JP4873466B2 - 層状物質及びこれを用いた半導体装置 - Google Patents
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Description
図1は、国際半導体技術ロードマップITRS(International Technology Roadmap for Semiconductors)の2005年版に基づいて、今後のトランジスタの微細化推移を示したものである(非特許文献1)。
この図には、最も高速性が要求されるマイクロプロセッサに用いられるトランジスタの場合が示してあるが、現時点で、ゲート長は既に50 nm以下のナノメータ領域に突入している。このトレンドを維持するには、例えば2010年にゲート長を20 nm程度に縮小する必要がある。
つまり、短チャネル効果である。短チャネル効果の本質的な解決には、図2(b)のように、埋め込み酸化膜上にSiの単結晶薄膜を設けたSOI (Silicon On Insulator)を用い、ゲート電極から離れた基板部分を流れる電流成分をなくしてしまうことが有効である。
ITRSでも順次、これらの構造の採用が見込まれているが、短チャネル効果の抑制のためには、SOI層の厚さをゲート長の1/3程度以下に薄膜化する必要がある。
つまり、図1のように、2012年には量産レベルで5 nm以下に、2019年では2 nm以下にしなければならない。
しかし、このような極薄膜では、膜厚のばらつきや膜界面に存在する固定電荷での散乱により、キャリアの移動度が大幅に低下することが、大きな問題となっている(非特許文献2)。
従来技術では、SOIを作製するのに、2枚のシリコンウェーハを酸化膜を介して貼り合わせ、1枚のウェーハを研磨やエッチングにより薄膜化する方法や、シリコンウェーハの表面から酸素イオンを高濃度に注入し、ウェーハ内部に酸化膜を形成する方法を用いる。
これらの従来技術では、数原子層の厚さの極薄膜Si層を、膜厚の揺らぎや界面準位の発生なしに作製することは本質的に困難である。
しかし、上記特許文献1及び非特許文献4において、グラファイト状シリコンカーバイド薄膜が半導体であることを示す根拠が示されていない。
また、上記特許文献1に開示された発明の実施の形態では、シリコンカーバイド結晶の(111)表面から剥離したグラファイト状シリコンカーバイド薄膜はそのままでは不安定なので、層の端に出来たダングリングボンドを解消すべくチューブ状構造をとる。
さらに、非特許文献4、5及び6によれば、シリコン原子をグラファイト状に1層のみ配置した層状物質も不安定である。
また遷移金属内包シリコンクラスターが特許文献2、3に開示されている。しかし特許文献2、3に開示されたシリコンクラスターからなる層は、超微粒子を単に積層したものであって、2次元方向に周期的に繰り返す結晶構造を有する層状物質が得られているとはいえない。
(1)元素Aによるグラファイト状の6方格子の原子網からなる2つの層と、これら2つの層の中間に、元素Tが上記2つの層への投影位置が6方格子の中心に位置するように配置された層との3層で単位層が構成され、上記単位層が2次元方向に周期的に繰り返す結晶構造を有することを特徴とする層状物質。
ただし、元素Aは、炭素、シリコン又はゲルマニウムから選択される元素とし、また元素Tは、遷移金属元素とする。
(2)元素Aがシリコンであり、元素TがMo又はZrであることを特徴とする層状物質。
(3)元素Tの一部が、価電子数が元素Tより1つ少ないか1つ多い元素により置換されていることを特徴とする層状物質。
(4)元素Tの一部が、価電子数が元素Tより1つ少ないか1つ多い元素により部分的に置換されていることを特徴とする層状物質。
(5)元素Tの一部が、価電子数が元素Tより1つ少ないか1つ多い元素により層状物質全体にわたって均等に置換されていることを特徴とする層状物質。
(6)(1)〜(5)のいずれかに記載の層状物質を含むことを特徴とする半導体装置。
(7)元素Tの一部が、価電子数が元素Tより1つ少ない元素により置換されている(1)又は(2)に記載の層状物質と、元素Tの一部が、価電子数が元素Tより1つ多い元素により置換されている(1)又は(2)に記載の層状物質とが接合を形成していることを特徴とする半導体装置。
本発明によれば、IV族元素と遷移金属からなる3原子層の厚さを持つ層状物質を安定に作ることができる。
特に、層状物質の電気伝導性を遷移金属元素の選択によって制御することができるため、この層状物質を用いて極微細な寸法をもつ半導体装置に応用することができる。
図4において、記号3及び記号4はそれぞれ最もエネルギーの低い伝導帯及び最もエネルギーの高い価電子帯である。
図4において明らかなように、最もエネルギーの低い伝導帯と最もエネルギーの高い価電子帯の間には約0.3 eVの間接ギャップがある。このエネルギーギャップのため、図3に示す層状物質は真性半導体である。
また、上記n型半導体の層状物質とp型半導体の層状物質を作成して両者を接合させると、層状物質によるpn接合を作ることができる。
さらに、層状物質に含まれるジルコニウム原子の数に対するニオブ原子あるいはイットリウム原子の数の比率を多くしていくと、層状物質による金属を作ることができる。
図5の層状物質の価電子は、基底状態において、図4の中で示された点線よりも低いエネルギーに分布するエネルギー帯(価電子帯)の状態を取る一方、点線よりも高いエネルギーを持つエネルギー帯(伝導帯)の状態を取らない。
図6においても、図4と同様に、最もエネルギーの低い伝導帯と最もエネルギーの高い価電子帯の間には約0.1 eVの間接エネルギーギャップがある。このことから、図5に示す層状物質も真性半導体である。
一方、層状物質に含まれるモリブデン原子の1個をニオブ(Nb)原子に置き換えると、ニオブ原子の価電子数がモリブデン原子の価電子数よりも1だけ少ないため、図6の記号8で示される価電子帯に正孔がドープされ、この層状物質はp型半導体となる。
また、上記n型半導体の層状物質とp型半導体の層状物質を作成して両者を接合させると、層状物質によるpn接合を作ることができる。
さらに、層状物質に含まれるモリブデン原子の数に対するテクネチウム原子あるいはニオブ原子の数の比率を多くしていくと、層状物質による金属を作ることができる。
(1)シリコン基板表面上へ遷移金属原子を電子ビーム蒸着を用いて堆積し、シランガスと反応させた後に熱処理する方法、
(2)シランガス中で遷移金属原子をレーザアブレーションして遷移金属原子内包シリコンクラスターを形成させ、クラスターをシリコン基板上に堆積した後に熱処理する方法、等により得ることができ、得られた層状物質の構造は、反射電子線回折等を用いて確認することができる。
a.2.0×10-7Pa以下の超高真空中で、(111)方位のSi基板を1200℃以上で加熱の後、室温まで降温し、7×7構造の再配列表面を作製する。
b.上記Si基板に電子ビーム蒸着を用いて、モリブデン又はジルコニウムのうちいずれかの遷移金属原子を表面密度3.2×1011/cm2で堆積する。遷移金属原子の堆積後に400℃ないし600℃で加熱する。
c.得られた試料に、室温で、SiH4を1.3×10-5Paで1000秒以上曝露する。
d.次に試料を600℃で5分以上加熱し、Hを完全に脱離することで、層状物質が形成される。
a.2.0×10-7Pa以下の超高真空中で、(111)方位のSi基板を1200℃以上で加熱の後、室温まで降温し、7×7構造の再配列表面を作製する。
b.1Paないし10Pa程度のSiH4ガス雰囲気中で、20×20 mm、厚さ1mmの板状のタングステン又はハフニウムのうちいずれかの遷移金属原子ターゲットに532nmYAG laser(繰り返し周波数10Hz, 200mJ/pulse)を、0.5 J/cm2ないし4J/cm2程度になるようにレンズでフォーカスし照射することで、遷移金属原子のレーザーアブレーションを起こす。ターゲットから放出した遷移金属原子は、SiH4と反応し、層状物質の単位構造となる遷移金属内包シリコンクラスターを形成する。ターゲットと対向した位置に上記a.で準備したSi基板を設置しておくことで、それらのクラスターを表面に堆積する。
なお、ここで述べた遷移金属内包シリコンクラスターは特許文献2に記載のシリコンクラスターと同一である。しかし、その製造方法はレーザーアブレーションを用いるものであり、特許文献2に記載の電子ビームでイオン化して得られる遷移金属イオンとSiH4ガスとを反応させる方法とは異なる。
c.上記b.の試料を600℃で5分以上熱処理し、Hの脱離、クラスターの配列を行い、層状物質を形成する。
なおタングステン、ハフニウムだけでなく、モリブデン及びジルコニウムのレーザーアブレーションも可能である。またその他の元素についても同様に適用することができる。
Claims (7)
- 元素Aによるグラファイト状の6方格子の原子網からなる2つの層と、これら2つの層の中間に、元素Tが上記2つの層への投影位置が6方格子の中心に位置するように配置された層との3層で単位層が構成され、上記単位層が2次元方向に周期的に繰り返す結晶構造を有することを特徴とする層状物質。
ただし、元素Aは、炭素、シリコン又はゲルマニウムから選択される元素とし、また元素Tは、遷移金属元素とする。 - 元素Aがシリコンであり、元素TがMo又はZrであることを特徴とする請求項1に記載の層状物質。
- 元素Tの一部が、価電子数が元素Tより1つ少ないか1つ多い元素により置換されていることを特徴とする請求項1又は2に記載の層状物質。
- 元素Tの一部が、価電子数が元素Tより1つ少ないか1つ多い元素により部分的に置換されていることを特徴とする請求項1又は2に記載の層状物質。
- 元素Tの一部が、価電子数が元素Tより1つ少ないか1つ多い元素により層状物質全体にわたって均等に置換されていることを特徴とする請求項1又は2に記載の層状物質。
- 請求項1乃至5のいずれか1項に記載の層状物質を含むことを特徴とする半導体装置。
- 元素Tの一部が、価電子数が元素Tより1つ少ない元素により置換されている請求項1又は2に記載の層状物質と、元素Tの一部が、価電子数が元素Tより1つ多い元素により置換されている請求項1又は2に記載の層状物質とが接合を形成していることを特徴とする半導体装置。
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