JP2017155257A - 銅合金及びその製造方法 - Google Patents

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Abstract

【課題】延性に優れたCuSnNi合金を提供する。【解決手段】本発明の銅合金は、Niを5質量%以上25質量%以下、Snを5質量%以上10質量%以下、元素A(但し、元素AはNb、Zr及びTiからなる群より選ばれる1以上)を0.005質量%以上0.5質量%以下、炭素を0.005質量%以上の範囲で含み、元素Aに対する炭素のモル比が10.0以下である。この銅合金は、例えば、Mnを0.01質量%以上1質量%以下の範囲で含むものとしてもよい。この銅合金において、元素Aは炭化物として存在するものとしてもよい。【選択図】なし

Description

本発明は、銅合金及びその製造方法に関する。
従来から各種バネや軸受け等に使われる高強度銅合金として、種々の銅合金が提案されている。例えば、特許文献1では、Ni−Sn−Cu系スピノーダル合金に、Mnを添加し、銅合金の鋳造材で生じることのある粒界析出を防止した銅合金を提案している。また、この銅合金にCr、Mo、Ti、Co、V、Nb、Zr、Fe、Si等を添加すると、Ni−Sn−Mn又はSi、若しくはこのグループの添加元素どうしで硬い金属間化合物を作り、マトリックス中に晶出し、耐摩耗性と耐焼付性の向上に寄与するとしている。特許文献2では、銅にCrやZrを添加して導電率を低下させずに強度を高め、さらに、酸素量を60ppm以下としてCrやZrの酸化物の生成を抑制した銅合金を提案している。酸素の低下方法としては、溶解素材や溶湯中にカーボンを入れる方法を例示している。また、この銅合金に、NiやSn、Ti、Nbなどを添加すると強度が向上し、TiやNbを添加すると結晶粒粗大化防止が可能となるとしている。
特開平8−283889号公報 特開平7−54079号公報
しかしながら、特許文献1,2の銅合金では、耐摩耗性や耐焼付性を向上したり、導電率を低下させずに強度を高めたりしているものの、延性が低く、例えば加工時に割れが生じたり、製品における伸びが低いことがあった。このため、延性に優れたCu−Ni−Sn系の銅合金が望まれていた。
本発明はこのような課題を解決するためになされたものであり、延性に優れたCu−Ni−Sn系の銅合金及びその製造方法を提供することを主目的とする。
本発明の銅合金は、上述の主目的を達成するために以下の手段を採った。
本発明の銅合金は、
Niを5質量%以上25質量%以下、Snを5質量%以上10質量%以下、元素A(但し、元素AはNb、Zr及びTiからなる群より選ばれる1以上)を0.005質量%以上0.5質量%以下、炭素を0.005質量%以上の範囲で含み、元素Aに対する炭素のモル比が10.0以下である。
本発明の銅合金は、Ni、Sn、元素A(Nb、Zr及びTiからなる群より選ばれる1以上)及び炭素を適度に含むため、延性に優れている。
実験例2,4,9,12の溝ロール加工後の外観写真。 実験例6の鋳塊の電子顕微鏡写真及び特性X線像。 実験例9の鋳塊の電子顕微鏡写真及びEPMAマッピング結果。 実験例8の硬化熱処理後の電子顕微鏡写真及びEPMAマッピング結果。 実験例2の熱間圧延後(破断後)の電子顕微鏡写真及びEPMAマッピング結果。 実験例19の鍛造品の外観写真。 実験例20の鍛造品の外観写真。 実験例21の鍛造品の外観写真。
本発明の銅合金は、Niを5質量%以上25質量%以下、Snを5質量%以上10質量%以下、元素A(但し、元素AはNb、Zr及びTiからなる群より選ばれる1以上)を0.005質量%以上0.5質量%以下、炭素を0.005質量%以上の範囲で含み、元素Aに対する炭素のモル比が10.0以下である。また、本発明の銅合金は、Niを5質量%以上25質量%以下、Snを5質量%以上10質量%以下、元素A(但し、元素AはNb、Zr及びTiからなる群より選ばれる1以上)を0.005質量%以上0.5質量%以下、添加元素(但し、Mn、Zn、Mg、Ca、Al、Si、P、Bからなる群より選ばれる1種以上)を0.01質量%以上1質量%以下、炭素を0.005質量%以上の範囲で含み、元素Aに対する炭素のモル比が10.0以下であり、残部がCu及び不可避的不純物であるものとしてもよい。
Niには、溶体化熱処理後の時効硬化熱処理時に発現するスピノーダル分解により銅合金の強度を向上させる効果が期待される。Niの含有量が5質量%以上であれば強度がより向上し、25質量%以下であれば延性に優れるとともに、Ni添加による導電率の低下が抑制される。Niの含有量は、10質量%より多いことが好ましい。Niが10質量%より多いものでは、溶解時に合金中へ溶解する炭素量が多くなり、後述する炭化物の形成がより効率的になる効果が期待できる。Niの含有量は14質量%以上、16質量%以下であることがより好ましい。Niの含有量が14質量%以上であれば、炭化物の形成がさらに効率的となり、16質量%以下では、延性にさらに優れるとともに、Ni添加による導電率の低下をより抑制することができる。
Snには、銅合金中に固溶して強度を向上させる効果が期待される。Snの含有量が5質量%以上であれば強度がより向上し、10質量%以下では延性を低下させることのあるSn富化相が生じにくい。Snの含有量は7質量%以上、9質量%以下であることがより好ましい。Snの含有量が7質量%以上であれば強度が更に向上し、9質量%以下であればSn富化相の生成をより抑制することができる。
元素AとしてのNbやZr、Tiには、銅合金中に含まれる炭素と炭化物を形成し、炭素単体が析出したり合金中に侵入型で炭素が固溶したりするのを抑制する効果が期待される。元素Aの含有量が0.005質量%以上であれば炭化物を形成しない炭素が多くなりすぎず、0.5質量%以下では溶湯の湯流れが良好であり鋳造欠陥の発生をより抑制できる。元素Aの含有量は、例えば0.01質量%以上0.3質量%以下としてもよい。元素AがNbの場合、含有量は、例えば0.01質量%以上0.1質量%以下としてもよい。元素AがZrの場合、含有量は、例えば0.03質量%以上0.3質量%以下としてもよい。元素AがTiの場合、含有量は、例えば0.01質量%以上0.25質量%以下としてもよい。なお、元素Aは、少なくとも一部が炭化物として存在するものと考えられるが、炭化物以外の形態で存在していてもよい。元素Aが炭化物として存在する場合、炭化物の粒径は、例えば、20μm以下としてもよく、10μm以下としてもよい。炭化物の粒径が大きすぎると、硬い炭化物を起点に割れが生じやすくなることが懸念される。
炭素(C)には、合金中に含まれる元素Aと炭化物を形成して、結晶粒径を微細化する効果が期待される。炭素の含有量が0.005質量%以上であれば、炭化物が十分に生成するため、凝固時の初晶の核生成が促進されて鋳造組織をより微細化したり、熱間加工後の溶体化熱処理時に転位のピン止め効果が有効に機能して再結晶粒の粗大化を抑制したりできる。炭素の含有量の下限は、例えば0.01質量%以上としてもよい。炭素の含有量の上限は、例えば0.2質量%以下としてもよいし、0.1質量%以下としてもよい。
本発明の銅合金では、元素Aに対する炭素のモル比、すなわち元素Aのモル量MA(mol)に対する炭素(C)のモル量MC(mol)の比であるモル比MC/MAが、10.0以下である。モル比MC/MAが10.0以下であれば、炭化物を形成しない過剰な炭素が合金中に残存するのを抑制し、熱間加工性の低下や最終製品の延性の低下を抑制できる。モル比MC/MAは、9.0以下としてもよく、8.4以下としてもよいし、8.0以下としてもよい。モル比MC/MAの下限は、例えば0.04以上としてもよく、0.1以上としてもよいし、0.2以上としてもよい。また、モル比MC/MAは、5.2以下としてもよいし、5.2を超え8.4以下の範囲としてもよい。
本発明の銅合金は、Mn、Zn、Mg、Ca、Al、Si、P、Bからなる群より選ばれる1種以上の添加元素を含有するものとしてもよい。これらの添加元素には、銅合金中に固溶して溶湯の脱酸や溶体化熱処理時の結晶粒の粗大化を防止する効果が期待される。添加元素としてはMnがより好ましい。添加元素の含有量は、例えば合計で1質量%以下などとすることができる。添加元素の含有量は、0.01質量%以上1質量%以下が好ましく、0.1質量%以上0.5質量%以下がより好ましく、0.15質量%以上0.3質量%以下がさらに好ましい。添加元素の含有量が0.01質量%以上であれば上述した効果が十分に期待できるが、1質量%を超える添加元素を添加しても更なる効果が認められない。
本発明の銅合金は、例えば、Cu−9質量%Ni−6質量%Sn組成のC72700材などをベースとするものとしてもよいし、Cu−21質量%Ni−5質量%Sn組成のものをベースとするものとしてもよいし、Cu−15質量%Ni−8質量%Sn組成のC72900材、C96900材などをベースとするものとしてもよい。なお、上記各組成は、例えば、各成分の含有量(質量%)が、その値を中心に±1質量%以内の範囲のものまで含むものとしてもよい。
本発明の銅合金は、残部がCu及び不可避的不純物であることが好ましい。例えば、本発明の銅合金は、Niを5質量%以上25質量%以下、Snを5質量%以上10質量%以下、元素A(但し、元素AはNb、Zr及びTiからなる群より選ばれる1以上)を0.005質量%以上0.5質量%以下、炭素を0.005質量%以上の範囲で含み、元素Aに対する炭素のモル比が10.0以下であり、残部がCu及び不可避的不純物であるものとしてもよい。また、本発明の銅合金は、Niを5質量%以上25質量%以下、Snを5質量%以上10質量%以下、上述した添加元素を0.01質量%以上1質量%以下、元素A(但し、元素AはNb、Zr及びTiからなる群より選ばれる1以上)を0.005質量%以上0.5質量%以下、炭素を0.005質量%以上の範囲で含み、元素Aに対する炭素のモル比が10.0以下であり、残部がCu及び不可避的不純物であるものとしてもよい。不可避的不純物としては、例えば、FeやPb、Bi、Cd、Sb、S、As、Se、Teのうち1以上などが挙げられるが、こうした不可避的不純物は合計で0.5質量%以下であることが好ましく、0.2質量%以下がより好ましく、0.1質量%以下がさらに好ましい。
本発明の銅合金は、ASTM E112の切断法で測定した結晶粒径が200μm以下であることが好ましく、100μm以下であることがより好ましく、50μm以下であることがさらに好ましい。結晶粒径が細かいと延性がより向上する。本発明の銅合金は、破断伸びが10%以上であることが好ましい。本発明の銅合金は、引張強度が915MPa以上であることが好ましい。本発明の銅合金の形状は、例えば、板、条、線、棒、管、ブロック状などでもよいし、それ以外の形状でもよい。
本発明の銅合金は、マトリクス中に元素A及び炭素が微細に分散している状態であることがが好ましい。このとき元素Aと炭素が炭化物を形成していてもよいし、Cu、Ni及びSnのいずれかひとつ以上の元素との合金相や金属間化合物を形成していてもよい。この銅合金は、硬化熱処理前の溶体化材であるものとしてもよい。この溶体化材は、その後に硬化熱処理を行うことによりスピノーダル分解を生じさせると、引張強度がより向上する。この溶体化材は、引張強度が915MPa未満であるものとしてもよい。
本発明の銅合金は、以下に示す銅合金の製造方法で製造されたものとしてもよい。この銅合金の製造方法は、例えば、(a)溶解鋳造工程、(b)均質化熱処理工程、(c)熱間加工工程、(d)溶体化熱処理工程、(e)硬化熱処理工程、を含むものとしてもよい。なお、溶解鋳造工程を含むものとすれば、下記(b)〜(e)の工程のいずれか1以上を適宜省略してもよい。以下、各工程について説明する。
(a)溶解鋳造工程
この工程では、原料を溶解し、鋳造を行う。原料は所望の組成が得られるものであれば特に限定されない。Cu、Ni、Sn、元素A(、添加元素)の原料としては、例えば、これらの単体やこれらのうちの2種以上を含む合金を用いることができる。炭素の原料としては、例えば、炉材、坩堝、溶湯の被覆材等として炭素を含むものを採用し、これを炭素の原料としてもよい。この場合、炉材、坩堝、溶湯の被覆材のうちの1つが炭素を含むものとしてもよいし、2つ以上が炭素を含むものとしてもよい。炉材、坩堝、溶湯の被覆材などに含まれる炭素は、黒鉛や、コークス、カーボンブラックなどとしてもよい。炉材や坩堝の種類、被覆材の種類や量、炭素との接触時間、炭素との接触温度、炭素との接触面積などを調整することで、銅合金中の炭素の含有量を調整できる。
溶解鋳造工程では、上述した本発明の銅合金の組成に応じて原料を用いるものとすればよい。例えば、Niを5質量%以上25質量%以下、Snを5質量%以上10質量%以下、元素A(但し、元素AはNb、Zr及びTiからなる群より選ばれる1以上)を0.005質量%以上0.5質量%以下、炭素を0.005質量%以上の範囲で含み、元素Aに対する炭素のモル比が10.0以下であり、残部がCu及び不可避的不純物からなるように原料を用いる。また、0.01質量%以上1質量%以下の範囲の添加元素(但し、Mn、Zn、Mg、Ca、Al、Si、P、Bからなる群より選ばれる1種以上)を更に含むように原料を用いてもよい。また、Niを14.0質量%以上16.0質量%以下の範囲で含み、Snを7.0質量%以上9.0質量%以下の範囲で含むように原料を用いてもよい。また、元素AがNbであり、Nbを0.005質量%以上0.1質量%以下の範囲で含むように原料を用いてもよい。あるいは、元素AがZrであり、Zrを0.005質量%以上0.3質量%以下の範囲で含むように原料を用いてもよい。あるいは、元素AがTiであり、Tiを0.005質量%以上0.25質量%以下の範囲で含むように原料を用いてもよい。また、元素Aに対する炭素のモル比が8.4以下であるように原料を用いてもよい。このような原料を用いれば、後工程の均質化熱処理工程、熱間加工工程、溶体化熱処理工程、硬化熱処理工程においても、同様の組成の原料(銅合金)を用いることになる。
鋳造方法は、全連続鋳造法、半連続鋳造法、バッチ鋳造法などとしてもよい。また、水平鋳造法、縦型鋳造法などとしてもよい。鋳塊の形状は、例えば、スラブ、ビレット、ブルーム、板、棒、管、ブロック状などでもよいし、それ以外でもよい。
(b)均質化熱処理工程
この工程では、工程(a)で得られた銅合金を熱処理して、後工程に悪影響を及ぼす不均一な組織、例えば鋳造時に非平衡的に生成したミクロ偏析や化合物などを解消または低減し、均質な組織とする。均質化熱処理は、例えば、700℃以上1000℃以下、好ましくは800℃以上900℃以下の温度範囲で3時間以上24時間以下、好ましくは8時間以上20時間以下保持する処理としてもよい。なお、NiやSnを多く含む銅合金では、NiやSnの偏析が生じやすいが、均質化熱処理を行うことにより、例えば、鋳塊中のNiやSnのミクロ偏析を解消または低減し、熱間加工時の割れの発生を抑制し、銅合金中の不均質なSn富化相の残留による伸びや疲労特性の悪化などを抑制することができる。なお、均質化熱処理工程は、ミクロ偏析やデンドライトアーム間隔が小さい等の品質を有する(即ち、後工程の溶体化熱処理工程によって均質な組織が得られる)鋳塊においては必ずしも必要ではない。
(c)熱間加工工程
この工程では、工程(a)又は工程(b)で得られた銅合金を所望形状に熱間で加工する。熱間加工の方法は、例えば、熱間圧延、熱間押出、熱間引抜、熱間鍛造などとしてもよく、これらのうちの2以上を組み合わせてもよい。熱間圧延は、平ロールを用いた平ロール圧延のほか、溝ロールを用いた溝ロール圧延などとしてもよい。熱間加工は、600℃以上900℃以下、好ましくは700℃以上900℃以下で行うものとしてもよい。熱間加工による断面減少率(=(熱間加工前の断面積−熱間加工後の断面積)/熱間加工前の断面積)は50%以上でもよいし、70%以上でもよいし、80%以上でもよい。熱間加工として熱間鍛造を行う場合、熱間鍛造による相当ひずみは0.5以上でもよいし、3以上でもよいし、5以上でもよい。なお、相当ひずみは、加工前後の断面積比の自然対数の絶対値の和とする。
(d)溶体化熱処理工程
この工程では、工程(a)〜工程(c)のいずれかで得られた銅合金を加熱後急冷して、CuにNiやSnを固溶させる。溶体化熱処理は、例えば、700℃以上950℃以下の温度範囲で5秒以上6時間以下保持し、直ちに水冷や油冷、空冷などにより20℃/s以上の降温速度で急冷を行う処理としてもよい。Cu−9質量%Ni−6質量%Sn組成やCu−21質量%Ni−5質量%Sn組成をベースとする銅合金では、750℃以上850℃以下の温度範囲で5秒以上500秒以下(好ましくは30秒以上240秒以下)保持し、直ちに水冷するのが好ましい。Cu−15質量%Ni−8質量%Sn組成をベースとする銅合金では、790℃以上870℃以下の温度範囲で0.75時間以上6時間以下(好ましくは1時間以上4時間以下)保持し、直ちに水冷するのが好ましい。
(e)硬化熱処理工程
この工程では、工程(d)で得られた銅合金を熱処理して、スピノーダル分解を生じさせ、銅合金を硬化させる。硬化熱処理は、例えば、300℃以上500℃以下の温度範囲で1時間以上10時間以下保持するものとしてもよい。Cu−15質量%Ni−8質量%Sn組成をベースとする銅合金では、320℃以上420℃以下の温度範囲で1時間以上10時間以下保持するものとしてもよい。Cu−9質量%Ni−6質量%Sn組成をベースとする銅合金では、300℃以上450℃以下の温度範囲で、2時間以上3時間以下保持するものとしてもよい。Cu−21質量%Ni−5質量%Sn組成をベースとする銅合金では、350℃以上500℃以下の温度範囲で、2時間以上3時間以下保持するものとしてもよい。なお、薄板をミルハードン熱処理する場合は薄板の熱容量が小さいため、上述した各保持時間よりも短い時間保持してもよい。
以上説明した本発明の銅合金は、延性に優れている。このため、例えば、高強度で、かつ破断伸びが大きいことが要求される製品に適用できる。また、例えば、高温での延性に優れているため、熱間加工時の割れなどが生じにくい。また、溶体化熱処理及び硬化熱処理を行ったものでは、高強度で、かつ材料の延性やシャルピー衝撃値がより大きいため、より高い信頼性が求められる用途にまで適用範囲を拡大することが期待できる。なお、Snを多く含有する銅合金は、一般的に熱間加工時に割れが発生しやすい。これに対して、本発明の銅合金は、Snを比較的多く含むが熱間加工時の割れが生じにくい。また、Niを多く含有する銅合金では、一般に銅合金中に溶解した炭素が凝固後に黒鉛として析出してその後の熱間加工時や最終製品の延性を低下させることがある。合金中の炭素の黒鉛としての析出が確認できない場合でも、合金中に固溶する炭素原子が、材料が塑性変形する際の転位の移動を阻害し、熱間加工時や最終製品の延性を低下させることがある。これに対して、本発明の銅合金は、Niを比較的多く含むが熱間加工時や最終製品の延性が良好である。
また、本発明の銅合金は、延性に優れており、熱間加工や冷間加工での加工性が良好なため、製造方法や製品形状の選択肢が豊富である。というのも、従来、熱間加工の困難なCu−Ni−Sn系の銅合金は、比較的製品サイズに近い寸法で鋳造が行える水平連続鋳造法で板を鋳造し、その後冷間圧延と焼鈍とを繰り返して薄板などの条製品に加工されていた。これに対して、本発明の組成を有する銅合金は、延性に優れており、鋳塊の熱間鍛造や熱間圧延等の熱間加工時に発生する割れが生じにくいため、鋳塊の寸法や形状に関わらず、熱間加工によって製品の寸法や形状又は製品に近い寸法や形状にまで比較的容易に加工できるため、水平連続鋳造法以外の鋳造法を採用できる。また、従来の水平連続鋳造法では、大ロットで一度に大量生産する場合はさほど問題にならないが、少量ロットで製造する場合は横型の炉内に湯が残りやすく、この残湯が歩留りを悪くするという問題があった。これに対して、本発明の銅合金では、例えば縦型連続鋳造法を適用可能であり、小ロットでも歩留まり良く鋳造できるため、全連続鋳造法だけでなく半連続鋳造法でも好適に鋳造できる。また、縦型連続鋳造法を適用可能なため、丸鋳塊や角鋳塊を容易に得ることができる。こうした丸鋳塊や角鋳塊を用いることで、例えば、断面の縦と横の比が1に近く、かつ断面積が大きなブロック状やビレット状の鍛造品などを比較的容易に製造できる。また、熱間加工や冷間加工での加工性が良好なため、種々の製品形状に加工することができ、適用範囲を薄板製品や条製品以外の用途にまで拡大することが期待できる。
本発明の銅合金は、高強度、低摩擦係数を有するCu−Ni−Sn系銅合金であるため、例えば、軸受けなどの摺動部材や、棒、管、ブロックなどの構造材として好適に用いることができる。また、高強度で導電性、曲げ成形性に優れているため、ワイヤー、コネクターの板バネ(薄板条材)などの導電部材として好適に用いることができる。また、応力緩和特性に優れているため高温環境で使用されるバーインソケット用端子、リレー端子、スプリングなどの端子部材として好適に用いることができる。
なお、本発明は上述した実施形態に何ら限定されることはなく、本発明の技術的範囲に属する限り種々の態様で実施し得ることはいうまでもない。
例えば、上述した実施形態では、銅合金の製造方法は、上述した工程(a)〜(e)を含むものとしたが、こうしたものに限定されない。例えば、工程(b)〜(e)を省略し、工程(a)だけとしてもよい。こうして得られたAsCast材は、工程(b)〜(e)などに用いるのに適しており、加工性が良好で、伸びや強度の大きな製品を得ることができる。また、工程(c)〜(e)を省略してもよいし、工程(d)〜(e)を省略してもよいし、工程(e)を省略してもよい。こうして得られた材料は、省略した工程などに用いるのに適している。
また、銅合金の製造方法は、工程(d)と工程(e)との間に、冷間加工工程を含んでもよい。冷間加工の方法は、例えば、冷間圧延、冷間押し出し、冷間引き抜き、冷間鍛造などとしてもよく、これらのうち2以上を組み合わせてもよい。また、工程(c)に代えて冷間加工工程を行ってもよいし、工程(c)と工程(d)との間に冷間加工工程を含んでもよく、このとき冷間加工工程と焼鈍工程とを繰り返し行ってもよい。冷間加工の方法は、上述した方法としてもよい。
以下には、銅合金を具体的に作製した例について実験例として説明する。なお、実験例3,4,6,8〜16,18,20,21が本発明の実施例に相当し、実験例1,2,5,7,17,19が比較例に相当する。本発明は、以下の実験例に何ら限定されることはなく、本発明の技術的範囲に属する限り種々の態様で実施し得ることはいうまでもない。
[実験例1〜16]
(銅合金の作製)
電気銅、電解ニッケル、スズ及び35質量%Mn−Cuを含む原料を高周波誘導溶解炉にてアルゴン雰囲気中で黒鉛製坩堝またはセラミックス製坩堝を用いて溶解し、15質量%Ni−8質量%Sn−0.2質量%Mn銅合金ベースで表2の添加元素を含むφ110×200mmの鋳塊を得た。Nb源としては60質量%Nb−Niを、Zr源としては金属Zrを、Ti源としては金属Tiを用いた。炭素源としては必要に応じて黒鉛含有溶湯被覆材を用い、溶湯に入れる被覆材の種類や量、溶湯と被覆材とが接触する時間、溶湯保持温度などを変えることで、炭素の含有量を調整した。なお、表中の元素Aの量は元素Aの湿式分析(ICP)による分析値とし、表中の炭素の量は酸素気流中燃焼−赤外線吸収法による炭素分析装置で分析した値とした。
鋳塊を900℃で8時間保持して均質化熱処理した後、熱間溝ロール加工用素材としてφ42×95mmの丸棒を切出した。この丸棒を850℃に加熱し、溝ロール加工で断面形状が約16×16mmの角棒に圧延した。溝ロール加工後の割れの発生状況を表2に示した。加工後の割れの評価は、加工の途中で破断し加工を中断したものを「破断」、深さが3mm以上の亀裂が長さ100mmの範囲に5箇所以上のものを「大」、深さが3mm以上の亀裂が長さ100mmの範囲に1箇所以上4箇所以下のものを「やや大」、深さが3mm以上の亀裂が存在せず、深さが3mm未満の亀裂が長さ100mmの範囲に5箇所以上のものを「中」、深さが3mm以上の亀裂が存在せず、深さが3mm未満の亀裂が長さ100mmの範囲に4箇所以下のものを「小」とした。参考として、図1に、実験例2,4,9,12の溝ロール加工後の外観写真を示した。
溝ロール加工後の角棒を830℃で2時間加熱後直ちに水冷する溶体化処理をした後、370℃で4時間の硬化熱処理をした。この角棒から加工した引張試験片を用いて、室温で引張試験(JIS Z 2241に準拠、以下同じ)を実施した。引張試験結果を表2に示した。
(実験結果と考察)
元素Aを添加していない実験例1,2では、熱間溝ロール加工時の割れ発生が著しく、引張試験片を加工できないか、引張試験における伸びが著しく小さかった。これに対して、元素Aを添加した実験例3〜16では、実験例1,2よりも熱間溝ロール加工時の割れの発生が小さく、引張試験における伸びが大きかった。
元素AとしてNbを添加した実験例3〜6,13,14のうち、炭素を0.005質量%以上含む実験例3,4,6,13,14では、炭素を0.002質量%含む実験例5よりも、伸びや引張強度が大きかった。これは、Niを比較的多く含むCu合金では、炭素を多く含むと延性が低下する(脆くなる)傾向にあるという一般的な認識を覆す結果であった。実験例1〜6の金属組織を観察した結果、実験例3,4,6にはNb炭化物と推察される相(粒径は大きいもので3〜5μm程度)が数多く観察されたのに対して、実験例1,2,5では炭化物と推察される相が皆無又は極僅かであった。図2に、実験例6の鋳塊の電子顕微鏡写真(COMPO像、以下同じ)及びEPMA分析結果(炭素及びニオブの特性X線像)を示す。COMPO像の白い粒子状の相と、特性X線像で炭素やニオブの存在を示す白い部分とが同じ位置に確認されることから、この相はNb炭化物相であると推察された。実験例4,5,6の硬化熱処理後の金属組織の平均結晶粒径をASTM E112の切断法で測定した結果、それぞれ45μm,211μm,115μmであった。以上より、Nbや炭素を適度に含むものでは、炭素がNbとの炭化物の形成に利用されることによって、延性が低下する(脆くなる)原因である炭素単体が低減されるとともに、Nb炭化物によるピン止めの効果によって結晶粒が微細化して伸びや引張強度が大きくなると推察された。
元素AとしてZrを添加した実験例7〜11,15,16のうち、モル比MC/MAが10.0以下の実験例8〜11,15,16では、モル比MC/MAが10.3の実験例7よりも、伸びや引張強度が大きかった。また、実験例7よりも炭素の含有量が多い実験例9では、実験例7よりも伸びや引張強度が大きかった。以上より、炭素の含有量の上限は、元素Aの含有量によって変化し、モル比MC/MAの値が大きいと、Zr炭化物を形成していない炭素が過剰に存在するため、その炭素が伸びを小さくしていると推察された。図3に、実験例9の鋳塊の金属組織の電子顕微鏡写真とEPMAマッピング結果を示す。また、図4に、実験例8硬化熱処理後の銅合金の電子顕微鏡写真とEPMAマッピング結果を示す。図3,4のEPMAマッピング結果において、CPと記載されている像はマッピング実施箇所のCOMPO像であり、Zr、Cu、C、Ni、Snと記載されている像は各成分のEPMAマッピング像である。マッピング像は、元はカラー画像であり、白っぽく見えている部分で各成分の量が多くなっている。COMPO像の角ばった相に対応する部分では、EPMAマッピング像で炭素やZrが多く確認され、CuやNi、Snが少なくなっていた。このことから、角ばった相はZr炭化物相であると推察された。さらに、COMPO像(×3000)で、Zr炭化物相であると推察された相(各3箇所)について、組成分析した。その結果を表1に示す。表1に示すように、この相は、Zrと炭素とのモル比がほぼ1:1であったことから、ZrC相であると推察された。実験例8の硬化熱処理後の金属組織の平均結晶粒径をASTM E112の切断法で測定した結果、48μmであった。なお、実験例9,11についても同様に硬化熱処理後の金属組織の平均結晶粒径を測定した結果、どちらも35μmであった。以上より、Zrや炭素を適度に含むものでは、炭素がZrとの炭化物の形成に利用されることによって延性が低下する(脆くなる)原因が除去または低減されるとともに、Zr炭化物による転移のピン止め効果によって結晶粒が微細化して伸びや引張強度が大きくなると推察された。比較のため、図5に、実験例2の電子顕微鏡写真及びEPMAマッピング像を示した。図5より、元素Aを添加していないものでは、炭素が析出し、こうした組織が延性を低下させているものと推察された。
元素AとしてTiを添加した実験例12でも伸びや引張強度が大きかった。以上より、Tiや炭素を適度に含むものでは、炭素がTiとの炭化物の形成に利用されることによって延性が低下する(脆くなる)原因が除去または低減されるとともに、Ti炭化物によるピン止めの効果によって結晶粒が微細化して伸びや引張強度が大きくなると推察された。
[実験例17,18]
(銅合金の作製)
電気銅、電解ニッケル、スズ、35質量%Mn−Cuを含む原料を高周波誘導溶解炉にてアルゴン雰囲気中で黒鉛坩堝を用いて溶解し、15質量%Ni−8質量%Sn−0.2質量%Mn銅合金ベースで表3の添加元素を含む鋳塊を得た。鋳塊の健全部の寸法はいずれもφ275×500mmであった。Nb源は60質量%Nb−Niとした。炭素源は黒鉛坩堝とし、黒鉛坩堝と溶湯との接触時間や溶湯保持温度を調整することで、炭素量を調整した。
鋳塊を900℃で8時間保持して均質化熱処理した後、表面を面削した鋳塊を850℃で熱間押出しして、約φ100mmの丸棒を得た。この丸棒を830℃で2時間加熱後直ちに水冷する溶体化処理をした後、370℃で4時間の硬化熱処理をした。この丸棒から加工した引張試験片を用いて、室温で引張試験を実施した。引張試験結果を表3に示した。
(実験結果と考察)
元素Aを添加した実験例18では、元素Aを添加していない実験例17よりも、引張試験における伸びが大きかった。また、実験例14では、引張強度も全体的に高かった。
[実験例19〜21]
電気銅、電解ニッケル、スズ、35質量%Mn−Cuを含む原料を高周波誘導溶解炉にてアルゴン雰囲気中で黒鉛坩堝を用いて溶解し、15質量%Ni−8質量%Sn−0.2質量%Mn銅合金をベースとし、表4の添加元素を含む鋳塊を得た。鋳塊の健全部の寸法はいずれもφ275×380mmであった。Nb源は60質量%Nb−Niとし、Zr源は金属Zrとした。炭素源は実験例17,18と同様黒鉛坩堝とした。
表面を面削した鋳塊を900℃で8時間保持して均質化熱処理した後、素材の温度を850℃とし、最終的に相当ひずみが6である約φ180×600mmの丸棒を目標として熱間鍛造した。
元素Aを添加していない実験例19では、相当ひずみ0.7で据込み加工した時点で鋳塊の側面に複数の大きな割れが発生したため、以降の鍛造を中止した。元素Aを添加した実験例20,21では、据込みと鍛伸加工を交互に繰返して、途中で比較的小さな表面の皺や割れを研削で除去しながら相当ひずみ6まで鍛造することができた。なお、実験例20では最終の鍛伸加工時に丸棒の一端に切断除去できる程度の割れが発生したが、実験例21では最後まで著しい割れもなく鍛造を終了することができた。実験例19〜21の鍛造品の外観を図6〜8に示す。以上より、本発明の銅合金は、熱間鍛造も可能であり、比較的容易に様々な形状に加工できるため、種々の用途に適用範囲を拡大することが期待できることがわかった。
本発明は、銅合金に関連する分野に利用可能である。

Claims (20)

  1. Niを5質量%以上25質量%以下、Snを5質量%以上10質量%以下、元素A(但し、元素AはNb、Zr及びTiからなる群より選ばれる1以上)を0.005質量%以上0.5質量%以下、炭素を0.005質量%以上の範囲で含み、元素Aに対する炭素のモル比が10.0以下であり、残部がCu及び不可避的不純物である、銅合金。
  2. 添加元素(但し、Mn、Zn、Mg、Ca、Al、Si、P、Bからなる群より選ばれる1種以上)を0.01質量%以上1質量%以下の範囲で更に含む、請求項1に記載の銅合金。
  3. Niを14.0質量%以上16.0質量%以下の範囲で含み、Snを7.0質量%以上9.0質量%以下の範囲で含む、請求項1又は2に記載の銅合金。
  4. 前記元素AがNbであり、Nbを0.005質量%以上0.1質量%以下の範囲で含む、請求項1〜3のいずれか1項に記載の銅合金。
  5. 前記元素AがZrであり、Zrを0.005質量%以上0.3質量%以下の範囲で含む、請求項1〜3のいずれか1項に記載の銅合金。
  6. 前記元素AがTiであり、Tiを0.005質量%以上0.25質量%以下の範囲で含む、請求項1〜3のいずれか1項に記載の銅合金。
  7. 前記元素Aは少なくとも一部が炭化物として存在する、請求項1〜6のいずれか1項に記載の銅合金。
  8. 前記元素Aに対する炭素のモル比が5.2を超え8.4以下である、請求項1〜7のいずれか1項に記載の銅合金。
  9. 破断伸びが10%以上である、請求項1〜8のいずれか1項に記載の銅合金。
  10. 引張強度が915MPa以上である、請求項1〜9のいずれか1項に記載の銅合金。
  11. Niを5質量%以上25質量%以下、Snを5質量%以上10質量%以下、元素A(但し、元素AはNb、Zr及びTiからなる群より選ばれる1以上)を0.005質量%以上0.5質量%以下、炭素を0.005質量%以上の範囲で含み、元素Aに対する炭素のモル比が10.0以下であり、残部がCu及び不可避的不純物からなる原料を溶解、鋳造する溶解鋳造工程、
    を含む銅合金の製造方法。
  12. 請求項11に記載の銅合金の製造方法であって、
    前記溶解鋳造工程を経た銅合金を700℃以上1000℃以下の温度範囲、且つ3時間以上10時間以下の時間範囲で均質化熱処理を行う均質化熱処理工程、を含む銅合金の製造方法。
  13. 請求項11又は12に記載の銅合金の製造方法であって、
    前記溶解鋳造工程を経た銅合金を700℃以上で加熱したのち20℃/s以上の降温速度で急冷を行い固溶体を得る溶体化熱処理工程、を含む銅合金の製造方法。
  14. 請求項11〜13のいずれか1項に記載の銅合金の製造方法であって、
    前記溶解鋳造工程を経た銅合金を熱処理して、スピノーダル分解を生じさせ、該銅合金を硬化させる硬化熱処理工程、を含む銅合金の製造方法。
  15. 前記溶解鋳造工程では、0.01質量%以上1質量%以下の範囲の添加元素(但し、Mn、Zn、Mg、Ca、Al、Si、P、Bからなる群より選ばれる1種以上)を更に含む前記原料を用いる、請求項11〜14のいずれか1項に記載の銅合金の製造方法。
  16. 前記溶解鋳造工程では、Niを14.0質量%以上16.0質量%以下の範囲で含み、Snを7.0質量%以上9.0質量%以下の範囲で含む前記原料を用いる、請求項11〜15のいずれか1項に記載の銅合金の製造方法。
  17. 前記溶解鋳造工程では、前記元素AがNbであり、Nbを0.005質量%以上0.1質量%以下の範囲で含む前記原料を用いる、請求項11〜16のいずれか1項に記載の銅合金の製造方法。
  18. 前記溶解鋳造工程では、前記元素AがZrであり、Zrを0.005質量%以上0.3質量%以下の範囲で含む前記原料を用いる、請求項11〜17のいずれか1項に記載の銅合金の製造方法。
  19. 前記溶解鋳造工程では、前記元素AがTiであり、Tiを0.005質量%以上0.25質量%以下の範囲で含む前記原料を用いる、請求項11〜18のいずれか1項に記載の銅合金の製造方法。
  20. 前記溶解鋳造工程では、前記元素Aに対する炭素のモル比が8.4以下である前記原料を用いる、請求項11〜19のいずれか1項に記載の銅合金の製造方法。
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