JP2008248355A - 電子部品用チタン銅及びこれを用いた電子部品 - Google Patents
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Abstract
【解決手段】Tiを2.0〜4.0質量%及びFe、Co、Ni、Si、Cr、V、Nb、Zr、B、Pの中から1種以上を合計0.05〜0.50質量%含有する銅基合金において、他の不純物元素が合計で0.050質量%以下であり、CとOの含有量が共に0.010質量%以下であり、平均結晶粒径が3〜10μmである電子部品用銅合金。
【選択図】なし
Description
このニーズに対処すべく、チタン銅のさらなる高強度化や導電性の改善を目的としてCr、Zr、NiおよびFeを添加する技術が提案されている(例えば、特開平6−248375号公報参照。)。CrとZrは時効析出硬化により強度が向上し、FeとNiは過時効による強度低下を防止する効果があるため、強度を低下させることなく導電性を向上させるというものである。また、最終容体化処理後の結晶粒度を0.05mm以上0.035mm未満にすることで部品加工した際の異方性を少なくし、曲げ加工性を向上させる技術も開示されている(例えば、特開2001−303158号公報参照。)。さらに、Zn、Cr、Zr、Fe、Ni、Sn、In、PおよびSiはチタン銅の導電性を大きく低下させずに粒界反応型析出を抑制し、結晶粒径を微細にし、さらに時効析出により強度を上昇させるなどの作用を有することから、これらの元素をチタン銅へ添加する技術も提案されている(例えば、特開2002−356726号公報参照。)。
また、プレス加工後に熱処理を施すと変色が起きやすいが、純銅層又は青銅層で材料表面をめっきすることで変色を防止できることも見出した。
更に、上記チタン銅の好適な製造方法も見出した。
(1)Tiを2.0〜4.0質量%及びFe、Co、Ni、Si、Cr、V、Nb、Zr、B及びPよりなる群から選択される1種以上を合計0.05〜0.50質量%含有する銅基合金において、他の不純物元素が合計で0.050質量%以下であり、CとOの含有量が共に0.010質量%以下であり、平均結晶粒径が3〜10μmである電子部品用銅合金。
(2)Tiを2.0〜4.0質量%及びFeを0.15〜0.25質量%含有する銅基合金において、他の不純物元素が合計で0.050質量%以下であり、CとOの含有量が共に0.010質量%以下であり、平均結晶粒径が3〜10μmである電子部品用銅合金。
(3)Hの含有量が0.0002質量%以下であり表面に純銅層または青銅層がめっきされている上記(1)又は(2)に記載の電子部品用銅合金。
(4)めっき厚みが0.1μm〜1.0μmである上記(3)に記載の電子部品用銅合金。
(5)JIS Z 2201に従って測定した圧延平行方向の0.2%耐力が850MPa以上であり、JIS H 3130に従ってBadwayのW曲げ試験を行ったときのMBR/t値が2.0以下であり、本明細書で定義するばね性試験1に従って測定した最大荷重Pmaxが3.0N以上であると共にPmax*/Pmaxが1.0以上であり、へたり量cが0.4mm以下であると共にc*/cが0.4以下である上記(1)〜(4)の何れかに記載の電子部品用銅合金。
(6)本明細書で定義するばね性試験2に従って測定した高さの変化量gが0.4mm以下であると共にg*/gが0.3以下である上記(1)〜(5)の何れかに記載の電子部品用銅合金。
(7)Cuに、Fe、Co、Ni、Si、Cr、V、Nb、Zr、B及びPよりなる群から選択される1種以上を合計で0.05〜0.50質量%含有するように添加し、次いでTiを2.0〜4.0質量%含有するように添加してインゴットを製造する工程であって、溶解及び鋳造が共に不活性ガス又は真空中で実施される工程1と、
前記インゴットに酸化防止剤を塗布した後、900℃以上で3時間以上均質化焼鈍する工程2と、
次いで、850〜900℃で3〜10分間溶体化処理する工程3と、
次いで、加工度70%〜99%で冷間圧延する工程4と、
次いで、730〜840℃のTiの固溶限が添加量よりも大きくなる温度で30秒〜90秒の加熱後に水冷する工程5と、
次いで、10〜50%の加工度で冷間圧延する工程6と、
次いで、360〜420℃で3〜24時間時効処理する工程7と、
を含む上記(1)〜(6)の何れかに記載の銅合金を製造するための方法。
(8)工程5と工程6の間、工程6と工程7の間、又は工程7の後に、材料表面に純銅層又は青銅層を設けることを更に含む上記(7)に記載の方法。
(9)上記(1)〜(6)の何れかに記載の銅合金を用いた電子部品。
(10)上記(1)〜(6)の何れかに記載の銅合金を所定の電子部品形状にプレス加工し、その後に330〜400℃の温度で1〜10時間熱処理することを含む電子部品の製造方法。
(11)上記(7)又は(8)の方法によって銅合金を製造する工程と、該銅合金を所定の電子部品形状にプレス加工し、その後に330〜400℃の温度で1〜10時間熱処理することを含む電子部品の製造方法。
鉄鋼材料を冷間加工した後、低温で熱処理を施すと、降伏応力が向上する現象は、ひずみ時効と言われ、一般に知られている。一方、黄銅などの固溶硬化型銅合金に見られる類似の現象は、低温焼きなまし硬化として知られ、変調構造が発達したチタン銅において見られる現象は、MTHとして知られている。これらの現象はいずれも冷間加工度が比較的高く、その後に行う熱処理での加熱時間が比較的短いときに生じるとされてきた。具体的には、50〜90%の加工度と1〜10minの加熱時間で実験した報告例が多い。しかし、本発明で見出した現象は、加工度が10%以下と比較的低く、その後の熱処理は340〜360℃×1〜5hといった比較的長時間としたときに見られる現象で、硬化によりばね性が顕著に向上するというものである。製造安定性の観点からも商用ベースでの利用が可能である。このような現象は、通常のチタン銅では見られず、特定の第3元素を適量に添加し、不純物の含有量に制限を与え、適切な工程にて製造したチタン銅にのみ見られる現象であると考えられる。ここで、特定の元素とはFe、Co、Ni、Si、Cr、V、Nb、Zr、B、Pのことで、このうち、FeとSiの効果が最も高い。これらの元素はチタン銅の変調構造が最も発達した時点で、フリーでいるときにその効果を発揮する。さらに、これらの元素と結びつき易いCとOを低減させることで特定の元素の効果をより発揮させることができる。
本発明に係るチタン銅はプレス加工等の冷間加工後に熱処理を行うと、僅かな温度差で強度が低下から上昇に転じるという注目すべき現象が見られる。具体的には、300℃付近で1時間ほど加熱すると軟化するが、350℃付近で1時間加熱すると逆に硬化する。冷間加工度や添加元素の種類と量によって若干異なるが、軟化から硬化に転じる温度はおおよそ320〜330℃付近である。一般に知られている低温焼きなまし硬化やMTHにおいてはこのような特殊な現象の報告はなく、本発明において初めて見出された現象であると考えられる。
チタン銅系銅合金にCuめっきを施した例として、特開2004−232049、特開2006−272889及び特開2005−179775があるが、これらは何れも、ミルハードン材のはんだ濡れ性、めっき性、耐食性、金型磨耗性を改善させるためのものであり、プレス加工後に熱処理するという使い方に関しては全く考慮しておらず、曲げ部のめっき層の熱剥離に対する言及はされていなかった。
(a)Ti
本発明では、Tiを2〜4質量%としているが、Tiが2質量%未満では、十分な強度が得られず、逆に4質量%を超えると析出物が粗大化し易いので曲げ加工性が劣化する。Tiの最も好ましい範囲は、2.5〜3.5質量%である。
本発明では、Fe、Co、Ni、Si、Cr、V、Nb、Zr、B及びPといった第3元素群の添加を規定しているが、これらの元素の効果は、微量の添加によりTiが十分に固溶する温度で溶体化処理をしても結晶粒が容易に微細化すること、後述するプレス加工後の低温での熱処理により硬化してばね性が向上することである。ここで、チタン銅において本発明の効果が最も高いのがFeである。Co、Ni、Si、Cr、V、Nb、Zrにおいても、Feに準じた効果が期待でき、単独の添加でも効果が見られるが、2種以上を複合添加してもよい。
上記のとおり、本発明の銅合金では、上記第3元素群は、Tiを母相中に固溶させる溶体化処理で、結晶粒を効果的に微細化させる。しかしながら、合金中にCとOが多量に含有していると、これらの第3元素群の一部は、安定な酸化物や炭化物として存在するようになり、その結果、溶体化処理時に生じる再結晶粒の成長を抑制する効果が小さくなるので、強度向上への寄与は小さくなってしまう。さらに、第3元素群が酸化物や炭化物になってしまうと、母相との整合性が完全に失われ、曲げ加工性に対しては非金属介在物のように有害である。また、低温の熱処理による硬化現象は、母相中の固溶元素の特殊な雰囲気形成によって生じるので、一部の第3元素が熱的に安定な酸化物や炭化物になってしまうと、プレス加工後に適切な熱処理を行っても硬化量は小さく、ばね性の向上も小さい。ここで、銅合金中のCの由来として、インゴット製造工程で溶湯が接触する部材や溶解原料中に含まれる残留油分が考えられる。また、銅合金中のOは、大気中の酸素がインゴット製造工程で溶湯に溶け込んだもの等に由来する。
本発明の目的である高い強度と優れた曲げ加工性、更には本発明特有の現象を得るには、OとCの含有量が極力少ないことが望ましく、具体的にはCとOの含有量が共に0.010質量%以下であればCとOの影響を無視することができる。
Cを制御するためには原料として純度の高いものを採用することのほか、製造工程において可能な限りC供給源に曝されないようにすることが大切であり、溶湯の被覆に木炭を使用しないこと、原料に付着しているプレス油や切削油を充分に除去すること等が有効である。○を制御するためには原料として純度の高いものを採用することのほか、製造工程において可能な限りO供給源に曝されないようにすることが大切であり、例えば、チタン銅の製造工程において溶解炉の真空度を高めること、インゴットの均質化焼鈍時には、酸化防止剤を表面に塗布し、加熱炉内の酸素濃度を1%以下とすること、溶体化処理を必要以上に高温で行わない、スケール除去を充分に行うこと、時効処理を不活性ガス雰囲気で行うこと等が有効である。
酸化防止剤としては、公知の酸化防止剤を制限なく使用することができるが、例えばZr系、Si系等が挙げられ、好ましくはZr系である
(d)H
後述するように本発明のチタン銅表面に純銅層または青銅層をめっきすることも本発明の実施形態のひとつである。この場合には、OとCの他にHの含有量も低減させておく方が望ましい。表面にめっき層がある状態でプレス加工すると、特に曲げ部において素材とめっき層との界面に内部応力差が生じる。それは素材とめっき材質との間で、弾性係数やポアソン比が異なるからである。更に熱膨張係数も異なるので、その状態で熱処理を行うと、界面の応力差は更に大きくなる。そこで、O、C、Hなどのガス元素は、内部応力差を緩和するように、界面に集まってきてしまう。多量のガス元素が界面にあつまると、界面の接合性が失われて、めっき層が素材から剥離してしまう。特にHは、原子半径が小さく軽いので、母材中を自由に移動し、OやCと反応して水やメタンを形成する。チタン銅中に存在するHは、溶解原料からの混入が考えられる。チタン銅の溶解にはとして高価なスポンジチタンは使わず、純チタンのスクラップを溶解原料として用いることが多い。この場合、水素を含有するものがあり、特に電極用のチタンは、多量に水素を含んでおり、履歴が不明なスクラップを原料として用いた場合は、多量に混入する可能性があるので、使用するべきではない。Hは、極力低減させておくことが望ましいが、0.0002質量%以下であれば、実用上問題ない。また、OとCについても、上述の含有量に制限されていれば、問題はない
本発明において、他の不純物元素とは、Cu、Ti、Fe、Co、Ni、Si、Cr、V、Nb、Zr、B、P、C及びOを除く元素をいい、例えば低融点でチタン銅中に固溶しやすいS、Pb、Sn、Znなどがあげられる。チタン銅の変調構造は、チタン濃度の振幅と波長の規則性が高く均質に発達するほど、高い強度と曲げ加工性を得られる。しかしながら、これらの元素の含有は、そのような変調構造の規則性や均質性に乱れを生じさせるものと考えられる。また、冷間加工後に低温で熱処理をして硬化する現象は、熱処理前の転位密度が均質に分布したときに顕著に見られる現象である。変調構造の発達に乱れが生じていると、それを冷間加工したものも、転位密度が不均質に分布してしまう。具体的には他の不純物元素は、合計で0.05質量%を超えると変調構造の発達に悪影響を及ぼすようになり、プレス加工後に適切な熱処理を施しても硬化量が少なくなるため好ましくない。他の不純物元素は好ましくは合計0.01質量%以下であり、より好ましくは0.005質量%以下である。
結晶粒が小さいほど、強度と曲げ性は向上する。しかし極端に小さくなると、応力緩和特性が低下してしまう。チタン銅の優れた応力緩和特性は、変調構造によるものであるが、粒界ではそれが途切れているため、粒界が多いほど、言い換えれば結晶粒が小さいほど応力緩和しやすいのである。しかし、その傾向が見られるのは、結晶粒径が2.0μm未満のときであり、3.0μm以上であれば、応力緩和特性に対する影響は殆どない。チタン銅ではどのような再結晶焼鈍を行っても、2.0μm以下の微細粒を得ることは難しいので、通常の溶体化処理では、可能な限り結晶粒を微細化したほうが良い。本発明では、微量添加した第3元素群を添加することにより通常のチタン銅よりも格段に結晶粒を微細化することができる。本発明に係る銅合金は一実施形態において、3〜10μm、好ましくは4〜8μm、より好ましくは5〜7μmの平均結晶粒径を有することができる。
本発明に係るチタン銅は上述した特有の硬化現象を示すが、その他の特性も含めてより具体的にその特性を説明する。
本発明に係る銅合金は、優れた強度及び曲げ加工性を有する。例えば、JIS Z 2201に従って測定した圧延平行方向の0.2%耐力が850MPa以上、好ましくは900MPa以上、例示的には850〜930MPaであり、JIS H 3130に従ってBadwayのW曲げ試験を行ったときの割れの発生しない最小半径(MBR)の板厚(t)に対する比であるMBR/t値は2.0以下、好ましくは1.5以下、より好ましくは1.0以下、例示的には0.5〜2.0である。
本発明で提供する銅合金は、優れた曲げ加工性を有しているが、曲げ加工をしたときに曲げ部外周部に割れが発生しにくいばかりではなく、曲げ部の板厚が一様に均一となる性質を有していることも重要である。このような性質を有するのは、板厚方向の圧縮変形抵抗が他の方向の変形抵抗に比べて比較的高いためである。その結果、曲げ加工時に板厚方向のネッキングが起こりにくく、曲げ加工を行うばね材として好ましい。仮に曲げ部の板厚が均一ではなく、板厚方向のネッキング部があると、そこに応力が集中してばね性が低下する。
本発明においては、上記特有の現象によって向上するばね性の程度を定量化するために、以下のようにへたり量c、へたり量c*及び比c*/cを規定する。
評価1は、図1に示すようなベローズ型コネクタに加工した場合のばね性を評価することを目的としている。試験片形状を図2に示す。ピン幅は1.6mm、曲げ部の角度は45°、曲げ部の曲率半径は0.7mm、曲げ部から力点までの直線部の長さ(アーム長)は4mm、曲げ方向はBadwayとする。板厚は0.15mmとする。この評価では、図3に示すように、板押さえで試験片を固定し、ロードセルに接続されたピストンヘッドによって、ばねに変位を与え、そのときに受ける荷重を測定することにより、荷重と変位との関係を調査する。
ピストンヘッドが折り返し変位にあるときに受ける荷重が「最大荷重Pmax」である。よって、この評価で得られる荷重−変位曲線は、図4に示すが如くになる。この工程中、ピストンヘッドには、潤滑油を塗布し、試験片と摩擦抵抗を極力抑制するように工夫する。この評価では、最大荷重Pmaxが高く、へたり量cが少ないほど、ばね性が高いと評価する。
評価2は、図5に示すように、嵌合したときに、曲げ部を戻す方向に力が加わる方式のコネクタに加工したときのばね性を評価することを目的としている。図6に試験片形状を示す。この試験片は、JIS H3110に規定のW曲げ試験のジグを用い、圧縮試験機にてプレス整形したものである。
試験片の作製にあたり、曲げ部に生じる肌荒れ等の影響を少なくするには、曲げ部の曲率半径がなるべく大きい方が、好ましいと考えられるので、曲げ部の曲率半径が1.5mmのジグを用いてプレス成型する。試験方法を図7に示す。まず、プレス加工したばかりの試験片を“へ”の字上に置いたときの、曲げ部までの高さを「初期高さd」とする。
今回の評価では、板厚2mmのスペーサーを用いて、上型と下型との距離が2mmとなるように固定し、その状態で24時間保持する。除荷後、再び曲げ部までの高さを測定し、これをfとする。試験片の高さの変化量(dとfとの差)をgとし、gが小さいほど、長時間荷重を負荷したあとの復元力が高いことになり、ばね性が高いとみなす。
また、試験片をプレス加工後、350℃×1hの熱処理を行って、同様の評価を行い、試験片の高さの変化量を求める。これをg*とする。
上述したようにチタン銅は、時効処理により、母相中のチタン濃度が周期的に変動する、いわゆる変調構造の発達をさせ、素地を強化させる合金であるが、一方、チタン銅中には、TiCu3に代表される第2相粒子が析出しやすい。これらの第2相粒子は、析出硬化に寄与せず、曲げ加工性を低下させるものが多いため、析出を抑えたい有害な析出物である。この有害な析出物は、溶体化処理温度が低い場合と時効処理温度が高い場合に形成する。
よって、本発明に係るチタン銅を製造するための基本工程の特徴は、チタンが完全に固溶する温度で溶体化処理を行い、第2相粒子を析出させず、適度な冷間圧延を行って製品板厚とし、第2相粒子が発達しにくい比較的低温で時効処理を行い、変調構造を十分発達させることである。さらに、本発明では、溶体化処理にて結晶粒を微細化させていく重要なポイントの一つである。
時効処理前に施される溶体化処理は、溶体化処理温度が高いほど、析出物が固溶する速度も速いので、十分な溶体化処理を行うには、溶体化処理温度が高いほど望ましい。
ここで、上工程とは、素条段階のことであり、具体的には製品板厚の5倍以上、好ましくは10倍以上の板厚のときの工程のことである。また、十分な溶体化とは、第2相が短時間で消失する温度で行うことである。但し、不必要に高温で行うと、固溶していた第3元素群が、表面から進入して拡散してきた酸素によって、表層部より内部酸化してしまうので好ましくない。添加した第3元素群の酸化しやすさにもよるが、950℃を超える高温に加熱すると、この傾向が強くなる。よって、上工程で行う溶体化処理の好ましい温度範囲は、850〜900℃である。処理時間は3〜10分程度とする。
したがって、最終の溶体化処理を、第2相粒子が完全に無くなる条件で行う必要はなく、固溶度線直上からその10℃程度高温側の間が好ましい範囲である。
チタン銅において、溶体化処理後に行う時効処理は、著しく強度を向上させる。実際の工程では、溶体化処理と時効処理との間に冷間圧延を加えることが多く、このときの加工度が高いほど、時効処理後の最終的な強度も高くなる。しかし、あまり加工度と高くすると曲げ加工性が悪くなり、塑性異方性が現れるので、最終冷間圧延加工度は50%以下とする。なお、加工度が10%以下では実用上の強度が得られないので、10〜50%とするのがよい。
チタン銅が時効処理を行うことによって強度が向上するのは、変調構造が発達するからである。本発明において変調構造を最大限効果的に発達させる温度は、第2相粒子が析出する温度よりも低温側の領域であるので、第2相を固溶させる溶体化処理を行って、適正な時効処理を施せば、第2相粒子はほとんど形成されないこととなる。ここで、適正な時効処理条件とは、第2相粒子が粒界に安定相TiCu3として析出せずに強度が最大となる条件のことであり、時効処理前に行う冷間圧延の加工度や添加する第3元素の種類や量によっても異なってくる。
時効処理温度が300℃〜500℃の範囲において変調構造が発達し、温度が高いほど発達が速い。しかし、温度を高く設定すると、曲げ加工性を悪化させ粒界析出も同時に生じ、400℃を超える温度領域でその発生は顕著になる。よって、変調構造を最大限効果的に発達させ、かつ粒界析出が生じにくい好ましい温度範囲は360〜420℃であり、時効時間は、実用的な範囲として3〜24hがよい。
チタン銅表面に純銅層または青銅層をめっきすることも本発明の実施形態のひとつである。金属表面に純銅層または、青銅層をめっきする方法は公知の任意の方法を採用することができ、特に制限はないが、代表例に電気めっきがある。以下、電気めっきを例として説明する。
本発明のチタン銅に、電気めっきをする場合、表面の酸化皮膜を完全に除去した状態で行わなければならない。チタン銅は酸化しやすく、不活性ガス雰囲気中で時効処理を行ったものにおいても酸化皮膜が形成される。これは、工業的に使用されているArや窒素などの不活性ガスは、高純度のものであってもごく微量に酸素が含有しているためである。チタン銅の酸化皮膜は、電気めっきを行うにあたって極めて有害である。チタン銅の酸化皮膜は一旦形成されると安定なので、めっき後も界面に安定して存在するため、めっき剥離しやすくなる。よって、電気鍍金する前に酸化皮膜は完全に除去しなければならない。酸洗により酸化皮膜を除去する場合、酸洗槽内の酸洗液の循環が悪いと、反応性生物が滞留し酸洗ムラを生じてしまう。酸洗ムラが生じた表面に電気めっきを行うと、やはり電気化学反応にもムラが生じて、めっき層が均一に形成されなくなるので、酸洗ムラを生じさせてはいけない。そのためには、通板する材料に対して十分な大きさの酸洗槽が必要で、さらに反応生成物が材料表面に滞留しないような液の循環システムが必要である。またプレス加工性がよく、より均一なめっき層を形成させるには、バフ研磨を加えた酸洗が望ましい。具体的には、バフ研磨Ra=0.1μm程度の表面粗さを形成させ、その上にRa=0.01μm以下の電着粒を形成させるような電気めっきを行うのがよい。ここで、バフ研磨による金属粉が素材表面に残存した状態でめっきをしてしまうと、これがめっき剥離の起点となるので、超音波洗浄によって金属粉は完全に除去するのが望ましい。
電気めっきにより純銅層を形成させたあと、プレス加工などのコネクタを製造する工程でめっき剥離が生じにくいような堅牢な界面を形成させるには、連続焼鈍炉にて低温短時間の加熱を行って、界面に薄いCu−Sn拡散層を形成させるのが好ましい。なお、銅は大気中で変色し易いので、連続焼鈍炉で加熱したあとは、直ちに防錆剤を塗布することが重要である。防錆剤としては公知の防錆剤を制限なく使用することができるが、例えばBTA系、TTA系等が挙げられ、好ましくはBTA系である。
本合金は、溶体化処理→冷間圧延→時効処理の基本工程で製造した後、コネクタ等の板ばねにプレス加工し、そのまま、コネクタ等の板ばねとして使用することができる。さらに、本発明に係るチタン銅は、よりばね性の求められる分野において低温で熱処理することにより更にばね性を向上させることができることを特徴とする。例えば、加熱条件は時効処理温度より低い温度とし、330〜400℃で1〜10hとするとよい。添加元素の種類と量によって若干異なるが、330〜380℃で1〜5hの範囲が好ましく、340〜360℃で1〜5hの範囲がより好ましい。
また、本発明では、プレス加工後に、ばね性の向上を狙った熱処理を行っても、寸法変化が小さいという利点がある。それは、このときの熱処理温度が、チタン銅の時効処理温度より低温であり、体積変化を伴う変調構造は、それ以上発達しないからである。なお、この時点での熱処理は、製品形状に加工してからの熱処理であるから、表面酸化を防止するために不活性ガス雰囲気中で行うことが望ましい。
「十分な溶体化処理(第1次溶体化処理)→冷間圧延(中間圧延)→第2相粒子成分の固溶度線の直上での最終の溶体化処理(第2次溶体化処理)→冷間圧延(最終圧延)→時効処理」
である。第1次溶体化処理までは、規定の成分に溶製後、鋳造し、熱間圧延を経て、冷間圧延、焼鈍を適当に繰り返せばよく、熱間圧延後すぐに第1次溶体化処理を行っても良い。
1)インゴット製造工程
本発明では、溶解及び鋳造は、基本的に真空中または不活性ガス雰囲気中で行う。OとCの含有量、特にO含有量を制御するためである。したがって、真空度と不活性ガスの純度は管理の上で重要である。真空度が低い場合や不活性ガスの純度が低い場合は、酸素が溶湯中に溶け込むばかりでなく、溶湯が接触するるつぼ、ノズル等のカーボン含有部位と反応して炭酸ガスが発生し、その結果炭素も溶湯中に溶け込んでしまうことになるからである。
また、従来は、真空中の溶解のみ、不活性ガス雰囲気中の溶解のみ或いは、溶解は大気溶解(ただし、木炭等で湯面を被覆)で、鋳造時を不活性ガスで樋や鋳型を覆う等はなされて酸化を防ぐ工夫はなされていた。しかし、本発明が規定するレベルにO含有量を制御するためには、溶解時及び鋳造時とも雰囲気を管理する必要がある。
さらに、実操業上では、溶解原料としてスクラップを用いることがあり、これに付着した残留油分によって、O、C、Sが混入することもある。したがって、スクラップを使用するときは、洗浄を徹底する必要がある。
また、溶製において添加元素の溶け残りがあると、強度の向上に対して有効に作用しない。よって、溶け残りをなくすため、FeやCr等の高融点の添加元素は、添加してから十分に攪拌したうえで、一定時間保持する必要がある。一方、TiはCu中に比較的溶け易いので第3元素群の溶解後に添加すればよい。従って、適当量のCuに第3元素群としてFe、Co、Ni、Si、Cr、V、Nb、Zr、B、Pの中から1種以上を合計0.01〜0.50質量%添加し、十分保持した後にTiを2〜4質量%添加し、Tiを含めて添加元素が完全に溶解後、鋳型に鋳造し、インゴットを作製する。
こうして鋳造したインゴットは、900℃以上で3時間以上、好ましくは930〜970℃にて3〜24時間、より好ましくは940〜960℃にて5〜10時間程度の均質化焼鈍を行う。この時点で凝固偏析や鋳造中に発生した晶出物を完全に無くすことが望ましいからである。それは、後述する溶体化処理において、第2相粒子の析出を、微細かつ均一に分散させるためであり、混粒の防止にも効果がある。
その後、熱間圧延を行い、冷間圧延と焼鈍を繰り返して、溶体化処理を行う。途中の焼鈍でも温度が低いと第2相粒子が形成されるので、この第2相粒子が完全に固溶する温度で行う。第3元素群を添加していない通常のチタン銅であれば、その温度は800℃でよいが、第3元素群を添加した本発明のチタン銅は容体化処理の温度を850℃以上とすることが望ましい。また、第一溶体化処理は3〜10分間程度行えばよい。
最終の溶体化処理前の中間圧延における加工度を高くするほど、最終の溶体化処理における第二相粒子が均一かつ微細に析出する。それは、集積した加工ひずみが再結晶の核生成サイトとなるので、加工度を高くしてひずみをためた方が、多数の再結晶核が生成するため、結晶粒が微細化するのである。但し、加工度をあまり高くして最終の溶体化処理を行うと、再結晶集合組織が発達して、塑性異方性が生じ、プレス成型性を害することがある。従って、中間圧延の加工度は好ましくは70〜99%である。ここで、加工度とは、加工前後の材料板厚の差を加工前の材料板厚で割り、100倍した値(%)である。
この工程は、強度と曲げ加工性に影響を与える結晶粒の微細化と、精密プレス加工したときの寸法安定性に影響を与える第二相粒子密度のばらつきを左右するので、本発明において最も重要な工程といえる。まず、加熱条件であるが、加熱速度が高いほど結晶粒は微細化する。そして溶体化という目的においては、第2相粒子を完全に固溶させることが望ましいが、完全に固溶するまで高温に加熱すると、結晶粒が粗大化するので、加熱温度は第2相粒子が固溶する固溶度線付近の温度とする(Tiの添加量が2.0〜4.0質量%の範囲でTiの固溶限が添加量と等しくなる温度は730〜840℃であり、例えばTiの添加量が3質量%では800℃程度)。そしてこの温度まで急速に加熱し、水冷によって冷却速度も速くすれば粗大な第2相粒子の発生が抑制される。
上記最終の溶体化処理工程後、冷間圧延及び時効処理を行う。この際、加工度が10%未満では充分な効果が得られないので加工度を10%以上とするのが好ましい。但し、加工度が高いほど次の時効処理で粒界析出が起こり易いので、加工度を50%以下、より好ましくは25%以下とする。時効処理については、低温ほど第2相粒子の粒界への析出を抑制することができる。同じ強度が得られる条件であっても、高温短時間側より低温長時間側の方が、第2相粒子の粒界析出を抑制できるのである。
チタン銅は酸化しやすく、上記条件で時効を行った場合、工業的に使用されるレベルの純度の不活性ガス中で、堅固な酸化皮膜を形成する。この酸化皮膜は、接触抵抗を高くし、めっき性、半田濡れ性を著しく害するので、完全に除去する必要がある。酸化皮膜の除去は酸洗によって行うが、ムラが生じないような工夫が必要である。酸洗液には、塩化第2鉄系や硫酸系の溶液を用いるが、工業的には反応促進剤として、前者は塩酸、後者は過酸化水素水を添加することが多く、これが場所による反応の強弱を助長させて、ムラになりやすい。よって、槽内スプレーを効果的に用いた液の循環と新液の供給、液温およびpHの管理が適切に行われるような酸洗システムが重要である。また、プレス加工性を良好にするには、バフ研磨を加えた酸洗を行うことにより、Ra=0.1μm程度の表面粗さを形成させることが好ましい。表面粗さの大きさは、砥粒の番手によって容易に調整できる。なお、バフ研磨によって生じた金属粉が表面に残留した状態でめっきすると、金属粉を起点として、めっき剥離が生じるので、超音波洗浄等により極力除去する必要がある。銅は大気中で変色し易いので、その後は直ちに防錆剤を塗布することが重要である。
従って、本発明の一実施形態においては、時効処理後に、酸洗、バフ研磨、表面の金属粉除去、及び防錆剤の塗布を順に行うことを含む表面処理を行う。
表面に純銅層を設けるには、電気めっきで行うのが有効である。前工程ではRa=0.1μm程度の表面粗さを形成させたが、この上に電気めっきを施すと、めっき条件によっては、このモードの凹凸がかき消されてしまう。このモードの凹凸を残存させるには、Cu層の厚さは、1.0μm以下、好ましくは0.5μm程度とし、電着粒の凹凸のRaの値を1桁以上小さくする必要がある。Cu層の厚さは、電流値や通板速度で調整でき、電着粒の大きさは、溶液中のCuイオン濃度によって調整できる。ここでCu層中にSが多量に含有している場合は、耐食性を劣化させるので、なるべく少ない方が好ましい。尚Cu層中のSの濃度は、めっき液である硫酸銅の濃度によって調整できる。また、プレス加工などの加工を行ってもめっき剥離が生じないような堅牢な界面を形成させるには、連続焼鈍炉にて低温短時間の加熱を行い、薄い拡散層を形成させるのが有効である。具体的には、300〜500℃にて5秒〜50秒の加熱を行う。加熱直後は酸化しやすいので、直ちに防錆剤を塗布する。
表面に青銅層を設ける場合は、硫酸銅中にSnを溶かしためっき液用い、リフロー処理をする。すなわち、拡散によって完全な青銅化をねらう。この場合も、めっき厚は0.5μm程度が望ましく、青銅層のSn濃度は、標準的なりん青銅のSn濃度である4〜8%の範囲をねらう。
本発明が提供する合金は、目的のばね形状にプレス後そのままでも使用できるが、プレス加工後に低温で熱処理することにより、塑性変形部が硬化するので、更にばね性が向上する。このような硬化現象を生じさせる適当な加熱条件は、340〜360℃で1〜5h程度とするのが有効である。
2×3(370-X)/10≦Y≦2×3(400-X)/10
ここで、X(℃)は、加熱温度、Y(分)は、加熱時間とする。
そして更に好ましくは、
である。
実施例の銅合金を製造するに際しては、活性金属であるTiが第2成分として添加されるから、溶製にはArガス中で溶解した。また、他の不純物元素の混入による予想外の副作用が生じることを未然に防ぐため、原料は比較的純度の高いものを厳選して使用した。
結晶粒径の測定は、圧延方向に平行な断面の組織を、エッチング(水(100mL)−FeCl3(5g)−HCl(10mL))により現出させ、単位面積当たりの結晶粒の数をカウントして、結晶粒の平均の円相当径を求めた。具体的には、100μm×100μmの枠を作成し、この枠の中に存在する結晶粒の数をカウントした。なお、枠を横切っている結晶粒については、ずべて1/2個としてカウントした。枠の面積10000μm2をその合計で除したものが結晶粒1個当たりの面積の平均値である。その面積を持つ真円の直径が円相当径であるので、これを平均結晶粒径とした。
次に、ばね性について、一般的なコネクタ形状を考慮し、曲げ部に与える負荷が曲げの進行方向の場合と、逆方向(曲げが広がる方向)の場合の2つの評価を先述した評価方法に従って行った。
また、評価1については、C1720についても評価してみた。質別は1/2Hで板厚が0.15mmの市販品を用意し、試験片形状にプレス加工した後、Ar雰囲気中で315℃×2hの時効処理を行って試験片とし、最大荷重Pmaxとへたり量cを測定した。結果を表4に示す。
めっき液:CuSO4・5H2O=200g/リットル+H2SO4=100g/リットル(青銅めっきの場合はこれにSnを適量に添加)、
電流密度:5A/dm2、
温度:50℃
Claims (11)
- Tiを2.0〜4.0質量%及びFe、Co、Ni、Si、Cr、V、Nb、Zr、B及びPよりなる群から選択される1種以上を合計0.05〜0.50質量%含有する銅基合金において、他の不純物元素が合計で0.050質量%以下であり、CとOの含有量が共に0.010質量%以下であり、平均結晶粒径が3〜10μmである電子部品用銅合金。
- Tiを2.0〜4.0質量%及びFeを0.15〜0.25質量%含有する銅基合金において、他の不純物元素が合計で0.050質量%以下であり、CとOの含有量が共に0.010質量%以下であり、平均結晶粒径が3〜10μmである電子部品用銅合金。
- Hの含有量が0.0002質量%以下であり表面に純銅層または青銅層がめっきされている請求項1又は2に記載の電子部品用銅合金。
- めっき厚みが0.1μm〜1.0μmである請求項3に記載の電子部品用銅合金。
- JIS Z 2201に従って測定した圧延平行方向の0.2%耐力が850MPa以上であり、JIS H 3130に従ってBadwayのW曲げ試験を行ったときのMBR/t値が2.0以下であり、本明細書で定義するばね性試験1に従って測定した最大荷重Pmaxが3.0N以上であると共にPmax*/Pmaxが1.0以上であり、へたり量cが0.4mm以下であると共にc*/cが0.4以下である請求項1〜4の何れかに記載の電子部品用銅合金。
- 本明細書で定義するばね性試験2に従って測定した高さの変化量gが0.4mm以下であると共にg*/gが0.3以下である請求項1〜5の何れかに記載の電子部品用銅合金。
- Cuに、Fe、Co、Ni、Si、Cr、V、Nb、Zr、B及びPよりなる群から選択される1種以上を合計で0.05〜0.50質量%含有するように添加し、次いでTiを2.0〜4.0質量%含有するように添加してインゴットを製造する工程であって、溶解及び鋳造が共に不活性ガス又は真空中で実施される工程1と、
前記インゴットに酸化防止剤を塗布した後、900℃以上で3時間以上均質化焼鈍する工程2と、
次いで、850〜900℃で3〜10分間溶体化処理する工程3と、
次いで、加工度70%〜99%で冷間圧延する工程4と、
次いで、730〜840℃のTiの固溶限が添加量よりも大きくなる温度で30秒〜90秒の加熱後に水冷する工程5と、
次いで、10〜50%の加工度で冷間圧延する工程6と、
次いで、360℃までの昇温時間を5時間以上とした上で、360〜420℃で3〜24時間時効処理する工程7と、
を含む請求項1〜6の何れかに記載の銅合金を製造するための方法。 - 工程5と工程6の間、工程6と工程7の間、又は工程7の後に、材料表面に純銅層又は青銅層を設けることを更に含む請求項7に記載の方法。
- 請求項1〜6の何れかに記載の銅合金を用いた電子部品。
- 請求項1〜6の何れかに記載の銅合金を所定の電子部品形状にプレス加工し、その後に330〜400℃の温度で1〜10時間熱処理することを含む電子部品の製造方法。
- 請求項7又は8に記載の方法によって銅合金を製造する工程と、該銅合金を所定の電子部品形状にプレス加工し、その後に330〜400℃の温度で1〜10時間熱処理することを含む電子部品の製造方法。
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