以下、この発明の実施形態について図面を参照して説明する。ここでは、本発明にかかる遊技機の適例としてのパチンコ遊技機について説明を行う。
図1に示すように、本実施形態の遊技機100は、矩形枠状に構成された機枠110を備え、機枠110の前面側には、該機枠110に対して前方向へ扉状に回動可能に矩形枠状の前面枠120が軸着されている。
前面枠120は、当該前面枠120に備えられる各種部材等の取付用のベースとなる前面枠本体130と、当該前面枠本体130に対して、その前面側に回動可能に軸支されたクリア部材保持枠140と、前面枠本体130の前面のクリア部材保持枠140の下側に取り付けられた発射操作ユニット150と、を有する。
前面枠本体130は、矩形枠状の機枠110の前面側をちょうど覆うような概略矩形板状に構成されるとともに、その中央から上端部に渡る部分に遊技盤1を嵌め込んで収容するための方形状の開口部が形成されている。そして、前面枠本体130に収容された遊技盤1の前面が前面枠本体130の開口部から前側に臨むようになっている。すなわち遊技盤1は、前面枠本体130に嵌め込まれることで前面枠120に取り付けられている。
また、前面枠本体130の遊技盤1が嵌め込まれた開口部、すなわち、前面枠本体130の中央より少し下側から上端部にわたる部分には、前面枠本体130の前側を覆うクリア部材保持枠140が配置されており、遊技盤1の前面とクリア部材保持枠140に嵌め込まれたクリア部材としてのガラス板141との間で、遊技盤1の前面に設けられたガイドレール2に囲まれた部分が、遊技球が発射されて流下する遊技領域1aとされている。
また、クリア部材保持枠140の一方の側部(遊技機100の前面側から見て左側の側部)は、前面枠本体130の一方の側部に回動可能に軸支されて、扉状に開閉自在とされ、クリア部材保持枠140を開くことにより、遊技盤1の前面側の遊技領域1aの前側を開放可能となっている。クリア部材保持枠140には、前面枠本体130の開口部をほぼ閉塞するように、該開口部に嵌め込まれた遊技盤1との間に遊技球が流下可能な遊技領域1aとなる間隔を開けて二重のガラス板141が固定されている。そして、クリア部材保持枠140において、遊技機100の前側からガラス板141を介して遊技盤1の前面側の少なくとも遊技領域1aの部分が視認可能となっている。また、クリア部材保持枠140の前面であって、ガラス板141が固定されて遊技領域1aを視認可能とする部分の周囲には、枠装飾装置としての装飾ランプ・LED144、音声を出力するスピーカ145,145などが設けられている。
また、前面枠本体130に軸着されたクリア部材保持枠140の開放端側となる前面側から見て右側の端部の前面には、施錠装置の一部をなす鍵穴143が形成されている。この鍵穴143は、前面枠本体130の施錠装置の一部であるとともに、クリア部材保持枠140の施錠装置の一部でもあって、鍵穴143に鍵を入れて一方(例えば左回り)に回すと前面枠本体130の施錠が解除され、他方(例えば右回り)に回すとクリア部材保持枠140の施錠が解除されるようになっている。
また、前面枠本体130の前面側のクリア部材保持枠140の下側には、発射操作ユニット150が取り付けられている。発射操作ユニット150は、左右側部のうちの一側部となる左側部を前面枠本体130に軸着されて、左右方向に回動して開閉自在な開閉パネル151とその下の下部パネル152とからなる。開閉パネル151は、排出された遊技球を貯留するとともに、遊技球を発射する発射装置52(図2に図示)に遊技球を送る上皿153を有している。この上皿153の周囲には、遊技者が操作可能な演出用ボタン158が設けられている。また、開閉パネル151の下側の下部パネル152には、上皿153に収容しきれない遊技球を収容する下皿154及び灰皿155と、遊技領域1aに向けての遊技球の発射操作を行うとともに、該遊技領域1aに遊技球を発射する際の発射勢を調節するための操作ハンドル156、音声を出力するスピーカ157などが設けられている。
遊技盤1は、各種部材の取付ベースとなる平板状の遊技盤本体1b(木製もしくは合成樹脂製)を備え、該遊技盤本体1bの前面にガイドレール2で囲まれた遊技領域1aを有している。また、遊技盤本体1bの前面であってガイドレール2の外側には、前面構成部材3,3,…が取り付けられている。そして、このガイドレール2で囲まれた遊技領域1a内に発射装置から遊技球(打球;遊技媒体)を発射して遊技を行うようになっている。
遊技領域1a内には、普図始動ゲート4と、普図変動表示ゲームの未処理回数を表示する普図記憶表示器(図示略)、普図の変動表示ゲームを表示する普図表示器(図示略)が設けられている。また、遊技領域1a内には、始動入賞口をなす普通変動入賞装置7、始動入賞装置13,13と、補助ゲームとしての第一補助ゲームをなす特図変動表示ゲームの未処理回数を点灯表示する特図記憶表示器(図示略)、特図変動表示ゲームを表示する特図表示器(図示略)が設けられている。なお、普図記憶表示器、普図表示器、特図記憶表示器、特図表示器は、遊技状態を表す遊技状態表示LEDと併せて、遊技用セグメントLED5(図2に図示)として一体に設けられている。また、遊技領域1a内には、補助ゲームとしての第二補助ゲームを行う変動入賞装置80、各種情報を表示可能な演出表示装置15を備えた装飾装置14が設けられている。
また、遊技領域1aには、入賞口などに入賞しなかった遊技球を回収するアウト穴11が設けられている。さらに、遊技領域1aには、一般入賞口12,12,12、打球方向変換部材としての風車(図示略)、多数の障害釘(図示略)などが配設されている。
普図始動ゲート4内には、該普図始動ゲート4を通過した遊技球を検出するための普図始動センサ4a(図2に図示)が設けられている。そして、遊技領域1a内に打ち込まれた遊技球が普図始動ゲート4内を通過すると、普図変動表示ゲームが行われる。また、普図変動表示ゲームを開始できない状態、例えば、既に普図変動表示ゲームが行われ、その普図変動表示ゲームが終了していない状態や、普図変動表示ゲームが当って普通変動入賞装置7が開状態に変換されている場合に、普図始動ゲート4を遊技球が通過すると、普図始動記憶数の上限数未満でならば、普図始動記憶数が1加算されて普図始動記憶が1つ記憶されることとなる。なお、普図変動表示ゲームの始動記憶は普図記憶表示器にて表示される。
普図変動表示ゲームは普図表示器で実行されるようになっており、この普図変動表示ゲームの停止表示が特別の結果態様となれば、普図の当たりとなって、普通変動入賞装置7の開閉部材7a,7aが所定時間(例えば、0.5秒間)開放される。これにより、普通変動入賞装置7に遊技球が入賞しやすくなり、特図変動表示ゲームの始動が容易となる。
普通変動入賞装置7は左右一対の開閉部材7a,7aを具備し、この開閉部材7a,7aは、常時は遊技球の直径程度の間隔をおいた閉じた状態(遊技者にとって不利な状態)を保持しているが、普図変動表示ゲームの結果が所定の停止表示態様となった場合には、駆動装置としてのソレノイド(普電開閉SOL7b、図2に図示)によって、逆「ハ」の字状に開いて普通変動入賞装置7に遊技球が流入し易い状態(遊技者にとって有利な状態)に変化させられるようになっている。この普通変動入賞装置7は特図変動表示ゲームの始動入賞口も兼ねている。また、始動入賞装置13,13も特図変動表示ゲームの始動入賞口をなす。
すなわち、普通変動入賞装置7の内部(入賞領域)に備えられた第一特図始動センサ7cが遊技球を検出することにより、検出信号が遊技制御装置30に始動入力として入力され、補助ゲームとしての第一補助ゲームをなす特図変動表示ゲームを開始する始動権利が発生するようになっている。また、始動入賞装置13,13の内部(入賞領域)にそれぞれ備えられた第二特図始動センサ7d、第三特図始動センサ7eが遊技球を検出することによっても検出信号が遊技制御装置30に始動入力として入力され、補助ゲームとしての第一補助ゲームをなす特図変動表示ゲームを開始する始動権利が発生するようになっている。よって、第一特図始動センサ7c、第二特図始動センサ7d、第三特図始動センサ7eが始動検出手段をなす。
この特図変動表示ゲームを開始する始動権利は、所定の上限数(例えば4)の範囲内で始動記憶(特図始動記憶)として記憶される。従って、特図変動表示ゲームが開始可能な状態で、且つ、始動記憶数が0の状態で、普通変動入賞装置7もしくは始動入賞装置13,13に遊技球が入賞すると、始動権利の発生に伴って始動記憶が記憶されて、始動記憶数が1加算されるととともに、直ちに始動記憶に基づいて、特図変動表示ゲームが開始され、この際に始動記憶数が1減算される。
一方、特図変動表示ゲームが直ちに開始できない状態、例えば、既に特図変動表示ゲームが行われ、その特図変動表示ゲームが終了していない状態や、特別遊技状態となっている場合に、普通変動入賞装置7もしくは始動入賞装置13,13に遊技球が入賞すると、始動記憶数が上限数未満ならば、始動記憶数が1加算されて始動記憶が1つ記憶されることになる。そして、始動記憶数が1以上となった状態で、特図変動表示ゲームが開始可能な状態となると、始動記憶数が1減算されるとともに、記憶された始動記憶に基づいて特図変動表示ゲームが開始される。なお、特図変動表示ゲームの始動記憶は特図記憶表示器にて表示される。
補助ゲームとしての第一補助ゲームをなす特図(特別図柄、識別情報)変動表示ゲームは、遊技領域1a内に設けられた7セグからなる特図表示器で実行されるようになっており、複数の識別情報を変動表示したのち、所定の結果態様を停止表示することで行われる。この特図変動表示ゲームの結果として、特図表示器の表示態様が大当り態様(例えば、「7」)となった場合は、大当たりとなって特別遊技状態(いわゆる、大当たり状態)となる。また、この特図変動表示ゲームの結果として、特図表示器の表示態様が小当り態様(例えば、「3」)となった場合は、小当りとなって補助ゲームとしての第二補助ゲームが実行される。なお、遊技機100に特図表示器を備えずに(補助ゲームとしての第一補助ゲームを行わずに)、始動入賞口をなす普通変動入賞装置7、始動入賞装置13,13への入賞に基づき補助ゲームとしての第二補助ゲームを行うようにしても良い。
遊技領域1aの略中央に設けられた変動入賞装置80は、遊技盤1に形成された取付開口部に遊技盤1の前面側から取り付けられるものであり、前方側が開放し、遊技盤1の後方に延在する入賞空間81を有する。また、変動入賞装置80の前面側は、遊技盤1の前面を覆うガラス板141の近傍まで突出した状態となっており、後述する可動部材87,87が開いた場合以外は変動入賞装置80内に遊技球が入らないようになっている。
入賞空間81の上部には、上部構造部材(鎧部材)85が遊技盤1の表面より前方に突出するように設けられ、変動入賞装置80の上部の装飾装置として機能している。さらに、上部構造部材85は、変動入賞装置80の上方から流下する遊技球が入賞空間81に入ることを防止するとともに、その遊技球を左右方向に誘導するようになっている。
上部構造部材85の下側の左右側部には、変動入賞装置80の入賞口となる流入口86,86が設けられており、この左右の流入口86,86には、流入口86,86を開閉する可動部材87,87がそれぞれ設けられている。この可動部材87,87は、その下端部に回動中心を有しており、遊技制御装置30により制御される開閉ソレノイド(可動部材SOL87a、図2に図示)によって左右に回動可能となっている。
そして、可動部材87,87が略垂直に立った状態においては、可動部材87,87が流入口86,86を塞いだ状態となり変動入賞装置80へ入賞できない状態となる。すなわち、この状態が遊技者にとって不利な閉状態となる。これに対して、左右の可動部材87,87が下端部を中心にそれぞれ変動入賞装置80から離れる方向に回動した状態においては、可動部材87,87が、逆「ハ」の字状に開いて流入口86,86を開放した状態となり、変動入賞装置80への入賞が可能な状態となる。すなわち、この状態が遊技者にとって有利な開状態となる。なお、可動部材87,87は付勢部材によって通常時は閉じた状態(閉状態)を保つようになっている。
この可動部材87,87は、第二補助ゲームの発生条件の成立(ここでは特図変動表示ゲーム表示ゲームの結果態様が小当りになること)に基づく第二補助ゲームにおいて、可動部材SOL87a(図2に図示)の駆動によって所定態様で開状態に変換され、変動入賞装置80への入賞の機会が得られるようになっている。また、小当たりの種類によって、例えば、可動部材87,87が開放動作(開状態に変換)し、所定時間経過後(ここでは0.5秒経過後)に再び閉鎖動作(閉状態に変換)するといった所定の態様の開放動作を1回行う第二補助ゲームか、可動部材87,87が所定の態様の開放動作(ここでは開放時間0.8秒の開放動作)を所定時間(ここでは0.8秒)の閉鎖動作をはさんで2回行う第二補助ゲームの何れかが行われるようになっている。
入賞空間81の上部であって流入口86,86の近傍には、左右の流入口86,86に流入した遊技球を検出可能な位置に、それぞれ右カウントセンサ88a、左カウントセンサ88b(図2に図示)が設けられている。この右カウントセンサ88a、左カウントセンサ88bは、遊技球が通過可能な検出部を有し、検出部を遊技球が通過したときに検出信号を出力するようになっている。そして、この検出信号を後述する遊技制御装置30でカウントすることで、変動入賞装置80に入賞した遊技球の数を計数することができる。すなわち、この右カウントセンサ88a、左カウントセンサ88bが、変動入賞装置80に受け入れた遊技球を検出する入賞球検出手段をなす。また、この検出信号に基づき所定数(例えば10個)の賞球が排出装置51から排出される。
また、入賞空間81の上部であって流入口86,86の下方には、上方に開口するとともに前後方向に延在する樋状の上部流路形成部材89が設けられている。この上部流路形成部材89は後方へ向かって下るように形成され、左右の流入口から流入した遊技球を集合して下方の入賞空間81の後方へ流下誘導するようになっている。
入賞空間81には、貯留装置82、棚部材83、床部が設けられている。貯留装置82は、遊技球を貯留可能な矩形箱状の貯留部82aを備えており、該貯留部82aは、遊技球を貯留可能となるように開口部を上方に向けた貯留状態と、貯留した遊技球を排出可能となるように開口部を前方に向けた貯留解除状態とに変換可能となっている。なお、貯留部82aは、貯留状態において上部流路形成部材89を流下した遊技球を受け入れ可能な位置に配されるようになっている。このように貯留状態と貯留解除状態に変換可能な貯留部82aは、人形モータ82b(図2に図示)により駆動されるようになっている。また、人形モータ82bの回転位相は、人形モータセンサ82c(図2に図示)により検出可能となっており、遊技制御装置30は、この人形モータセンサ82cからの情報に基づき、貯留装置82の状態を検出可能となっている。
棚部材83は、貯留装置82の前方を除く周囲を囲むような略U字型をした板状の部材で、側端及び後端が入賞空間81の左右の側壁及び後壁に沿って配されている。この棚部材83は前方に向かって下るように傾斜しており、上部流路形成部材89を流下したが貯留部82aに貯留されなかった遊技球を受けるとともに前方に誘導して、前端から下方に形成された床部へ流下させるようになっている。
床部は棚部材83の下面よりも遊技球の直径以上下方に離れた位置にあって、その上面が後方に向かって下る傾斜面となっていて、棚部材83や貯留装置82からの遊技球が入賞空間81の前端側に位置する上流側部分に流入するようになっている。この床部には遊技球の流下方向を変化させる流下方向変換部材が設けられているとともに、傾斜下流側となる後端部(奥部)には、左右方向の中央に特別入賞口が形成され、その左右両側に一般入賞口が形成されている。よって、床部を流下した遊技球は特別入賞口と一般入賞口の何れかに流入するようになっている。また、特別入賞口には、入賞した遊技球を検出する特別検出手段をなす特定領域センサ90(図2に図示)が設けられている。この特定領域センサ90によって遊技球が検出されることで、検出信号が遊技制御装置30に特別入力として入力され、特別遊技状態の発生等の処理が行われるようになっている。
また、入賞空間81の下部には、床部を流下して特別入賞口もしくは一般入賞口に流入した遊技球を回収する回収流路が形成されている。この回収流路には流下する遊技球を検出可能な残存球排出口センサ94(図2に図示)が設けられており、遊技制御装置30はこの残存球排出口センサ94からの情報に基づき、変動入賞装置80から流出するすべての遊技球を検出できるようになっている。
また、変動入賞装置80における流入口86,86の近傍と床部の下側には、磁気を検出する磁気センサ17が設けられている。さらに、変動入賞装置80の近傍には、遊技機に与えられた振動を検出する振動センサ18が設けられている。この磁気センサ17、振動センサ18は遊技機100の異常を検出するための異常検出手段をなすものであって、後述するように、磁気センサ17により磁石による不正行為を検出し、振動センサ18により振動による不正行為を検出するようになっている。
また、遊技領域1aに設けられた各一般入賞口12には、一般入賞口12に入った遊技球を検出するための一般入賞口センサ12a(図2に図示)が配設されている。そして、遊技を開始することにより遊技領域1a内に打ち込まれた遊技球が、一般入賞口12,12,…、普通変動入賞装置7、始動入賞装置13,13、変動入賞装置80等の入賞口の何れかに入賞すると、それぞれの入賞口に対応した所定数の賞球が排出装置51によって排出される(払い出される)ようになっている。
また、図2に示すように、遊技機100は、その制御系として遊技の進行を制御する遊技制御手段をなす遊技制御装置30、この遊技制御装置30の制御下で各種の演出に関する制御を行うサブ制御装置としての演出制御装置40、排出装置51による賞球または貸球の払い出しの制御と、発射装置52による遊技球の発射の制御を行うサブ制御装置としての排出発射制御装置50、電力を供給する電源供給装置60を備えている。
遊技制御装置30は、CPU31a、RAM31b、ROM31c等を有する遊技用マイクロコンピュータ31を備えるとともに、入出力インタフェース(入出力I/F)33、各種処理の同期やタイマ等のためのパルス信号を出力するクロック(CLK)32(発振器)等により構成されている。
CPU31aは、制御部、演算部を備え、演算制御を行う他、特図変動表示ゲームの当たり判定用乱数値などの各種乱数値なども生成している。RAM31bは、普通変動入賞装置7、始動入賞装置13,13に設けられた特図始動センサ7c,7d,7eのオン信号などを記憶する記憶領域や、各種乱数値の記憶領域、並びに、CPU31aの作業領域等を備えている。ROM31cには、遊技上の制御プログラムや制御データが書き込まれている他、上述の各種乱数値に対応して、特図変動表示ゲームの当たり発生を判定するための、特図変動表示ゲームの当たり判定値などが記憶されている。
また、入出力インタフェース33には、ローパスフィルタ及びバッファーゲートを介して、特図始動センサ7c,7d,7e、普図始動センサ4a、一般入賞口センサ12a,12a,…、右カウントセンサ88a、左カウントセンサ88b、特定領域センサ90、残存球排出口センサ94、人形モータセンサ82c、磁気センサ17、振動センサ18などが接続されている。そして、入出力インタフェース33は、これらから入力された各種信号を中継し、CPU31aに対し出力する。
さらに、入出力インタフェース33には、CPU31aから出力される各種の制御信号が入力される。これら制御信号は、該入出力インタフェース33により中継されて、図示しない出力ポート及びドライバを介して、普電開閉SOL7b、人形モータ82b、可動部材SOL87a、遊技用セグメントLED5(特図表示器、特図記憶表示器、普図表示器、普図記憶表示器)、遊技機外部の管理装置200などと接続する外部出力端子16、演出制御装置40、排出発射制御装置50に出力される。
サブ制御装置としての演出制御装置40は、演算処理用CPU、ROM、RAM等を備え、遊技制御装置30から受信した演出制御データに基づいて(遊技制御装置30の制御の下に)遊技機の制御を行うものである。演出制御装置40が制御を行うものとしては、例えば、枠装飾装置としての装飾ランプ・LED144の点灯、点滅や、スピーカ145,157からの効果音の出力、演出表示装置15の表示がある。
サブ制御装置としての排出発射制御装置50は、演算処理用CPU、ROM、RAM等を備え、遊技制御装置30からの賞球制御指令(賞球数データの受信)や、球貸機(図示略)からの球貸制御指令に基づいて、排出装置51に所定数の遊技球(賞球、貸球)を排出させる制御を行う。また、発射装置52による遊技球の発射制御を行ようになっており、排出発射制御装置50には、遊技者が操作ハンドル156に触れることで、操作ハンドル156に設けられたタッチセンサ54からの信号が入力されるようになっている。また、遊技者が操作ハンドル156に設けられた発射停止スイッチ53を操作することで、該発射停止スイッチ53からの入力信号がタッチセンサ54からの入力信号と併せて入力されるようになっている。
また、遊技制御装置30には、電源供給装置60から電力が供給されており、その他の装置にも電源供給装置60から電力が供給されるようになっている。さらに、電源供給装置60には、停電時等の外部からの電力の供給が途絶えた場合でも電力を供給可能とするためのバックアップ電源61が備えられ、停電時等に各制御装置の揮発性メモリに保存されたデータの消失を防止するようになっている。
これらの制御回路においては、例えば以下のような制御が行われる。
遊技制御装置30のCPU31aでは、普図始動ゲート4に備えられた普図始動センサ4aからの遊技球の検出信号の入力に基づき、普図の当たり判定用乱数値を抽出してROM31cに記憶されている判定値と比較し、普図変動表示ゲームの当たりはずれを判定する処理を行う。そして、普図表示器に、識別図柄を所定時間変動表示した後、停止表示する普図変動表示ゲームを表示する処理を行う。この普図変動表示ゲームの結果が当たりの場合は、普図表示器に特別の結果態様を表示するとともに、普電開閉SOL7bを動作させ、普通変動入賞装置7の開閉部材7a,7aを所定時間(例えば、0.5秒間)上述のように開放する制御を行う。なお、普図変動表示ゲームの結果がはずれの場合は、普図表示器にはずれの結果態様を表示する制御を行う。
また、普通変動入賞装置7もしくは始動入賞装置13,13に備えられた特図始動センサ7c,7d,7eからの遊技球の検出信号の入力に基づき、特図の大当たり判定用乱数値を抽出してROM31cに記憶されている判定値と比較し、特図変動表示ゲームの当たりはずれを判定する処理を行う。また、これらの結果を含む制御信号(演出制御データ)を、演出制御装置40に出力する。そして、特図表示器に、識別図柄を所定時間変動表示した後、停止表示する特図変動表示ゲームを表示する処理を行う。また、演出制御装置40では、遊技制御装置30からの制御信号に基づき、スピーカ145,157からの音の出力、枠装飾装置としての装飾ランプ、LED144、演出表示装置15を制御する処理を行う。
そして、遊技制御装置30のCPU31aは、特図変動表示ゲームの結果が大当りの場合は、特図表示器に大当りの結果態様を表示するとともに、特別遊技状態を発生させる処理を行う。この特別遊技状態を発生させる処理では、変動入賞装置80への遊技球の流入を通常遊技状態よりも容易にするとともに、所定の終了条件の成立に基づき終了するラウンド遊技を所定回数繰り返し行う制御を行う。すなわち、可動部材SOL87aにより変動入賞装置80の可動部材87,87を開放し、変動入賞装置80内への遊技球の流入を通常遊技状態よりも容易とする制御を行う。また、所定の終了条件として、変動入賞装置80に所定個数(例えば10個)の遊技球が入賞するか、変動入賞装置80の開放から所定時間が経過するかの何れかの条件が成立したことに基づきラウンド遊技終了する制御を行う。また、このラウンド遊技を、所定回数(例えば15回)繰り返し行う制御(サイクル遊技)を行う。そして、ラウンド遊技を所定回数行った後、この特別遊技状態中に変動入賞装置80内へ流入したすべての遊技球が、残存球排出口センサ94により検出されたこと、つまり、すべて排出されたことに基づき当該特別遊技状態を終了する制御を行う。
また、特図変動表示ゲームの結果が小当たりの場合は、特図表示器に小当りの結果態様を表示するとともに、補助ゲームとしての第二補助ゲームを発生させる処理を行う。この補助ゲームとしての第二補助ゲームを発生させる処理においては、例えば、可動部材SOL87aにより変動入賞装置80の可動部材87,87を開放し、変動入賞装置80内への遊技球の流入を可能とする制御を行う。そして変動入賞装置80に流入した遊技球が特別入賞口に流入し、特定領域センサ90で検出された場合は、上述の特別遊技状態を発生させる処理を行う。また、変動入賞装置80に流入した遊技球が特別入賞口に流入せず、かつ、流入した遊技球の全てが残存球排出口センサ94で検出された場合は、次回の特図変動表示ゲームを実行可能とする処理を行う。なお、特図変動表示ゲームの結果がはずれの場合は、特図表示器にはずれの結果態様を表示する制御を行う。
また、遊技制御装置30のCPU31aは、各種入賞口に設けられたセンサ(特図始動センサ7c,7d,7e、右カウントセンサ88a、左カウントセンサ88b、一般入賞口センサ12a)から入力される遊技球の検出信号に基づき、排出発射制御装置50に制御信号(賞球数データ)を出力する。排出発射制御装置50は、制御信号の入力に基づき排出装置51を制御して所定数の遊技球が払い出されるようにする。
また、排出発射制御装置50は、操作ハンドル156に設けられたタッチセンサ54からの信号が入力されている間は、発射装置52を動作させて遊技球を発射する制御を行う。また、タッチセンサ54から信号が入力されている間であっても、操作ハンドル156に設けられた発射停止スイッチ53からの入力信号が入力されている場合は、発射装置52を停止させて遊技球の発射を停止する制御を行う。
次に、以上のような構成を有する遊技機100での異常検出とその報知に関する処理について説明する。本実施形態の遊技機100は、異常を検出する異常検出手段として磁気センサ17と振動センサ18を備え、これらのセンサからの検出信号が遊技制御装置30に入力されるようになっている。遊技制御装置30では、これらのセンサからの入力に対応した処理を行うために、図3に示すような異常検出処理が行われる。
この異常検出処理では、まず、異常検出があるか否かの判定(ステップS1)を行う。
異常検出とは、磁気センサ17での磁気の検出や振動センサ18での振動の検出であり、この異常検出があるか否かの判定(ステップS1)では、磁気センサ17での磁気の検出に基づく検出信号や、振動センサ18での振動の検出に基づく検出信号が入力されたかが判定される。異常検出があるか否かの判定(ステップS1)において、異常検出がない場合(ステップS1;No)は、異常検出処理を終了する。また、異常検出があるか否かの判定(ステップS1)において、異常検出があった場合(ステップS1;Yes)は、監視タイマをセットする処理(ステップS2)を行う。
監視タイマをセットする処理(ステップS2)では、監視タイマに所定の値(時間)を設定して監視期間の計時を開始する処理を行う。すなわち、遊技制御装置30が、異常検出手段(磁気センサ17、振動センサ18)による異常の検出に基づき、所定の監視期間を開始する監視期間開始手段をなす。この監視タイマをセットする処理を行った後、外部出力処理(ステップS3)を行う。外部出力処理(ステップS3)では、磁気センサ17での磁気の検出や振動センサ18での振動の検出などの異常検出があったことに関する異常検出情報を、外部出力端子16を通じて管理装置200(ホールコンピュータ)に出力する処理を行う。すなわち、遊技制御装置30が異常検出手段(磁気センサ17、振動センサ18)により異常が検出された場合に、異常検出情報を外部に出力する外部出力手段をなす。なお、この時点では遊技者には異常が検出されたことや、異常検出があったことに関する異常検出情報が出力されたことが分からないようになっている。
外部出力処理(ステップS3)を行った後、異常を検出したセンサに対応付けられたセンサからの入力があるか否かの判定(ステップS4)を行う。ここで、異常を検出したセンサに対応付けられたセンサとは、検出された異常に伴う不正行為が目的とする結果の発生を検出するセンサである。本実施形態の遊技機100では、変動入賞装置80に設けられた磁気センサ17に対応付けられたセンサは、特別入賞口に設けられた特定領域センサ90とされている。これにより、磁石によって遊技球の流下方向を変化させて特別入賞口へ入賞させることを目的とする不正行為を検出の対象としている。また、振動センサ18に対応付けられたセンサも特別入賞口に設けられた特定領域センサ90とされている。これにより、遊技機100に振動を与えることで遊技球の流下方向を変化させ、特別入賞口へ入賞させることを目的とする不正行為を検出の対象としている。すなわち、特定領域センサ90が、監視期間内に、異常を検出した異常検出手段(磁気センサ17、振動センサ18)に対応づけられた検出手段をなす。また、遊技制御装置30が、監視期間内に、異常を検出した異常検出手段(磁気センサ17、振動センサ18)に対応づけられた検出手段(特定領域センサ90)からの入力(特別入力)を監視する対応入力検出手段をなす。
なお、磁気センサ17の配設位置および対応付けるセンサによって、磁気により遊技球の流下方向を変化させ、変動入賞装置80への流入、普通変動入賞装置7、始動入賞装置13,13への入賞を発生させることを目的とする不正行為を検出の対象とするようにしても良い。また、振動センサ18に、右カウントセンサ88a、左カウントセンサ88b、特図始動センサ7c,7d,7eを対応付け、振動により遊技球の流下方向を変更させて、変動入賞装置80への流入、普通変動入賞装置7、始動入賞装置13,13への入賞を発生させることを目的とする不正行為を検出の対象とするようにしても良い。
異常を検出したセンサに対応付けられたセンサからの入力があるか否かの判定(ステップS4)において入力がない場合(ステップS4;No)は、タイムアップしたか否かの判定(ステップS5)を行う。このタイムアップしたか否かの判定(ステップS5)では、監視タイマの値(時間)が所定の値(時間)となり、所定の監視期間が経過したかが判定される。タイムアップしたか否かの判定(ステップS5)において、タイムアップした場合(ステップS5;Yes)は、異常検出処理を終了する。また、タイムアップしたか否かの判定(ステップS5)において、タイムアップしていない場合(ステップS5;No)は、異常を検出したセンサに対応付けられたセンサからの入力があるか否かの判定(ステップS4)に戻る。すなわち、所定の監視期間が経過するまで、異常を検出したセンサに対応付けられたセンサからの入力があるか否かの判定(ステップS4)が繰り返し行われる。
また、異常を検出したセンサに対応付けられたセンサからの入力があるか否かの判定(ステップS4)において入力があった場合(ステップS4;Yes)は、不正報知処理(ステップS6)を行う。
図4に示すように、不正報知処理では、まず、報知表示コマンドを演出制御装置40に送信する処理(ステップS7)を行う。演出制御装置40では、報知表示コマンドの受信に基づき、演出装置をなす装飾ランプ・LED144、スピーカ145,157、演出表示装置15による異常報知を行う。これにより、確実に異常の報知を行うことができる。この報知表示コマンドを演出制御装置40に送信する処理(ステップS7)を行った後、発射停止処理(ステップS8)を行う。
この発射停止処理(ステップS8)では、排出発射制御装置50に対してコマンドを送信し、発射装置52による遊技球の発射を停止させる処理を行う。さらに、発射停止処理(ステップS8)を行った後、遊技停止処理(ステップS9)を行う。この遊技停止処理(ステップS9)では、遊技制御装置30における遊技に関する処理を停止する処理を行う。これにより、確実に異常を報知することができるとともに、遊技店の被害を防ぐことができる。すなわち、遊技制御装置30、演出制御装置40、排出発射制御装置50が、対応入力検出手段(遊技制御装置30)が監視する検出手段(特定領域センサ90)からの入力に基づき、異常報知を行う報知手段をなす。そして、遊技停止処理(ステップS9)を行った後、不正報知処理を終了し、図3に示すように異常検出処理を終了する。
以上のような処理により、異常の検出に基づいてすぐに異常報知するのではなく、まず、外部出力のみをし、その後、異常と対応する入力があった際に異常を報知するので、例えば、不正の意図無く遊技機に振動を与えてしまった場合に異常報知されてしまう可能性が低く、善意の遊技者に不愉快な思いをさせることや無用な遊技の中断を防止できる。また、異常の把握と報知が時間差をもって行われることとなるので、その時間に店員を異常検出があった遊技機100まで行かせて、実際に不正な利益を得る現場を押さえることができる。
なお、報知手段が行う異常報知の態様を、遊技店に設けられる管理装置200(ホールコンピュータ)での異常報知を可能とするために異常状態の発生に関する情報の出力のみを行うものとしても良い。このようにすれば、遊技者に異常報知されたことを知られることがなく、善意の遊技者に不愉快な思いをさせることがない。さらに、悪意のある、不正に利益を得ようとしている遊技者は、不正が行われたことを音やランプ等で報知すると、遊技機で音がしたりランプが点灯点滅したりした時点で逃げてしまう虞があるが、異常報知されたことを知られないようにすることで、確実に不正の現場を押さえることが可能となる。
以上のことから、遊技領域1aに遊技球を発射して遊技を行う遊技機100において、当該遊技機100における異常を検出する異常検出手段(磁気センサ17、振動センサ18)と、該異常検出手段により異常が検出された場合に、異常検出情報を外部に出力する外部出力手段(遊技制御装置30)と、異常検出手段による異常の検出に基づき、所定の監視期間を開始する監視期間開始手段(遊技制御装置30)と、監視期間内に、異常を検出した異常検出手段に対応づけられた検出手段(特定領域センサ90)からの入力を監視する対応入力検出手段(遊技制御装置30)と、対応入力検出手段が監視する検出手段からの入力に基づき、異常報知を行う報知手段(遊技制御装置30、演出制御装置40、排出発射制御装置50)と、を備えたこととなる。
また、遊技を制御する遊技制御手段(遊技制御装置30)を備えるとともに、遊技領域1aに遊技球を検出する始動検出手段(特図始動センサ7c,7d,7e)と、変動入賞装置80とを備え、変動入賞装置80は、入賞空間81と、入賞空間81に備えられ、遊技球が入賞可能な一般入賞口および特別入賞口と、特別入賞口に備えられ、遊技球を検出する特別検出手段(特定領域センサ90)と、入賞空間81に流入可能な開状態と、入賞空間81に流入不可能な閉状態とに変換可能な可動部材87,87と、を備え、遊技制御手段は、始動検出手段での遊技球の検出により発生する始動入力に基づき、変動入賞装置80の可動部材87,87を所定時間開状態に変換する補助ゲームを実行し、当該補助ゲームで入賞空間81に受け入れられた遊技球が特別入賞口へ入賞して特別検出手段で検出されることにより発生する特別入力に基づき、当該補助ゲームの結果を特別結果として遊技者に所定の遊技価値を付与する特別遊技状態を発生し、対応入力検出手段(遊技制御装置30)は、特別検出手段を異常検出手段(磁気センサ17、振動センサ18)に対応づけられた検出手段として、監視期間内に特別検出手段からの特別入力を監視するようにしたこととなる。
また、所定の演出を実行可能な演出装置(装飾ランプ・LED144、スピーカ145,157、演出表示装置15)を備え、報知手段(遊技制御装置30、演出制御装置40、排出発射制御装置50)は、演出装置において異常報知を行うようにしたこととなる。
また、遊技領域1aへ遊技球を発射する発射装置52を備え、報知手段(遊技制御装置30、演出制御装置40、排出発射制御装置50)は、発射装置52による遊技球の発射を停止することで異常報知を行うようにしたこととなる。
また、報知手段(遊技制御装置30、演出制御装置40、排出発射制御装置50)は、当該遊技機100における遊技を停止することで異常報知を行うようにしたこととなる。
次に、上述した実施形態の遊技機の第一変形例について図5,6を参照して説明する。なお、基本的には上述の実施形態の遊技機と同様の構成を有しており、同様の構成や処理には同じ符号を付して詳細な説明を省略し、主に異なる部分について説明する。本変形例の遊技機は、異常を検出するセンサである磁気センサ17、振動センサ18が有効となる有効期間を設け、その有効期間内の異常検出により所定の監視期間を開始し、該監視期間内に対応する入力があった場合に不正が行われたとして不正報知を行うようにしている。
異常検出処理では、図5に示すように、まず、有効期間が開始したか否かの判定(ステップS10)を行う。本変形例での有効期間は、特図始動センサ7c,7d,7eでの遊技球の検出により開始され、磁気センサ17および振動センサ18で、特図始動センサ7c,7d,7eでの遊技球の検出に基づき開始される補助ゲームにおける不正を検出できるようにされている。すなわち、遊技制御装置30が所定条件の成立に基づき、異常検出手段(磁気センサ17、振動センサ18)による異常の検出を有効とする所定の有効期間を開始する有効期間開始手段をなす。この有効期間が開始したが否かの判定(ステップS10)において、有効期間が開始していない場合(ステップS10;No)は、異常検出処理を終了する。また、有効期間が開始したが否かの判定(ステップS10)において、有効期間が開始した場合(ステップS10;Yes)は、異常検出センサを有効化する処理(ステップS11)を行い、異常検出があるか否かの判定(ステップS1)を行う。
異常検出があるか否かの判定(ステップS1)では、磁気センサ17での磁気の検出に基づく検出信号や、振動センサ18での振動の検出に基づく検出信号が入力されたかが判定される。この異常検出があるか否かの判定(ステップS1)で異常検出がない場合(ステップS1;No)は、有効期間が終了したか否かの判定(ステップS12)を行う。
本変形例での有効期間は、残存球排出口センサ94で変動入賞装置80に流入した遊技球がすべて排出されたことが確認されることに基づき終了するようにされている。すなわち、補助ゲームの終了に基づき終了するようにされている。この有効期間が終了したか否かの判定(ステップS12)において、有効期間が終了していない場合(ステップS12;No)は、異常検出があるか否かの判定(ステップS1)に戻る。すなわち、所定の有効期間が経過するまで、異常検出があるか否かの判定(ステップS1)が繰り返し行われる。また、有効期間が終了したか否かの判定(ステップS12)において、有効期間が終了した場合(ステップS12;Yes)は、異常検出センサを無効化する処理(ステップS13)を行い、異常検出処理を終了する。
異常検出があるか否かの判定(ステップS1)において、異常検出がある場合(ステップS1;Yes)は、監視タイマをセットする処理(ステップS2)を行う。なお、これ以降は図3に示した上述の処理と同様の処理であって詳細な説明は省略するが、監視タイマをセットする処理(ステップS2)を行った後、外部出力処理(ステップS3)を行う。その後、異常を検出したセンサに対応付けられたセンサからの入力があるか否かの判定(ステップS4)を行い、入力がない場合(ステップS4;No)は、タイムアップしたか否かの判定(ステップS5)を行う。
タイムアップしたか否かの判定(ステップS5)において、タイムアップした場合(ステップS5;Yes)、すなわち監視期間が経過した場合は、異常検出処理を終了する。また、タイムアップしたか否かの判定(ステップS5)において、タイムアップしていない場合(ステップS5;No)、すなわち監視期間が経過していない場合は、異常を検出したセンサに対応付けられたセンサからの入力があるか否かの判定(ステップS4)に戻る。そして、所定の監視期間が経過するまで、異常を検出したセンサに対応付けられたセンサからの入力があるか否かの判定(ステップS4)を繰り返し行う。
異常を検出したセンサに対応付けられたセンサからの入力があるか否かの判定(ステップS4)において入力があった場合(ステップS4;Yes)は、図4に示す不正報知処理(ステップS6)を行い、不正があったことを報知し、異常検出処理を終了する。
以上のような処理により、図6に示すように、所定の条件の成立に基づき異常を検出する磁気センサ17、振動センサ18の有効期間が開始し(図6のt1)、その有効期間内に異常を検出(図6では振動センサ18で異常を検出)すると、監視タイマによる監視期間が開始されるとともに、異常検出があったことに関する異常検出情報が外部出力端子を通じて管理装置200(ホールコンピュータ)に出力される(図6のt2)。その後、監視期間内に対応する所定の入力(例えば、特定領域センサ90からの入力)があると不正報知が行われる(図6のt3)こととなる。
このようにすることで、不正行為とは関係のない異常の検出を防止でき、善意の遊技者に不愉快な思いをさせることを防止できる。例えば上述のように、有効期間を補助ゲーム中とすれば、通行中に遊技機に衝突して振動が加わった場合のような不正とは関係のない異常の検出や報知を防止できる。
以上のことから、所定条件の成立に基づき、異常検出手段(磁気センサ17、振動センサ18)による異常の検出を有効とする所定の有効期間を開始する有効期間開始手段(遊技制御装置30)を備えたこととなる。
次に、上述した実施形態の遊技機の第二変形例について図7から12を参照して説明する。なお、上述の実施形態の遊技機と同様の構成や処理には同じ符号を付して詳細な説明を省略し、主に異なる部分について説明する。本変形例の遊技盤10は、遊技領域1aの略中央に、窓部21を形成するセンターケース20が取り付けられている。このセンターケース20に形成された窓部21の後方には、演出表示装置15が配されるようになっている。この演出表示装置15は、例えば、液晶ディスプレイを備え、表示内容が変化可能な表示部がセンターケース20の窓部21を介して遊技盤10の前面側から視認可能となるように配されている。なお、演出表示装置15は、液晶ディスプレイを備えるものに限らず、EL、CRT等のディスプレイを備えるものであっても良い。
この演出表示装置15には、補助ゲームとしての特図変動表示ゲームに対応して、複数種類の識別情報(例えば、数字、記号、キャラクタ図柄など)を変動表示させる飾り特図変動表示ゲームが表示されるようになっている。そして、特図変動表示ゲームの結果として、特図表示器の表示態様が特別結果態様(たとえば「7」)となって大当たりとなった場合には、これに対応して演出表示装置15の表示態様も特別結果態様(例えば、「7,7,7」等のゾロ目数字の何れか)となる。なお、遊技機に特図表示器を備えずに、演出表示装置15のみで特図変動表示ゲームを実行するようにしても良い。
さらに遊技領域1aには、上端側が手前側に倒れる方向に回動して開放可能になっているアタッカ形式の開閉扉22aを有し、補助遊技としての特図変動表示ゲームの結果如何によって大入賞口を閉じた状態(遊技者にとって不利な状態)から開放状態(遊技者にとって有利な状態)に変換する特別変動入賞装置22が設けられている。なお、開閉扉22aは、例えば、駆動装置としてのソレノイド(大入賞口SOL22b、図8に図示)により駆動される。また、大入賞口の内部(入賞領域)には、該大入賞口に入った遊技球を検出する入賞球検出手段としてのカウントセンサ23(図8に図示)が配設されている。
そして、遊技制御装置30のCPU31aは、特図変動表示ゲームの結果が大当りの場合に、特図表示器に大当りの結果態様を表示するとともに、特別遊技状態を発生させる処理を行う。この特別遊技状態を発生させる処理では、特別変動入賞装置22への遊技球の流入を通常遊技状態よりも容易にするとともに、所定の終了条件の成立に基づき終了するラウンド遊技を所定回数繰り返し行う制御を行う。すなわち、大入賞口SOL22bにより特別変動入賞装置22の開閉扉22aを開放し、大入賞口内への遊技球の流入を可能とする制御を行う。そして、大入賞口に所定個数(例えば10個)の遊技球が入賞するか、大入賞口の開放から所定時間(例えば25秒または1秒)が経過するかの何れかの条件が達成されるまで大入賞口を開放することを1ラウンドとし、これを所定ラウンド回数(例えば15回または2回)継続する(繰り返す)制御(サイクル遊技)を行う。なお、特図変動表示ゲームの結果がはずれの場合は、特図表示器にはずれの結果態様を表示する制御を行う。
また、遊技球が、一般入賞口12,12,…、普通変動入賞装置7、始動入賞装置13、特別変動入賞装置22等の入賞口の何れかに入賞すると、それぞれの入賞口に対応した所定数の賞球が排出装置51によって排出される(払い出される)ようになっている。
次に、以上のような構成を有する遊技機での異常検出とその報知に関する処理について説明する。遊技制御装置30では、異常を検出するセンサとしての磁気センサ17と振動センサ18からの入力に関する処理として図9に示すような異常検出処理が行われる。
この異常検出処理では、まず、異常検出があるか否かの判定(ステップS1)を行う。異常検出とは、磁気センサ17での磁気の検出や振動センサ18での振動の検出であり、この異常検出があるか否かの判定(ステップS1)では、磁気センサ17での磁気の検出に基づく検出信号や、振動センサ18での振動の検出に基づく検出信号が入力されたかが判定される。異常検出があるか否かの判定(ステップS1)において、異常検出がない場合(ステップS1;No)は、異常検出処理を終了する。また、異常検出があるか否かの判定(ステップS1)において、異常検出があった場合(ステップS1;Yes)は、監視タイマをセットする処理(ステップS2)を行う。
監視タイマをセットする処理(ステップS2)では、監視タイマに所定の値(時間)を設定して監視期間の計時を開始する処理を行う。この監視タイマをセットする処理を行った後、外部出力処理(ステップS3)を行う。外部出力処理(ステップS3)では、磁気センサ17での磁気の検出や振動センサ18での振動の検出などの異常検出があったことに関する異常検出情報を、外部出力端子16を通じて管理装置200(ホールコンピュータ)に出力する処理を行う。なお、この時点では遊技者には異常が検出されたことや、異常検出があったことに関する異常検出情報が出力されたことが分からないようになっている。
外部出力処理(ステップS3)を行った後、タイムアップしたか否かの判定(ステップS5)を行う。このタイムアップしたか否かの判定(ステップS5)では、監視タイマの値(時間)が所定の値(時間)となり、所定の監視期間が経過したかが判定される。タイムアップしたか否かの判定(ステップS5)において、タイムアップした場合(ステップS5;Yes)は、異常検出処理を終了する。また、タイムアップしたか否かの判定(ステップS5)において、タイムアップしていない場合(ステップS5;No)は、タイムアップしたか否かの判定(ステップS5)を繰り返す。このタイムアップしたか否かの判定(ステップS5)が繰り返し行われている期間が監視期間となる。
始動口監視処理では、まず始動入賞があるか否かの判定(ステップS20)を行う。この始動入賞があるか否かの判定(ステップS20)では、普通変動入賞装置7もしくは始動入賞装置13へ入賞した遊技球を検出する始動入賞手段をなす特図始動センサ7cからの検出信号の入力(始動入力)があるかが判定される。この始動入賞があるか否かの判定(ステップS20)において、始動入賞がない場合(ステップS20;No)は、始動口監視処理を終了する。また、始動入賞があるか否かの判定(ステップS20)において、始動入賞があった場合(ステップS20;Yes)は、始動記憶が上限値(例えば4)であるか否かの判定(ステップS21)を行う。
この始動記憶が上限値であるか否かの判定(ステップS21)において、始動記憶が上限値である場合(ステップS21;Yes)、すなわち、始動記憶をこれ以上記憶できない場合は、始動口監視処理を終了する。また、始動記憶が上限値であるか否かの判定(ステップS21)において、始動記憶が上限値でない場合(ステップS21;No)は、監視期間中であるか否かの判定(ステップS22)を行う。
監視期間中であるか否かの判定(ステップS22)では、上述した異常検出処理で監視期間を計時する監視タイマがタイムアップしておらず、監視期間中であるかが判定される。監視期間中であるか否かの判定(ステップS22)において、監視期間中である場合(ステップS22;Yes)は、期間内入賞として記憶する処理(ステップS23)を行い、始動口監視処理を終了する。また、監視期間中であるか否かの判定(ステップS22)において、監視期間中でない場合(ステップS22;No)は、通常入賞として記憶する処理(ステップS24)を行い、始動口監視処理を終了する。
そして、図11に示すように、特図変動表示ゲームにおける変動時間やリーチの有無などの変動パターンを決定する変動パターン設定処理では、まず、変動が終了したか否かの判定(ステップS25)を行う。この変動が終了したか否かの判定(ステップS25)において、変動が終了していない場合(ステップS25;No)、すなわち、未だ変動表示ゲームが実行中であり、始動記憶に基づく次回の変動表示ゲームを開始できない場合は、変動パターン設定処理を終了する。また、変動が終了したか否かの判定(ステップS25)において、変動が終了している場合(ステップS25;Yes)、すなわち、前回の変動表示ゲームが終了し、始動記憶に基づく次回の変動表示ゲームが開始可能な場合は、期間内入賞であるか否かの判定(ステップS26)を行う。
期間内入賞であるか否かの判定(ステップS26)では、次回の変動表示ゲームに対応する始動記憶が上述した始動口監視処理で記憶された際に、期間内入賞として記憶されたかが判定される。すなわち、異常を検出するセンサからの入力に基づき開始される監視期間内での始動入賞に基づく始動記憶であるかが判定される。この期間内入賞であるか否かの判定(ステップS26)において、期間内入賞でない場合(ステップS26;No)は、変動パターンテーブルAを選択する処理(ステップS27)を行い、変動パターンを決定する処理(ステップS29)を行う。また、期間内入賞であるか否かの判定(ステップS26)において、期間内入賞である場合(ステップS26;Yes)は、変動パターンテーブルBを選択する処理(ステップS28)を行い、変動パターンを決定する処理(ステップS29)を行う。
変動パターンを決定する処理(ステップS29)では、選択された変動パターンテーブルに設定されたパターンAからパターンEのうち、いずれかを選択して決定する処理がなされる。各パターンにおいて、図12(b)に示す変動パターンテーブルBは、図12(a)に示す変動パターンテーブルAよりも変動時間が非常に長くなるように設定されている。これにより、不正に始動入賞させた遊技者に対して不快感を与えることができるとともに、不正を検出したことを遊技者に報知することができ、当該遊技機での不正行為をやめさせることが可能となる。その後、始動記憶数を減算する処理(ステップS30)を行い、変動パターン設定処理を終了する。
なお、不正に始動入賞させた遊技者が不利となるように、または不利、不快と感じるようにするものとして変動時間を長くするとしたが、変動時間以外のものを変化させても良い。例えば、可能であれば図12(c)に示すように、不正に始動入賞させた場合には、大当たり確率が低くなるように、期間内入賞であるか否かの判定(ステップS26)で、期間内入賞でない場合(ステップS26;No)にパターンAの大当たり確率を選択し、期間内入賞である場合(ステップS26;Yes)にパターンBの大当たり確率を選択するようにする。また、上述の実施形態のような演出装置による不正報知を行うようにしても良い。
以上のことから、遊技を制御する遊技制御手段(遊技制御装置30)を備えるとともに、遊技領域1aに遊技球を検出する始動検出手段(特図始動センサ7c)を備え、遊技制御手段は、該始動検出手段での遊技球の検出により発生する始動入力に基づき補助ゲームを実行し、該補助ゲームの結果が特別結果であった場合に、遊技者に所定の遊技価値を付与する特別遊技状態を発生し、対応入力検出手段(遊技制御装置30)は、始動検出手段を異常検出手段(磁気センサ17、振動センサ18)に対応づけられた検出手段として、監視期間内に始動検出手段からの始動入力を監視するようにしたこととなる。
次に、上述した実施形態の遊技機の第三変形例について図13,14を参照して説明する。なお、基本的には、上述の第二変形例の遊技機と同様の構成を有しており、同様の構成や処理には同じ符号を付して詳細な説明を省略し、主に異なる部分について説明する。
図13に示すように、異常検出処理では、まず、異常検出があるか否かの判定(ステップS1)を行い、異常検出がない場合(ステップS1;No)は、異常検出処理を終了する。また、異常検出があるか否かの判定(ステップS1)において、異常検出があった場合(ステップS1;Yes)は、監視タイマをセットする処理(ステップS2)を行い、外部出力処理(ステップS3)を行う。
外部出力処理(ステップS3)を行った後、タイムアップしたか否かの判定(ステップS5)を行い、タイムアップしていない場合(ステップS5;No)は、タイムアップしたか否かの判定(ステップS5)を繰り返す。このタイムアップしたか否かの判定(ステップS5)が繰り返し行われている期間が監視期間となる。また、タイムアップしたか否かの判定(ステップS5)においてタイムアップした場合(ステップS5;Yes)は、期間内入賞カウンタをクリアする処理(ステップS31)を行い、異常検出処理を終了する。この期間内入賞カウンタをクリアする処理(ステップS31)では、後述するように監視期間での始動入賞を計数する期間内入賞カウンタの値をクリアする処理がなされる。
図14に示すように、始動口監視処理では、まず、始動入賞があるか否かの判定(ステップS20)を行い、始動入賞がない場合(ステップS20;No)は、始動口監視処理を終了する。また、始動入賞があるか否かの判定(ステップS20)において、始動入賞があった場合(ステップS20;Yes)は、始動記憶が上限値(例えば4)であるか否かの判定(ステップS21)を行う。
この始動記憶が上限値であるか否かの判定(ステップS21)において、始動記憶が上限値である場合(ステップS21;Yes)は、始動口監視処理を終了する。また、始動記憶が上限値であるか否かの判定(ステップS21)において、始動記憶が上限値でない場合(ステップS21;No)は、監視期間中であるか否かの判定(ステップS22)を行う。
監視期間中であるか否かの判定(ステップS22)において、監視期間中でない場合(ステップS22;No)は、通常入賞として記憶する処理(ステップS24)を行い、始動口監視処理を終了する。また、監視期間中であるか否かの判定(ステップS24)において、監視期間中である場合(ステップS24;Yes)は、期間内入賞として記憶する処理(ステップS23)を行い、期間内入賞カウンタを1インクリメントする処理(ステップS32)を行う。すなわち、遊技制御装置30が、対応入力検出手段(遊技制御装置30)により異常検出手段(磁気センサ17、振動センサ18)に対応づけられた検出手段(特図始動センサ7c)からの入力が検出された回数を計数する計数手段をなす。
その後、期間内入賞カウンタの値が上限値(例えば2)であるか否かの判定(ステップS33)を行う。期間内入賞カウンタの値が上限値であるか否かの判定(ステップS33)において、期間内入賞カウンタの値が上限値でない場合(ステップS33;No)は、始動口監視処理を終了する。また、期間内入賞カウンタの値が上限値であるか否かの判定(ステップS33)において、期間内入賞カウンタの値が上限値である場合(ステップS33;Yes)は、不正報知処理(ステップS34)を行う。
不正報知処理(ステップS34)は、図4に示す処理であって、まず、報知表示コマンドを演出制御装置40に送信する処理(ステップS7)を行う。演出制御装置40では、報知表示コマンドの受信に基づき、装飾ランプ・LED144、スピーカ145,157、演出表示装置15による異常報知を行う。この報知表示コマンドを演出制御装置40に送信する処理(ステップS7)を行った後、発射停止処理(ステップS8)を行う。この発射停止処理(ステップS8)では、排出発射制御装置50に対してコマンドを送信し、発射装置52による遊技球の発射を停止させる処理を行う。
さらに、発射停止処理(ステップS8)を行った後、遊技停止処理(ステップS9)を行う。この遊技停止処理(ステップS9)では、遊技制御装置30における遊技に関する処理を停止する処理を行う。そして、遊技停止処理(ステップS9)を行った後、不正報知処理を終了し、図14に示すように始動口監視処理を終了する。
以上のような処理により、監視期間に期間内入賞として記憶される始動記憶が所定数発生した場合に、不正報知を行うようにすることができる。すなわち、監視期間に期間内入賞として記憶される始動記憶が所定数に達しなかった場合は、期間内入賞カウンタがクリアされることとなり、例えば、不正の意図無く遊技機に振動を与えてしまった結果、始動入賞してしまったような場合に不正報知されてしまうことを防止でき、善意の遊技者に不愉快な思いをさせることや無用な遊技の中断を防止できる。また、悪意のある不正に利益を得ようとしている遊技者は、不正行為を複数回繰り返すことが通常であり、確実に不正報知の対象とすることができる。
なお、期間内入賞として記憶される始動記憶を計数するようにしたが、これに限られるものではなく、例えば、始動記憶として記憶されるか否かに関わらず、監視期間内に特図始動センサ7cで検出された遊技球の数を計数するようにしても良い。また、異常検出手段をなす磁気センサ17、振動センサ18に対応づける検出手段は、特図始動センサ7cに限られるものではなく、他のセンサを対応付けても良い。また、期間内入賞として記憶される始動記憶が所定数を超えた場合に不正報知を行うようにしたが、期間内入賞として記憶される始動記憶の数によって、不正報知の内容を変えるようにしても良い。例えば、期間内入賞として記憶される始動記憶の数が多いほど変動時間が長くなるようにしても良い。さらに、上述した実施形態、変形例に適用して、異常検出手段に対応づけられた検出手段からの入力があった場合に即座に不正報知処理を行うのではなく、計数手段による計数結果が所定数に達した場合に不正報知処理を行うようにしても良い。
以上のことから、対応入力検出手段(遊技制御装置30)により異常検出手段(磁気センサ17、振動センサ18)に対応づけられた検出手段(特図始動センサ7c)からの入力が検出された回数を計数する計数手段(遊技制御装置30)を備え、報知手段(遊技制御装置30、演出制御装置40、排出発射制御装置50)は、計数手段(遊技制御装置30)による計数結果が所定数に達した場合に異常報知を行うようにしたこととなる。
以上のような遊技機100は遊技領域1aに遊技球を発射して遊技を行う遊技機100であって、当該遊技機100における異常を検出する異常検出手段(磁気センサ17、振動センサ18)と、該異常検出手段により異常が検出された場合に、異常検出情報を外部に出力する外部出力手段(遊技制御装置30)と、異常検出手段による異常の検出に基づき、所定の監視期間を開始する監視期間開始手段(遊技制御装置30)と、監視期間内に、異常を検出した異常検出手段に対応づけられた検出手段(特定領域センサ90)からの入力を監視する対応入力検出手段(遊技制御装置30)と、対応入力検出手段が監視する検出手段からの入力に基づき、異常報知を行う報知手段(遊技制御装置30、演出制御装置40、排出発射制御装置50)と、を備えている。
したがって、異常検出手段により異常が検出された場合に、異常検出情報を外部に出力する外部出力手段と、異常検出手段による異常の検出に基づき監視期間を開始する監視期間開始手段と、監視期間内に異常を検出した異常検出手段に対応づけられた検出手段からの入力を監視する対応入力検出手段と、対応入力検出手段が監視する検出手段からの入力に基づき異常報知を行う報知手段とを備えたので、善意の遊技者に不愉快な思いをさせず、悪意のある、不正に利益を得ようとしている遊技者のみを確実に排除できる。すなわち、異常の検出に基づいてすぐに異常報知するのではなく、まず、外部出力のみをし、その後、異常と対応する入力があった際に異常を報知するので、例えば、不正の意図無く遊技機に振動を与えてしまった場合に異常報知されてしまう可能性が低く、善意の遊技者に不愉快な思いをさせることや無用な遊技の中断を防止できる。また、異常の把握と報知が時間差をもって行われることとなるので、その時間に店員を異常検出があった遊技機100まで行かせて、実際に不正な利益を得る現場を押さえることができる。また、報知手段が行う異常報知の態様を、遊技店に設けられる管理装置200(ホールコンピュータ)での異常報知を可能とするために異常状態の発生に関する情報の出力のみを行うものとすれば、遊技者に異常報知されたことを知られることがなく、善意の遊技者に不愉快な思いをさせることがない。さらに、悪意のある、不正に利益を得ようとしている遊技者は、不正が行われたことを音やランプ等で報知すると、遊技機で音がしたりランプが点灯点滅したりした時点で逃げてしまう虞があるが、異常報知されたことを知られないようにすることで、確実に不正の現場を押さえることが可能となる。
また、所定条件の成立に基づき、異常検出手段(磁気センサ17、振動センサ18)による異常の検出を有効とする所定の有効期間を開始する有効期間開始手段(遊技制御装置30)を備えている。
したがって、所定条件の成立に基づき異常検出手段による異常の検出を有効とする所定の有効期間を開始する有効期間開始手段を備えるので、不正行為とは関係のない異常の検出を防止でき、善意の遊技者に不愉快な思いをさせることがない。例えば、有効期間を遊技中とすれば、通行中に遊技機に衝突して振動が加わった場合のように不正とは関係のない異常の検出を防止できる。
また、遊技を制御する遊技制御手段(遊技制御装置30)を備えるとともに、遊技領域1aに遊技球を検出する始動検出手段(特図始動センサ7c,7d,7e)と、変動入賞装置80とを備え、変動入賞装置80は、入賞空間81と、入賞空間81に備えられ、遊技球が入賞可能な一般入賞口および特別入賞口と、特別入賞口に備えられ、遊技球を検出する特別検出手段(特定領域センサ90)と、入賞空間81に流入可能な開状態と、入賞空間81に流入不可能な閉状態とに変換可能な可動部材87,87と、を備え、遊技制御手段は、始動検出手段での遊技球の検出により発生する始動入力に基づき、変動入賞装置80の可動部材87,87を所定時間開状態に変換する補助ゲームを実行し、当該補助ゲームで入賞空間81に受け入れられた遊技球が特別入賞口へ入賞して特別検出手段で検出されることにより発生する特別入力に基づき、当該補助ゲームの結果を特別結果として遊技者に所定の遊技価値を付与する特別遊技状態を発生し、対応入力検出手段(遊技制御装置30)は、特別検出手段を異常検出手段(磁気センサ17、振動センサ18)に対応づけられた検出手段として、監視期間内に特別検出手段からの特別入力を監視するようにしている。
したがって、対応入力検出手段は、特別検出手段を異常検出手段に対応づけられた検出手段として、監視期間内に特別検出手段からの特別入力を監視するので、不正の対象となりやすい特別入賞口への入賞に対する不正行為を確実に検出することができる。
また、所定の演出を実行可能な演出装置(装飾ランプ・LED144、スピーカ145,157、演出表示装置15)を備え、報知手段(遊技制御装置30、演出制御装置40、排出発射制御装置50)は、演出装置において異常報知を行うようにしている。
したがって、所定の演出を実行可能な演出装置を備え、報知手段は、演出装置において異常報知を行うので、確実に異常の報知を行うことができる。
また、遊技領域1aへ遊技球を発射する発射装置52を備え、報知手段(遊技制御装置30、演出制御装置40、排出発射制御装置50)は、発射装置52による遊技球の発射を停止することで異常報知を行うようにしている。
したがって、遊技領域1aに遊技球を発射する発射装置52を備え、報知手段は、発射装置52による遊技球の発射を停止することで異常報知を行うので、確実に異常を報知することができるとともに、遊技店の被害を防ぐことができる。
また、報知手段(遊技制御装置30、演出制御装置40、排出発射制御装置50)は、当該遊技機100における遊技を停止することで異常報知を行うようにしている。
したがって、報知手段は、当該遊技機における遊技を停止することで異常報知を行うので、確実に異常を報知することができるとともに、遊技店の被害を防ぐことができる。
また、遊技を制御する遊技制御手段(遊技制御装置30)を備えるとともに、遊技領域1aに遊技球を検出する始動検出手段(特図始動センサ7c)を備え、遊技制御手段は、該始動検出手段での遊技球の検出により発生する始動入力に基づき補助ゲームを実行し、該補助ゲームの結果が特別結果であった場合に、遊技者に所定の遊技価値を付与する特別遊技状態を発生し、対応入力検出手段(遊技制御装置30)は、始動検出手段を異常検出手段(磁気センサ17、振動センサ18)に対応づけられた検出手段として、監視期間内に始動検出手段からの始動入力を監視するようにしている。
したがって、対応入力検出手段は、始動検出手段を異常検出手段に対応づけられた検出手段として、監視期間内に始動検出手段からの始動入力を監視するので、不正の対象となりやすい始動検出手段への入賞に対する不正行為を確実に検出することができる。
また、対応入力検出手段(遊技制御装置30)により異常検出手段(磁気センサ17、振動センサ18)に対応づけられた検出手段(特図始動センサ7c)からの入力が検出された回数を計数する計数手段(遊技制御装置30)を備え、報知手段(遊技制御装置30、演出制御装置40、排出発射制御装置50)は、計数手段(遊技制御装置30)による計数結果が所定数に達した場合に異常報知を行うようにしている。
したがって、対応入力検出手段により異常検出手段に対応づけられた検出手段からの入力が検出された回数を計数する計数手段を備え、報知手段は計数手段による計数結果が所定数に達した場合に異常報知を行うので、善意の遊技者に不愉快な思いをさせず、悪意のある不正に利益を得ようとしている遊技者のみを確実に排除できる。すなわち、例えば、不正の意図無く遊技機に振動を与えてしまい、対応する入力(例えば、特別入賞口への入賞)が発生してしまった場合に異常報知されることがなく、善意の遊技者に不愉快な思いをさせることや無用な遊技の中断を防止できる。また、悪意のある不正に利益を得ようとしている遊技者は、不正行為を複数回繰り返すことが通常であり確実に排除可能である。
なお、本発明の遊技機100は、遊技機として、前記実施の形態に示されるようなパチンコ遊技機に限られるものではなく、例えば、その他のパチンコ遊技機、アレンジボール遊技機、雀球遊技機などの遊技球を使用する全ての遊技機に適用可能である。
また、今回開示された実施の形態はすべての点で例示であって制限的なものではないと考えられるべきである。本発明の範囲は上記した説明ではなくて特許請求の範囲によって示され、特許請求の範囲と均等の意味および範囲内でのすべての変更が含まれることが意図される。