実施の形態1.
以下、本発明の第1の実施の形態を図面を参照して説明する。まず、遊技機の一例であるパチンコ遊技機の全体の構成について説明する。図1はパチンコ遊技機を正面からみた正面図、図2は遊技盤の前面を示す正面図である。
パチンコ遊技機1は、縦長の方形状に形成された外枠(図示せず)と、外枠の内側に開閉可能に取り付けられた遊技枠とで構成される。また、パチンコ遊技機1は、遊技枠に開閉可能に設けられている額縁状に形成されたガラス扉枠2を有する。遊技枠は、外枠に対して開閉自在に設置される前面枠(図示せず)と、機構部品等が取り付けられる機構板と、それらに取り付けられる種々の部品(後述する遊技盤を除く。)とを含む構造体である。
図1に示すように、パチンコ遊技機1は、額縁状に形成されたガラス扉枠2を有する。ガラス扉枠2の下部表面には打球供給皿(貯留皿)3がある。打球供給皿3の下部には、打球供給皿3に収容しきれない遊技球を貯留する余剰球受皿4と遊技球を発射する打球操作ハンドル(操作ノブ)5が設けられている。ガラス扉枠2の背面には、遊技盤6が着脱可能に取り付けられている。なお、遊技盤6は、それを構成する板状体と、その板状体に取り付けられた種々の部品とを含む構造体である。また、遊技盤6の前面には遊技領域7が形成されている。
遊技領域7の中央付近には、それぞれが演出用の飾り図柄(演出図柄)を可変表示する複数の可変表示部を含む演出表示装置(飾り図柄表示装置)9が設けられている。演出表示装置9には、たとえば「左」、「中」、「右」の3つの可変表示部(図柄表示エリア)がある。演出表示装置9は、特別図柄表示器8による特別図柄の可変表示期間中に、装飾用(演出用)の図柄としての演出図柄の可変表示を行なう。演出図柄の可変表示を行なう演出表示装置9は、演出制御基板に搭載されている演出制御用マイクロコンピュータによって制御される。
演出表示装置9の下部には、始動入賞口14に入った有効入賞球数すなわち保留記憶(始動記憶または始動入賞記憶ともいう。)数を表示する4つの特別図柄保留記憶表示器18が設けられている。特別図柄保留記憶表示器18は、保留記憶数を入賞順に4個まで表示する。特別図柄保留記憶表示器18は、始動入賞口14に始動入賞があるごとに、点灯状態のLEDの数を1増やす。そして、特別図柄保留記憶表示器18は、特別図柄表示器8で可変表示が開始されるごとに、点灯状態のLEDの数を1減らす(すなわち1つのLEDを消灯する)。具体的には、特別図柄保留記憶表示器18は、特別図柄表示器8で可変表示が開始されるごとに、点灯状態をシフトする。なお、この例では、始動入賞口14への入賞による始動記憶数に上限数(4個まで)が設けられているが、上限数を4個以上にしてもよい。
演出表示装置9の上部には、識別情報としての特別図柄を可変表示する特別図柄表示器(特別図柄表示装置)8が設けられている。この実施の形態では、特別図柄表示器8は、たとえば0〜9の数字を可変表示可能な簡易で小型の表示器(たとえば7セグメントLED)で実現されている。特別図柄表示器8は、遊技者に特定の停止図柄を把握しづらくさせるために、0〜99など、より多種類の数字を可変表示するように構成されていてもよい。また、演出表示装置9は、特別図柄表示器8による特別図柄の可変表示期間中に、装飾用(演出用)の図柄としての演出図柄の可変表示を行なう。
演出表示装置9の下方には、始動入賞口14を形成する可変入賞球装置15が設けられている。可変入賞球装置15は、羽根を開閉可能に構成され、羽根が開放しているときに遊技球が入賞し易い状態(開状態)となり、羽根が開放していないとき(閉じているとき)に遊技球が入賞し難い状態(閉状態)となる。始動入賞口14に入った入賞球は、遊技盤6の背面に導かれ、始動口スイッチ14a(たとえば、近接スイッチ)によって検出されるとともに、入賞確認スイッチ14b(たとえば、フォトセンサ)によって検出される(なお、逆に、始動口スイッチ14aをフォトセンサを用いて構成し、入賞確認スイッチ14bを近接スイッチを用いて構成してもよいし、近接スイッチやフォトセンサに代えてマイクロスイッチなどの機械式のスイッチを用いてもよい)。なお、この実施の形態では、始動口スイッチ14aによって遊技球が検出されたことに基づいて、乱数回路からの乱数の抽出が行なわれ、特別図柄の変動表示が開始される。また、後述するように、始動口スイッチ14aによる検出結果に加えて入賞確認スイッチ14bの検出結果に基づいて排出異常の発生の有無が判定され、排出異常の発生を検出したことに基づいてセキュリティ信号が外部出力される。また、始動口スイッチ14aによる検出結果に加えて入賞確認スイッチ14bの検出結果に基づいて、後述する入賞信号が外部出力され、賞球個数コマンドが払出制御用マイクロコンピュータ370に送信されて賞球払出が実行される。また、可変入賞球装置15は、ソレノイド16によって開状態にされる。
なお、可変入賞球装置15の真上に第1始動入賞口を設け、可変入賞球装置15を第2始動入賞口としてもよい。この場合、第1始動入賞口および第2始動入賞口のそれぞれについて、始動口スイッチ(たとえば、近接スイッチ)を設けるとともに入賞確認スイッチ(たとえば、フォトセンサ)を設けるようにしてもよい。そして、第1始動入賞口および第2始動入賞口のそれぞれについて、この実施の形態と同様に、始動口スイッチによって遊技球が検出されたことに基づいて、乱数回路からの乱数の抽出が行なわれ、特別図柄の変動表示が開始されるようにしてもよい。また、第1始動入賞口および第2始動入賞口のそれぞれについて、この実施の形態と同様に、始動口スイッチによる検出結果に加えて入賞確認スイッチの検出結果に基づいて排出異常の発生の有無が判定され、排出異常の発生を検出したことに基づいてセキュリティ信号が外部出力されるようにしてもよい。さらに、第1始動入賞口および第2始動入賞口のそれぞれについて、この実施の形態と同様に、始動口スイッチによる検出結果に加えて入賞確認スイッチの検出結果に基づいて、後述する入賞信号が外部出力され、賞球個数コマンドが払出制御用マイクロコンピュータ370に送信されて賞球払出が実行されるようにしてもよい。
可変入賞球装置15の下部には、特定遊技状態(大当り状態)においてソレノイド21によって開状態に制御される開閉板を用いた特別可変入賞球装置20が設けられている。特別可変入賞球装置20は大入賞口を開閉する手段である。特別可変入賞球装置20に入賞し遊技盤6の背面に導かれた入賞球は、カウントスイッチ23(たとえば、近接スイッチ)で検出されるとともに、入賞確認スイッチ23b(たとえば、フォトセンサ)によって検出される(なお、逆に、カウントスイッチ23をフォトセンサを用いて構成し、入賞確認スイッチ23bを近接スイッチを用いて構成してもよいし、近接スイッチやフォトセンサに代えてマイクロスイッチなどの機械式のスイッチを用いてもよい)。なお、この実施の形態では、カウントスイッチ23によって遊技球が検出されたことに基づいて、大当り遊技中に大入賞口に遊技球が入賞したことが検出されるとともに、ラウンドごとに大入賞口への入賞数が所定数(本例では、10個に達したか否か)の判定が行なわれる。また、後述するように、カウントスイッチ23による検出結果に加えて入賞確認スイッチ23bの検出結果に基づいて排出異常の発生の有無が判定され、排出異常の発生を検出したことに基づいてセキュリティ信号が外部出力される。また、カウントスイッチ23による検出結果に加えて入賞確認スイッチ23bの検出結果に基づいて、後述する入賞信号が外部出力され、賞球個数コマンドが払出制御用マイクロコンピュータ370に送信されて賞球払出が実行される。
遊技球がゲート32を通過しゲートスイッチ32aで検出されると、普通図柄表示器10の表示の可変表示が開始される。この実施の形態では、左右のランプ(点灯時に図柄が視認可能になる)が交互に点灯することによって可変表示が行なわれ、たとえば、可変表示の終了時に左側のランプが点灯すれば当たりになる。そして、普通図柄表示器10における停止図柄が所定の図柄(当り図柄)である場合に、可変入賞球装置15が所定回数、所定時間だけ開状態になる。普通図柄表示器10の近傍には、ゲート32を通過した入賞球数を表示する4つのLEDによる表示部を有する普通図柄始動記憶表示器41が設けられている。ゲート32への遊技球の通過があるごとに、普通図柄始動記憶表示器41は点灯するLEDを1増やす。そして、普通図柄表示器10の可変表示が開始されるごとに、点灯するLEDを1減らす。
遊技盤6には、複数の入賞口29,30が設けられ、遊技球の入賞口29,30への入賞は、それぞれ入賞口スイッチ29a,30a(たとえば、近接スイッチ)によって検出されるとともに、入賞確認スイッチ29b,30b(たとえば、フォトセンサ)によって検出される(なお、逆に、入賞口スイッチ29a,30aをフォトセンサを用いて構成し、入賞確認スイッチ29b,30bを近接スイッチを用いて構成してもよいし、近接スイッチやフォトセンサに代えてマイクロスイッチなどの機械式のスイッチを用いてもよい)。なお、この実施の形態では、後述するように、入賞口スイッチ29a,30aによる検出結果に加えて入賞確認スイッチ29b,30bの検出結果に基づいて、入賞信号が外部出力され、賞球個数コマンドが払出制御用マイクロコンピュータ370に送信されて賞球払出が実行される。
なお、図3に示すように、入賞確認スイッチ14b,23b,29b,30bのうち、少なくとも、入賞口29,30への入賞を検出する入賞確認スイッチ29b,30bについては、遊技枠側に取り付けられている。そのように構成することによって、この実施の形態のように遊技盤6が交換可能に構成されている場合に、遊技枠側に設けられた入賞確認スイッチ29b,30bについては、遊技盤6にかかわらず共通に用いることができ、遊技機のコスト削減を図っている。
なお、この実施の形態では、以下、入賞確認スイッチ14b,23b,29b,30bを区別して指す場合に、それぞれ、入賞確認1スイッチ14b、入賞確認2スイッチ23b、入賞確認3スイッチ29b、および入賞確認4スイッチ30bともいう。
各入賞口29,30は、遊技媒体を受け入れて入賞を許容する領域として遊技盤6に設けられる入賞領域を構成している。なお、始動入賞口14や大入賞口も、遊技媒体を受け入れて入賞を許容する入賞領域を構成する。なお、各入賞口29,30に入賞した遊技球を入賞スイッチで検出する構成に代えて、遊技球が所定領域(たとえばゲート)を通過したことを検出スイッチで検出する構成としてもよい。遊技領域7の左右周辺には、遊技中に点滅表示される装飾ランプ25が設けられ、下部には、入賞しなかった遊技球を吸収するアウト口26がある。また、遊技領域7の外側の左右上部には、効果音を発する2つのスピーカ27が設けられている。遊技領域7の外周には、天枠ランプ28a、左枠ランプ28bおよび右枠ランプ28cが設けられている。さらに、遊技領域7における各構造物(大入賞口等)の周囲には装飾LEDが設置されている。天枠ランプ28a、左枠ランプ28bおよび右枠ランプ28cおよび装飾用LEDは、遊技機に設けられている装飾発光体の一例である。なお、この実施の形態では、遊技機に設けられている発光体をランプやLEDを用いて構成する場合を示しているが、この実施の形態で示した態様に限らず、たとえば、遊技機に設けられている発光体を全てLEDを用いて構成するようにしてもよい。
なお、図1および図2では、図示を省略しているが、左枠ランプ28bの近傍に、賞球払出中に点灯する賞球ランプが設けられ、天枠ランプ28aの近傍に、補給球が切れたときに点灯する球切れランプが設けられている。なお、賞球ランプおよび球切れランプは、賞球の払出中である場合や球切れが検出された場合に、演出制御基板に搭載された演出制御用マイクロコンピュータによって点灯制御される。さらに、プリペイドカードが挿入されることによって球貸しを可能にするプリペイドカードユニット(以下、「カードユニット」という。)50が、パチンコ遊技機1に隣接して設置されている。
カードユニット50には、たとえば、使用可能状態であるか否かを示す使用可表示ランプ、カードユニットがいずれの側のパチンコ遊技機1に対応しているのかを示す連結台方向表示器、カードユニット内にカードが投入されていることを示すカード投入表示ランプ、記録媒体としてのカードが挿入されるカード挿入口、およびカード挿入口の裏面に設けられているカードリーダライタの機構を点検する場合にカードユニットを解放するためのカードユニット錠が設けられている。
遊技者の操作により打球発射装置から発射された遊技球は、打球レールを通って遊技領域7に入り、その後、遊技領域7を下りてくる。遊技球が始動入賞口14に入り始動口スイッチ14aで検出されると、図柄の可変表示を開始できる状態であれば、特別図柄表示器8において特別図柄が可変表示(変動)を始める。図柄の可変表示を開始できる状態でなければ、保留記憶数を1増やす。
特別図柄表示器8における特別図柄の可変表示は、一定時間が経過したときに停止する。停止時の特別図柄(停止図柄)が大当り図柄(特定表示結果)であると、大当り遊技状態に移行する。すなわち、特別可変入賞球装置20が、一定時間経過するまで、または、所定個数(たとえば10個)の遊技球が入賞するまで開放する。そして、特別可変入賞球装置20の開放は、決定されたラウンド数の最後のラウンドまで(たとえば、15ラウンドまで)許容される。
停止時の特別図柄表示器8における特別図柄が確率変動を伴う大当り図柄(確変図柄)である場合には、次に大当りになる確率が高くなる。すなわち、確変状態という遊技者にとってさらに有利な状態になる。
遊技球がゲート32を通過すると、普通図柄表示器10において普通図柄が可変表示される状態になる。また、普通図柄表示器10における停止図柄が所定の図柄(当り図柄)である場合に、可変入賞球装置15が所定時間だけ開状態になる。
次に、パチンコ遊技機1の裏面の構造について図4を参照して説明する。図4は、遊技機を裏面から見た背面図である。図4に示すように、パチンコ遊技機1裏面側では、演出表示装置9を制御する演出制御用マイクロコンピュータ100が搭載された演出制御基板80を含む変動表示制御ユニット、遊技制御用マイクロコンピュータ等が搭載された遊技制御基板(主基板)31、音声出力基板70、ランプドライバ基板35、および球払出制御を行なう払出制御用マイクロコンピュータ等が搭載された払出制御基板37等の各種基板が設置されている。なお、遊技制御基板31は基板収納ケース200に収納されている。
さらに、パチンコ遊技機1裏面側には、DC30V、DC21V、DC12VおよびDC5V等の各種電源電圧を作成する電源回路が搭載された電源基板910やタッチセンサ基板91が設けられている。電源基板910には、パチンコ遊技機1における遊技制御基板31および各電気部品制御基板(演出制御基板80および払出制御基板37)やパチンコ遊技機1に設けられている各電気部品(電力が供給されることによって動作する部品)への電力供給を実行あるいは遮断するための電力供給許可手段としての電源スイッチ、遊技制御基板31の遊技制御用マイクロコンピュータ560のRAM55をクリアするためのクリアスイッチが設けられている。さらに、電源スイッチの内側(基板内部側)には、交換可能なヒューズが設けられている。
なお、この実施の形態では、主基板31は遊技盤側に設けられ、払出制御基板37は遊技枠側に設けられている。このような構成であっても、後述するように、主基板31と払出制御基板37との間の通信をシリアル通信で行なうことによって、遊技盤を交換する際の配線の取り回しを容易にしている。
なお、各制御基板には、制御用マイクロコンピュータを含む制御手段が搭載されている。制御手段は、遊技制御手段等からのコマンドとしての指令信号(制御信号)に従って遊技機に設けられている電気部品(遊技用装置:球払出装置97、演出表示装置9、ランプやLEDなどの発光体、スピーカ27等)を制御する。以下、主基板31を制御基板に含めて説明を行なうことがある。その場合には、制御基板に搭載される制御手段は、遊技制御手段と、遊技制御手段等からの指令信号に従って遊技機に設けられている電気部品を制御する手段とのそれぞれを指す。また、主基板31以外のマイクロコンピュータが搭載された基板を“サブ基板”ということがある。なお、球払出装置97は、遊技球を誘導する通路とステッピングモータ等により駆動されるスプロケット等によって誘導された遊技球を貯留皿や下皿に払い出すための装置であって、払い出された賞球や貸し球をカウントする払出個数カウントスイッチ等もユニットの一部として構成されている。なお、この実施の形態では、払出検出手段は、払出個数カウントスイッチ301によって実現され、球払出装置97から実際に賞球や貸し球が払い出されたことを検出する機能を備える。この場合、払出個数カウントスイッチ301は、賞球や貸し球の払い出しを1球検出するごとに検出信号を出力する。
パチンコ遊技機1裏面において、上方には、各種情報をパチンコ遊技機1の外部に出力するための各端子を備えたターミナル基板160が設置されている。ターミナル基板160には、たとえば、大当り遊技状態の発生を示す大当り情報等の情報出力信号(図32に示す図柄確定回数1信号、始動口信号、大当り1信号、大当り2信号、大当り3信号、時短信号、入賞信号、セキュリティ信号、高確中信号、賞球情報)を外部出力するための情報出力端子が設けられている。
貯留タンク38に貯留された遊技球は誘導レール(図示せず)を通り、カーブ樋を経て払出ケース40Aで覆われた球払出装置97に至る。球払出装置97の上方には、遊技媒体切れ検出手段としての球切れスイッチ187が設けられている。球切れスイッチ187が球切れを検出すると、球払出装置97の払出動作が停止する。球切れスイッチ187は遊技球通路内の遊技球の有無を検出するスイッチであるが、貯留タンク38内の補給球の不足を検出する球切れ検出スイッチ167も誘導レールにおける上流部分(貯留タンク38に近接する部分)に設けられている。球切れ検出スイッチ167が遊技球の不足を検知すると、遊技機設置島に設けられている補給機構からパチンコ遊技機1に対して遊技球の補給が行なわれる。
入賞に基づく景品としての遊技球や球貸し要求に基づく遊技球が多数払出されて打球供給皿3が満杯になると、遊技球は、余剰球誘導通路を経て余剰球受皿4に導かれる。さらに遊技球が払出されると、感知レバー(図示せず)が貯留状態検出手段としての満タン検出スイッチ45を押圧して、貯留状態検出手段としての満タン検出スイッチ45がオンする。その状態では、球払出装置内の払出モータの回転が停止して球払出装置の動作が停止するとともに打球発射装置の駆動も停止する。
次に、各入賞口の断面構造の具体例の一例として、始動入賞口14内の断面構造の具体例を説明する。なお、一例として始動入賞口14内の断面構造について説明するが、大入賞口や入賞口29,30についても、およそ同様の断面構造でカウントスイッチ23や入賞口スイッチ29a,30aが上流側に配置され、入賞確認スイッチ23b,29b,30bが下流側に配置されている。ただし、入賞口29,30に関しては、上流側に配置される入賞口スイッチ29a,30aと、下流側に配置される入賞確認スイッチ29b,30bとの距離が多少離れていても支障が生じる処理はないので、既に図3で説明したように、少なくとも、入賞確認スイッチ29b,30bについては遊技枠側に配置され、遊技機のコスト低減を図っている。
図5は、始動入賞口14内の断面構造の具体例を示す説明図である。図5に示すように、始動入賞口14内には、始動入賞口内に入賞した遊技球を検出可能な2つのスイッチ(始動口スイッチ14aと入賞確認スイッチ14b)が設けられている。この実施の形態では、図5に示すように、始動入賞口14内で、始動口スイッチ14aと入賞確認スイッチ14bとが上下に配置されている(本例では、始動口スイッチ14aが上側に配置され、入賞確認スイッチ14bが下側に配置されている)。従って、この実施の形態では、始動入賞口14内に入賞した遊技球は、遊技盤6の背面に導かれ、まず始動口スイッチ14aで検出され、次いで入賞確認スイッチ14bで検出される。なお、下流側の入賞確認スイッチ14bの配置に関して、遊技球が入賞側の開口部分から入賞したあと排出側の開口部分から排出される経路において、できるだけ排出側の開口部分に近い位置に配置されていれば、配置位置の高低などは問わない。
また、始動口スイッチ14aと入賞確認スイッチ14bとして、それぞれ異なる検出方式のスイッチが用いられる。この実施の形態では、始動口スイッチ14aとして近接スイッチを用い、入賞確認スイッチ14bとしてフォトセンサを用いる場合を示している。
また、この実施の形態では、始動口スイッチ14aによって遊技球が検出されたことに基づいて、乱数回路からの乱数の抽出が行なわれ、特別図柄の変動表示が開始される。また、後述するように、始動口スイッチ14aによる検出結果に加えて入賞確認スイッチ14bの検出結果に基づいて排出異常の発生の有無が判定され、排出異常の発生を検出したことに基づいてセキュリティ信号が外部出力される。また、始動口スイッチ14aによる検出結果に加えて入賞確認スイッチ14bの検出結果に基づいて、後述する入賞信号が外部出力され、賞球個数コマンドが払出制御用マイクロコンピュータ370に送信されて賞球払出が実行される。
なお、始動口スイッチ14aおよび入賞確認スイッチ14bの検出方式は、この実施の形態で示したものに限らず、たとえば、始動口スイッチ14aと入賞確認スイッチ14bとで異なる検出方式であれば、逆に始動口スイッチ14aとしてフォトセンサを用い、入賞確認スイッチ14bとして近接スイッチを用いてもよい。この場合、フォトセンサである始動口スイッチ14aの検出結果に基づいて乱数回路からの乱数の抽出や特別図柄の変動表示が実行され、フォトセンサである始動口スイッチ14aの検出結果に加えて近接スイッチである入賞確認スイッチ14bの検出結果に基づいて、始動入賞口14の排出異常の判定や、入賞信号の外部出力、賞球払出が実行されることになる。また、たとえば、電磁式のスイッチである近接スイッチや光学式のフォトセンサに代えて、始動口スイッチ14aまたは入賞確認スイッチ14bとして、機械式のスイッチ(マイクロスイッチなど)を用いてもよい。
図6は、遊技球を検出可能な検出手段の方式を説明するための回路図である。図6(A)には、始動口スイッチ14a(近接スイッチ)が示されている。始動口スイッチ14aの一方の端子には、電源基板910から+12V電源電圧が供給されている。始動口スイッチ14aの他方の端子の電圧レベルである検出信号は、主基板31に入力される。主基板31において、検出信号は、入力ドライバ回路から遊技制御用マイクロコンピュータの入力ポートに入力される。また、始動口スイッチ14aの出力側には、一端が接地されている抵抗RとコンデンサCが接続されている。
近接スイッチである始動口スイッチ14aに設けられている穴を金属の遊技球が通過するとコイルLに逆起電力が生じ、コイルLの等価的な抵抗値が極めて大きくなる。従って、始動口スイッチ14aの出力は、0Vに近いローレベルになる。すなわち、検出信号は、ローレベルである。始動口スイッチ14aに設けられている穴を金属の遊技球が通過していない場合には、始動口スイッチ14aの出力は、+12VがコイルLと抵抗Rの抵抗値で分圧された値であり、ハイレベルであるとみなされるしきい値レベルを越える。すなわち、検出信号は、ハイレベルである。従って、この実施の形態では、遊技制御用マイクロコンピュータは、始動口スイッチ14aからの出力がハイレベルであれば始動口スイッチ14aがオフ状態であると判断することができ、始動口スイッチ14aからの出力がローレベルであれば始動口スイッチ14aがオン状態であると判断することができる(すなわち、始動口スイッチ14aの出力は負論理となっている)。なお、検出信号のレベルを入力ドライバ回路で論理反転してから遊技制御用マイクロコンピュータ560に入力するように構成してもよい。
なお、この実施の形態では、大入賞口に関しては、カウントスイッチ23の検出信号のレベルが入力ドライバ回路で論理反転してから遊技制御用マイクロコンピュータ560に入力される。従って、この実施の形態では、遊技制御用マイクロコンピュータは、カウントスイッチ23からの出力(論理反転後の出力)がローレベルであればカウントスイッチ23がオフ状態であると判断することができ、カウントスイッチ23からの出力(論理反転後の出力)がハイレベルであればカウントスイッチ23がオン状態であると判断することができる。
また、この実施の形態では、入賞口29,30に関しては、入賞口スイッチ29a,30aの検出信号のレベルが入力ドライバ回路で論理反転してから遊技制御用マイクロコンピュータ560に入力される。従って、この実施の形態では、遊技制御用マイクロコンピュータは、入賞口スイッチ29a,30aからの出力(論理反転後の出力)がローレベルであれば入賞口スイッチ29a,30aがオフ状態であると判断することができ、入賞口スイッチ29a,30aからの出力(論理反転後の出力)がハイレベルであれば入賞口スイッチ29a,30aがオン状態であると判断することができる。
図6(B)には、入賞確認スイッチ14b(フォトセンサ)が示されている。図6(B)に示すフォトセンサは、発光する発光ダイオード(LED)341と、受光して電流を出力するフォトトランジスタ342とで構成されている。発光ダイオード341およびフォトトランジスタ342の近傍を遊技球が通過すると、遊技球が反射した発光ダイオード341からの光をフォトトランジスタ342が受光して出力側に電流を流す。なお、この場合、フォトトランジスタ342のコレクタ端子からエミッタ端子の向きに電流が流れることにより、フォトセンサの検出信号は、近接スイッチと同様に負論理である。ただし、この実施の形態では、入賞確認スイッチ14bの検出信号は、入力ドライバ回路で論理反転してから遊技制御用マイクロコンピュータ560に入力される。従って、この実施の形態では、遊技制御用マイクロコンピュータは、入賞確認スイッチ14bからの出力(論理反転後の出力)がローレベルであれば入賞確認スイッチ14bがオフ状態であると判断することができ、入賞確認スイッチ14bからの出力(論理反転後の出力)がハイレベルであれば入賞確認スイッチ14bがオン状態であると判断することができる。
なお、この実施の形態では、入賞確認スイッチ23b,29b,30bの検出信号も、同様に、入力ドライバ回路で論理反転してから遊技制御用マイクロコンピュータ560に入力される。従って、この実施の形態では、遊技制御用マイクロコンピュータは、入賞確認スイッチ23b,29b,30bからの出力(論理反転後の出力)がローレベルであれば入賞確認スイッチ23b,29b,30bがオフ状態であると判断することができ、入賞確認スイッチ23b,29b,30bからの出力(論理反転後の出力)がハイレベルであれば入賞確認スイッチ23b,29b,30bがオン状態であると判断することができる。
なお、この実施の形態では、フォトセンサとして反射型のフォトセンサが用いられるが、図6(C)における上段に示すように、発光素子(LED341)と受光素子(フォトトランジスタ342)とを入賞球経路を挟むように対向させて設置し、遊技球が発光素子からの光を遮ることによって受光素子が光を検出しなくなることによって、発光素子と受光素子との間を通過した遊技球を検出する透過型のフォトセンサを用いてもよい。透過型のフォトセンサを用いる場合に、図6(C)における下段に示すように、発光素子の光軸(図6(C)において黒丸で例示されている。)が、遊技球経路(入賞球経路)を通過する遊技球の中央部からずれるように、発光素子および受光素子を設置することが好ましい。光軸が遊技球の中央部に相当するように設置する場合に比べて、連続して通過する2つの遊技球の間隔が相対的に広い部分(図6(C)における「空隙」の部分)において遊技球を検知することができ、2つの遊技球を別個に検出しやすいからである。同様の理由で、図6(B)に例示する反射型のフォトセンサを用いる場合にも、発光素子からの光の反射点が遊技球の中央部からずれるように、発光素子および受光素子を設置することが好ましい。
図7は、主基板(遊技制御基板)31における回路構成の一例を示すブロック図である。なお、図7には、払出制御基板37および演出制御基板80等も示されている。主基板31には、プログラムに従ってパチンコ遊技機1を制御する遊技制御用マイクロコンピュータ(遊技制御手段に相当)560、制御用クロック生成回路111、および乱数用クロック生成回路112が搭載されている。遊技制御用マイクロコンピュータ560は、ゲーム制御(遊技進行制御)用のプログラム等を記憶するROM54、ワークメモリとして使用される記憶手段としてのRAM55、プログラムに従って制御動作を行なうCPU56およびI/Oポート部57を含む。この実施の形態では、ROM54およびRAM55は遊技制御用マイクロコンピュータ560に内蔵されている。すなわち、遊技制御用マイクロコンピュータ560は、1チップマイクロコンピュータである。1チップマイクロコンピュータには、少なくともRAM55が内蔵されていればよく、ROM54は外付けであっても内蔵されていてもよい。また、I/Oポート部57は、外付けであってもよい。さらに、ハードウェア乱数(ハードウェア回路が発生する乱数)を発生する乱数回路509が内蔵されている。
ここで、制御用クロック生成回路111は、遊技制御用マイクロコンピュータ560の外部にて、所定周波数の発振信号となる制御用クロックCCLKを生成する。制御用クロック生成回路111により生成された制御用クロックCCLKは、たとえば、遊技制御用マイクロコンピュータ560の制御用外部クロック端子EXCを介してクロック回路502に供給される。乱数用クロック生成回路112は、遊技制御用マイクロコンピュータ560の外部にて、制御用クロックCCLKの発振周波数とは異なる所定周波数の発振信号となる乱数用クロックRCLKを生成する。乱数用クロック生成回路112により生成された乱数用クロックRCLKは、たとえば、遊技制御用マイクロコンピュータ560の乱数用外部クロック端子ERCを介して乱数回路509に供給される。一例として、乱数用クロック生成回路112により生成される乱数用クロックRCLKの発振周波数は、制御用クロック生成回路111により生成される制御用クロックCCLKの発振周波数以下となるようにすればよい。あるいは、乱数用クロック生成回路112により生成される乱数用クロックRCLKの発振周波数は、制御用クロック生成回路111により生成される制御用クロックCCLKの発振周波数よりも高周波となるようにしてもよい。
なお、遊技制御用マイクロコンピュータ560においてCPU56がROM54に格納されているプログラムに従って制御を実行するので、以下、遊技制御用マイクロコンピュータ560(またはCPU56)が実行する(または、処理を行なう)ということは、具体的には、CPU56がプログラムに従って制御を実行することである。このことは、主基板31以外の他の基板に搭載されているマイクロコンピュータについても同様である。
遊技制御用マイクロコンピュータ560は、始動口スイッチ14aへの始動入賞が生じたときに乱数回路509から数値データをランダムRとして読み出し、特別図柄および演出図柄の変動開始時にランダムRに基づいて特定の表示結果としての大当り表示結果にするか否か、すなわち、大当りとするか否かを決定する。そして、大当りとすると決定したときに、遊技状態を遊技者にとって有利な特定遊技状態としての大当り遊技状態に移行させる。
また、遊技制御用マイクロコンピュータ560には、払出制御基板37(の払出制御用マイクロコンピュータ370)とシリアル通信で信号を入出力(送受信)するためのシリアル通信回路511が内蔵されている。なお、払出制御用マイクロコンピュータ370にも、遊技制御用マイクロコンピュータ560とシリアル通信で信号を入出力するためのシリアル通信回路が内蔵されている。
なお、この実施の形態では、遊技制御用マイクロコンピュータ560と払出制御用マイクロコンピュータ370との間でシリアル通信を行なう場合を示しているが、演出制御基板80側にもシリアル通信回路を搭載するようにし、遊技制御用マイクロコンピュータ560は、シリアル通信方式を用いて演出制御コマンドを演出制御用マイクロコンピュータ100に送信するように制御してもよい。
また、RAM55は、その一部または全部が電源基板において作成されるバックアップ電源によってバックアップされている不揮発性記憶手段としてのバックアップRAMである。すなわち、遊技機に対する電力供給が停止しても、所定期間(バックアップ電源としてのコンデンサが放電してバックアップ電源が電力供給不能になるまで)は、RAM55の一部または全部の内容は保存される。特に、少なくとも、遊技状態すなわち遊技制御手段の制御状態に応じたデータ(特別図柄プロセスフラグや、保留記憶数をカウントするための保留記憶数カウンタの値など)と未払出賞球数を示すデータ(具体的には、後述する賞球コマンド出力カウンタの値)は、バックアップRAMに保存される。遊技制御手段の制御状態に応じたデータとは、停電等が生じた後に復旧した場合に、そのデータに基づいて、遊技を再開させるために必要なデータである。また、制御状態に応じたデータと未払出賞球数を示すデータとを遊技の進行状態を示すデータと定義する。また、この実施の形態では、排出異常が発生した場合に後述する排出異常フラグがセットされるのであるが、この排出異常フラグもバックアップRAMに記憶されバックアップされる。なお、この実施の形態では、RAM55の全部が、電源バックアップされているとする。
遊技制御用マイクロコンピュータ560のリセット端子には、電源基板からのリセット信号が入力される。電源基板には、遊技制御用マイクロコンピュータ560等に供給されるリセット信号を生成するリセット回路が搭載されている。なお、リセット信号がハイレベルになると遊技制御用マイクロコンピュータ560等は動作可能状態になり、リセット信号がローレベルになると遊技制御用マイクロコンピュータ560等は動作停止状態になる。従って、リセット信号がハイレベルである期間は、遊技制御用マイクロコンピュータ560等の動作を許容する許容信号が出力されていることになり、リセット信号がローレベルである期間は、遊技制御用マイクロコンピュータ560等の動作を停止させる動作停止信号が出力されていることになる。なお、リセット回路をそれぞれの電気部品制御基板(電気部品を制御するためのマイクロコンピュータが搭載されている基板)に搭載してもよい。
さらに、遊技制御用マイクロコンピュータ560の入力ポートには、電源基板からの電源電圧が所定値以下に低下したことを示す電源断信号が入力される。すなわち、電源基板には、遊技機において使用される所定電圧(たとえば、DC30VやDC5Vなど)の電圧値を監視して、電圧値があらかじめ定められた所定値にまで低下すると(電源電圧の低下を検出すると)、その旨を示す電源断信号を出力する電源監視回路が搭載されている。なお、電源監視回路を電源基板に搭載するのではなく、バックアップ電源によって電源バックアップされる基板(たとえば、主基板31)に搭載するようにしてもよい。また、遊技制御用マイクロコンピュータ560の入力ポートには、RAMの内容をクリアすることを指示するためのクリアスイッチが操作されたことを示すクリア信号(図示せず)が入力される。
また、ゲートスイッチ32a、始動口スイッチ14a、入賞確認1スイッチ14b、カウントスイッチ23、入賞確認2スイッチ23b、各入賞口スイッチ29a,30a、入賞確認3スイッチ29b、入賞確認4スイッチ30b、電波センサ42、磁石センサ43、枠開放スイッチ44、満タン検出スイッチ45、および球有り検出スイッチ46からの検出信号を基本回路53に与える入力ドライバ回路58も主基板31に搭載され、可変入賞球装置15を開閉するソレノイド16、および特別可変入賞球装置を開閉するソレノイド21を基本回路53からの指令に従って駆動する出力回路59も主基板31に搭載され、電源投入時に遊技制御用マイクロコンピュータ560をリセットするためのシステムリセット回路(図示せず)や、大当り遊技状態の発生を示す大当り情報等の情報出力信号を、ターミナル基板160を介して、ホールコンピュータ等の外部装置に対して出力する情報出力回路64も主基板31に搭載されている。
電波センサ42により、遊技機を誤作動させるような異常電波が検出される。同様に磁石センサ43により、遊技機を誤作動させるような異常磁気が検出される。枠開放スイッチ44により、遊技枠が開放状態であることが検出される。満タン検出スイッチ45により、打球供給皿(貯留皿)3の遊技球の満タン状態が検出される。球有り検出スイッチ46により、打球供給皿(貯留皿)3の遊技球の有無が検出される。
この実施の形態では、演出制御基板80に搭載されている演出制御手段(演出制御用マイクロコンピュータで構成される。)が、中継基板77を介して遊技制御用マイクロコンピュータ560からの演出制御コマンドを受信し、演出図柄を可変表示する演出表示装置9の表示制御を行なう。
図8は、中継基板77、演出制御基板80、ランプドライバ基板35および音声出力基板70の回路構成例を示すブロック図である。なお、図8に示す例では、ランプドライバ基板35および音声出力基板70には、マイクロコンピュータは搭載されていないが、マイクロコンピュータを搭載してもよい。また、ランプドライバ基板35および音声出力基板70を設けずに、演出制御に関して演出制御基板80のみを設けてもよい。
演出制御基板80は、演出制御用CPU101、および演出図柄プロセスフラグ等の演出に関する情報を記憶するRAMを含む演出制御用マイクロコンピュータ100を搭載している。なお、RAMは外付けであってもよい。この実施の形態では、演出制御用マイクロコンピュータ100におけるRAMは電源バックアップされていない。演出制御基板80において、演出制御用CPU101は、内蔵または外付けのROM(図示せず)に格納されたプログラムに従って動作し、中継基板77を介して入力される主基板31からの取込信号(演出制御INT信号)に応じて、入力ドライバ102および入力ポート103を介して演出制御コマンドを受信する。また、演出制御用CPU101は、演出制御コマンドに基づいて、VDP(ビデオディスプレイプロセッサ)109に演出表示装置9の表示制御を行なわせる。
この実施の形態では、演出制御用マイクロコンピュータ100と共動して演出表示装置9の表示制御を行なうVDP109が演出制御基板80に搭載されている。VDP109は、演出制御用マイクロコンピュータ100とは独立したアドレス空間を有し、そこにVRAMをマッピングする。VRAMは、画像データを展開するためのバッファメモリである。そして、VDP109は、VRAM内の画像データをフレームメモリを介して演出表示装置9に出力する。
演出制御用CPU101は、受信した演出制御コマンドに従ってCGROM(図示せず)から必要なデータを読み出すための指令をVDP109に出力する。CGROMは、演出表示装置9に表示されるキャラクタ画像データや動画像データ、具体的には、人物、文字、図形や記号等(演出図柄を含む)、および背景画像のデータをあらかじめ格納しておくためのROMである。VDP109は、演出制御用CPU101の指令に応じて、CGROMから画像データを読み出す。そして、VDP109は、読み出した画像データに基づいて表示制御を実行する。
さらに、演出制御用CPU101は、出力ポート105を介してランプドライバ基板35に対してランプを駆動する信号を出力する。また、演出制御用CPU101は、出力ポート104を介して音声出力基板70に対して音番号データを出力する。
ランプドライバ基板35において、ランプを駆動する信号は、入力ドライバ351を介してランプドライバ352に入力される。ランプドライバ352は、ランプを駆動する信号に基づいて天枠ランプ28a、左枠ランプ28bおよび右枠ランプ28cなどの枠側に設けられている発光体に電流を供給する。また、遊技盤側に設けられている装飾ランプ25に電流を供給する。
音声出力基板70において、音番号データは、入力ドライバ702を介して音声合成用IC703に入力される。音声合成用IC703は、音番号データに応じた音声や効果音を発生し増幅回路705に出力する。増幅回路705は、音声合成用IC703の出力レベルを、ボリューム706で設定されている音量に応じたレベルに増幅した音声信号をスピーカ27に出力する。音声データROM704には、音番号データに応じた制御データが格納されている。音番号データに応じた制御データは、所定期間(たとえば演出図柄の変動期間)における効果音または音声の出力態様を時系列的に示すデータの集まりである。
図9は、遊技制御手段における出力ポートの割り当ての例を示す説明図である。図9に示すように、出力ポート0からは、払出制御基板37に送信される払出制御信号(本例では、接続信号)が出力される。また、大入賞口を開閉する可変入賞球装置20を開閉するためのソレノイド(大入賞口扉ソレノイド)21、および可変入賞球装置15を開閉するためのソレノイド(普通電動役物ソレノイド)16に対する駆動信号も、出力ポート0から出力される。また、出力ポート0から、ターミナル基板160を介して外部装置(たとえば、ホールコンピュータ)に対して出力される信号のうち高確中信号も出力される。
なお、図9に示された「論理」(たとえば1がオン状態)と逆の論理(たとえば0がオン状態)を用いてもよいが、特に、接続信号については、主基板31と払出制御基板37との間の信号線において断線が生じた場合やケーブル外れの場合(ケーブル未接続を含む)等に、払出制御用マイクロコンピュータ370では必ずオフ状態と検知されるように「論理」が定められる。具体的には、一般に、断線やケーブル外れが生ずると信号の受信側ではハイレベルが検知されるので、主基板31と払出制御基板37との間の信号線でのハイレベルが、遊技制御手段における出力ポートにおいてオフ状態になるように「論理」が定められる。従って、必要であれば、主基板31において出力ポートの外側に、信号を論理反転させる出力バッファ回路が設置される。
そして、出力ポート1から、ターミナル基板160を介して、外部装置(たとえば、ホールコンピュータ)に対して、各種情報出力用信号すなわち制御に関わる情報(たとえば、図柄確定回数1信号、始動口信号、大当り1信号、大当り2信号、大当り3信号、時短信号、入賞信号、セキュリティ信号)の出力データが出力される。ただし、既に説明したように、外部出力される信号のうち高確中信号については、出力ポート0から出力される。なお、この実施の形態では、後述する賞球情報(賞球払出を10個検出するごとに出力される信号)も、ターミナル基板160を介して外部装置に出力される。この場合、払出制御基板37側において、賞球払出が検出され、賞球情報が主基板31に入力される。そして、主基板31に入力された賞球情報は、遊技制御用マイクロコンピュータ560を経由することなく、主基板31上をそのまま経由してターミナル基板160を介して外部出力される。なお、主基板31に入力された賞球情報は、遊技制御用マイクロコンピュータ560を一旦経由してから、ターミナル基板160を介して外部出力されるようにしてもよい。
なお、ターミナル基板160を介して外部出力される信号は、この実施の形態で示したものに限られない。たとえば、遊技枠が開放状態であることを示すドア開放信号や、後述する賞球信号1(賞球払出を1個検出するごとに出力される信号)、遊技機で各種の異常(図47参照)が検出されたことを示す異常状態信号も、ターミナル基板160を介して外部装置に出力されるようにしてもよい。この場合、払出制御基板37側において、遊技枠が開放状態であることや、賞球払出、遊技機の異常状態も検出され、ドア開放信号や賞球信号1、遊技機異常状態信号が主基板31に入力される。そして、主基板31に入力されたドア開放信号や賞球信号1、遊技機異常状態信号は、遊技制御用マイクロコンピュータ560を経由することなく、主基板31上をそのまま経由してターミナル基板160を介して外部出力される。なお、この場合も、主基板31に入力されたドア開放信号や賞球信号1、遊技機異常状態信号は、遊技制御用マイクロコンピュータ560を一旦経由してから、ターミナル基板160を介して外部出力されるようにしてもよい。
また、たとえば、特別図柄表示装置を2つ備えるように遊技機を構成する場合、特別図柄の変動回数を通知するための図柄確定回数信号として図柄確定回数1信号に加えて図柄確定回数2信号も、ターミナル基板160を介して外部出力するようにしてもよい。この場合、たとえば、いずれか一方の特別図柄の変動回数のみを通知するための信号として図柄確定回数2信号を外部出力するようにし、両方の特別図柄の変動回数を通知するための信号として図柄確定回数1信号を外部出力するように構成すればよい。そのように構成すれば、ホールコンピュータなどの外部装置側において、いずれか一方の特別図柄のみの変動回数に加えて、両方の特別図柄の合計の変動回数も把握することができる。
図10は、遊技制御手段における入力ポートのビット割り当ての例を示す説明図である。図10に示すように、入力ポート0のビット0,2〜7には、それぞれ、カウントスイッチ23の検出信号、入賞口スイッチ29a,30aの検出信号、入賞確認1スイッチ14b、入賞確認2スイッチ23b、入賞確認3スイッチ29b、および入賞確認4スイッチ30bの検出信号が入力される。また、入力ポート1のビット4〜7には、それぞれ、電波センサ信号、磁石センサ信号、ドア開放信号、賞球情報が入力される。また、入力ポート2のビット0,2〜4には、それぞれ、始動口スイッチ14aの検出信号、ゲートスイッチ32aの検出信号、電源基板910からのクリアスイッチの検出信号および電源断信号が入力される。
図11は、ターミナル基板160の内部構成を示す回路図である。図11に示すターミナル基板160において、左側上段のコネクタCN−1,CN−2は、主基板31からの信号を伝達するケーブルを接続するためのコネクタであり、左側下段のコネクタCN−3は、払出制御基板37からの信号を、主基板31を経由して伝達するケーブルを接続するためのコネクタである。また、右側のコネクタCN1〜CN10は、ホールコンピュータなど外部装置に対して信号を伝達するケーブルを接続するためのコネクタである。また、ターミナル基板160には、ドライバ回路としての半導体リレー(PhotoMOSリレー)PC1〜PC10が搭載されている。
主基板31からのケーブルがコネクタCN−1,CN−2に接続されることにより、主基板31(遊技制御用マイクロコンピュータ560)から各種信号がターミナル基板160に入力される。具体的には、コネクタCN−1の端子「2」に図柄確定回数1信号が入力され、コネクタCN−1の端子「3」に始動口信号が入力され、コネクタCN−1の端子「4」に大当り1信号が入力され、コネクタCN−1の端子「5」に大当り2信号が入力され、コネクタCN−1の端子「6」に大当り3信号が入力され、コネクタCN−1の端子「7」に時短信号が入力され、コネクタCN−1の端子「8」に入賞信号が入力され、コネクタCN−1の端子「9」にセキュリティ信号が入力され、コネクタCN−2の端子「9」に高確中信号が入力される。
また、払出制御基板37からのケーブルが主基板31を経由してコネクタCN−3に接続されることにより、払出制御基板37(払出制御用マイクロコンピュータ370)からの信号がターミナル基板160に入力される。具体的には、コネクタCN−3の端子「9」に賞球情報が入力される。
図11に示すように、ターミナル基板160では、コネクタCN−1、コネクタCN−2およびコネクタCN−3の端子「1」に基準電位の信号線が接続され、その信号線が分岐して、各々の半導体リレーPC1〜PC10の入力端子「1」に接続されている。また、コネクタCN−1の端子「2」〜「9」、コネクタCN−2のコネクタ「9」、およびコネクタCN−3のコネクタ「9」に接続された信号線は、それぞれ、1KΩの抵抗R1〜R10を介して半導体リレーPC1〜PC10の入力端子「2」に接続されている。また、半導体リレーPC1〜PC10の出力端子「4」に接続された信号線は、それぞれ、コネクタCN1〜CN10の端子「1」に接続されている。また、半導体リレーPC1〜PC10の出力端子「3」に接続された信号線は、それぞれ、コネクタCN1〜CN10の端子「2」に接続されている。
半導体リレーPC1〜PC10では、入力端子に信号電流が流れると、入力側の発光素子(LED)が発光する。発光された光は、LEDと対向に設けられた光電素子(太陽電池)に透明シリコンを通って照射される。光を受けた光電素子は、光の量に応じて電圧に交換し、この電圧は制御回路を通って出力部のMOSFETゲートを充電する。光電素子より供給されるMOSFETゲート電圧が設定電圧値に達すると、MOSFETが導通状態になり、負荷をオンさせる。入力端子の信号電流が切れると、発光素子(LED)の発光が止まる。LEDの発光が止まると、光電素子の電圧が下がり、光電素子から供給される電圧が下がると制御回路により、MOSFETのゲート負荷を急速に放電させる。この制御回路によりMOSFETが非導通状態になり、負荷をオフさせる。
以上のような半導体リレーPC1〜PC10の動作により、入力側のコネクタCN−1、コネクタCN−2およびコネクタCN−3から入力された信号が出力側のコネクタCN1〜CN10に伝達され、ホールコンピュータなど外部装置に対して出力される。具体的には、コネクタCN1から図柄確定回数1信号が出力され、コネクタCN2から始動口信号が出力され、コネクタCN3から大当り1信号が出力され、コネクタCN4から大当り2信号が出力され、コネクタCN5から大当り3信号が出力され、コネクタCN6から時短信号が出力され、コネクタCN7から入賞信号が出力され、コネクタCN8からセキュリティ信号が出力され、コネクタCN9から高確中信号が出力され、コネクタCN10から賞球情報が出力される。なお、ターミナル基板160における各外部出力信号に対するコネクタの割り当ては、この実施の形態で示したものに限られない。たとえば、セキュリティ信号については、ターミナル基板160に設けられた一番端のコネクタ(たとえば、コネクタCN10)から出力されるようにしてもよい。
なお、コネクタCN7から出力される入賞信号は、所定数分(この実施の形態では、10個分)の賞球を払い出すための所定の払出条件が成立したこと(始動入賞口14、大入賞口、普通入賞口29,30への入賞が発生したこと。賞球の払出までは行なわれていない。具体的には、近接スイッチ(入賞口スイッチ29a,30a、カウントスイッチ23、始動口スイッチ14a)からの検出信号とフォトセンサ(入賞確認スイッチ29b,30b,23b,14b)からの検出信号との両方を入力したことを条件として、所定の払出条件が成立したと判定されたこと。)を示す信号である。入賞信号を確認することによって、払い出される賞球数の予定数を、ホールコンピュータなどの外部装置側で認識できるようにすることができる。
また、コネクタCN10から出力される賞球情報は、特定数(この実施の形態では、10個)の賞球が払い出されたこと(球払出装置97が駆動されて実際に賞球が払い出されたこと)を示す信号である。賞球情報を確認することによって、実際に払い出された賞球数を、ホールコンピュータなどの外部装置側で認識できるようにすることができる。また、入賞信号で示される賞球の予定数と賞球情報で示される払出済みの賞球数とを確認することによって、賞球払出が正常に行なわれたか否かや賞球過不足数を、ホールコンピュータなどの外部装置側で認識できるようにすることができる。
また、コネクタCN8から出力されるセキュリティ信号は、遊技機のセキュリティ状態を示す信号である。具体的には、後述するように、始動口スイッチ14aの検出結果と入賞確認スイッチ14bの検出結果とに基づいて、始動入賞口14への排出異常が発生したと判定された場合に、セキュリティ信号がホールコンピュータなどの外部装置に出力される。また、カウントスイッチ23の検出結果と入賞確認スイッチ23bの検出結果とに基づいて、大入賞口への排出異常が発生したと判定された場合に、セキュリティ信号がホールコンピュータなどの外部装置に出力される。そのように構成することによって、電波などを用いて始動入賞口14や大入賞口への入賞数が実際の入賞数よりも多くなるように認識させるような不正行為が行なわれたことを、ホールコンピュータなどの外部装置側で認識できるようにすることができる。
この実施の形態では、排出異常の発生に基づきセキュリティ信号を外部出力する場合には、遊技機への電源が再投入され初期化処理が実行されるまで、この排出異常の発生に基づくセキュリティ信号の外部出力が継続される。なお、後述するように、初期化処理が行なわれた場合にはセキュリティ信号が所定期間(たとえば、30秒間)外部出力されるので、より正確には、遊技機への電源が再投入され初期化処理が実行されたときに、内部的には排出異常の発生に基づくセキュリティ信号の外部出力を終了し、初期化処理に基づくセキュリティ信号の外部出力が開始され、所定期間(たとえば、30秒間)を経過するまでセキュリティ信号の出力が継続される。従って、見た目上は、排出異常の発生に基づきセキュリティ信号の外部出力が開始された場合には、遊技機への電源が再投入され初期化処理が実行された後、所定期間(たとえば、30秒間)を経過したときにセキュリティ信号の外部出力が終了する。
また、この実施の形態では、可変入賞球装置15が開状態でないときに始動入賞口14への遊技球の入賞を検出した場合や、大当り遊技中でないときに大入賞口への遊技球の入賞を検出した場合に異常入賞が発生したと判定され、この異常入賞が検出された場合にも、セキュリティ信号が所定期間(たとえば、30秒間)ホールコンピュータなどの外部装置に出力される。そのように構成することによって、可変入賞球装置15や大入賞口に対する不正行為によって異常入賞が生じたことを報知することができ、その結果、可変入賞球装置15や大入賞口に対する不正行為を確実に防止することができる。
また、この実施の形態では、遊技機への電源投入が行なわれて初期化処理が実行された場合にも、セキュリティ信号が所定期間(たとえば、30秒間)ホールコンピュータなどの外部装置に出力される。そのように構成することによって、不自然なタイミングで(たとえば、遊技店の開店時に全ての遊技機の電源リセット作業を終えた後であるにもかかわらず)初期化処理が実行されたことを認識可能とすることによって、不正に遊技機を電源リセットさせて電源リセットのタイミングで大当りを狙うような不正行為が行なわれた可能性を、ホールコンピュータなどの外部装置側で認識できるようにすることができる。
なお、この実施の形態では、上記のように、排出異常が検出された場合と、異常入賞が検出された場合と、初期化処理(たとえば、遊技機への電源投入時に、クリアスイッチによる操作が行なわれたことに基づいてRAM55の記憶内容をクリアするなどの処理)が実行された場合とで、共通のセキュリティ信号をターミナル基板160の共通のコネクタCN8から外部出力している。これは、初期化処理が実行されるのは、通常、遊技店の開店時に遊技機の電源リセット作業を行なう場合のみであることから、1日のうち1回程度しか出力されない信号のためにターミナル基板160上に専用のコネクタや半導体リレーを設けることは効率的ではなく無駄が多い。また、排出異常や異常入賞も何らかの不正行為が行なわれない限り発生しないのであるから、排出異常や異常入賞のために専用のコネクタや半導体リレーを個別に設けることも効率的ではなく無駄が多い。そこで、この実施の形態では、排出異常が検出された場合と、異常入賞が検出された場合と、初期化処理が実行された場合とで、共通のコネクタCN8からセキュリティ信号を出力するように構成することによって、外部出力用の信号線や回路素子の無駄を低減している。すなわち、ホールコンピュータなどの外部装置に情報を出力するための機構の部品数の増加や配線作業の複雑化を防ぐことができる。
なお、セキュリティ信号として共通のコネクタから外部出力される信号は、この実施の形態で示したものに限られない。たとえば、始動入賞口14や大入賞口への排出異常に限らず、普通入賞口29,30への排出異常も検出して、ターミナル基板160の共通のコネクタCN8からセキュリティ信号として外部出力可能なように構成してもよい。この場合、たとえば、普通入賞口29,30についても、始動入賞口14や大入賞口と同様に、遊技球の入賞を検出するためのスイッチとして検出方式の異なる2種類のスイッチ(近接スイッチとフォトセンサ)を用いて、始動入賞口14や大入賞口と同様の判定方法に従って、排出異常の有無を判定するようにすればよい。また、たとえば、始動入賞口14と大入賞口とのいずれか一方の排出異常のみを検出して、セキュリティ信号を外部出力するように構成してもよい。
また、たとえば、この実施の形態では、始動入賞口14および大入賞口の両方の異常入賞を検出してセキュリティ信号を外部出力可能に構成しているが、始動入賞口14と大入賞口とのいずれか一方の異常入賞のみを検出して、セキュリティ信号を外部出力するように構成してもよい。
また、たとえば、遊技機に設けられた磁石センサ43で異常磁気を検出した場合や、遊技機に設けられた電波センサ42で異常電波を検出した場合に、ターミナル基板160の共通のコネクタCN8からセキュリティ信号として外部出力可能なように構成してもよい。また、たとえば、遊技機に設けられた各種スイッチの異常を検出した場合(たとえば、入力値が閾値を超えたと判定したことにより、短絡などの発生を検出した場合)に、ターミナル基板160の共通のコネクタCN8からセキュリティ信号として外部出力可能なように構成してもよい。
上記のように、普通入賞口29,30への排出異常や磁気異常、電波異常についてもターミナル基板160の共通のコネクタCN8からセキュリティ信号として外部出力可能なように構成すれば、1本の信号線さえ接続すればホールコンピュータなど外部装置で異常検出を行なえるようにすることができ、異常検出に関する作業負担を軽減することができる。
また、たとえば、遊技制御用マイクロコンピュータ560と払出制御用マイクロコンピュータ370との間の通信異常を検出した場合にも、ターミナル基板160の共通のコネクタCN8からセキュリティ信号として外部出力可能なように構成してもよい。本実施の形態では、たとえば、遊技制御用マイクロコンピュータ560は、払出制御用マイクロコンピュータ370から払出制御コマンドを受信できなかったことに基づいて通信異常が発生したと判定する。このとき、ターミナル基板160の共通のコネクタCN8からセキュリティ信号として外部出力してもよい。また、たとえば、遊技制御用マイクロコンピュータ560は、シリアル通信回路511のステータスレジスタ(図示せず)のいずれかのエラービットの値がセットされていることに基づいて通信異常が発生したと判定し、ターミナル基板160の共通のコネクタCN8からセキュリティ信号として外部出力してもよい。
なお、セキュリティ信号用の信号線およびコネクタCN8とは別に、遊技制御用マイクロコンピュータ560と払出制御用マイクロコンピュータ370との間の通信異常専用の信号線およびコネクタをターミナル基板160に設けてもよい。そして、遊技制御用マイクロコンピュータ560と払出制御用マイクロコンピュータ370との間の通信異常を検出した場合には、セキュリティ信号とは別の信号として、ターミナル基板160を経由してホールコンピュータなどの外部装置に出力するようにしてもよい。
また、セキュリティ信号出力用の信号線とは別に、初期化処理実行の検出や、始動入賞口14の排出異常の検出、大入賞口の排出異常の検出、始動入賞口14への異常入賞の検出、大入賞口への異常入賞の検出、磁気異常の検出、電波異常の検出、通信異常の検出について、それぞれ別々の信号線を設けるようにし、ターミナル基板160から、セキュリティ信号とともに、それぞれの異常に対応した外部出力信号も、ホールコンピュータなどの外部装置に出力するようにしてもよい。そのように構成すれば、セキュリティ信号を確認することによって何らかの異常が発生していることを認識できるとともに、さらに異常の種類ごとに出力される信号を確認することによって遊技店側で異常の種類を確認することができる。従って、遊技店側から異常の種類の確認まで要求されているような場合には、セキュリティ信号とは別に異常種類ごとの外部出力信号を設けることによって、より遊技店のニーズに応えた外部出力を行なえるようにすることができる。一方で、何らかの異常が発生していることの確認のみを要求しているような遊技店の場合には、外部出力される信号のうち、セキュリティ信号のみをホールコンピュータなどの外部装置に接続して確認するようにすればよい。
上記のように、半導体リレーPC1〜PC10をターミナル基板160に設けたことにより、外部から遊技機内部への信号入力を防止することができ、その結果、不正行為を確実に防止することができる。なお、上記の例では、ターミナル基板160に半導体リレーPC1〜PC10を設けていたが、半導体リレーPC1〜PC10ではなく、機械式のリレー等の他のリレー素子であってもよい。
次に遊技機の動作について説明する。図12は、遊技機に対して電力供給が開始され遊技制御用マイクロコンピュータ560へのリセット信号がハイレベルになったことに応じて遊技制御用マイクロコンピュータ560のCPU56が実行するメイン処理を示すフローチャートである。リセット信号が入力されるリセット端子の入力レベルがハイレベルになると、遊技制御用マイクロコンピュータ560のCPU56は、ROM54に記憶されているセキュリティチェックプログラム54Aに従って、プログラムの内容が正当か否かを確認するための処理であるセキュリティチェック処理を実行した後、S1以降のメイン処理を開始する。メイン処理において、CPU56は、まず、必要な初期設定を行なう。
初期設定処理において、CPU56は、まず、割込禁止に設定する(S1)。次に、マスク可能割込の割込モードを設定し(S2)、スタックポインタにスタックポインタ指定アドレスを設定する(S3)。なお、S2では、遊技制御用マイクロコンピュータ560の特定レジスタ(Iレジスタ)の値(1バイト)と内蔵デバイスが出力する割込ベクタ(1バイト:最下位ビット0)から合成されるアドレスが、割込番地を示すモードに設定する。また、マスク可能な割込が発生すると、CPU56は、自動的に割込禁止状態に設定するとともに、プログラムカウンタの内容をスタックにセーブする。
次いで、CPU56は、払出制御用マイクロコンピュータ370に対して、接続信号の出力を開始する(S4)。なお、CPU56は、S4で接続信号の出力を開始すると、遊技機の電源供給が停止したり、何らかの通信異常が生じて出力不能とならない限り、払出制御用マイクロコンピュータ370に対して接続信号を継続して出力する。
次いで、内蔵デバイスレジスタの設定(初期化)を行なう(S5)。S5の処理によって、内蔵デバイス(内蔵周辺回路)であるCTC(カウンタ/タイマ)およびPIO(パラレル入出力ポート)の設定(初期化)がなされる。
この実施の形態で用いられる遊技制御用マイクロコンピュータ560は、I/Oポート(PIO)およびタイマ/カウンタ回路(CTC)504も内蔵している。
次いで、CPU56は、RAM55をアクセス可能状態に設定し(S6)、クリア信号のチェック処理に移行する。
なお、遊技の進行を制御する遊技装置制御処理(遊技制御処理)の開始タイミングをソフトウェアで遅らせるためのソフトウェア遅延処理を実行するようにしてもよい。そのようなソフトウェア遅延処理によって、ソフトウェア遅延処理を実行しない場合に比べて、遊技制御処理の開始タイミングを遅延させることができる。遅延処理を実行したときには、他の制御基板(たとえば、払出制御基板37)に対して、遊技制御基板(主基板31)が送信するコマンドを他の制御基板のマイクロコンピュータが受信できないという状況が発生することを防止できる。
次いで、CPU56は、クリアスイッチがオンされているか否か確認する(S7)。なお、CPU56は、入力ポート0を介して1回だけクリア信号の状態を確認するようにしてもよいが、複数回クリア信号の状態を確認するようにしてもよい。たとえば、クリア信号の状態がオフ状態であることを確認したら、所定時間(たとえば、0.1秒)の遅延時間をおいた後、クリア信号の状態を再確認する。そのときにクリア信号の状態がオン状態であることを確認したら、クリア信号がオン状態になっていると判定する。また、このときにクリア信号の状態がオフ状態であることを確認したら、所定時間の遅延時間をおいた後、再度、クリア信号の状態を再確認するようにしてもよい。ここで、再確認の回数は、1回または2回に限られず、3回以上であってもよい。また、2回チェックして、チェック結果が一致していなかったときにもう一度確認するようにしてもよい。
S7でクリアスイッチがオンでない場合には、遊技機への電力供給が停止したときにバックアップRAM領域のデータ保護処理(たとえばパリティデータの付加等の電力供給停止時処理)が行なわれたか否か確認する(S8)。この実施の形態では、電力供給の停止が生じた場合には、バックアップRAM領域のデータを保護するための処理が行なわれている。そのような電力供給停止時処理が行なわれていたことを確認した場合には、CPU56は、電力供給停止時処理が行なわれた、すなわち電力供給停止時の制御状態が保存されていると判定する。電力供給停止時処理が行なわれていないことを確認した場合には、CPU56は初期化処理を実行する。
電力供給停止時処理が行なわれていたか否かは、電力供給停止時処理においてバックアップRAM領域に保存されるバックアップ監視タイマの値が、電力供給停止時処理を実行したことに応じた値(たとえば2)になっているか否かによって確認される。なお、そのような確認の仕方は一例であって、たとえば、電力供給停止時処理においてバックアップフラグ領域に電力供給停止時処理を実行したことを示すフラグをセットし、S8において、そのフラグがセットされていることを確認したら電力供給停止時処理が行なわれたと判定してもよい。
電力供給停止時の制御状態が保存されていると判定したら、CPU56は、バックアップRAM領域のデータチェック(この例ではパリティチェック)を行なう(S9)。この実施の形態では、クリアデータ(00)をチェックサムデータエリアにセットし、チェックサム算出開始アドレスをポインタにセットする。また、チェックサムの対象になるデータ数に対応するチェックサム算出回数をセットする。そして、チェックサムデータエリアの内容とポインタが指すRAM領域の内容との排他的論理和を演算する。演算結果をチェックサムデータエリアにストアするとともに、ポインタの値を1増やし、チェックサム算出回数の値を1減算する。以上の処理が、チェックサム算出回数の値が0になるまで繰り返される。チェックサム算出回数の値が0になったら、CPU56は、チェックサムデータエリアの内容の各ビットの値を反転し、反転後のデータをチェックサムにする。
電力供給停止時処理において、上記の処理と同様の処理によってチェックサムが算出され、チェックサムはバックアップRAM領域に保存されている。S9では、算出したチェックサムと保存されているチェックサムとを比較する。不測の停電等の電力供給停止が生じた後に復旧した場合には、バックアップRAM領域のデータは保存されているはずであるから、チェック結果(比較結果)は正常(一致)になる。チェック結果が正常でないということは、バックアップRAM領域のデータが、電力供給停止時のデータとは異なっている可能性があることを意味する。そのような場合には、内部状態を電力供給停止時の状態に戻すことができないので、電力供給の停止からの復旧時でない電源投入時に実行される初期化処理(S10〜S14の処理)を実行する。
チェック結果が正常であれば、CPU56は、バックアップ電源されたRAM55が記憶するデータを用いて遊技を再開するためのホットスタート処理を行なう(S91)。また、CPU56は、ROM54に格納されているバックアップ時コマンド送信テーブルの先頭アドレスをポインタに設定し(S92)、S15に移行する。なお、S92で設定された後、後述するS15aのシリアル通信回路設定処理が行なわれてからバックアップコマンドが送信されることになる。
初期化処理では、CPU56は、まず、RAMクリア処理を行なう(S10)。なお、RAM55の全領域を初期化せず、所定のデータをそのままにしてもよい。また、ROM54に格納されている初期化時設定テーブルの先頭アドレスをポインタに設定し(S11)、初期化時設定テーブルの内容を順次業領域に設定する(S12)。
S11およびS12の処理によって、たとえば、普通図柄判定用乱数カウンタ、普通図柄判定用バッファ、特別図柄バッファ、特別図柄プロセスフラグ、賞球中フラグ、球切れフラグ、排出異常フラグなど制御状態に応じて選択的に処理を行なうためのフラグに初期値が設定される。また、後述する各外部出力信号を出力するために用いる各タイマ(始動口情報記憶タイマや、入賞情報記憶タイマ、セキュリティ信号情報タイマなど)にも初期値(クリアデータ)が設定される。
また、CPU56は、ROM54に格納されている初期化時コマンド送信テーブルの先頭アドレスをポインタに設定し(S13)、その内容に従ってサブ基板を初期化するための初期化コマンドをサブ基板に送信する処理を実行する(S14)。初期化コマンドとして、演出表示装置9に表示される初期図柄を示すコマンドや払出制御基板37への初期化コマンド等を使用することができる。なお、S13で設定された後、後述するS15aのシリアル通信回路設定処理が行なわれてから初期化コマンドが送信されることになる。
また、CPU56は、セキュリティ信号情報タイマに所定時間(本例では、30秒)をセットする(S14a)。セキュリティ信号情報タイマは、ターミナル基板160から出力するセキュリティ信号のオン時間を計測するためのタイマである。この実施の形態では、S14aでセキュリティ信号情報タイマに所定時間がセットされたことに基づいて、後述する情報出力処理(S31参照)が実行されることによって、遊技機の電源投入時に初期化処理が実行されたときに、セキュリティ信号が所定時間(本例では、30秒)外部出力される。
また、CPU56は、乱数回路509を初期設定する乱数回路設定処理を実行する(S15)。この場合、CPU56は、あらかじめROM54に格納されている乱数回路設定プログラムに従って処理を実行することによって、乱数回路509にランダムRの値を更新させるための設定を行なう。
また、CPU56は、シリアル通信回路511を初期設定するシリアル通信回路設定処理を実行する(S15a)。この場合、CPU56は、シリアル通信回路設定プログラムに従ってROM54の所定領域に格納されているデータをシリアル通信回路511に設定することによって、シリアル通信回路511に払出制御用マイクロコンピュータとシリアル通信させるための設定を行なう。
シリアル通信回路511を初期設定すると、CPU56は、シリアル通信回路511の割り込み要求に応じて実行する割込処理の優先順位を初期設定する(S15b)。この場合、CPU56は、割込優先順位設定プログラム557に従って処理を実行することによって、割込処理の優先順位を初期設定する。
たとえば、CPU56は、各割込処理のデフォルトの優先順位を含む所定の割込処理優先順位テーブルに従って、各割込処理の優先順位を初期設定する。この実施の形態では、CPU56は、割込処理優先順位テーブルに従って、シリアル通信回路511において通信異常が発生したことを割込原因とする割込処理を優先して実行するように初期設定する。この場合、たとえば、CPU56は、通信異常が発生したことを割込原因とする割込処理を優先して実行する旨を示す通信異常時割込優先実行フラグをセットする。
なお、この実施の形態では、タイマ割込とシリアル通信回路511からの割り込み要求とが同時に発生した場合、CPU56は、タイマ割込による割込処理を優先して行なう。
また、ユーザによって各割込処理のデフォルトの優先順位を変更することもできる。たとえば、遊技制御用マイクロコンピュータ560は、ユーザ(たとえば、遊技機の製作者)によって設定された割込処理を指定する指定情報を、あらかじめROM54の所定の記憶領域に記憶している。そして、CPU56は、ROM54の所定の記憶領域に記憶された指定情報に従って、割込処理の優先順位を設定する。
なお、S15〜S15bだけでなく、乱数回路509やシリアル通信回路511の設定処理の一部は、S5の処理においても実行される。たとえば、S5において、内蔵デバイスレジスタとして、シリアル通信回路511のボーレートレジスタや通信設定レジスタ、割込制御レジスタ、ステータスレジスタに、初期値を設定する処理が実行される。
そして、CPU56は、所定時間(たとえば4ms)ごとに定期的にタイマ割込がかかるように遊技制御用マイクロコンピュータ560に内蔵されているCTCのレジスタの設定を行なうタイマ割込設定処理を実行する(S16)。すなわち、初期値としてたとえば4msに相当する値が所定のレジスタ(時間定数レジスタ)に設定される。この実施の形態では、4msごとに定期的にタイマ割込がかかるとする。
タイマ割込の設定が完了すると、CPU56は、まず、割込禁止状態にして(S17)、初期値用乱数更新処理(S18a)と表示用乱数更新処理(S18b)を実行して、再び割込許可状態にする(S19)。すなわち、CPU56は、初期値用乱数更新処理および表示用乱数更新処理が実行されるときには割込禁止状態にして、初期値用乱数更新処理および表示用乱数更新処理の実行が終了すると割込許可状態にする。
なお、初期値用乱数更新処理とは、初期値用乱数を発生するためのカウンタのカウント値を更新する処理である。初期値用乱数とは、大当りの種類を決定するための判定用乱数(たとえば、大当りを発生させる特別図柄を決定するための大当り図柄決定用乱数や、遊技状態を確変状態に移行させるかを決定するための確変決定用乱数、普通図柄に基づく当りを発生させるか否かを決定するための普通図柄当たり判定用乱数)を発生するためのカウンタ(判定用乱数発生カウンタ)等のカウント値の初期値を決定するための乱数である。後述する遊技制御処理(遊技制御用マイクロコンピュータが、遊技機に設けられている演出表示装置9、可変入賞球装置15、球払出装置97等の遊技用の装置を、自身で制御する処理、または他のマイクロコンピュータに制御させるために指令信号を送信する処理、遊技装置制御処理ともいう)において、判定用乱数発生カウンタのカウント値が1周すると、そのカウンタに初期値が設定される。
また、表示用乱数とは、特別図柄表示器8の表示を決定するための乱数である。この実施の形態では、表示用乱数として、特別図柄の変動パターンを決定するための変動パターン決定用乱数や、大当りを発生させない場合にリーチとするか否かを決定するためのリーチ判定用乱数が用いられる。また、表示用乱数更新処理とは、表示用乱数を発生するためのカウンタのカウント値を更新する処理である。
また、表示用乱数更新処理が実行されるときに割込禁止状態にされるのは、表示用乱数更新処理および初期値用乱数更新処理が後述するタイマ割込処理でも実行される(すなわち、タイマ割込処理のS26,S27でも同じ処理が実行される)ことから、タイマ割込処理における処理と競合してしまうのを避けるためである。すなわち、S18a,S18bの処理中にタイマ割込が発生してタイマ割込処理中で初期値用乱数や表示用乱数を発生するためのカウンタのカウント値を更新してしまったのでは、カウント値の連続性が損なわれる場合がある。しかし、S18a,S18bの処理中では割込禁止状態にしておけば、そのような不都合が生ずることはない。
S19で割込許可状態に設定されると、次にS17の処理が実行されて割込禁止状態とされるまで、タイマ割込またはシリアル通信回路511からの割り込み要求を許可する状態となる。そして、割込許可状態に設定されている間に、タイマ割込が発生すると、遊技制御用マイクロコンピュータ560のCPU56は、後述するタイマ割込処理を実行する。また、割込許可状態に設定されている間に、シリアル通信回路511から割り込み要求が発生すると、遊技制御用マイクロコンピュータ560のCPU56は、各割込処理(通信異常割込処理や、受信時割込処理、送信完了割込処理)を実行する。また、本実施の形態では、S17からS19までのループ処理の前にS15bを実行することによって、タイマ割込または割り込み要求を許可する状態に設定される前に、割込処理の優先順位を設定または変更する処理が行なわれる。
次に、S91のホットスタート処理について説明する。図13は、ホットスタート処理の処理例を示すフローチャートである。ホットスタート処理において、CPU56は、まず、ROM54に格納されているバックアップ時設定テーブルの先頭アドレスをポインタに設定し(S9101)、バックアップ時設定テーブルの内容を順次作業領域(RAM55内の領域)に設定する(S9102)。作業領域はバックアップ電源によって電源バックアップされている。バックアップ時設定テーブルには、作業領域のうち初期化してもよい領域についての初期化データ(たとえば、賞球プロセスコードや賞球プロセスタイマ、枠状態表示バッファ、前回枠状態表示バッファ)が設定されている。S9101およびS9102の処理によって、作業領域のうち初期化してはならない部分については、保存されていた内容がそのまま残る。初期化してはならない部分とは、たとえば、電力供給停止前の遊技状態を示すデータ(特別図柄プロセスフラグ、排出異常フラグなど)、出力ポートの出力状態が保存されている領域(出力ポートバッファ)、未払出賞球数を示すデータが設定されている部分などである。
なお、この実施の形態では、排出異常が検出され排出異常フラグがセットされている場合には、S9102の処理が実行されても排出異常フラグの内容はそのままバックアップRAMに残る。一方で、セキュリティ信号情報タイマの値はクリアされる。
また、CPU56は、遊技状態が高確率状態(確変状態)に制御されていることを示す高確中信号を、ターミナル基板160を介して外部出力することを許可する旨の高確中出力許可フラグをセットする(S9103)。なお、無条件に高確中出力許可フラグをセットするのではなく、まず、高確率状態(確変状態)であるか否かを確認し(具体的には、バックアップRAMに記憶されている確変フラグがオン状態であるか否かを確認し)、高確率状態(確変状態)であることを条件に高確中出力許可フラグをセットするようにしてもよい。そのように、電力供給開始時に、無条件に高確中出力許可フラグをセットしてもよいし、高確率状態(確変状態)であることを条件に高確中出力フラグをセットしてもよい。
また、CPU56は、後述する入賞信号の出力時間を計測するための入賞情報記憶タイマをクリアする(S9104)。すなわち、この実施の形態では、入賞情報記憶タイマの値は、電源バックアップされたRAM55に記憶され、電力供給が停止しても所定時間は保持されるのであるが、S9104の処理が実行されることによって停電復旧時にクリアされる。このように、この実施の形態では、共通のホットスタート処理において、高確中出力許可フラグの設定処理と入賞情報記憶タイマのクリア処理とが実行可能に構成されており、処理ルーチンの共通化によって、遊技制御用マイクロコンピュータ560の制御負担を軽減している。
なお、たとえば、バックアップ時設定テーブルにおいて、高確中出力許可フラグをオン状態に設定する値(たとえば、論理値「1」)や、入賞情報記憶タイマをクリアするための値(たとえば、クリアデータ「0」)も設定するようにし、S9102が実行されることによって、高確中出力許可フラグをオンにするとともに入賞情報記憶タイマをクリアするようにしてもよい。この場合、たとえば、バックアップ時設定テーブルに基づいて、作業領域中の高確中出力許可フラグの値をオン状態に設定したり(たとえば、論理値「1」を書き込んだり)、作業領域中の入賞情報記憶タイマの値にクリアデータを書き込んだりするようにすればよい。そのようにすれば、1つのデータテーブル(バックアップ時設定テーブル)を用いて、高確中出力許可フラグの設定処理と入賞情報記憶タイマのクリア処理とを共通化することができ、遊技制御用マイクロコンピュータ560の制御負担をさらに軽減することができる。
次に、タイマ割込処理について説明する。図14は、タイマ割込処理を示すフローチャートである。メイン処理の実行中に、具体的には、S17〜S19のループ処理の実行中における割込許可になっている期間において、タイマ割込が発生すると、遊技制御用マイクロコンピュータ560のCPU56は、タイマ割込の発生に応じて起動されるタイマ割込処理を実行する。タイマ割込処理において、CPU56は、まず、電源断信号が出力されたか否か(オン状態になったか否か)を検出する電源断処理(電源断検出処理)を実行する(S20)。そして、CPU56は、スイッチ回路58を介して、ゲートスイッチ32a、始動口スイッチ14a、入賞確認1スイッチ14b、カウントスイッチ23、入賞確認2スイッチ23b、入賞口スイッチ29a,30a、入賞確認3スイッチ29b、および入賞確認4スイッチ30bのスイッチの検出信号を入力し、各スイッチの入力を検出する(スイッチ処理:S21)。具体的には、各スイッチの検出信号を入力する入力ポートの状態がオン状態であれば、各スイッチに対応して設けられているスイッチタイマの値を+1する。
次に、CPU56は、特別図柄表示器8、普通図柄表示器10、特別図柄保留記憶表示器18、普通図柄保留記憶表示器41の表示制御を行なう表示制御処理を実行する(S22)。特別図柄表示器8および普通図柄表示器10については、S36,S37で設定される出力バッファの内容に応じて各表示器に対して駆動信号を出力する制御を実行する。
次いで、CPU56は、正規の時期以外の時期において大入賞口に遊技球が入賞したことを検出した場合や、正規の時期以外の時期において始動入賞口14に遊技球が入賞したことを検出した場合に、異常入賞の報知を行なわせるための異常入賞報知処理を行なう(S23)。異常入賞報知処理では、演出制御基板80に異常入賞の発生を示すコマンドが送信される。
次いで、CPU56は、電波センサ42あるいは磁石センサ43から検出信号を入力したことに基づいて電波異常報知あるいは磁気異常報知を行なわせるための磁気異常・電波異常報知処理を実行する(S24)。異常入賞報知処理では、演出制御基板80に電波異常あるいは磁気異常の発生を示すコマンドが送信される。
次いで、CPU56は、満タン検出スイッチ45から検出信号を入力したことに基づいて満タン報知を行ない、球有り検出スイッチ46からの検出信号が途絶えることに基づいて貯留皿の球切れ報知を行なわせるための満タン・球切れ報知処理を実行する(S25)。満タン・球切れ報知処理では、演出制御基板80に満タンあるいは球切れの発生を示すコマンドが送信される。
次いで、CPU56は、払出制御用マイクロコンピュータ370から払出制御コマンドを受信できなかったことに基づいて通信異常が発生したと判定し、通信異常を報知させるための払出制御基板通信異常報知処理を実行する(S26)。払出制御基板通信異常報知処理では、演出制御基板80に払出制御基板との間での通信異常の発生を示すコマンドが送信される。
次いで、CPU56は、カードユニット50との通信断の発生あるいは未接続状態を判定し、未接続状態あるいは通信異常を報知させるためのカードユニット通信異常報知処理を実行する(S27)。カードユニット通信異常報知処理では、演出制御基板80にカードユニット50との間での通信異常の発生あるいは未接続状態を示すコマンドが送信される。
次いで、CPU56は、遊技制御に用いられる普通図柄当り判定用乱数等の各判定用乱数を生成するための各カウンタのカウント値を更新する処理を行なう(判定用乱数更新処理:S28)。また、CPU56は、初期値用乱数を発生するためのカウンタのカウント値を更新する処理を行なう(初期値用乱数更新処理:S29)。さらに、CPU56は、表示用乱数を生成するためのカウンタのカウント値を更新する処理を行なう(表示用乱数更新処理:S30)。
次いで、CPU56は、特別図柄プロセス処理を行なう(S31)。特別図柄プロセス処理では、遊技状態に応じてパチンコ遊技機1を所定の順序で制御するための特別図柄プロセスフラグに従って該当する処理が選び出されて実行される。そして、特別図柄プロセスフラグの値は、遊技状態に応じて各処理中に更新される。また、普通図柄プロセス処理を行なう(S32)。普通図柄プロセス処理では、普通図柄表示器10の表示状態を所定の順序で制御するための普通図柄プロセスフラグに従って該当する処理が選び出されて実行される。そして、普通図柄プロセスフラグの値は、遊技状態に応じて各処理中に更新される。
次いで、CPU56は、特別図柄の変動に同期する演出図柄に関する演出制御コマンドを演出制御用マイクロコンピュータ100に送出する処理を行なう(演出図柄コマンド制御処理:S33)。なお、演出図柄の変動が特別図柄の変動に同期するとは、変動時間(可変表示期間)が同じであることを意味する。
次いで、CPU56は、たとえばホール管理用コンピュータに供給される図柄確定回数1信号、始動口信号、大当り1〜3信号、時短信号、入賞信号、セキュリティ信号、高確中信号などのデータを出力する情報出力処理を行なう(S34)。
次いで、CPU56は、シリアル通信回路511を介して、払出制御用マイクロコンピュータ370と信号を送受信(入出力)する処理を実行するとともに、入賞が発生した場合には始動口スイッチ14aや、カウントスイッチ23、入賞口スイッチ29a,30a、入賞確認スイッチ14b,23b,29b,30b等の検出信号に基づく賞球個数の設定などを行なう賞球処理を実行する(S35)。なお、この実施の形態では、近接スイッチ(始動口スイッチ14a、カウントスイッチ23、入賞口スイッチ29a,30a)とフォトセンサ(入賞確認スイッチ14b,23b,29b,30b)との両方がオンしたことに基づく入賞検出に応じて、賞球個数コマンドの下位4ビットを異ならせることにより賞球個数を示すデータを賞球個数コマンドに設定し、当該設定した賞球個数コマンドをシリアル通信回路511を介して払出制御用マイクロコンピュータ370に出力する。払出制御基板37に搭載されている払出制御用マイクロコンピュータ370は、賞球個数を示すデータが設定された賞球個数コマンドの受信に応じて球払出装置97を駆動する。
また、遊技機の制御状態を遊技機外部で確認できるようにするための試験信号を出力する処理である試験端子処理を実行する(S36)。また、この実施の形態では、出力ポートの出力状態に対応したRAM領域(出力ポートバッファ)が設けられているのであるが、CPU56は、出力ポート0のRAM領域における接続信号に関する内容およびソレノイドに関する内容を出力ポートに出力する(S37:出力処理)。そして、CPU56は、保留記憶数の増減をチェックする記憶処理を実行する(S38)。
また、CPU56は、特別図柄プロセスフラグの値に応じて特別図柄の演出表示を行なうための特別図柄表示制御データを特別図柄表示制御データ設定用の出力バッファに設定する特別図柄表示制御処理を行なう(S39)。さらに、CPU56は、普通図柄プロセスフラグの値に応じて普通図柄の演出表示を行なうための普通図柄表示制御データを普通図柄表示制御データ設定用の出力バッファに設定する普通図柄表示制御処理を行なう(S40)。
次いで、CPU56は、各状態表示灯の表示を行なうための状態表示制御データを状態表示制御データ設定用の出力バッファに設定する状態表示灯表示処理を行なう(S41)。この場合、遊技状態が時短状態である場合には、時短状態であることを示す状態表示灯の表示を行なうための状態表示制御データを出力バッファに設定する。なお、遊技状態が高確率状態(たとえば、確変状態)にも制御される場合には、高確率状態であることを示す状態表示灯の表示を行なうための状態表示制御データを出力バッファに設定するようにしてもよい。
次いで、CPU56は、枠開放スイッチ44から検出信号を入力したことに基づいて遊技枠開放報知を行なわせるための遊技枠開放報知処理を実行する(S42)。遊技枠開放報知処理では、演出制御基板80に遊技機枠の開放を示すコマンドが送信される。
その後、割込許可状態に設定し(S43)、処理を終了する。
図15は、主基板31に搭載される遊技制御用マイクロコンピュータ560(具体的には、CPU56)が実行する特別図柄プロセス処理(S26)のプログラムの一例を示すフローチャートである。上述したように、特別図柄プロセス処理では特別図柄表示器8または特別図柄表示器8および大入賞口を制御するための処理が実行される。特別図柄プロセス処理において、CPU56は、始動入賞口14に遊技球が入賞したことを検出するための始動口スイッチ14aがオンしていたら、すなわち、始動入賞口14への始動入賞が発生していたら、始動口スイッチ通過処理を実行する(S311,S312)。そして、S300〜S310のうちのいずれかの処理を行なう。始動口スイッチ14aがオンしていなければ、内部状態に応じて、S300〜S310のうちのいずれかの処理を行なう。
なお、この実施の形態では、入賞信号の外部出力や賞球払出を行なうための処理に関しては、始動口スイッチ14aおよび入賞確認1スイッチ14bの両方のオン状態を検出したことに基づいて実行するのに対して、S311では上流側に配置された始動口スイッチ14aがオン状態となったか否かのみが判定される。すなわち、上流側の始動口スイッチ14aがオン状態となってから下流側の入賞確認1スイッチ14bがオン状態となるまでには少なからず時間差が生じるのであるから、入賞確認1スイッチ14bがオン状態となるのを確認するまで待ってからS312の始動口スイッチ通過処理を実行したのでは、同じタイミングで遊技球が始動入賞した場合であっても、たとえば始動入賞口14内での球詰まりや始動口スイッチ14aと入賞確認1スイッチ14bとの検出時間のずれなど外的な要因で大当り判定用などの乱数の抽出タイミングが変動してしまい、遊技の公正を却って阻害してしまう事態が生じうる。そのため、この実施の形態では、始動口スイッチ14aのオン状態のみを検出したことに基づいて、直ちにS312の始動口スイッチ通過処理を実行し、大当り判定用などの乱数の抽出処理を行って、遊技の公正が却って阻害されてしまう事態を防止している。
S300〜S310の処理は、以下のような処理である。
特別図柄通常処理(S300):特別図柄プロセスフラグの値が0であるときに実行される。遊技制御用マイクロコンピュータ560は、特別図柄の可変表示が開始できる状態になると、保留記憶数バッファに記憶される数値データの記憶数(保留記憶数)を確認する。保留記憶数バッファに記憶される数値データの記憶数は保留記憶数カウンタのカウント値により確認できる。また、保留記憶数カウンタのカウント値が0でなければ、遊技制御用マイクロコンピュータ560は、大当り判定処理を実行し、特別図柄の可変表示の表示結果を大当りとするか否かを決定する。また、大当りとする場合には大当りフラグをセットする。そして、内部状態(特別図柄プロセスフラグ)をS301に応じた値(この例では1)に更新する。なお、大当りフラグは、大当り遊技が終了するときにリセットされる。
変動パターン設定処理(S301):特別図柄プロセスフラグの値が1であるときに実行される。また、変動パターンを決定し、その変動パターンにおける変動時間(可変表示時間:可変表示を開始してから表示結果を導出表示(停止表示)するまでの時間)を特別図柄の可変表示の変動時間とすることに決定する。また、特別図柄の変動時間を計測する変動時間タイマをスタートさせる。そして、内部状態(特別図柄プロセスフラグ)をS302に対応した値(この例では2)に更新する。
表示結果指定コマンド送信処理(S302):特別図柄プロセスフラグの値が2であるときに実行される。演出制御用マイクロコンピュータ100に、表示結果指定コマンドを送信する制御を行なう。そして、内部状態(特別図柄プロセスフラグ)をS303に対応した値(この例では3)に更新する。
特別図柄変動中処理(S303):特別図柄プロセスフラグの値が3であるときに実行される。変動パターン設定処理で選択された変動パターンの変動時間が経過(S301でセットされる変動時間タイマがタイムアウトすなわち変動時間タイマの値が0になる)すると、演出制御用マイクロコンピュータ100に、図柄確定指定コマンドを送信する制御を行ない、内部状態(特別図柄プロセスフラグ)をS304に対応した値(この例では4)に更新する。なお、演出制御用マイクロコンピュータ100は、遊技制御用マイクロコンピュータ560が送信する図柄確定指定コマンドを受信すると演出表示装置9において第4図柄が停止されるように制御する。
特別図柄停止処理(S304):特別図柄プロセスフラグの値が4であるときに実行される。大当りフラグがセットされている場合に、内部状態(特別図柄プロセスフラグ)をS305に対応した値(この例では5)に更新する。また、小当りフラグがセットされている場合には、内部状態(特別図柄プロセスフラグ)をS308に対応した値(この例では8)に更新する。大当りフラグおよび小当りフラグのいずれもセットされていない場合には、内部状態(特別図柄プロセスフラグ)をS300に対応した値(この例では0)に更新する。なお、この実施の形態では、特別図柄プロセスフラグの値が4となったことに基づいて、S36の特別図柄表示制御処理において特別図柄の停止図柄を停止表示するための特別図柄表示制御データが特別図柄表示制御データ設定用の出力バッファに設定され、S22の表示制御処理において出力バッファの設定内容に応じて実際に特別図柄の停止図柄が停止表示される。
大入賞口開放前処理(S305):特別図柄プロセスフラグの値が5であるときに実行される。大入賞口開放前処理では、大入賞口を開放する制御を行なう。具体的には、カウンタ(たとえば、大入賞口に入った遊技球数をカウントするカウンタ)などを初期化するとともに、ソレノイド21を駆動して大入賞口を開放状態にする。また、タイマによって大入賞口開放中処理の実行時間を設定し、内部状態(特別図柄プロセスフラグ)をS306に対応した値(この例では6)に更新する。なお、大入賞口開放前処理は各ラウンド毎に実行されるが、第1ラウンドを開始する場合には、大入賞口開放前処理は大当り遊技を開始する処理でもある。
大入賞口開放中処理(S306):特別図柄プロセスフラグの値が6であるときに実行される。大当り遊技状態中のラウンド表示の演出制御コマンドを演出制御用マイクロコンピュータ100に送信する制御や大入賞口の閉成条件の成立を確認する処理等を行なう。なお、「大入賞口の閉成条件」は、大入賞口内の上流側のカウントスイッチ23により検出された大入賞口への遊技球の入賞数が所定数(本例では、10個)に達したことに基づいて成立する。大入賞口の閉成条件が成立し、かつ、まだ残りラウンドがある場合には、内部状態(特別図柄プロセスフラグ)をS305に対応した値(この例では5)に更新する。また、全てのラウンドを終えた場合には、内部状態(特別図柄プロセスフラグ)をS307に対応した値(この例では7)に更新する。
大当り終了処理(S307):特別図柄プロセスフラグの値が7であるときに実行される。大当り遊技状態が終了したことを遊技者に報知する表示制御を演出制御用マイクロコンピュータ100に行なわせるための制御を行なう。また、遊技状態を示すフラグ(たとえば、確変フラグや時短フラグ)をセットする処理を行なう。そして、内部状態(特別図柄プロセスフラグ)をS300に対応した値(この例では0)に更新する。
小当り開放前処理(S308):特別図柄プロセスフラグの値が8であるときに実行される。小当り開放前処理では、大入賞口を開放する制御を行なう。具体的には、カウンタ(たとえば、大入賞口に入った遊技球数をカウントするカウンタ)などを初期化するとともに、ソレノイド21を駆動して大入賞口を開放状態にする。また、タイマによって大入賞口開放中処理の実行時間を設定し、内部状態(特別図柄プロセスフラグ)をS309に対応した値(この例では9)に更新する。なお、小当り開放前処理は小当り遊技中の大入賞口の開放毎に実行されるが、小当り遊技中の最初の開放を開始する場合には、小当り開放前処理は小当り遊技を開始する処理でもある。
小当り開放中処理(S309):特別図柄プロセスフラグの値が9であるときに実行される。大入賞口の閉成条件の成立を確認する処理等を行なう。なお、「大入賞口の閉成条件」は、大入賞口内の上流側のカウントスイッチ23により検出された大入賞口への遊技球の入賞数が所定数(本例では、10個)に達したことに基づいて成立する。大入賞口の閉成条件が成立し、かつ、まだ大入賞口の開放回数が残っている場合には、内部状態(特別図柄プロセスフラグ)をS308に対応した値(この例では8)に更新する。また、全てのラウンドを終えた場合には、内部状態(特別図柄プロセスフラグ)をS310に対応した値(この例では10(10進数))に更新する。
小当り終了処理(S310):特別図柄プロセスフラグの値が10であるときに実行される。小当り遊技状態が終了したことを遊技者に報知する表示制御を演出制御用マイクロコンピュータ100に行なわせるための制御を行なう。そして、内部状態(特別図柄プロセスフラグ)をS300に対応した値(この例では0)に更新する。
図16は、S312の始動口スイッチ通過処理を示すフローチャートである。始動口スイッチ通過処理において、CPU56は、まず、保留記憶数が上限値に達しているか否か(具体的には、保留記憶数をカウントするための保留記憶数カウンタの値が4でるか否か)を確認する(S211)。保留記憶数が上限値に達していなければ、CPU56は、大当り判定用乱数(ランダムR)となる数値データの読出元となる乱数値レジスタを特定する。
なお、この実施の形態では、特別図柄プロセス処理のS311で始動入賞口14内の上流側の始動口スイッチ14aのみのオン状態を検出したことに基づいて、図16に示す始動口スイッチ通過処理を実行する場合を示しているが、S311において上流側の始動口スイッチ14aと下流側の入賞確認スイッチ14bとの両方のオン状態を検出したことに基づいて、図16に示す始動口スイッチ通過処理を実行するようにしてもよい。そのように構成しても、既に説明したように、始動入賞口14内の上流側の始動口スイッチ14aからの始動入賞信号のみを入力したことに基づいて、始動入賞時ラッチ信号が出力され、乱数回路509の各乱数値レジスタに数値データがラッチされているので、各乱数値レジスタへの数値データのラッチのタイミングがずれることはない。
次いで、CPU56は、保留記憶数カウンタの値を1増やす(S212)。次いで、CPU56は、特定した乱数回路509の乱数値レジスタから数値データを抽出するとともに、ソフトウェア乱数を生成するためのカウンタから値を抽出し、それらを、RAM55に形成されている保留記憶バッファにおける保存領域に格納する処理を実行する(S213)。なお、S213の処理では、ハードウェア乱数であるランダムR(大当り判定用乱数)や、ソフトウェア乱数である大当り種別判定用乱数(ランダム1)、変動パターン種別判定用乱数(ランダム2)および変動パターン判定用乱数(ランダム3)が抽出され、保存領域に格納される。なお、変動パターン種別判定用乱数(ランダム2)や変動パターン判定用乱数(ランダム3)を始動口スイッチ通過処理(始動入賞時)において抽出して保存領域にあらかじめ格納しておくのではなく、特別図柄の変動開始時に抽出するようにしてもよい。たとえば、遊技制御用マイクロコンピュータ560は、変動パターン設定処理(S301参照)において、変動パターン種別判定用乱数(ランダム2)を生成するための変動パターン種別判定用乱数カウンタから値を直接抽出したり、変動パターン判定用乱数(ランダム3)を生成するための変動パターン判定用乱数カウンタから値を直接抽出したりするようにしてもよい。
そして、CPU56は、保留記憶数加算指定コマンドを演出制御用マイクロコンピュータ100に送信する制御を行なう(S214)。
図17は、特別図柄プロセス処理における特別図柄通常処理(S300)を示すフローチャートである。特別図柄通常処理において、CPU56は、保留記憶数の値を確認する(S51)。具体的には、保留記憶数カウンタのカウント値を確認する。保留記憶数が0であれば、まだ客待ちデモ指定コマンドを送信していなければ、演出制御用マイクロコンピュータ100に対して客待ちデモ指定コマンドを送信する制御を行ない(S52)、処理を終了する。なお、たとえば、CPU56は、S52で客待ちデモ指定コマンドを送信すると、客待ちデモ指定コマンドを送信したことを示す客待ちデモ指定コマンド送信済フラグをセットする。そして、客待ちデモ指定コマンドを送信した後に次回のタイマ割込以降の特別図柄通常処理を実行する場合には、客待ちデモ指定コマンド送信済フラグがセットされていることに基づいて重ねて客待ちデモ指定コマンドを送信しないように制御すればよい。また、この場合、客待ちデモ指定コマンド送信済フラグは、次回の特別図柄の変動表示が開始されるときにリセットされるようにすればよい。
保留記憶数が0でなければ、CPU56は、RAM55において、保留記憶数=1に対応する保存領域に格納されている各乱数値を読み出してRAM55の乱数バッファ領域に格納する(S55)。そして、CPU56は、保留記憶数カウンタのカウント値を1減算し、かつ、各保存領域の内容をシフトする(S56)。すなわち、CPU56は、RAM55の保留記憶バッファにおいて保留記憶数=n(n=2,3,4)に対応する保存領域に格納されている各乱数値を、保留記憶数=n−1に対応する保存領域に格納する。よって、各保留記憶数に対応するそれぞれの保存領域に格納されている各乱数値が抽出された順番は、常に、保留記憶数=1,2,3,4の順番と一致するようになっている。
また、CPU56は、現在の遊技状態に応じて背景指定コマンドを演出制御用マイクロコンピュータ100に送信する制御を行なう(S60)。この場合、CPU56は、確変状態であることを示す確変フラグがセットされている場合には、確変状態背景指定コマンドを送信する制御を行なう。また、CPU56は、確変フラグがセットされておらず、時短状態であることを示す時短フラグがセットされている場合には、時短状態背景指定コマンドを送信する制御を行なう。また、CPU56は、確変フラグおよび時短フラグのいずれもセットされていなければ、通常状態背景指定コマンドを送信する制御を行なう。
次いで、CPU56は、乱数バッファ領域からランダムR(大当り判定用乱数)を読み出し、大当り判定モジュールを実行する。なお、この場合、CPU56は、始動口スイッチ通過処理のS213で抽出し保留記憶バッファにあらかじめ格納した大当り判定用乱数を読み出し、大当り判定を行なう。大当り判定モジュールは、あらかじめ決められている大当り判定値や小当り判定値と大当り判定用乱数とを比較し、それらが一致したら大当りや小当りとすることに決定する処理を実行するプログラムである。すなわち、大当り判定や小当り判定の処理を実行するプログラムである。
大当り判定の処理では、遊技状態が確変状態(高確率状態)の場合は、遊技状態が非確変状態(通常遊技状態および時短状態)の場合よりも、大当りとなる確率が高くなるように構成されている。具体的には、あらかじめ大当り判定値の数が多く設定されている確変時大当り判定テーブルと、大当り判定値の数が確変大当り判定テーブルよりも少なく設定されている通常時大当り判定テーブルとが設けられている。そして、CPU56は、遊技状態が確変状態であるか否かを確認し、遊技状態が確変状態であるときは、確変時大当り判定テーブルを使用して大当りの判定の処理を行ない、遊技状態が通常遊技状態や時短状態であるときは、通常時大当り判定テーブルを使用して大当りの判定の処理を行なう。大当りとすることに決定した場合には(S61)、S71に移行する。なお、大当りとするか否か決定するということは、大当り遊技状態に移行させるか否か決定するということであるが、特別図柄表示器における停止図柄を大当り図柄とするか否か決定するということでもある。
なお、現在の遊技状態が確変状態であるか否かの確認は、確変フラグがセットされているか否かにより行なわれる。確変フラグは、遊技状態を確変状態に移行するときにセットされ、確変状態を終了するときにリセットされる。具体的には、確変大当りまたは突然確変大当りとすることに決定され、大当り遊技を終了する処理においてセットされ、大当りと決定されたときに特別図柄の変動表示を終了して停止図柄を停止表示するタイミングでリセットされる。
大当り判定用乱数(ランダムR)の値がいずれの大当り判定値にも一致しなければ(S61のN)、CPU56は、小当り判定テーブルを使用して小当りの判定の処理を行なう。すなわち、CPU56は、大当り判定用乱数(ランダムR)の値がいずれかの小当り判定値に一致すると、特別図柄に関して小当りとすることに決定する。そして、小当りとすることに決定した場合には(S62)、CPU56は、小当りであることを示す小当りフラグをセットし(S63)、S75に移行する。
なお、ランダムRの値が大当り判定値および小当り判定値のいずれにも一致しない場合には(S62のN)、すなわち、はずれである場合には、そのままS75に移行する。
S71では、CPU56は、大当りであることを示す大当りフラグをセットする。次いで、CPU56は、大当り種別を決定するための大当り種別判定テーブルを用いて、乱数バッファ領域に格納された大当り種別判定用の乱数(ランダム1)の値と一致する値に対応した種別(「通常大当り」、「確変大当り」、「突然確変大当り」)を大当りの種別に決定する(S73)。
また、CPU56は、決定した大当りの種別を示すデータをRAM55における大当り種別バッファに設定する(S74)。たとえば、大当り種別が「通常大当り」の場合には大当り種別を示すデータとして「01」が設定され、大当り種別が「確変大当り」の場合には大当り種別を示すデータとして「02」が設定され、大当り種別が「突然確変大当り」の場合には大当り種別を示すデータとして「03」が設定される。
次いで、CPU56は、特別図柄の停止図柄を決定する(S75)。具体的には、大当りフラグおよび小当りフラグのいずれもセットされていない場合には、はずれ図柄となる「−」を特別図柄の停止図柄に決定する。大当りフラグがセットされている場合には、大当り種別の決定結果に応じて、大当り図柄となる「1」、「3」、「7」のいずれかを特別図柄の停止図柄に決定する。すなわち、大当り種別を「突然確変大当り」に決定した場合には「1」を特別図柄の停止図柄に決定し、「通常大当り」に決定した場合には「3」を特別図柄の停止図柄に決定し、「確変大当り」に決定した場合には「7」を特別図柄の停止図柄に決定する。小当りフラグがセットされている場合には、小当り図柄となる「5」を特別図柄の停止図柄に決定する。
そして、特別図柄プロセスフラグの値を変動パターン設定処理(S301)に対応した値に更新する(S76)。
図18は、特別図柄プロセス処理における特別図柄停止処理(S304)を示すフローチャートである。特別図柄停止処理において、CPU56は、大当りフラグがセットされているか否かを確認する(S1301)。大当りフラグがセットされている場合には、CPU56は、セットされていれば、確変状態であることを示す確変フラグ、および時短状態であることを示す時短フラグをリセットする(S1302)。なお、セットされていれば、時短回数カウンタもリセットする。また、CPU56は、セットされていれば、高確中出力許可フラグをリセットする(S1303)。
次いで、CPU56は、演出制御用マイクロコンピュータ100に大当り開始指定コマンドを送信する制御を行なう(S1304)。具体的には、大当りの種別が通常大当りである場合には、大当り遊技の開始および通常大当りであることを指定する大当り開始1指定コマンドを送信する。大当りの種別が確変大当りである場合には、大当り遊技の開始および確変大当りであることを指定する大当り開始2指定コマンドを送信する。大当りの種別が突然確変大当りである場合には、大当り遊技の開始および小当り/突然確変大当りであることを指定する小当り/突然確変大当り開始指定コマンドを送信する。なお、大当りの種別が通常大当り、確変大当りまたは突然確変大当りのいずれであるかは、RAM55に記憶されている大当り種別を示すデータ(大当り種別バッファに記憶されているデータ)に基づいて判定される。
また、CPU56は、大入賞口開放前タイマに大当り表示時間(大当りが発生したことを、たとえば、演出表示装置9において報知する時間)に相当する値を設定する(S1305)。なお、大入賞口開放前タイマは、大当り遊技や小当り遊技中に大入賞口を開放するまでの時間を計測するためのタイマである。具体的には、大当り遊技の開始時には、S1305において、変動表示を停止してから第1ラウンドが開始されるまでに要する時間(演出制御用マイクロコンピュータ100側で変動表示を停止し大当り図柄を停止表示してから第1ラウンドが開始されるまでのファンファーレ演出を行なう時間に相当)が大入賞口開放前タイマに設定される。また、第1ラウンド以降については、各ラウンド間のインターバル時間(演出制御用マイクロコンピュータ100側でラウンド間のインターバル演出を行なう時間に装置)が大入賞口開放前タイマに設定される。
また、CPU56は、開放回数カウンタ(大当り遊技中や小当り遊技中の大入賞口の開放回数をカウントするためのカウンタ)に開放回数をセットする(S1306)。なお、この実施の形態では、大当り種別を区別することなく、開放回数カウンタには固定回数15回がセットされるものとする。なお、大当り種別に応じて異なる回数を開放回数カウンタにセットするようにしてもよい。たとえば、通常大当りや確変大当りである場合には開放回数カウンタに15回をセットし、突然確変大当りである場合には開放回数カウンタに2回をセットするようにしてもよい。そして、特別図柄プロセスフラグの値を大入賞口開放前処理(S305)に対応した値に更新する(S1307)。
また、S1301で大当りフラグがセットされていなければ、CPU56は、時短状態における特別図柄の変動回数をカウントするための時短回数カウンタの値が0となっているか否かを確認する(S1308)。時短回数カウンタの値が0でなければ(この場合、通常大当りとなったことに基づいて時短状態に制御されるとともに時短回数カウンタがセットされている場合である)、CPU56は、時短回数カウンタの値を−1する(S1309)。そして、CPU56は、減算後の時短回数カウンタの値が0になった場合には(S1310)、時短フラグをリセットする(S1311)。
次いで、CPU56は、小当りフラグがセットされているか否かを確認する(S1312)。小当りフラグがセットされていれば、CPU56は、演出制御用マイクロコンピュータ100に小当り/突然確変大当り開始指定コマンドを送信する(S1313)。また、大入賞口開放前タイマに小当り表示時間(小当りが発生したことを、たとえば、演出表示装置9において報知する時間)に相当する値を設定する(S1314)。なお、小当りとなる場合には、小当り遊技の開始時に、S1314において、変動表示を停止してから小当り遊技が開始されるまでに要する時間が大入賞口開放前タイマに設定される。また、小当り遊技中においては、大入賞口の各開放間のインターバル時間が大入賞口開放前タイマに設定される。
また、CPU56は、開放回数カウンタに開放回数をセットする(S1315)。なお、この実施の形態では、S1315において、開放回数カウンタに15回がセットされる。なお、S1306で大当り種別に応じて異なる回数がセットされる場合、たとえば、突然確変大当りである場合に開放回数カウンタに2回がセットされる場合には、S1315でも開放回数カウンタに2回をセットするようにしてもよい。そして、特別図柄プロセスフラグの値を小当り開始前処理(S308)に対応した値に更新する(S1316)。
小当りフラグもセットされていなければ(S1312のN)、CPU56は、特別図柄プロセスフラグの値を特別図柄通常処理(S300)に対応した値に更新する(S1317)。
次に、遊技制御用マイクロコンピュータ560(具体的には、CPU56)が実行する普通図柄プロセス処理(S29)について説明する。図19は、普通図柄プロセス処理の一例を示すフローチャートである。普通図柄プロセス処理では、CPU56は、ゲート32を遊技球が通過してゲートスイッチ32aがオン状態となったことを検出すると(S111)、ゲートスイッチ通過処理(S112)を実行する。そして、CPU56は、普通図柄プロセスフラグの値に応じてS100〜S103に示された処理のうちのいずれかの処理を実行する。
ゲートスイッチ通過処理(S112):CPU56は、ゲート通過記憶カウンタのカウント値(ゲート通過記憶数)が最大値(この例では「4」)に達しているか否か確認する。最大値に達していなければ、ゲート通過記憶カウンタのカウント値を+1する。なお、ゲート通過記憶カウンタの値に応じて普通図柄保留記憶表示器41のLEDが点灯される。そして、CPU56は、普通図柄当り判定用乱数(ランダム4)の値を抽出し、ゲート通過記憶数の値に対応した保存領域(普通図柄判定用バッファ)に格納する処理を行なう。
普通図柄通常処理(S100):CPU56は、普通図柄の変動を開始することができる状態(たとえば普通図柄プロセスフラグの値がS100を示す値となっている場合、具体的には、普通図柄表示器10において普通図柄の変動表示がなされておらず、かつ、普通図柄表示器10に当たり図柄が導出表示されたことに基づく可変入賞球装置15の開閉動作中でもない場合)には、ゲート通過記憶数の値を確認する。具体的には、ゲート通過記憶数カウンタのカウント値を確認する。ゲート通過記憶数が0でなければ、当りとするか否か(普通図柄の停止図柄を当り図柄とするか否か)を決定する。そして、普通図柄プロセスタイマに普通図柄の変動時間をセットし、タイマをスタートさせる。そして、普通図柄プロセスフラグの値を普通図柄変動処理(S101)を示す値(具体的には「1」)に更新する。
普通図柄変動処理(S101):CPU56は、普通図柄プロセスタイマがタイムアウトしたか否か確認し、タイムアウトしていたら、普通図柄表示器10における普通図柄の変動を停止し、普通図柄プロセスタイマに普通図柄停止図柄表示時間をセットし、タイマをスタートさせる。そして、普通図柄プロセスフラグの値を普通図柄停止処理(S102)を示す値(具体的には「2」)に更新する。
普通図柄停止処理(S102):CPU56は、普通図柄プロセスタイマがタイムアウトしたか否かを確認し、タイムアウトしていたら、普通図柄の停止図柄が当り図柄であるかどうかを確認する。当り図柄でなければ(はずれ図柄であれば)、普通図柄プロセスフラグの値を普通図柄通常処理(S100)を示す値(具体的には「0」)に更新する。一方、普通図柄の停止図柄が当り図柄であれば、普通図柄プロセスタイマに普通電動役物作動時間をセットし、タイマをスタートさせる。また、現在の遊技状態が高ベース状態であるか否かを確認し、高ベース状態であれば、高ベース状態のときの普通電動役物(可変入賞球装置15)の開放パターンを選択し、低ベース状態であれば、低ベース状態のときの普通電動役物(可変入賞球装置15)の開放パターンを選択し、選択した開放パターンを設定する。そして、普通図柄プロセスフラグの値を普通電動役物作動処理(S103)を示す値(具体的には「3」)に更新する。
普通電動役物作動処理(S103):CPU56は、普通図柄プロセスタイマがタイムアウトしていないことを条件に、普通電動役物(可変入賞球装置15)への遊技球の入賞個数(始動入賞口14への入賞個数)をカウントする普通電動役物入賞カウント処理を実行し、また、設定された開放パターンで普通電動役物の開放を行なう(可変入賞球装置15の開閉動作を実行する)普通電動役物開放パターン処理を実行する。そして、普通図柄プロセスタイマがタイムアウトすると、普通図柄プロセスフラグの値を普通図柄通常処理(S100)を示す値(具体的には「0」)に更新する。
図20は、普通図柄通常処理(S100)を示すフローチャートである。普通図柄通常処理において、CPU56は、ゲート通過記憶数カウンタのカウント値を確認することにより、ゲート通過記憶数が0であるか否かを確認する(S121)。ゲート通過記憶数が0であれば(S121のY)、そのまま処理を終了する。ゲート通過記憶数が0でなければ(S121のN)、CPU56は、ゲート通過記憶数=1に対応する保存領域に格納されている普通図柄当り判定用乱数値を読み出してRAM55の乱数バッファ領域に格納する(S122)。そして、CPU56は、ゲート通過記憶数カウンタの値を1減らし、かつ、各保存領域の内容をシフトする(S123)。すなわち、ゲート通過記憶数=n(n=2,3,4)に対応する保存領域に格納されている普通図柄当り判定用乱数値を、ゲート通過記憶数=n−1に対応する保存領域に格納する。よって、各ゲート通過記憶数に対応するそれぞれの保存領域に格納されている普通図柄当り判定用乱数値が抽出された順番は、常に、ゲート通過記憶数=1,2,3,4の順番と一致するようになっている。
次いで、CPU56は、乱数格納バッファから普通図柄当り判定用乱数を読み出し(S124)、読み出した乱数値に基づいて当りとするかはずれとするかを決定する(S125)。具体的には、普通図柄当り判定用乱数の値が当り判定値と一致するか否かが判定され、一致する当り判定値があれば当りと決定される。たとえば、時短フラグがセットされているとき、すなわち高ベース状態(時短状態、確変時短状態)のときには、当り判定値を1〜10のいずれかとし、低ベース状態のときには、当り判定値を3または7としている。普通図柄当り判定用乱数が0〜10の数値範囲で更新されるとすると、高ベース状態のときの当選確率は10/11となり、低ベース状態のときの当選確率は2/11となる。このように、高ベース状態のときは高確率で当りとなり、低ベース状態のときは低確率でしか当りとならない。
次いで、CPU56は、普通図柄プロセスタイマに普通図柄変動時間をセットし(S126)、普通図柄表示器10における普通図柄の変動を開始させる(S127)。なお、この実施の形態では、図23に示すように、低ベース時の普通図柄の変動時間は30.0秒とされ、高ベース時の普通図柄の変動時間は1.0秒とされている。そして、CPU56は、普通図柄プロセスフラグの値を普通図柄変動処理(S101)を示す値(具体的には「1」)に更新する(S128)。
図21は、普通図柄変動処理(S101)を示すフローチャートである。普通図柄変動処理において、CPU56は、普通図柄プロセスタイマの値が0になったかどうか、すなわち、普通図柄プロセスタイマがタイムアップしたかどうかを確認する(S131)。普通図柄プロセスタイマがタイムアップしていなければ(S131のN)、CPU56は、普通図柄プロセスタイマの値を−1する(S135)。
普通図柄プロセスタイマがタイムアップしたとき、すなわち、普通図柄の変動時間が経過したときは(S131のY)、CPU56は、普通図柄表示器10における普通図柄の変動を停止させる(S132)。そして、CPU56は、普通図柄プロセスタイマに普通図柄停止図柄表示時間をセットする(S133)。そして、CPU56は、普通図柄プロセスフラグの値を普通図柄停止処理(S102)を示す値(具体的には「2」)に更新する(S134)。
図22は、普通図柄停止処理(S102)を示すフローチャートである。普通図柄停止処理において、CPU56は、普通図柄プロセスタイマの値が0になったかどうか、すなわち、普通図柄プロセスタイマがタイムアップしたかどうかを確認する(S141)。普通図柄プロセスタイマがタイムアップしていなければ(S141のN)、CPU56は、普通図柄プロセスタイマの値を−1する(S142)。
普通図柄プロセスタイマがタイムアップしたとき、すなわち、普通図柄停止図柄表示時間が経過したときは(S141のY)、CPU56は、普通図柄の停止図柄が当り図柄であるかどうか(S125にて当りと判定されたかどうか)を確認する(S143)。なお、普通図柄の停止図柄が当り図柄かどうかは、たとえば、S125にて当りと判定されたときに普通図柄当り判定フラグをセットすることとして、そのフラグがセットされているかどうかによって確認することができる。
普通図柄の停止図柄が当り図柄であるときは(S143のY)、CPU56は、普通図柄プロセスタイマに普通電動役物作動時間をセットする(S144)。普通電動役物作動時間は、普通電動役物(可変入賞球装置15)が動作可能な最大時間である。普通電動役物作動時間は、高ベース状態のときの方が低ベース状態のときよりも長い時間に設定されている。この実施の形態では、高ベース状態のときには普通電動役物作動時間として7秒を設定し、低ベース状態のときには普通電動役物作動時間として1.5秒を設定するものとする。
次いで、CPU56は、遊技状態が高ベース状態であるか低ベース状態であるかを確認する(S145)。高ベース状態であるか低ベース状態であるかは、時短フラグがセットされているかどうかによって確認することができる。時短フラグがセットされているときは高ベース状態であると判断し、時短フラグがセットされていないときは低ベース状態であると判断することができる。なお、高ベース状態のときに、高ベース状態であることを示す高ベース状態フラグをセットし、そのフラグがセットされているかどうかによって、高ベース状態であるか低ベース状態であるかを判断するようにしてもよい。
高ベース状態であるときは(S145のY)、CPU56は、普通電動役物の開放パターンとして図23に示す高ベース時テーブルに設定されている開放パターンを選択する(S146)。一方、低ベース状態であるときは(S145のN)、CPU56は、普通電動役物の開放パターンとして図23に示す低ベース時テーブルに設定されている開放パターンを選択する(S147)。図23に示す例では、低ベース時テーブルには、開放時間が0.5秒で閉鎖時間が1.0秒であり、開放回数が1回の開放パターンのデータが設定されている。この実施の形態では、低ベース状態のときには、前述のように普通図柄プロセスタイマに普通電動役物作動時間として1.5秒が設定されており、可変入賞球装置15が0.5秒間1回だけ開放された後に閉鎖され、閉鎖時間1.0秒が経過したときに普通図柄プロセスタイマがタイムアップする。また、図23に示す例では、高ベース時テーブルには、開放時間が2.5秒で閉鎖時間が1.0秒であり、開放回数が2回の開放パターンのデータが設定されている。この実施の形態では、高ベース状態のときには、前述のように普通図柄プロセスタイマに普通電動役物作動時間として7秒が設定されており、可変入賞球装置15が2.5秒間開放された後に閉鎖され、閉鎖時間1.0秒が経過した後に再び可変入賞球装置15が開放される。そして、開放時間2.5秒間経過すると再び可変入賞球装置15が閉鎖され、閉鎖時間が1.0秒が経過したときに普通図柄プロセスタイマがタイムアップする。なお、閉鎖時間(本例では1.0秒)は、所定のインターバル期間に相当する。したがって、この実施の形態では、図23に示す開放パターンに示される開放時間に従って可変入賞球装置15が物理的に開放されている状態と、開放パターンに示される閉鎖時間の間に可変入賞球装置15が閉鎖されている状態とが、可変入賞球装置15の開状態に相当する。
そして、CPU56は、S146またはS147で選択した開放パターンを開放パターンバッファにセットする(S148)。なお、開放パターンを開放パターンバッファにセットする際に、普通電動役物開放パターンタイマ(普通電動役物の開放時間および閉鎖時間を計測するタイマ)に開放パターン時間(ここでは可変入賞球装置15が最初に開放されるまでの閉鎖時間)をセットする処理も行なわれる。その後、普通図柄プロセスフラグの値を普通電動役物作動処理(S103)を示す値(具体的には「3」)に更新する(S149)。
S143において、普通図柄の停止図柄が当り図柄でなく、はずれ図柄であると判定されたときは(S143のN)、CPU56は、普通図柄プロセスフラグの値を普通図柄通常処理(S100)を示す値(具体的には「0」)に更新する(S150)。
図24は、普通電動役物作動処理(S103)を示すフローチャートである。普通電動役物作動処理において、CPU56は、普通図柄プロセスタイマの値が0になったかどうか、すなわち、普通図柄プロセスタイマがタイムアップしたかどうかを確認する(S161)。普通図柄プロセスタイマがタイムアップしていなければ(S161のN)、CPU56は、普通図柄プロセスタイマの値を−1する(S162)。
そして、CPU56は、スイッチオンバッファをレジスタにロードする(S163)。スイッチオンバッファは、スイッチのオンが検出された場合にそのスイッチの対応ビットにおいて1が設定され、スイッチのオフが検出された場合にそのスイッチの対応ビットにおいて0が設定されるバッファである。
CPU56は、始動口スイッチ14aがオンになったかどうか(始動入賞口14に遊技球が入賞したかどうか)を確認する。始動口スイッチ14aがオンとなっていなければ(S164のN)、S168の処理に移行する。始動口スイッチ14aがオンとなっていれば(S164のY)、CPU56は、普通電動役物(可変入賞球装置15)に入賞した遊技球の個数をカウントする普通電動役物入賞個数カウンタを+1する(S165)。そして、CPU56は、普通電動役物入賞個数カウンタの値が8未満であるかどうかを確認する(S166)。普通電動役物入賞個数カウンタの値が8未満でない場合(S166のN)、つまり8以上である場合は、CPU56は、普通図柄プロセスタイマの値をクリア(0に)する(S167)。この処理によって、普通電動役物作動処理が終了することになる(S161のY、S172参照)。このように、この実施の形態では、普通電動役物作動時間内において8個以上の遊技球が可変入賞球装置15に入賞したときは、普通電動役物作動処理を終了するようにしている。
次に、CPU56は、普通電動役物開放パターンタイマの値を−1する(S168)。そして、CPU56は、普通電動役物開放パターンタイマの値が0であるかどうか、すなわち、普通電動役物開放パターンタイマがタイムアップしたかどうかを確認する(S169)。タイムアウトしていなければ(S169のN)、そのまま処理を終了する。タイムアウトしていれば(S169のY)、CPU56は、普通電動役物開放パターンタイマに開放パターン時間をセットする(S170)。そして、CPU56は、ソレノイド16を駆動して普通電動役物(可変入賞球装置15)を開放または閉鎖する(S171)。
具体的には、可変入賞球装置15が閉状態のときに普通電動役物開放パターンタイマがタイムアップすると、普通電動役物開放パターンタイマに開放パターン時間として開放時間をセットし、出力ポートバッファ(ソレノイドバッファ)の普通電動役物ソレノイド出力ビットを反転させて可変入賞球装置15を開放する。可変入賞球装置15が開いた状態のときに普通電動役物開放パターンタイマがタイムアップすると、普通電動役物開放パターンタイマに開放パターン時間として閉鎖時間をセットし、出力ポートバッファ(ソレノイドバッファ)の普通電動役物ソレノイド出力ビットを反転させて可変入賞球装置15を閉鎖する。
以上のS168〜S171の処理によって、低ベース状態のときの開放パターンと高ベース状態のときの開放パターンとが実現される。遊技状態が低ベース状態のときは、開放時間が0.5秒であり開放回数が1回となる開放パターンであるので、たとえば、普通電動役物作動処理が開始されてから1.0秒の閉鎖時間が経過すると、可変入賞球装置15が開放されて開いた状態となり、その後に0.5秒の開放時間が経過したときに可変入賞球装置15が閉鎖されて閉状態となる。また、遊技状態が高ベース状態のときは、開放時間が2.5秒であり開放回数が2回となる開放パターンであるので、たとえば、普通電動役物作動処理が開始されてから2.5秒の閉鎖時間が経過すると、可変入賞球装置15が開放されて開いた状態となり、その後に2.5秒の開放時間が経過したときに可変入賞球装置15が閉鎖されて閉状態となり、再び2.5秒の閉鎖時間が経過すると、可変入賞球装置15が開放されて開いた状態となり、さらに2.5秒の開放時間が経過したときに可変入賞球装置15が閉鎖されて閉状態となる。
S161において、普通図柄プロセスタイマがタイムアップしたときは(S161のY)、CPU56は、普通図柄プロセスフラグの値を普通図柄通常処理(S100)を示す値(具体的には「0」)に更新する(S172)。
次に、タイマ割込処理におけるスイッチ処理(S21)を説明する。この実施の形態では、入賞検出またはゲート通過に関わる各スイッチの検出信号のオン状態が所定時間継続すると、確かにスイッチがオンしたと判定されスイッチオンに対応した処理が開始される。図25は、スイッチ処理で使用されるRAM55に形成される各2バイトのバッファを示す説明図である。前回ポートバッファは、前回(たとえば4ms前)のスイッチオン/オフの判定結果が格納されるバッファである。ポートバッファは、今回入力したポート0,2の内容が格納されるバッファである。スイッチオンバッファは、スイッチのオンが検出された場合に対応ビットが1に設定され、スイッチのオフが検出された場合に対応ビットが0に設定されるバッファである。なお、図25に示す前回ポートバッファ、ポートバッファ、およびスイッチオンバッファは、入力ポート0,2ごとに用意される。たとえば、この実施の形態では、2つのスイッチオンバッファ1,2が用意されており、入力ポート0のスイッチの状態がスイッチオンバッファ1に設定され、入力ポート2のスイッチの状態がスイッチオンバッファ2に設定される。
図26は、遊技制御処理におけるS21のスイッチ処理の処理例を示すフローチャートである。スイッチ処理において、遊技制御用マイクロコンピュータ560は、まず、入力ポート0,2(図10参照)に入力されているデータを入力し(S2101)、入力したデータをポートバッファにセットする(S2102)。
次いで、RAM55に形成されるウェイトカウンタの初期値をセットし(S2103)、ウェイトカウンタの値が0になるまで、ウェイトカウンタの値を1ずつ減算する(S2104,S2105)。
ウェイトカウンタの値が0になると、再度、入力ポート0,2のデータを入力し(S2106)、入力したデータとポートバッファにセットされているデータとの間で、ビット毎に論理積をとる(S2107)。そして、論理積の演算結果を、ポートバッファにセットする(S2108)。S2103〜S2108の処理によって、ほぼ[ウェイトカウンタの初期値×(S2104,S2105の処理時間)]の時間間隔を置いて入力ポート0,2から入力した2回の入力データのうち、2回とも「1」になっているビットのみが、ポートバッファにおいて「1」になる。つまり、所定期間としての[ウェイトカウンタの初期値×(S2104,S2105の処理時間)]だけスイッチの検出信号のオン状態が継続すると、ポートバッファにおける対応するビットが「1」になる。
さらに、遊技制御用マイクロコンピュータ560は、前回ポートバッファにセットされているデータとポートバッファにセットされているデータとの間で、ビット毎に排他的論理和をとる(S2109)。排他的論理和の演算結果において、前回(たとえば4ms前)のスイッチオン/オフの判定結果と、今回オンと判定されたスイッチオン/オフの判定結果とが異なっているスイッチに対応したビットが「1」になる。遊技制御用マイクロコンピュータ560は、さらに、排他的論理和の演算結果と、ポートバッファにセットされているデータとの間で、ビット毎に論理積をとる(S2110)。この結果、前回のスイッチオン/オフの判定結果と今回オンと判定されたスイッチオン/オフの判定結果とが異なっているスイッチに対応したビット(排他的論理和演算結果による)のうち、今回オンと判定されたスイッチに対応したビット(論理積演算による)のみが「1」として残る。
そして、遊技制御用マイクロコンピュータ560は、S110における論理積の演算結果をスイッチオンバッファにセットし(S2111)、S2108における演算結果がセットされているポートバッファの内容を前回ポートバッファにセットする(S2112)。
以上の処理によって、所定期間継続してオン状態であったスイッチのうち、前回(たとえば4ms前)のスイッチオン/オフの判定結果がオフであったスイッチ、すなわち、オフ状態からオン状態に変化したスイッチに対応したビットが、スイッチオンバッファにおいて「1」になっている。
さらに、遊技制御用マイクロコンピュータ560(具体的には、CPU56)は、スイッチ正常/異常チェック処理を行なう(S2113)。
図27は、スイッチ正常/異常チェック処理を示すフローチャートである。図27に示すスイッチ正常/異常チェック処理において、CPU56は、入力ポート2に対応するスイッチオンバッファの内容を読み出す(S2121)。そして、入力ポート2に対応するスイッチオンバッファにおける始動口スイッチ14aに対応するビット0の値が0であるか否か確認する(S2122)。すなわち、始動入賞口14内の上部に設けられた始動口スイッチ14a(近接スイッチ)がオン(遊技球を検出)したか否か確認する。
入力ポート2に対応するスイッチオンバッファにおける始動口スイッチ14aに対応するビット0の値が0である場合(すなわち、始動口スイッチ14aがオン状態である場合)には、RAM55に形成されているスイッチ用カウンタ1の値を1増やす(S2123)。
また、CPU56は、入力ポート0に対応するスイッチオンバッファの内容を読み出す(S2124)。そして、CPU56は、入力ポート0に対応するスイッチオンバッファにおける入賞確認1スイッチ14bに対応するビット4の値が1であるか否か確認する(S2125)。すなわち、始動入賞口14内の下部に設けられた入賞確認1スイッチ14b(フォトセンサ)がオン(遊技球を検出)したか否か確認する。
入力ポート0に対応するスイッチオンバッファにおける入賞確認1スイッチ14bに対応するビット4の値が1である場合(すなわち、入賞確認1スイッチ14bがオン状態である場合)には、RAM55に形成されているスイッチ用カウンタ1の値を1減らす(S2126)。
そして、CPU56は、スイッチ用カウンタ1の値が所定値以上になっているか否か確認する(ステップS2127)。スイッチ用カウンタ1の値が所定値以上になっている場合には、CPU56は、始動入賞口14への排出異常が発生したと判定し、排出異常が発生したことを示す排出異常フラグをセットする(S2128A)。また、CPU56は、排出異常が発生したことの報知を指定する排出異常報知指定コマンドを演出制御用マイクロコンピュータ100に送信する制御を行なう(S2128B)。なお、この実施の形態では、CPU56は、スイッチ用カウンタ1の値が所定値として10以上となったことに基づいて排出異常フラグがセットされ、情報出力処理(S31参照)において排出異常フラグがセットされていることに基づいてセキュリティ信号が外部出力される。そして、遊技機の電源が再投入され初期化処理が実行されて排出異常フラグがリセットされるまで、セキュリティ信号が継続して外部出力される。
次いで、CPU56は、入力ポート0に対応するスイッチオンバッファにおけるカウントスイッチ23に対応するビット0の値が1であるか否か確認する(S2129)。すなわち、大入賞口内の上部に設けられたカウントスイッチ23(近接スイッチ)がオン(遊技球を検出)したか否か確認する。
入力ポート0に対応するスイッチオンバッファにおけるカウントスイッチ23に対応するビット0の値が1である場合(すなわち、カウントスイッチ23がオン状態である場合)には、RAM55に形成されているスイッチ用カウンタ2の値を1増やす(S2130)。
また、CPU56は、入力ポート0に対応するスイッチオンバッファにおける入賞確認2スイッチ23bに対応するビット5の値が1であるか否か確認する(S2131)。すなわち、大入賞口内の下部に設けられた入賞確認2スイッチ23b(フォトセンサ)がオン(遊技球を検出)したか否か確認する。
入力ポート0に対応するスイッチオンバッファにおける入賞確認2スイッチ23bに対応するビット5の値が1である場合(すなわち、入賞確認2スイッチ23bがオン状態である場合)には、RAM55に形成されているスイッチ用カウンタ2の値を1減らす(S2132)。
そして、CPU56は、スイッチ用カウンタ2の値が所定値以上になっているか否か確認する(ステップS2133)。スイッチ用カウンタ2の値が所定値以上になっている場合には、CPU56は、大入賞口への排出異常が発生したと判定し、排出異常フラグをセットする(S2134A)。また、CPU56は、排出異常報知指定コマンドを演出制御用マイクロコンピュータ100に送信する制御を行なう(S2134B)。なお、この実施の形態では、CPU56は、スイッチ用カウンタ2の値が所定値として10以上となったことに基づいて、排出異常フラグがセットされ、情報出力処理(S31参照)において排出異常フラグがセットされていることに基づいてセキュリティ信号が外部出力される。そして、遊技機の電源が再投入され初期化処理が実行されて排出異常フラグがリセットされるまで、セキュリティ信号が継続して外部出力される。
なお、S2127,S2133の処理において、CPU56は、たとえば、スイッチ用カウンタ1,2の値が10以上となったことに基づいて、始動入賞口14や大入賞口への排出異常が発生したと判定することに加えて、逆にスイッチ用カウンタ1,2の値が−10以下となったことに基づいても、始動入賞口14や大入賞口への排出異常が発生したと判定するようにしてもよい。この場合、スイッチ用カウンタ1,2の値がマイナス値となっていることを認識できないように構成されている場合には、たとえば、スイッチ用カウンタ1,2の値のデフォルト値として10をセットするようにしておき、スイッチ用カウンタ1,2の値が0または20以上となったことに基づいて、始動入賞口14や大入賞口への排出異常が発生したと判定するようにしてもよい。
なお、この実施の形態では、1つのスイッチ用カウンタ1,2のみを用いて始動入賞口14や大入賞口への排出異常を検出する場合を示したが、始動口スイッチ14aやカウントスイッチ23の検出回数と入賞確認スイッチ14b,23bの検出回数とで異なるスイッチ用カウンタを用いてもよい。この場合、たとえば、始動口スイッチ14aやカウントスイッチ23のオン状態を検出するごとに第1スイッチ用カウンタの値を1加算するようにするとともに、入賞確認スイッチ14b,23bのオン状態を検出するごとに第2スイッチ用カウンタの値を1加算するようにすればよい。そして、S2127,S2133では、第1スイッチ用カウンタの値と第2スイッチ用カウンタの値との差が所定値(たとえば、10)以上であると判定したことに基づいて、始動入賞口14や大入賞口への排出異常が発生したと判定し、S2128,S2134の処理を実行してセキュリティ信号を外部出力するようにすればよい。
図28および図29は、スイッチ正常/異常チェック処理を説明するための説明図である。このうち、図28は、正常な状態におけるスイッチ正常/異常チェック処理の例を示しており、図29は、排出異常につながる不正行為が行なわれているときのスイッチ正常/異常チェック処理の例を示している。また、図28(A)および図29(A)は、始動入賞口14への排出異常の有無を検出する場合を示しており、図28(B)および図29(B)は、大入賞口への排出異常の有無を検出する場合を示している。
まず、始動入賞口14への排出異常の有無を検出する場合を説明する。図28(A)および図29(A)に示すように、入力ポート2に対応するスイッチオンバッファのビット0は、そのビット0に対応する始動口スイッチ14a(近接スイッチ)によって遊技球が検出されると「0」になる。また、入力ポート0に対応するスイッチオンバッファのビット4は、そのビット4に対応する入賞確認1スイッチ14b(フォトセンサ)によって遊技球が検出されると「1」になる。スイッチが正常に動作し、かつ、不正行為(スイッチからの検出信号を不正にオン状態にしたり、オン状態の検出信号を不正にオフ状態にしたりする行為)を受けていない場合には、始動口スイッチ14aが入賞確認1スイッチ14bよりも上流側に配置されていることから、まず、始動口スイッチ14a(近接スイッチ)がオンし、次いで、入賞確認1スイッチ14b(フォトセンサ)がオンするはずである。従って、まず始動口スイッチ14aがオンしたことに基づいてスイッチ用カウンタ1の値が1加算されて1となり(S2123参照)、次いで入賞確認1スイッチ14bがオンしたことに基づいてスイッチ用カウンタ1の値が1減算されて0に戻る(S2126参照)。よって、遊技球がスイッチを通過するときに、入力ポート2に対応するスイッチオンバッファのビット0が「0」となるとともに、入力ポート0に対応するスイッチオンバッファのビット4が「1」となり、正常な動作状態であれば、カウントアップのタイミングにずれ(遊技球の通過タイミングのずれに相当)があるものの、図28(A)に示すように、スイッチ用カウンタ1の値は0に保たれる筈である。
しかし、電波による不正行為が行なわれた場合には、図29(A)に示すように、始動口スイッチ14aが1回オンする筈の期間に、電波により不正にオフ状態を割り込ませ、恰も始動口スイッチ14aが2回オンしたかのように認識させる不正行為が行なわれるおそれがある。たとえば、図29(A)に示すように、負論理で入力される始動口スイッチ14aの場合、信号がローレベルとなってオン状態となっているときに、電波などにより不正にノイズをのせてハイレベルとしてオフ状態とさせるような行為が行なわれるおそれがある。従って、始動口スイッチ14aが1回だけオンとなったにもかかわらず、始動口スイッチ14aが2回に亘ってオンしたと誤認識させられてスイッチ用カウンタ1の値が合計で2加算されて2となる(S2123が2回実行されることになる)。一方、下流側に配置されている入賞確認1スイッチ14bは、電磁式である始動口スイッチ14aとは検出方式が異なり、光学式のフォトセンサが用いられていることから、電波による不正行為の影響を受けない。そのため、図29(A)に示すように、始動口スイッチ14aで遊技球を1球検出した後に、少し遅れて入賞確認1スイッチ14b側で遊技球を検出されたときに、正常に入賞確認1スイッチ14bのオンを1回だけ検出して、スイッチ用カウンタ1の値を1減算して1とする(S2126参照)。従って、電波による不正行為が行なわれた場合には、検出方式の異なる始動口スイッチ14aと入賞確認1スイッチ14bとの間で検出数に差が生じるのであるから、図29(A)に示すように、スイッチ用カウンタ1の値が0に保たれず、スイッチ用カウンタ1の値が所定値(本例では10)以上となったことに基づいて(始動口スイッチ14aと入賞確認1スイッチ14bとの間の検出誤差の累積値が所定値(本例では10)以上となったことに基づいて)、始動入賞口14への排出異常が発生したことを検出することができる。
次に、大入賞口への排出異常の有無を検出する場合を説明する。図28(B)および図29(B)に示すように、入力ポート0に対応するスイッチオンバッファのビット0は、そのビット0に対応するカウントスイッチ23(近接スイッチ)によって遊技球が検出されると「1」になる。また、入力ポート0に対応するスイッチオンバッファのビット5は、そのビット5に対応する入賞確認2スイッチ23b(フォトセンサ)によって遊技球が検出されると「1」になる。スイッチが正常に動作し、かつ、不正行為(スイッチからの検出信号を不正にオン状態にしたり、オン状態の検出信号を不正にオフ状態にしたりする行為)を受けていない場合には、カウントスイッチ23が入賞確認2スイッチ23bよりも上流側に配置されていることから、まず、カウントスイッチ23(近接スイッチ)がオンし、次いで、入賞確認2スイッチ23b(フォトセンサ)がオンするはずである。従って、まずカウントスイッチ23がオンしたことに基づいてスイッチ用カウンタ2の値が1加算されて1となり(S2130参照)、次いで入賞確認2スイッチ23bがオンしたことに基づいてスイッチ用カウンタ2の値が1減算されて0に戻る(S2132参照)。よって、遊技球がスイッチを通過するときに、入力ポート0に対応するスイッチオンバッファのビット0が「1」となるとともに、入力ポート0に対応するスイッチオンバッファのビット5が「1」となり、正常な動作状態であれば、カウントアップのタイミングにずれ(遊技球の通過タイミングのずれに相当)があるものの、図28(B)に示すように、スイッチ用カウンタ2の値は0に保たれる筈である。
しかし、電波による不正行為が行なわれた場合には、図29(B)に示すように、正論理であるカウントスイッチ23の信号がローレベルとなってオフ状態となっているときに、電波などにより不正にノイズをのせてハイレベルとしてオン状態とさせて、恰もカウントスイッチ23がオンしたかのように認識させる不正行為が行なわれるおそれがある。従って、たとえば、図29(B)に示す例では、カウントスイッチ23が1回だけオンとなったにもかかわらず、カウントスイッチ23が2回に亘ってオンしたと誤認識させられてスイッチ用カウンタ2の値が合計で2加算されて2となる(S2130が2回実行されることになる)。一方、下流側に配置されている入賞確認2スイッチ23bは、電磁式であるカウントスイッチ23とは検出方式が異なり、光学式のフォトセンサが用いられていることから、電波による不正行為の影響を受けない。そのため、図29(B)に示すように、カウントスイッチ23で遊技球を1球検出した後に、少し遅れて入賞確認2スイッチ23b側で遊技球を検出されたときに、正常に入賞確認2スイッチ23bのオンを1回だけ検出して、スイッチ用カウンタ2の値を1減算して1とする(S2132参照)。従って、電波による不正行為が行なわれた場合には、検出方式の異なるカウントスイッチ23と入賞確認2スイッチ23bとの間で検出数に差が生じるのであるから、図29(B)に示すように、スイッチ用カウンタ2の値が0に保たれず、スイッチ用カウンタ2の値が所定値(本例では10)以上となったことに基づいて(カウントスイッチ23と入賞確認2スイッチ23bとの間の検出誤差の累積値が所定値(本例では10)以上となったことに基づいて)、大入賞口への排出異常が発生したことを検出することができる。
なお、不正に光を照射するなどの行為によって同様な不正行為が行なわれることも考えられる。この場合、入賞確認1スイッチ14bや入賞確認2スイッチ23bが1回オンする筈の期間に、光により不正にオフ状態を割り込ませ、恰も入賞確認1スイッチ14bや入賞確認2スイッチ23bが2回オンしたかのように認識させる不正行為が行なわれるおそれがある。しかし、この場合、逆に電磁式の始動口スイッチ14aやカウントスイッチ23側では光による不正行為の影響をうけず正常に遊技球を検出できるのであるから、同様にスイッチ用カウンタ1,2の値が0に保たれず、スイッチ用カウンタ1,2の値が所定値(本例では10)以上となったことに基づいて(始動口スイッチ14aと入賞確認1スイッチ14bとの間の検出誤差の累積値、またはカウントスイッチ23と入賞確認2スイッチ23bとの間の検出誤差の累積値が所定値(本例では10)以上となったことに基づいて)、始動入賞口14や大入賞口への排出異常が発生したことを検出することができる。
また、この実施の形態では、スイッチ用カウンタ1,2の値が0に保たれていないこと(始動口スイッチ14aと入賞確認1スイッチ14bとの間に検出誤差が発生したこと、またはカウントスイッチ23と入賞確認2スイッチ23bとの間に検出誤差が発生したこと)に基づいて直ちに排出異常と判定するのではなく、スイッチ用カウンタ1,2の値が所定値(本例では10)以上となったことに基づいて排出異常が発生したと判定している。そのように構成することによって、たとえば、始動入賞口14内や大入賞口内で遊技球が球詰まり状態を起こした場合などを不正行為による排出異常と判定することを防止している。
図30は、始動入賞口14内で遊技球が球詰まり状態を起こした場合を示す説明図である。なお、図30では、一例として、始動入賞口14内で球詰まり状態が発生した場合を示しているが、大入賞口内で球詰まり状態が発生した場合についても同様に考えることができる。
図30に示すように、始動入賞口14内において、始動口スイッチ14aと入賞確認1スイッチ14bとは、上下に一定の距離をおいて配置されている。そのため、始動入賞口14に入賞した遊技球は、まず始動口スイッチ14aで検出された後、少し時間をおいて下流側の入賞確認1スイッチ14bで検出されることになる。図30に示すように、始動入賞口14内において遊技球が球詰まり状態を起こした場合には、始動口スイッチ14aと入賞確認1スイッチ14bとの物理的な距離差によって、その検出数に差が生じた状態となる。この実施の形態では、図30に示すように、始動口スイッチ14aと入賞確認1スイッチ14bとの間で最大3個の検出誤差が生じるものとする。そこで、この実施の形態では、スイッチ用カウンタ1の値が、球詰まり状態における始動口スイッチ14aと入賞確認1スイッチ14bとの検出誤差3個に対して十分余裕をもたせた所定値(本例では10)以上となったことに基づいて排出異常が発生したと判定することによって、始動入賞口14内で遊技球が球詰まり状態を起こした場合などを不正行為による排出異常と判定することを防止している。
なお、この実施の形態では、球詰まり状態における始動口スイッチ14aと入賞確認1スイッチ14bとの検出誤差3個に対して十分余裕をもたせた所定値(本例では10)以上となったことに基づいて排出異常が発生したと判定する場合を示しているが、排出異常の判定に用いる所定値は、この実施の形態で示したものに限られない。たとえば、少なくとも、球詰まり状態における始動口スイッチ14aと入賞確認1スイッチ14bとの検出誤差3個より多い数であれば、誤って排出異常と判定してしまうことを防止できるのであるから、スイッチ用カウンタ1の値が4以上となったことに基づいて排出異常が発生したと判定するようにしてもよい(大入賞口に関しても、同様に、スイッチ用カウンタ2の値が4以上となったことに基づいて排出異常が発生したと判定するようにしてもよい)。
また、特に、始動入賞口を2つ備えるように遊技機を構成した場合には、これら2つの始動入賞口に加えて大入賞口の排出異常を検出可能に構成し、1つ当りの入賞口において球詰まり状態における検出誤差がそれぞれ3個ずつであるとすると、最大3個×3=9個までの検出誤差であれば、電波を用いた不正行為によらなくても、入賞口における球詰まりによって生じる可能性がある。そこで、そのような場合には、スイッチ用カウンタの値が少なくとも10以上となったことに基づいて排出異常が発生したと判定すれば、誤って排出異常を判定することを防止することができる。
図31は、S23の異常入賞報知処理を示すフローチャートである。異常入賞報知処理において、遊技制御用マイクロコンピュータ560(具体的には、CPU56)は、特別図柄プロセスフラグの値が5以上であるか否か確認する(S251)。特別図柄プロセスフラグの値が5以上であるときは(S251のY)、大当り遊技中または小当り遊技中である状態である。そのような状態であれば、大入賞口に遊技球が入賞する可能性があるので、大入賞口への異常入賞の確認処理を行なわずに、S261の処理に移行する。
特別図柄プロセスフラグの値が5未満である状態は、大当り遊技も小当り遊技も行なわれていない状態である。このような状態のときに大入賞口に遊技球の入賞があれば、その入賞は異常入賞であると判断することができる。従って、以下に示す大入賞口への異常入賞の確認処理を行なう。
すなわち、特別図柄プロセスフラグの値が5未満であれば(S251のN)、CPU56は、スイッチオンバッファ1(入力ポート0に対応するスイッチオンバッファ)の内容をレジスタにロードする(S252)。そして、CPU56は、ロードしたスイッチオンバッファ1の内容とカウントスイッチ入力ビット判定値(01(H)、図10参照)との論理積をとる(S253)。スイッチオンバッファ1の内容が01(H)であったとき、すなわちカウントスイッチ23がオンしているときには、論理積の演算結果は01(H)になる。カウントスイッチ23がオンしていないときには、論理積の演算結果は、0(00(H))になる。
論理積の演算結果が0でない場合には(S254のN)、すなわち、カウントスイッチ23がオンしていれば、CPU56は、大入賞口への異常入賞が生じたと判定し、セキュリティ信号情報タイマに所定時間(本例では、30秒)をセットする(S255)。この実施の形態では、S255でセキュリティ信号情報タイマに所定時間がセットされたことに基づいて、情報出力処理(S31参照)が実行されることによって、大入賞口への異常入賞が検出されたときに、セキュリティ信号が所定時間(本例では、30秒)外部出力される。
次いで、CPU56は、大入賞口への異常入賞の検出数をカウントするための入賞累積数カウンタの値を1加算する(S256)。そして、入賞累積数カウンタの値が20となっていれば(S257)、CPU56は、第1態様で大入賞口への異常入賞の報知を行なうことを示す異常入賞1報知指定コマンドを演出制御用マイクロコンピュータ100に送信する制御を行なう(S258)。また、入賞累積数カウンタの値が50となっていれば(S259)、CPU56は、第2態様で大入賞口への異常入賞の報知を行なうことを示す異常入賞2報知指定コマンドを演出制御用マイクロコンピュータ100に送信する制御を行なう(S260)。一方、論理積の演算結果が0である場合には(S254のY)、すなわち、カウントスイッチ23がオンしていなければ、CPU56は、大入賞口への異常入賞が生じていないと判定し、S261の処理に移行する。
S261では、CPU56は、普通図柄プロセスフラグの値が3であるか否か確認する(S261)。普通図柄プロセスフラグの値が3である状態は、普通電動役物(可変入賞球装置15)が開状態であると判断される状態(可変入賞球装置15が物理的に開いている状態のときと、可変入賞球装置15が物理的に閉鎖されてから所定のインターバル期間を経過するまでの状態のときとを含む)である。そのような状態であれば(S261のY)、始動入賞口14に遊技球が入賞する可能性があるので、始動入賞口14への異常入賞の確認処理を行なわずに異常入賞報知処理を終了する。
普通図柄プロセスフラグの値が3でない状態は(S261のN)、普通電動役物(可変入賞球装置15)が開状態以外の状態と判断される状態である。このような状態のときに始動入賞口14に遊技球の入賞があれば、その入賞は異常入賞である可能性がある。従って、以下に示す始動入賞口14への異常入賞の確認処理を行なう。
すなわち、普通図柄プロセスフラグの値が3でなければ(S261のN)、CPU56は、スイッチオンバッファ2(入力ポート2に対応するスイッチオンバッファ)の内容をレジスタにロードする(S262)。そして、CPU56は、ロードしたスイッチオンバッファ2の内容と始動口スイッチ入力ビット判定値(01(H)、図10参照)との論理積をとる(S263)。スイッチオンバッファ2の内容が01(H)であったとき、すなわち始動口スイッチ14aがオンしているときには、論理積の演算結果は01(H)になる。始動口スイッチ14aがオンしていないときには、論理積の演算結果は、0(00(H))になる。
論理積の演算結果が0でない場合には(S264のN)、すなわち、始動口スイッチ14aがオンしていれば、CPU56は、始動入賞口14への異常入賞が生じたと判定し、セキュリティ信号情報タイマに所定時間(本例では、30秒)をセットする(S265)。この実施の形態では、S265でセキュリティ信号情報タイマに所定時間がセットされたことに基づいて、情報出力処理(S31参照)が実行されることによって、始動入賞口14への異常入賞が検出されたときに、セキュリティ信号が所定時間(本例では、30秒)外部出力される。
次いで、CPU56は、始動入賞口14への異常入賞の検出数をカウントするための始動入賞累積数カウンタの値を1加算する(S266)。そして、始動入賞累積数カウンタの値が20となっていれば(S267)、CPU56は、第1態様で始動入賞口14への異常入賞の報知を行なうことを示す始動異常入賞1報知指定コマンドを演出制御用マイクロコンピュータ100に送信する制御を行なう(S268)。また、始動入賞累積数カウンタの値が50となっていれば(S269)、CPU56は、第2態様で始動入賞口14への異常入賞の報知を行なうことを示す始動異常入賞2報知指定コマンドを演出制御用マイクロコンピュータ100に送信する制御を行なう(S270)。一方、論理積の演算結果が0である場合には(S264のY)、すなわち、始動口スイッチ14aがオンしていなければ、CPU56は、始動入賞口14への異常入賞が生じていないと判定し、処理を終了する。
以上のような処理によって、大当り遊技も小当り遊技も行なわれていない状態においてカウントスイッチ23がオンした場合には、大入賞口への異常入賞が発生したと判定され、情報出力処理(S31参照)においてセキュリティ信号が外部出力されることになる。また、大入賞口への異常入賞の検出数が20となれば異常入賞1報知指定コマンドが送信され、大入賞口への異常入賞の検出数が50となれば異常入賞2報知指定コマンドが送信される。また、可変入賞球装置15が開閉動作していない状態(始動入賞口14が開状態以外の状態)において始動口スイッチ14aがオンした場合にも、始動入賞口14への異常入賞が発生したと判定され、情報出力処理(S31参照)においてセキュリティ信号が外部出力されることになる。また、始動入賞口14への異常入賞の検出数が20となれば始動異常入賞1報知指定コマンドが送信され、始動入賞口14への異常入賞の検出数が50となれば始動異常入賞2報知指定コマンドが送信される。
なお、S251の処理では、CPU56が、特別図柄プロセスフラグの値に基づいて大入賞口への異常入賞が生じたか否か判定するようにしている。そのため、1つのデータに基づいて異常入賞が生じたか否か判定できるので、判定処理を簡素化することができる。また、上述したように、特別可変入賞球装置20が閉鎖した後に大当り終了処理または小当り終了処理が所定時間実行されるので、特別可変入賞球装置20が閉鎖する直前に大入賞口に入賞した遊技球が、特別図柄プロセスフラグの値が0に戻った後にカウントスイッチ23で検出されてしまうということが防止され、正規の入賞であるにもかかわらずセキュリティ信号が外部出力されたり異常が報知されてしまうようなことはない。
また、S261の処理では、CPU56が、普通図柄プロセスフラグの値に基づいて始動入賞口14への異常入賞が生じたか否か判定するようにしている。そのため、1つのデータに基づいて異常入賞が生じたか否か判定できるので、判定処理を簡素化することができる。また、上述したように、異常入賞を判定するタイミングを可変入賞球装置15を閉鎖するタイミングよりも遅らせる方法として、普通図柄プロセスフラグの値が3から0に切り替わる所定時間前に可変入賞球装置15を閉鎖し、普通図柄プロセスフラグの値が3から0に切り替わった時点で異常入賞の判定を行なうようにしているので、可変入賞球装置15が閉鎖する直前に始動入賞口14に入賞した遊技球が、普通図柄プロセスフラグの値が0に戻った後に始動口スイッチ14aで検出されてしまうということが防止され、正規の入賞であるにもかかわらずセキュリティ信号が外部出力されたり異常が報知されてしまうようなことはない。
なお、可変入賞球装置15を閉鎖すると同時に普通図柄プロセスフラグの値が3から0に切り替え、普通図柄プロセスフラグの値が3から0に切り替わってから所定時間経過後に異常入賞の判定を行なうようにしてもよい。また、大入賞口への異常入賞の判定においても、同様の方法により異常入賞を判定するタイミングを大入賞口(特別可変入賞球装置20)を閉鎖するタイミングよりも遅らせるようにしてもよい。
図32は、ターミナル基板160に出力される各種信号を示すブロック図である。図32に示すように、この実施の形態では、主基板31に搭載されている遊技制御用マイクロコンピュータ560からターミナル基板160に対して、図柄確定回数1信号、始動口信号、大当り1信号、大当り2信号、大当り3信号、時短信号、入賞信号、セキュリティ信号、および高確中信号が、遊技制御用マイクロコンピュータ560側の情報出力処理(S31参照)によって出力される。また、この実施の形態では、払出制御基板37に搭載されている払出制御用マイクロコンピュータ370から、主基板31を経由して、ターミナル基板160に対して、賞球情報が、払出制御用マイクロコンピュータ370側の情報出力処理によって出力される。
図柄確定回数1信号は、特別図柄の変動回数を通知するための信号である。始動口信号は、始動入賞口14への入賞個数を通知するための信号である。大当り1信号は、大当り遊技中(特別可変入賞球装置の動作中)であることを通知するための信号である。大当り2信号は、大当り遊技中(特別可変入賞球装置の動作中)で、または特別図柄の変動時間短縮機能が作動中(時短状態中)であることを通知するための信号である。大当り3信号は、15ラウンドの大当り遊技中であることを通知するための信号である。時短信号は、特別図柄の変動時間短縮機能が作動中(時短状態中)であることを通知するための信号である。
また、入賞信号は、既に説明したように、所定数分(この実施の形態では、10個分)の賞球を払い出すための所定の払出条件が成立したこと(始動入賞口14、大入賞口、普通入賞口29,30への入賞が発生したこと。賞球の払出までは行なわれていない。具体的には、近接スイッチ(入賞口スイッチ29a,30a、カウントスイッチ23、始動口スイッチ14a)からの検出信号とフォトセンサ(入賞確認スイッチ29b,30b,23b,14b)からの検出信号との両方を入力したことを条件として、所定の払出条件が成立したと判定されたこと。)を示す信号である。
また、セキュリティ信号は、遊技機のセキュリティ状態を示す信号である。具体的には、始動口スイッチ14aの検出結果と入賞確認1スイッチ14bの検出結果とに基づいて、始動入賞口14への排出異常が発生したと判定された場合に、セキュリティ信号が電源が再投入されて初期化処理が実行されるまでホールコンピュータなどの外部装置に出力される。また、カウントスイッチ23の検出結果と入賞確認2スイッチ23bの検出結果とに基づいて、大入賞口への排出異常が発生したと判定された場合に、セキュリティ信号が電源が再投入されて初期化処理が実行されるまでホールコンピュータなどの外部装置に出力される。また、大入賞口や始動入賞口14への異常入賞が検出された場合にも、セキュリティ信号が所定期間(たとえば、30秒間)ホールコンピュータなどの外部装置に出力される。また、遊技機への電源投入が行なわれて初期化処理が実行された場合にも、セキュリティ信号が所定期間(たとえば、30秒間)ホールコンピュータなどの外部装置に出力される。
なお、セキュリティ信号として外部出力される信号は、この実施の形態で示したものに限られない。たとえば、始動入賞口14や大入賞口への排出異常に限らず、普通入賞口29,30への排出異常を検出して、セキュリティ信号として外部出力可能なように構成してもよい。また、たとえば、遊技機に設けられた磁石センサで異常磁気を検出した場合や、遊技機に設けられた電波センサで異常電波を検出した場合に、セキュリティ信号として外部出力可能なように構成してもよい。また、たとえば、遊技機に設けられた各種スイッチの異常を検出した場合(たとえば、入力値が閾値を超えたと判定したことにより、短絡などの発生を検出した場合)に、セキュリティ信号として外部出力可能なように構成してもよい。そのように、普通入賞口への排出異常や磁気異常、電波異常についてもターミナル基板160の共通のコネクタCN8からセキュリティ信号として外部出力可能なように構成すれば、1本の信号線さえ接続すればホールコンピュータなど外部装置で異常検出を行なえるようにすることができ、異常検出に関する作業負担を軽減することができる。
また、たとえば、遊技制御用マイクロコンピュータ560と払出制御用マイクロコンピュータ370との間の通信異常を検出した場合にも、ターミナル基板160の共通のコネクタCN8からセキュリティ信号として外部出力可能なように構成してもよい。この場合、たとえば、遊技制御用マイクロコンピュータ560は、払出制御用マイクロコンピュータ370から払出制御コマンドを受信できなかったことに基づいて通信異常が発生したと判定し、ターミナル基板160の共通のコネクタCN8からセキュリティ信号として外部出力してもよい。また、たとえば、遊技制御用マイクロコンピュータ560は、シリアル通信回路511のステータスレジスタのいずれかのエラービットの値がセットされていることに基づいて通信異常が発生したと判定し、ターミナル基板160の共通のコネクタCN8からセキュリティ信号として外部出力してもよい。
なお、セキュリティ信号用の信号線およびコネクタCN8とは別に、遊技制御用マイクロコンピュータ560と払出制御用マイクロコンピュータ370との間の通信異常専用の信号線およびコネクタをターミナル基板160に設けてもよい。そして、遊技制御用マイクロコンピュータ560と払出制御用マイクロコンピュータ370との間の通信異常を検出した場合には、セキュリティ信号とは別の信号として、ターミナル基板160を経由してホールコンピュータなどの外部装置に出力するようにしてもよい。
高確中信号は、遊技状態が高確率状態(確変状態)に制御されていることを示す信号である。この実施の形態では、高確中信号は、停電復旧してから所定条件が成立するまで(具体的には、最初の大当りが発生するまで)、ターミナル基板160を介して外部出力される。
また、賞球情報は、既に説明したように、賞球払出を特定数(本例では10個)検出するごとに出力される信号である。なお、この実施の形態では、所定数分(この実施の形態では、10個分)の賞球を払い出すための所定の払出条件が成立したこと(始動入賞口14、大入賞口、普通入賞口29,30への入賞が発生したこと。具体的には、近接スイッチ(入賞口スイッチ29a,30a、カウントスイッチ23、始動口スイッチ14a)からの検出信号とフォトセンサ(入賞確認スイッチ29b,30b,23b,14b)からの検出信号との両方を入力したことを条件として、所定の払出条件が成立したと判定されたこと。)に基づいて入賞信号が外部出力され、入賞信号に基づいてホール側で賞球数の把握を行なうことができる。そのため、賞球情報については、外部出力しないように構成してもよい。
図33〜図37は、S31の情報出力処理を示すフローチャートである。なお、図33〜図37に示す処理のうち、S1002〜S1020が始動口信号を出力するための処理であり、S1021〜S1023が入賞信号を出力するための処理であり、S1031〜S1036が図柄確定回数1信号を出力するための処理であり、S1050〜S1068が大当り1信号、大当り2信号、大当り3信号および時短信号を出力するための処理である。また、S1068A〜S1068C,S1069〜S1074がセキュリティ信号を出力するための処理であり、S1075〜S1077が高確中信号を出力するための処理である。
情報出力処理において、CPU56は、まず、始動口情報設定テーブルのアドレスをポインタにセットし(S1002)、ポインタの指す処理数をロードする(S1003)。始動口情報設定テーブルには、処理数(=1)と始動口スイッチ入力ビット(始動口スイッチ入力ビット判定値(01(H)))とが設定されている。なお、始動口スイッチ入力ビット判定値とは、始動入賞口14への始動入賞の有無を判定するための判定値である。S1003では、ポインタが始動口情報設定テーブルの処理数のアドレスを指しているので、始動口情報設定テーブルにおける処理数(=1)のデータがロードされることになる。なお、遊技機が2つの始動入賞口を備えている場合には、始動口情報設定テーブルに、処理数として2が設定されるとともに、2つの始動入賞口に対する始動口スイッチ入力ビットがそれぞれ設定されるようにすればよい。
次いで、CPU56は、スイッチオンバッファの内容をレジスタにロードし(S1004)、スイッチオンバッファをスイッチ入力データにセットする(S1005)。そして、ポインタを1加算し(S1006)、ポインタの指す始動口スイッチ入力ビットをレジスタにロードし(S1007)、始動口スイッチ入力ビットとスイッチ入力データの論理積をとる(S1008)。スイッチオンバッファの内容が01(H)であったとき、すなわち始動口スイッチ14aがオンしているときは、論理積の演算結果は01(H)になる。始動口スイッチ14aがオンしていないときは、論理積の演算結果は、00(H)になる。
論理積の演算結果が0の場合には(S1009のY)、S1015の処理に移行する。論理積の演算結果が0でない場合には(S1009のN)、始動入賞口14への入賞が生じたと判定し、始動口情報記憶カウンタをレジスタにロードする(S1010)。始動口情報記憶カウンタは、始動口信号の残り出力回数(つまり、始動口信号の未出力の始動入賞の残り入賞個数)をカウントするカウンタである。次いで、CPU56は、始動口情報記憶カウンタを1加算する(S1011)。そして、演算結果(加算した結果)が0でないかどうかを確認する(S1012)。演算結果が0のときは(S1012のN)、演算結果を1減算する(S1013)。そして、演算結果を始動口情報記憶カウンタにストアする(S1014)。
なお、この実施の形態では、始動入賞口14内の上流側の始動口スイッチ14aのオン状態のみを検出したことに基づいて、S1010以降の処理を実行して始動口信号を出力する場合を示しているが、上流側の始動口スイッチ14aと下流側の入賞確認スイッチ14bとの両方のオン状態を検出したことに基づいて、始動口信号を出力するように構成してもよい。
次に、CPU56は、処理数を1減算し(S1015)、処理数が0でないかどうかを判定する(S1016)。処理数が0でないときは(S1016のY)、S1004の処理に移行する。なお、この実施の形態では、遊技機は始動入賞口14のみを備えていることから、処理数の初期値として1が設定され、S1016では必ず処理数が0であると判定されることになる。
S1016で処理数が0であると判定されると(S1016のN)、CPU56は、初期値(00(H))をRAM55に形成されている情報バッファにセットする(S1017)。次いで、CPU56は、RAM55に形成されている情報出力バッファの始動口出力ビット位置(図9に示す例では出力ポート1のビット1)をセットする(S1018)。そして、CPU56は、始動口情報記憶タイマのアドレスをポインタにセットし(S1019)、入賞タイマセット処理を実行する(S1020)。
次いで、CPU56は、情報出力バッファの入賞出力ビット位置(図9に示す例では出力ポート1のビット6)をセットする(S1021)。そして、CPU56は、入賞情報記憶タイマのアドレスをポインタにセットし(S1022)、入賞タイマセット処理を実行する(S1023)。
なお、この実施の形態では、始動口信号を外部出力する場合と入賞信号を外部出力する場合とで共通のサブルーチン(入賞タイマセット処理)が実行されることによって、情報バッファの始動口出力ビット位置がセットされて始動口信号が出力され、情報バッファの入賞出力ビット位置がセットされて入賞信号が出力される。なお、入賞タイマセット処理の具体的な処理内容については後述する(図38参照)。
次に、CPU56は、図柄確定回数1情報タイマをレジスタにロードし(S1031)、図柄確定回数1情報タイマの状態をフラグレジスタに反映させて(S1032)、図柄確定回数1情報タイマがタイムアウトしているかどうかを判定する(S1033)。この実施の形態では、特別図柄変動中処理(S303参照)において、変動時間がタイムアウトすると、特別図柄の変動を停止するときに、図柄確定回数1情報タイマに図柄確定回数出力時間(本例では0.500秒)がセットされ、その図柄確定回数出力時間が経過していないときは、図柄確定回数1情報タイマがタイムアウトしていないと判定され、図柄確定回数出力時間が経過したとき(図柄確定回数1情報タイマの値が0のとき)に、図柄確定回数1情報タイマがタイムアウトしたと判定される。
図柄確定回数1情報タイマがタイムアウトしていなければ(S1033のN)、図柄確定回数1情報タイマを1減算し(S1034)、演算結果を図柄確定回数1情報タイマにストアする(S1035)。そして、情報バッファの図柄確定回数1出力ビット位置(図9に示す例では出力ポート1のビット0)をセットする(S1036)。情報バッファの図柄確定回数1出力ビット位置がセットされると、その後のS1102で情報バッファを出力値にセットし、S1103で出力値を出力ポート1に出力することによって、図柄確定回数1信号が出力ポート1から出力される(オン状態となる)。なお、図柄確定回数1情報タイマがタイムアウトすれば(S1033のY)、S1036の処理が実行されない結果、図柄確定回数1信号はオフ状態となる。
以上に示したS1031〜S1036の処理によって、特別図柄の変動が停止(停止図柄が確定)する度に、図柄確定回数1信号が図柄確定回数出力時間(たとえば500ms)オン状態となる。
次に、CPU56は、特別図柄プロセスフラグをロードし(S1050)、特別図柄プロセスフラグの値と大入賞口開放前処理指定値(「5」)を比較し(S1051)、特別図柄プロセスフラグの値が5未満であるかどうかを判定する(S1052)。特別図柄プロセスフラグの値が5未満であるときは(S1052のY)、S1058の処理に移行する。特別図柄プロセスフラグの値が5以上であるときは(S1052のN)、さらに特別図柄プロセスフラグの値と小当り開放前処理指定値(「8」)を比較し(S1053)、特別図柄プロセスフラグの値が8以上であるかどうかを判定する(S1054)。特別図柄プロセスフラグの値が8以上であるときは(S1054のY)、S1058の処理に移行する。特別図柄プロセスフラグの値が8未満であるときは(S1054のN)、情報バッファの大当り1出力ビット位置をセットする(S1055)。また、情報バッファの大当り2出力ビット位置をセットする(S1056)。情報バッファの大当り1出力ビット位置および大当り2出力ビット位置がセットされると、その後のS1102で情報バッファを出力値にセットし、S1103で出力値を出力ポート1に出力することによって、大当り1信号および大当り2信号が出力ポート1から出力される(オン状態となる)。
なお、この実施の形態では、S1054の処理によって小当りである場合には大当り1信号を外部出力しないように制御する場合を示しているが、確変状態であるか否かを認識不能とする共通演出(いわゆる確変潜伏演出)を実行可能に遊技機を構成する場合には、小当りであってもS1055の処理に移行し、大当り1信号を外部出力可能に構成してもよい。
また、CPU56は、時短状態であるか否かを確認する時短チェック処理を実行し(S1058)、時短状態であるか否かを判定する(S1059)。具体的には、CPU56は、時短状態に移行するときにセットされる時短フラグがセットされているか否かを確認することによって、時短状態であるか否かを判定する。時短状態であるときは(S1059のY)、情報バッファの時短出力ビット位置をセットする(S1060)。時短出力ビット位置がセットされると、その後のS1102で情報バッファを出力値にセットし、S1103で出力値を出力ポート1に出力することによって、時短信号が出力ポート1から出力される(オン状態となる)。また、情報バッファの大当り2出力ビット位置をセットする(S1061)。大当り2出力ビット位置がセットされると、その後のS1102で情報バッファを出力値にセットし、S1103で出力値を出力ポート1に出力することによって、大当り2信号が出力ポート1から出力される(オン状態となる)。
また、CPU56は、特別図柄プロセスフラグをロードし(S1062)、特別図柄プロセスフラグの値と大入賞口開放前処理指定値(「5」)を比較し(S1063)、特別図柄プロセスフラグの値が5未満であるかどうかを判定する(S1064)。特別図柄プロセスフラグの値が5未満であるときは(S1064のY)、S1068Aの処理に移行する。特別図柄プロセスフラグの値が5以上であるときは(S1064のN)、さらに特別図柄プロセスフラグの値と小当り開放前処理指定値(「8」)を比較し(S1065)、特別図柄プロセスフラグの値が8以上であるかどうかを判定する(S1066)。特別図柄プロセスフラグの値が8以上であるときは(S1066のY)、S1068Aの処理に移行する。特別図柄プロセスフラグの値が8未満であるときは(S1066のN)、特別図柄通常処理で大当り種別判定結果に基づいて設定される大当り種別バッファの内容をロードし、通常大当りまたは確変大当りであるか否かを確認する(S1067)。なお、通常大当りまたは確変大当りであるか否かは、たとえば、特別図柄通常処理において設定された大当り種別バッファの内容を確認することによって判定できる。たとえば、大当り種別バッファには、特別図柄通常処理で決定された大当り種別の内容や大当り判定結果を示す内容が格納されており、たとえば、「01」が通常大当り、「02」が確変大当り、「03」が突然確変大当りとされている。そして、大当り種別バッファの内容が「01」または「02」であれば、通常大当りまたは確変大当りであると判断される。この場合、情報バッファの大当り3出力ビット位置をセットする(S1068)。大当り3出力ビット位置がセットされると、その後のS1102で情報バッファを出力値にセットし、S1103で出力値を出力ポート1に出力することによって、大当り3信号が出力ポート1から出力される(オン状態となる)。
以上に示したS1050〜S1068の処理によって、大当りの種別や遊技状態に応じた大当り1信号、大当り2信号、大当り3信号および時短信号が出力される(オン状態になる)。
次いで、CPU56は、排出異常フラグがセットされているか否かを確認する(S1068A)。排出異常フラグがセットされていれば(すなわち、排出異常の発生が検出されていれば)、CPU56は、セットされていればセキュリティ信号情報タイマの値をクリアし(S1068B)、情報バッファのセキュリティ信号出力ビット位置(図9に示す例では出力ポート1のビット7)をセットする(S1068C)。情報バッファのセキュリティ信号出力ビット位置がセットされると、その後のS1102で情報バッファを出力値にセットし、S1103で出力値を出力ポート1に出力することによって、セキュリティ信号が出力ポート1から出力される(オン状態となる)。
以上に示したS1068A〜S1068Cの処理によって、始動入賞口14や大入賞口への排出異常が検出されると、遊技機への電源が再投入されて初期化処理が実行されるまで、排出異常に基づくセキュリティ信号が出力される。
なお、既に説明したように、排出異常フラグはバックアップRAMに記憶され遊技機への電力供給が停止しても保持されるので、遊技機への電力供給停止後に再び電力供給が開始されても停電復旧処理(S91,S92参照)が実行された場合には、排出異常フラグが保持されていることに基づいてS1068A〜S1068Cの処理が実行されることにより停電復旧後に再び排出異常に基づくセキュリティ信号の外部出力が再開されることになる。そして、遊技機への電力供給が開始されるときに初期化処理(S10参照)が実行されたことに基づいて排出異常フラグもリセットされ、排出異常に基づくセキュリティ信号の外部出力が終了することになる(ただし、この場合には、後述するS1069〜S1074の処理が実行されることにより、初期化処理の実行に基づくセキュリティ信号の外部出力が所定期間(たとえば、30秒)実行されることになる)。
排出異常フラグがセットされていなければ(S1068AのN)、CPU56は、セキュリティ信号情報タイマをロードし(S1069)、セキュリティ信号情報タイマの状態をフラグレジスタに反映させて(S1070)、セキュリティ信号情報タイマがタイムアウトしているかどうかを判定する(S1071)。この実施の形態では、可変入賞球装置15が開状態でないときに始動入賞口14への遊技球の入賞を検出した場合や、大当り遊技中でないときに大入賞口への遊技球の入賞を検出した場合に異常入賞が発生したと判定され、セキュリティ信号情報タイマに所定時間(本例では30秒)がセットされ(異常入賞報知処理におけるS255,S265参照)、その所定時間が経過していないときは、セキュリティ信号情報タイマがタイムアウトしていないと判定され、その所定時間が経過したとき(セキュリティ信号情報タイマの値が0のとき)に、セキュリティ信号情報タイマがタイムアウトしたと判定される。
また、この実施の形態では、遊技機への電力供給が開始されて初期化処理が実行されたときにも、セキュリティ信号情報タイマに所定時間(本例では30秒)がセットされ(メイン処理におけるS14a参照)、その所定時間が経過していないときは、セキュリティ信号情報タイマがタイムアウトしていないと判定され、その所定時間が経過したとき(セキュリティ信号情報タイマの値が0のとき)に、セキュリティ信号情報タイマがタイムアウトしたと判定される。
セキュリティ信号情報タイマがタイムアウトしていなければ(S1071のN)、セキュリティ信号情報タイマを1減算し(S1072)、演算結果をセキュリティ信号情報タイマにストアする(S1073)。そして、情報バッファのセキュリティ信号出力ビット位置(図9に示す例では出力ポート1のビット7)をセットする(S1074)。情報バッファのセキュリティ信号出力ビット位置がセットされると、その後のS1102で情報バッファを出力値にセットし、S1103で出力値を出力ポート1に出力することによって、セキュリティ信号が出力ポート1から出力される(オン状態となる)。なお、セキュリティ信号情報タイマがタイムアウトすれば(S1071のY)、S1074の処理が実行されない結果、セキュリティ信号はオフ状態となる。
以上に示したS1069〜S1074の処理によって、始動入賞口14や大入賞口への異常入賞が検出されてから30秒が経過するまで、または遊技機への電力供給開始時に初期化処理が実行されてから30秒が経過するまで、ターミナル基板160の共通のコネクタCN8を用いてセキュリティ信号が出力される。
なお、セキュリティ信号の出力中更に新たな異常入賞を検出した場合には、最後に異常入賞を検出してから30秒が経過するまでセキュリティ信号の出力が継続される。
また、異常入賞を検出したことや初期化処理が実行されたことに基づいてセキュリティ信号の出力を開始した後、まだセキュリティ信号の出力中であるときに排出異常を検出した場合には、異常入賞の検出や初期化処理の実行に基づくセキュリティ信号の出力制御から排出異常に基づくセキュリティ信号の出力制御に切り替えられる。具体的には、異常入賞の検出や初期化処理の実行に基づいてセキュリティ信号情報タイマがセットされていることによりS1069〜S1074の処理が実行されてセキュリティ信号が外部出力されているときに、排出異常が検出されると、スイッチ正常/異常チェック処理において排出異常フラグがセットされる(S2128A,S2134A参照)。そして、それ以降は、排出異常フラグがセットされていることによりS1068A〜S1068Cの処理に切り替わり、セキュリティ信号情報タイマはクリアされて(S1068B参照)、初期化処理で排出異常フラグがリセットされるまで、排出異常フラグがセットされていることに基づいてセキュリティ信号が外部出力される(S1068C参照)。
次いで、CPU56は、高確中出力許可フラグがセットされているか否かを確認する(S1075)。なお、高確中出力許可フラグは、遊技機への電力供給開始時にホットスタート処理が実行されたときにセットされる(S9103参照)。高確中出力許可フラグがセットされていれば、CPU56は、確変フラグがセットされているか否かを確認する(S1076)。確変フラグがセットされていれば、CPU56は、情報バッファの高確中信号出力ビット位置(図9に示す例では出力ポート0のビット7)をセットする(S1077)。情報バッファの高確中信号出力ビット位置がセットされると、その後のS1102で情報バッファを出力値にセットし、S1103で出力値を出力ポート0に出力することによって、高確中信号が出力ポート0から出力される(オン状態となる)。なお、この実施の形態では、停電復旧した後、最初の大当りが発生すれば、高確中出力許可フラグがリセットされ(S1303参照)、その結果、高確中信号はオフ状態となる。
なお、この実施の形態では、最初の大当りが発生したときに高確中出力許可フラグをリセットする場合を示しているが、高確中出力許可フラグがリセットされるタイミングは、この実施の形態で示したものに限られない。たとえば、小当りが発生した場合にも高確中出力許可フラグをリセットするように構成してもよい。また、たとえば、確変状態に制御された後に変動表示を所定回数実行したことに基づいて確変状態を終了するように構成されている場合には、その所定回数の変動表示を終了して確変状態を終了するときに高確中出力許可フラグをリセットするように構成してもよい。
以上に示したS1075〜S1077の処理によって、停電復旧した後、確変フラグがセットされていれば、所定条件が成立するまで(本例では、最初の大当りが発生するまで)、高確中信号が出力される(オン状態になる)。すなわち、この実施の形態では、既に説明したように、遊技機への電源供給が停止しても所定期間はバックアップRAMに確変フラグが保持されている。そのため、停電発生前に確変状態に制御されていた場合には、バックアップRAMに確変フラグが保持されている筈であるから、停電復旧時に高確中信号の出力が開始され、最初の大当りが発生するまで高確中信号の出力が継続される。
なお、この実施の形態では、最初の大当りが発生したときに、高確中出力許可フラグがリセットされる(S1303参照)のであるから、以降、高確中信号の出力は行なわれなくなる。従って、この実施の形態では、所定条件が成立すれば(本例では、最初の大当りが発生すれば)、高確中信号の出力が禁止されることになる。
なお、この実施の形態では、メイン処理の停電復旧処理の実行時に高確中出力許可フラグをセットする処理のみを行ない、S31の情報出力処理において確変フラグがセットされているか否かを確認して高確中信号を出力するように処理を行なう場合を示したが、高確中信号出力の処理方法は、この実施の形態で示したものに限られない。たとえば、メイン処理の停電復旧処理において確変フラグがセットされているか否かを確認し、セットされていれば、情報バッファの高確中信号出力ビット位置をセットしたり、高確中信号出力用のタイマをセットしたりするなどの処理を行って、高確中信号を出力するようにしてもよい。そして、このように停電復旧処理において確変フラグを確認して高確中信号の出力を開始するように構成する場合であっても、最初の大当りが発生したときなど所定条件が成立したときに高確中信号の出力を停止する制御を行って、以降、高確中信号の出力を行なわないように制御するように構成されていればよい。
なお、この実施の形態では、タイマ割込ごとに図33〜図37に示す情報出力処理において対応する信号の出力ビット位置をセットして(S1036,S1055,S1056,S1060,S1061,S1068,S1068C,S1074,S1077参照)、S1102,S1103を実行して出力ポート0,1から外部出力する処理例を示しているが、各信号の出力状態に関しては、対応する出力ビットの値が前回の設定と変化しない限り変化しない。たとえば、対応する出力ビットの値が「1」にセットされていれば、セットされている間、信号は出力が継続されることになる。
図38は、情報出力処理のS1020,S1023で実行される入賞タイマセット処理を示すフローチャートである。入賞タイマセット処理において、CPU56は、まず、ポインタの指す情報記憶タイマをロードし(S2001)、ロードした情報記憶タイマの状態をフラグレジスタに反映させて(S2002)、信号が出力中であるか否かを判定する(S2003)。この場合、情報出力処理のS1020で入賞タイマセット処理が実行される場合には、始動口情報記憶タイマをロードしてその状態をフラグレジスタに反映し、始動口信号が出力中であるか否かを判定することになる。また、情報出力処理のS1023で入賞タイマセット処理が実行される場合には、入賞情報記憶タイマをロードしてその状態をフラグレジスタに反映し、入賞信号が出力中であるか否かを判定することになる。
始動口情報記憶タイマは、始動口信号のオン時間およびオフ時間(たとえば、オン時間100msとオフ時間100ms)を計測するためのタイマである。始動口情報記憶タイマの値が0でなければ始動口信号が出力中であると判定され、始動口情報記憶タイマの値が0であれば始動口信号が出力中でないと判定される。また、入賞情報記憶タイマは、入賞信号のオン時間およびオフ時間(たとえば、オン時間100msとオフ時間100ms)を計測するためのタイマである。入賞情報記憶タイマの値が0でなければ入賞信号が出力中であると判定され、入賞情報記憶タイマの値が0であれば入賞信号が出力中でないと判定される。
信号(始動口信号または入賞信号)が出力中であれば(S2003のY)、S2012の処理に移行する。信号(始動口信号または入賞信号)が出力中でなければ(S2003のN)、CPU56は、ポインタの値を1加算する(S2004)。なお、この実施の形態では、ROM54において、始動口情報記憶タイマが設定されている領域の次の領域に始動口情報記憶カウンタがセットされ、入賞情報記憶タイマが設定されている領域の次の領域に入賞情報記憶カウンタがセットされている。従って、S2004の処理が実行されることによって、ポインタの値は、始動口情報記憶カウンタまたは入賞情報記憶カウンタのアドレスを示している状態となる。
次いで、CPU56は、ポインタの指す情報記憶カウンタ(始動口情報記憶カウンタまたは入賞情報記憶カウンタ)をロードし(S2005)、ロードした情報記憶カウンタ(始動口情報記憶カウンタまたは入賞情報記憶カウンタ)の状態をフラグレジスタに反映させて(S2006)、信号(始動口信号または入賞信号)の出力回数の残数があるかどうかを判定する(S2007)。
なお、始動口スイッチ14aがオンしたときは(S1009のN)、始動口情報記憶カウンタが加算されるので、始動口信号の出力回数の残数があると判定されることになる。また、いずれかの入賞口(始動入賞口14、大入賞口、普通入賞口29,30)への入賞が発生し、近接スイッチ(始動口スイッチ14a、カウントスイッチ23、入賞口スイッチ29a,30a)がオンするとともにフォトセンサ(入賞確認スイッチ14b,23b,29b,30b)がオンした場合には、賞球予定数が10個累積するごとに入賞情報記憶カウンタが加算される(S5132参照)ので、入賞信号の出力回数の残数があると判定されることになる。
信号(始動口信号または入賞信号)の出力回数の残数がなければ(S2007のY)、入賞タイマセット処理を終了する。信号(始動口信号または入賞信号)の出力回数の残数があれば(S2007のN)、CPU56は、ポインタの指す上方記憶カウンタ(始動口情報記憶カウンタまたは入賞情報記憶カウンタ)を1減算し(S2008)、演算結果(1減算した結果)を情報記憶カウンタ(始動口情報記憶カウンタまたは入賞情報記憶カウンタ)にストアする(S2009)。そして、入賞情報動作時間(50)をレジスタにセットする(S2010)。なお、入賞情報動作時間(50)は、4msのタイマ割込みが50回実行される時間、すなわち、0.200秒(200ms)の時間となっている。なお、この実施の形態では、始動口信号を出力する場合と入賞信号を出力する場合とで、入賞情報動作時間として同じ値を設定する場合を示しているが、異なる値を設定するようにしてもよい。
次いで、CPU56は、ポインタの値を1減算する(S2011)。S2011の処理が実行されることによって、ポインタの値は、再び始動口情報記憶タイマまたは入賞情報記憶タイマのアドレスを示している状態に戻ることになる。そして、S2012に移行する。
次に、CPU56は、S2010で入賞情報動作時間がセットされていなければポインタの指す情報記憶タイマ(始動口情報記憶タイマまたは入賞情報記憶タイマ)を1減算し、S2010で入賞情報動作時間がセットされていれば入賞情報動作時間を1減算する(S2012)。そして、演算結果(1減算した結果)をポインタの指す情報記憶タイマ(始動口情報記憶タイマまたは入賞情報記憶タイマ)にストアする(S2013)。
CPU56は、演算結果と入賞情報オン時間(25)を比較し(S2014)、演算結果が入賞情報オン時間よりも短い時間であるかどうかを判定する(S2015)。なお、入賞情報オン時間(25)は、4msのタイマ割込みが25回実行される時間、すなわち、0.100秒(100ms)の時間となっている。
演算結果が入賞情報オン時間よりも短い時間でない場合、つまり、演算結果(始動口情報記憶タイマまたは入賞情報記憶タイマの残り時間)が入賞情報オン時間(100ms)よりも長い時間である場合は(S2015のN)、CPU56は、情報バッファをロードし(S2016)、ロードした情報バッファの値と情報出力バッファの値との論理和を求める(S2017)。そして、CPU56は、S2017の演算結果を情報バッファにストアする(S2018)。
なお、S2016〜S2018の処理が実行されることによって、情報出力処理のS1020で入賞タイマセット処理が実行される場合には、S1018で始動口出力ビットがセットされた情報出力バッファの値との論理和が求められることによって、情報バッファの始動口出力ビット位置(図9に示す例では出力ポート1のビット1)がセットされることになる。そして、情報バッファの始動口出力ビット位置がセットされると、その後の情報出力処理のS1102で情報バッファを出力値にセットし、S1103で出力値を出力ポート1に出力することによって、始動口信号が出力ポート1から出力されることになる。
また、S2016〜S2018の処理が実行されることによって、情報出力処理のS1023で入賞タイマセット処理が実行される場合には、S1011で入賞出力ビットがセットされた情報出力バッファの値との論理和が求められることによって、情報バッファの入賞出力ビット位置(図9に示す例では出力ポート1のビット6)がセットされることになる。そして、情報バッファの入賞出力ビット位置がセットされると、その後の情報出力処理のS1102で情報バッファを出力値にセットし、S1103で出力値を出力ポート1に出力することによって、入賞信号が出力ポート1から出力されることになる。
情報出力処理のS1002〜S1020および図38に示す入賞タイマセット処理によって、始動入賞口14への入賞(始動口スイッチ14aのオン)が発生すると、始動口信号が出力される。すなわち、始動口信号が100ms間オン状態となった後、100ms間オフ状態になる。この始動口信号がホールコンピュータに入力されることによって、始動入賞口14への入賞個数を認識させることができる。
始動口信号は、100ms間オン状態となった後、100ms間オフ状態になるので、短時間に連続して始動入賞が発生した場合であっても、100ms間のオフ状態の後に次の始動口信号が出力される。すなわち、始動口信号は少なくとも100msの間隔をあけて出力される。
このように、始動口信号は少なくとも100msの間隔をあけて出力されるので、ホールコンピュータは、始動入賞数の総数を確実に把握することができる。
また、情報出力処理のS1021〜S1023および図38に示す入賞タイマセット処理によって、いずれかの入賞口(始動入賞口14、大入賞口、普通入賞口29,30)への入賞が発生し(近接スイッチ(始動口スイッチ14a、カウントスイッチ23、入賞口スイッチ29a,30a)がオンするとともにフォトセンサ(入賞確認スイッチ14b,23b,29b,30b)がオンし)、賞球予定数が10個累積するごとに、入賞信号が出力される。すなわち、入賞信号が100ms間オン状態となった後、100ms間オフ状態になる。この入賞信号がホールコンピュータに入力されることによって、賞球予定数を認識させることができる。
入賞信号は、100ms間オン状態となった後、100ms間オフ状態になるので、短時間に連続して始動入賞が発生した場合であっても、100ms間のオフ状態の後に次の入賞信号が出力される。すなわち、入賞信号は少なくとも100msの間隔をあけて出力される。
このように、入賞信号は少なくとも100msの間隔をあけて出力されるので、ホールコンピュータは、賞球予定数の総数を確実に把握することができる。
なお、この実施の形態では、入賞信号を外部出力する場合に、まずS2012の処理を実行して入賞情報記憶タイマの値を減算してから、S2018,S1102,S1103を実行して入賞信号を外部出力する場合を示したが、入賞情報記憶タイマの減算処理と入賞信号の外部出力処理との処理順は、この実施の形態で示したものに限られない。たとえば、まず、S2018,S1102,S1103と同様の処理を実行して入賞信号の外部出力処理を実行してから、S2012と同様の処理を行ない入賞情報記憶タイマの値を減算するようにしてもよい。
次に、セキュリティ信号の出力タイミングについて説明する。図39は、セキュリティ信号の出力タイミングを示す説明図である。この実施の形態では、遊技機への電力供給開始時に初期化処理が実行されると(S10〜S14参照)、セキュリティ信号情報タイマに所定時間(本例では、30秒)がセットされたことに基づいて(S14a参照)、情報出力処理(S31参照)でS1069〜S1074,S1102,S1103の処理が実行されて、図39(A)に示すように、ターミナル基板160のコネクタCN8から、ホールコンピュータなどの外部装置に対して所定時間(本例では、30秒)セキュリティ信号が出力される。
また、大入賞口への異常入賞が発生したと判定されたとき(S251〜S254参照)や、始動入賞口14への異常入賞が発生したと判定されたとき(S261〜S264参照)にも、セキュリティ信号情報タイマに所定時間(本例では、30秒)がセットされたことに基づいて(S255,S265参照)、情報出力処理(S31参照)でS1069〜S1074,S1102,S1103の処理が実行されて、図39(A)に示すように、ターミナル基板160のコネクタCN8から、ホールコンピュータなどの外部装置に対して所定時間(本例では、30秒)セキュリティ信号が出力される。
また、遊技機への電源供給が開始された後に、始動口スイッチ14aの検出数と入賞確認1スイッチ14bの検出数との検出誤差が所定値(本例では、10)以上となったことに基づいて、始動入賞口14への排出異常が発生したと判定されたとき(S2121〜S2127参照)や、カウントスイッチ23の検出数と入賞確認2スイッチ23bの検出数との検出誤差が所定値(本例では、10)以上となったことに基づいて、大入賞口への排出異常が発生したと判定されたときにも(S2129〜S2133参照)、排出異常フラグがセットされたことに基づいて(S2128A,S2134A参照)、情報出力処理(S31参照)でS1068A〜S1068C,S1102,S1103の処理が実行されて、図39(B)に示すように、次に遊技機に電源が再投入されて初期化処理が実行されるまで、ターミナル基板160のコネクタCN8から、ホールコンピュータなどの外部装置に対してセキュリティ信号が出力される。
上記のように、この実施の形態では、遊技機への電源供給開始時に初期化処理が実行されたときと、始動入賞口14や大入賞口への異常入賞を検出したときと、始動入賞口14や大入賞口への排出異常を検出したときとで、ターミナル基板160の共通のコネクタCN8からセキュリティ信号が外部出力される。
また、この実施の形態では、セキュリティ信号の外部出力中である場合に、新たに始動入賞口14や大入賞口への排出異常を検出した場合には、初期化処理の実行や異常入賞の検出に基づくセキュリティ信号の出力制御から排出異常の検出に基づくセキュリティ信号の出力制御に切り替えられる。たとえば、遊技機への電源供給開始時に初期化処理が実行されたことに基づいてセキュリティ信号の出力を開始した場合や、始動入賞口14や大入賞口への異常入賞を検出したことに基づいてセキュリティ信号の出力を開始した場合には、図39(A)に示すように、原則として30秒を経過するまでセキュリティ信号の出力が継続される筈である。しかし、図39(C)に示すように、その30秒を経過する前であっても、始動口スイッチ14aの検出数と入賞確認1スイッチ14bの検出数との検出誤差が所定値(本例では、10)以上となって始動入賞口14への排出異常が発生したと判定されたり、カウントスイッチ23の検出数と入賞確認2スイッチ23bの検出数との検出誤差が所定値(本例では、10)以上となって大入賞口への排出異常が発生したと判定される可能性がある。この場合、排出異常の発生が検出され排出異常フラグがセットされることにより(S2121〜S2128A,S2129〜S2134A参照)、情報出力処理(S31参照)においてS1069〜S1074の処理からS1068A〜S1068Cの処理に切り替えられて、図39(C)に示すように、次に遊技機に電源が再投入されて初期化処理が実行されるまで、セキュリティ信号の出力が継続されることになる。
なお、この実施の形態では、遊技機への電力供給開始時に初期化処理が実行された場合や始動入賞口14や大入賞口への異常入賞を検出した場合には30秒間に亘ってセキュリティ信号を出力する場合を示したが、セキュリティ信号の出力時間は、この実施の形態で示したものに限られない。たとえば、初期化処理が実行された場合にはセキュリティ信号を30秒間出力する一方で、始動入賞口14や大入賞口への異常入賞を検出した場合にはセキュリティ信号を1分間出力するなど、セキュリティ信号の出力時間を異ならせて、初期化処理が実行された場合であるか始動入賞口14や大入賞口への異常入賞を検出した場合であるかを認識可能に構成してもよい。
さらに、始動入賞口14への異常入賞を検出した場合と大入賞口への異常入賞を検出した場合とでセキュリティ信号の出力期間を異ならせてもよい。たとえば、始動入賞口14への異常入賞を検出した場合にはセキュリティ信号を2分間出力し、大入賞口への異常入賞を検出した場合にはセキュリティ信号を1分間出力するようにしてもよい。
次に、排出異常に基づきセキュリティ信号を出力しているときに遊技機への電力供給が停止した後に、電力供給が復旧した場合のセキュリティ信号の出力タイミングについて説明する。図40は、排出異常に基づきセキュリティ信号を出力しているときに遊技機への電力供給が停止した後に、電力供給が復旧した場合のセキュリティ信号の出力タイミングを示す説明図である。
排出異常に基づきセキュリティ信号を出力しているときに遊技機への電力供給が停止した後、電力供給が復旧した場合に、遊技機への電力供給開始時に初期化処理が実行されると(S10〜S14参照)、排出異常フラグがリセットされ(S10参照)、排出異常に基づくセキュリティ信号の出力制御を終了する。一方、初期化処理が実行された場合には、セキュリティ信号情報タイマに所定時間(本例では、30秒)がセットされる(S14a参照)。そのため、情報出力処理(S31参照)でS1069〜S1074,S1102,S1103の処理が実行されて、ターミナル基板160のコネクタCN8から、ホールコンピュータなどの外部装置に対して所定時間(本例では、30秒)セキュリティ信号が出力される。従って、停電復旧後に初期化処理が実行された場合には、図40(A)に示すように、見た目上、遊技機への電源が再投入された後、所定期間(たとえば、30秒間)を経過したときにセキュリティ信号の外部出力が終了する。
一方、排出異常に基づきセキュリティ信号を出力しているときに遊技機への電力供給が停止した後、電力供給が復旧した場合に、パックアップRAMの記憶内容に基づいて停電復帰処理が実行されると(S91,S92参照)、バックアップRAMに排出異常フラグがバックアップされているので、停電復旧後も情報出力処理(S31参照)でS1068A〜S1068C,S1102,S1103の処理の実行が継続される。従って、停電復旧後に初期化処理が実行されずに停電復帰処理が実行された場合には、図40(B)に示すように、遊技機への電源が再投入された後もセキュリティ信号の外部出力が継続される。よって、一度排出異常に基づきセキュリティ信号の出力を開始すると、初期化処理が実行されるまでは遊技機への電源を再投入してもセキュリティ信号の出力が継続される。
次に、演出制御手段の動作を説明する。図41は、演出制御基板80に搭載されている演出制御用マイクロコンピュータ100(具体的には、演出制御用CPU101)が実行するメイン処理を示すフローチャートである。演出制御用マイクロコンピュータ100は、電源が投入されると、メイン処理の実行を開始する。メイン処理では、まず、RAM領域のクリアや各種初期値の設定、また演出制御の起動間隔(たとえば、2ms)を決めるためのタイマの初期設定等を行なうための初期化処理を行なう(S701)。
そして、演出制御用マイクロコンピュータ100は、タイマ割込フラグの監視(S702)を行なうループ処理に移行する。タイマ割込が発生すると、演出制御用マイクロコンピュータ100は、タイマ割込処理においてタイマ割込フラグをセットする。メイン処理において、タイマ割込フラグがセットされていたら、演出制御用マイクロコンピュータ100は、そのフラグをクリアし(S703)、演出制御処理を実行する。
演出制御処理において、演出制御用マイクロコンピュータ100は、まず、受信した演出制御コマンドを解析し、受信した演出制御コマンドに応じたフラグをセットする処理等を実行する(コマンド解析処理:S704)。次いで、演出制御用マイクロコンピュータ100は、演出制御プロセス処理を実行する(S705)。演出制御プロセス処理では、制御状態に応じた各プロセスのうち、現在の制御状態(演出制御プロセスフラグ)に対応した処理を選択して可変表示装置9の表示制御等を実行する。また、所定の乱数(たとえば、停止図柄を決定するための乱数)を生成するためのカウンタのカウンタ値を更新する乱数更新処理を実行する(S706)。さらに、可変表示装置9等の演出装置を用いて報知を行なう報知制御処理を実行する(S707)。その後、S702に移行する。
図42は、図41に示されたメイン処理における演出制御プロセス処理(S705)を示すフローチャートである。演出制御プロセス処理では、演出制御用CPU101は、演出制御プロセスフラグの値に応じてS800〜S807のうちのいずれかの処理を行なう。各処理において、以下のような処理を実行する。
変動パターンコマンド受信待ち処理(S800):遊技制御用マイクロコンピュータ560から変動パターンコマンドを受信しているか否か確認する。具体的には、コマンド解析処理でセットされる変動パターンコマンド受信フラグがセットされているか否か確認する。変動パターンコマンドを受信していれば、演出制御プロセスフラグの値を演出図柄変動開始処理(S801)に対応した値に変更する。
演出図柄変動開始処理(S801):演出図柄の変動が開始されるように制御する。そして、演出制御プロセスフラグの値を演出図柄変動中処理(S802)に対応した値に更新する。
演出図柄変動中処理(S802):変動パターンを構成する各変動状態(変動速度)の切替タイミング等を制御するとともに、変動時間の終了を監視する。そして、変動時間が終了したら、演出制御プロセスフラグの値を演出図柄変動停止処理(S803)に対応した値に更新する。
演出図柄変動停止処理(S803):演出図柄の変動を停止し表示結果(停止図柄)を導出表示する制御を行なう。そして、演出制御プロセスフラグの値を大当り表示処理(S804)または変動パターンコマンド受信待ち処理(S800)に対応した値に更新する。
大当り表示処理(S804):大当りである場合には、変動時間の終了後、演出表示装置9に大当りの発生を報知するための画面を表示する制御を行なう。また、小当りである場合には、変動時間の終了後、演出表示装置9に小当りの発生を報知するための画面を表示する制御を行なう。たとえば、大当りの開始を指定するファンファーレ指定コマンドを受信したら、ファンファーレ演出を実行する。そして、演出制御プロセスフラグの値をラウンド中処理(S805)に対応した値に更新する。
ラウンド中処理(S805):ラウンド中の表示制御を行なう。たとえば、大入賞口が開放中であることを示す大入賞口開放中表示コマンドを受信したら、ラウンド数の表示制御等を行なう。
ラウンド後処理(S806):ラウンド間の表示制御を行なう。たとえば、大入賞口が開放後(閉鎖中)であることを示す大入賞口開放後表示コマンドを受信したら、インターバル表示を行なう。
大当り終了演出処理(S807):演出表示装置9において、大当り遊技状態が終了したことを遊技者に報知する表示制御を行なう。たとえば、大当りの終了を指定するエンディング指定コマンドを受信したら、エンディング演出を実行する。そして、演出制御プロセスフラグの値を変動パターンコマンド受信待ち処理(S800)に対応した値に更新する。
図43は、演出制御プロセス処理における演出図柄変動開始処理(S801)を示すフローチャートである。演出図柄変動開始処理において、演出制御用マイクロコンピュータ100(具体的には、演出制御用CPU101)は、まず、変動パターンに応じたプロセステーブルを選択する(S821)。そして、演出制御用CPU101は、選択したプロセステーブルのプロセスデータ1におけるプロセスタイマをスタートさせる(S822)。
次いで、演出制御用CPU101は、第1態様で異常入賞の報知(以下、異常入賞1報知という)を行っていることを示す異常入賞1報知中フラグがセットされているか否かを確認する(S823)。異常入賞1報知中フラグがセットされている場合には(S823のY)、演出制御用CPU101は、プロセスデータ1のうち表示制御実行データ1および音番号データ1のみの内容に従って演出装置の制御を実行する(S824)。つまり、異常入賞1報知中フラグがセットされている場合には、演出図柄の新たな可変表示が開始される場合に、その可変表示に応じたランプの表示演出が実行されるのではなく、異常入賞1報知に応じたランプの表示が継続される。従って、この実施の形態では、異常入賞1報知の実行中に演出図柄の変動表示が開始される場合には、演出図柄の変動表示とともに異常入賞1報知が実行されることになる。
異常入賞1報知中フラグがセットされていなければ、演出制御用CPU101は、第2態様で異常入賞の報知(以下、異常入賞2報知という)を行っていることを示す異常入賞2報知中フラグがセットされているか否かを確認する(S825)。異常入賞2報知中フラグがセットされている場合には(S825のY)、演出制御用CPU101は、プロセスデータ1のうち表示制御実行データ1のみの内容に従って演出装置の制御を実行する(S826)。つまり、異常入賞2報知中フラグがセットされている場合には、演出図柄の新たな可変表示が開始される場合に、その可変表示に応じたランプの表示演出や音演出が実行されるのではなく、異常入賞2報知に応じたランプの表示や音出力が継続される。従って、この実施の形態では、異常入賞2報知の実行中に演出図柄の変動表示が開始される場合には、演出図柄の変動表示とともに異常入賞2報知が実行されることになる。
異常入賞2報知中フラグもセットされていなければ、演出制御用CPU101は、プロセスデータ1の内容(表示制御実行データ1、ランプ制御実行データ1、音番号データ1)に従って演出装置(演出用部品としての演出表示装置9、演出用部品としての各種ランプおよび演出用部品としてのスピーカ27)の制御を実行する(S827)。たとえば、演出表示装置9において変動パターンに応じた画像を表示させるために、VDP109に指令を出力する。また、各種ランプを点灯/消灯制御を行なわせるために、ランプドライバ基板35に対して制御信号(ランプ制御実行データ)を出力する。また、スピーカ27からの音声出力を行なわせるために、音声出力基板70に対して制御信号(音番号データ)を出力する。
なお、この実施の形態では、異常入賞の報知中であるか否かに応じて演出装置を制御する処理を分けているが、可変表示に応じたランプの表示パターンや音演出の効果音と異常入賞の報知に応じたランプの表示パターンや警報音(報知音)とが別チャンネルに設定され、それらのランプ表示を同時に行ない音を同時に音出力することが可能であれば、S824,S826,S827の処理を分ける必要はない。
また、この実施の形態では、特に言及していないが、排出異常報知の実行中に演出図柄の変動表示が開始される場合にも、演出図柄の変動表示とともに排出異常報知が実行されるようにして、排出異常報知が継続されるようにすることが望ましい。たとえば、演出図柄の変動表示中も演出表示装置9の表示画面の一部に「排出異常」などの文字列を縮小表示することによって、排出異常報知が継続されるようにすればよい。
また、逆に、排出異常報知の実行中である場合には、演出図柄の変動表示を実行しないように制御してもよい。この場合、たとえば、演出図柄変動開始処理のS821の前や後述する演出図柄変動中処理のS841の前に排出異常フラグがセットされているか否かを確認し、排出異常フラグがセットされていれば、そのまま処理を終了して、S821以降の処理やS841以降の処理に移行しないようにすればよい。
そして、演出制御用CPU101は、変動時間タイマに、変動パターンコマンドで特定される変動時間に相当する値を設定し(S828)、演出制御プロセスフラグの値を演出図柄変動中処理(S802)に対応した値に更新する(S829)。
図44は、演出制御プロセス処理における演出図柄変動中処理(S802)を示すフローチャートである。演出図柄変動中処理において、演出制御用マイクロコンピュータ100(具体的には、演出制御用CPU101)は、プロセスタイマの値を1減算するとともに(S841)、変動時間タイマの値を−1(1減算)する(S842)。プロセスタイマがタイムアウトしたら(S843)、プロセスデータの切替を行なう。すなわち、プロセステーブルにおける次に設定されているプロセスタイマ設定値をプロセスタイマに設定する(S844)。
次いで、演出制御用CPU101は、異常入賞1報知中フラグがセットされているか否かを確認する(S845)。異常入賞1報知中フラグがセットされている場合には(S845のY)、演出制御用CPU101は、その次に設定されているプロセスデータi(iは2〜nのいずれか)のうち表示制御実行データiおよび音番号データiのみの内容に従って演出装置の制御を実行する(S846)。つまり、異常入賞1報知中フラグがセットされている場合には、演出図柄の新たな可変表示が開始される場合に、その可変表示に応じたランプの表示演出が実行されるのではなく、異常入賞1報知に応じたランプの表示が継続される。よって、異常入賞1報知中フラグがセットされている場合には、演出図柄の可変表示に応じたランプの表示演出が実行されるのではなく、異常入賞1報知に応じたランプの表示が継続される。従って、この実施の形態では、異常入賞1報知の実行中に演出図柄の変動表示が実行される場合には、演出図柄の変動表示とともに異常入賞1報知が実行されることになる。
異常入賞1報知中フラグがセットされていなければ、演出制御用CPU101は、異常入賞2報知中フラグがセットされているか否かを確認する(S847)。異常入賞2報知中フラグがセットされている場合には(S847のY)、演出制御用CPU101は、その次に設定されているプロセスデータi(iは2〜nのいずれか)のうち表示制御実行データiのみの内容に従って演出装置の制御を実行する(S848)。つまり、異常入賞2報知中フラグがセットされている場合には、演出図柄の新たな可変表示が開始される場合に、その可変表示に応じたランプの表示演出や音演出が実行されるのではなく、異常入賞2報知に応じたランプの表示や音出力が継続される。よって、異常入賞2報知中フラグがセットされている場合には、演出図柄の可変表示に応じたランプの表示演出や音演出が実行されるのではなく、異常入賞2報知に応じたランプの表示や音出力が継続される。従って、この実施の形態では、異常入賞2報知の実行中に演出図柄の変動表示が実行される場合には、演出図柄の変動表示とともに異常入賞2報知が実行されることになる。
異常入賞2報知中フラグもセットされていなければ、演出制御用CPU101は、その次に設定されているプロセスデータi(表示制御実行データi、ランプ制御実行データiおよび音番号データi)に基づいて演出装置に対する制御状態を変更する(S849)。
また、変動時間タイマがタイムアウトしていれば(S850)、演出制御プロセスフラグの値を演出図柄変動停止処理(S803)に応じた値に更新する(S852)。変動時間タイマがタイムアウトしていなくても、図柄確定指定コマンドを受信したことを示す確定コマンド受信フラグがセットされていたら(S851)、S852に移行する。変動時間タイマがタイムアウトしていなくても図柄確定指定コマンドを受信したら変動を停止させる制御に移行するので、たとえば、基板間でのノイズ等に起因して長い変動時間を示す変動パターンコマンドを受信したような場合でも、正規の変動時間経過時(特別図柄の変動終了時)に、演出図柄の変動を終了させることができる。
図45および図46は、S707の報知制御処理を示すフローチャートである。報知制御処理において、演出制御用CPU101は、まず、排出異常報知指定コマンドを受信したか否かを確認する(S3001)。排出異常報知指定コマンドを受信していれば(すなわち、排出異常が検出された場合には)、演出制御用CPU101は、排出異常報知に応じたランプ表示を示すランプ制御実行データをランプドライバ基板35に出力する(S3002)。さらに、演出制御用CPU101は、演出表示装置9において、そのときに表示されている画面に対して、排出異常報知画面(たとえば、「排出異常」などの文字列を表示する画面)を重畳表示する指令をVDP109に出力する(S3003)。VDP109は、指令に応じて、演出表示装置9に排出異常報知画面を重畳表示する。よって、以後、排出異常報知に応じたランプ表示が行なわれるとともに、演出表示装置9に排出異常報知画面が重畳表示される。
なお、この実施の形態では、排出異常報知が開始されると、遊技機への電源供給が停止するまで排出異常報知が継続される。そして、遊技機への電源供給が停止したことに基づいて排出異常報知を終了し、遊技機への電源供給復旧後には排出異常報知は実行されない。具体的には、この実施の形態では、排出異常報知の実行中に電源供給が停止しても、遊技機への電源供給の再開後に排出異常報知指定コマンドを再送するなどの処理は行なわれないので、電源復旧後には排出異常報知は再開されない。
また、この実施の形態では、排出異常報知として排出異常報知に応じたランプ表示と排出異常報知画面の表示とを行なう場合を示しているが、排出異常報知の報知態様は、この実施の形態で示したものに限られない。たとえば、さらに、排出異常報知に応じた音出力を行なうことによって排出異常報知を実行するように構成してもよい。
排出異常報知指定コマンドを受信していなければ、演出制御用CPU101は、異常入賞1報知中フラグがセットされているか否かを確認する(S3005)。異常入賞1報知中フラグがセットされていれば(異常入賞1報知中であれば)演出制御用CPU101は、異常入賞1報知の実行期間を計測するための異常入賞1報知タイマを1減算し(S3006)、減算後の異常入賞1報知タイマがタイムアウトしたか否かを確認する(S3007)。異常入賞1報知タイマがタイムアウトしていれば、演出制御用CPU101は、異常入賞1報知に応じたランプ表示を停止し異常入賞1報知を停止する(S3008)。そして、演出制御用CPU101は、異常入賞1報知中フラグをリセットする(S3009)。
異常入賞1報知中フラグがセットされていない場合(S3005のN)、または異常入賞1報知タイマがタイムアウトしていない場合(S3007のN)には、演出制御用CPU101は、異常入賞1報知指定コマンドまたは始動異常入賞1報知指定コマンドを受信しているか否かを確認する(S3010,S3011)。異常入賞1報知指定コマンドまたは始動異常入賞1報知指定コマンドを受信していれば(S3010のY、S3011のY)、すなわち大入賞口または始動入賞口14への異常入賞を20回検出した場合には、演出制御用CPU101は、異常入賞1報知に応じたランプ表示を示すランプ制御実行データをランプドライバ基板35に出力する(S3012)。よって、以後、異常入賞1報知に応じたランプ表示が行なわれる。そして、演出制御用CPU101は、異常入賞1報知中フラグをセットし(S3013)、異常入賞1報知タイマに31秒に対応する値をセットする(S3014)。
以上のように、S3005〜S3014の処理が実行されることによって、異常入賞1報知指定コマンドまたは始動異常入賞1報知指定コマンドを受信したことに基づいて、31秒間にわたって異常入賞1報知が実行される。
なお、この実施の形態では、異常入賞1報知として異常入賞1報知に応じたランプ表示を行なう場合を示しているが、異常入賞1報知の報知態様は、この実施の形態で示したものに限られない。たとえば、さらに、異常入賞1報知に応じた画面表示や音出力を行なうことによって異常入賞1報知を実行するように構成してもよい。
また、この実施の形態では、異常入賞1報知指定コマンドを受信した場合と始動異常入賞1報知指定コマンドを受信した場合とで(すなわち、大入賞口への異常入賞を20回検出した場合と始動入賞口14への異常入賞を20回検出した場合とで)、共通の態様で異常入賞1報知を行なう場合を示しているが、異常入賞報知の態様を異ならせてもよい。たとえば、異常入賞1報知指定コマンドを受信した場合には、異常入賞1報知に応じたランプ表示および音出力を行なう一方で、始動異常入賞1報知指定コマンドを受信した場合には、異常入賞1報知に応じたランプ表示のみを行なうようにしてもよい。
異常入賞1報知指定コマンドおよび始動異常入賞1報知指定コマンドのいずれも受信していなければ、演出制御用CPU101は、異常入賞2報知中フラグがセットされているか否かを確認する(S3015)。異常入賞2報知中フラグがセットされていれば(異常入賞2報知中であれば)演出制御用CPU101は、異常入賞2報知の実行期間を計測するための異常入賞2報知タイマを1減算し(S3016)、減算後の異常入賞2報知タイマがタイムアウトしたか否かを確認する(S3017)。異常入賞2報知タイマがタイムアウトしていれば、演出制御用CPU101は、異常入賞2報知に応じたランプ表示および音出力を停止し異常入賞2報知を停止する(S3018)。そして、演出制御用CPU101は、異常入賞2報知中フラグをリセットする(S3019)。
異常入賞2報知中フラグがセットされていない場合(S3015のN)、または異常入賞2報知タイマがタイムアウトしていない場合(S3017のN)には、演出制御用CPU101は、異常入賞2報知指定コマンドまたは始動異常入賞2報知指定コマンドを受信しているか否かを確認する(S3020,S3021)。異常入賞2報知指定コマンドまたは始動異常入賞2報知指定コマンドを受信していれば(S3020のY、S3021のY)、すなわち大入賞口または始動入賞口14への異常入賞を50回検出した場合には、演出制御用CPU101は、異常入賞2報知に応じた音出力を示す音データを音声出力基板70に出力する(S3022)。音声出力基板70に搭載されている音声合成用IC703は、入力された音データに対応したデータを音声データROM704から読み出し、読み出したデータに従って音声信号をスピーカ27側に出力する。また、演出制御用CPU101は、異常入賞2報知に応じたランプ表示を示すランプ制御実行データをランプドライバ基板35に出力する(S3023)。よって、以後、異常入賞2報知に応じたランプ表示および音出力が行なわれる。そして、演出制御用CPU101は、異常入賞2報知中フラグをセットし(S3024)、異常入賞2報知タイマに300秒に対応する値をセットする(S3025)。
さらに、S3021でNOと判断された場合、またはS3025の後、その他の報知指定コマンドを受信したか否かを判断する(S3026)。その他の報知指定コマンドとは、既に説明した排出異常報知指定コマンド等以外の、各種の異常に対応する報知指定コマンドのことである。たとえば、「磁気異常」に対応する磁気異常報知指定コマンドや、「電波異常」に対応する電波異常報知指定コマンドなどが、S3026のその他の報知指定コマンドに該当する。
演出制御用CPU101は、これらの報知指定コマンドを遊技制御基板31から受信した場合、受信した報知指定コマンドの種類に応じた音声データを音声出力基板70に出力する(S3027)。音声出力基板70に搭載されている音声合成用IC703は、入力された音声データに対応したデータを音声データROM704から読み出し、読み出したデータに従って音声信号をスピーカ27側に出力する。その後、処理を終了する。
次に、図47および図48を参照して、本実施の形態に係るパチンコ遊技機1において検出される各種の異常および異常報知のために送信されるコマンドを説明する。図47は、本実施の形態に係るパチンコ遊技機1において検出可能な異常およびその内容を示す図である。また、図48は、異常入賞、排出異常、およびその他の異常の内容とそれぞれに対応して送信されるコマンドとの関係を示す図である。
図47に示すように、本実施の形態に係るパチンコ遊技機1においては、閉鎖中の大入賞への入賞を示す「大入賞口異常入賞」、大入賞口への不適切な入賞を示す「大入賞口排出異常」、閉鎖中の始動入賞口への入賞を示す「始動入賞口異常入賞」、始動入賞口への不適切な入賞を示す「始動入賞口排出異常」、不正磁気の検出を示す「磁気異常」、不正電波の検出を示す「電波異常」、貯留皿(貯留皿)の満タンを示す「皿満タン」、貯留皿の玉無を示す「球切れ」、遊技制御基板と払出制御基板との間の通信異常を示す「払出制御基板通信異常」、カードユニットが未接続を示す「カードユニット未接続」、カードユニットからの信号が異常を示す「カードユニット通信異常」、遊技枠の開放を示す「遊技枠開放」といった、各種の異常を検出可能である。
これらの異常は、遊技制御用マイクロコンピュータ560(図7参照)によって検出される。
図48(a)に示すように、「大入賞口異常入賞」については、20回(個)の検出の場合に「異常入賞1報知指定コマンド」が遊技制御用マイクロコンピュータ560から演出制御用マイクロコンピュータ100へと送信される。「始動入賞口異常入賞」についても同様に、20回(個)の検出の場合に「始動異常入賞1報知指定コマンド」が送信される。すると、ランプが31秒間に亘って点灯することによって異常入賞1報知または始動異常入賞1報知が実行される。
また、「大入賞口異常入賞」あるいは「始動入賞口異常入賞」が50回(個)に達すると、「異常入賞2報知指定コマンド」あるいは「始動異常入賞2報知指定コマンド」が送信され、これに伴って、ランプ報知に加えて音声報知がなされる。このような異常入賞2報知または始動異常入賞2報知は300秒に亘って継続する。このように、本実施の形態では、異常入賞については、20回検出の異常状態であるか、50回検出の異常状態であるかによって異常の報知態様が変更される。
さらに、「大入賞口異常入賞」、「始動入賞口異常入賞」のいずれの場合にもセキュリティ信号が30秒に亘って出力される。
図48(b)に示すように、「大入賞口排出異常」あるいは「始動入賞口排出異常」については、10回(個)の検出の場合に「排出異常報知指定コマンド」が遊技制御用マイクロコンピュータ560から演出制御用マイクロコンピュータ100へと送信される。すると、ランプが点灯するとともに所定の排出異常報知画面が可変表示装置9に表示されることによって、排出異常報知が実行される。このような排出異常報知は、パチンコ遊技機1の電源をオフ・オン(再投入)するまで継続する。また、排出異常報知とともに、セキュリティ信号が出力される。ここで出力され始めたセキュリティ信号は、電源をオフ・オン(再投入)して初期化処理を経て30秒が経過すると停止する。ただし、電源をオフ・オン(再投入)しただけで初期化処理がされない場合には、30秒が経過しても出力停止せず、出力が継続される。
図48(c)に示すように、その他の異常については、検出されることによって図示するようなそれぞれの異常に対応する報知指定コマンドが遊技制御用マイクロコンピュータ560から演出制御用マイクロコンピュータ100へと送信される。すると、それぞれの異常に対応する特有の音声報知が行なわれる。
以上のように、S3015〜S3025の処理が実行されることによって、異常入賞2報知指定コマンドまたは始動異常入賞2報知指定コマンドを受信したことに基づいて、300秒間にわたって異常入賞2報知が実行される。
なお、この実施の形態では、異常入賞2報知として異常入賞2報知に応じたランプ表示および音出力を行なう場合を示しているが、異常入賞2報知の報知態様は、この実施の形態で示したものに限られない。たとえば、さらに、異常入賞2報知に応じた画面表示を行なうことによって異常入賞2報知を実行するように構成してもよい。
また、異常入賞については、20回検出の異常状態であるか、50回検出の異常状態であるかによって異常の報知態様が変更されるようになっているが、その他の異常についても検出回数や検出状況、検出時の遊技状態等によって、報知態様を変更するようにしてもよい。
また、この実施の形態では、異常入賞2報知指定コマンドを受信した場合と始動異常入賞2報知指定コマンドを受信した場合とで(すなわち、大入賞口への異常入賞を50回検出した場合と始動入賞口14への異常入賞を50回検出した場合とで)、共通の態様で異常入賞2報知を行なう場合を示しているが、異常入賞報知の態様を異ならせてもよい。たとえば、異常入賞2報知指定コマンドを受信した場合には、異常入賞2報知に応じた画像表示、ランプ表示および音出力を行なう一方で、始動異常入賞2報知指定コマンドを受信した場合には、異常入賞2報知に応じたランプ表示および音出力のみを行なうようにしてもよい。
また、この実施の形態では、遊技制御用マイクロコンピュータ560側で大入賞口や始動入賞口14への異常入賞の発生回数をカウントして、20回検出したタイミングで異常入賞1報知指定コマンドや始動異常入賞1報知指定コマンドを送信し、50回検出したタイミングで異常入賞2報知指定コマンドや始動異常入賞2報知指定コマンドを送信する場合を示しているが、この実施の形態で示した処理方法に限らず、たとえば、演出制御用マイクロコンピュータ100側で大入賞口や始動入賞口14への異常入賞の発生回数をカウントするように構成してもよい。この場合、たとえば、遊技制御用マイクロコンピュータ560は、大入賞口や始動入賞口14への異常入賞を検出するごとに、異常入賞を検出することを示す異常入賞コマンドを送信するようにし、演出制御用マイクロコンピュータ100側で、その異常入賞コマンドの受信回数をカウントするようにしてもよい。そして、演出制御用マイクロコンピュータ100は、異常入賞コマンドの受信回数が20回となれば異常入賞1報知を実行し、異常入賞コマンドの受信回数が50回となれば異常入賞2報知を実行するようにすればよい。
以上に説明したように、この実施の形態によれば、入賞領域(本例では、始動入賞口14、大入賞口)に入賞した遊技球を検出可能な入賞検出部(本例では、始動口スイッチ14a、カウントスイッチ23)と、入賞領域に入賞した後に入賞検出部を通過した遊技球を検出可能な入賞確認部(本例では、入賞確認1スイッチ14b、入賞確認2スイッチ23b)とを備える。そして、入賞検出部で検出された遊技球の数と入賞確認部で検出された遊技球の数との差分が所定数(本例では、10個)以上となる差分異常(本例では、排出異常)が発生したことに基づいて、異常情報(本例では、セキュリティ信号)を外部出力するとともに、差分異常が発生したことに基づいて異常報知(本例では、排出異常報知)を実行する。また、異常情報を外部出力しているときに遊技機への電力供給が停止し電力供給が再開された場合には、初期化処理が実行されたか否かに応じて、遊技機への電力供給が再開されてから異なる期間にわたって異常情報を外部出力する(本例では、電源復旧後、初期化処理が実行された場合には30秒間だけセキュリティ信号が外部出力され、初期化処理が実行されず停電復帰処理が実行された場合には、次に初期化処理が実行されるまでセキュリティ信号の外部出力が継続される)。また、異常報知を実行しているときに遊技機への電力供給が停止し、初期化処理が実行されることなく遊技機への電力供給が再開された場合には、異常報知を実行しないように構成されている。そのため、異常報知を実行しているときに遊技機への電力供給が停止して再度電力供給が開始されたときに、初期化処理を実行して遊技機が起動した場合であるか、差分異常の発生後に遊技機が再起動した場合であるかを外部から認識可能とすることができる。
たとえば、図28および図29で説明したように、電波などを用いた不正行為が行なわれ排出異常報知が開始された場合には、排出異常報知を終わらせるために遊技機の電源を再投入されることが考えられる。この場合、一般に、遊技店員などによって正規に遊技機の電源投入が行なわれる場合には、クリアスイッチを押下した状態で電源投入が行なわれるのが通常であり、遊技機への電源投入とともに初期化処理が実行される。一方で、不正に遊技機の電源が再投入される場合には、クリアスイッチの押下まで行った状態で電源投入することは難しいと思われ、初期化処理が実行されず停電復帰処理が実行されて遊技機が起動される。そこで、この実施の形態では、初期化処理が実行されて遊技機が起動された場合には30秒間だけセキュリティ信号を外部出力するのに対して、初期化処理が実行されずに遊技機が起動された場合には、次に初期化処理が実行されない限りセキュリティ信号の外部出力が延々と継続されるので、不正者にとっては見た目上は排出異常報知が終了したように見えても、ホール側ではセキュリティ信号の出力状態を確認することにより、排出異常が生じている状態であるか否かを認識可能とすることができる。従って、たとえ不正者によって電源の再投入が行なわれたとしても排出異常の有無を認識可能とすることができ、不正行為の防止を強化することができる。
なお、この実施の形態では、入賞検出部(本例では、始動口スイッチ14a、カウントスイッチ23)で検出された遊技球の数と、入賞確認部(本例では、入賞確認1スイッチ14b、入賞確認2スイッチ23b)で検出された遊技球の数との差分に基づいて排出異常を判定する場合を示しているが、排出異常の判定の仕方は、この実施の形態で示したものに限られない。たとえば、入賞検出部での検出タイミングを示す情報と入賞確認部での検出タイミングを示す情報とを記憶しておくようにし、その検出タイミングの順番に基づいて排出異常が発生したか否かを判定するように構成してもよい。すなわち、この実施の形態では、入賞検出部の方が入賞確認部よりも前段に設けられているので、まず入賞検出部で遊技球を検出した後に入賞確認部で遊技球を検出する筈である。従って、もし入賞確認部で遊技球を検出した後に入賞検出部で遊技球を検出するような事態が生じた場合には何らかの不正が行なわれたと推測することが可能であり、排出異常が発生したと判定することができる。そのように構成することにより、たとえば、遊技球を糸などを用いて吊った状態で大入賞口や始動入賞口14に挿入して恰も入賞が発生したかのように見せる不正行為も防止することができる。
また、この実施の形態では、排出異常報知を実行しているときに遊技機への電力供給が停止した後、遊技機への電力供給が開始された場合には、一律に停電復旧後は排出異常報知を実行しないように構成しているが、少なくとも不正者に排出異常報知が消えたように見せればよいのであるから、初期化処理が実行されずに停電復旧した場合にのみ排出異常報知を実行しないようにすればよく、初期化処理が実行された場合には排出異常報知を実行してもよい。たとえば、遊技機への電源供給が開始され初期化処理が実行された場合には、遊技制御用マイクロコンピュータ560から排出異常報知指定コマンドを送信するようにし、所定期間(たとえば、30秒)だけ排出異常報知を実行するように構成してもよい。
また、この実施の形態によれば、異常情報を外部出力しているときに遊技機への電力供給が停止し電力供給が再開された場合に、初期化処理が実行された場合には所定期間(本例では、30秒)が経過するまで異常情報を外部出力し、初期化処理が実行されなかった場合には初期化処理が実行されるまで異常情報を外部出力する。そのため、初期化処理を実行して遊技機が起動した場合であるか、差分異常の発生後に遊技機が再起動した場合であるかを容易に外部から認識可能とすることができる。
また、この実施の形態によれば、入賞領域に遊技球が入賞不可能な閉鎖状態と遊技球が入賞容易な開放状態とに変化可能な可変入賞装置(本例では、可変入賞球装置15、特別可変入賞球装置20)を備える。また、可変入賞装置が閉鎖状態であるときに入賞領域に遊技球が入賞する異常入賞が発生したか否かを判定する。そして、異常入賞が発生したと判定された場合にも、差分異常が発生した場合と共通の出力端子(本例では、ターミナル基板160の共通のコネクタCN8)を用いて異常情報を外部出力可能であり、異常入賞が発生したことに基づいて異常情報を外部出力しているときに差分異常が発生した場合には、差分異常の発生に基づく異常情報の外部出力の制御に切り替える(図39(C)参照)。そのため、差分異常(本例では、排出異常)の発生だけでなく異常入賞の発生も外部から認識可能とするとともに、出力端子の共通化によって差分異常や異常入賞の発生を認識可能とするための機構の部品数の増加や配線作業の複雑化を防ぐことができる。
また、この実施の形態によれば、異常入賞が発生したと判定された場合にも異常報知(本例では、異常入賞1報知、異常入賞2報知)を実行可能である。また、異常入賞が発生した場合には、第1態様の異常報知を実行し(本例では、異常入賞1報知ではランプのみを用いた報知を行ない、異常入賞2報知ではランプおよび音を用いた報知を行なう)、差分異常が発生した場合には、第1態様と比較して外部から認識しやすい第2態様の異常報知を実行する(本例では、ランプを用いた報知に加えて、排出異常報知画面の表示を行なう)。そのため、緊急性が高い差分異常をより目立つ態様で報知することができる。
なお、「外部から認識しやすい」態様で報知とは、たとえば、演出表示装置9の表示画面において報知画面を表示するなど外部の遊技者や遊技店員から見て容易に認識できる態様で報知することである。なお、遊技者や遊技店員から見て容易に認識できる態様であれば、この実施の形態で示したものに限らず、たとえば、同じ演出表示装置9の表示画面に表示して報知する場合であっても、報知画面の表示領域を広くすることによって表示してもよい。また、たとえば、同じランプを用いた報知を行なう場合であっても点灯または点滅するランプの数を多くしたり、同じスピーカ27を用いた報知を行なう場合であっても報知音を大きくしたりするなど、遊技者や遊技店員から見て容易に認識できる態様であれば、外部から認識しやすい態様で報知での報知といえる。このような報知の態様については、排出異常や異常入賞に限らず、パチンコ遊技機1にて検出されるその他の異常に関する報知についても同様である。
また、この実施の形態によれば、可変入賞装置が閉鎖状態であるときに入賞領域に遊技球が第1所定数(本例では、20個)入賞した場合には、第1態様の異常入賞報知(本例では、ランプのみを用いた異常入賞1報知)を実行し、可変入賞装置が閉鎖状態であるときに入賞領域に遊技球が第1所定数より多い第2所定数(本例では、50個)入賞した場合には、第1態様とは異なる第2態様の異常入賞報知(本例では、ランプおよび音を用いた異常入賞2報知)を実行する。そのため、可変入賞装置が閉鎖状態であるときに入賞領域へのより多くの入賞を検出した緊急性が高い異常入賞をより目立つ態様で報知することができる。
なお、この実施の形態では、第1所定数として20個となったときに異常入賞1報知を実行し、第2所定数として50個となったときに異常入賞2報知を実行する場合を示したが、第1所定数と第2所定数とは、この実施の形態で示したものに限られない。たとえば、第1所定数として30個となったときに異常入賞1報知を実行し、第2所定数として70個となったときに異常入賞2報知を実行するなど、第1所定数および第2所定数として様々な値を選択可能である。
また、この実施の形態によれば、可変入賞装置が閉鎖状態であるときに入賞領域に遊技球が第1所定数入賞した場合には、異常入賞が発生したと判定されてから所定期間(本例では、31秒)経過後に異常入賞報知の実行を終了し(本例では、ランプのみを用いた異常入賞1報知を終了する)、可変入賞装置が閉鎖状態であるときに入賞領域に遊技球が第1所定数より多い第2所定数入賞した場合には、異常入賞が発生したと判定されてから所定期間よりも長い特定期間(本例では、300秒)経過後に異常入賞報知の実行を終了する(本例では、ランプおよび音を用いた異常入賞2報知を終了する)。そのため、可変入賞装置が閉鎖状態であるときに入賞領域へのより多くの入賞を検出した緊急性が高い異常入賞をより長い期間報知して認識しやすくすることができる。
なお、この実施の形態では、所定期間として31秒間異常入賞1報知を実行し、特定期間として300秒間異常入賞2報知を実行する場合を示しているが、所定期間と特定期間とは、この実施の形態で示したものに限られない。たとえば、所定期間として50秒間異常入賞1報知を実行し、特定期間として500秒間異常入賞2報知を実行するなど、所定期間および特定期間として様々な期間を選択可能である。
また、この実施の形態によれば、可変入賞装置が閉鎖状態であるときに入賞領域に遊技球が第1所定数入賞した場合には、第1演出手段(本例では、ランプ)を用いた異常入賞報知を実行し(本例では、異常入賞1報知を実行する)、可変入賞装置が閉鎖状態であるときに入賞領域に遊技球が第1所定数より多い第2所定数入賞した場合には、第1演出手段(本例では、ランプ)および第2演出手段(本例では、スピーカ27)を用いた異常入賞報知を実行する(本例では、異常入賞2報知を実行する)。そのため、可変入賞装置が閉鎖状態であるときに入賞領域へのより多くの入賞を検出した緊急性が高い異常入賞をより目立つ態様で報知することができる。
実施の形態2.
第1の実施の形態で示した排出異常や異常入賞、その他の異常の検出および初期化処理の実行に基づいてセキュリティ信号を外部出力する構成は、様々な態様に構成された遊技機に適用可能である。たとえば、可動部材などの役物を備えた遊技機において、第1の実施の形態と同様の処理に従って、排出異常や異常入賞、その他の異常の検出に基づいて各種の報知(図48参照)を行なうとともに、排出異常や異常入賞の検出および初期化処理の実行に基づいてセキュリティ信号を外部出力するように構成してもよい。以下、可動部材などの役物を備えた遊技機に適用した第2の実施の形態について説明する。
なお、この実施の形態において、第1の実施の形態と同様の構成および処理をなす部分についてはその詳細な説明を省略し、主として第1の実施の形態と異なる部分について説明する。
まず、第2の実施の形態におけるパチンコ遊技機1の全体の構成について説明する。図49は、第2の実施の形態におけるパチンコ遊技機1を正面からみた正面図である。
演出表示装置9の周囲の飾り部において、左側には、モータ86の回転軸に取り付けられ、モータ86が回転すると移動する可動部材78が設けられている。可動部材78は、たとえば、擬似連の演出や予告演出が実行されるときに動作する。また、演出表示装置9の周囲の飾り部において、左右の下方には、モータ87の回転軸に取り付けられ、モータ87が回転すると移動する羽根形状の可動部材(以下、演出羽根役物という。)79a,79bが設けられている。演出羽根役物79a,79bは、たとえば、予告演出が実行されるときに動作する。
また、演出制御用CPU101は、出力ポート106を介して、可動部材78を動作させるためにモータ86を駆動する。また、演出制御用CPU101は、出力ポート106を介して、演出羽根役物79a,79bを動作させるためのモータ87を駆動する。
図50は、第2の実施の形態における演出制御用マイクロコンピュータ100(具体的には、演出制御用CPU101)が実行するメイン処理を示すフローチャートである。この実施の形態では、演出制御用CPU101は、メイン処理において、第1の実施の形態で示した処理に加えて、遊技機への電力供給開始時に可動部材78や演出羽根役物79a,79bなど役物の初期動作を行なう役物初期動作処理を実行する(S708)。そして、役物初期動作処理を実行すると、その後、S702に移行する。
なお、この実施の形態では、S707の報知制御処理において、第1の実施の形態で示した排出異常報知や異常入賞報知の処理、その他の異常に関する異常報知の処理に加えて、初期化処理が実行されたことを報知する初期化報知も実行される。
図51は、第2の実施の形態における演出図柄変動開始処理(S801)を示すフローチャートである。演出図柄変動開始処理において、S821〜S822の処理は、第1の実施の形態で示したそれらの処理と同様である。
この実施の形態では、異常入賞1報知中フラグがセットされている場合には(S823のY)、演出制御用CPU101は、プロセスデータ1のうち表示制御実行データ1、音番号データ1、および可動部材制御データ1のみの内容に従って演出装置の制御を実行する(S824A)。つまり、異常入賞1報知中フラグがセットされている場合には、演出図柄の新たな可変表示が開始される場合に、その可変表示に応じたランプの表示演出が実行されるのではなく、異常入賞1報知に応じたランプの表示が継続される。従って、この実施の形態では、異常入賞1報知の実行中に演出図柄の変動表示が開始される場合には、演出図柄の変動表示とともに異常入賞1報知が実行されることになる。
また、異常入賞2報知中フラグがセットされている場合には(S825のY)、演出制御用CPU101は、プロセスデータ1のうち表示制御実行データ1および可動部材制御データ1のみの内容に従って演出装置の制御を実行する(S826A)。つまり、異常入賞2報知中フラグがセットされている場合には、演出図柄の新たな可変表示が開始される場合に、その可変表示に応じたランプの表示演出や音演出が実行されるのではなく、異常入賞2報知に応じたランプの表示や音出力が継続される。従って、この実施の形態では、異常入賞2報知の実行中に演出図柄の変動表示が開始される場合には、演出図柄の変動表示とともに異常入賞2報知が実行されることになる。
異常入賞2報知中フラグもセットされていなければ、演出制御用CPU101は、初期化報知の実行中であることを示す初期化報知中フラグがセットされているか否かを確認する(S8261)。初期化報知中フラグがセットされている場合には(S8261のY)、演出制御用CPU101は、プロセスデータ1のうち表示制御実行データ1および可動部材制御データ1のみの内容に従って演出装置の制御を実行する(S8262)。つまり、初期化報知中フラグがセットされている場合には、演出図柄の新たな可変表示が開始される場合に、その可変表示に応じたランプの表示演出や音演出が実行されるのではなく、初期化報知に応じたランプの表示や音出力が継続される。従って、この実施の形態では、初期化報知の実行中に演出図柄の変動表示が開始される場合には、演出図柄の変動表示とともに初期化報知が実行されることになる。
初期化報知中フラグもセットされていなければ、演出制御用CPU101は、可動部材78や演出羽根役物79a,79bなど役物の初期動作の実行中であることを示す役物初期動作中フラグがセットされているか否かを確認する(S8263)。役物初期動作中フラグがセットされている場合には(S8263のY)、演出制御用CPU101は、プロセスデータ1のうち表示制御実行データ1、ランプ制御実行データ1、および音番号データ1のみの内容に従って演出装置の制御を実行する(S8264)。つまり、役物初期動作中フラグがセットされている場合には、可動部材78や演出羽根役物79a,79bなど役物の初期動作中であるので、演出図柄の変動表示が開始されるとともに、可動部材78や演出羽根役物79a,79bなど役物の初期動作が継続される。従って、この実施の形態では、役物の初期動作の実行中に演出図柄の変動表示が開始される場合には、演出図柄の変動表示とともに役物の初期動作が実行されることになる。
役物初期動作中フラグもセットされていなければ、演出制御用CPU101は、プロセスデータ1の内容(表示制御実行データ1、ランプ制御実行データ1、音番号データ1、可動部材制御データ1)に従って演出装置(演出用部品としての演出表示装置9、演出用部品としての各種ランプ、演出用部品としてのスピーカ27、演出用部品としての可動部材78や演出羽根役物79a,79bなど役物)の制御を実行する(S827A)。たとえば、演出表示装置9において変動パターンに応じた画像を表示させるために、VDP109に指令を出力する。また、各種ランプを点灯/消灯制御を行なわせるために、ランプドライバ基板35に対して制御信号(ランプ制御実行データ)を出力する。また、スピーカ27からの音声出力を行なわせるために、音声出力基板70に対して制御信号(音番号データ)を出力する。また、可動部材78や演出羽根役物79a,79bを可動させるために、モータ86,87に対して駆動信号を出力する。
なお、S828〜S829の処理は、第1の実施の形態で示したそれらの処理と同様である。
図52は、第2の実施の形態における演出図柄変動中処理(S802)を示すフローチャートである。演出図柄変動中処理において、S841〜S844の処理は、第1の実施の形態で示したそれらの処理と同様である。
この実施の形態では、異常入賞1報知中フラグがセットされている場合には(S845のY)、演出制御用CPU101は、その次に設定されているプロセスデータi(iは2〜nのいずれか)のうち表示制御実行データi、音番号データi、および可動部材制御データ1のみの内容に従って演出装置の制御を実行する(S846A)。つまり、異常入賞1報知中フラグがセットされている場合には、演出図柄の新たな可変表示が開始される場合に、その可変表示に応じたランプの表示演出が実行されるのではなく、異常入賞1報知に応じたランプの表示が継続される。よって、異常入賞1報知中フラグがセットされている場合には、演出図柄の可変表示に応じたランプの表示演出が実行されるのではなく、異常入賞1報知に応じたランプの表示が継続される。従って、この実施の形態では、異常入賞1報知の実行中に演出図柄の変動表示が実行される場合には、演出図柄の変動表示とともに異常入賞1報知が実行されることになる。
また、異常入賞2報知中フラグがセットされている場合には(S847のY)、演出制御用CPU101は、その次に設定されているプロセスデータi(iは2〜nのいずれか)のうち表示制御実行データiおよび可動部材制御データ1のみの内容に従って演出装置の制御を実行する(S848A)。つまり、異常入賞2報知中フラグがセットされている場合には、演出図柄の新たな可変表示が開始される場合に、その可変表示に応じたランプの表示演出や音演出が実行されるのではなく、異常入賞2報知に応じたランプの表示や音出力が継続される。よって、異常入賞2報知中フラグがセットされている場合には、演出図柄の可変表示に応じたランプの表示演出や音演出が実行されるのではなく、異常入賞2報知に応じたランプの表示や音出力が継続される。従って、この実施の形態では、異常入賞2報知の実行中に演出図柄の変動表示が実行される場合には、演出図柄の変動表示とともに異常入賞2報知が実行されることになる。
異常入賞2報知中フラグもセットされていなければ、演出制御用CPU101は、初期化報知中フラグがセットされているか否かを確認する(S8481)。初期化報知中フラグがセットされている場合には(S8481のY)、演出制御用CPU101は、その次に設定されているプロセスデータiのうち表示制御実行データiおよび可動部材制御データiのみの内容に従って演出装置の制御を実行する(S8482)。つまり、初期化報知中フラグがセットされている場合には、演出図柄の新たな可変表示が開始される場合に、その可変表示に応じたランプの表示演出や音演出が実行されるのではなく、初期化報知に応じたランプの表示や音出力が継続される。従って、この実施の形態では、初期化報知の実行中に演出図柄の変動表示が実行される場合には、演出図柄の変動表示とともに初期化報知が実行されることになる。
初期化報知中フラグもセットされていなければ、演出制御用CPU101は、役物初期動作中フラグがセットされているか否かを確認する(S8483)。役物初期動作中フラグがセットされている場合には(S8483のY)、演出制御用CPU101は、その次に設定されているプロセスデータiのうち表示制御実行データi、ランプ制御実行データi、および音番号データiのみの内容に従って演出装置の制御を実行する(S8484)。つまり、役物初期動作中フラグがセットされている場合には、可動部材78や演出羽根役物79a,79bなど役物の初期動作中であるので、演出図柄の変動表示が実行されるとともに、可動部材78や演出羽根役物79a,79bなど役物の初期動作が継続される。従って、この実施の形態では、役物の初期動作の実行中に演出図柄の変動表示が実行される場合には、演出図柄の変動表示とともに役物の初期動作が実行されることになる。
役物初期動作中フラグもセットされていなければ、演出制御用CPU101は、その次に設定されているプロセスデータi(表示制御実行データi、ランプ制御実行データi、音番号データi、および可動部材制御データi)に基づいて演出装置に対する制御状態を変更する(S849A)。
なお、S850〜S852の処理は、第1の実施の形態で示したそれらの処理と同様である。
図53は、第2の実施の形態における報知制御処理を示すフローチャートである。この実施の形態では、報知制御処理において、演出制御用CPU101は、まず、初期化報知中フラグがセットされているか否かを確認する(S3101)。初期化報知中フラグがセットされていれば(初期化報知中であれば)演出制御用CPU101は、初期化報知の実行期間を計測するための初期化報知タイマを1減算し(S3102)、減算後の初期化報知タイマがタイムアウトしたか否かを確認する(S3103)。初期化報知タイマがタイムアウトしていれば、演出制御用CPU101は、初期化報知に応じたランプ表示および音出力を停止し初期化報知を停止する(S3104)。そして、演出制御用CPU101は、初期化報知中フラグをリセットする(S3105)とともに、初期化報知の実行済みであることを示す初期化報知済フラグをセットする(S3106)。
初期化報知中フラグがセットされていない場合には(S3101のN)、演出制御用CPU101は、初期化コマンド(図12のS14参照)を受信しているか否かを確認する(S3107)。初期化コマンドを受信していれば(S3107のY)、演出制御用CPU101は、初期化報知に応じた音出力を示す音データを音声出力基板70に出力する(S3108)。また、演出制御用CPU101は、初期化報知に応じたランプ表示を示すランプ制御実行データをランプドライバ基板35に出力する(S3109)。よって、以後、初期化報知に応じたランプ表示および音出力が行なわれる。そして、演出制御用CPU101は、初期化報知中フラグをセットし(S3110)、初期化報知タイマに30秒に対応する値をセットする(S3111)。
以上のように、S3101〜S3111の処理が実行されることによって、遊技制御用マイクロコンピュータ560側で初期化処理が実行され初期化コマンドを受信したことに基づいて、30秒間にわたって初期化報知が実行される。
なお、この実施の形態では、初期化報知として初期化報知に応じたランプ表示および音出力を行なう場合を示しているが、初期化報知の報知態様は、この実施の形態で示したものに限られない。たとえば、さらに、初期化報知に応じた画面表示を行なうことによって初期化報知を実行するように構成してもよい。
そして、演出制御用CPU101は、S3001以降の処理に移行する。なお、報知制御処理のS3001〜S3025の処理は、第1の実施の形態で示したそれらの処理と同様である。
図54は、第2の実施の形態における役物初期動作処理(S708)を示すフローチャートである。役物初期動作処理において、演出制御用CPU101は、まず、可動部材78や演出羽根役物79a,79bなど役物の初期動作を実行済みであることを示す役物初期動作済フラグがセットされているか否かを確認する(S3501)。役物初期動作済フラグがセットされていれば、そのまま処理を終了する。役物初期動作済フラグがセットされていなければ、演出制御用CPU101は、初期化報知済フラグがセットされているか否かを確認する(S3502)。初期化報知済フラグがセットされていなければ、そのまま処理を終了する。初期化報知済フラグがセットされていれば、演出制御用CPU101は、役物初期動作中フラグがセットされているか否かを確認する(S3503)。
役物初期動作中フラグがセットされていなければ(すなわち、まだ可動部材78や演出羽根役物79a,79bなど役物の初期動作の実行中でなければ)、演出制御用CPU101は、モータ86,87への駆動信号の出力を開始して、可動部材78や演出羽根役物79a,79bなど役物の可動を開始させる(S3504)。そして、演出制御用CPU101は、役物初期動作中フラグをセットする(S3505)。
役物初期動作中フラグがセットされていれば(すなわち、可動部材78や演出羽根役物79a,79bなど役物の初期動作の実行中であれば)、演出制御用CPU101は、可動部材78や演出羽根役物79a,79bなど役物が初期位置まで移動したことを検出したか否かを確認する(S3506)。たとえば、この実施の形態では、遊技領域において可動部材78や演出羽根役物79a,79bの初期位置に初期位置センサ(たとえば、フォトセンサ)が設けられており、初期位置センサからの検出信号を入力すると、演出制御用CPU101は、可動部材78や演出羽根役物79a,79bなど役物が初期位置まで移動したと判定する。
可動部材78や演出羽根役物79a,79bなど役物が初期位置まで移動したと判定すると、演出制御用CPU101は、モータ86,87への駆動信号の出力を停止して、可動部材78や演出羽根役物79a,79bなど役物の可動を停止させる(S3507)。そして、演出制御用CPU101は、役物初期動作中フラグをリセットする(S3508)とともに、可動部材78や演出羽根役物79a,79bなど役物の初期動作の実行済みであることを示す役物初期動作済フラグをセットする(S3509)。なお、以降、役物初期動作済フラグがセットされていることに基づいて、S3501でYと判定され、S3502以降の処理が実行されることはない。従って、S3502以降の役物の初期動作を行なう処理は、遊技機への電力供給が開始され初期化処理および初期化報知が実行された後に1回だけ実行されることになる。
なお、この実施の形態では、複数の役物(可動部材78、演出羽根役物79a,79b)が設けられているので、より正確には、演出制御用CPU101は、全ての役物についてS3506,S3507の処理を実行して可動を停止した後に、S3508,S3509の処理に移行して役物初期動作中フラグをリセットするとともに役物初期動作済フラグをセットする。
以上の処理が実行されることによって、遊技機への電力供給が開始され初期化処理が実行されたときに、可動部材78や演出羽根役物79a,79bなど役物の初期動作が実行される。また、この実施の形態では、S3502で初期化報知済フラグがセットされていることを条件にS3503以降の処理に移行して役物の初期動作が実行されるので、初期化処理の実行を終了して初期化報知の実行を終了した後に、役物の初期動作が実行される。そのため、初期化処理が実行されたときに初期化報知と役物の初期動作とにかかる電力消費を分散することができる。
また、遊技機への電力供給が開始された後、初期化処理および初期化報知を実行し、さらに役物の初期動作を終了するまでには、ある程度の時間がかかるのであるが、初期化処理を終了し遊技制御処理を実行可能な状態となると、初期化処理や役物の初期動作を終了していなくても遊技を開始可能な状態となることになる。そのため、役物の初期動作の開始タイミングとなったときに既に遊技が開始され演出図柄の変動表示の実行中であるというケースもありうる。この実施の形態では、役物初期動作処理において、役物の初期動作を開始するにあたって、特に演出図柄の変動表示中であるか否かを区別することなく、そのままS3504の処理に移行して役物の初期動作を開始するように構成されている。つまり、役物の初期動作を開始するにあたって演出図柄の変動表示が実行されているときには、その演出図柄の変動表示とともに役物の初期動作を実行する。そのため、演出図柄の変動表示が実行される場合であっても役物の初期動作を実行することができる。
以上に説明したように、この実施の形態によれば、遊技機への電力供給が開始されたときに、所定条件の成立(本例では、クリアスイッチのオン)に基づいて変動データ記憶手段(本例では、バックアップRAM)の記憶内容を初期化する初期化処理を実行し、初期化処理が実行されたことに基づいて初期化報知を実行する。また、遊技機への電力供給が開始されたことに基づいて、可動部材78や演出羽根役物79a,79bなど役物の初期動作を実行する。そして、この場合、初期化処理の実行を終了した後に、役物の初期動作を実行する。そのため、初期化処理が実行されたときに初期化報知と役物の初期動作とにかかる電力消費を分散することができる。
たとえば、この実施の形態では、ランプおよびスピーカ27を用いて初期化報知を行なうのであるが、一般に遊技機においてはスピーカ27で消費される電力が最も大きく代替手段もないため省力化に限界がある。また、役物の初期動作を実行する場合にはモータ86,87の消費電力が大きい。さらに初期化報知などにおいてランプやLEDを点灯すれば消費電力がさらに大きくなる。そのため、初期化処理と役物の初期動作とを重複したタイミングで実行してしまうと、一時的に電力消費が著しく大きくなり遊技店などの電源に余裕がない事態などが生じてしまうおそれがあり、遊技機が瞬停状態に陥るおそれが高くなる。また、一時的に電力消費が大きくなると過電流などにより遊技機内の各回路が損傷するおそれも生じる。そのため、過電流などにより回路が損傷しにくくなるように回路設計を行なう必要が生じることになる。さらに、遊技機内部においても、一時的にスピーカ27やモータ86,87での電力消費が集中すると、たとえば、ランプや演出表示装置9(液晶表示装置)に供給される電力が不足し、遊技演出を正常に行なえなくなるなどの弊害を生じるおそれもある。そこで、この実施の形態では、初期化処理の実行を終了した後に役物の初期動作を実行するように構成されているので、初期化処理と役物の初期動作とが重複したタイミングで実行されることを防止し、回路設計にコストをかけることなく、電力消費を分散できるようにしている。
また、この実施の形態によれば、遊技中に少なくとも音出力手段(本例では、スピーカ27)を用いた音出力による演出を実行可能である(本例では、演出図柄の変動表示において、変動表示に応じた音出力を可能である)とともに、音出力手段を用いた音出力を伴う初期化報知を実行する。そして、初期化報知が実行されているときには、音出力手段を用いた音出力による演出を実行しない(本例では、演出図柄の変動表示中であっても、初期化報知に応じた音出力が継続される)。そのため、初期化報知と音出力手段を用いた音出力による演出とが重複したタイミングで実行されることを防止し、電力消費が集中してしまうことを防止することができる。
また、この実施の形態によれば、遊技中に少なくとも発光手段(本例では、ランプ)を用いた発光表示による演出を実行可能である(本例では、演出図柄の変動表示において、変動表示に応じたランプ表示を可能である)とともに、発光手段を用いた発光表示を伴う初期化報知を実行する。そして、初期化報知が実行されているときには、発光手段を用いた発光表示による演出を実行しない(本例では、演出図柄の変動表示中であっても、初期化報知に応じたランプ表示が継続される)。そのため、初期化報知と発光手段を用いた発光表示による演出とが重複したタイミングで実行されることを防止し、電力消費が集中してしまうことを防止することができる。
また、この実施の形態によれば、初期化報知の実行中に演出図柄の変動表示が開始されるときには、その演出図柄の可変表示とともに初期化報知を実行する。また、役物の初期動作を開始するにあたって演出図柄の変動表示が実行されているときには、その演出図柄の変動表示とともに役物の初期動作を実行する。そのため、演出図柄の変動表示が実行される場合であっても初期化報知や役物の初期動作を実行することができる。
なお、この実施の形態で示したように、演出図柄の変動表示と役物の初期動作とを並行して実行可能に構成してしまうと、初期動作のために可動部材78や演出羽根役物79a,79bなど役物を可動しているにもかかわらず、その役物の可動が大当りやリーチなどの予告を表しているものと誤解を与えてしまうおそれがある。そこで、この実施の形態のように演出図柄の変動表示とともに役物の初期動作を実行可能に構成した場合には、役物の初期動作の実行中に、たとえば「役物初期動作中」などの文字列を表示して役物の初期動作中であることを報知するようにすることが望ましい。そのようにすれば、役物の初期動作の実行中であるにもかかわらず、その役物の可動が大当りやリーチなどの予告を表しているものと誤解を与えてしまうことを防止することができる。
また、上記のような誤解が生じないようにするために、たとえば、役物の初期動作の実行中に演出図柄の変動表示を開始する場合には、その演出図柄の変動表示において予告演出を実行しないように制限したり予告演出をキャンセルしたりするように構成してもよい。
実施の形態3.
第2の実施の形態では、役物の初期動作を開始するにあたって演出図柄の変動表示が実行されているときでも、その演出図柄の変動表示とともに役物の初期動作を実行するように構成していたが、役物の初期動作を制限するように構成してもよい。以下、演出図柄の変動表示中には役物の初期動作を制限する第3の実施の形態について説明する。
なお、この実施の形態において、第1の実施の形態および第2の実施の形態と同様の構成および処理をなす部分についてはその詳細な説明を省略し、主として第1の実施の形態と異なる部分について説明する。
図55は、第3の実施の形態における役物初期動作処理(S708)を示すフローチャートである。この実施の形態では、役物初期動作処理において、S3503で役物初期動作中フラグがセットされていなければ(すなわち、まだ可動部材78や演出羽根役物79a,79bなど役物の初期動作の実行中でなければ)、演出制御用CPU101は、演出図柄の変動表示中であるか否かを確認する(S3503A)。なお、演出図柄の変動表示中であるか否かは、たとえば、演出図柄変動開始処理のS828でセットされる変動時間タイマの値が0であるか否かを確認し、変動時間タイマの値が0でなければ演出図柄の変動表示中であると判定することができる。また、たとえば、演出図柄プロセスフラグの値が演出図柄変動開始処理〜演出図柄変動停止処理であることを示す1〜3の値となっているときに演出図柄の変動表示中であると判定してもよい。
演出図柄の変動表示中でなければ(S3503AのN)、演出制御用CPU101は、S3504に移行し、役物の初期動作の実行を開始する。演出図柄の変動表示中であれば(S3503AのY)、演出制御用CPU101は、そのまま処理を終了する。すなわち、演出図柄の変動表示中である場合には役物の初期動作を開始せず、役物の初期動作の実行を制限する。
以上に説明したように、この実施の形態によれば、役物の初期動作を開始するにあたって演出図柄の変動表示が実行されているときには、役物の初期動作の実行を制限する。そのため、演出図柄の変動表示が実行される場合であっても、演出図柄の変動表示を終了した後に役物の初期動作を実行することができる。また、演出図柄の変動表示と役物の初期動作とが重複したタイミングで実行されることを防止できるので、より電力消費が集中してしまうことを防止することができる。
なお、この実施の形態では、役物の初期動作の開始タイミングでのみ演出図柄の変動表示中であるか否かを確認し、演出図柄の変動表示中であれば役物の初期動作を開始しないように制御する場合を示したが、役物の初期動作の制限態様は、この実施の形態で示したものに限られない。たとえば、さらに役物の初期動作の実行中の途中から演出図柄の変動表示が開始されたか否かも確認するようにし、演出図柄の変動表示が開始された場合には役物の初期動作を中断するように構成してもよい。そのように構成すれば、演出図柄の変動表示と役物の初期動作とが重複したタイミングで実行されることをより確実に防止することができる。
また、たとえば、演出図柄の変動表示が複数回連続して実行されるようなケースでは、所定回数(たとえば、3回)演出図柄の変動表示が連続して役物の初期動作を開始できなかった場合には、演出図柄の変動表示の実行中であっても強制的に役物の初期動作を実行するように構成してもよい。そのように構成すれば、役物の初期動作が全く実行できなくなってしまうような事態を防止することができる。
また、逆に、電力消費の集中防止を重視し、演出図柄の変動表示が連続して役物の初期動作を開始できない場合には、役物の初期動作を全く実行しないように構成してもよい。この場合、たとえば、所定回数(たとえば、3回)演出図柄の変動表示が連続して役物の初期動作を開始できなかった場合には、役物の初期動作を実行していなくても、役物初期動作済フラグをセットし、以降、強制的に役物の初期動作を実行しないように構成してもよい。
[異常報知に関する変形例の説明]
以下、図56〜図59を参照して、異常報知に関する各種の変形例を説明する。以下で説明する変形例は、上記実施の形態1〜3のいずれにも適用可能である。
[異常報知に関する変形例1]
まず、図56を参照して、異常報知に関する変形例1を説明する。図47(a)には、20回検出の異常状態であるか、50回検出の異常状態であるかによって報知態様を変更する例を示した。この変形例1は、遊技状態によって報知態様を変更する例である。
既に説明したように、各実施の形態に係るパチンコ遊技機1は、遊技状態として、大当り状態と、高ベース状態と、低ベース状態とに変化し得る。変形例1は、遊技状態が大当り状態であるか、高ベース状態であるか、低ベース状態であるかに応じて、異常の報知態様を変更する例である。
たとえば、大入賞口の異常入賞または排出異常については、大当り状態では音声報知とする一方、高ベース状態または低ベース状態では音声報知に加えて画面報知を行なうことで、大当り状態のときよりも気付かせ易い報知態様とする。逆にいうと、大当り状態では大入賞口への入賞が頻発することが通常であるため、あまりに大入賞口への異常入賞報知を大々的に行なうと、遊技者の気分を害することになる一方、大当り状態以外では大入賞口への入賞が発生することは考えられないため、そのような状態での異常入賞の発生をホールの店員が見逃すことがないようにする。
始動入賞口の異常入賞または排出異常については、大当り状態または低ベース状態では音声報知とする一方、高ベース状態では音声報知に加えて画面報知を行なうことで、大当り状態や低ベース状態のときよりも気付かせ易い報知態様とする。高ベース状態では始動口への頻繁な入賞が予想され、そのような状況での不正入賞をホールの店員が見逃すことがないようにするためである。
皿満タンについては、高ベース状態または低ベース状態では音声報知とする一方、大当り状態では音声報知に加えて画面報知を行なうことで、高ベース状態または低ベース状態のときよりも気付かせ易い報知態様とする。貯留皿の球切れについても、高ベース状態または低ベース状態では音声報知とする一方、大当り状態では音声報知に加えて画面報知を行なうことで、高ベース状態または低ベース状態のときよりも気付かせ易い報知態様とする。大当り状態において皿満タンや貯留皿の球切れは遊技者にとって不利な状態であり、そのような状態であることを遊技者自身にまちがいなく悟らせるためである。
その他の異常(払出制御基板通信異常等)については、遊技状態に関わらず同じ音声報知とする。ただし、その他の異常状態についても同様に遊技状態に応じて報知態様を変更するようにしてもよい。
このような変形例1は、遊技制御用マイクロコンピュータ560から演出制御用マイクロコンピュータ100に対して、図48(c)に示した各種の異常報知指定コマンドを送信することに加えて、遊技状態を示すコマンドを送信することで実現可能である。あるいは、遊技状態別に分類された異常報知指定コマンドを遊技制御用マイクロコンピュータ560が送信するようにしてもよい。演出制御用マイクロコンピュータ100には、図56に示すような遊技状態別の報知態様を示す報知態様テーブルを記憶させておき、受信したコマンドに基づいていずれの報知態様で報知すべきかを選択するものとする。
なお、この変形例1では、報知態様を変更する例として、音声と画像との組み合せを例に挙げて説明した。しかしながら、報知態様の変更とは、このようなパターンに限られず、ある遊技状態では画像1で報知し、他の遊技状態では画像1と異なる画像2で報知するような場合であってもよい。たとえば、大当り状態では、小さい画像サイズで短い時間の報知をして時間経過で画像を消去する一方、高ベース状態等では、より大きい画像サイズでしかも長い時間、報知を継続するようなものであってもよい。また、表示継続時間は同じで画像サイズや画像内での報知の態様(文字のみ、文字とキャラクタとで報知など)を異ならせるようなものであってもよい。同様に、ある遊技状態では音声1で報知し、他の遊技状態では音声1と異なる音声2で報知するような場合であってもよい。
また、変形例1では、大入賞口の異常入賞・排出異常に関して、大当り状態よりも高ベース状態・低ベース状態の方が、より認識し易い報知態様で報知されるようにしている。しかしながら、逆に、大入賞口の異常入賞・排出異常に関して、高ベース状態・低ベース状態よりも大当り状態の方が、より認識し易い報知態様で報知されるようにして、大当り中の大入賞口への不正入賞の検出をより認識し易くしてもよい。
[異常報知に関する変形例2]
次に、図57を参照して、異常報知に関する変形例2を説明する。この変形例2は、複数の異常が同時期に検出された場合に予め定めた優先順で報知をする例である。図57に示す表内の1〜10の数値は、優先度を示しており、1が最優先で数字が大きくなるに従い優先度が低くなることを意味する。
まず、大当り状態では、貯留皿の球切れの優先順位が1で、続いて、磁気異常、電波異常、遊技枠開放…と続く。特に、貯留皿の球切れの優先順位を1にしているのは、大当り中に球切れが発生すると遊技に支障を与えるからであり、また、大当り中は出玉が多く、そもそも球切れ状態の発生は考えにくいため、何らかの不正行為が行なわれている可能性もあるからである。大入賞口異常入賞・排出異常の優先順位を最も低くしたのは、大当り状態では大入賞口への入賞が頻発することが通常であるため、あまりに大入賞口への異常入賞報知を大々的に行なうと、遊技者の気分を害することになるからである。
次に、高ベース状態および低ベース状態をみると、高ベース状態では、大入賞口異常入賞・排出異常の優先順位を最も高くして、大入賞口が閉鎖しているにも関わらず大入賞口での異常が発生することをいち早く報知する。低ベース状態も同様である。ただし、高ベース状態では、第2順位が磁気異常であるのに対して、低ベース状態では第2順位が始動入賞口異常入賞・排出異常である。さらに、高ベース状態では、始動入賞口異常入賞・排出異常の優先順位を最も低くしている。これは、高ベース状態において磁気異常により多数の玉の不正入賞を生じさせる行為を早目に報知する一方、高ベース状態では始動入賞数が多くなるために結果的に不正でないような始動入賞口に関する報知が優先的に多数報知されて遊技者に不快感を与えないようにするためである。
なお、図57の表の欄外に記載したとおり、セキュリティ信号は、異常入賞および排出異常のそれぞれについて定めた基準回数(たとえば、異常入賞20回、排出異常20回)を検出した時に即座に出力する。また、各種の異常を検出したときの報知態様は、画面、音声、ランプのいずれか1つあるいはそれらの任意の組み合せでよい。
このような変形例2においては、異常の検出タイミングが完全に同一タイミングであるときのみならず、所定期間(たとえば、2秒程度)の間で複数の異常が検出された場合に、その検出された異常の中で優先順位の高いものを優先的に報知するようにしてもよい。ここで、優先的に報知する態様としては、その中で最も優先順位の高い異常のみを報知することであっても、優先順位の高いものから順に報知していくこと(たとえば、1秒遅れで次に優先順位の高いものの報知に切り換えるなど)であってもよい。たとえば、演出制御用マイクロコンピュータ100は、いずれかの報知指定コマンドを受信したときに、その受信から所定の待機期間だけ報知を待ち、待機期間内に他の種類の報知指定コマンドを受信すれば、待機期間内で受信した報知指定コマンドのうちで最も優先順位の高い異常に対応するコマンドを特定し、そのコマンドに従う異常報知をするようにすればよい。
また、図57に示した優先順位は例示であり、たとえば、管理者が任意に設定できるようにパチンコ遊技機1の背面側の所定箇所に設定操作部を設けるとともにと、設定内容を更新して記憶する記憶部を遊技制御用マイクロコンピュータ560に設けてもよい。
[異常報知に関する変形例3]
次に、図58を参照して、異常報知に関する変形例3を説明する。この変形例3は、異常の発生頻度に応じて報知の開始条件や終了条件、あるいは報知態様を変更する例である。ここで、発生頻度は、所定の頻度算定期間(たとえば1時間)での検出を累積したものである。
図58(a)は、始動入賞口および大入賞口における異常入賞・排出入賞を報知対象とする場合である。この例では、発生頻度が10回〜14回の場合と、15回〜20回の場合と、21回以上の場合とで、報知終了条件と報知態様とを異ならせている。報知開始条件はいずれも共通で、それぞれの発生頻度に対応する回数の異常が検出されたときである。
発生頻度が10回〜14回の場合には、音声による報知とし、報知開始条件を成立させた異常検知から10秒が経過したときに報知終了条件成立として報知を終了させる。発生頻度が15回〜20回の場合には、音声に加えてランプによる報知とし、報知開始条件を成立させた異常検知から30秒が経過したときに報知終了条件成立として報知を終了させる。さらに発生頻度が高く、21回以上となった場合には、音声、ランプに加えて画像による報知とし、報知開始条件を成立させた異常検知から300秒が経過するまで報知終了条件を成立させずに報知を継続させて、異常の発生をアピールする。
ただし、異常入賞に基づいて出力したセキュリティ信号は、いずれの発生頻度の場合も30秒経過で出力を停止させる。また、排出異常に基づいて出力したセキュリティ信号は、いずれの発生頻度の場合も、電源再投入し初期化処理を経てから30秒経過すると停止させる。ただし、電源再投入のみの場合(初期化処理なし)には継続して出力する。これらの点は第1実施の形態と同様である。
図58(b)は、皿満タンを報知対象とする場合である。この例では、発生頻度が1回〜2回の場合と、3回〜8回の場合と、9回以上の場合とで、報知開始条件と報知態様とを異ならせている。報知終了条件はいずれも共通で、皿満タンの状態から復旧したとき(皿満タン状態でなくなったとき)である。
発生頻度が1回〜2回の場合には、音声による報知とし、皿満タンの検出状態が15秒継続したときに報知開始条件成立として報知を開始させる。発生頻度が3回〜8回の場合には、音声に加えてランプによる報知とし、皿満タンの検出状態が5秒継続したときに報知開始条件成立として報知を開始させる。さらに発生頻度が高く、9回以上となった場合には、音声、ランプに加えて画像による報知とし、皿満タンの状態が検出された時点で報知開始条件成立として報知を速やかに開始させる。
図58(c)は、貯留皿の球切れを報知対象とする場合である。この例では、発生頻度が1回〜5回の場合と、6回〜15回の場合と、16回以上の場合とで、報知開始条件と報知態様とを異ならせている。報知終了条件はいずれも共通で、貯留皿の球切れの状態から復旧したときである。
発生頻度が1回〜5回の場合には、音声による報知とし、貯留皿の球切れの検出状態が6秒継続したときに報知開始条件成立として報知を開始させる。発生頻度が6回〜15回の場合には、音声に加えてランプによる報知とし、貯留皿の球切れの検出状態が3秒継続したときに報知開始条件成立として報知を開始させる。さらに発生頻度が高く、16回以上となった場合には、音声、ランプに加えて画像による報知とし、貯留皿の球切れの状態が検出された時点で報知開始条件成立として報知を速やかに開始させる。
図58(d)は、磁気異常・電波異常を報知対象とする場合である。この例では、発生頻度が1回〜5回の場合と、3回〜5回の場合と、6回以上の場合とで、報知開始条件と報知終了条件と報知態様とを異ならせている。
発生頻度が1回〜5回の場合には、音声による報知とし、磁気異常または電波異常の検出状態が5秒継続したときに報知開始条件成立として報知を開始させる。報知終了条件は検出された磁気異常または電波異常が検出されなくなったことである。発生頻度が3回〜5回の場合には、音声に加えてランプによる報知とし、磁気異常または電波異常の検出状態が3秒継続したときに報知開始条件成立として報知を開始させる。報知終了条件は磁気異常または電波異常の検出から5秒が経過したことである。さらに発生頻度が高く、6回以上となった場合には、音声、ランプに加えて画像による報知とし、磁気異常または電波異常が検出された時点で報知開始条件成立として速やかに報知を開始させる。報知終了条件は磁気異常または電波異常の検出から10秒が経過したことである。
図58(e)は、その他の異常(払出制御基板通信異常、カードユニット未接続、カードユニット通信異常、遊技機枠開放)を報知対象とする場合である。この例では、いずれも報知開始条件は異常検出時に成立し、報知終了条件は異常復旧時に成立するものとする。また、報知態様は、いずれも同じとし、音声報知とする。ただし、同じ音声での報知であっても、その音声自体は、それぞれの異常の種類に応じて異ならせることが望ましい。また、これらの種類の異常についても、発生頻度に応じて報知開始条件、報知終了条件、報知態様のうちの少なくとも1つを異ならせるようにしてもよい。また、変形例3において、異常の種類ごとに頻度算定期間を異ならせてもよい。
[異常報知に関する変形例4]
次に、図59を参照して、異常報知に関する変形例4を説明する。この変形例4は、遊技状態に応じて報知の開始条件や終了条件、あるいは報知態様を変更する例である。ここで、発生頻度は、変形例3と同じく、所定の頻度算定期間(たとえば1時間)での検出を累積したものである。
図59(a)は、始動入賞口および大入賞口における異常入賞・排出入賞を報知対象とする場合である。この例では、遊技状態が大当り状態の場合と、高ベース状態または低ベース状態の場合とで、報知開始条件と報知終了条件と報知態様とを異ならせている。
遊技状態が大当り状態の場合には、音声による報知とし、報知開始条件は連続検出時であり、報知終了条件は報知開始から2秒が経過したことである。ここで、連続検出時とは、2回以上の検出があり、かつ、その検出間隔が極めて短い場合を意味する。たとえば、連続検出時は、3回の検出があり、かつ、それぞれの検出間隔が秒以内である場合である。
遊技状態が高ベース状態または低ベース状態の場合には、音声に加えてランプよる報知とし、報知開始条件は検出時であり、報知終了条件は報知開始から30秒が経過したことである。
ただし、異常入賞に基づいて出力したセキュリティ信号は、いずれの遊技状態の場合も30秒経過で出力を停止させる。また、排出異常に基づいて出力したセキュリティ信号は、いずれの遊技状態の場合も、電源再投入し初期化処理を経てから30秒経過すると停止させる。ただし、電源再投入のみの場合(初期化処理なし)には継続して出力する。これらの点は第1実施の形態と同様である。
図59(b)は、皿満タンを報知対象とする場合である。この例では、遊技状態が大当り状態の場合と、高ベース状態の場合と、低ベース状態の場合とで、報知開始条件と報知態様とを異ならせている。報知終了条件はいずれも共通で、皿満タンの状態から復旧したとき(皿満タン状態でなくなったとき)である。
遊技状態が低ベース状態の場合には、ランプによる報知とし、皿満タンの検出状態が15秒継続したときに報知開始条件成立として報知を開始させる。遊技状態が高ベース状態の場合には、音声に加えてランプによる報知とし、皿満タンの検出状態が5秒継続したときに報知開始条件成立として報知を開始させる。さらに遊技状態が大当り状態となった場合には、音声、ランプに加えて画像による報知とし、皿満タンの状態が検出された時点で報知開始条件成立として報知を速やかに開始させる。
図59(c)は、貯留皿の球切れを報知対象とする場合である。この例では、遊技状態が大当り状態の場合と、高ベース状態の場合と、低ベース状態の場合とで、報知開始条件と報知態様とを異ならせている。報知終了条件はいずれも共通で、貯留皿の球切れの状態から復旧したときである。
遊技状態が低ベース状態の場合には、ランプによる報知とし、貯留皿の球切れの検出状態が3秒継続したときに報知開始条件成立として報知を開始させる。遊技状態が高ベース状態の場合には、音声に加えてランプによる報知とし、貯留皿の球切れの検出状態が2秒継続したときに報知開始条件成立として報知を開始させる。さらに遊技状態が大当り状態となった場合には、音声、ランプに加えて画像による報知とし、貯留皿の球切れの状態が検出された時点で報知開始条件成立として報知を速やかに開始させる。
図59(d)は、磁気異常・電波異常を報知対象とする場合である。この例では、遊技状態が大当り状態の場合と、高ベース状態・低ベース状態の場合とで、報知開始条件と報知終了条件と報知態様とを異ならせている。
遊技状態が大当り状態の場合には、音声による報知とし、磁気異常または電波異常の検出状態が5秒継続したときに報知開始条件成立として報知を開始させる。報知終了条件は検出された磁気異常または電波異常の検出から5秒経過したことである。遊技状態が高ベース状態または低ベース状態の場合には、音声に加えてランプさらには画像による報知とし、磁気異常または電波異常が検出されたら速やかに報知開始条件成立として報知を開始させる。報知終了条件は磁気異常または電波異常の検出から10秒が経過したことである。
図59(e)は、その他の異常(払出制御基板通信異常、カードユニット未接続、カードユニット通信異常、遊技機枠開放)を報知対象とする場合である。この例では、いずれも報知開始条件は異常検出時に成立し、報知終了条件は異常復旧時に成立するものとする。また、報知態様は、いずれも同じとし、音声報知とする。ただし、同じ音声での報知であっても、その音声自体は、それぞれの異常の種類に応じて異ならせることが望ましい。また、これらの種類の異常についても、遊技状態に応じて報知開始条件、報知終了条件、報知態様のうちの少なくとも1つを異ならせるようにしてもよい。
以上、異常報知に関する変形例1〜4を順に説明したが、これらの変形例は上記実施の形態1のみならず、実施の形態2、3のそれぞれにも適用可能である。
また、上記の各実施の形態で示した排出異常や異常入賞、その他の異常の検出および初期化処理の実行に基づいてセキュリティ信号を外部出力する構成や、初期化報知および役物の初期動作を実行する構成は、パチンコ遊技機に限らず、様々な形態の遊技機に適用することができる。たとえば、上記の各実施の形態で示した構成を封入循環式のパチンコ機に適用するようにしてもよい。封入循環式のパチンコ機は、そのパチンコ機で用いられる所定数(たとえば、50個)の遊技玉が封入領域内(たとえば、パチンコ機内)に封入されており、このパチンコ機に設けられた遊技領域に遊技球を発射させ、遊技領域を経由した遊技球を回収部(たとえば、各入賞口、アウト口、ファール玉戻り口)を介して回収し、回収した遊技玉を再び遊技領域に発射させるために封入領域内において循環させる。また、そのような封入循環式のパチンコ機では、各入賞口への入賞があった場合に、賞球に代えて、カードユニットに挿入されたカードに賞球数に相当するポイントなどを加算する処理が行なわれる。そのような封入循環式のパチンコ機において、上記の各実施の形態の構成を適用し、排出異常や異常入賞の検出および初期化処理の実行に基づいてセキュリティ信号を外部出力したり、初期化報知および役物の初期動作を実行するように構成してもよい。
今回開示された実施の形態は全ての点で例示であって制限的なものではないと考えられるべきである。本発明の範囲は上記した説明ではなく特許請求の範囲によって示され、特許請求の範囲と均等の意味および範囲内での全ての変更が含まれることが意図される。