JP4876666B2 - 採点結果認識システム及び採点結果認識処理プログラム - Google Patents

採点結果認識システム及び採点結果認識処理プログラム Download PDF

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Description

本発明は、電子ペンで記入した情報を正確に取得するための技術に関する。
学校、予備校、塾などにおいては、学生を対象に模擬試験が行われる。学生は、答案用紙に解答を記入し、答案用紙は回収され、採点者が赤ペンなどで採点結果を答案用紙に記入する。一般的に、採点結果は問題毎にマル「○」、バツ「レ」、サンカク「△」などの採点記号として答案用紙に記入される。また、サンカク「△」は部分的に正解している場合に使用され、一般的にサンカク「△」の中に部分点を表す数字(以下、「部分点数字」とも呼ぶ。)が記入される。
しかし、これまでの自動採点システムでは、部分点数字を記入することを想定していなかった(例えば、特許文献1)。また、部分点数字を記入することとしても、採点記号や部分点数字を分離してそれぞれを認識することが困難であるため、採点記号と部分点数字は、答案用紙上の別のエリアに記入させることになっていた。
特開2004−206295号公報
本発明は、以上の点に鑑みてなされたものであり、電子ペンを使用することにより取得した、連続した複数のストロークから必要な採点記号と部分点数字とを適切に抽出することで、模擬試験等の採点結果を効率的且つ正確に認識することが可能な採点結果認識システムを提供することを課題とする。
本発明の1つの観点では、電子ペンを利用して記入された記号又は数字を認識する採点結果認識システムにおいて、個々の採点記号及び部分点数字の特徴を示す記号情報を記憶する記号情報記憶部と、前記電子ペンを利用して解答用紙に記入された記入データを取得する記入データ取得手段と、前記記入データから、採点記号及び部分点数字に対応するストロークを抽出するストローク抽出手段と、前記ストローク抽出手段が抽出したストロークのうち、1本の解答欄内に含まれるストロークを選別する選別手段と、選別されたストロークが3本以上であるか否かを判定する第1判定手段と、前記第1判定手段が3本以上であると判定した場合に、記入時刻に基づいて、新しい方から3番目のストロークの中に、新しい方から2番目のストロークが存在しているか否かを判定する第2判定手段と、前記第2判定手段が存在していると判定した場合に、記入時刻に基づいて、新しい方から3番目のストロークの中に、最も新しいストロークが存在しているか否かを判定する第3判定手段と、前記記号情報を参照して、抽出されたストロークに対応する採点記号及び部分点数字の少なくとも1本以上を認識し、認識結果を生成する認識手段と、を備え、前記認識手段は、前記第3判定手段が存在していると判定した場合に、採点記号が部分的な正解を示す部分記号であることを認識するとともに、新しい方から2番目及び最も新しいストローク並びに前記記号情報に基づいて部分点数字を認識する。
上記のように構成された採点結果認識システムによれば、受験者などが解答を記入した解答用紙に対して、採点者が電子ペンによりマル、バツなどの採点記号、訂正記号又は部分点数字を記入して採点を行う。ここで、部分点数字とは、正解でも不正解でもないが、部分的に正解である部分記号と共に記入される数字である。具体的に、部分点数字は総合得点に関係する。解答用紙上に記入された採点記号、訂正記号又は部分点数字は、記入データとして採点結果認識システムに取得される。採点結果認識システムでは、記入データから採点記号及び部分点数字に対応するストロークを抽出し、個々の採点記号及び部分点数字の特徴を示す記号情報を参照することにより当該ストロークを認識する。認識結果としては当該ストロークに対応する採点記号又は部分点数字の少なくとも1本以上が特定される。具体的に、採点結果認識システムは、解答用紙内の解答欄に記入された全てのストロークを抽出し、解答欄内に存在するストローク数を算出する。そして、解答欄内に存在するストローク数が3本以上である場合、記入時刻に基づいて新しい方から3番目のストロークの中に、新しい方から2番目及び最も新しいストロークが存在しているか否かを判定する。部分記号が1ストロークで記入可能なサンカク(△)であり、部分点数字を当該サンカク(△)の中に記入する場合、このように新しい方から3番目のストロークの中に、新しい方から2番目及び最も新しいストロークが存在しているか否かを判定することで、採点記号を認識することが可能となる。存在する場合には、新しい方から3番目のストロークが部分記号サンカク(△)であり、新しい方から2番目及び最も新しいストロークが部分点数字となる。よって、新しい方から2番目及び最も新しいストロークを記号情報に基づいて認識することで、採点記号認識システムは、採点記号及び部分点数字の双方を認識することができる。なお、この場合、部分点数字は2ストロークで構成される数字、例えば「4、5」等となる。これによれば、採点者解答用紙上に電子ペンで採点記号、訂正記号及び部分点数字を記入するだけで、採点結果認識システムは、連続した複数のストロークから必要な採点記号と部分点数字とを適切に取得して認識することができる。つまり、採点者が記入した採点記号及び部分点数字といった採点結果を容易に集計、分析することが可能となる。
上記採点結果認識システムの他の一態様では、前記第2判定手段が存在していないと判定した場合に、記入時刻に基づいて、新しい方から2番目のストロークの中に、最も新しいストロークが存在しているか否かを判定する第4判定手段をさらに備え、前記認識手段は、前記第4判定手段が存在していると判定した場合に、採点記号が前記部分記号であることを認識するとともに、最も新しいストローク及び前記記号情報に基づいて部分点数字を認識する。
上記のように構成された採点結果認識システムによれば、新しい方から2番目のストロークが新しい方から3番目のストロークの中に存在していない場合、最も新しいストロークが新しい方から2番目のストロークの中に存在しているか否かを判定する。存在する場合には、新しい方から2番目のストロークが部分記号サンカク(△)であり、最も新しいストロークが部分点数字となる。よって、最も新しいストロークを記号情報に基づいて認識することで、採点記号認識システムは、採点記号及び部分点数字の双方を容易に認識することができる。なお、この場合、部分点数字は1ストロークで構成される数字、例えば「1、2」等となる。また、この場合、新しい方から3番目のストロークは認識対象外のストロークとして取り扱う。即ち、採点記号認識システムは、新しい方から2番目及び最も新しいストロークに基づいて、採点結果及び部分点数字の認識を行う。
上記採点結果認識システムの他の一態様では、前記認識手段は、前記第3判定手段が存在していないと判定した場合又は第4判定手段が存在していないと判定した場合に、最も新しいストローク及び前記記号情報に基づいて採点記号を認識する。
上記のように構成された採点結果認識システムによれば、最も新しいストロークがいずれのストロークの中にも存在しない場合、部分点数字が記入されていないものと判断し、当該最も新しいストロークを記号情報に基づいて認識することで採点記号を認識することができる。この場合、新しい方から2番目及び3番目のストロークは認識対象外のストロークとして取り扱う。即ち、採点記号認識システムは、最も新しいストロークのみに基づいて、採点結果の認識を行う。
上記採点結果認識システムの他の一態様では、前記第1判定手段が3本以上ではないと判定した場合に、選別されたストロークが2本以上であるか否かを判定する第5判定手段と、前記第5判定手段が2本以上であると判定した場合に、前記記号情報に基づいて、新しい方から2番目のストロークが採点記号の前記部分記号であるか否かを判定する第6判定手段と、前記第6判定手段が前記部分記号であると判定した場合に、新しい方から2番目のストロークの中に、最も新しいストロークが存在しているか否かを判定する第7判定手段と、をさらに備え、前記認識手段は、前記第7判定手段が存在すると判定した場合に、採点記号が前記部分記号であることを認識するとともに、最も新しいストロークに基づいて部分点数字を認識する。
上記のように構成された採点結果認識システムによれば、解答欄内に存在するストロークが2本以上であるか否かを判定する。存在する場合、採点結果認識システムは、新しい方から2番目のストロークが部分記号、例えばサンカク(△)であるか否かを判定する。部分記号である場合、採点結果認識システムはさらに、最も新しいストロークが新しい方から2番目のストロークの中に存在しているか否かを判定する。存在する場合には、最も新しいストロークが部分点数字となる。よって、最も新しいストロークを記号情報に基づいて認識することで、採点記号認識システムは、採点記号及び部分点数字の双方を容易に認識することができる。なお、この場合、部分点数字は1ストロークで構成される数字、例えば「1、2」等となる。
上記採点結果認識システムの他の一態様では、前記認識手段は、前記第6判定手段が前記部分記号でないと判定した場合又は前記第7判定手段が存在しないと判定した場合に、最も新しいストローク及び前記記号情報に基づいて採点記号を認識する。
上記のように構成された採点結果認識システムによれば、新しい方から2番目のストロークが部分記号でない場合、又は、最も新しいストロークが新しい方から2番目のストロークの中に存在していない場合、部分点数字が記入されていないものと判断し、当該最も新しいストロークを記号情報に基づいて認識することで採点記号を認識することができる。この場合、新しい方から2番目のストロークは認識対象外のストロークとして取り扱う。即ち、採点記号認識システムは、最も新しいストロークのみに基づいて採点結果の認識を行う。
上記採点結果認識システムのさらに他の一態様では、前記第5判定手段が2本以上でないと判定した場合に、選別されたストロークが1本であるか否かを判定する第8判定手段をさらに備え、前記認識手段は、前記第8判定手段が1本であると判定した場合に、最も新しいストローク及び前記記号情報に基づいて採点記号を認識する。
上記のように構成された採点結果認識システムによれば、解答欄内にストロークが存在するか否かを判定する。存在する場合、採点結果認識システムは、当該ストロークを記号情報に基づいて認識することで、採点記号を認識することができる。
本発明の別の観点では、コンピュータ上で実行されることにより、個々の採点記号及び部分点数字の特徴を示す記号情報を記憶する記号情報記憶部、電子ペンを利用して解答用紙に記入された記入データを取得する記入データ取得手段、前記記入データから、採点記号及び部分点数字に対応するストロークを抽出するストローク抽出手段、前記ストローク抽出手段が抽出したストロークのうち、1本の解答欄内に含まれるストロークを選別する選別手段、選別されたストロークが3本以上であるか否かを判定する第1判定手段、前記第1判定手段が3本以上であると判定した場合に、記入時刻に基づいて、新しい方から3番目のストロークの中に、新しい方から2番目のストロークが存在しているか否かを判定する第2判定手段、前記第2判定手段が存在していると判定した場合に、記入時刻に基づいて、新しい方から3番目のストロークの中に、最も新しいストロークが存在しているか否かを判定する第3判定手段、前記記号情報を参照して、抽出されたストロークに対応する採点記号及び部分点数字の少なくとも1本以上を認識し、認識結果を生成する認識手段、として前記コンピュータを機能させ、前記認識手段は、前記第3判定手段が存在していると判定した場合に、採点記号が部分的な正解を示す部分記号であることを認識するとともに、新しい方から2番目及び最も新しいストローク並びに前記記号情報に基づいて部分点数字を認識する。
上記プログラムをコンピュータにより実行することにより、上述の採点結果認識システムを実現することができる。また、上述の採点結果認識システムの各態様も同様に実現することができる。
本発明によれば、電子ペンを使用することにより取得した、連続した複数のストロークから必要な採点記号と部分点数字を適切に抽出することで、模擬試験等の採点結果を効率的且つ正確に認識することができる。
以下、図面を参照して本発明の好適な実施の形態について説明する。まず、本発明のシステムにおいて入力デバイスとして使用される電子ペンの概要について説明する。
[電子ペン]
図1は電子ペンの使用形態を模式的に示す図であり、図2は電子ペンの構造を示す機能ブロック図である。図1に示すように、電子ペン10は、ドットパターンが印刷された専用ペーパー20と組み合わせて使用される。電子ペン10は、通常のインクペンと同様のペン先部17を備えており、利用者は通常のインクペンと同様に専用ペーパー20上に文字などを書くことになる。
図2に示すように、電子ペン10は、その内部にプロセッサ11、メモリ12、データ通信ユニット13、バッテリー14、LED15、カメラ16及び圧力センサ18を備える。また、電子ペン10は通常のインクペンと同様の構成要素としてインクカートリッジ(図示せず)などを有する。
電子ペン10は、ペン先部17により専用ペーパー20上に描かれたインクの軌跡をデータ化するのではなく、専用ペーパー20上で電子ペン10が移動した軌跡座標をデータ化する。LED15が専用ペーパー20上のペン先部17近傍を照明しつつ、カメラ16が専用ペーパー20に印刷されているドットパターンを読み取り、データ化する。つまり、電子ペン10は専用ペーパー20上で利用者が電子ペン10を移動させることにより生じるストロークを画像データ又はベクトルデータとして取得することができる。
圧力センサ18は、利用者が電子ペン10により専用ペーパー上に文字などを書く際にペン先部17に与えられる圧力、即ち筆圧を検出し、プロセッサ11へ供給する。プロセッサ11は、圧力センサ18から与えられる筆圧データに基づいて、LED15及びカメラ16のスイッチオン/オフの切換を行う。即ち、利用者が電子ペン10で専用ペーパー20上に文字などを書くと、ペン先部17には筆圧がかかる。よって、所定値以上の筆圧が検出されたときに、利用者が記述を開始したと判定して、LED15及びカメラ16を作動する。
カメラ16は専用ペーパー20上のドットパターンを読み取り、そのパターンデータをプロセッサ11に供給する。プロセッサ11は、供給されたドットパターンから、専用ペーパー20上でのX/Y座標を算出する。
プロセッサ11は、利用者の記述が行われる間に、筆圧の配列データ及びX/Y座標データを取得し、タイムスタンプ(時間情報)と関連付けてメモリ12に記憶していく。よって、メモリ12内には利用者の記述内容に対応するデータが時系列で記憶されていく。メモリ12の容量は例えば1Mバイト程度とすることができる。
利用者により送信指示がなされるまでは、取得された全てのデータはメモリ12内に保持される。そして、利用者が送信指示を行うと、データ通信ユニット13により、電子ペン10と所定距離内にある端末装置25へメモリ12内のデータが送信される。基本的には、一度送信指示がなされると、電子ペン10はメモリ12内に記憶していた全てのデータを端末装置25へ送信するため、メモリ12内はクリアされる。よって、送信後にもう一度同じ情報を端末装置25へ送信したい場合には、利用者は専用ペーパー20上に再度記述を行う必要がある。なお、この場合、利用者は専用ペーパー20上にインクペンで書かれた文字などをなぞればよいことになる。
電子ペン10自体は、送信ボタンなどの機能ボタンを備えておらず、送信指示その他の指示は、利用者が専用ペーパー20上の所定位置に設けられた専用ボックスを電子ペン10でチェックすることにより実行される。専用ボックスの位置座標には、予め送信指示が対応付けられており、プロセッサ11は専用ボックスの位置座標を受信すると、データ通信ユニット13にメモリ12内のデータを供給し、端末装置25への送信を行わせる。なお、電子ペン10は、データの送信完了を電子ペンの振動により示すことができる。
バッテリー14は電子ペン10内の各要素に電源供給するためのものであり、例えば電子ペンのキャップ(図示せず)により電子ペン10自体の電源のオン/オフを行うことができる。
このように、電子ペン10は利用者が専用ペーパー20上に記述した文字などに対応する座標データ及び筆圧データを取得して近傍の端末装置25へ送信する機能を有するが、電子ペン10のペン先部17は通常のインクペンとなっているため、専用ペーパー20上に記述した内容はオリジナルの原本として残るという特徴がある。即ち、紙の原本に対して記述するのと同時に、その内容を座標データなどの形態でリアルタイムに電子化することができる。
なお、電子ペン10の標準機能によれば、電子ペン10により得られるデータは、原則として座標データ又はベクトルデータの形態であり、テキストデータではない。但し、電子ペン10は標準機能として、専用ペーパー20上に設けられた専用エリアに記述することにより、英数字に限りテキスト化する機能は備えている。
また、電子ペン10内には、ペン自体及びその所有者に関するプロパティ情報(ペン情報及びペン所有者情報)を保持することができ、アプリケーションから参照することができる。ペン情報としては、バッテリーレベル、ペンID、ペン製造者番号、ペンソフトウェアのバージョン、サブスクリプションプロバイダのIDなどを保持できる。また、ペン所有者情報としては、国籍、言語、タイムゾーン、emailアドレス、空きメモリ容量、名称、住所、ファックス/電話番号、携帯電話番号などを保持することができる。
なお、上記の例におけるデータ通信ユニット13では、Bluetooth(登録商標)の無線伝送、USBケーブルを使用した有線伝送、端子などの接触によるデータ伝送など、各種の方法によって電子ペン10から端末装置25へのデータ送信を行うことが考えられる。
次に、電子ペンにより利用者が記述した内容のX/Y座標データを取得する方法について説明する。前述のように専用ペーパー20には、所定のドットパターンが印刷されている。電子ペン10のカメラ16は、利用者が専用ペーパー20上に記述したインクの軌跡を読み取るのではなく、専用ペーパー20上のドットパターンを読み取る。実際、図1に示すように、LED15による照明エリア及びカメラ16の撮影エリア(照明エリア内に位置する)は、ペン先部17が専用ペーパー20に接触する位置とはずれている。
ドットパターンはカーボンを含む専用インキなどで印刷されており、カメラ16はその専用インキによるパターンのみを認識することができる。専用インキ以外のインキ(カーボンを含まない)により、専用ペーパー上に罫線や枠などを印刷しても、電子ペンはそれらを認識することはない。よって、専用ペーパーを利用して各種申込書などの帳票を作成する際は、専用インキ以外のインキで入力枠や罫線、注意書きなどを印刷する。
ドットパターンは、図3に例示するように、各ドットの位置がデータに対応付けされている。図3の例では、ドットの位置を格子の基準位置(縦線及び横線の交差点)から上下左右にシフトすることにより、0〜3の2ビット情報を表示した例である。このようにして表現された情報の組合せにより、専用ペーパー上の位置座標が決定される。図4(a)に例示するように、縦横2mmの範囲内に36個のドットが格子状に配置され、これらのドットにより示されるデータの配列(図4(b))が、その専用ペーパー上の位置座標と対応付けされている。よって、電子ペン10のカメラ16が図4(a)に示すようなドットパターンを撮影すると、プロセッサ11はカメラ16から入力されるドットパターンのデータに基づいて図4(b)に示すデータ配列を取得し、それに対応する専用ペーパー上の位置座標(即ち、そのドットパターンがその専用ペーパー上のどの位置にあるのか)をリアルタイムで算出する。なお、ドットパターンを認識する最小単位は2mm×2mmであり、カメラ16は毎秒100回程度の撮影を行う。
次に、専用ペーパーについて説明する。専用ペーパーの構造の一例を図5に示す。図示のように、専用ペーパー20は、台紙30上にドットパターン32が印刷され、その上に罫線などの図案34が印刷されている。台紙30は通常は紙であり、ドットパターン32は前述のようにカーボンを含んだ専用インキにより印刷される。また、通常のインキなどにより図案34が印刷される。ドットパターンと図案とは同時に印刷してもよいし、いずれかを先に印刷してもよい。
図案34の例を図6に示す。図6は、ある申込書36の例であり、複数の記入欄38や送信ボックス39が印刷されている。図6には明確に図示されておらず、詳細は後述するが、実際にはドットパターンが申込書36の全面に印刷されており、その上に記入欄38や送信ボックス39が通常のインキにより印刷されている。利用者は、ドットパターンを意識することなく、従来からある申込書と同様に、電子ペン10を使用して必要事項を申込書36の各記入欄38に記入すればよい。
専用ペーパー20上のエリアは大きく2種類のエリアに分けることができる。1つは記入エリアであり、電子ペン10による記述内容をそのまま情報として取り扱うエリアである。図6の例では複数の記入欄38がこれに該当する。もう1つは機能エレメントであり、対応するエリア内を電子ペン10でチェックした際に、予めそのエリアに対して定義されているアクション、指示などを実行するようになっている。図6の例における送信ボックス39がこれに該当する。
送信ボックス39は前述したように電子ペン10内に記憶されているデータを近傍の端末装置25へ送信するための指示を行う際に使用される。利用者が送信ボックス39内に電子ペン10でチェックを入れると、電子ペン10が送信ボックス内のドットパターンを読み取る。当該パターンは送信指示に対応付けられており、電子ペン10内のプロセッサ11はデータ通信ユニット13にメモリ12内の記憶データの送信命令を発する。
ドットパターンの割り当ては、通常、アプリケーション(用紙の種類)毎に行われる。即ち、ある申込書内のドットパターンは1枚の用紙の中で重複することはないが、同一の申込書には全て同じドットパターンが印刷されている。よって、利用者が電子ペン10で必要事項を入力すると、その入力事項がその申込書のどの項目に対するものであるかを、申込書上の座標データから特定することができる。
このように、ドットパターンを印刷した専用ペーパー上に所定の図案を印刷することにより、専用ペーパーを利用した各種申込書が作成できる。利用者は電子ペン10を使用して通常の要領で必要事項を記入すれば、その電子データが自動的に取得される。
上記の例では、ドットパターンは専用ペーパー上にカーボンを含むインキにより印刷されているが、プリンタ及びカーボンを含むインクを使用してドットパターンを通常の紙上にプリントすることも可能である。さらに、専用ペーパー上の図案も印刷ではなく、プリンタにより形成することも可能である。ドットパターンをプリンタにより紙上に形成する場合には、1枚1枚に異なるドットパターンを形成することが可能である。よって、形成されたドットパターンの違いにより、それらの用紙1枚1枚を識別し、区別することが可能となる。
なお、本明細書においては、「印刷」の語は、通常の印刷のみならず、プリンタによるプリントも含む概念とする。
次に、電子ペンにより取得したデータの送信処理について図2を参照して説明する。電子ペン10が取得したデータは、主として利用者が入力した事項のデータであるが、通常はそのデータの送信先であるサービスサーバがどこであるかの情報は含まれていない。その代わりに、その専用ペーパーに関するアプリケーションやサービスを特定する情報が専用ペーパー上のドットパターンに含まれており、利用者の入力作業中に専用ペーパーからその情報が取得されている。よって、電子ペン10から記入データを受け取った端末装置25は、まず、問い合わせサーバ26に対して、その専用ペーパーに対して入力されたデータをどのサービスサーバ27へ送信すべきかの問い合わせを行う。問い合わせサーバ26は、専用ペーパー毎に、対応するサービスサーバの情報を有しており、端末装置25からの問い合わせに応じて、当該専用ペーパーに関するサービスなどを行うサービスサーバ27の情報(URLなど)を端末装置25へ回答する。それから、端末装置25は、電子ペンから取得した記入データをそのサービスサーバ27へ送信することになる。
なお、上記の例では端末装置25、問い合わせサーバ26及びサービスサーバ27が別個に構成されているが、これらの幾つか又は全てを1つの装置として構成することも可能である。本実施形態において、後述する識別サーバは、問い合わせサーバ26及びサービスサーバ27を兼ねているものとする。
[採点結果認識システム]
次に、本発明の採点結果認識システムについて説明する。この採点結果認識システムでは、模擬試験などで受験者が解答を記入した解答用紙を用いて採点者が採点を行う。図7に採点結果認識システムの概略構成を示す。
解答用紙3は、上述の専用帳票として作成され、試験を受ける受験者は筆記用具として電子ペンではなく、通常の鉛筆やペンを使用して問題に対する解答を解答用紙3に記入する。模擬試験後、解答用紙3は回収され、採点者に配布される。採点者は、電子ペン10を使用して採点作業を行う。採点者が使用する電子ペン10には、例えばインクペンユニット内に赤インクが充填されるので、採点結果は解答用紙3上に赤ペンで記入されることになる。
採点者が解答用紙3上に電子ペン10を用いてマル(○)、バツ(レ)などの採点記号を記入すると、電子ペン10は記入された採点記号に対応するストロークデータ(以下、「記入データ」とも呼ぶ。)を取得し、電子ペン10内のメモリ12に一時的に記憶した後、記入データを端末装置25へ送信する。端末装置25は、例えばパーソナルコンピュータや携帯電話、PDAなどの装置とすることができ、電子ペン10から記入データを受信し、ネットワーク2を通じてサーバ5へ送信する。
サーバ5は、採点結果の認識処理や集計処理などを行うサーバである。サーバ5は、端末装置25から記入データを受信すると、認識処理を実行して採点結果を得る。また、サーバ5は、必要に応じて採点結果の集計処理や分析処理も実行する。そのため、サーバ5は、集計結果や分析結果を記憶するための結果データベース(以下、「DB」と呼ぶ。)6に接続されている。
実際的なシステムの構成としては、学校や塾の先生などの採点者が電子ペン10及び端末装置25を使用して採点を行い、学校や塾にあるサーバ5へ記入データを送信するように構成することができる。また、その代わりに、サーバ5を学校や学習塾以外の企業などが運営し、取得した採点結果や集計結果などを学校や学習塾へ提供する構成とすることもできる。
[解答用紙]
次に、解答用紙について詳しく説明する。本発明のシステムでは、解答用紙は、上述した専用ペーパーとして作成されている。即ち、図5に例示するように台紙30上に所定のドットパターン32が印刷されており、その上に所定の文字や解答欄などが印刷されている。先に述べたように、ドットパターン32は電子ペン10が認識することができるように、カーボンを含んだインキにより印刷されている。一方、文字や解答欄などの図案34は、通常の(カーボンを含まない)インキにより印刷されているため、電子ペン10がそれを認識することはない。
従来の解答用紙3の例を図8(a)に示す。図示のように、従来の解答用紙3上には、問題番号を示す文字の他に、「解答欄兼採点記号記入欄」と「部分点欄」が設けられている。受験者は、まず、通常の鉛筆やペンを使用して「解答欄兼採点記号記入欄」に記入を行う。そして、採点者は、図8(b)に示すように、電子ペン10を使用して「解答欄兼採点記号記入欄」にマル(○)、サンカク(△)、バツ(レ)といった採点記号を記入する。ここで、本実施形態では、受験者の記入が正解であればマル(○)、不正解であればバツ(レ)、完全な正解ではないが部分的な正解であればサンカク(△)をそれぞれ記入するものとする。また、部分的な正解である場合、採点者は、電子ペン10を使用して「部分点欄」に部分点を表す数字を記入する。従来の採点者は、このように、「解答欄兼採点記号記入欄」に各採点記号を、「部分点欄」に部分点数字をそれぞれ記入する必要があった。よって、解答用紙3内に「解答欄兼採点記号記入欄」とは別エリアの「部分点欄」を設ける必要があり、デザイン上問題が生じていた。
一方、本発明の解答用紙3の例を図9(a)に示す。図示のように、解答用紙3上には、問題番号を示す文字の他に、「解答欄兼採点記号記入欄」のみが設けられている。採点者は、図9(b)に示すように、電子ペン10を使用して「解答欄兼採点記号記入欄」に採点記号のみならず部分点数字も記入する。このとき、部分点数字は、図示のように、原則としてサンカク(△;以下、「部分記号」とも呼ぶ。)の中に収まるように記入する。これによれば、従来のように、「解答欄兼採点記号記入欄」とは別のエリアに「部分点欄」を設ける必要がないため、解答欄を広く取れるというメリットがある。また、問題欄と解答欄が一緒になり、部分点欄を設けることが難しいタイプの用紙にも容易に適用することができる。さらに、サンカク(△)の中に部分点数字を記入する方法は、従来から広く一般的に行われてきた手順であるため、採点者への教育が容易である。なお、採点者がサンカクよりはみ出して部分点数字を記入することを考慮し、サーバ5が、実際に記入されたサンカクより大きめの範囲で部分点数字認識するようにしてもよい。
ここで、採点記号について詳しく説明する。採点記号を決定する際には考慮すべき点がある。第1の点は、採点者が使用する採点記号の形には採点者毎に個人差があるということである。通常、マル(○)やサンカク(△)は1ストロークで記入されるが、バツについては(×)や(レ)などを使用する場合があり、(×)の場合には2ストロークとなる。本発明は2ストロークの記号である(×)にも適用することが可能であるが、本実施形態では便宜上、採点記号は全て1ストロークの記号とする。
採点記号を決定する際に考慮すべき第2の点は、採点記号の記入間違いを訂正する必要があることである。採点者としては、一旦記入した採点記号が誤りであった場合(例えば、本来は解答が不正解であり「バツ(レ)」を記入すべき解答欄に「マル(○)」を記入してしまったなど)がありうるので、それを正しい採点記号に訂正可能とする必要がある。そこで、本実施形態では、記入した採点記号を訂正するための訂正記号を採用する。なお、訂正記号は1ストローク以上の横線とする。
正解を示す採点記号、マル(○)の特徴としては、例えばストロークが一筆書きであること、略円形であること、ストロークの始点と終点が近接していることなどの条件が記号情報として後述する記号テーブルに記憶される。部分的な正解を示す採点記号、サンカク(△)の特徴としては、例えばストロークが一筆書きであること、ストロークの折れ曲がり点が2つあること、ストロークの始点と終点が近接していることなどの条件が記号情報として記憶される。不正解を示す採点記号、バツ(レ)の特徴としては、例えばストロークが左から右方向へ移動すること(始点が終点よりも左に存在すること)、ストロークが所定角度範囲内の右上がりであること、などが記号情報として記憶される。サーバ5は、ストロークデータの特徴を分析し、記号テーブルに記憶された記号情報を参照して、そのストロークがいずれの採点記号又は部分点数字に該当するかを判定する。
採点記号を決定する際に考慮すべき第3の点は、解答欄に記入した採点記号が複数の解答欄に跨ってしまう場合があることである。通常、解答用紙上には複数の解答欄が隣接して設けられているので、ある解答欄に対して採点者が記入した採点記号が隣接する解答欄にも跨ってしまう場合がある。この問題は、採点者が解答欄内に収まるように採点記号を記入することを義務付ければ解消するのであるが、実際には採点者が短時間に多数の解答用紙の採点を行うので、小さな解答欄に素早く正確に採点記号を記入することは難しい。
そこで、本実施形態では、採点記号は採点の対象となる解答欄内から書き始めることをルールとする。これにより、例えばある採点記号に対応するストロークの開始点が採点の対象となる解答欄内にあれば、ストロークの途中が解答欄外にはみ出ていたり、隣の解答欄に記入された採点記号と重なっていたりしたとしても、各解答欄で対象となる採点記号を特定することができる。
なお、本実施形態における他のルールとして、最後は必ず採点記号か部分点数字で終わることが挙げられる。即ち、訂正記号で終わることはない。また、部分点数字は必ず採点記号サンカク(△)の後に記入することが挙げられる。このとき、部分点数字は必ずサンカク(△)の中に収まるように記入する。
図10(a)乃至(d)に、解答欄内に存在するストローク数毎の採点記号、訂正記号又は部分点数字の記入例を示す。上述のルールによれば、採点記号サンカク(△)の中に、部分点数字として2ストロークの数字(4,5,7)を記入する場合が最も多くのストロークを必要とする単位といえる。即ち、解答欄毎に最後から3本のストロークを対象に採点記号、訂正記号及び部分点数字を分離、判別できれば、採点結果を認識することが可能となる。よって、本発明では、解答欄内に記入されたストローク数が、3本以上、2本又は1本の場合に場合分けした上で、後述する記号テーブルを参照することにより、各解答欄に記入された採点結果を認識するものとする。
[サーバ]
次に、サーバ5について図11を参照して詳しく説明する。図11は、採点結果認識システム100における、特にサーバ5の内部構成を示す図である。図示のように、サーバ5は、採点結果認識処理プログラム101、記入データ取得機能102、ストローク抽出機能103、座標テーブル104、記号テーブル105、採点結果認識機能106及び採点結果集計機能107を備える。なお、これら各構成要素は、実際には、予め用意されたプログラムをサーバ5内のCPUなどが実行することにより実現される。
採点結果認識処理プログラム101は、端末装置25を介して電子ペン10から取得した記入データ、座標テーブル104及び記号テーブル105に基づいて、採点記号及び部分点数字の少なくとも1つ以上を認識するプログラムである。また、認識した採点記号及び部分点数字に基づいて、採点結果を集計するプログラムである。
記入データ取得機能102は、採点結果認識処理プログラム101を実行することにより、採点者が電子ペン10を使用して解答用紙3に記入した記入データを取得する機能である。なお、記入データには、採点者が記入した時刻に関する時間情報や使用した電子ペン10のペンIDが含まれているものとする。
ストローク抽出機能103は、採点結果認識処理プログラム101を実行することにより、利用者が電子ペン10を使用して1回の動作、即ち一筆書きで記入した採点記号、訂正記号及び部分点数字といったストローク毎の座標データを、記入データから抽出する機能である。
採点結果認識機能106は、さらにストローク数算出機能及び文字認識機能を備える。ストローク数算出機能は、ストローク抽出機能103が抽出したストロークの座標データに基づいて座標テーブル104を参照することにより、解答用紙3上に設けられた各解答欄に記入されたストロークの数を算出する機能である。ここで、座標テーブル104について図12を参照して説明する。座標テーブル104は、解答欄ID、座標データ及び内容から構成されている。解答欄IDは、解答用紙3上の各解答欄を識別する情報であり、座標データは各解答欄の配置を示す解答用紙3の位置座標である。そして、内容は、座標データで示される各解答欄の内容を表しており、これによれば、解答欄ID「A1」には問1(1)の解答が、解答欄ID「A2」には問2(1)の解答が記載されることを示している。
文字認識機能は、ストローク抽出機能103が抽出したストロークデータ、ストローク数算出機能が算出した各解答欄のストローク数及び記号テーブル105に基づいて、連続した複数のストロークから必要な採点記号及び部分点数字を抽出して認識する機能である。ここで、記号テーブル105について説明する。記号テーブル105は、各採点記号及び数字のストロークデータの特徴を記憶している。よって、文字認識機能は、所定のストロークデータに基づいて記号テーブル105を参照することで容易に採点記号又は部分点数字を認識することができる。
なお、サーバ5は、数字以外のストロークのうち最後に記入されたものを採点記号とする。
採点結果集計機能107は、所定単位、例えば所定数の受験生の解答についての採点結果を問題毎に集計し、必要な分析などを行って集計データとして出力する機能である。ここで、集計データは学校や学習塾などで生徒の成績分析などのために使用される。また、採点結果集計機能107は、採点結果認識機能が認識した採点記号及び部分点数字に基づく採点結果や集計データを、必要があれば結果DB6に記憶する機能である。
[採点結果認識処理]
次に、上記の採点結果認識システム100により実行される採点結果認識処理について説明する。図13乃至図15は、採点結果認識処理のフローチャートである。図13は解答欄内にストロークが3本以上存在する場合、図14は解答欄内にストロークが2本存在する場合、図15は解答欄内にストロークが1本存在する場合におけるフローチャートである。なお、解答欄には「1,2,3…n」本のストロークが存在するものとする。この場合「n」とは最終ストロークの番号である。また、本実施形態では、部分点数字「7」を2ストロークの数字としているが、本発明はこれに限定されるものではなく、1ストロークの数字としてもよい。
採点結果認識処理は、解答欄に対して採点者が電子ペン10を使用して記入した採点記号を認識し、認識結果を採点結果として出力する処理であり、実際にはサーバ5内のCPUなどが予め用意されたプログラムを実行し、図11に示す採点結果認識機能106などとして機能することにより実現される。なお、以下に説明する採点結果認識処理は、解答用紙3上の1つの解答欄毎に実行されるものである。
まず、採点者は、電子ペン10を使用して、解答用紙3の解答欄毎に採点記号、訂正記号又は部分点数字の記入を行う。具体的に、採点者は、図9(b)に示すように、採点記号、訂正記号又は部分点数字の記入を行うことにより、各解答欄の採点を行う。そして、解答用紙3上の送信ボックスにチェックマークを記入することにより、端末装置25を介して、記入データをサーバ5へ送信する。なお、解答用紙3には、上述の送信ボックスが設けられているものとする。
サーバ5は、記入データを取得し、当該記入データから処理の対象となっている解答欄を通過する全てのストロークを抽出する(ステップS1)。即ち、サーバ5は、記入データから解答欄に記入された記号又は数字のストロークの座標データ及び時間情報を抽出する。そして、サーバ5は、抽出したストロークのうち、始点がその解答欄内に含まれるストロークのみを選別する。これは、前述のように、採点記号を記入する際は、対象となる解答欄内にストロークの始点が位置するようにルール付けられているからである。なお、予め設けられたルールが異なる場合は、始点が解答欄内に含まれるストロークのみを選別する必要はない。さらに、サーバ5は、抽出した座標データに基づいて座標テーブル104を参照することにより、各解答欄に記入されたストローク数を算出する(ステップS2)。
次に、サーバ5は、解答欄内に「n-2」本目のストロークが存在するか否かを判定する(ステップS3)。「n」は最終ストロークの番号であるため、サーバ5は、ステップS3により解答欄内に3本以上のストロークが存在するか否かを判定する。解答欄内に「n-2」本目のストロークが存在しないと判定した場合(ステップS3;No)、解答欄内に3本以上のストロークが存在しないということであるため、サーバ5は、図14に示すステップS11へ進む。
一方、解答欄内に「n-2」本目のストロークが存在すると判定した場合(ステップS3;Yes)、サーバ5は、「n-1」本目のストロークが「n-2」本目のストロークの中に存在するか否かを判定する(ステップS4)。「n-2」本目のストロークが部分的な正解を示す採点記号サンカク(△)であって、「n-1」本目のストロークが部分点数字であれば、ステップS4においてサーバ5は、存在すると判定する。「n-1」本目のストロークが「n-2」本目のストロークの中に存在しないと判定した場合(ステップS4;No)、サーバ5は、さらに「n」本目のストロークが「n-1」本目のストロークの中に存在するか否かを判定する(ステップS5)。「n-1」本目のストロークが部分的な正解を示す採点記号サンカク(△)であって、「n」本目のストロークが部分点数字であれば、ステップS5においてサーバ5は、存在すると判定する。「n」本目のストロークが「n-1」本目のストロークの中に存在すると判定した場合(ステップS5;Yes)、サーバ5は、「n−1」本目のストロークが採点記号サンカク(△)であると認識するとともに、「n」本目のストロークを部分点数字であるとして処理を行う(ステップS6)。具体的には、「n」本目のストロークに基づいて記号テーブル105を参照することにより部分点数字を認識する。このとき、部分点数字は1ストロークであるため「1、2、3、6、8、9」のいずれかとなる。これにより、採点結果認識処理は完了する。
また、ステップS4において「n-1」本目が「n-2」本目の中に存在すると判定した場合(ステップS4;Yes)、サーバ5は、「n」本目のストロークが「n-2」本目のストロークの中に存在するか否かを判定する(ステップS7)。「n-2」本目のストロークが採点記号サンカク(△)であって、「n」本目のストロークが部分点数字であれば、ステップS7においてサーバ5は、存在すると判定する。ここで、存在すると判定された場合、「n-1」本目及び「n」本目のストロークが部分点数字を構成することとなるため、部分点数字は2ストロークの数字であることが分かる。「n」本目が「n-2」本目の中に存在する場合(ステップS7;Yes)、サーバ5は、「n-2」本目のストロークが採点記号サンカク(△)であると認識するとともに、「n-1」本目及び「n」本目のストロークを部分点数字であるとして処理を行う(ステップS8)。具体的には、「n-1」本目及び「n」本目のストロークに基づいて記号テーブル105を参照することにより部分点数字を認識する。このとき、部分点数字は2ストロークであるため「4、5、7」のいずれかとなる。これにより、採点結果認識処理は完了する。
また、ステップS5において「n」本目が「n-1」本目の中に存在しないと判定した場合(ステップS5;No)、及び、ステップS7において「n」本目が「n-2」本目の中に存在しないと判定した場合(ステップS7;No)、サーバ5は、「n」本目のストロークを採点記号として処理を行う(ステップS9)。具体的には、「n」本目のストロークに基づいて記号テーブル105を参照することにより採点記号マル(○)、バツ(レ)、サンカク(△)のいずれであるかを認識する。これにより、採点結果認識処理は完了する。なお、この場合のサンカクには部分点数字が記入されていないため、部分点は与えられていないものとする。
一方、ステップS3において、「n-2」本目のストロークが存在しないと判定した場合(ステップS3;No)、サーバ5は、図14に示すように、解答欄内に「n-1」本目のストロークが存在するか否かを判定する(ステップS11)。解答欄内に「n-1」本目のストロークが存在しないと判定した場合(ステップS11;No)、解答欄内に2本のストロークが存在しないということであるため、サーバ5は、図15に示すステップS21へ進む。一方、解答欄内に「n-1」本目のストロークが存在すると判定した場合(ステップS11;Yes)、解答欄内に2本のストロークが存在するということであるため、サーバ5は、「n-1」本目を採点記号として処理する(ステップS12)。上述のルールにより、解答欄内にストロークが2本しか存在しない場合には、「n−1」本目は必ず採点記号となるからである。
そして、サーバ5は、「n-1」本目のストロークに基づいて記号テーブル105を参照することにより、当該ストロークが採点記号サンカク(△)であるか否かを判定する(ステップS13)。「n-1」本目のストロークが採点記号サンカク(△)である場合(ステップS13;Yes)、サーバ5は、「n」本目が「n-1」本目の中に存在するか否かを判定する(ステップS14)。「n」本目が「n-1」本目の中に存在する場合(ステップS14;Yes)、サーバ5は、「n」本目を部分点数字であるとして処理を行う(ステップS15)。具体的には、「n」本目のストロークに基づいて記号テーブル105を参照することにより部分点数字を認識する。このとき、部分点数字は1ストロークであるため「1、2、3、6、8、9」のいずれかとなる。これにより、採点結果認識処理は完了する。
一方、ステップS13において「n-1」本目が採点記号サンカク(△)ではないと判定した場合(ステップS13;No)、又は、ステップS14において「n」本目が「n-1」本目の中に存在しないと判定した場合(ステップS14;No)、サーバ5は、「n」本目のストロークを採点記号として処理を行う(ステップS16)。具体的には、「n」本目のストロークに基づいて記号テーブル105を参照することにより採点記号マル(○)、バツ(レ)、サンカク(△)のいずれであるかを認識する。これにより、採点結果認識処理は完了する。なお、この場合のサンカクには部分点数字が記入されていないため、部分点は与えられていないものとする。
一方、ステップS11において「n-1」本目のストロークが存在しないと判定した場合(ステップS11;No)、サーバ5は、解答欄内に「n」本目のストロークが存在するか否かを判定する(ステップS21)。「n」本目のストロークが存在しない場合(ステップS21;No)、解答欄内に何も記入されていないことを示しているので、サーバ5は採点結果認識処理を修了する。一方、「n」本目のストロークが存在する場合(ステップS21;Yes)、サーバ5は、「n」本目のストロークを採点記号として処理を行う(ステップS22)。具体的には、「n」本目のストロークに基づいて記号テーブル105を参照することにより採点記号マル(○)、バツ(レ)、サンカク(△)のいずれであるかを認識する。これにより、採点結果認識処理は完了する。なお、この場合のサンカクには部分点数字が記入されていないため、部分点は与えられていないものとする。
このように本発明によれば、部分点欄を解答欄とは異なるエリアに設ける必要がないため、解答欄を大きくとることができ、従来のデザイン上の問題を解消することができる。また、問題欄と解答欄が一緒になり、部分点欄を異なるエリアに設けることが難しいタイプの用紙にも、容易に本発明を適用することが可能である。さらに、部分的正解を示す採点記号サンカク(△)の中に部分点数字を記入する方法は、従来から広く一般的に行われてきた手順であるため、採点者への教育が容易である。
本発明は、採点者が電子ペンを使用して解答用紙に記入した情報に基づいて、試験の答案などを採点する採点結果認識システムに利用することができる。
電子ペンの使用形態を模式的に示す図である。 電子ペンの構造を示す機能ブロック図である。 専用ペーパーに印刷されたドットパターンによる情報の表現方法を説明する図である。 ドットパターン及びそれに対応する情報の例である。 専用ペーパーにより構成される帳票の構造を示す。 電子ペン用帳票の例を示す。 本発明における採点結果認識システムの概略構成を示す図である。 従来の解答用紙の例である。 本発明で使用する解答用紙の例である。 解答欄に記入された採点記号、訂正記号及び部分点数字の例である。 図7に示す採点結果認識システムに含まれるサーバの機能ブロック図である。 座標テーブルのデータ構造を模式的に示す図である。 解答欄内にストロークが3本以上存在する場合の採点結果認識処理のフローチャートである。 解答欄内にストロークが2本存在する場合の採点結果認識処理のフローチャートである。 解答欄内にストロークが1本存在する場合の採点結果認識処理のフローチャートである。
符号の説明
2…ネットワーク
3…解答用紙
5…サーバ
10…電子ペン
11…プロセッサ
12…メモリ
13…データ通信ユニット
14…バッテリー
25…端末装置
26…問い合わせサーバ
27…サービスサーバ
100…採点結果認識システム

Claims (12)

  1. 電子ペンを利用して記入された記号又は数字を認識する採点結果認識システムにおいて、
    個々の採点記号及び部分点数字の特徴を示す記号情報を記憶する記号情報記憶部と、
    前記電子ペンを利用して解答用紙に記入された記入データを取得する記入データ取得手段と、
    前記記入データから、採点記号及び部分点数字に対応するストロークを抽出するストローク抽出手段と、
    前記ストローク抽出手段が抽出したストロークのうち、1本の解答欄内に含まれるストロークを選別する選別手段と、
    選別されたストロークが3本以上であるか否かを判定する第1判定手段と、
    前記第1判定手段が3本以上であると判定した場合に、記入時刻に基づいて、新しい方から3番目のストロークの中に、新しい方から2番目のストロークが存在しているか否かを判定する第2判定手段と、
    前記第2判定手段が存在していると判定した場合に、記入時刻に基づいて、新しい方から3番目のストロークの中に、最も新しいストロークが存在しているか否かを判定する第3判定手段と、
    前記記号情報を参照して、抽出されたストロークに対応する採点記号及び部分点数字の少なくとも1本以上を認識し、認識結果を生成する認識手段と、を備え、
    前記認識手段は、前記第3判定手段が存在していると判定した場合に、採点記号が部分的な正解を示す部分記号であることを認識するとともに、新しい方から2番目及び最も新しいストローク並びに前記記号情報に基づいて部分点数字を認識することを特徴とする採点結果認識システム。
  2. 前記第2判定手段が存在していないと判定した場合に、記入時刻に基づいて、新しい方から2番目のストロークの中に、最も新しいストロークが存在しているか否かを判定する第4判定手段をさらに備え、
    前記認識手段は、前記第4判定手段が存在していると判定した場合に、採点記号が前記部分記号であることを認識するとともに、最も新しいストローク及び前記記号情報に基づいて部分点数字を認識することを特徴とする請求項に記載の採点結果認識システム。
  3. 前記認識手段は、前記第3判定手段が存在していないと判定した場合又は第4判定手段が存在していないと判定した場合に、最も新しいストローク及び前記記号情報に基づいて採点記号を認識することを特徴とする請求項に記載の採点結果認識システム。
  4. 前記第1判定手段が3本以上ではないと判定した場合に、選別されたストロークが2本以上であるか否かを判定する第5判定手段と、
    前記第5判定手段が2本以上であると判定した場合に、前記記号情報に基づいて、新しい方から2番目のストロークが採点記号の前記部分記号であるか否かを判定する第6判定手段と、
    前記第6判定手段が前記部分記号であると判定した場合に、新しい方から2番目のストロークの中に、最も新しいストロークが存在しているか否かを判定する第7判定手段と、をさらに備え、
    前記認識手段は、前記第7判定手段が存在すると判定した場合に、採点記号が前記部分記号であることを認識するとともに、最も新しいストロークに基づいて部分点数字を認識することを特徴とする請求項乃至のいずれか一項に記載の採点結果認識システム。
  5. 前記認識手段は、前記第6判定手段が前記部分記号でないと判定した場合又は前記第7判定手段が存在しないと判定した場合に、最も新しいストローク及び前記記号情報に基づいて採点記号を認識することを特徴とする請求項に記載の採点結果認識システム。
  6. 前記第5判定手段が2本以上でないと判定した場合に、選別されたストロークが1本であるか否かを判定する第8判定手段をさらに備え、
    前記認識手段は、前記第8判定手段が1本であると判定した場合に、最も新しいストローク及び前記記号情報に基づいて採点記号を認識することを特徴とする請求項又はに記載の採点結果認識システム。
  7. コンピュータ上で実行されることにより、
    個々の採点記号及び部分点数字の特徴を示す記号情報を記憶する記号情報記憶部、
    電子ペンを利用して解答用紙に記入された記入データを取得する記入データ取得手段、
    前記記入データから、採点記号及び部分点数字に対応するストロークを抽出するストローク抽出手段、
    前記ストローク抽出手段が抽出したストロークのうち、1本の解答欄内に含まれるストロークを選別する選別手段、
    選別されたストロークが3本以上であるか否かを判定する第1判定手段、
    前記第1判定手段が3本以上であると判定した場合に、記入時刻に基づいて、新しい方から3番目のストロークの中に、新しい方から2番目のストロークが存在しているか否かを判定する第2判定手段、
    前記第2判定手段が存在していると判定した場合に、記入時刻に基づいて、新しい方から3番目のストロークの中に、最も新しいストロークが存在しているか否かを判定する第3判定手段、
    前記記号情報を参照して、抽出されたストロークに対応する採点記号及び部分点数字の少なくとも1本以上を認識し、認識結果を生成する認識手段、として前記コンピュータを機能させ、
    前記認識手段は、前記第3判定手段が存在していると判定した場合に、採点記号が部分的な正解を示す部分記号であることを認識するとともに、新しい方から2番目及び最も新しいストローク並びに前記記号情報に基づいて部分点数字を認識することを特徴とする採点結果認識処理プログラム。
  8. 前記第2判定手段が存在していないと判定した場合に、記入時刻に基づいて、新しい方から2番目のストロークの中に、最も新しいストロークが存在しているか否かを判定する第4判定手段としてさらに前記コンピュータを機能させ、
    前記認識手段は、前記第4判定手段が存在していると判定した場合に、採点記号が前記部分記号であることを認識するとともに、最も新しいストローク及び前記記号情報に基づいて部分点数字を認識することを特徴とする請求項に記載の採点結果認識処理プログラム。
  9. 前記認識手段は、前記第3判定手段が存在していないと判定した場合又は第4判定手段が存在していないと判定した場合に、最も新しいストローク及び前記記号情報に基づいて採点記号を認識することを特徴とする請求項に記載の採点結果認識処理プログラム。
  10. 前記第1判定手段が3本以上ではないと判定した場合に、選別されたストロークが2本以上であるか否かを判定する第5判定手段、
    前記第5判定手段が2本以上であると判定した場合に、前記記号情報に基づいて、新しい方から2番目のストロークが採点記号の前記部分記号であるか否かを判定する第6判定手段、
    前記第6判定手段が前記部分記号であると判定した場合に、新しい方から2番目のストロークの中に、最も新しいストロークが存在しているか否かを判定する第7判定手段、としてさらに前記コンピュータを機能させ、
    前記認識手段は、前記第7判定手段が存在すると判定した場合に、採点記号が前記部分記号であることを認識するとともに、最も新しいストロークに基づいて部分点数字を認識することを特徴とする請求項乃至のいずれか一項に記載の採点結果認識処理プログラム。
  11. 前記認識手段は、前記第6判定手段が前記部分記号でないと判定した場合又は前記第7判定手段が存在しないと判定した場合に、最も新しいストローク及び前記記号情報に基づいて採点記号を認識することを特徴とする請求項10に記載の採点結果認識処理プログラム。
  12. 前記第5判定手段が2本以上でないと判定した場合に、選別されたストロークが1本であるか否かを判定する第8判定手段としてさらに前記コンピュータを機能させ、
    前記認識手段は、前記第8判定手段が1本であると判定した場合に、最も新しいストローク及び前記記号情報に基づいて採点記号を認識することを特徴とする請求項10又は11に記載の採点結果認識処理プログラム。
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