以下、この発明の実施形態について図面を参照して説明する。
ここでは、本発明にかかる遊技機の適例としてのパチンコ遊技機について説明を行う。
図1に示すように、本実施形態の遊技機100は、矩形枠状に構成された機枠110を備え、機枠110の前面側には、該機枠110に対して前方向へ扉状に回動可能に矩形枠状の前面枠120が軸着されている。
前面枠120は、当該前面枠120に備えられる各種部材等の取付用のベースとなる前面枠本体130と、当該前面枠本体130に対して、その前面側に回動可能に軸支されたクリア部材保持枠140と、前面枠本体130の前面のクリア部材保持枠140の下側に取り付けられた発射操作ユニット150と、を有する。
前面枠本体130は、矩形枠状の機枠110の前面側をちょうど覆うような概略矩形板状に構成されるとともに、その中央から上端部にわたる部分に遊技盤1を嵌め込んで収容するための方形状の開口部が形成されている。そして、前面枠本体130に収容された遊技盤1の前面が前面枠本体130の開口部から前側に臨むようになっている。すなわち遊技盤1は前面枠本体130に嵌め込まれることで前面枠120に取り付けられている。
また、前面枠本体130の遊技盤1が嵌め込まれた開口部、すなわち、前面枠本体130の中央より少し下側から上端部にわたる部分には、前面枠本体130の前側を覆うクリア部材保持枠140が配置されており、遊技盤1の前面とクリア部材保持枠140に嵌め込まれたクリア部材としてのガラス板144との間で、遊技盤1の前面に設けられたガイドレール2に囲まれた部分が、遊技球が発射されて流下する遊技領域1aとされている。
また、クリア部材保持枠140の一方の側部(遊技機100の前面側から見て左側の側部)は、前面枠本体130の一方の側部に回動可能に軸支されて、扉状に開閉自在とされ、クリア部材保持枠140を開くことにより、遊技盤1の前面側の遊技領域1aの前側を開放可能となっている。クリア部材保持枠140には、前面枠本体130の開口部をほぼ閉塞するように、該開口部に嵌め込まれた遊技盤1との間に遊技球が流下可能な遊技領域1aとなる間隔を開けて二重のガラス板144が固定されている。そして、クリア部材保持枠140において、遊技機100の前側からガラス板144を介して遊技盤1の前面側の少なくとも遊技領域1aの部分が視認可能となっている。また、クリア部材保持枠140の前面であって、ガラス板144が固定されて遊技領域1aを視認可能とする部分の周囲には、内部にLED43(図2に図示)を備える枠装飾装置141、音声を出力するスピーカ145,145などが設けられている。
また、前面枠本体130に軸着されたクリア部材保持枠140の開放端側となる前面側から見て右側の端部の前面には、施錠装置の一部をなす鍵穴143が形成されている。この鍵穴143は、前面枠本体130の施錠装置の一部であるとともに、クリア部材保持枠140の施錠装置の一部でもあって、鍵穴143に鍵を入れて一方(例えば左回り)に回すと前面枠本体130の施錠が解除され、他方(例えば右回り)に回すとクリア部材保持枠140の施錠が解除されるようになっている。
また、前面枠本体130の前面側のクリア部材保持枠140の下側には、発射操作ユニット150が取り付けられている。発射操作ユニット150は、左右側部のうちの一側部となる左側部を前面枠本体130に軸着されて、左右方向に回動して開閉自在な開閉パネル151とその下の下部パネル152とからなる。開閉パネル151は、排出された遊技球を貯留するとともに、遊技球を発射する発射装置52(図2に図示)に遊技球を送る上皿153を有している。この上皿153の周囲には、遊技者が操作可能な操作手段をなす操作ボタン158が設けられている。この操作ボタン158は、遊技の演出に対する操作や、後述する異常報知としての仮報知を解除するための操作を行うためのものである。また、開閉パネル151の下側の下部パネル152には、上皿153に収容しきれない遊技球を収容する下皿154及び灰皿155と、遊技領域1aに向けての遊技球の発射操作を行うとともに、該遊技領域1aに遊技球を発射する際の発射勢を調節するための操作ハンドル156、音声を出力するスピーカ157などが設けられている。
遊技盤1は、各種部材の取付ベースとなる平板状の遊技盤本体1b(木製もしくは合成樹脂製)を備え、該遊技盤本体1bの前面にガイドレール2で囲まれた遊技領域1aを有している。また、遊技盤本体1bの前面であってガイドレール2の外側には、前面構成部材3,3,…が取り付けられている。そして、このガイドレール2で囲まれた遊技領域1a内に発射装置から遊技球(打球;遊技媒体)を発射して遊技を行うようになっている。
遊技領域1a内には、普図始動ゲート4と、普図変動表示ゲームの未処理回数を表示する普図記憶表示器、普図の変動表示ゲームを表示する普図表示器5(図2に図示)が設けられている。また、遊技領域1a内には、第1始動入賞口13(入賞装置)と、第2始動入賞口をなす普通変動入賞装置7(入賞装置)と、補助遊技としての特図変動表示ゲームの未処理回数を点灯表示する特図記憶表示器、特図変動表示ゲームを表示する特図表示器9が設けられている。なお、普図記憶表示器、普図表示器5、特図記憶表示器、特図表示器9は、遊技状態を表す状態表示LED8と併せて、セグメントLED6として一体に設けられている。
さらに遊技領域1aには、上端側が手前側に倒れる方向に回動して開放可能になっているアタッカ形式の開閉扉10aを有し、補助遊技としての特図変動表示ゲームの結果如何によって大入賞口を閉じた状態(遊技者にとって不利な状態)から開放状態(遊技者にとって有利な状態)に変換する特別変動入賞装置10、入賞口などに入賞しなかった遊技球を回収するアウト穴11が設けられている。この他、遊技領域1aには、一般入賞口12,12,…、打球方向変換部材としての風車14、多数の障害釘(図示略)などが配設されている。
普図始動ゲート4内には、該普図始動ゲート4を通過した遊技球を検出するためのゲートSW4a(図2に図示)が設けられている。そして、遊技領域1a内に打ち込まれた遊技球が普図始動ゲート4内を通過すると、普図変動表示ゲームが行われる。また、普図変動表示ゲームを開始できない状態、例えば、既に普図変動表示ゲームが行われ、その普図変動表示ゲームが終了していない状態や、普図変動表示ゲームが当って普通変動入賞装置7が開状態に変換されている場合に、普図始動ゲート4を遊技球が通過すると、普図始動記憶数の上限数未満でならば、普図始動記憶数が1加算されて普図始動記憶が1つ記憶されることとなる。なお、普図変動表示ゲームの始動記憶は、LEDを備える普図記憶表示器にて表示されるようになっている。
普図(普通図柄)変動表示ゲームは、遊技領域1a内に設けられた普図表示器5で実行されるようになっている。なお、変動表示装置41の表示領域の一部で普図変動表示ゲームを表示するようにしても良く、この場合は識別図柄として、例えば、数字、記号、キャラクタ図柄などを用い、これを所定時間変動表示させた後、停止表示させることにより行うようにする。この普図変動表示ゲームの停止表示が特別の結果態様となれば、普図の当りとなって、普通変動入賞装置7の開閉部材7a,7aが所定時間(例えば、0.5秒間)開放される。これにより、普通変動入賞装置7に遊技球が入賞しやすくなり、特図の変動表示ゲームの始動が容易となる。
普通変動入賞装置7は左右一対の開閉部材7a,7aを具備し、第1始動入賞口13の下部に配設され、この開閉部材7a,7aは、常時は遊技球の直径程度の間隔をおいた閉じた状態(遊技者にとって不利な状態)を保持しているが、普図変動表示ゲームの結果が所定の停止表示態様となった場合には、駆動装置としてのソレノイド(普電開閉SOL7b、図2に図示)によって、逆「ハ」の字状に開いて普通変動入賞装置7に遊技球が流入し易い状態(遊技者にとって有利な状態)に変化させられるようになっている。
この普通変動入賞装置7と第1始動入賞口13は、特図変動表示ゲームの始動入賞口も兼ねている。すなわち、普通変動入賞装置7と第1始動入賞口13の内部(入賞領域)に備えられた始動口SW7d(図2に図示)によって遊技球を検出することに基づき、補助遊技としての特図変動表示ゲームを開始する始動権利が発生するようになっている。
この特図変動表示ゲームを開始する始動権利は、所定の上限数(例えば4)の範囲内で始動記憶(特図始動記憶)として記憶される。従って、特図変動表示ゲームが開始可能な状態で、且つ、始動記憶数が0の状態で、普通変動入賞装置7もしくは第1始動入賞口13に遊技球が入賞すると、始動権利の発生に伴って始動記憶が記憶されて、始動記憶数が1加算されるととともに、直ちに始動記憶に基づいて、特図変動表示ゲームが開始され、この際に始動記憶数が1減算される。
一方、特図変動表示ゲームが直ちに開始できない状態、例えば、既に特図変動表示ゲームが行われ、その特図変動表示ゲームが終了していない状態や、特別遊技状態となっている場合に、普通変動入賞装置7もしくは第1始動入賞口13に遊技球が入賞すると、始動記憶数が上限数未満ならば、始動記憶数が1加算されて始動記憶が1つ記憶されることになる。そして、始動記憶数が1以上となった状態で、特図変動表示ゲームが開始可能な状態(前回の特図変動表示ゲームの終了もしくは特別遊技状態の終了)となると、始動記憶数が1減算されるとともに、記憶された始動記憶に基づいて特図変動表示ゲームが開始される。なお、特図変動表示ゲームの始動記憶は、LEDを備える特図記憶表示器にて表示されるようになっている。
補助遊技としての特図(特別図柄、識別情報)変動表示ゲームは、遊技領域1a内に設けられた特図表示器9で実行されるようになっており、複数の識別情報を変動表示したのち、所定の結果態様を停止表示することで行われる。また、変動表示装置41にて複数種類の識別情報(例えば、数字、記号、キャラクタ図柄など)を変動表示させる特図変動表示ゲームに対応した飾り特図変動表示ゲーム42a(図5に図示)が実行されるようになっている。そして、この特図変動表示ゲームの結果として、特図表示器9の表示態様が特別結果態様(たとえば「7」)となった場合には、大当たりとなって特別遊技状態(いわゆる、大当たり状態)となる。また、これに対応して変動表示装置41の表示態様も特別結果態様(例えば、「7,7,7」等のゾロ目数字の何れか)となる。なお、遊技機に特図表示器9を備えずに、変動表示装置41のみで特図変動表示ゲームを実行するようにしても良い。
また、遊技領域1aの略中央には、特図変動表示ゲームの表示領域となる窓部22を形成するセンターケース20が取り付けられている。このセンターケース20に形成された窓部22の後方には、遊技に関する画像として飾り特図変動表示ゲーム42aの画像(数字や文字、記号などの識別情報)、演出のためのキャラクタや図柄、背景画像などを表示する変動表示装置41が配されるようになっている。この変動表示装置41は、例えば、液晶表示装置41a(図2に図示)を備え、表示内容が変化可能な表示部42がセンターケース20の窓部22を介して遊技盤1の前面側から視認可能となるように配されている。なお、変動表示装置41は、液晶表示装置を備えるものに限らず、EL、CRT等のディスプレイを備えるものであっても良い。
変動入賞装置としての特別変動入賞装置10は、上端側が手前側に倒れる方向に回動して開放可能になっているアタッカ形式の開閉扉10aによって開閉される大入賞口を備えていて、特別遊技状態中は、大入賞口を閉じた状態から開いた状態に変換することにより大入賞口内への遊技球の流入を容易にさせる。なお、開閉扉10aは、例えば、駆動装置としてのソレノイド(大入賞口SOL10b、図2に図示)により駆動される。また、大入賞口の内部(入賞領域)には、該大入賞口に入った遊技球を検出する検出手段としてのカウントSW10c(図2に図示)が配設されている。
また、遊技領域1aに設けられた各一般入賞口12には、一般入賞口12に入った遊技球を検出するための入賞口SW12a(図2に図示)が配設されている。そして、遊技を開始することにより遊技領域1a内に打ち込まれた遊技球が、一般入賞口12,12,…、普通変動入賞装置7、第1始動入賞口13、特別変動入賞装置10等の入賞口の何れかに入賞すると、それぞれの入賞口に対応した所定数の賞球が排出装置51(図2に図示)によって排出される(払い出される)ようになっている。
また、普通変動入賞装置7には、磁気を検出する磁気センサ17が設けられている。さらに、普通変動入賞装置7の近傍には、遊技機100に与えられた振動を検出する振動センサ18が設けられている。この磁気センサ17、振動センサ18は遊技機100の異常を検出するための異常検出手段をなすものであって、後述するように、磁気センサ17により磁石による不正行為を検出し、振動センサ18により振動による不正行為を検出するようになっている。
また、図2に示すように、遊技機100は、その制御系として遊技の進行を制御する遊技制御手段をなす遊技制御装置30、この遊技制御装置30の制御下で各種の演出に関する制御を行うサブ制御装置としての演出制御装置40、排出装置51による賞球または貸球の払い出しの制御と、発射装置52による遊技球の発射の制御を行うサブ制御装置としての排出発射制御装置50、電力を供給する電源供給装置60を備えている。
遊技制御装置30は、CPU31a、RAM31b、ROM31c等を有する遊技用マイクロコンピュータ31を備えるとともに、入出力インタフェース(入出力I/F)33、各種処理の同期やタイマ等のためのパルス信号を出力するクロック(CLK)32(発振器)等により構成されている。
CPU31aは、制御部、演算部を備え、演算制御を行う他、特図変動表示ゲームの大当たり判定用乱数値などの各種乱数値なども生成している。RAM31bは、普通変動入賞装置7に設けられた始動口SW7dのオン信号などを記憶する記憶領域や、前記各種乱数値の記憶領域、並びに、CPU31aの作業領域等を備えている。ROM31cには、遊技上の制御プログラムや制御データが書き込まれている他、上述の各種乱数値に対応して、特図変動表示ゲームの大当り発生を判定するための、特図変動表示ゲームの大当り判定値、変動パターン(リーチアクションの種類)の判定値などが記憶されている。
また、入出力インタフェース33には、ローパスフィルタ及びバッファーゲートを介して、始動口SW7d、ゲートSW4a、入賞口SW12a,12a,…、カウントSW10c、ガラス枠開放SW146、内枠開放SW121、磁気センサ17、振動センサ18、排出発射制御装置50などが接続されている。そして、入出力インタフェース33は、これらから入力された各種信号を中継し、CPU31aに対し出力する。なお、ガラス枠開放SW146は、クリア部材保持枠140が開放されていることを検出するものであり、内枠開放SW121は、前面枠120が開放されていることを検出するものである。
また、入出力インタフェース33には、CPU31aから出力される各種の制御信号が入力される。これら制御信号は、該入出力インタフェース33により中継されて、図示しない出力ポート及びドライバを介して、特図表示器9、特図記憶表示器、普図表示器5、普図記憶表示器、大入賞口SOL10b、普電開閉SOL7b、状態表示LED8、遊技機外部の管理装置200などと接続する外部出力端子16、演出制御装置40、排出発射制御装置50に出力される。
サブ制御装置としての演出制御装置40は、制御装置としてのCPU40a、ROM40b、RAM40c、入出力インタフェースや、変動表示装置41の液晶表示装置41aにおける表示を制御する画像用メモリとしてのRAMや、画像や映像データが記憶されたCGROM40dなどを含むビデオ回路、グラフィックプロセッサとしてのVDP40e(video display processor)を備えている。また、遊技盤1や該遊技盤1の前方を覆うクリア部材保持枠に設けられた装飾用の各種LED43などを駆動するドライバ40f、音の出力を制御する音源LSI40gを備えている。
この演出制御装置40は図示しない入出力インタフェースを有し、この入出力インタフェースにはローパスフィルタ及びバッファーゲートを介して、遊技制御装置30が接続されている。そして、遊技制御装置30から入力される各種信号(演出制御データ(各種コマンドなど))は、該入出力インタフェースにより中継されて、CPUに対し出力される。演出制御装置40は、この遊技制御装置30から受信した演出制御データ(各種コマンドなど)に基づいて(遊技制御装置30の制御の下に)遊技機100の制御を行う。また、入出力インタフェースには、上皿153に設けられた操作手段をなす操作ボタン158からの検出信号が入力されるようになっており、演出制御装置40はこれらの検出信号に基づき(遊技制御装置30の制御の下に)遊技機100の制御を行う。
さらに、入出力インタフェースには、CPU40aから出力される各種の制御信号が入力され、これら制御信号は、該入出力インタフェースにより中継されて、図示しない出力ポート及びドライバ40fを介して各種LED43、可動演出装置の可動モータ44、などに出力される。なお、CPU40aから出力される制御信号のうち、画像の制御に関する制御信号は、CPU40aからVDP40eに出力され、VDP40eから該制御信号に基づく画像データが液晶表示装置41aに出力される。また、音声の制御に関する制御信号は、CPU40aから音源LSI40gに出力され、音源LSI40gから該制御信号に基づく音声データがスピーカ145,157に出力される。
サブ制御装置としての排出発射制御装置50は、演算処理用CPU、ROM、RAM等を備え、遊技制御装置30からの賞球制御指令(賞球数データの受信)や、球貸機(図示略)からの球貸制御指令に基づいて、排出装置51に所定数の遊技球(賞球、貸球)を排出させる制御を行う。また、発射装置52による遊技球の発射制御を行うようになっており、排出発射制御装置50には、遊技者が操作ハンドル156に触れることで、操作ハンドル156に設けられたタッチセンサ54からの信号が入力されるようになっている。また、遊技者が操作ハンドル156に設けられた発射停止スイッチ53を操作することで、該発射停止スイッチ53からの入力信号がタッチセンサ54からの入力信号と併せて入力されるようになっている。
また、遊技制御装置30には、電源供給装置60から電力が供給されており、その他の装置にも電源供給装置60から電力が供給されるようになっている。さらに、電源供給装置60には、停電時等の外部からの電力の供給が途絶えた場合でも電力を供給可能とするためのバックアップ電源61が備えられ、停電時等に各制御装置の揮発性メモリに保存されたデータの消失を防止するようになっている。
これらの制御回路においては、例えば以下のような制御が行われる。遊技制御装置30の遊技用マイクロコンピュータ31では、普図始動ゲート4に備えられたゲートSW4aからの遊技球の検出信号の入力に基づき、普図の当たり判定用乱数値を抽出してROM31cに記憶されている判定値と比較し、普図変動表示ゲームの当たり外れを判定する処理を行う。そして、普図表示器5に、識別情報を所定時間変動表示した後、停止表示する普図変動表示ゲームを表示する処理を行う。この普図変動表示ゲームの結果が当たりの場合は、普図表示器5に特別の結果態様を表示するとともに、普電開閉SOL7bを動作させ、普通変動入賞装置7の開閉部材7a,7aを所定時間(例えば、0.5秒間)上述のように開放する制御を行う。なお、普図変動表示ゲームの結果がはずれの場合は、普図表示器5にはずれの結果態様を表示する制御を行う。
また、普通変動入賞装置7に備えられた始動口SW7dからの遊技球の検出信号の入力に基づき、特図の大当たり判定用乱数値を抽出してROM31cに記憶されている判定値と比較し、特図変動表示ゲームの当たり外れを判定する処理を行う。そして、この結果を始動記憶として記憶する処理を行う。また、この他に変動パターンの判定を行う処理などを行い、これらの結果を含む制御信号(演出制御コマンド)を、演出制御装置40に出力する。そして、特図表示器9に、識別図柄を所定時間変動表示した後、停止表示する特図変動表示ゲームを表示する処理を行う。また、演出制御装置40では、遊技制御装置30からの制御信号に基づき、変動表示装置41で特図変動表示ゲームに対応した飾り特図変動表示ゲーム42aを表示する処理や、スピーカ145,157からの音の出力、枠装飾装置141や遊技盤1に設けられた各種LED43を制御する処理、可動演出装置の可動モータ44を動作する処理を行う。
そして、遊技制御装置30の遊技用マイクロコンピュータ31は、特図変動表示ゲームの結果が大当たりの場合は、特図表示器9に特別の結果態様を表示するとともに、特別遊技状態を発生させる処理を行う。この特別遊技状態を発生させる処理においては、例えば、大入賞口SOL10bにより特別変動入賞装置10の開閉扉10aを開放し、大入賞口内への遊技球の流入を可能とする制御を行う。そして、大入賞口に所定個数(例えば10個)の遊技球が入賞するか、大入賞口の開放から所定時間(例えば25秒または1秒)か経過するかの何れかの条件が達成されるまで大入賞口を開放することを1ラウンドとし、これを所定ラウンド回数(例えば15回または2回)継続する(繰り返す)制御(サイクル遊技)を行う。なお、特図変動表示ゲームの結果がはずれの場合は、特図表示器9にはずれの結果態様を表示する制御を行う。
また、遊技制御装置30の遊技用マイクロコンピュータ31は、各種入賞口に設けられたセンサ(始動口SW7d、カウントSW10c、入賞口SW12a)から入力される遊技球の検出信号に基づき、排出発射制御装置50に制御信号を出力し、排出装置51を制御して所定数の遊技球が払い出されるようにする。
次に、以上のような構成を有する遊技機100での異常検出とその報知に関する処理について図3から6を参照して説明する。本実施形態の遊技機100は、異常を検出する異常検出手段として磁気センサ17と振動センサ18を備え、これらのセンサからの検出信号が遊技制御装置30に入力されるようになっている。遊技制御装置30では、これらのセンサからの入力に対応した処理を行うために、図3に示すような異常検出処理が行われる。
この異常検出処理では、まず、異常検出があるか否かの判定(ステップS1)を行う。異常検出とは、磁気センサ17での磁気の検出や振動センサ18での振動の検出であり、この異常検出があるか否かの判定(ステップS1)では、磁気センサ17での磁気の検出に基づく検出信号や、振動センサ18での振動の検出に基づく検出信号が入力されたかが判定される。異常検出があるか否かの判定(ステップS1)において、異常検出がない場合(ステップS1;No)は、異常検出処理を終了する。また、異常検出があるか否かの判定(ステップS1)において、異常検出があった場合(ステップS1;Yes)は、エラー予備フラグが有るか否かの判定(ステップS2)を行う。
このエラー予備フラグは異常検出があった場合にセットされるものであって、エラー予備フラグが有るか否かの判定(ステップS2)において、エラー予備フラグがない場合(ステップS2;No)は、エラー予備フラグをセットする処理(ステップS3)を行う。このエラー予備フラグは遊技機100の電源投入時にクリアされるようになっており、このエラー予備フラグをセットする処理(ステップS3)が行われる場合は、遊技機100の電源投入時から初めての異常検出があった場合である。そして、このエラー予備フラグのセットにより異常監視期間が開始される。なお、本実施形態の遊技機100では、遊技機100の電源遮断時までエラー予備フラグがセットされた状態が維持されるので、異常監視期間は電源投入後の最初の異常検出から電源遮断時までとなる。すなわち、遊技制御装置30が所定の異常監視期間を設定する監視期間設定手段をなす。このエラー予備フラグをセットする処理(ステップS3)を行った後、外部出力処理(ステップS4)を行い、仮報知コマンド送信処理(ステップS5)を行って、異常検出処理を終了する。
外部出力処理(ステップS4)では、エラー予備フラグがない状態で(異常監視期間外に)磁気センサ17での磁気の検出や振動センサ18での振動の検出などの異常検出があったことに関する異常検出情報としての第1異常検出情報を、外部出力端子16を通じて管理装置200(ホールコンピュータ)に出力する処理を行う。
また、仮報知コマンド送信処理(ステップS5)では、上述の異常検出情報としての第1異常検出情報が出力されたことに関する情報である仮報知コマンドを演出制御装置40に出力する処理を行う。後述するように演出制御装置40では、この仮報知コマンドの受信に基づき第1異常報知としての仮報知表示を行う。
エラー予備フラグが有るか否かの判定(ステップS2)において、エラー予備フラグが有る場合(ステップS2;Yes)、すなわち、異常監視期間中である場合は、報知コマンド送信処理(ステップS6)を行う。この報知コマンド送信処理(ステップS6)では、演出制御装置40に報知コマンドを送信する処理がなされる。後述するように、演出制御装置40では、この報知コマンドの受信に基づき第2異常報知としてのエラー確定報知を行う。
報知コマンド送信処理(ステップS6)を行った後、外部出力処理(ステップS7)を行う。この外部出力処理(ステップS7)では、エラー予備フラグが有る状態で(異常監視期間内に)磁気センサ17での磁気の検出や振動センサ18での振動の検出などの異常検出があったことに関する異常検出情報としての第2異常検出情報を、外部出力端子16を通じて管理装置200(ホールコンピュータ)に出力する処理を行う。すなわち、遊技制御装置30が異常検出手段(磁気センサ17、振動センサ18)による異常の検出に基づき異常検出情報(第1異常検出情報、第2異常検出情報)を外部に出力する外部出力手段をなす。
この外部出力処理(ステップS7)を行った後、発射停止処理(ステップS8)を行う。発射停止処理(ステップS8)では、排出発射制御装置50に対してコマンドを送信し、発射装置52による遊技球の発射を停止させる処理を行う。さらに、発射停止処理(ステップS8)を行った後、遊技停止処理(ステップS9)を行う。この遊技停止処理(ステップS9)では、遊技制御装置30における遊技に関する処理を停止する処理を行う。すなわち、遊技制御装置30が所定条件の成立に基づき遊技を停止する遊技停止手段をなす。これにより、確実に異常を報知することができるとともに、遊技店の被害を防ぐことができる。
演出制御装置40では、上述のような遊技制御装置30での処理に対応して異常報知を行うために、図4に示すようなエラー報知処理が行われる。このエラー報知処理では、まず、仮報知コマンドを受信したか否かの判定(ステップS10)を行う。この仮報知コマンドは、異常監視期間外において異常検出があった場合に遊技制御装置30から送信されるものである。この仮報知コマンドを受信したか否かの判定(ステップS10)において、仮報知コマンドを受信していない場合(ステップS10;No)は、報知コマンドを受信したか否かの判定(ステップS16)を行う。また、仮報知コマンドを受信したか否かの判定(ステップS10)において、仮報知コマンドを受信している場合(ステップS10;Yes)は、仮報知表示処理(ステップS11)を行う。
仮報知表示処理(ステップS11)では、遊技者に対して異常を検出した旨を報知する処理がなされるようになっており、この処理により、図5(a)に示すように、変動表示装置41の表示部42に異常を検出した旨を示す仮報知表示42bとしての第1異常報知が行われる。このように、遊技領域1aに設けられ、遊技に関する画像を表示する表示部42で異常報知を行うので、異常を検出したことを確実に報知できる。この仮報知表示処理(ステップS11)を行った後、仮報知解除タイマをセットする処理(ステップS12)を行う。仮報知解除タイマをセットする処理(ステップS12)では、仮報知解除タイマに所定の値(時間)を設定して仮報知時間の計時を開始する処理を行う。
この仮報知解除タイマをセットする処理(ステップS12)を行った後、報知コマンドを受信したか否かの判定(ステップS13)を行う。この報知コマンドを受信したか否かの判定(ステップS13)では、異常監視期間内において異常検出があった場合に遊技制御装置30から送信される報知コマンドを受信したかが判定される。この報知コマンドを受信したか否かの判定(ステップS13)において、報知コマンドを受信していない場合(ステップS13;No)は、ボタン操作が有るか否かの判定(ステップS14)を行う。また、報知コマンドを受信したか否かの判定(ステップS13)において、報知コマンドを受信した場合(ステップS13;Yes)は、エラー確定報知処理(ステップS18)を行った後、制御を終了する処理(ステップS19)を行い、演出制御装置40での制御を終了する。
ボタン操作が有るか否かの判定(ステップS14)では、第1異常報知を解除するための操作手段をなす操作ボタン158が操作されたかが判定される。このボタン操作が有るか否かの判定(ステップS14)において、ボタン操作があった場合(ステップS14;Yes)は、仮報知表示終了処理(ステップS15)を行い、エラー報知処理を終了する。仮報知表示終了処理(ステップS15)では、図5(a)に示す仮報知表示42bを終了して、図5(b)に示すような仮報知解除表示42cを変動表示装置41の表示部42に所定時間表示した後、仮報知解除表示42cを終了する処理がなされ、異常を検出した旨の表示が消去される。すなわち、演出制御装置40が、第1異常報知の報知中に操作手段(操作ボタン158)が操作されることに基づき該第1異常報知を終了する報知終了手段をなす。
また、ボタン操作が有るか否かの判定(ステップS14)において、ボタン操作がない場合(ステップS14;No)は、仮報知時間がタイムアップしたか否かの判定(ステップS17)を行う。仮報知時間がタイムアップしたか否かの判定(ステップS17)において、仮報知時間がタイムアップしていない場合(ステップS17;No)は、報知コマンドを受信したか否かの判定(ステップS13)に戻る。すなわち、仮報知時間が経過するまで、報知コマンドの受信とボタン操作を監視するようになっている。
また、仮報知時間がタイムアップしたか否かの判定(ステップS17)において、仮報知時間がタイムアップした場合(ステップS17;Yes)は、エラー確定報知処理(ステップS18)を行う。エラー確定報知処理(ステップS18)では、遊技を終了する旨の表示であるエラー確定報知表示を所定時間表示する処理が行われる。このエラー確定報知処理(ステップS18)を行った後、制御を終了する処理(ステップS19)により演出制御装置40での制御を終了する処理がなされ、遊技が停止される。なお、仮報知時間がタイムアップした場合における遊技の終了は、演出制御装置40での制御の停止のみであり、遊技制御装置30での遊技に関する処理は継続された状態となる。すなわちこの場合は、演出制御装置40が所定条件の成立に基づき遊技を停止する遊技停止手段をなす。このように第1異常報知を行う所定時間が経過するまでに操作手段をなす操作ボタン158の操作が行われなかった場合に遊技を停止することで、異常を検出したことを確実に遊技者に確認させることができる。
また、仮報知コマンドを受信したか否かの判定(ステップS10)において、仮報知コマンドを受信していない場合(ステップS10;No)に行われる、報知コマンドを受信したか否かの判定(ステップS16)では、異常監視期間内において異常検出があった場合に遊技制御装置30から送信される報知コマンドを受信したかが判定される。この報知コマンドを受信したか否かの判定(ステップS16)において、報知コマンドを受信していない場合(ステップS16;No)は、エラー報知処理を終了する。また、報知コマンドを受信したか否かの判定(ステップS16)において、報知コマンドを受信した場合(ステップS15;Yes)は、エラー確定報知処理(ステップS18)を行った後、制御を終了する処理(ステップS19)を行い、演出制御装置40での制御を終了する。
エラー確定報知処理(ステップS18)では、遊技者に対して遊技を終了する旨を報知する処理がなされるようになっており、この処理により変動表示装置41の表示部42に遊技を終了する旨の表示であるエラー確定報知表示をなす第2異常報知を所定時間表示する処理が行われる。すなわち、演出制御装置40が、異常検出手段(磁気センサ17、振動センサ18)による異常の検出に基づき異常報知(第1異常報知、第2異常報知)を行う報知手段をなす。
このエラー確定報知処理(ステップS18)を行った後、制御を終了する処理(ステップS19)により演出制御装置40での制御を終了する処理がなされ、遊技が停止される。なお、報知コマンドを受信した場合は、遊技制御装置30においても遊技停止処理(ステップS9)が行われるため、完全に遊技が停止した状態となる。
以上のような処理により例えば図6に示すように、遊技制御装置30では、エラー予備フラグがない状態で(異常監視期間外で)異常検出がある(t1)と、エラー予備フラグがセットされて異常監視期間が開始されるとともに、第1異常検出情報の外部出力、仮報知コマンドの出力が行われる(t2)。すなわち、異常監視期間外における異常の検出に基づき、第1異常検出情報を出力し、第1異常報知を行い、異常監視期間を設定するように構成されている。
また、演出制御装置40では、仮報知コマンドの受信に基づき仮報知表示をなす第1異常報知を開始し(t3)、操作ボタン158の操作(t4)に基づき仮報知表示を終了する(t5)。すなわち、第1異常報知の報知中に操作手段をなす操作ボタン158が操作されることに基づき該第1異常報知を終了するように構成されている。
また、遊技制御装置30では、エラー予備フラグが有る状態で(異常監視期間内で)異常検出がある(t6)と、第2異常検出情報の外部出力、報知コマンドの出力が行われる(t7)。演出制御装置40では、報知コマンドの受信に基づきエラー報知表示をなす第2異常報知を開始する(t8)。そして、所定時間経過後、遊技制御装置30および演出制御装置40での制御を終了する(t9)。すなわち、異常監視期間内における異常の検出に基づき、第2異常検出情報を出力し、第2異常報知を行い、遊技を停止するように構成されている。
このように、異常の検出に基づいてすぐに遊技を停止するのではなく、まず、第1異常報知をし、その後、再び異常を検出した際に遊技を停止するので、例えば、不正の意図無く遊技機に振動を与えてしまった場合に遊技が停止してしまう可能性が低く、善意の遊技者に不愉快な思いをさせることや無用な遊技の中断を防止できる。また、操作ボタン158の操作により第1異常報知を終了できるようにしているので、異常を検出したことを遊技者に確認させることができ、以降の遊技に対して注意を促すことができて、善意の遊技者に不愉快な思いをさせることや無用な遊技の中断を防止できる。また、悪意のある、不正に利益を得ようとしている遊技者は、第1異常報知が終了したことで、すべての異常状態が解除されたと思い、再び不正行為を行うが、このときには遊技が停止されるようになるので、継続して何度も不正を行おうとする非常に悪意のある遊技者を、特に効果的に排除することができる。また、異常の把握と遊技の停止が時間差をもって行われることとなるので、その時間に店員を異常検出があった遊技機まで行かせて、実際に不正な利益を得る現場を押さえることができる。
以上のことから、遊技領域1aに遊技球を発射して遊技を行う遊技機100において、当該遊技機100における異常を検出する異常検出手段(磁気センサ17、振動センサ18)と、異常検出手段による異常の検出に基づき異常検出情報を外部(管理装置200)に出力する外部出力手段(遊技制御装置30)と、異常検出手段による異常の検出に基づき異常報知を行う報知手段(演出制御装置40)と、所定の異常監視期間を設定する監視期間設定手段(遊技制御装置30)と、所定条件の成立に基づき遊技を停止する遊技停止手段(遊技制御装置30、演出制御装置40)と、遊技者が操作可能な操作手段(操作ボタン158)と、を備え、異常監視期間外における異常検出手段による異常の検出に基づき、外部出力手段が異常検出情報として第1異常検出情報を出力し、報知手段が異常報知として第1異常報知を行い、監視期間設定手段が異常監視期間を設定するように構成され、異常監視期間内における異常検出手段による異常の検出に基づき、外部出力手段が異常検出情報として第2異常検出情報を出力し、報知手段が異常報知として第2異常報知を行い、遊技停止手段が遊技を停止するように構成され、報知手段は、第1異常報知の報知中に操作手段が操作されることに基づき該第1異常報知を終了する報知終了手段(演出制御装置40)を備えたこととなる。
また、報知手段(演出制御装置40)は、異常報知としての第1異常報知を所定時間行うものとし、遊技停止手段(演出制御装置40)は、第1異常報知を行う所定時間が経過するまでに操作手段(操作ボタン158)の操作が行われなかった場合に遊技を停止するようにしたこととなる。
また、遊技領域1aに、遊技に関する画像を表示する表示部42を有する変動表示装置41を備え、報知手段(演出制御装置40)は、表示部42で異常報知を行うようにしたこととなる。
なお、第1異常報知や第2異常報知は、表示部42で行うのみでなく、例えば、スピーカ145,157による音声での報知、LED43による光での報知、遊技機が配設される島設備に設けられた表示装置、ランプでの報知により行うようにしても良い。
次に、上述した実施形態の遊技機の第一変形例について図7を参照して説明する。なお、基本的には上述の実施形態の遊技機と同様の構成を有しており、同様の構成や処理には同じ符号を付して詳細な説明を省略し、主に異なる部分について説明する。本変形例の遊技機は、所定条件の成立に基づき異常監視期間を終了する初期化手段を備えている。
この異常監視期間を終了する処理として、遊技制御装置30では、図7に示すエラー予備フラグクリア処理が行われる。このエラー予備フラグクリア処理では、まず、エラー予備フラグが有るか否かの判定(ステップS20)を行う。このエラー予備フラグが有るか否かの判定(ステップS20)により、異常監視期間内で有るかが判定される。エラー予備フラグが有るか否かの判定(ステップS20)において、エラー予備フラグがない場合(ステップS20;No)、すなわち、異常監視期間外である場合は、エラー予備フラグクリア処理を終了する。また、エラー予備フラグが有るか否かの判定(ステップS20)において、エラー予備フラグがある場合(ステップS20;Yes)、すなわち、異常監視期間内である場合は、所定時間の間に遊技球の発射がなかったか否かの判定(ステップS21)を行う。
所定時間の間に遊技球の発射がなかったか否かの判定(ステップS21)において、所定時間の間に遊技球の発射がある場合(ステップS21;No)は、エラー予備フラグクリア処理を終了する。すなわち、所定時間の間に遊技球の発射がある場合は、遊技者が交代していない可能性が高く、エラーフラグの解除は行わずに異常監視期間を継続するようにする。また、所定時間の間に遊技球の発射がなかったか否かの判定(ステップS21)において、所定時間の間に遊技球の発射がなかった場合(ステップS21;Yes)は、特定のリーチ変動中であるか否かの判定(ステップS22)を行う。
特定のリーチ変動中であるか否かの判定(ステップS22)では、現在の遊技において特定のリーチ(リーチ演出)が発生しているかが判定される。ここで、特定のリーチ(リーチ演出)とは、複数設定されているリーチのうち実行時間の比較的長いリーチであって、遊技者が長い時間止め打ちをする可能性のあるリーチである。この特定のリーチ変動中であるか否かの判定(ステップS22)において、特定のリーチ変動中である場合(ステップS22;Yes)は、エラー予備フラグクリア処理を終了する。すなわち、所定時間の間に遊技球の発射がなかったことが、特定のリーチの発生に伴う止め打ちである可能性が高いため、エラーフラグの解除は行わず、異常監視期間を継続するようにする。また、特定のリーチ変動中であるか否かの判定(ステップS22)において、特定のリーチ変動中でない場合(ステップS22;No)は、始動記憶が所定数以上であるか否かの判定(ステップS23)を行う。
始動記憶が所定数以上であるか否かの判定(ステップS23)では、現在の始動記憶数が所定数以上(例えば、始動記憶数の上限が4であれば3以上)であるかが判定される。始動記憶数が上限値である状態では、始動入賞口(普通変動入賞装置7、第1始動入賞口13)への入賞があっても始動記憶としては記憶されないので、遊技者は上限値が近づくと、始動記憶が消費されるまで止め打ちをすることがある。よって、始動記憶が所定数以上である場合は、遊技者が長い時間止め打ちをする可能性のある場合である。この始動記憶が所定数以上であるか否かの判定(ステップS23)において、始動記憶が所定数以上である場合(ステップS23;Yes)は、エラー予備フラグクリア処理を終了する。すなわち、所定時間の間に遊技球の発射がなかったことが、始動記憶数が所定数以上となったことに伴う止め打ちである可能性が高いため、エラーフラグの解除は行わず、異常監視期間を継続するようにする。また、始動記憶が所定数以上であるか否かの判定(ステップS23)において、始動記憶が所定数以上でない場合(ステップS23;No)は、エラー予備フラグをクリアする処理(ステップS24)を行ってエラー予備フラグクリア処理を終了する。このエラー予備フラグをクリアする処理(ステップS24)により、エラー予備フラグをクリアすることで、異常監視期間が終了することとなる。すなわち、遊技制御装置30が所定条件の成立に基づき異常監視期間を終了する初期化手段をなす。
このように、所定条件の成立に基づき異常監視期間を終了する初期化手段を備えたことで、関連性の低い2つの異常検出に基づき遊技が停止されてしまうことを防止でき、遊技者に不愉快な思いをさせることや無用な遊技の中断を防止できる。例えば、2つの異常検出の間に長い時間があって、明らかに遊技者の不注意による異常検出であることが分かる場合や、異なる遊技者の行為による異常検出である場合に遊技が停止されてしまうことを防止できる。
以上のことから、監視期間設定手段(遊技制御装置30)は、所定条件の成立に基づき異常監視期間を終了する初期化手段(遊技制御装置30)を備えたこととなる。
なお、エラー予備フラグを解除する所定条件は、所定時間の間に遊技球の発射がないことの他、遊技者の交代を検出できるような条件であれば何でも良く、例えば、遊技機100に隣接して設けられる台間機に挿入される会員カードの情報に基づき遊技者の交代を検出してエラー予備フラグを解除するようにしても良い。
次に、上述した実施形態の遊技機の第二変形例について図8から10を参照して説明する。なお、基本的には上述の実施形態の遊技機100と同様の構成を有しており、同様の構成や処理には同じ符号を付して詳細な説明を省略し、主に異なる部分について説明する。本変形例の遊技機は、遊技者を特定可能な生体情報を検出する生体情報検出手段としての生体情報センサ159を備えている。
本変形例の遊技機では、遊技者が手で操作する操作ハンドル156に、生体情報を検出する生体情報センサ159として静脈認証装置を備えている。そして、図8に示すように、この生体情報センサ159からの情報は、排出発射制御装置50を介して遊技制御装置30に入力されるようになっている。
このような生体情報センサ159を備えた遊技機では、異常を検出する異常検出手段として磁気センサ17、振動センサ18からの検出信号に基づき、図9に示すような異常検出処理が遊技制御装置30で行われるようになっている。なお、図3に示す異常検出処理と同様の処理については詳細な説明を省略する。
本変形例の異常検出処理では、まず、異常検出があるか否かの判定(ステップS1)を行い、異常検出がない場合(ステップS1;No)は、異常検出処理を終了する。また、異常検出があった場合(ステップS1;Yes)は、エラー予備フラグが有るか否かの判定(ステップS2)を行う。
エラー予備フラグが有るか否かの判定(ステップS2)において、エラー予備フラグがない場合(ステップS2;No)、すなわち異常監視期間外である場合は、エラー予備フラグをセットする処理(ステップS3)を行い、生体情報を記憶する処理(ステップS30)を行う。この生体情報を記憶する処理(ステップS30)では、現在遊技している遊技者の生体情報を生体情報センサ159で検出し、記憶する処理を行う。すなわち、遊技制御装置30が、生体情報検出手段(生体情報センサ159)により検出された生体情報を記憶する生体情報記憶手段をなす。
この生体情報を記憶する処理(ステップS30)を行った後、外部出力処理(ステップS4)を行って、第1異常検出情報を管理装置200(ホールコンピュータ)に出力し、仮報知コマンド送信処理(ステップS5)を行って、仮報知コマンドを演出制御装置40に出力して異常検出処理を終了する。なお、演出制御装置40では、この仮報知コマンドの受信に基づき、上述したような第1異常報知としての仮報知が行われる。
エラー予備フラグが有るか否かの判定(ステップS2)において、エラー予備フラグが有る場合(ステップS2;Yes)、すなわち、異常監視期間中である場合は、報知コマンド送信処理(ステップS6)を行って、報知コマンドを演出制御装置40に出力する。演出制御装置40では、この報知コマンドの受信に基づき、上述したような第2異常報知としてのエラー確定報知が行われる。さらに、外部出力処理(ステップS7)を行って、第2異常検出情報を管理装置200(ホールコンピュータ)に出力し、発射停止処理(ステップS8)を行って、発射装置52による遊技球の発射を停止し、遊技停止処理(ステップS9)を行って、遊技制御装置30における遊技に関する処理を停止する。
また、本変形例の遊技機は、検出した生体情報に基づきエラー予備フラグをクリアし、異常監視期間を終了する初期化手段を備えている。このエラー予備フラグをクリアする処理として、遊技制御装置30では、図10に示すエラー予備フラグクリア処理が行われる。このエラー予備フラグクリア処理では、まず、変動が終了したか否かの判定(ステップS31)を行う。この変動が終了したか否かの判定(ステップS31)では、実行中の変動表示ゲームが終了したかが判定される。この変動が終了したか否かの判定(ステップS31)において、変動が終了していない場合(ステップS31;No)は、エラー予備フラグクリア処理を終了する。また、変動が終了したか否かの判定(ステップS31)において、変動が終了している場合(ステップS31;Yes)は、エラー予備フラグがあるか否かの判定(ステップS32)を行う。すなわち、以下の処理は変動表示ゲームごとに行われるようになっている。
エラー予備フラグがあるか否かの判定(ステップS32)において、エラー予備フラグがない場合(ステップS32;No)すなわち、異常監視期間外である場合は、エラー予備フラグクリア処理を終了する。また、エラー予備フラグが有るか否かの判定(ステップS32)において、エラー予備フラグがある場合(ステップS32;Yes)、すなわち、異常監視期間内である場合は、現生体情報を取得する処理(ステップS33)を行う。
現生体情報を取得する処理(ステップS33)では、現在遊技している遊技者の生体情報を生体情報センサ159で検出する処理を行う。その後、記憶した生体情報と同じであるか否かの判定(ステップS34)を行って、現在遊技している遊技者の生体情報と、エラー予備フラグをセットする際に記憶された生体情報とを比較する。この記憶した生体情報と同じであるか否かの判定(ステップS34)において、記憶した生体情報と同じである場合(ステップS34;Yes)、すなわち、遊技者が交代していない場合は、エラー予備フラグクリア処理を終了する。また、記憶した生体情報と同じであるか否かの判定(ステップS34)において、記憶した生体情報と同じでない場合(ステップS34;No)、すなわち、遊技者が交代した場合は、エラー予備フラグをクリアする処理(ステップS35)を行ってエラー予備フラグクリア処理を終了する。このエラー予備フラグをクリアする処理(ステップS35)でエラー予備フラグをクリアすることにより、異常監視期間が終了することとなる。
このように、記憶されている生体情報と新たに検出された生体情報とが一致しない場合に異常監視期間を終了するようにしたことで、関連性の低い2つの異常検出に基づき遊技が停止されてしまうことを防止でき、遊技者に不愉快な思いをさせることや無用な遊技の中断を防止できる。すなわち、遊技者の交代を確実に検出できるので、異なる遊技者の行為による異常検出である場合に遊技が停止されてしまうことを防止できる。
以上のことから、遊技者を特定可能な生体情報を検出する生体情報検出手段(生体情報センサ159)と、該生体情報検出手段により検出された生体情報を記憶する生体情報記憶手段(遊技制御装置30)と、を備え、初期化手段(遊技制御装置30)は、生体情報記憶手段に生体情報が記憶されている場合に、該記憶されている生体情報と、生体情報検出手段により新たに検出された生体情報と、が一致しない場合に異常監視期間を終了するようにしたこととなる。
なお、生体情報センサ159は、指紋認証装置、顔認証装置、虹彩認証装置など個人を特定できるものであれば何でも良く、また、用いる装置に合わせて遊技機の必要な箇所に設けるようにする。また、上述した第一変形例と組み合わせて適用するようにしても良い。
次に、上述した実施形態の遊技機の第三変形例について図11,12を参照して説明する。なお、基本的には上述の実施形態の遊技機100と同様の構成を有しており、同様の構成や処理には同じ符号を付して詳細な説明を省略し、主に異なる部分について説明する。本変形例の遊技機は、第1異常報知を行っている期間と、遊技の演出において操作ボタン158による操作を受付可能である期間とが重複する場合に、第1異常報知を行う時間を所定時間よりも延長する延長手段を備えている。
本変形例の遊技機では、遊技制御装置30での異常の検出に関する処理に対応して異常報知を行うために、演出制御装置40において図11に示すようなエラー報知処理が行われる。なお、図3に示すエラー報知処理と同様の処理については詳細な説明を省略する。
このエラー報知処理では、まず、仮報知コマンドを受信したか否かの判定(ステップS10)を行い、仮報知コマンドを受信していない場合(ステップS10;No)は、報知コマンドを受信したか否かの判定(ステップS16)を行う。また、仮報知コマンドを受信している場合(ステップS10;Yes)は、仮報知表示処理(ステップS11)を行う。
この仮報知表示処理(ステップS11)により、図5(a)に示すような第1異常報知を行った後、仮報知解除タイマをセットする処理(ステップS12)を行い、後述する演出用操作併用処理(ステップS40)を行って、エラー報知処理を終了する。
また、仮報知コマンドを受信したか否かの判定(ステップS10)において、仮報知コマンドを受信していない場合(ステップS10;No)に行われる、報知コマンドを受信したか否かの判定(ステップS16)で、報知コマンドを受信していない場合(ステップS16;No)は、エラー報知処理を終了する。また、報知コマンドを受信した場合(ステップS15;Yes)は、エラー確定報知処理(ステップS18)を行った後、制御を終了する処理(ステップS19)を行い、演出制御装置40での制御を終了する。
このエラー確定報知処理(ステップS18)によりエラー確定報知表示をなす第2異常報知を所定時間表示する処理が行われる。また、制御を終了する処理(ステップS19)により演出制御装置40での制御を終了する処理がなされ、遊技が停止される。なお、報知コマンドを受信した場合は、遊技制御装置30においても遊技停止処理(ステップS9)が行われるため、完全に遊技が停止した状態となる。
図12に示すように、演出用操作併用処理では、まず、報知コマンドを受信したか否かの判定(ステップS41)を行う。上述したように報知コマンドを受信したか否かの判定(ステップS41)では、異常監視期間内において異常検出があった場合に遊技制御装置30から送信される報知コマンドを受信したかが判定される。この報知コマンドを受信したか否かの判定(ステップS41)において、報知コマンドを受信していない場合(ステップS41;No)は、ボタン操作が有るか否かの判定(ステップS42)を行う。また、報知コマンドを受信したか否かの判定(ステップS41)において、報知コマンドを受信した場合(ステップS41;Yes)は、エラー確定報知処理(ステップS18)を行った後、制御を終了する処理(ステップS19)を行い、演出制御装置40での制御を終了する。
ボタン操作が有るか否かの判定(ステップS42)では、操作手段をなす操作ボタン158が操作されたかが判定される。このボタン操作が有るか否かの判定(ステップS42)において、ボタン操作があった場合(ステップS42;Yes)は、仮報知の解除を優先するか否かの判定(ステップS43)を行う。また、ボタン操作が有るか否かの判定(ステップS42)において、ボタン操作がない場合(ステップS42;No)は、仮報知時間がタイムアップしたか否かの判定(ステップS17)を行う。仮報知時間がタイムアップしたか否かの判定(ステップS17)において、仮報知時間がタイムアップしていない場合(ステップS17;No)は、報知コマンドを受信したか否かの判定(ステップS41)に戻る。すなわち、仮報知時間が経過するまで、報知コマンドの受信とボタン操作を監視するようになっている。
また、仮報知時間がタイムアップしたか否かの判定(ステップS17)において、仮報知時間がタイムアップした場合(ステップS17;Yes)は、エラー確定報知処理(ステップS18)を行う。エラー確定報知処理(ステップS18)では、遊技を終了する旨の表示であるエラー確定報知表示を所定時間表示する処理が行われる。このエラー確定報知処理(ステップS18)を行った後、制御を終了する処理(ステップS19)により演出制御装置40での制御を終了する処理がなされ、遊技が停止される。なお、仮報知時間がタイムアップした場合における遊技の終了は、演出制御装置40での制御の停止のみであり、遊技制御装置30での遊技に関する処理は継続された状態となる。
仮報知の解除を優先するか否かの判定(ステップS43)では、遊技における演出の状態に基づき、操作ボタン158の操作を、演出に対するボタン操作として扱うか、仮報知を解除するためのボタン操作として扱うかが判定される。ここで、判定の基準となる遊技における演出の状態とは、演出として操作ボタン158の操作を要求するような演出が実行されている状態であるか否かである。そして、演出として操作ボタン158の操作を要求するような演出が実行されていない場合は、仮報知の解除を優先する(ステップS43;Yes)として、操作ボタン158の操作に基づき仮報知表示を終了する処理(ステップS15)を行う。また、演出として操作ボタン158の操作を要求するような演出が実行されている場合は、仮報知の解除を優先しない(ステップS43;No)として、操作ボタン158の操作を演出用表示に反映させる処理(ステップS44)を行う。なお、演出として操作ボタン158の操作を要求するような演出が実行されている場合であっても、操作ボタン158の操作が有効である期間(その期間の前後所定期間を含むようにしても良い)でない場合は、仮報知の解除を優先する(ステップS43;Yes)ようにする。
演出用表示に反映させる処理(ステップS44)では、操作ボタン158の操作を演出に対するボタン操作として扱って演出用表示に反映させる処理が行われる。その後、仮報知解除タイマが所定値以下であるかの判定(ステップS45)を行う。
仮報知解除タイマが所定値以下であるかの判定(ステップS45)では、仮報知時間の残り時間が所定時間以下であるかが判定される。この仮報知解除タイマが所定値以下であるかの判定(ステップS45)において、仮報知解除タイマが所定値以下でない場合(ステップS45;No)、すなわち仮報知時間の残り時間が所定時間以下でない場合は、ボタン操作が有るか否かの判定(ステップS47)を行う。また、仮報知解除タイマが所定値以下であるかの判定(ステップS45)において、仮報知解除タイマが所定値以下である場合(ステップS45;Yes)すなわち仮報知時間の残り時間が所定時間以下である場合は、仮報知解除タイマを延長する処理(ステップS46)を行い、ボタン操作が有るか否かの判定(ステップS47)を行う。
仮報知解除タイマを延長する処理(ステップS46)では、仮報知解除タイマの値を所定値増加させて仮報知時間を延長する処理がなされる。すなわち、演出制御装置40が、第1異常報知を行う時間を所定時間よりも延長する延長手段をなす。
ボタン操作が有るか否かの判定(ステップS47)では、操作手段をなす操作ボタン158が操作されたかが判定される。なお、このボタン操作が有るか否かの判定(ステップS47)は、特に、演出に対する操作ボタン158の操作を行った後に、仮報知の解除のための操作ボタン158の操作が行われた場合を監視するためのものである。ボタン操作が有るか否かの判定(ステップS47)において、ボタン操作がある場合(ステップS47;Yes)は、仮報知表示終了処理(ステップS15)を行い、エラー報知処理を終了する。この仮報知表示終了処理(ステップS15)では、図5(a)に示す仮報知表示42bを終了して、図5(b)に示すような仮報知解除表示42cを変動表示装置41の表示部42に所定時間表示した後、仮報知解除表示42cを終了する処理がなされ、異常を検出した旨の表示が消去される。
また、ボタン操作が有るか否かの判定(ステップS47)において、ボタン操作がない場合(ステップS47;No)は、仮報知時間がタイムアップしたか否かの判定(ステップS17)を行う。仮報知時間がタイムアップしたか否かの判定(ステップS17)において、仮報知時間がタイムアップしていない場合(ステップS17;No)は、報知コマンドを受信したか否かの判定(ステップS41)に戻る。また、仮報知時間がタイムアップしたか否かの判定(ステップS17)において、仮報知時間がタイムアップした場合(ステップS17;Yes)は、エラー確定報知処理(ステップS18)、制御を終了する処理(ステップS19)を行って、遊技が停止される。なお、仮報知時間がタイムアップした場合における遊技の終了は、演出制御装置40での制御の停止のみであり、遊技制御装置30での遊技に関する処理は継続された状態となる。
以上のような処理により、遊技者が関心を持つ事項である遊技の演出に対して、優先して操作ボタン158を操作できるようになる。また、演出に対する操作を優先したことで仮報知時間が経過してしまい、遊技が停止されてしまうようなことを防止でき、遊技の興趣を損なうことなく異常報知を行うことができる。
以上のことから、報知手段(演出制御装置40)は、第1異常報知を行っている期間と、遊技の演出において操作手段(操作ボタン158)による操作を受付可能である期間とが重複する場合に、第1異常報知を行う時間を所定時間よりも延長する延長手段(演出制御装置40)を備えたこととなる。
なお、操作ボタン158の操作態様として、第1異常報知を終了させるための操作である第1の操作と、遊技の演出に関連した操作である第2の操作と、を可能として、第1の操作と第2の操作の操作態様が異なるようにしても良い。例えば、仮報知の解除を行う場合には操作ボタン158を所定時間以上長押しする(第1の操作)ようにし、遊技の演出に関連して操作する場合には操作ボタン158を一度短時間押す(第2の操作)ようにして、遊技者が、何れの操作を行ったのかを判別できるようにしても良い。このようにすることでも、第1異常報知を行っている期間と、遊技の演出において操作手段(操作ボタン158)による操作を受付可能である期間とが重複する場合に発生する課題を解決することができ、遊技の興趣を損なうことなく異常報知を行うことができる。
以上のことから、操作手段(操作ボタン158)は、第1異常報知を終了させるための操作である第1の操作と、遊技の演出に関連した操作である第2の操作と、が可能であり、第1の操作と第2の操作の操作態様が異なるようにしたこととなる。
なお、操作ボタン158として、第1異常報知を終了させるために操作する第1操作ボタンと、遊技の演出に関連した操作を行うために操作する第2操作ボタンと、を備えるようにしても良い。また、本変形例を上述の第一変形例、第二変形例の何れか一つまたは両方と組み合わせて適用するようにしても良い。
次に、上述した実施形態の遊技機の第四変形例について図13,14を参照して説明する。なお、基本的には上述の実施形態の遊技機100と同様の構成を有しており、同様の構成や処理には同じ符号を付して詳細な説明を省略し、主に異なる部分について説明する。本変形例の遊技機は、第1異常報知を終了するための操作ボタン158の操作に基づき異常監視期間を開始するようにしている。
図13に示すように、本変形例の遊技機は、操作手段をなす操作ボタン158の操作に基づく信号が遊技制御装置30に入力されるようになっている。このような遊技機においては、図14に示すように、遊技制御装置30では、エラー予備フラグがない状態で(異常監視期間外で)異常検出がある(t10)と、第1異常検出情報の外部出力、仮報知コマンドの出力が行われる(t11)。すなわち、遊技制御装置30が異常検出手段(磁気センサ17、振動センサ18)による異常の検出に基づき異常検出情報を外部に出力する外部出力手段をなす。また、演出制御装置40では、仮報知コマンドの受信に基づき仮報知表示をなす第1異常報知が開始される(t12)。すなわち、演出制御装置40が、異常検出手段(磁気センサ17、振動センサ18)による異常の検出に基づき異常報知を行う報知手段をなす。
また、遊技制御装置30では、操作ボタン158の操作(t13)に基づき、エラー予備フラグがセットされて異常監視期間が開始される(t14)とともに演出制御装置40に操作コマンドが出力される。そして、演出制御装置40では操作信号の入力に基づき、仮報知表示を終了する(t14)。すなわち、遊技制御装置30が、所定の異常監視期間を設定する監視期間設定手段をなし、演出制御装置40が、第1異常報知の報知中に操作手段(操作ボタン158)が操作されることに基づき該第1異常報知を終了する報知終了手段をなす。
さらに、遊技制御装置30では、エラー予備フラグが有る状態で(異常監視期間内で)異常検出がある(t15)と、第2異常検出情報の外部出力、報知コマンドの出力が行われる(t16)。また、演出制御装置40では、報知コマンドの受信に基づきエラー報知表示をなす第2異常報知を開始する(t17)。そして、所定時間経過後、遊技制御装置30および演出制御装置40での制御を終了する(t18)。すなわち、遊技制御装置30、演出制御装置40が所定条件の成立に基づき遊技を停止する遊技停止手段をなす。
このように第1異常報知を終了するための操作ボタン158の操作に基づき異常監視期間が開始されるので、善意の遊技者に不愉快な思いをさせず、悪意のある、不正に利益を得ようとしている遊技者のみを確実に排除できる。すなわち、操作ボタン158の操作により第1異常報知を終了させた場合は、遊技者が異常を検出されたことを確認した場合であるので、それでもなお異常を検出した場合は、不正に利益を得ようとしている遊技者である可能性が高い。よって、異常監視期間を操作ボタン158の操作に基づき開始することで、継続して何度も不正を行おうとする非常に悪意のある遊技者を、特に効果的に排除することができる。
以上のことから、監視期間設定手段(遊技制御装置30)は、第1異常報知を終了するための操作手段(操作ボタン158)の操作に基づき異常監視期間を開始するようにしたこととなる。
なお、本変形例を上述の第一から第三変形例の一つまたは複数と組み合わせて適用するようにしても良い。
次に、上述した実施形態の遊技機の第五変形例について図15,16を参照して説明する。なお、基本的には上述の実施形態の遊技機100と同様の構成を有しており、同様の構成や処理には同じ符号を付して詳細な説明を省略し、主に異なる部分について説明する。本変形例の遊技機も、上述の第四変形例の遊技機と同様に第1異常報知を終了するための操作ボタン158の操作に基づき異常監視期間を開始するようにしている。
図15に示すように、本変形例の遊技機は、演出制御装置40に遊技機外部の管理装置200などと接続する外部出力端子16を設けている。このような遊技機においては、図16に示すように、遊技制御装置30では、異常検出(t20)に基づき、演出制御装置40に対して異常報知コマンドを出力する(t21)。演出制御装置40では、異常監視期間外における異常報知コマンドの入力に基づき、第1異常検出情報の外部出力を行うとともに、仮報知表示をなす第1異常報知が開始される(t22)。すなわち、演出制御装置40が異常検出手段(磁気センサ17、振動センサ18)による異常の検出に基づき異常検出情報を外部に出力する外部出力手段をなすとともに、異常検出手段(磁気センサ17、振動センサ18)による異常の検出に基づき異常報知を行う報知手段をなす。
また、演出制御装置40では、操作ボタン158の操作(t23)に基づき、エラー予備フラグがセットされて異常監視期間が開始されるとともに仮報知表示を終了する(t24)。すなわち、演出制御装置40が、所定の異常監視期間を設定する監視期間設定手段をなすとともに、第1異常報知の報知中に操作手段(操作ボタン158)が操作されることに基づき該第1異常報知を終了する報知終了手段をなす。
さらに、遊技制御装置30で、異常検出(t25)をしたことに基づき、演出制御装置40に対して異常報知コマンドが出力される(t26)。また、演出制御装置40では、異常監視期間内における異常報知コマンドの入力に基づき、第2異常検出情報の外部出力を行うとともに、エラー報知表示をなす第2異常報知が開始される(t27)。そして、所定時間経過後、演出制御装置40での制御を終了する(t28)。なお、制御の終了は演出制御装置40での制御の停止のみであり、遊技制御装置30での遊技に関する処理は継続された状態となる。すなわち、演出制御装置40が所定条件の成立に基づき遊技を停止する遊技停止手段をなす。
このような構成によっても第1異常報知を終了するための操作ボタン158の操作に基づき異常監視期間が開始されるので、善意の遊技者に不愉快な思いをさせず、悪意のある、不正に利益を得ようとしている遊技者のみを確実に排除できる。すなわち、操作ボタン158の操作により第1異常報知を終了させた場合は、遊技者が異常を検出されたことを確認した場合であるので、それでもなお異常を検出した場合は、不正に利益を得ようとしている遊技者である可能性が高い。よって、異常監視期間を操作ボタン158の操作に基づき開始することで、継続して何度も不正を行おうとする非常に悪意のある遊技者を、特に効果的に排除することができる。
なお、本変形例を上述の第一から第三変形例の一つまたは複数と組み合わせて適用するようにしても良い。
次に、上述した実施形態の遊技機の第六変形例について図17,18を参照して説明する。なお、基本的には上述の実施形態の遊技機100と同様の構成を有しており、同様の構成や処理には同じ符号を付して詳細な説明を省略し、主に異なる部分について説明する。図17に示すように、本変形例の遊技機300における遊技盤301は、遊技領域1a内に、後述する補助ゲームとしての第二補助ゲームを行う変動入賞装置80と、各種情報を表示可能な変動表示装置41を備えた装飾装置19とを備えている。
そして、普通変動入賞装置7の内部(入賞領域)に備えられた第一始動口SW7e(図18に図示)が遊技球を検出することにより、検出信号が遊技制御装置30に始動入力として入力され、補助ゲームとしての第一補助ゲームをなす特図変動表示ゲームを開始する始動権利が発生するようになっている。また、始動入賞口13,13の内部(入賞領域)にそれぞれ備えられた第二始動口SW7f(図18に図示)、第三始動口SW7g(図18に図示)が遊技球を検出することによっても検出信号が遊技制御装置30に始動入力として入力され、補助ゲームとしての第一補助ゲームをなす特図変動表示ゲームを開始する始動権利が発生するようになっている。よって、第一始動口SW7e、第二始動口SW7f、第三始動口SW7gが始動検出手段をなす。
補助ゲームとしての第一補助ゲームをなす特図(特別図柄、識別情報)変動表示ゲームは、遊技領域1a内に設けられた7セグからなる特図表示器(図示略)で実行されるようになっており、複数の識別情報を変動表示したのち、所定の結果態様を停止表示することで行われる。この特図変動表示ゲームの結果として、特図表示器の表示態様が大当り態様(例えば、「7」)となった場合は、大当たりとなって特別遊技状態(いわゆる、大当たり状態)となる。また、この特図変動表示ゲームの結果として、特図表示器の表示態様が小当り態様(例えば、「3」)となった場合は、小当りとなって補助ゲームとしての第二補助ゲームが実行される。なお、遊技機300に特図表示器を備えずに(補助ゲームとしての第一補助ゲームを行わずに)、始動入賞口をなす普通変動入賞装置7、始動入賞口13,13への入賞に基づき補助ゲームとしての第二補助ゲームを行うようにしても良い。
遊技領域1aの略中央に設けられた変動入賞装置80は、遊技盤301に形成された取付開口部に遊技盤301の前面側から取り付けられるものであり、前方側が開放し、遊技盤301の後方に延在する入賞空間81を有する。また、変動入賞装置80の前面側は、遊技盤301の前面を覆うガラス板144の近傍まで突出した状態となっており、後述する可動部材87,87が開いた場合以外は変動入賞装置80内に遊技球が入らないようになっている。
入賞空間81の上部には、上部構造部材(鎧部材)85が遊技盤301の表面より前方に突出するように設けられ、変動入賞装置80の上部の装飾装置として機能している。さらに、上部構造部材85は、変動入賞装置80の上方から流下する遊技球が入賞空間81に入ることを防止するとともに、その遊技球を左右方向に誘導するようになっている。
上部構造部材85の下側の左右側部には、変動入賞装置80の入賞口となる流入口86,86が設けられており、この左右の流入口86,86には、流入口86,86を開閉する可動部材87,87がそれぞれ設けられている。この可動部材87,87は、その下端部に回動中心を有しており、遊技制御装置30により制御される開閉ソレノイド(可動部材SOL87a、図18に図示)によって左右に回動可能となっている。
そして、可動部材87,87が略垂直に立った状態においては、可動部材87,87が流入口86,86を塞いだ状態となり変動入賞装置80へ入賞できない状態となる。すなわち、この状態が遊技者にとって不利な閉状態となる。これに対して、左右の可動部材87,87が下端部を中心にそれぞれ変動入賞装置80から離れる方向に回動した状態においては、可動部材87,87が、逆「ハ」の字状に開いて流入口86,86を開放した状態となり、変動入賞装置80への入賞が可能な状態となる。すなわち、この状態が遊技者にとって有利な開状態となる。なお、可動部材87,87は付勢部材によって通常時は閉じた状態(閉状態)を保つようになっている。
この可動部材87,87は、第二補助ゲームの発生条件の成立(ここでは特図変動表示ゲーム表示ゲームの結果態様が小当りになること)に基づく第二補助ゲームにおいて、可動部材SOL87a(図18に図示)の駆動によって所定態様で開状態に変換され、変動入賞装置80への入賞の機会が得られるようになっている。また、小当たりの種類によって、例えば、可動部材87,87が開放動作(開状態に変換)し、所定時間経過後(ここでは0.5秒経過後)に再び閉鎖動作(閉状態に変換)するといった所定の態様の開放動作を1回行う第二補助ゲームか、可動部材87,87が所定の態様の開放動作(ここでは開放時間0.8秒の開放動作)を所定時間(ここでは0.8秒)の閉鎖動作をはさんで2回行う第二補助ゲームの何れかが行われるようになっている。
入賞空間81の上部であって流入口86,86の近傍には、左右の流入口86,86に流入した遊技球を検出可能な位置に、それぞれ右カウントセンサ88a、左カウントセンサ88b(図18に図示)が設けられている。この右カウントセンサ88a、左カウントセンサ88bは、遊技球が通過可能な検出部を有し、検出部を遊技球が通過したときに検出信号を出力するようになっている。そして、この検出信号を後述する遊技制御装置30でカウントすることで、変動入賞装置80に入賞した遊技球の数を計数することができる。すなわち、この右カウントセンサ88a、左カウントセンサ88bが、変動入賞装置80に受け入れた遊技球を検出する入賞球検出手段をなす。また、この検出信号に基づき所定数(例えば10個)の賞球が排出装置51から排出される。
また、入賞空間81の上部であって流入口86,86の下方には、上方に開口するとともに前後方向に延在する樋状の上部流路形成部材89が設けられている。この上部流路形成部材89は後方へ向かって下るように形成され、左右の流入口から流入した遊技球を集合して下方の入賞空間81の後方へ流下誘導するようになっている。
入賞空間81には、貯留装置82、棚部材83、床部が設けられている。貯留装置82は、遊技球を貯留可能な矩形箱状の貯留部82aを備えており、該貯留部82aは、遊技球を貯留可能となるように開口部を上方に向けた貯留状態と、貯留した遊技球を排出可能となるように開口部を前方に向けた貯留解除状態とに変換可能となっている。なお、貯留部82aは、貯留状態において上部流路形成部材89を流下した遊技球を受け入れ可能な位置に配されるようになっている。このように貯留状態と貯留解除状態に変換可能な貯留部82aは、人形モータ82b(図18に図示)により駆動されるようになっている。また、人形モータ82bの回転位相は、人形モータセンサ82c(図18に図示)により検出可能となっており、遊技制御装置30は、この人形モータセンサ82cからの情報に基づき、貯留装置82の状態を検出可能となっている。
棚部材83は、貯留装置82の前方を除く周囲を囲むような略U字型をした板状の部材で、側端及び後端が入賞空間81の左右の側壁及び後壁に沿って配されている。この棚部材83は前方に向かって下るように傾斜しており、上部流路形成部材89を流下したが貯留部82aに貯留されなかった遊技球を受けるとともに前方に誘導して、前端から下方に形成された床部へ流下させるようになっている。
床部は棚部材83の下面よりも遊技球の直径以上下方に離れた位置にあって、その上面が後方に向かって下る傾斜面となっていて、棚部材83や貯留装置82からの遊技球が入賞空間81の前端側に位置する上流側部分に流入するようになっている。この床部には遊技球の流下方向を変化させる流下方向変換部材が設けられているとともに、傾斜下流側となる後端部(奥部)には、左右方向の中央に特別入賞口が形成され、その左右両側に一般入賞口が形成されている。よって、床部を流下した遊技球は特別入賞口と一般入賞口の何れかに流入するようになっている。また、特別入賞口には、入賞した遊技球を検出する特別検出手段をなす特定領域センサ90(図18に図示)が設けられている。この特定領域センサ90によって遊技球が検出されることで、検出信号が遊技制御装置30に特別入力として入力され、特別遊技状態の発生等の処理が行われるようになっている。
また、入賞空間81の下部には、床部を流下して特別入賞口もしくは一般入賞口に流入した遊技球を回収する回収流路が形成されている。この回収流路には流下する遊技球を検出可能な残存球排出口センサ94(図18に図示)が設けられており、遊技制御装置30はこの残存球排出口センサ94からの情報に基づき、変動入賞装置80から流出するすべての遊技球を検出できるようになっている。
また、変動入賞装置80における流入口86,86の近傍と床部の下側には、磁気を検出する磁気センサ17が設けられている。さらに、変動入賞装置80の近傍には、遊技機に与えられた振動を検出する振動センサ18が設けられている。なお、変動入賞装置80に設けられた磁気センサ17は、主に磁石によって遊技球の流下方向を変化させて特別入賞口へ入賞させることを目的とする不正行為を検出の対象としている。また、振動センサ18は、主に遊技機300に振動を与えることで遊技球の流下方向を変化させ、特別入賞口へ入賞させることを目的とする不正行為を検出の対象としている。
そして、遊技制御装置30のCPU31aは、特図変動表示ゲームの結果が大当りの場合は、特図表示器に大当りの結果態様を表示するとともに、特別遊技状態を発生させる処理を行う。この特別遊技状態を発生させる処理では、変動入賞装置80への遊技球の流入を通常遊技状態よりも容易にするとともに、所定の終了条件の成立に基づき終了するラウンド遊技を所定回数繰り返し行う制御を行う。すなわち、可動部材SOL87aにより変動入賞装置80の可動部材87,87を開放し、変動入賞装置80内への遊技球の流入を通常遊技状態よりも容易とする制御を行う。また、所定の終了条件として、変動入賞装置80に所定個数(例えば10個)の遊技球が入賞するか、変動入賞装置80の開放から所定時間が経過するかの何れかの条件が成立したことに基づきラウンド遊技終了する制御を行う。また、このラウンド遊技を、所定回数(例えば15回)繰り返し行う制御(サイクル遊技)を行う。そして、ラウンド遊技を所定回数行った後、この特別遊技状態中に変動入賞装置80内へ流入したすべての遊技球が、残存球排出口センサ94により検出されたこと、つまり、すべて排出されたことに基づき当該特別遊技状態を終了する制御を行う。
また、特図変動表示ゲームの結果が小当たりの場合は、特図表示器に小当りの結果態様を表示するとともに、補助ゲームとしての第二補助ゲームを発生させる処理を行う。この補助ゲームとしての第二補助ゲームを発生させる処理においては、例えば、可動部材SOL87aにより変動入賞装置80の可動部材87,87を開放し、変動入賞装置80内への遊技球の流入を可能とする制御を行う。そして変動入賞装置80に流入した遊技球が特別入賞口に流入し、特定領域センサ90で検出された場合は、上述の特別遊技状態を発生させる処理を行う。また、変動入賞装置80に流入した遊技球が特別入賞口に流入せず、かつ、流入した遊技球の全てが残存球排出口センサ94で検出された場合は、次回の特図変動表示ゲームを実行可能とする処理を行う。なお、特図変動表示ゲームの結果がはずれの場合は、特図表示器にはずれの結果態様を表示する制御を行う。
また、遊技制御装置30のCPU31aは、各種入賞口に設けられたセンサ(始動口SW7e,7f,7g、右カウントセンサ88a、左カウントセンサ88b、入賞口SW12a)から入力される遊技球の検出信号に基づき、排出発射制御装置50に制御信号(賞球数データ)を出力する。排出発射制御装置50は、制御信号の入力に基づき排出装置51を制御して所定数の遊技球が払い出されるようにする。
以上のような構成を有する遊技機300での異常検出とその報知は、上述の実施形態および変形例で説明した処理により行うことができる。すなわち、いわゆる第2種タイプ(羽根物タイプ)の遊技機にも本発明を適用可能である。
以上のような遊技機100は、遊技領域1aに遊技球を発射して遊技を行う遊技機100であって、当該遊技機100における異常を検出する異常検出手段(磁気センサ17、振動センサ18)と、異常検出手段による異常の検出に基づき異常検出情報を外部(管理装置200)に出力する外部出力手段(遊技制御装置30)と、異常検出手段による異常の検出に基づき異常報知を行う報知手段(演出制御装置40)と、所定の異常監視期間を設定する監視期間設定手段(遊技制御装置30)と、所定条件の成立に基づき遊技を停止する遊技停止手段(遊技制御装置30、演出制御装置40)と、遊技者が操作可能な操作手段(操作ボタン158)と、を備え、異常監視期間外における異常検出手段による異常の検出に基づき、外部出力手段が異常検出情報として第1異常検出情報を出力し、報知手段が異常報知として第1異常報知を行い、監視期間設定手段が異常監視期間を設定するように構成され、異常監視期間内における異常検出手段による異常の検出に基づき、外部出力手段が異常検出情報として第2異常検出情報を出力し、報知手段が異常報知として第2異常報知を行い、遊技停止手段が遊技を停止するように構成され、報知手段は、第1異常報知の報知中に操作手段が操作されることに基づき該第1異常報知を終了する報知終了手段(演出制御装置40)を備えている。
したがって、異常監視期間外における異常の検出に基づき、第1異常検出情報を出力し、第1異常報知を行い、異常監視期間を設定するように構成され、異常監視期間内における異常の検出に基づき、第2異常検出情報を出力し、第2異常報知を行い、遊技を停止するように構成され、報知手段は、第1異常報知の報知中に操作手段が操作されることに基づき該第1異常報知を終了する報知終了手段を備えるので、善意の遊技者に不愉快な思いをさせず、悪意のある、不正に利益を得ようとしている遊技者のみを確実に排除できる。すなわち、異常の検出に基づいてすぐに遊技を停止するのではなく、まず、第1異常報知をし、その後、再び異常を検出した際に遊技を停止するので、例えば、不正の意図無く遊技機に振動を与えてしまった場合に遊技が停止してしまう可能性が低く、善意の遊技者に不愉快な思いをさせることや無用な遊技の中断を防止できる。
また、操作手段の操作により第1異常報知を終了できるようにしているので、異常を検出したことを遊技者に確認させることができ、以降の遊技に対して注意を促すことができて、善意の遊技者に不愉快な思いをさせることや無用な遊技の中断を防止できる。また、悪意のある、不正に利益を得ようとしている遊技者は、第1異常報知が終了したことで、すべての異常状態が解除されたと思い、再び不正行為を行うが、このときには遊技が停止されるようになるので、継続して何度も不正を行おうとする非常に悪意のある遊技者を、特に効果的に排除することができる。また、異常の把握と遊技の停止が時間差をもって行われることとなるので、その時間に店員を異常検出があった遊技機まで行かせて、実際に不正な利益を得る現場を押さえることができる。
また、報知手段(演出制御装置40)は、異常報知としての第1異常報知を所定時間行うものとし、遊技停止手段(演出制御装置40)は、第1異常報知を行う所定時間が経過するまでに操作手段(操作ボタン158)の操作が行われなかった場合に遊技を停止するようにしている。
したがって、報知手段は異常報知としての第1異常報知を所定時間行うものとし、遊技停止手段は第1異常報知を行う所定時間が経過するまでに操作手段の操作が行われなかった場合に遊技を停止するので、異常を検出したことを確実に遊技者に確認させることができる。
また、遊技領域1aに、遊技に関する画像を表示する表示部42を有する変動表示装置41を備え、報知手段(演出制御装置40)は、表示部42で異常報知を行うようにしている。
したがって、遊技領域1aに、遊技に関する画像を表示する表示部42を有する変動表示装置41を備え、報知手段は表示部42で異常報知を行うので、異常を検出したことを確実に報知できる。
また、監視期間設定手段(遊技制御装置30)は、所定条件の成立に基づき異常監視期間を終了する初期化手段(遊技制御装置30)を備えている。
したがって、監視期間設定手段は、所定条件の成立に基づき異常監視期間を終了する初期化手段を備えたので、関連性の低い2つの異常検出に基づき遊技が停止されてしまうことを防止でき、遊技者に不愉快な思いをさせることや無用な遊技の中断を防止できる。例えば、2つの異常検出の間に長い時間があって、明らかに遊技者の不注意による異常検出であることが分かる場合や、異なる遊技者の行為による異常検出である場合に遊技が停止されてしまうことを防止できる。
また、遊技者を特定可能な生体情報を検出する生体情報検出手段(生体情報センサ159)と、該生体情報検出手段により検出された生体情報を記憶する生体情報記憶手段(遊技制御装置30)と、を備え、初期化手段(遊技制御装置30)は、生体情報記憶手段に生体情報が記憶されている場合に、該記憶されている生体情報と、生体情報検出手段により新たに検出された生体情報と、が一致しない場合に異常監視期間を終了するようにしている。
したがって、遊技者を特定可能な生体情報を検出する生体情報検出手段と、該生体情報検出手段により検出された生体情報を記憶する生体情報記憶手段と、を備え、初期化手段は、生体情報記憶手段に生体情報が記憶されている場合に、該記憶されている生体情報と、生体情報検出手段により新たに検出された生体情報と、が一致しない場合に異常監視期間を終了するので、関連性の低い2つの異常検出に基づき遊技が停止されてしまうことを防止でき、遊技者に不愉快な思いをさせることや無用な遊技の中断を防止できる。すなわち、遊技者の交代を確実に検出できるので、異なる遊技者の行為による異常検出である場合に遊技が停止されてしまうことを防止できる。
また、報知手段(演出制御装置40)は、第1異常報知を行っている期間と、遊技の演出において操作手段による操作を受付可能である期間とが重複する場合に、第1異常報知を行う時間を所定時間よりも延長する延長手段(演出制御装置40)を備えている。
したがって、報知手段は第1異常報知を行っている期間と、遊技の演出において操作手段による操作を受付可能である期間とが重複する場合に、第1異常報知を行う時間を所定時間よりも延長する延長手段を備えるので、遊技の興趣を損なうことなく異常報知を行うことができる。
また、操作手段(操作ボタン158)は、第1異常報知を終了させるための操作である第1の操作と、遊技の演出に関連した操作である第2の操作と、が可能であり、第1の操作と第2の操作の操作態様が異なるようにしている。
したがって、操作手段は、第1異常報知を終了させるための操作である第1の操作と、遊技の演出に関連した操作である第2の操作と、が可能であり、第1の操作と第2の操作の操作態様が異なるので、誤って意図しない操作を行ってしまうことを防止できる。
また、監視期間設定手段(遊技制御装置30)は、第1異常報知を終了するための操作手段(操作ボタン158)の操作に基づき異常監視期間を開始するようにしている。
したがって、監視期間設定手段は、第1異常報知を終了するための操作手段の操作に基づき異常監視期間を開始するので、善意の遊技者に不愉快な思いをさせず、悪意のある、不正に利益を得ようとしている遊技者のみを確実に排除できる。すなわち、操作手段の操作により第1異常報知を終了させた場合は、遊技者が異常を検出されたことを確認した場合であるので、それでもなお異常を検出した場合は、不正に利益を得ようとしている遊技者である可能性が高い。よって、異常監視期間を操作手段の操作に基づき開始することで、継続して何度も不正を行おうとする非常に悪意のある遊技者を、特に効果的に排除することができる。
なお、本発明の遊技機100は、遊技機として、前記実施の形態に示されるようなパチンコ遊技機に限られるものではなく、例えば、その他のパチンコ遊技機、アレンジボール遊技機、雀球遊技機などの遊技球を使用する全ての遊技機に適用可能である。
また、今回開示された実施の形態はすべての点で例示であって制限的なものではないと考えられるべきである。本発明の範囲は上記した説明ではなくて特許請求の範囲によって示され、特許請求の範囲と均等の意味および範囲内でのすべての変更が含まれることが意図される。