傾斜面85aによって突起部94が底面84に案内されるようになる。したがって、突起部94を規制部87に容易に収納することができる。
(7)本実施形態では、接続部85には側方傾斜面85bが設けられる構成である。この構成によれば、プラグボディ90の突起部94が規制部87の底面84に対して左右方向に異なった位置に配置したとしても、側方傾斜面85bに接触することにより、突起部94を底面84に案内するようになる。したがって、突起部94を規制部87に容易に収納することができる。
(8)本実施形態では、基部80は周壁部50よりも前方及び左右方向Yに突出する構成である。したがって、扉体7の突出部をプラグボディ90または使用者の指によって引っ掛けることにより、扉体7を閉状態から容易に開方向に移動させることができる。
特に基部80の突出した部位をプラグボディ90によって引っ掛ける場合には、プラグBをコンセントAに接続する一連の動作がプラグボディ90によって行われるため、使用者は片手にて上記動作を行うことができる。
(9)本実施形態では、受口カバー16の底面74と化粧カバー6の下端面52とが互いに略平行となる構成である。
ところで、防水コンセントのような差込口75が下方に向いて開口しているコンセントでは、上述のように使用者は差込口75を視認することが困難である。そのため、差込口75に対するプラグBの傾斜角度を把握することが困難である。
その点、本実施形態では、使用者が視認可能な下端面52が、差込口75が形成される底面74と略平行であるため、下端面52に対してプラグBの傾斜角度を決めることにより、差込口75に容易にプラグBの栓刃91を挿入することができる。
(10)本実施形態では、突起部94の幅H1と平面84aの幅H2とが略同一に形成される構成である。したがって、突起部94の左右方向への移動が規制されるようになる。その結果、プラグBをコンセントAへの挿入を容易に行うことができる。
(11)本実施形態では、扉体7が上方から下方に向かい回転する方向を開方向とするとともに、規制部87が基部80の表面側に設けられる構成である。したがって、扉体7を開状態としたときに、使用者は規制部87の位置を視認することができる。したがって、突起部94を規制部87に収納する作業を容易に行うことができるようになる。
(12)本実施形態では、プラグBがコンセントAに接続された状態において、仕切壁86及び保持面94dのそれぞれが栓刃挿入方向Vに対して垂直に形成され、且つ仕切壁86と保持面94dとが面接触する構成である。したがって、仕切壁86がプラグBの抜去方向の力を正面にて受けるようになるため、プラグBのコンセントAに対する抜け止め機能を向上させることができる。
(13)本実施形態では、プラグボディ90には平面形状の当接面96が形成される構成である。したがって、当接面96が省略され、プラグボディ90の当接面と対応する部位が円筒形状である構成と比較して、仕切壁86と保持面94dとの係合量を増大することができる。
(14)本実施形態では、扉体7を閉状態にするためにばね10が設けられる構成である。この構成によれば、扉体7を開状態から閉状態に自動的に回転することができる。したがって、扉体7の閉め忘れを防止することができる。
(15)本実施形態では、受口カバー16に凹部73が設けられ、その底面74に差込口75が設けられる構成である。したがって、プラグBをコンセントAに挿入する際に、栓刃91と使用者の指とが接触した状態にて栓刃91と刃受部61とを接続することを抑制することができる。
(16)本実施形態では、凹部73の内径とプラグボディ90の凹部73に挿入される部位の外径とが略同一に形成されるため、即ち凹部73とプラグボディ90との間に形成される隙間が僅かとなる構成である。したがって、凹部73とプラグボディ90との間に使用者の指が入ってしまうことを抑制することができる。その結果、上記の栓刃91と使用者の指とが接触した状態にて栓刃91と刃受部61とを接続することを抑制する効果をより一層向上することができる。
また、プラグBをコンセントAに接続した状態において、ケーブル92を引っ掛ける等によってプラグBに力が加わり栓刃挿入方向Vに対して傾こうとしても、プラグボディ90が凹部73に接触することにより、プラグBの栓刃挿入方向Vに対する傾きが抑制されるようになる。その結果、栓刃91が折れ曲がることや差込口75が破損するといった不具合を抑制することができる。
(17)本実施形態では、底面74が挿通孔25よりコンセントAの内部に設けられる構成である。したがって、底面が挿通孔25と同位置もしくは挿通孔25よりコンセントAの外部に設けられる構成と比較して、底面の差込口に水が浸入することを抑制することができる。したがって、上記構成と比較して、コンセントAの防水性能を向上させることができる。
(18)本実施形態では、扉体7の凹所81に前方傾斜面85aが設けられる構成である。したがって、規制部87に水が浸入したとしても、扉体7を開状態とすることにより、水は前方傾斜面85aを介して下方に放出するようになる。その結果、規制部87に水が溜まることが抑制され、規制部87を介して水が差込口75に浸入することを抑制することができる。
(19)本実施形態では、扉体7の基部80は周壁部50よりも略全周に亘り前方または左右方向Yに突出する構成である。この構成によれば、使用者は扉体7をどの方向においても指またはプラグボディ90によって引っ掛けて開方向に移動させることができる。したがって、例えば扉体が周壁部50よりも前方のみ突出している構成または扉体が周壁部50よりも左右方向のみ突出している構成と比較して、扉体7の開閉動作が行い易い。その結果、コンセントAの使い勝手が良くなる。
(20)本実施形態では、基部80は化粧カバー6の下端面52に対して、その全周に亘り当接する構成である。したがって、基部が下端面52と当接しない構成または基部が下端面52と一部のみが当接する構成と比較して、扉体7と化粧カバー6との間からコンセントAの内部に水が侵入することを抑制することができる。
また特にばね10により閉状態においても基部80が下端面52に対して付勢された状態であるため、基部80と下端面52との間に形成される隙間を低減することができる。したがって、扉体7と化粧カバー6との間からコンセントAの内部への水の侵入を抑制する効果をより一層向上することができる。
(21)本実施形態では、基部80の前方の端部に湾曲凹部83が設けられる構成である。したがって、使用者が指で扉体7を開く場合には、湾曲凹部83に指を引っ掛けて扉体7を開けることができる。その結果、使用者の指にて扉体7を容易に開くことができる。
(22)本実施形態では、プラグボディ90に位置表示部95が設けられる構成である。したがって、使用者が位置表示部95を視認することによって栓刃91の配列状態と差込口75とを合致させることができる。したがって、コンセントAにプラグBを容易に挿入することができる。
(第2の実施形態)
図11〜図13を参照して、コンセント及びプラグを家屋の屋外の壁面に設けられる防水コンセント及びこの防水コンセントに挿入されるプラグとして具体化した第2の実施形態について説明する。本実施形態では、扉体7及びプラグボディ90の形状が異なる。以下、本実施形態と第1の実施形態との相違点を中心に説明する。また同一部材には同一符号を付し、その説明を省略する。
図11に示すように、扉体7には、第1の実施形態の仕切壁86を省略するとともに、傾斜部89の後方の端部を左右方向Yに連結する連結壁89aが設けられている。この連結壁89aは、左右方向Y及び上下方向Zに沿った壁体として設けられている。
ここで、規制部87は、傾斜部89よりも前方の凹所81の領域である。一方、固定部88は、連結壁89aを含むとともに傾斜部89よりも後方の凹所81の領域である。これにより、突起部94(図12参照)は、規制部87に当接したときに扉体7に対して左右方向Yの移動が規制されるとともに、固定部88に当接したときに扉体7に対して栓刃挿入方向Vの抜き去り側への移動が規制されるようになる。
また、基部80の表面80aの凹所81よりも右方には、プラグBの栓刃91(図12参照)の配置位置及びコンセントAに対応する電圧を示す表示部80bが基部80と一体成形により形成されている。なお、図12中には、コンセントAに関する説明に用いている「前後方向X」、「左右方向Y」、「上下方向Z」とは別に定められた「前後方向X」、「左右方向Y」、「上下方向Z」を示しており、図12に関する説明では図12中に示した方向を用いることとする。
図12に示すように、プラグボディ90の突起部94の後方には、上方に向かい凹むとともに後方に向かい開口する凹形状の係合部97が設けられている。また突起部94の側方傾斜部94cは、左右方向Yの外方に向けて凸形状となる湾曲状に形成されている。
図13(a)に示すように、プラグBのコンセントAへの接続が完了した状態において、傾斜部89と係合部97とが互いに係合するようになる。このとき、プラグBの突起部94の保持面94dが連結壁89aに対して栓刃挿入方向Vにおいて当接するようになる。したがって、プラグBのコンセントAへの接続が完了した状態において、プラグBは栓刃挿入方向Vの抜き去り側への移動が規制されるようになる。
図13(b)に示すように、係合部97の左右方向Yの幅T1は、2つの傾斜部89の左右方向Yの幅T2(図11参照)と同一となる。本実施形態では、2つの傾斜部89の左右方向の側面とこの側面に左右方向Yに対向する係合部97の内面とが栓刃挿入方向V及び開閉動作方向Wに沿った平面にてそれぞれ形成されている。これにより、プラグBが左右方向Yの力を受けることによりプラグBが左右方向Yに向けて移動しようとする場合、係合部97の内面が傾斜部89の側面に面接触するようになる。したがって、プラグBがコンセントAへの接続が完了した状態、即ち栓刃91が刃受部61(図3参照)に挟持された状態において、プラグBの左右方向Yへの移動が規制されるようになる。
なお、幅T1と幅T2との関係については、係合部97の幅T1の方が幅T2に比べてやや広い関係にあってもよく、この場合、プラグBの傾斜部89を係合部97にスムーズに係合させることができる。
本実施形態によれば、第1の実施形態の効果(1)〜(22)に加え、以下の効果を奏することができる。
(23)本実施形態では、プラグBのコンセントAへの接続が完了した状態において、係合部97と傾斜部89とが係合している。したがって、この状態において、プラグBが左右方向Yの荷重を受けることに起因してプラグBの栓刃91がコンセントAの刃受部65から抜けることを抑制することができる。
(24)本実施形態では、係合部97が傾斜部89の左右方向Yの両側から挟み込む凹形状とするため、扉体7に対してプラグBが左右方向Yの移動を規制するための構成を簡単化とすることができる。
(25)本実施形態では、側方傾斜部94cが左右方向Yの外方に向けて凸形状となる湾曲状に形成されている。したがって、側方傾斜部94cが平面形状にて形成される場合と比較して、プラグBの美観を向上させることができる。
加えて、プラグBを屋外にて使用する場合において、アスファルト等にプラグBを置いたときに、側方傾斜部94cが湾曲状であると突起部94をアスファルトに当接した状態を維持することが困難となる。即ち、プラグBは突起部94がアスファルトに対して離間するように回動するようになる。これにより、アスファルトに置いたプラグBを車両が踏んだとしても、車両が突起部94をアスファルトに対して押圧する力を低減することができる。したがって、突起部94の破損を抑制することができる。
(26)防水コンセントは、屋外にて用いられるため、雨等による水が化粧カバー6と扉体7の基部80との間を介して浸入する場合がある。このような水は、図4に示す矢印のように、その水の自重により基部80の規制部87を通過するとともに仕切壁86を乗り越えて固定部88に浸入した後、基部80と軸ボディ9との間の隙間を介して下方に滴下していくようになる。しかしながら、規制部87は基部80から凹むとともに仕切壁86によって固定部88と仕切られているため、若干の水が溜まる可能性がある。
その点、本実施形態では、仕切壁86を省略する構成であるため、化粧カバー6と基部80との間を介して浸入した水は、図11に示す矢印のように、傾斜部89の左右方向Yの両側を通過して固定部88に浸入した後、基部80と軸ボディ9との間の隙間を介して下方に滴下するようになる。これにより、規制部87に水が溜まることを抑制することができる。
(27)本実施形態では、基部80の表面80aに表示部80bが設けられている。したがって、コンセントAにプラグBを接続する場合に、扉体7を開状態にしたときに作業者が表示部80bを視認することができるようになる。これにより、プラグBがコンセントAの供給電圧に対して適合しているか否かを作業者が確認することができるため、作業者がコンセントAに対して供給電圧の異なるプラグを接続することを抑制することができる。
加えて、表示部80bにより作業者がプラグBの栓刃91の配置位置を確認することができるため、作業者が差込口75の位置を直接視認することを省略することができる。したがって、プラグBのコンセントAへの接続を容易に行うことができる。
(第3の実施形態)
図14及び図15を参照して、コンセント及びコンセントを家屋の屋外の壁面に設けられる防水コンセント及びこの防水コンセントに挿入されるプラグとして具体化した第3の実施形態について説明する。本実施形態では、第1の実施形態と比較して、化粧カバー6に保護プレートが設けられた点にて異なる。以下、本実施形態と第1の実施形態との相違点を中心に説明する。また同一部材には同一符号を付し、その説明を省略する。
図14に示すように、コンセントAの化粧カバー6の周壁部50の左右方向Yの中央部には、下方が開口するとともに後側に凹む凹部53が設けられている。この凹部53には、化粧カバー6を保護する保護プレート17が化粧カバー6とは別部材として嵌合している。また保護プレート17は、閉状態における規制部87(図4参照)と左右方向Yに対応する位置に設けられることとなる。即ち閉状態における規制部87の左右方向Yの位置と保護プレート17の左右方向Yの位置とが一致するようになる。なお本実施形態では、保護プレート17はステンレス鋼をプレス加工することにより、略平板状に形成されている。
ところで、このような保護プレート17が省略されたコンセントでは、プラグBをコンセントに挿入するときに、詳細には、プラグBによって扉体7を開方向に動作させるときには、プラグボディ90の一部を扉体7に当接させた状態にて扉体7を開方向に動作させている。特にプラグBによって扉体7を動作させる場合には、規制部87と左右方向Yに同位置である湾曲凹部83にプラグボディ90を当接させる。このときにプラグボディ90の上端部を後方に傾けるため、栓刃91が規制部87に左右方向Yに対応する化粧カバー6の中央部に接触してしまう場合がある。栓刃91が化粧カバー6に接触すると、化粧カバー6は樹脂材料であるため、化粧カバー6が削れて傷付いてしまう。その結果、化粧カバー6の傷が酸化することによって腐食してしまう問題やコンセントの美観が低下してしまう問題が生じるようになる。
その点、本実施形態では、図15に示すように、プラグBによって扉体7を開方向に動作させるときに、保護プレート17が規制部87と対応する位置に設けられているため、プラグBの栓刃91が保護プレート17に接触する。これにより、栓刃91と化粧カバー6との接触を回避している。
本実施形態によれば、第1の実施形態の効果(1)〜(22)に加え、以下に示す効果を得ることができる。
(28)本実施形態によれば、保護プレート17が化粧カバー6に取り付けられる構成である。したがって、栓刃91が化粧カバー6に直接接触することが回避されるようになる。その結果、上述の化粧カバー6の腐食の問題やコンセントの美観の低下の問題を解消することができる。
(29)本実施形態によれば、保護プレート17としてステンレス鋼を用いる構成である。この構成によれば、保護プレートに鉄材料を用いる場合と比較して、保護プレート17が錆難くなる。したがって、屋外にて用いられる本実施形態のコンセントAに好適である。
(第4の実施形態)
図16及び図17を参照して、コンセント及びプラグを家屋の屋外の壁面に設けられる防水コンセント及びこの防水コンセントに挿入されるプラグとして具体化した第4の実施形態について説明する。本実施形態では、第1の実施形態と比較して、壁面とコンセントとの間にスペーサを設けた点にて異なる。以下、本実施形態と第1の実施形態との相違点を中心に説明する。また同一部材には同一符号を付し、その説明を省略する。
図16に示すように、コンセントAの後方には、スペーサ18がパッキン4に取り付けられている。このスペーサ18の後方には、防水パッキン19が取り付けられている。この防水パッキン19は壁面WLとも当接している。
図17に示すように、スペーサ18は、枠体状の本体部100が設けられている。この本体部100には、中央に電線を挿通するための電線挿通孔101と、この電線挿通孔101の上方及び下方にねじ挿通孔102とがそれぞれ設けられている。
ところで、導体の直径が2mm以下の電線(第1電線)の場合、作業者の手作業にて第1電線を屈曲してコンセントAの内部に収納することが可能である。しかしながら、導体の直径が2.6mm、もしくはそれ以上の電線(第2電線)の場合、作業者が手作業にて第2電線を屈曲してコンセントAの内部に収納することが困難である。そのため、作業者の手作業にて第2電線を収納する場合には、この第2電線を屈曲せずにコンセントAに接続する方法が取られる。しかしながら、コンセントAを直接壁面WLに取り付ける構成では、第2電線を収納する前後方向Xのスペースがないため、この第2電線を収納することが困難となる。
その点、本実施形態では、壁面WLとパッキン4と前後方向の間にスペーサ18を配置するため、第2電線を収納する前後方向Xのスペースを確保することができ、この第2電線をコンセントAに収納することができる。また、スペーサ18は、壁面WLから第2電線が前方に突出する突出量と、コンセントブロック2(図13参照)の電線接続部位の壁面WLから前方への位置とが略同一となるように、その厚さDが設定されている。
本実施形態によれば、第1の実施形態の効果(1)〜(22)に加え、以下に示す効果を得ることができる。
(30)本実施形態によれば、パッキン4と壁面WLとの間にスペーサ18が設けられる構成である。したがって、上記第2電線を屈曲させずにコンセントAの内部に第2電線を収納することができる。
(31)本実施形態によれば、スペーサ18と壁面WLとの間に防水パッキン19が設けられる構成である。したがって、スペーサ18と壁面WLとの間を介して水が浸入することを抑制することができる。
(第5の実施形態)
図18を参照して、コンセント及びプラグを家屋の屋外の壁面に設けられる防水コンセント及びこの防水コンセントに挿入されるプラグとして具体化した第5の実施形態について説明する。本実施形態では、第1の実施形態と比較して、コンセントに表示部が設けられた点にて異なる。以下、本実施形態と第1の実施形態との相違点を中心に説明する。また同一部材には同一符号を付し、その説明を省略する。
図18を参照して、コンセントAには、同コンセントAが通電している状態か否かを表示する表示部54が設けられている。具体的には、化粧カバー6の周壁部50の左右方向Yの中央部には、上下方向Zに長手となる略長方形の貫通孔55が設けられている。この貫通孔55には、透明な樹脂材料にて形成されたカバー部材56が取り付けられている。このカバー部材56の後方には、発光ダイオード57が上下方向Zに4個配列した状態にて実装された回路基板(不図示)が化粧カバー6に取り付けられている。なお、回路基板は保持部21に取り付けることもできる。また発光ダイオード57に限定されず、他の発光素子を用いることもできる。
ところで、コンセントAは、このコンセントAの不使用時には、屋内に設けられたスイッチやコントロールパネル等によって、コンセントAへの電力供給のオン状態(通電状態)及びオフ状態(非通電状態)を制御する場合がある。
このような場合、表示部54が省略されたコンセントでは、コンセントが通電状態か否かを直接判別すること困難である。そのため、プラグB(図7参照)をコンセントに接続したときにプラグBが接続された機器に電力供給がなされないことをもってコンセントの通電状態が判別する。したがって、プラグBを接続した後に、屋内のスイッチやコントロールパネル等によって、コンセントの通電状態を設定する必要がある。その結果、コンセントの使い勝手が悪かった。
その点、本実施形態では、表示部54によってコンセントAの通電状態か否かを判別することができるため、プラグBをコンセントAに接続する前にコンセントAの通電状態を判別することができ、コンセントAの使い勝手が良くなる。
本実施形態によれば、第1の実施形態の効果(1)〜(22)に加え、以下に示す効果を得ることができる。
(32)本実施形態によれば、表示部54によりコンセントAが通電状態か否かを使用者が直接視認することができる。したがって、コンセントAにプラグBを挿入する前にコンセントAの通電状態を確認することができるため、コンセントAの使い勝手が良くなる。
(第6の実施形態)
図19〜図21を参照して、コンセント及びプラグを扉体のない屋外用コンセント及びこの屋外用コンセントに挿入されるプラグとして具体化した第6の実施形態について説明する。本実施形態では、第2の実施形態と比較して、コンセントAの形状が異なる。以下、本実施形態と第2の実施形態との相違点を中心に説明する。また同一部材には同一符号を付し、その説明を省略する。
本実施形態のコンセントAは、例えば電気自動車用の充電スタンド(不図示)に設けられる。充電スタンドは、電気自動車にケーブルを介して接続することにより、電気自動車に搭載されたバッテリに充電する充電装置であり、例えば屋外の駐車場に設置されている。この充電スタンドには、一側面にコンセントAが露出するスタンド本体(不図示)と、開閉式の扉(不図示)とが設けられており、コンセントAの非使用時には扉を閉じることによりコンセントAが扉に覆われる。
コンセントAは、スタンド本体の側面を構成する壁体(不図示)に対してねじ(不図示)によって取り付けられる。壁体には、コンセントAを露出させるための開口部(不図示)と、開口部の周囲に4つの取付孔(不図示)とが設けられている。
本実施形態では、壁体の厚み方向を「前後方向X」とし、充電スタンドが設置された状態の鉛直方向に沿う方向を「上下方向Z」とし、前後方向及び上下方向の両方に直交する方向を「左右方向Y」とする。また前後方向Xにおいて、壁体の表側に向かう方向を「前方」とし、壁体の裏側に向かう方向を「後方」とする。
図19に示すように、コンセントAのコンセント本体1Aは、樹脂材料を用いて成形された直方体状のケース76を有している。ケース76の前面77の左右方向Yの中央部には、前面77より前方に向けて突出する突状部78が設けられている。ケース76の前面77の4隅には、壁体への取り付け時にねじを固定するためのねじ穴79がそれぞれ設けられている。突状部78の前面78aの下端部には、前面78aから前方に向けて突出する支持体である支持板120が設けられている。
突状部78は、前方から見た平面視において上方が湾曲形状となるとともに下方が矩形状となるように形成されている。また突状部78の突出量、すなわちケース76の前面77と突状部78の前面78aとの前後方向Xの距離は、壁体の前後方向Xの厚さである板厚よりも若干大きく設定される。壁体の開口部は突状部78に対応する形状に形成されており、コンセントAは、突状部78を前方に露出させるように開口部内に後方から突状部78を挿入した状態で壁体にねじで固定される。
突状部78には、突状部78の前面78aから後方に向けて凹む凹部73が形成されている。この凹部73は、前方から見た平面視において円形に形成され、その底面74には、差込口75が設けられている。
第2の実施形態では、差込口75の電源挿入孔75aが、この電源挿入孔75aの配列方向が長手方向となる略長方形状に形成された、いわゆる単相200V用のコンセントの差込口の形状であったが、本実施形態はこの点でも第2の実施形態と相違する。つまり、本実施形態では、電源挿入孔75aが、この電源挿入孔75aの配列方向が短手方向となる略長方形状に形成された、いわゆる単相100V用のコンセントの差込口の形状のコンセントAを例示している。これに合わせて、プラグBにおける電源用栓刃91aの配置も、前後方向Xの平面視において上下方向Zに長手の略長方形状となるように、第2の実施形態から変更されている(図20参照)。
支持板120は、樹脂材料を用いて成形され、上方から見た平面視において前後方向Xに向けて延びるとともに、後方の部位の左右方向Yの幅が前方の部位の左右方向Yの幅よりも大きくなるように形成されている。支持板120は、その左右方向Yの中央部に上面121から下方に向かい凹む凹所81が設けられており、同じく凹所81が形成された第2の実施形態における扉体7(図11参照)に相当する。
ただし、扉体7は扉開閉機構を構成し開閉動作可能に構成されるのに対し、支持板120は突状部78の前面78aから前方に向けて突出した図19の状態で固定されている。なお、支持板120は突状部78と連続一体に形成されていてもよいし、突状部78とは別に形成されケース76に固定されていてもよい。
すなわち、支持板120の凹所81の底面には傾斜部89及び連結壁89aが設けられており、傾斜部89よりも前方の凹所81の領域が規制部87となる。一方、固定部88は、連結壁89aを含むとともに傾斜部89よりも後方の凹所81の領域である。これにより、プラグBの突起部94(図20参照)は、規制部87に当接したときに支持板120に対して左右方向Yの移動が規制されるとともに、固定部88に当接したときに支持板120に対して栓刃挿入方向の抜き去り側への移動が規制されるようになる。
次に、図20を参照して、プラグBをコンセントAに接続する態様について説明する。図20(a)に示すように、使用者は、位置表示部95が上方となるようにプラグBの向きを調整した後、コンセントAに向けてプラグBを移動させる。これにより、プラグBの突起部94が凹所81内に案内されて規制部87に当接し、栓刃91が差込口75に対して栓刃挿入方向(前後方向X)において対応した位置に配置されるようになる。
その後、図20(b)に示すように、プラグBの突起部94と支持板120の傾斜部89とが当接すると、支持板120は、コンセント本体1Aとの結合部位を支点として、前端部が下方に向けて変位するように撓む。すなわち支持板120は、突状部78との結合部位を支点として下方に弾性変形する。
この状態からプラグBがさらに挿入されると、図20(c)に示すように、突起部94が傾斜部89の頂部を乗り越えた後、支持板120は復元力の作用により上方に向けて変位する。このとき、栓刃91が差込口75(図19参照)に挿入された状態となるとともにプラグBがコンセントAに接続完了となる。
次に、図21を参照して、コンセントAからプラグBを抜き去る態様について説明する。図21(a)に示すように、使用者が支持板120の前端部を下方に押圧する。この状態において、突起部94と傾斜部89との係合が概ね外された状態となるので、使用者がプラグBを前方に引き抜くことにより、図21(b)に示すようにコンセントAからプラグBが引き抜かれた状態となる。このとき、使用者が支持板120から指を離すと復元力により支持板120は上方に向けて変位する。
上述したように、本実施形態においては、突状部78の前面78aが挿入面を構成しており、支持板120は挿入面から突出する支持体として機能する。さらに、支持板120の上面121は、支持体のうちプラグボディ90(図20参照)と対向する面である支持面を構成する。すなわち、支持面である上面121に形成された規制部87は、プラグBの挿入時に突起部94を案内し、支持面に沿う平面内で栓刃91(図20参照)の挿入方向(前後方向X)と直交する直交方向(左右方向Y)へのプラグボディ90の移動を規制する。この状態では、コンセント本体1Aに対するプラグボディ90の位置は、栓刃91が差込口75に対応する(つまり栓刃91の進行方向前方に差込口75が位置する)ように、規制されることになる。
本実施形態によれば、第1の実施形態の効果(1)〜(22)に加え、以下に示す効果を得ることができる。
(33)本実施形態では、突起部94が傾斜部89に当接したときに、支持板120はコンセント本体1Aとの結合部位を中心として下方に向けて撓む。これにより、傾斜部89が突起部94に対して離れる方向に向かい変位する。したがって、突起部94が傾斜部89を容易に乗り越えることができるため、プラグBのコンセントAへの挿入作業を容易に行うことができる。
加えて、プラグBがコンセントAに接続された状態において、使用者が指にて支持板120を下方に向けて押圧することにより、支持板120が結合部位を支点として下方に焼む。これにより、支持板120の傾斜部89がプラグBの突起部94から離れる方向に向けて移動するため、プラグBをコンセントAから抜き去るときに傾斜部89と突起部94とが互いに干渉することを抑制することができる。これにより、支持板120に、傾斜部89が突起部94から離れる方向に向けて移動するための専用の機構を設けることを省略することができるため、支持板120の簡単化を図ることができる。
また、支持板120はコンセント本体1Aに固定されているので、扉体7(図11参照)のような開閉動作のための機構も省略することができる。
(その他の実施形態)
本発明は、上記各実施形態に限定されることなく、例えば以下の変更が可能である。また、以下の変形例は、上記各実施形態についてのみ適用されるものでなく、異なる変形例同士を互いに組み合わせて実施することもできる。また上記各実施形態は、それぞれ組み合わせて実施することもできる。
第5の実施形態では、表示部54が化粧カバー6の左右方向Yの中央部に設けられる構成であったが、表示部54の位置はこれに限定されることはない。使用者が視認することのできる位置に表示部54は設けられていればよい。したがって、例えば図22に示すように、ボディ3の本体部20の下方の部位に表示部54を設けることもできる。
第3の実施形態では、保護プレート17を化粧カバー6とは別部材として設けたが、保護プレート17の構成はこれに限定されることはない。化粧カバー6において、プラグBをコンセントAに挿入する際に栓刃91が接触する領域に化粧カバー6の硬度よりも高い硬度の部位を形成していればよい。したがって、保護部材として例えば保護プレート17に代えて、化粧カバー6に紫外線を照射することにより硬化及び乾燥する塗料を用いて行うUV塗装等の傷に強い塗装を施すこともできる。また化粧カバー6の上記領域を2色成形として化粧カバー6よりも硬度の高い樹脂材料にて成形することもできる。
第6の実施形態では、コンセントAは扉体に代えて支持板120を備えているが、この構成に限らず、支持体としての支持板120とは別に差込口75を開閉するための扉体がコンセントAに付加されていてもよい。あるいは、コンセント本体1Aのケース76内部に、差込口75を開閉する内扉が設けられていてもよい。
また、第6の実施形態では、充電スタンドに設けられる屋外用コンセントを例示したが、これに限らず、コンセントAは例えば建造物の壁面を構成する壁パネルなどに取り付けることも可能である。その際、コンセントAは、一般的な露出コンセントと同様に、壁面からケース76全体が露出するように取り付けられてもよく、この場合、ケース76の前面77には前面が突状部78の前面78aと面一になるカバー(不図示)が取り付けられてもよい。
第6の実施形態を除く上記各実施形態では、コンセントブロック2の受口カバー16の差込口75の電源挿入孔75aが、この電源挿入孔75aの配列方向が長手方向となる略長方形状に形成された、いわゆる単相200V用のコンセントの差込口の形状であった。ただし、受口カバー16の差込口75はこれに限定されることはない。例えば図23に示すように、電源挿入孔75aの配列方向が短手方向となる略長方形状に形成された、いわゆる単相100V用のコンセントの差込口の形状とすることもできる。
ここで、コンセントブロック2の端子板13の形状が第1挟持片64A及び第2挟持片64Bにより構成されるため、受口カバー16を2種類用意するのみにて、コンセントAは単相100V用及び単相200V用の両方に適用することができるようになる。
上記各実施形態では、端子板13には第1挟持片64Aと第2挟持片64Bとにより構成されたが、端子板13は第2挟持片64Bを省略することもできる。この場合、単相100V用のコンセントブロック2と単相200V用のコンセントブロック2とを用意する必要がある。
第6の実施形態を除く上記各実施形態では、受口カバー16の底面74と化粧カバー6の下端面52とが互いに平行となるように形成したが、底面と下端面とは互いに異なる角度にて形成することもできる。
第6の実施形態を除く上記各実施形態では、基部80が化粧カバー6の周壁部50よりも突出して設けられたが、基部80と周壁部50とは、その前方及び左右方向Yにおいて略同位置として設けることもできる。
また、周壁部50の一部が後方に凹む凹形状を設けることにより、基部80と周壁部50とが前方及び左右方向Yにおいて略同位置として設けられたとしても、凹形状に対応する基部80の部位のみは、周壁部50から突出する態様とすることができる。
第6の実施形態を除く上記各実施形態では、基部80の凹所81の接続部85が傾斜面85a,85bを有するように形成されたが、接続部85は基部80に対して垂直に延びるように形成することもできる。
第6の実施形態を除く上記各実施形態では、付勢部材としてばね10を用いたが、付勢部材は扉体7を閉状態となるように付勢する部材であればよいため、上記ばね10以外の部材とすることもできる。
上記各実施形態では、規制部87と固定部88とは凹所81内に設けられる構成であったが、規制部87及び固定部88の構成はこれに限定されることはない。例えば、図24に示すように、扉体7の基部80から上方に突出する一対のリブ110により規制部87を構成し、規制部87から後方に離間した位置に凹所として固定部88を構成することもできる。具体的には、一対のリブ110は、それぞれ前後方向Xに長手となる直方体に形成されるとともに、左右方向Yにおいて突起部94(図7参照)の幅H1と略同一の幅H3で互いに離間して設けられている。突起部94は、一対のリブ110と基部80の表面とにより形成される空間に収納されるようになる。また固定部88は、凹所の前方の端面であるとともに基部80の表面から下方に上下方向Zに沿って形成される固定面111が形成されている。突起部94が固定部88に収納される際には、保持面94dが固定面111に当接するようになる。
上記各実施形態では、仕切壁86の前方に傾斜部89が設けられたが、この傾斜部89は省略することもできる。また傾斜部89の形状は、滑らかな傾斜面に限定されることなく、例えば、複数の段部から構成される階段状に形成することもできる。
第2の実施形態では、傾斜部89及び連結壁89aのそれぞれを凹所81から上方に突出する形状、即ち凹所81の裏面が平面のみにて形成される構成であったが、傾斜部89及び連結壁89aの構成はこれに限定されることはない。例えば、図25に示すように、凹所81の裏面に上方に向けて凹む凹部89bを設けるとともに、凹所81の表面側には上方に突出する傾斜部89及び連結壁89aを設けることもできる。この場合、傾斜部89は、前後方向X及び上下方向Zに沿った一対の側壁89cと、これら側壁89cを上方から左右方向Yに連結する傾斜壁89dとにより構成される。そして一対の側壁89c及び傾斜壁89dにより囲まれた空間が凹部89bとなる。
上記各実施形態では、扉体7の基部80の凹所81に仕切壁86(第2の実施形態においては連結壁89a)を設ける構成であったが、図26に示すように、仕切壁86(連結壁89a)を省略することもできる。この場合、プラグBの突起部94の保持面94dは、傾斜部89の後方の端面89eに当接するようになる。
上記各実施形態では、扉体7の基部80の凹所81に傾斜部89及び仕切壁86(第2の実施形態においては連結壁89a)を設ける構成であったが、図27に示すように、傾斜部89及び仕切壁86(連結壁89a)はそれぞれ省略することができる。これにより、第1の実施形態の効果(1)〜(3)に準じた効果を奏することができる。
上記各実施形態では、扉体7の基部80に凹所81を設ける構成であったが、図28に示すように、凹所81を省略することもできる。この場合、仕切壁86(第2の実施形態においては連結壁89a)及び傾斜部89はそれぞれ受口カバー16の凹部73に収納されるようになる。これにより、扉体7が閉状態において、仕切壁86(第2の実施形態においては連結壁89a)及び傾斜部89と受口カバー16との干渉を回避することができるため、上記干渉に起因して基部80と化粧カバー6の下端面52との間が離間してしまうことを抑制することができる。
上記各実施形態では、規制部87に突起部94を収納した状態において、接地用栓刃91bの先端部が接地挿入孔75bに挿入された状態となるように規制部87を形成したが、規制部87の位置はこれに限定されることはない。例えば、規制部87に突起部94を収納した状態において、接地用栓刃91bは接地挿入孔75bよりも抜去方向に位置することもできる。
上記各実施形態では、規制部87は基部80に対して開方向に凹む凹形状としたが、規制部87の形状はこれに限定されることはない。基部80より閉方向に突出するように規制部87を設けることもできる。この場合、仕切壁86(第2の実施形態においては連結壁89a)も基部80より閉方向に突出するように設けることもできる。
上記各実施形態では、プラグボディ90に突起部94を設ける構成であったが、この突起部94を省略することもできる。この場合には、規制部87は、プラグボディ90の下方の一部を収納するようになり、仕切壁86(第2の実施形態においては連結壁89a)はプラグボディ90の背面(即ちプラグボディ90の抜き去り方向の端面)と当接するようになる。
上記各実施形態では、扉体7に仕切壁86(第2の実施形態においては連結壁89a)を設けることにより、プラグBの抜去方向に対する抜け止め機構を構成したが、この抜け止め機構の構成はこれに限定されることはない。例えば、栓刃に貫通孔を設け、刃受部の貫通孔と対応する箇所に突起部を設けた上で、貫通孔に突起部が係合することにより抜け止め機構を構成することもできる。また、上記抜け止め機構は省略することもできる。
上記各実施形態では、凹所81に設けられた仕切壁86(第2の実施形態においては連結壁89a)により規制部87と固定部88とを区分けする構成であったが、規制部87及び固定部88の構成はこれに限定されることはない。例えば、凹所81が前後方向Xに離間して2つ設けられ、前方の凹所を規制部87とし、後方の凹所を固定部88とすることもできる。この場合、規制部87の凹所の後方において、凹所の底面から後方に向かうにつれて上方に傾斜する後方傾斜面を設けることもできる。これにより、プラグBを栓刃挿入方向Vに移動するのみにて突起部94が規制部87から乗り越えることができる。
上記各実施形態では、コンセントAを屋外に設けられた防水コンセントあるいは屋外用コンセントに適用したが、コンセントAは屋内のコンセントにも適用することができる。