JP4876143B2 - ガラス製品のゴブ検査装置 - Google Patents
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特許文献6には、さらに、ゴブ形状の3次元データを好適なゴブ形状のデータと比較し、ゴブの形状を適切なゴブ形状に近づけてガラス製品の品質を向上させることが記載されている。
前記特許文献6は、ゴブ形状の3次元データを好適なゴブ形状のデータと比較し、ゴブの形状を好適なゴブ形状に近づけてガラス製品の品質を向上させるものである。
しかし、ゴブは2〜3秒程度の間隔でオリフィスから切り出されるものであるから、このような短い間にゴブ形状の3次元データを比較解析するのは困難で、仮に可能とあるとしても非常に高価な測定機器、データ処理機器を必要とし、実用的ではない。
本発明は、オリフィスから切り出されて落下しているゴブを水平方向にスキャンするラインセンサカメラと、該ラインセンサカメラからのデータを処理する処理手段を有し、該処理手段は、前記データの各ラインにおいて所定の明るさ閾値BB2を超える部分の素子数からゴブ幅Wを算出し、このゴブ幅Wを、その素子座標位置にしたがって、垂直方向に連続させることでゴブ画像を作成し、前記処理手段が、1個分の前記ゴブ画像において所定の明るさ閾値BB1を超える素子数の合計が所定の素子数閾値EBを超えたときに不良ゴブであると判定することを特徴とするガラス製品のゴブ検査装置である。
ゴブに泡や異物が混入していると、その部分が他の部分よりも明るくなるので、適宜の明るさ閾値BB1を設けることで、泡や異物の混入を知ることができる。(図4)
素子数閾値EBは、誤判定を避けるため、又は軽度の欠陥を許容するために適宜の値に設けられる。
ゴブ画像は、実際のゴブの形状とは若干異なっている。これは、ゴブが落下する速度は重力加速度により増加するため、カメラでスキャンするラインの間隔が下方ほど広くなるからである。しかし、作成されたゴブ画像はゴブ形状の特徴を反映しているので、ゴブ画像を解析することで、ゴブ形状の欠点を見出し、正常なゴブ形状に復旧する処置を講じることが可能となる。
また本発明は、前記処理手段が、1個分の前記ゴブ画像において、前記ゴブ幅Wが所定のゴブ幅閾値WBに満たないラインの数を算出し、そのライン数が所定のライン数閾値LBを超えるときに不良ゴブであると判定する請求項1に記載の検査装置である。
糸引きゴブは、製品表面に傷(しわ、微小クラックなど)や凹凸を生じさせる原因となる。
また本発明は、ガラス製品の成形機から徐冷炉までの間のコンベア上を搬送されているガラス製品を排除するリジェクタを有し、前記処理手段が、判定した前記不良ゴブから成形したガラス製品を該リジェクタで前記コンベア上から排除する請求項1又は2に記載の検査装置である。
不良ゴブ自体を排除しないで、製品成形後に排除するのは、ゴブ自体を排除すると製品を成形しない(1回パス)の金型が生じ、この金型が冷えてしまい、次に成形する製品に微小クラックやしわなどの欠陥が生じる可能性があるからである。
製品の排除を成形機から徐冷炉までの間で行うのは、処理手段に成形機のタイミング信号などを送ることで、処理手段が、検査したゴブで成形した製品がリジェクタの正面に到達して排除するタイミングを個別に把握でき、正確に不良ゴブによる製品を排除できるからである。
リジェクタは、コンベア上のガラス製品をエアで吹き飛ばすタイプのもの、押し出すタイプのものなど、周知のものを使用できる。
また本発明は、前記処理手段が記憶手段及び表示手段を備え、前記ゴブ画像を該記憶手段に記録でき、それを該表示手段に表示可能である請求項1〜3のいずれかに記載の検査装置である。
また本発明は、前記記憶手段に、好ましい形状を有する基準ゴブ画像が記録され、前記表示手段に該基準ゴブ画像と検査を行うゴブ画像を同一画面に表示できる請求項4に記載の検査装置である。
基準ゴブ画像と検査を行うゴブ画像を同一画面に表示することで、検査中のゴブ形状の解析を容易に行うことができる。特に、図6(C)のように重ね合わせて表示できるようにすることが望ましい。
また本発明は、前記処理手段が、前記基準ゴブ画像と検査を行うゴブ画像を重ね合わせる処理を行い、重なり合う画像部分の画素数が所定の画素数閾値PB1よりも少ないとき、又は重なり合わない画像部分の画素数が所定の画素数閾値PB2を超えるときに不良ゴブであると判定する請求項5に記載の検査装置である。
また本発明は、前記重ね合わせる処理を、前記基準ゴブ画像と検査を行うゴブ画像の異なる位置関係で複数回行い、その重なり合う画像部分の最大画素数が所定の画素数閾値PB1よりも少ないとき、又は重なり合わない画像部分の最小画素数が所定の画素数閾値PB2を超えるときに不良ゴブであると判定する請求項6に記載の検査装置である。
また本発明は、警報手段を備え、前記処理手段が前記不良判定をしたときに該警報手段を作動させる請求項6又は7に記載の検査装置である。
不良ゴブから成形された製品をホットエンドで排除することで、コールドエンドの検査で欠陥製品がパスしてしまう危険を大幅に減少できる。
ラインセンサカメラを用い、データの解析も簡単なので、設備費用が安価であり、2秒程度の間隔で切り出される全てのゴブの検査にも十分に対応できる。
図1は、オリフィス21からゴブ10が切り出されたところを示している。
溶融ガラス25が満たされたスパウト20には、回転するチューブ23、上下動するプランジャ24が装備され、プランジャ24が下降して溶融ガラス25がオリフィスから押し出されると、シャー22が作動してこれを切断し、ゴブ10が切り離されて落下する。
落下したゴブは、トラフ、デフレクタなどの移送手段26により、成形機に装備された金型(粗型)内に装入され、成形される。
ラインセンサカメラ1が設置される環境は高温であるので、カメラはクーリングボックス(図示せず)内に収納するなどして冷却することが望ましい。
この検査装置は、ラインセンサカメラ1、処理手段2、リジェクタ3、表示手段4、入力手段及び警報手段などを有する。
ラインセンサカメラ1は、移動体の表面を線視野で捉え、一定ピッチ毎に平均した走査をおこないビデオ信号として出力する。今回使用したカメラは水平方向に2048画素有し、高分解能な画像取り込みができる。ゴブが素子列と直角方向に移動することによって、ゴブの全面を画像データとして取り込む。
処理手段2は市販のコンピュータ(パーソナルコンピュータ)で、記憶手段(メモリ、ハードディスク)を内蔵し、表示手段4(モニタ)及び入力手段(キーボード、マウス)が接続されている。
警報手段は、ブザー、点滅灯などである。
IS成形機6に附属している制御システムは、シャーカット信号、タイミング信号、リセット信号を有する。
シャーカット信号は、制御システムがシャー22を動作させるときに発するパルス信号である。
タイミング信号は、IS成形機の動作速度に同期したパルス信号で、例えば、1周期の動作を完了する間(全てのセクションで1回成形を完了する間)に1800パルスを出力する。
ゴブを切断するシャーカットのタイミング、成形機の全ての部分の動作やコンベア7の搬送速度などはこのタイミング信号に同期している。
リセット信号は、IS成形機6が1周期の動作を完了するごとに1パルス出力されるものである。
図3は、ラインデータの1例で、横軸がカメラの素子配列の座標、縦軸が各素子で検出された明るさ(電圧)である。ラインデータは、図3の左から右に向かってスキャンされ、処理手段2に送られる。
明るさには2つの閾値BB1、BB2 が設けられている。
明るさが閾値BB2 を超えた素子座標から、閾値BB2 より暗くなる素子座標までの距離(素子数)がそのラインのゴブ幅Wになる。
図3において、明るさが閾値BB1 よりも明るい領域E1、E2 がある。この部分は、泡又は異物の欠陥があって、他の部分よりも明るくなっているところである。
このゴブには泡14と異物15が入っている。一般に泡14は、その周りの部分が明るくなる。異物15はその全体が明るくなる。
明るさ閾値BB1 は、泡や異物の部分の明るさと一般部分の明るさの中間の適当な明るさに設定されているので、ゴブ1個分のラインデータにおいて、BB1 よりも明るい領域E1、E2 の素子数の総計、Σ(E1+E2+・・)が、そのゴブに存在する欠陥の面積に相当し、その総計が所定の素子数閾値EBを超えたときに不良ゴブであると判定される。
素子数閾値EBは、誤判定を避けること、軽度の欠陥の又は許容されるべき程度を考慮して適宜に定めればよい。
これは、いわゆる糸引き16の欠陥があるゴブで、シャーに異物(溶解窯の不溶レンガ粒など)が挟まったときなどに発生する。
糸引き16の部分は、極端に狭いゴブ幅Wとなっているラインが多数存在するから、所定のゴブ幅閾値WBとライン数閾値LBを適宜に定め、ゴブ幅閾値WBに満たないゴブ幅となっているラインの数を算出し、そのライン数がライン数閾値LBよりも多くなっているときに、糸引きの欠陥を有する不良ゴブと判断される。
図6(B)は、既に記録手段に記録されている基準ゴブ画像の例である。これは、良好な製品を安定して成形しているときに作成し、記録した画像である。
表示手段には、(C)に示すように、ゴブ画像12と基準ゴブ画像13を、これらの重心G、G’が一致するように重ねて表示できる。このようにすることで、検査中のゴブの形状を容易に考察できる。
このとき、基準ゴブ画像と検査を行うゴブ画像を重ね合わせる処理は、双方の画像の重心がG、G’が一致する位置関係のみならず、図7に示すように、GとG’の位置が少しずれる多数の位置関係について行い、その多数の重ね合わせパターンの中から、重なり合う画像部分の画素数が最も多いパターンにおけるその画素数が所定の画素数閾値PB1 よりも少ないとき、又は、重なり合わない画像部分の最も少ないパターンにおけるその画素数が所定の画素数閾値PB2 を超えるときに不良ゴブであると判定される。
図8は、成形機で成形されたガラス製品が徐冷炉に入るまでの様子を示している。
実施例の検査装置で検査されたゴブは、IS成形機の粗型に装入され、成形機内でパリソン成形、仕上成形が行われ、成形されたガラス製品11はコンベア7の上を徐冷炉8に向かって搬送されて行き、プッシャー9によって徐冷炉8の中に送り込まれる。
リジェクタ3は、IS成形機6と徐冷炉8の間のコンベア7の脇に設けられている。
処理手段2は、不良と判定したゴブ10から成形されたガラス製品11が、リジェクタ3の正面に搬送されてくるタイミングでリジェクタ3を作動させ、そのガラス製品を廃棄部5に向かって吹き飛ばし、コンベア7上から排除する。
これにより、係員はそのゴブの画像を基準ゴブ画像と共に表示手段の画面に呼び出し、ゴブ形状を解析することができる。
2 処理手段
3 リジェクタ
4 表示装置
5 廃棄部
6 成形機
7 コンベア
8 徐冷炉
9 プッシャー
10 ゴブ
11 ガラス製品
12 ゴブ画像
13 基準ゴブ画像
14 泡
15 異物
16 糸引き
20 スパウト
21 オリフィス
22 シャー
23 チューブ
24 プランジャ
25 溶融ガラス
26 移送手段
27 金型
Claims (8)
- オリフィスから切り出されて落下しているゴブを水平方向にスキャンするラインセンサカメラと、
該ラインセンサカメラからのデータを処理する処理手段を有し、
該処理手段は、前記データの各ラインにおいて所定の明るさ閾値BB2を超える部分の素子数からゴブ幅Wを算出し、このゴブ幅Wを、その素子座標位置にしたがって、垂直方向に連続させることでゴブ画像を作成し、
前記処理手段が、1個分の前記ゴブ画像において所定の明るさ閾値BB1を超える素子数の合計が所定の素子数閾値EBを超えたときに不良ゴブであると判定することを特徴とするガラス製品のゴブ検査装置。 - 前記処理手段が、1個分の前記ゴブ画像において、前記ゴブ幅Wが所定のゴブ幅閾値WBに満たないラインの数を算出し、そのライン数が所定のライン数閾値LBを超えるときに不良ゴブであると判定する請求項1に記載の検査装置。
- ガラス製品の成形機から徐冷炉までの間のコンベア上を搬送されているガラス製品を排除するリジェクタを有し、前記処理手段が、判定した前記不良ゴブから成形したガラス製品を該リジェクタで前記コンベア上から排除する請求項1又は2に記載の検査装置。
- 前記処理手段が記憶手段及び表示手段を備え、前記ゴブ画像を該記憶手段に記録でき、それを該表示手段に表示可能である請求項1〜3のいずれかに記載の検査装置。
- 前記記憶手段に、好ましい形状を有する基準ゴブ画像が記録され、前記表示手段に該基準ゴブ画像と検査を行うゴブ画像を同一画面に表示できる請求項4に記載の検査装置。
- 前記処理手段が、前記基準ゴブ画像と検査を行うゴブ画像を重ね合わせる処理を行い、重なり合う画像部分の画素数が所定の画素数閾値PB1よりも少ないとき、又は重なり合わない画像部分の画素数が所定の画素数閾値PB2を超えるときに不良ゴブであると判定する請求項5に記載の検査装置。
- 前記重ね合わせる処理を、前記基準ゴブ画像と検査を行うゴブ画像の異なる位置関係で複数回行い、その重なり合う画像部分の最大画素数が所定の画素数閾値PB1よりも少ないとき、又は重なり合わない画像部分の最小画素数が所定の画素数閾値PB2を超えるときに不良ゴブであると判定する請求項6に記載の検査装置。
- 警報手段を備え、前記処理手段が前記不良判定をしたときに該警報手段を作動させる請求項6又は7に記載の検査装置。
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