JP5208555B2 - 電子部品用チタン銅 - Google Patents

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本発明は、電子部品用のチタン銅に関し、特にコネクター用のチタン銅に関する。
近年では携帯端末などに代表される電子機器の小型化が益々進み、従ってそれに使用されるコネクターは狭ピッチ化及び低背化の傾向が著しい。小型のコネクターほどピン幅が狭く、小さく折り畳んだ加工形状となるため、使用する素材には、必要なバネ性を得るための高い強度と、過酷な曲げ加工に耐え得る優れた曲げ加工性が求められる。
この点、チタンを含有する銅合金(以下、「チタン銅」と称する。)は、比較的強度が高く、応力緩和特性にあっては銅合金中最も優れているため、特に素材強度が要求される信号系端子用素材として、古くから使用されてきた。チタン銅は時効硬化型の銅合金である。具体的には、溶体化処理によって溶質原子であるTiの過飽和固溶体を形成させ、その状態から低温で比較的長時間の熱処理を施すと、母相中にTi濃度の周期的変動である変調構造が発達し、強度が向上する。かかる強化機構を基本としてチタン銅の更なる特性向上を目指して種々の手法が研究されている。
チタン銅の強度及び曲げ加工性の向上に関して、結晶粒を微細化させることが有効であることが知られており、これに関する特許文献がいくつか存在する。例えば、PbやZn等の第3元素を微量添加して析出させた第二相粒子の組成に着目した技術(特開2004−176163号公報)、結晶粒のばらつきに着目した技術(特許第3942505号公報)、結晶粒界に存在する第二相粒子の面積率に着目した技術(特開2005−97639号公報)、結晶粒内に存在する第二相粒子の存在密度に着目した技術(特開2005−97638号公報)などが公開されている。
特開2004−176163号公報 特許第3942505号公報 特開2005−97639号公報 特開2005−97638号公報
従来の曲げ加工性の評価方法というのは、曲げたときに亀裂が生じるかどうかであった。コネクターの曲げ部は嵌合時に応力が集中する箇所であり、この部分に亀裂が生じていると、設計通りの接圧が得られず、継電上の信頼性が損なわれるからである。
ところが、今後は亀裂が生じる前段階である肌荒れの有無すら評価対象になると考えられる。肌荒れが生じると、板厚が不均一になるので、細いピンほど接圧に影響するようになる。つまり、軽薄短小化が著しい携帯電話などの電子機器に使用されるコネクターにおいては、板厚が0.1mm以下、ピン幅が0.2mm以下のコネクタピンが主流になりつつあり、このような小型コネクターを製造する上では肌荒れについても無視できない。
更に、省スペース化の都合上、曲げ部が接点部となる場合がある。接点部は、接触抵抗を下げるためと耐食性の観点から金メッキが施される場合が多い。金メッキ厚は従来0.1〜0.2μm程度が一般的であったが、金は高価な金属であるため、年々薄くなる傾向にある。金メッキした部分を曲げたときに肌荒れが生じると、凹部が新生面であるので、金メッキ面に段差が生じ、素地がむき出しになるので、耐食性が劣化する。
よって、小型コネクター用の素材に要求される曲げ性としては、単に亀裂が生じないだけでなく、肌荒れも生じにくいということが重要となってきた。
銅合金の曲げ加工において、曲げ部の肌荒れを少なくするには、結晶粒の微細化が有効であることが分かっている。そこで、背景技術の欄に記載した先行技術を用いれば限度はあるにせよ結晶粒を微細化していくことは可能であると考えられる。しかしながら、これまではチタン銅の材料全体にわたって均一に結晶粒を微細化させることを狙ったものであった。しかしながら、材料全体の結晶粒を微細化するために溶体化処理時の加熱温度を低くする必要があるが、粗大な第二相粒子(安定相)が生成しやすい。粗大な析出物は材料の機械的特性に悪影響を与えるため、好ましいものではない。
そこで、本発明の課題は、材料全体にわたって結晶粒を微細化することなく、曲げ部の肌荒れを抑制することのできるチタン銅を提供することである。
本発明者は上記課題を解決すべく鋭意研究したところ、表面近傍だけでも結晶粒が微細化できれば、曲げたときの肌荒れが生じにくい傾向にあることが判明した。つまり素材全体の結晶粒が微細化されていなくても、曲げ加工したときの塑性流動の大きい表面部さえしっかり微細化していれば、肌荒れの発生が防げるのである。そしてそのような組織形態は、チタン銅の場合、窒素を含有した還元性の雰囲気で溶体化処理を行うことにより実現できることを見出した。更に、このような処理をしたチタン銅は、プレス加工において工具磨耗が生じにくいこともわかった。
以上の知見に基づいて完成された本発明は、一側面において、Tiを2〜4質量%含有し、第3元素群としてMn、Fe、Co、Ni、Cr、V、Nb、Mo、Zr、Si、B及びPよりなる群から選択される1種又は2種以上を合計で0.05〜0.5質量%含有し、残部銅及び不可避的不純物からなる電子部品用銅合金であって、該銅合金の圧延面における結晶の平均長径(a)は、圧延面から10μm以上内部にある結晶の平均長径(b)とa/b<1の関係が成立する電子部品用銅合金である。
本発明に係る電子部品用銅合金の一実施形態においては、表面が窒化されている。
本発明に係る電子部品用銅合金の別の一実施形態においては、圧延面から10μm以上内部にある結晶の平均結晶粒径は、圧延方向に平行な厚み方向の断面から観察したときに、円相当径で表して2〜10μmである。
本発明に係る電子部品用銅合金の更に別の一実施形態においては、圧延面の平均結晶粒径は、圧延面から観察したときに、円相当径で表して1〜5μmである。
本発明に係る電子部品用銅合金の更に別の一実施形態においては、0.4≦a/b≦0.8の関係が成立する。
本発明に係る電子部品用銅合金の更に別の一実施形態においては、圧延面の母相中のN濃度は最大値が10〜36ppmである。
本発明は別の一側面において、上記銅合金を備えた伸銅品である。
本発明はまた別の一側面において、上記銅合金を備えた電子部品である。
本発明はまた別の一側面において、上記銅合金を備えたコネクターである。
以上説明したように、本発明によれば、チタン銅において、材料全体にわたって結晶粒を微細化することなく、曲げ部の肌荒れを抑制することが可能となる。
Ti含有量
Tiが2質量%未満ではチタン銅本来の変調構造の形成による強化機構を充分に得ることができないことから十分な強度が得られず、逆に4質量%を超えると粗大なTiCu3が析出し易くなり、強度及び曲げ加工性が劣化する傾向にある。従って、本発明に係る銅合金中のTiの含有量は2〜4質量%であり、好ましくは2.7〜3.5質量%である。このようにTiの含有量を適正化することで、電子部品用に適した強度及び曲げ加工性を共に実現することができる。
第3元素
第3元素は結晶粒の微細化に寄与する。本発明では、特に表層の結晶粒の微細化を特徴としているが、電子部品として使用可能な基本的特性を得るには、内部組織も一定程度は微細化されていることが望ましい。そこで、所定の第3元素を添加することとした。
第3元素の添加効果は、Tiが十分に固溶する高い温度で溶体化処理をしても結晶粒が容易に微細化することである。また、第3元素が第二相粒子として析出することにより母相中に固溶している該元素の含有量は無視できるほど微量となるため、母相中に形成されるチタンの濃度波の波長や振幅に乱れが生ずることはなくなる。更に、TiCu3の析出を抑制する効果もある。そのため、チタン銅本来の時効硬化能が得られるようになる。
チタン銅において上記効果が最も高いのがFeである。そして、Mn、Co、Ni、Si、Cr、V、Nb、Mo、Zr、B及びPにおいてもFeに準じた効果が期待でき、単独の添加でも効果が見られるが、2種以上を複合添加してもよい。
これらの元素は、合計で0.05質量%以上含有するとその効果が現れだすが、合計で0.5質量%を超えるとTiの固溶限を狭くして粗大な第二相粒子を析出し易くなり、強度は若干向上するが曲げ加工性が劣化する。同時に、粗大な第二相粒子は、曲げ部の肌荒れを助長し、プレス加工での金型磨耗を促進させる。従って、本発明に係るチタン銅では、第3元素群としてMn、Fe、Co、Ni、Cr、V、Nb、Mo、Zr、Si、B及びPよりなる群から選択される1種又は2種以上を合計で0.05〜0.5質量%含有する。
これら第3元素のより好ましい範囲は、Feにおいて0.17〜0.23質量%であり、Co、Ni、Cr、Si、V、Nb、Mn、Moにおいて0.15〜0.25質量%、Zr、B、Pにおいて0.05〜0.1質量%である。
表面の窒化層
純銅中に窒素は固溶しにくいが、チタン銅の場合、窒素と親和性の高いTiが主成分として含有されているので、還元性の窒素雰囲気中、例えば窒素と水素の混合ガス雰囲気中で加熱すれば、容易に窒化する。そして、窒化により表面に微細な窒化物が形成されるので、これが再結晶後の粒の粗大化を著しく阻害する。そのため、溶体化処理をこのような還元性の窒素雰囲気中で行えば、素材表面の結晶粒を素材内部の結晶粒よりも微細化することができる。従って、本発明に係るチタン銅においては、圧延面における結晶の平均長径をaとし、圧延面から10μm以上内部にある結晶の平均長径をbとすると、a/b<1の関係が成立する。圧延面から10μm以上内部にある結晶との差を評価することとしたのは、圧延面から10μm以上離れていれば窒化による結晶粒微細化の影響がほとんど及ばないからである。
長径とは圧延方向の粒径のことであり、aは材料を圧延面から観察することによって、bは材料を圧延方向に平行な厚み方向の断面から観察することによって、計測することができる(図1参照)。窒化の度合いは基本的には溶体化処理時の雰囲気中の窒素分圧の上昇と共に高くすることが可能であり、これに応じてa/bも低くしていくことが可能である。ただし、Tiの窒化物は安定であり、一度形成されると、銅中に固溶しないので、変調構造の形成には寄与しないことから過度の窒化は避けた方がよい。また、表面の結晶粒径と内部組織の結晶粒径との差異が大き過ぎると、曲げ加工を行ったときに、その境界面のところに応力集中部が発生し、場合によっては曲げクラックが生じるので好ましくない。この点を考慮すると、a/bは0.4〜0.8とするのが好ましく、0.5〜0.7とするのがより好ましい。
窒化の程度は素材表面に検出されるN濃度からも捉えることができる。窒化による結晶粒径微細化の効果は、電界放出型オージェ電子分光分析装置(FE−AES)で、素材表面から深さ方向にN濃度分布を調査したときに、N濃度の最大値が1質量ppm以上となると徐々に表れ、10質量ppm以上であると顕著に表れる。ただし、過度の窒化を避ける観点からは、N濃度の最大値は高すぎないほうがよい。このような観点から、本発明において「表面が窒化されている」とは素材表面に検出されるNの最大濃度が1質量ppm以上である場合をいう。そして、素材表面に検出されるNの最大濃度は10〜200質量ppmとするのが好ましく、20〜100質量ppmとするのがより好ましい。なお、N濃度の最大値が表れるのは、一般に圧延面から2〜10nm程度内部である。
表面の結晶粒径
曲げ加工を行ったとき、曲げ表面に肌荒れを生じさせているのは、表面近傍の塑性変形の不均一さである。過酷な曲げ加工ほど、個々の結晶粒ごとに変形の方向に差が生じるので、肌荒れは顕著に生じる。しかし、表面近傍の組織を細かくすれば、変形の不連続点となる粒界が増えるので、肌荒れは目立たなくなる。よって、表面の結晶粒は小さいほど好ましい。具体的には、圧延面から観察したときに、表面の結晶粒径の平均値が円相当径で表して5μmより小さくなれば、現在実用化されているコネクターの曲げ加工を行う上においては、問題が生じないレベルとなる。尚、近い将来、更に過酷な曲げ加工が要求される可能性があるので、それに対応するためには、3μm以下であることが好ましい。そして安全上更に望ましいレベルは、2μm以下である。ただし、後述するように内部組織の平均結晶粒径は2μm程度までの微細化が限度であるので、表面を窒化することによって更に結晶粒を小さくしたとしても1μm未満とするのは実際上困難である。従って、本発明が想定している典型的な表面の結晶粒の平均値は1〜5μmである。
内部の結晶粒径
曲げ性のみを考慮するなら、表面の結晶粒のみ微細化できれば問題はないが、強度を高くするには、素材全体の結晶粒を細かくする必要がある。換言すれば、結晶粒が微細化するほど、強度と曲げ性を良好にする。しかし、チタン銅の溶体化処理において、微量添加元素と溶体化処理条件の最適化を行ったとしても、安定相の成長を抑制した上で、結晶粒径を5μm以下に制御することは、現実的に困難である。その理由は、結晶粒を微細化させているのは、再結晶と同時に起こる安定相の微細析出であり、結晶粒を5μm以下に制御しようとすれば、この相の析出を更に多量にさせなければならない。この時点での安定相の多量析出は、強度と曲げ性において、逆効果となる。この逆効果の方が大きくなると、結晶粒を微細化しても意味がなくなる。安定相の多量析出による弊害が大きくなるのは結晶粒径が2μm未満のときである。この場合、結晶粒微細化による強度向上及び曲げ性向上の効果よりも、安定相析出による逆効果の方が大きくなり、意味が無くなる。また、平均結晶粒径を2μm未満にすると、応力緩和特性の低下が現れだす。
従って、本発明に係る銅合金の一実施形態においては、圧延面から10μm以上内部にある結晶粒の平均結晶粒径は、圧延方向に平行な厚み方向の断面から観察したときに、円相当径で表して2〜10μmであり、好ましくは3〜8μmであり、より好ましくは5〜7μmである。
本発明に係る銅合金の特性
本発明に係る銅合金は、優れた強度及び曲げ加工性を有することができる。例えば、0.2%耐力が850MPa以上、好ましくは900MPa以上を有することができ、W曲げ試験を行って割れの発生しない最小半径(MBR)の板厚(t)に対する比であるMBR/t値は2.0以下、好ましくは1.5以下、より好ましくは1.0以下とすることができる。
また、本発明に係る銅合金の大きな特徴は、曲げ加工をしたときに曲げ部外周部にクラックが発生しにくいばかりではなく、曲げ部に肌荒れが生じにくいということである。先述したように、コネクターの小型化が進むほど、曲げ部の肌荒れの問題が顕在化するので、このような分野に使用される素材は、肌荒れの小さな曲げ性が重要なのである。
曲げたときの曲げ部表面の肌荒れ状況については、光学顕微鏡または、SEMにより観察できるが、定量的な評価を行うには、共焦点レーザー顕微鏡を用いることが有効である。共焦点レーザー顕微鏡では、光学的に焦点距離が異なる凹凸面であっても、ボケのない高解像度のイメージが得られ、三次元情報の再構築が可能なため、コンピュータ上で画像処理をすることにより、表面粗さの解析をすることができる。曲げ部表面は平面ではないので、ここで行う画像処理は、走査して得られた粗さ曲線を中心線が直線になるように加工する操作を行い、そのうえでRa、Rzなどの各評価値を計算する。理解を容易にするため、肌荒れの大きい状態及び肌荒れの小さい状態を示す曲げ部断面の模式図を図2及び図3に示した。
そして、本発明に係る銅合金条は、JIS H 3130規定の90°W曲げ試験をBadway,R/t=1の条件で行ったとき、上述の共焦点レーザー顕微鏡を用いて、曲げ部表面の表面粗さを測定したとき、JIS B 0601規定のRa及びRzにおいて、Ra≦0.20μm、Rz≦1.00μmとすることができる。
更に、本発明に係る銅合金のもう一つの大きな特徴は、プレス打ち抜き性が良好であるという点である。具体的には、本発明品を素材として、連続プレス機によりコネクターを加工する場合、プレス金型が磨耗しにくく、研磨してから次に研磨するまでの金型寿命が長いということである。チタン銅をプレス加工する際に生じる金型摩耗の原因の一つは金型材料中に存在するC成分がTiと反応して硬くて脆いチタンカーバイド(TiC)を生成するとともに、工具表面を形成していた炭化物のCが奪われ、少しずつ崩れて磨耗していくことにある。
ところが、チタン銅の表面が窒化されていると、窒化物(TiN)は比較的高温でも熱分解することなく安定であることから、表面にTiNとして存在するものは、工具と高温高圧で接触してもCと反応しにくい。よって、表面が窒化されている本発明に係るチタン銅は金型摩耗が進行しにくくなるのである。
更に、窒素は固体潤滑の効果があり、プレス加工中、剪断面が形成される領域とパンチ側面との摩擦を低減させる。
本発明に係る銅合金は種々の板厚の伸銅品に加工することができ、以上説明してきたように、プレス加工によって加工される各種の電子部品の素材として有用である。本発明に係る銅合金は特に高い寸法精度が要求される小型のばね材として優れており、限定的ではないが、スイッチ、コネクター、ジャック、端子、リレー等の材料として好適に使用することができる。
本発明に係る銅合金の製造方法
本発明に係る銅合金は、例えば特開2004−176163号公報、特開2005−97639号公報、特開2005−97638号公報に記載されているような公知のチタン銅の製造工程に、表面窒化工程を組み合わせることで製造可能であるが、電子部品用のチタン銅に要求される強度、導電率、曲げ性といった特性を得る上で好適な製造例を工程毎に順次説明する。
1)インゴット製造工程
溶解及び鋳造によるインゴットの製造は、基本的に真空中又は不活性ガス雰囲気中で行う。溶解において添加元素の溶け残りがあると、強度の向上に対して有効に作用しない。よって、溶け残りをなくすため、FeやCr等の高融点の添加元素は、添加してから十分に攪拌したうで、一定時間保持する必要がある。一方、TiはCu中に比較的溶け易いので第3元素群の溶解後に添加すればよい。従って、溶製に関しては、適当量のCuに第3元素群としてMn、Fe、Co、Ni、Cr、V、Nb、Mo、Zr、Si、B及びPの中から1種以上を合計で0.05〜0.50質量%添加し、十分保持した後にTiを2〜4質量%添加する。
2)均質化焼鈍及び熱間圧延
ここでは凝固偏析や鋳造中に発生した晶出物をできるだけ無くすことが望ましい。後の溶体化処理において、第二相粒子の析出を微細かつ均一に分散させる為であり、混粒の防止にも効果があるからである。
インゴット製造工程後には、900〜960℃、例えば950℃で3〜5時間の均質化焼鈍を行った後に、熱間圧延を実施する。チタン銅は900℃以上では拡散速度及び塑性流動性が高く、Ti濃度の違いによる変形抵抗に差異が生じないので、偏析層が分断されて均質化が助長される。また、偏析部ではチタンが濃化して低融点となっているため、960℃を超える加熱をすると、液相が出現して、そのまま熱間圧延をするとその部分で割れるという液体金属脆性が生じてしまう。そこで、熱間圧延の加熱温度について、熱延前及び熱延中は960℃以下とし、且つ、元厚から全体の加工度が90%までのパスは900℃以上とする。そして、パス毎に適度な再結晶を起こしてTiの偏析を効果的に低減するために、板厚が50mmまでは、パスごとの圧下量を10mm以上とし、板厚が50mm以下からは、1パス当たりの加工度が20%以上となるようなパススケジュールで行う。1パスあたりの圧下量は10〜15mmとする。
3)第一溶体化処理
その後、冷延と焼鈍を適宜繰り返してから溶体化処理を行う。ここで予め溶体化を行っておく理由は、最終の溶体化処理での負担を軽減させるためである。すなわち、最終の溶体化処理では、第二相粒子を固溶させるための熱処理ではなく、既に溶体化されてあるのだから、その状態を維持しつつ再結晶のみ起こさせればよいので、軽めの熱処理で済む。したがって、最終の溶体化処理では、再結晶粒の粗大化が抑制でき、均質な微細粒が得られるのである。途中の焼鈍でも温度が低いと第二相粒子が形成されるので、この第二相粒子が完全に固溶する温度で行う。但し、不必要に高温で行うと、固溶していた第3元素群が、表面から進入して拡散してきた酸素によって、表層部より内部酸化してしまうので好ましくない。そこで、第一溶体化処理は加熱温度を850〜900℃とし、3〜10分間行えばよい。そのときの昇温速度及び冷却速度においても極力速くし、第二相粒子が析出しないようにする。それは、第二相粒子が完全に固溶した状態から後の最終の溶体化処理を行った方が、微細で均質な組織が得られるからである。
4)中間圧延
最終の溶体化処理前の中間圧延における加工度を高くするほど、最終の溶体化処理における第二相粒子が均一かつ微細に析出する。それは、集積した加工ひずみが再結晶の核生成サイトとなるので、加工度を高くしてひずみをためた方が、多数の再結晶核が生成するため、結晶粒が微細化するのである。但し、加工度をあまり高くして最終の溶体化処理を行うと、再結晶集合組織が発達して、塑性異方性が生じ、プレス整形性を害することがある。従って、中間圧延の加工度は好ましくは70〜99%ある。加工度は{(圧延前の厚み−圧延後の厚み)/圧延前の厚み)×100%}で定義される。
5)最終の溶体化処理
最終の溶体化処理は、本発明において最もポイントとなる工程である。まず、雰囲気ガスは窒素を含んだ還元性ガスとする。具体的には、アンモニア分解ガス(25%N2+75%H2)が工業的に利用しやすいという理由で使用される。チタン銅をこのような雰囲気で加熱すると、再結晶する前の昇温中の段階から窒化が進行し、表面近傍に非常に微細なチタンの窒化物(TiN)を形成する。そして、再結晶が生じる温度に達しても、窒化物が再結晶粒の成長の抵抗となり、結果として、表面の結晶粒が特に微細化した組織が得られるのである。このような溶体化処理は、工業的には、雰囲気制御が可能な連続光輝焼鈍炉で行うことができる。
大気中にも多量の窒素を含んでいるが、大気中で溶体化処理を行うと表面酸化の方が強く進行し、安定な酸化皮膜に遮断されて、窒化が全く進行しない。純窒素雰囲気で行っても、非常に僅かな残留酸素により、酸化皮膜が形成されるので、窒化はほとんど期待できない。酸化を防ぐには、やはり、水素を含んだ還元性の雰囲気とする必要がある。
加熱温度は析出物が完全に固溶する温度とすることが望ましいが、完全に無くすまで高温に加熱すると、結晶粒が粗大化するので、加熱温度は第二相粒子組成の固溶限付近の温度とする(Tiの添加量が2〜4質量%の範囲でTiの固溶限が添加量と等しくなる温度は730〜840℃であり、例えばTiの添加量が3質量%では800℃程度)。そしてこの温度まで急速に加熱し、冷却速度も速くすれば粗大な第二相粒子の発生が抑制される。また、固溶温度での加熱時間は短い程、結晶粒が微細化する。加熱時間は例示的には30〜60秒である。この時点で発生した第二相粒子は微細かつ均一に分散していれば、強度と曲げ加工性に対してほとんど無害である。しかし粗大なものは最終の時効で更に成長する傾向にあるので、有害である。
加熱後は急冷することが望ましいので、冷却速度の高い冷却設備を有することが重要である。チタン銅の溶体化は水冷するのが一般的であるが、充分な冷却速度が得られるのであれば、水冷である必要はない。ここで充分な冷却速度とは、降温中に析出が生じる隙を与えないない速度という意味で、50℃/s以上であればよい。
冷却速度は、冷媒の熱伝達、および素材と冷媒との界面の熱伝達、更に素材の単位面積当たりの熱容量に依存する。本発明品は、より小型化されるコネクター用の素材をターゲットとしており、板厚が薄いアイテム、すなわち単位面積当たりの熱容量が小さい場合が多い。したがって、冷媒ガスを吹き付けるジェットクーラント方式でも、流量と圧力を調整すれば充分な冷却速度が得られる。しかし、板厚が薄い場合であっても、操業安定性の観点から最も好ましいのは水冷である。
6)最終の冷延加工度・最終の時効処理
上記溶体化処理工程後、最終の冷間圧延及び時効処理を行う。最終の冷間加工によってチタン銅の強度を高めることができる。この際、加工度が10%未満では充分な効果が得られないので加工度を10%以上とするのが好ましい。但し、加工度が高いほど次の時効処理で粒界析出が起こり易いので、加工度を50%以下、より好ましくは25%以下とする。時効処理については、低温ほど粒界への析出を抑制することができる。同じ強度が得られる条件であっても、高温短時間側より低温長時間側の方が、粒界析出を抑制できるのである。従来技術において適正範囲とされていた420〜450℃では、時効が進むにつれて強度は向上するが、粒界析出が生じやすく、僅かな過時効でも安定相であるCuTi3が発生して曲げ加工性を低下させてしまう。従って、添加元素によっても適正な時効条件は異なってくるが、通常は360〜420℃で1〜24時間であり、380〜400℃で12時間〜24時間とするのが好ましい。390〜400℃では12〜18時間とし、380℃〜390℃では18〜24時間とするのがより好ましい。例えば400℃×12h、380℃×24hとすることができる。
次に本発明の実施例を説明するが、本発明はこれらに限定されない。
本発明例の銅合金を製造するに際しては、活性金属であるTiが第2成分として添加されるから、溶製には真空溶解炉を用いた。また、本発明で規定した元素以外の不純物元素の混入による予想外の副作用が生じることを未然に防ぐため、原料は比較的純度の高いものを厳選して使用した。
まず、No.1〜14について、Cuに、Mn、Fe、Co、Ni、Cr、Mo、V、Nb、Zr、Si、B及びPを表1に示す組成でそれぞれ添加した後、同表に示す組成のTiをそれぞれ添加した。添加元素の溶け残りがないよう添加後の保持時間にも十分に配慮した後に、これらをAr雰囲気で鋳型に注入して、それぞれ約2kgのインゴットを製造した。
上記インゴットに対して均質化焼鈍、及びそれに続く熱間圧延を行い、板厚10mmの熱延板を得た。面削による脱スケール後、冷間圧延して素条の板厚(1.5〜2.0mm)とし、素条での第1次溶体化処理を行って、中間の板厚(0.10〜0.50mm)まで冷間圧延した。その後、急速加熱が可能な焼鈍炉に挿入して最終の溶体化処理を行い、酸洗による脱スケール後、冷間圧延して板厚0.075mmとし、不活性ガス雰囲気中で時効して発明例及び比較例の試験片とした。尚、成分組成、均質化焼鈍の条件、熱間圧延条件、素条での第1次溶体化処理条件、最終の溶体化処理条件、最終の冷間圧延加工度、時効条件については、表1〜3に示す通りとした。
Figure 0005208555
Figure 0005208555
Figure 0005208555
内部の結晶粒径
圧延方向に平行な厚み方向の断面を電解研磨し、SEM(倍率:2000)により断面組織を観察し、単位面積当たりの結晶粒の数をカウントした。このとき、観察視野は、表面から10μm以上離れた領域とし、全観察視野面積は、10000μm2(100μm×100μm)以上とした。観察視野の枠の直線部が結晶粒を横切っている場合、その結晶粒については1/2個とカウントし、枠の頂点(四隅)が結晶粒に差し掛かっている場合、その結晶粒については、1/4個とカウントすることとした。そして、複数の箇所をカウントしたときは、全観察視野面積を合計し、それをカウントした結晶粒の合計で除し、結晶粒一個あたりの面積を計算した。その面積より、その面積と同じ面積を有する真円の直径(円相当径)を計算し、これを平均結晶粒径とした。ここで、圧延方向に平行な厚み方向の断面から平均結晶粒径を求めたのは、最終の冷間圧延加工度が如何なるものであっても、最終の溶体化処理にて形成された再結晶組織の各結晶粒の面積が幾何学上保存されるからである。
表面の結晶粒径
素材表面を軽く電解エッチングし、SEM(倍率:2000)により圧延面の組織を観察し、上記と同じ方法で、単位面積当たりの結晶粒の数をカウントし、表面の平均結晶粒径をもとめた。このとき、電解エッチングによる表面の腐食量は、1μm以下とした。
なお、上述したように圧延平行断面の場合、最終の溶体化処理にて形成された各結晶粒の面積はどのような加工度で圧延を行っても理論上同じとなるが、表面の場合は、圧延加工度に比例して、圧延方向に伸ばされるので、各結晶粒の面積はその分増加する。よって、ここで求めた表面の結晶粒径と上述の平均結晶粒径とは単純に比較できないことに留意すべきである。
内部組織と表面組織の粒径比(a/b)
SEMにより得られた圧延方向に平行な厚み方向の組織を(株)ニレコ社のLUZEXを用いて画像処理し、それぞれの粒子の長径(圧延方向の径)の平均値bを求めた。同様にSEMにより観察された圧延面の表面組織を画像処理し、それぞれの粒子の長径(圧延方向の径)の平均値aを求めた。尚このときの観察視野は、平均結晶粒径を求めたときと同様に、10000μm2(100μm×100μm)以上とした。
なお、a/bは内部組織と表面組織の粒径比を考える上では適切な評価方法である。最終の溶体化処理後に行う冷間圧延の加工度が異なっていても、この比は一定であり、この値が1より小さければ、内部組織よりも表面の方が結晶粒径が小さくなっていることを意味するからである。
表面の窒素濃度
電界放出型オージェ電子分光分析装置(FE−AES)(日本電子株式会社製型式JUNP−7800F)で、スパッタレートを10nm/minとして表面より深さ方向にN濃度分布を調査し、その最大値(最大濃化部)を測定した。何れの試験片においても最大値が表れるのは表面のごく近傍で、表面から概ね2〜10nmの深さであった。尚、測定箇所は、母相とし、析出物は避けた。それは、Nは、Tiとの親和性が非常に高いため、Ti濃度の高い析出物の周囲に濃化しやすいので、平均的な値とならないからである。
Figure 0005208555
機械的性質
まず引っ張り試験を行って、JIS Z 2201に準拠して圧延平行方向の0.2%耐力を測定し、JIS H 3130に従って、Badway(曲げ軸が圧延方向と同一方向)のW曲げ試験を行って割れの発生しない最小半径(MBR)の板厚(t)に対する比であるMBR/t値を測定した。
曲げ部の表面粗さ
JIS H 3130に従って、Badway(曲げ軸が圧延方向と同一方向)のW曲げ試験を行い、曲げ部の表面を共焦点レーザー顕微鏡で解析し、JIS B 0601規定のRa及びRzを求めた。
プレス打ち抜き性
プレス打ち抜き性については、実際に連続プレス機で材料を大量に打ち抜き、金型の磨耗状況によって変化する切断部のバリ高さと破断面比率を測定して評価した。ここで、バリ高さとは図4に示す突起部の高さであり、金型が磨耗するにしたがってバリが高くなってくる。また金型が磨耗するにしたがって、図5に示す剪断面の割合が多くなり、即ち破断面比率(板厚−剪断面の板厚方向の長さ)/板厚は小さくなる。潤滑剤がない場合と有る場合の2種類行なった。
なお、他のプレス条件は以下の通りであった。
金型工具材料:SKD11、クリアランス:10μm、ストローク:400spm 図6に評価に用いた金型セット形状を示す。1辺約5mmの正方形で4つの角の曲率が異なっており、それぞれの曲率半径は、0.05mm、0.1mm、0.2mm、0.3mmである。曲率半径が小さい程、剪断加工時に応力集中が生じるので磨耗し易い。しかし、曲率半径が小さい程切断面形状がばらついて観察しにくくなる。また、プレス加工後の孔部と抜き落とし部とでは、抜き落とし側の方が観察し易い。以上を考慮し、今回の評価は抜き落とし側の曲率半径が0.1mmの角を観察した。
潤滑剤無しの場合は、十万回打ちぬいたときに素材間の差異が顕著となり、潤滑剤有りの場合は百万回打ち抜いたときに素材間の差異が顕著となったので、そのときの値を評価値として採用した。潤滑剤としては、銅合金のプレス加工油として通常に用いられている日本工作油(株)製のG6515を使用し、双葉電子工業(株)のトップロールを用いて塗布し、給油量は1cc/minとした。バリ高さは、レーザー変位計で測定し、破断面比率は光学顕微鏡による断面観察を行い、ダレ部と剪断面の長さを測定し、(板厚−剪断面)/板厚を破断面比率として求めた。
Figure 0005208555
No.1(比較)とNo.2(比較)は、最終の溶体化処理を大気中で行ったため、全く窒化せず、プレス打ち抜き性が通常のレベルであった。そのうち、No.1は、このときの加熱温度が高かったため、結晶粒が粗大化し、大きな曲げ部に肌荒れが生じるとともに強度も低かった。No.3(比較)は、最終の溶体化処理を、還元性の雰囲気ではなく、純窒素雰囲気で行ったため、表面酸化が先行して表面窒化が生じなかった。また、No.4(比較)は最終の溶体化処理を還元性雰囲気で行ったものの雰囲気中に窒素が全く含有されていなかったので、表面窒化が生じなかった。よって、No.3及びNo.4は、表面の結晶粒が微細化せず、プレス打ち抜き性が通常のレベルにとどまり、曲げ部の肌荒れも通常のレベルであった。No.5は、最終の溶体化処理を窒素を含有した還元性の雰囲気で行ったため、窒化が生じ、良好なプレス打ち抜き性が得られた。但し、結晶粒の微細化に寄与する元素が添加されていなかったので、結晶粒が全体的に大きくなり、強度が低くなった。また、結晶粒は、内部より表面の方が小さくなったものの、全体的に大きくなったので、曲げ部の肌荒れはある程度生じることとなった。No.6は、最終の溶体化処理を理想的な条件で行ったが、第3元素の含有量が合計で0.5質量%を超えたために、粗大な析出物が生じ、高い強度は得られたものの曲げ性が著しく低下した。No.7は、最終の溶体化処理の雰囲気は窒化に対して理想的であったが、加熱温度が高かったために、結晶粒が粗大化し、強度が低くなった。よって、No.5と同様に、良好なプレス打ち抜き性が得られたが、曲げ部の肌荒れは、ある程度大きくなった。No.8は、組成及び溶体化処理での雰囲気は、適切であったが、溶体化処理温度が低かったので、全体的に結晶粒が微細化したが、粗大な析出物が多数生じたため曲げ性が著しく低下した。
一方、No.9〜No.14は、組成及び最終の溶体化処理条件が適正であるために、強度と曲げ性のバランスが良く、曲げ部の肌荒れが少なく、プレス打ち抜き性も良好である。特に、No.11〜No.14は、チタン含有量が好ましい範囲となっているために、強度と曲げ性のバランスが更に良好となっている。
材料表面における結晶の平均長径a、及び窒化されていない材料内部の結晶の平均長径bの観察箇所を示す模式図である。 肌荒れの大きい曲げ部断面の例 肌荒れの小さい曲げ部断面の例 バリ高さの定義を示す図である。 剪断加工した板の切断面を示す図である。 金型磨耗試験で用いたパンチとダイの断面形状を示す図である。

Claims (8)

  1. Tiを2〜4質量%含有し、第3元素群としてMn、Fe、Co、Ni、Cr、V、Nb、Mo、Zr、Si、B及びPよりなる群から選択される1種又は2種以上を合計で0.05〜0.5質量%含有し、残部銅及び不可避的不純物からなる電子部品用銅合金であって、表面が窒化されており、該銅合金の圧延面における結晶の平均長径(a)は、圧延面から10μm以上内部にある結晶の平均長径(b)とa/b<1の関係が成立する電子部品用銅合金。
  2. 圧延面から10μm以上内部にある結晶の平均結晶粒径は、圧延方向に平行な厚み方向の断面から観察したときに、円相当径で表して2〜10μmである請求項1記載の電子部品用銅合金。
  3. 圧延面の平均結晶粒径は、圧延面から観察したときに、円相当径で表して1〜5μmである請求項1又は2記載の電子部品用銅合金。
  4. 0.4≦a/b≦0.8の関係が成立する請求項1〜3何れか一項記載の電子部品用銅合金。
  5. 圧延面の母相中のN濃度は最大値が10〜36ppmである請求項1〜4何れか一項記載の電子部品用銅合金。
  6. 請求項1〜5の何れか一項に記載の銅合金を備えた伸銅品。
  7. 請求項1〜5の何れか一項に記載の銅合金を備えた電子部品。
  8. 請求項1〜5の何れか一項に記載の銅合金を備えたコネクター。
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