JP4875772B2 - 電気電子部品用銅合金板材およびその製造方法 - Google Patents

電気電子部品用銅合金板材およびその製造方法 Download PDF

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Description

本発明は端子・コネクタなどの電気電子部品用に好適な、電気電子部品用銅合金材およびその製造方法に関するものである。
リン青銅(JIS C5210、JIS C5191など)、あるいは黄銅(JIS C2600)などの銅合金は、優れた加工性と機械的強度を有しているため、電子機器や自動車内配線用途のコネクタ、端子などの電気電子部品に用いられている。
近年、電子機器の小型化、軽量化、および高密度実装化が進展する中で、電気電子部品用の金属材料には、高強度かつ曲げ加工性に優れることが強く求められている。これら電気電子部品は、金型を用いた高速プレス装置により打ち抜き加工されることが常である。この打ち抜き加工の際、材料は金型のパンチによりせん断変形を生じた後に、該材料のパンチの刃先に接した部位から材料内部へのクラック発生によって、破断変形を生じて所定の形状に打ち抜かれる。
しかし、プレス装置による打ち抜き加工のショット数が増すにつれて、金型のパンチの刃先の磨耗が進み、その結果として刃先に接した部位からのクラック発生が不均一になり、電気電子部品の破断形状が乱れることがある。具体的には、せん断帯と破断帯の段差が大きくなったり、大きなバリが発生したり、破断により生じた材料の大きなカスが発生して、これらのいずれによっても、打ち抜かれた電気電子部品は、所定の形状を保てなくなる。そのため、電気電子部品用材料として、金型磨耗やメンテナンス頻度の低減を目的とした打ち抜き加工性に優れる銅合金材が求められている。
ところで、銅合金材の強度(引張強度)は加工硬化により容易に高めることができるが、加工硬化材は一般に靭性に劣るために、端子などに加工する際に曲げ割れが発生してしまう問題がある。この問題点を解決するために、銅(Cu)に鉄(Fe)とニッケル(Ni)とリン(P)を添加することにより第二相の化合物を分散させ、さらに最終冷間加工前の熱処理条件を規定することで結晶粒を微細化し、銅合金材の曲げ性を向上させることが知られている(特許文献1参照)。また、銅合金材の打ち抜き加工性の改善に関しては、リン青銅(Cu−Sn−P系合金)に鉛(Pb)、ビスマス(Bi)、カルシウム(Ca)、ストロンチウム(Sr)、バリウム(Ba)、テルル(Te)などの元素を添加し、第二相の化合物を分散させることによりプレス性を向上させることが知られている(特許文献2参照)。また、銅合金材の強度、曲げ加工性、耐応力緩和特性を同時に向上させるための技術として、直径が1〜50nmで密度が10〜1010個/mmの析出物と、直径が50〜500nmで密度が10〜10個/mmの析出物とを有する、Cu−Sn系合金が知られている(特許文献3参照)。
国際公開第WO2002/053790号パンフレット 特開平10−195562号公報 特開2006−274445号公報
しかしながら、特許文献1〜3に記載の発明では、強度(引張強度)・曲げ加工性・打ち抜き加工性のすべてを満足するには至っていない。本発明者らは、これまで多用されているリン青銅系材料について種々検討した結果、強度(引張強度)、曲げ加工性を維持しつつ、打ち抜き加工性を改善しうることを知見し、さらに検討を進めて本発明を完成させるに至った。
そこで、本発明は、コネクタ用端子など電気電子部品に要求される諸特性(特に引張強度、曲げ加工性、打ち抜き加工性)に優れる銅合金板材及びその製造方法を提供することを課題とする。
本発明の銅合金材は、銅合金中に結晶粒を微細化する径のより小さい化合物(以下の化合物X)と打ち抜き加工性を向上させる径のより大きい化合物(以下の化合物Y)とがそれぞれ適量含まれることをその特徴の1つとしている。また、このように大きさの異なる2種の化合物は、特定の工程を経ることで生成させることができる。すなわち、本発明によれば、以下の解決手段が提供される。
[1]Snを3.0〜13.0質量%、Fe及びNiのどちらか一方または両方の合計で0.01〜2.0質量%、並びにPを0.01〜1.0質量%含有し、残部がCuおよび不可避不純物からなる銅合金よりなる電気電子部品用銅合金板材の製造方法であって、
鋳造時の冷却速度が1℃/秒より速く100℃/秒より遅い条件下で作製された鋳塊を下記条件で均質化処理し、表面を1mm以上面削する工程を施した後、下記の工程を順次行うことを特徴とする銅合金板材の製造方法。
・40〜70%の加工率での冷間圧延a
・不活性ガス雰囲気中で550〜750℃において1〜10時間の熱処理a
・40〜80%の加工率で冷間圧延b
・不活性ガス雰囲気中で350〜550℃において1〜10時間の熱処理b
・40〜80%の加工率での冷間圧延c
・300〜550℃で10〜120秒の熱処理c
・40〜70%の加工率で冷間圧延d
・300〜550℃で5〜200秒の熱処理d
(均質化処理の条件は、均質化温度(℃)と処理時間(hr)とで表示される添付第1図のグラフにおいて、(780℃、0.7時間)、(780℃、4時間)、(600℃、10時間)、(600℃、2.5時間)の4点を結ぶ直線で囲まれる台形領域内の温度・時間の条件で均質化熱処理を施すものである。)
[2]前記熱処理bを経て結晶粒が5〜20μmの平均結晶粒径からなる組織を得る[1]に記載の製造方法。
[3]前記熱処理dを経て結晶粒が1〜5μmの平均結晶粒径からなる組織を得る[1]又は[2]に記載の製造方法。
[4]前記銅合金が、さらに、Co、Cr、及びMnの1種または2種以上を合計で0.01〜1.0質量%含有することを特徴とする[1]〜[3]のいずれか1項に記載の製造方法。
][1]〜[]のいずれか1項に記載の製造方法で製造された電気電子部品用銅合金板材であって、
Snを3.0〜13.0質量%、Fe及びNiのどちらか一方または両方の合計で0.01〜2.0質量%、並びにPを0.01〜1.0質量%含有し、残部がCuおよび不可避不純物からなる銅合金よりなり、
結晶粒の平均直径が1.0〜5.0μmであり、
平均直径が50nm以上200nm以下の化合物Xが密度10〜10個/mmで分布し、
平均直径が0.5μmより大きく3.0μm以下の化合物Yが密度10〜10個/mmで分布し、
前記化合物Yについて、{(板表層から板厚10%領域の化合物Yの密度)/(板厚表層から板厚40〜60%領域の化合物Yの密度)}が0.8〜1.0の範囲であり、
引張強度が600MPa以上であることを特徴とする電気電子部品用銅合金板材。
]さらに、Co、Cr、及びMnの1種または2種以上を合計で0.01〜1.0質量%含有することを特徴とする[]に記載の電気電子部品用銅合金板材。
本発明の電気電子部品用銅合金材は、引張強度(TS)が600MPa以上と高強度であり、好ましくは引張強度が700MPa以上である。この引張強度の上限値には特に制限はないが、曲げ特性(曲げ加工性)重視の観点からは、800MPa以下が好ましい。
本発明の製造方法によれば、強度(引張強度)、曲げ加工性を損なわずに打ち抜き加工性を向上させることができ、電気電子部品用の例えば端子・コネクタ用として銅合金に要求される高レベルの特性の銅合金板材が得られる。
本発明の上記及び他の特徴及び利点は、適宜添付の図面を参照して、下記の記載からより明らかになるであろう。
好ましい温度と時間の均質化熱処理条件示したグラフであり、図中の台形で囲まれた範囲内が、本発明の均質化熱処理条件の範囲である。
以下に、本発明の好ましい実施の形態を述べる。以下の説明中では、銅合金材として特に板材について言及する。本発明の銅合金板材の形状は、打ち抜き加工されることを前提としている板状(板材、条材など)であることが好ましい。なお、以下では本発明の銅合金板材から説明を始めるが、これにより本発明の製造方法が限定して解釈されるものではない。

本発明の銅合金材では、銅合金中に鉄(Fe)またはニッケル(Ni)の少なくとも一方の元素とリン(P)とを含有させることにより、これらの添加元素からなる化合物(具体的には、Fe−P、Ni−P、Fe−Ni−P)を有する。本発明では、この化合物を微小な化合物X(直径が0nm以上00nm以下)と、化合物Xより大きい化合物Y(直径が0.μmより大きく.0μm以下)に分けて規定する。なお、化合物の直径(平均直径)と密度は、圧延平行方向の断面を透過型電子顕微鏡で写真撮影して、その写真上で化合物の直径(長径と短径の平均値)と密度を測定したものである。
銅合金中の化合物Xの平均直径を0nm以上00nm以下の範囲とする理由は、結晶粒を微細化するためである。これより小さすぎる粒子では、結晶粒界をピニングすることができず、結晶粒の微細化効果を得ることができない。一方、これより大きい粒子では、上記結晶粒界のピニングとそれによる結晶粒の微細化効果が小さい。また、化合物Xの平均直径の平均値は、好ましくは50nm以上200nm以下である。なお、本発明において、平均直径小さすぎる化合物は、それ自身が打ち抜き加工性および曲げ加工性に影響をもたらすことはほとんどないが、このような化合物の密度が高くなりすぎると、化合物Xや化合物Yの密度が減少する。したがって、平均直径小さすぎる化合物の密度は極力低いことが好ましい。
化合物Xの密度を10〜10個/mmとする理由は、上記の結晶粒を安定して製造できるからである。化合物Xの密度が低すぎると結晶粒の成長を抑制できなくなり粗大化してしまう。化合物Xの密度が高すぎると化合物の直径が小さくなって結晶粒の成長を抑制できなくなり、結晶粒が粗大化してしまう。化合物Xの密度は、好ましくは10〜10個/mm、より好ましくは10〜10個/mmである。
化合物Yの平均直径を0.μmより大きく.0μm以下とする理由は、打ち抜き加工性を向上させるからである。これより大きすぎる粒子は曲げ加工時の応力集中を発生させてこの点を起点として曲げ割れの問題が生じる。一方、これより小さい粒子では、打ち抜き加工性を向上させる効果が小さい。また、化合物Yよりも小さい化合物が多すぎると、化合物Yの密度が低下してしまう。また、化合物Yの平均直径の平均値は、好ましくは0.5μm以上3.0μm以下、より好ましくは0.6μm以上3.0μm以下である。
化合物Yの密度を10〜10個/mmとするのは、打ち抜き加工性を向上させるからである。化合物Yの密度が低すぎると、打ち抜き加工する時の破断のクラックの起点となるべき化合物Yの密度が低いため、打ち抜き加工性を向上させることができない。化合物Yの密度が高すぎると化合物の直径が小さくなって結晶粒の成長を抑制できなくなり粗大化してしまう。また、曲げ加工性を悪くする。化合物Yの密度は、好ましくは10〜10個/mmである。
本発明の銅合金材は、スズ(Sn)、リン(P)と、鉄(Fe)及び/またはニッケル(Ni)と、必要によりその他の添加元素とを含有し、残部が銅(Cu)および不可避的不純物からなるものである。
本発明の銅合金材において、Snの含有量を3.0〜13.0質量%とする理由は、強度(引張強度)が向上するためである。少なすぎると固溶強化によって得られる強度が不十分であり、多すぎると脆性の強いCu−Sn金属間化合物が形成して加工性を悪化させる問題が起きる。好ましくは5.0〜11.0質量%であり、より好ましくは7.0〜11.0質量%である。
本発明の銅合金材中に含まれるFe、Niはそれぞれ0.01〜1.0質量%であることが好ましく、これらのどちらか1種または2種の合計で0.01〜2.0質量%とする。Feの含有量は好ましくは0.05〜0.5質量%である。Niの含有量は好ましくは0.02〜0.4質量%である。FeとNiのどちらか1種または2種の合計の含有量は、好ましくは0.05〜0.5質量%である。また、本発明の銅合金材中には、Pを0.01〜1.0質量%含有し、さらに好ましくは0.03〜0.30質量%含有する。本発明の銅合金材中にFe及び/又はNiと、Pとをそれぞれ所定量含有することによって、結晶粒径が粗大化することがなく、圧延中に割れが生じることもない。
また、前記化合物Yを構成する化合物の(Fe+Ni)量が68〜88質量%、P量が10〜25質量%のとき、プレス打ち抜き性に効果を発揮する粒子を安定して分散させることができ、打ち抜き加工性を向上させることができる。なお、上記含有量の合計が100質量%にならない場合があるのは、化合物Yには、他の元素(例えばCuやSnなど)が含まれることがあるからである。
本発明の銅合金材には、コバルト(Co)、クロム(Cr)、マンガン(Mn)から選ばれる少なくとも1種を含有させてもよい。これらのCo、Cr、Mnは、リン(P)との第二相(化合物)として晶出または析出し、結晶粒径の制御、打ち抜き加工性の向上に有効である。添加する場合に、前記Co、Cr、Mnの1種または2種以上の合計の含有量を0.01〜1.0質量%とする理由は、少なすぎるとその効果が十分得られず、多すぎると鋳造時に粗大な化合物を晶出させ、曲げ加工性を悪化させるためである。
本発明において銅合金材の結晶粒の平均直径(平均結晶粒径)を1.0〜5.0μmとする理由は、強度(引張強度)と曲げ加工性の両方が優れるからである。小さすぎると強度(引張強度)の向上よりも延性の劣化が顕著であり結果として靭性に劣るため曲げ加工性が劣化する。また、工業的には安定して製造できないという問題がある。大きすぎると結晶粒微細化によって得られる強度(引張強度)が不十分であるという問題が起きる。好ましくは1.0〜2.0μmである。
前記化合物Yの密度が板厚方向に均一の場合、より一層打ち抜き加工性を向上させることができるため、化合物Yについて、{(板表層から板厚10%以内の領域での化合物Yの密度)/(板表層から板厚40〜60%の領域での化合物Yの密度)}で表わされる比が0.8〜1.0である。
プレス時の材料の変形は、表層から変形が入りクラックが生じ、破断すると考えられる。そのため、表層にクラックの起点となるような晶出物(化合物Y)が少ない場合、破断が生じにくい材料となり、金型の寿命を悪化させる。一般に、表層は、鋳造時の冷却速度が速く、晶出物が少なくなっている。一方、晶出物が表層に多すぎる場合も、金型と硬い晶出物が当たることになり、金型が磨耗してしまう。これは、極表層は、化合物の偏析が多くなっていると考えられる。
これに対して、本発明の銅合金材料では、このような偏析が起こりにくいため、良好な打ち抜き性を示すことができる。
本発明の銅合金材の製造方法においては、鋳造時の冷却速度が1℃/秒より速く100℃/秒より遅い条件下で作製された鋳塊を、均質処理後、表面を表裏両面の合計で1mm以上面削する工程を施し、冷間圧延と中間焼鈍を2回〜4回繰り返した後、仕上げ圧延、歪取り焼鈍を施すと、結晶粒径が1〜5μmの再結晶組織を工業的に安定して製造することができ、得られる再結晶組織における加工組織や粒径のばらつきを抑制できる。また、鋳造の冷却速度を規定することで晶出物の量を制御でき、化合物Yの分散量を規定値にすることが可能であり、表面を1mm以上面削し、冷間圧延と中間焼鈍を繰り返すことにより板厚方向の化合物Yの密度のばらつきを抑制できる。
本発明の製造法では、圧延加工を冷間圧延でおこない、熱間圧延は行なわない。本発明の銅合金材を熱間加工(熱間圧延)すると加工割れを生じる場合があるためである。また、冷間圧延と中間焼鈍を繰り返し行なうことによって、得られる銅合金材が硬くなりすぎることを防ぎ、所定の厚さまで薄くする際に硬すぎて加工割れすることを防ぐことができる。
本発明の銅合金の製造方法各工程は以下の通りである。
SnとPとその他の添加元素と残部がCuからなる合金を高周波溶解炉等により溶解して鋳造時の冷却速度が1℃/秒より速く100℃/秒より遅い条件で鋳造し、鋳塊を得る。この鋳塊に850℃〜600℃で0.5時間〜10時間の均質化熱処理、より具体的には、時間と温度の関係が、(780℃、0.7時間)、(780℃、4時間)、(600℃、10時間)、(600℃、2.5時間)の4点を結ぶ直線で囲まれる温度・時間の条件で均質化熱処理を施す。この温度と時間の均質化熱処理条件を図に示した。図中の台形で囲まれた範囲内が均質化熱処理条件の範囲である。均質化熱処理は、温度が高い場合には比較的短時間で、温度が低い場合には比較的長時間である。なお、均質化熱処理温度が高すぎると、鋳造で生じた晶出物が固溶し、その結果、打ち抜き加工性向上に寄与する化合物Yが減少してしまう。また、均質化熱処理の温度が低い場合でも、長時間熱処理した場合には化合物が粗大化し、化合物Yの数が減少してしまうので好ましくない。均質化処理温度を厳密に制御することが特に好ましい。均質化熱処理の後、徐冷し、表面を1mm以上面削する。この面削量は、好ましくは2mm以上である。面削量の上限には特に制限はないが、通常5mm以下の面削量とする。次いで40〜70%の冷間圧延aを施し、不活性ガス雰囲気中で550〜750℃において1〜10時間の熱処理aを行い、徐冷する。さらに40〜80%の圧延加工率で冷間圧延bを行い、不活性ガス雰囲気中で350〜550℃において1〜10時間の熱処理bを行い、5〜20μmの平均結晶粒径からなる組織を得る。
この熱処理bを終えた材料に40〜80%の加工率で冷間圧延cを行った後に、300〜550℃で10〜120秒の熱処理cを行い、再結晶組織を得る。次いで40〜70%の加工率で冷間圧延dを行った後に、300〜550℃で5〜200秒の熱処理dを行う。熱処理dでは、昇温速度と冷却速度はそれぞれ5℃/秒〜80℃/秒が好ましく、40℃/秒程度とすることがさらに好ましい。冷間圧延dで熱処理dにおける再結晶のための駆動力を蓄え、熱処理dの終了時に結晶粒径が1〜5μmの組織を得る。
化合物Xは主に熱処理c・熱処理dにおいて生じる。一方、化合物Yは主に鋳造・均質加熱処理・熱処理a・熱処理bにおいて生じる。また、前記熱処理dの工程の後、化合物Xと化合物Yは均一に分散している。熱処理cの工程の後、均一な再結晶組織を得るには熱処理aと熱処理bの間の冷間加工bにおける加工率を40〜80%に、好ましくは50〜70%にするのが好ましい。この加工率が高すぎる場合は加工割れをおこし、加工率が低すぎる場合は熱処理bにおいて再結晶が完了しないために熱処理b後の冷間加工で加工割れをおこす問題が生じる。
熱処理d後に、加工率10〜30%で最終冷間圧延を施した後、その後150〜250℃で0.2時間〜1.0時間、好ましくは0.5時間程度の歪取り熱処理を施す。
上記の合金製造条件の中で、本発明で規定する結晶粒径、化合物Xと化合物Yの大きさ、生成密度を調節することができるのは、合金組成以外に、鋳造条件、均質化熱処理、熱処理(a、b、c、d)や冷間圧延(a、b、c、d)などの条件であり、これを上記のように規定することにより、目的の銅合金材を得ることができる。ただし、冷間圧延bと熱処理b、冷間圧延dと熱処理dは必要に応じて行うもので、省略することができる。各圧延の加工率が40%以上の場合は、粗大な化合物が圧延時に砕かれて、化合物Yの密度を増加させることができる。
本発明の銅合金材は、例えば、コネクタ、端子、リレー、スイッチ、リードフレームなどの電気電子部品に好適に用いることができる。
以下に、本発明を実施例に基づきさらに詳細に説明するが、本発明はそれらに限定されるものではない。
参考例の合金は以下のように作製した。各例に記載する量のSnと0.07質量%のPとその他の添加元素と残部がCuからなる合金を高周波溶解炉により溶解し、これを鋳造時の冷却速度が1℃/秒より速く100℃/秒より遅い条件でDC(Direct Chill)鋳造して厚さ30mm、幅100mm、長さ150mmの鋳塊を得た。
次にこの鋳塊に800℃で1時間加熱する均質化処理を施し、徐冷し、両面をそれぞれ2mm以上面削して酸化皮膜を除去した。次いで、加工率40〜70%で冷間圧延aを施し、不活性化ガス雰囲気中で550〜750℃において1〜10時間の熱処理aを行い、徐冷した。さらに40〜80%の圧延加工率で冷間圧延bを施して厚さ2〜5mmの板材とし、不活性ガス雰囲気中で350〜550℃において1〜10時間の熱処理bを行い、5〜20μmの平均結晶粒径からなる組織を得た。
この熱処理bを終えた材料に40〜80%の加工率で冷間圧延cを行った後に、300〜550℃で10〜120秒の熱処理cを行った。この熱処理cを施した1〜15μmの平均結晶粒径からなる組織を有する板材に40〜70%の加工率で冷間圧延dを行った後に、300〜550℃で5〜200秒の熱処理dを行った。熱処理dでは、昇温速度と冷却速度を40℃/秒で行った。その後に、加工率10〜20%で最終冷間圧延を施し、その後150〜250℃で0.5時間のひずみ取り熱処理を施し、厚さ0.2mmの板材を得た。また、比較例8、9は鋳造の冷却速度の条件を変化させたときの効果を調査した例である。比較例8は鋳造の冷却速度を120℃/秒で、比較例9は鋳造の冷却速度を0.5℃/秒で、それぞれ実施した以外は、上述の参考例と同様に行った。
このようにして得られた各々の板材を供試材として下記の特性調査を行い、その結果を表に示した。なお、評価項目の測定方法は以下の通りである。
a.機械的性質(引張強さ;TS)
供試材を圧延方向と平行に切り出したJIS−13B号試験片をJIS−Z2241に準じて3本測定し、その平均値(MPa)で示した。
b.曲げ加工性
供試材(板材)を幅10mm、長さ25mmに切出し、曲げ半径R=0で曲げ角度90°のW曲げし、曲げ部における割れの有無を観察した。この観察は、倍率50倍の光学顕微鏡による目視観察より行い、その曲げ加工部位の割れの有無を調査した。試験片採取方向はG.W.(Good Way:曲げの軸が圧延方向に直角)、B.W(Bad Way:曲げの軸が圧延方向に平行)とし、割れが無かったものを「○(良)」、割れがあったものを「×(劣)」で示した。
c.平均結晶粒径
供試材(板材)の厚さ方向に平行でかつ最終冷間圧延方向(最終塑性加工方向)と平行な断面において、最終冷間圧延方向と平行な方向と直角な方向の2方向で結晶粒径を測定した。そして、測定値の大きい方を長径、小さい方を短径とし、それぞれの長径と短径の4値の平均値を示した。測定はJIS−H0501の切断法に準じ、供試材の断面を鏡面研磨した後にエッチングを行い、走査型電子顕微鏡(SEM)で1000倍に拡大して写真撮影した。この写真上に200mmの線分を引き、前記線分で切られる結晶粒数nを数え、(200mm/(n×1000))の式から平均結晶粒径を求めた。前記線分で切られる結晶粒数が20に満たない場合は、500倍の写真に取り長さ200mmの線分で切られる結晶粒数nを数え、(200mm/(n×500))の式から求めた。
d.第2相化合物(化合物Xおよび化合物Y)の大きさと密度
供試材を直径3mmに打ち抜き、ツインジェット研磨法を用いて、板表層から板厚の40〜60%の領域が薄膜になるように研磨を行った後、加速電圧300kVの透過型電子顕微鏡で1000〜100000倍の写真を任意で3ヶ所撮影して、その写真上で化合物の粒子径と密度を測定した。粒子径は、化合物Xの粒子径の範囲と、化合物Yの粒子径の範囲について、それぞれの平均値を0.005mmの整数倍で表中に示した。化合物の粒子径と密度を測定するとき、n=10(nは観察の視野数)で、その個数を測定することで、個数の局所的な偏りを排除するように測定した。その個数を単位面積当たりの個数(個/mm)へ演算した。
e.プレス打ち抜き加工性
金型を研磨した後に、各サンプルで、四角形で大きさ3mm×5mmの打ち抜き形状で、1分間あたり500回の連続プレス加工を実施し、金型が磨耗して材料のプレス破面に10μmを越えるバリが発生した段階でプレス加工を中止し、それまでのショット数を測定した。この測定を3回行い、ショット数の最小値が300万回以上のものを打ち抜き性が特に優れているとして表中に「◎」で示し、ショット数の最小値が200万回以上のものを打ち抜き性が良好であるとして表中に「○」で示し、ショット数の平均値が200万回以上で打ち抜き性は良好であるがショット数の最小値が200万回未満となったものがあってばらつきがあるものを表中に「△」で示し、ショット数の平均値が200万回未満のものを打ち抜き性が劣っているものとして表中に「×」で示した。この評価結果を以下の表中には「打ち抜き性(1)」として示した。
参考例1〜1、比較例1〜12の結果を表1に示す。
Figure 0004875772
表1に示すように参考例1〜15は強度(引張強度)、曲げ加工性、打ち抜き加工性に優れた特性を示している。
比較例1はSnが3.0質量%未満のため結晶粒径が大きく、強度(引張強度)が低い。比較例2はCuにSn、Pのみ添加したいわゆるリン青銅であるが、化合物(XおよびY)が存在しないため強度(引張強度)、曲げ加工性、打ち抜き加工性が悪い。比較例3はFe、Niの合計量が上限以上であり、化合物Yの数が多過ぎるため曲げ加工性が悪い。比較例4、5はFeおよびNiの含有量が上限以上であり、化合物Yの数が多すぎるため曲げ加工性が悪い。比較例6はFe、Niの合計量が下限値以下のため、結晶粒径が大きく、化合物XとYがいずれも少なすぎて、曲げ加工性、打ち抜き加工性が悪い。比較例7はSnの含有量が上限値以上のため曲げ加工性が悪い。比較例8は鋳造の冷却速度が速すぎたため化合物(晶出物)が少なく、化合物Yの密度が下限値以下のため打ち抜き加工性が悪い。比較例9は鋳造の冷却速度が遅すぎたため化合物Xの生成量が少なくて、5μmより大きい粗大な化合物(晶出物)が生成するため曲げ加工性が悪い。比較例10は、Pの含有量が多すぎたために冷間圧延中に割れが生じ製造を中止した。比較例11は、Pの含有量が少なすぎたために、化合物XとYの生成量が少なく、粒径が大きくて粗大な粒子であって、曲げ加工性に劣り、また打ち抜き加工性が劣った。比較例12は、熱処理dを300℃未満で行った例であるが、再結晶が不十分で結晶粒径が小さ過ぎ、曲げ加工性が劣った。
次に、参考例4の変形例として、化合物Yの板厚方向の存在密度として、{(板表層から板厚10%以内の領域での化合物Yの密度)/(板表層から板厚40〜60%の領域での化合物Yの密度)}で表わされる比を変化させたときの効果を調査した結果(参考例4−2〜4−3(比較例4−c1))を表2に示す。前記の比は、前記面削量を変えることで調整した。すなわち、前記参考例4では表裏両面をそれぞれ3mmずつ面削したのに対して、参考例4−2では2mm、参考例4−3では1mm、比較例4−c1では0.5mmとこの片面の面削量を変えた以外は参考例4と同様にしてそれぞれ板材を得た。
Figure 0004875772
表2に示すように、参考例4−2は片面の面削量が2mmであった場合であるが、特に優れた打ち抜き加工性を示している。参考例4−3は片面の面削量1mmであった場合であるが、良好な打ち抜き特性を示している。参考例4−4は片面の面削量0.5mmであった場合であるが、板表層側での化合物Yの密度が高いため、本発明例4−2および本発明例4−3と比較して、ばらつきが見られたものの打ち抜き加工性はなお良好であった。
次に、参考例4の変形例として、熱処理(b、d)、冷間圧延(b、d)の影響を調べた結果(参考例4−5〜4−7)を表3に示す。参考例4−5では熱処理bと冷間圧延bを省略し、参考例4−6では熱処理dと冷間圧延dを省略し、参考例4−7では熱処理b、熱処理d、冷間圧延bおよび冷間圧延dを省略した以外は、それぞれ参考例4と同様の操作を行って板材を得た。
Figure 0004875772
表3に示すように、参考例4−5〜4−7はいずれも良好な特性を示している。これに対して、参考例4のように熱処理b、熱処理d、冷間圧延bおよび冷間圧延dをすべて行ない、熱処理と焼鈍との組合せを合計4回繰り返して行うことが特に好ましいことが分かる。
次に、参考例1〜4において、均質化熱処理の条件を変えた以外は同様に行なった試験結果を表4に示す。本発明例1A〜1N、本発明例2A〜2N、本発明例3A〜3N、本発明例4A〜4Nは、それぞれ参考例1〜4と同一の鋳塊を用いて、均質化熱処理条件を変化させた以外は、参考例1〜4と同一の工程で板材を得た。
なお、表4に示すプレス打ち抜き加工性の評価結果は、表1〜表3と同様の条件で評価し、ショット数の評価基準を変更した。ここでは、ショット数の最小値が500万回以上のものを打ち抜き性が特に優れているとして表中に「◎」で示し、ショット数の最小値が300万回以上500万回未満のものを打ち抜き性が良好であるとして表中に「○」で示し、ショット数の平均値が300万回以上で打ち抜き性は良好であるがショット数の最小値が300万回未満となったものがあってばらつきがあるものを表中に「△」で示し、ショット数の平均値が300万回未満のものを打ち抜き性が劣っているものとして表中に「×」で示した。この評価結果を以下の表中には「打ち抜き性(2)」として示した。
Figure 0004875772
Figure 0004875772
表4に示すように、本発明例1A〜1Jは参考例1と比べて、本発明例2A〜2Jは参考例2と比べて、本発明例3A〜3Jは参考例3と比べて、本発明例4A〜4Jは参考例4と比べて、いずれも化合物Yの密度が増加しており、プレスの打ち抜きのショット数のバラつきが小さく、特に打ち抜き加工性に優れるものとなった。なお、参考例1L〜1Nは参考例1と比べて、参考例2L〜2Nは参考例2と比べて、参考例3L〜3Nは参考例3と比べて、参考例4L〜4Nは参考例4と比べて、いずれも化合物Yの密度が減少していたため、参考例1〜4の方が打ち抜き加工性に優れる結果を示した。
次に、均質化熱処理条件およびを本発明の好ましい範囲で種々変化させて試験した本発明例19〜56を、表5に示す。なお、表5に示すプレス打ち抜き加工性の評価結果は、表4と同様の条件で評価した。
Figure 0004875772
Figure 0004875772
表5に示すように、本発明例19〜56は、プレスの打ち抜きのショット数のバラつきが小さく、特に打ち抜き加工性に優れるものとなった。
次に、上記本発明例1の別の比較例13〜19とその結果を表6に示す。
Figure 0004875772
表6に示した比較例13〜14は、均質化熱処理を温度700℃で1時間施した例である。このような条件下での均質化処理では、化合物Yが十分に生成せず、結果として打ち抜き加工性が劣った。また、比較例15〜19は、均質化処理を800℃1時間で行なった例である。このような温度条件での均質化処理では、化合物Yが十分に生成せず(化合物Yとして存在せずに化合物Xやそれより小さい化合物が増える)ので化合物Yの密度(分布)が低下したために、打ち抜き加工性に劣った。これらの比較例13〜14と比較例15〜19では、化合物Yの密度が低すぎたために、打ち抜きパンチと接してクラックの起点となる化合物Yの密度が低下し、打ち抜き加工性が悪化したものと考えられる。
本発明をその実施態様とともに説明したが、我々は特に指定しない限り我々の発明を説明のどの細部においても限定しようとするものではなく、添付の請求の範囲に示した発明の精神と範囲に反することなく幅広く解釈されるべきであると考える。
本願は、2008年12月19日に日本国で特許出願された特願2008−324792に基づく優先権を主張するものであり、これはここに参照してその内容を本明細書の記載の一部として取り込む。

Claims (6)

  1. Snを3.0〜13.0質量%、Fe及びNiのどちらか一方または両方の合計で0.01〜2.0質量%、並びにPを0.01〜1.0質量%含有し、残部がCuおよび不可避不純物からなる銅合金よりなる電気電子部品用銅合金板材の製造方法であって、
    鋳造時の冷却速度が1℃/秒より速く100℃/秒より遅い条件下で作製された鋳塊を下記条件で均質化処理し、表面を1mm以上面削する工程を施した後、下記の工程を順次行うことを特徴とする銅合金板材の製造方法。
    ・40〜70%の加工率での冷間圧延a
    ・不活性ガス雰囲気中で550〜750℃において1〜10時間の熱処理a
    ・40〜80%の加工率で冷間圧延b
    ・不活性ガス雰囲気中で350〜550℃において1〜10時間の熱処理b
    ・40〜80%の加工率での冷間圧延c
    ・300〜550℃で10〜120秒の熱処理c
    ・40〜70%の加工率で冷間圧延d
    ・300〜550℃で5〜200秒の熱処理d
    (前記均質化処理の条件は、均質化温度(℃)と処理時間(hr)とで表示される添付第1図のグラフにおいて、(780℃、0.7時間)、(780℃、4時間)、(600℃、10時間)、(600℃、2.5時間)の4点を結ぶ直線で囲まれる台形領域内の温度・時間の条件で均質化熱処理を施すものである。)
  2. 前記熱処理bを経て結晶粒が5〜20μmの平均結晶粒径からなる組織を得る請求項1に記載の製造方法。
  3. 前記熱処理dを経て結晶粒が1〜5μmの平均結晶粒径からなる組織を得る請求項1又は2に記載の製造方法。
  4. 前記銅合金が、さらに、Co、Cr、及びMnの1種または2種以上を合計で0.01〜1.0質量%含有することを特徴とする請求項1〜3のいずれか1項に記載の製造方法。
  5. 請求項1〜のいずれか1項に記載の製造方法で製造された電気電子部品用銅合金板材であって、
    Snを3.0〜13.0質量%、Fe及びNiのどちらか一方または両方の合計で0.01〜2.0質量%、並びにPを0.01〜1.0質量%含有し、残部がCuおよび不可避不純物からなる銅合金よりなり、
    結晶粒の平均直径が1.0〜5.0μmであり、
    平均直径が50nm以上200nm以下の化合物Xが密度10〜10個/mmで分布し、
    平均直径が0.5μmより大きく3.0μm以下の化合物Yが密度10〜10個/mmで分布し、
    前記化合物Yについて、{(板表層から板厚10%領域の化合物Yの密度)/(板厚表層から板厚40〜60%領域の化合物Yの密度)}が0.8〜1.0の範囲であり、
    引張強度が600MPa以上であることを特徴とする電気電子部品用銅合金板材。
  6. さらに、Co、Cr、及びMnの1種または2種以上を合計で0.01〜1.0質量%含有することを特徴とする請求項に記載の電気電子部品用銅合金板材。
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