JP4873054B2 - 成形レンズ - Google Patents
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Description
これら光学素子は、レンズ成形用の金型のキャビティ内に溶解樹脂を射出して成形される場合が多い。以下、本明細書中においては、金型を用いた射出成形により製造される光学素子を「成形レンズ」と表記する。
ところが、近年ではさらなる光ピックアップ装置の小型化が要求されており、特許文献1の成形レンズよりもさらに小型の成形レンズが求められているという問題がある。
このバリが、レンズの外周面から径方向に突出している場合があるが、円形状の外形を有する一般的な成形レンズ100では、カートリッジ200内に連続して収納されている状態であっても、各レンズ100は、上記空隙202部分で保持された状態で、光軸に直交する水平面内で回転自在となっているので、前後する2つの成形レンズ100のバリ同士が当接して破損する事態は生じにくい。
この場合に、バリ301(図4(b)を参照)がレンズ300の外周面(切欠き部分以外の箇所)から径方向に突出する場合には、各レンズ300は左右の壁体201によって、光軸に直交する水平面内での移動が規制された状態となっているので、前後する2つの成形レンズのバリ301同士が当接して破損する結果、破損したバリ301の一部がレンズ300の光学面に付着してしまうおそれがあった。
また、バリ301がレンズ300の表面から光軸方向に突出するように形成される場合があるが、このような場合でも、上記カートリッジ200内におけるバリ301の破損という問題があると共に、例えば、レンズ300の両面のうち、位置決め用に用いられる側の面(基準面)にバリ301が形成されている場合には、バリ301により位置決め精度が悪化するという問題がある。
請求項2に記載の発明によれば、請求項1と同様の効果を得られる。
請求項3に記載の発明によれば、請求項1と同様の効果を得られると共に、光軸を中心とした半径R1(R2)の略円形状の成形レンズの一部を切り欠くことにより短くなった部分の長さHと半径R1との比(H/R1)を小さくすることにより、成形レンズの小型化を十分に達成できる一方で、小さく設定し過ぎると、成形レンズが光軸に直交する方向に長くなり、射出成形時に、溶解樹脂を金型キャビティ内に完全に充填できなくなるおそれが生じる。
請求項5に記載の発明は、請求項1〜4のいずれか一項に記載の成形レンズであって、前記成形レンズは、コリメータ又はカップリングレンズであることを特徴とする。
以下、図面を用いて本発明の成形レンズの実施の形態について説明する。
なお、各図面において、Xは成形レンズの光軸L方向、Yは光軸Lと直交する方向、ZはX方向とY方向とが互いに直交する方向をそれぞれ示すものとする。
図1に示すように、成形レンズ10は入射面20、出射面30、フランジ部40とを備える。
また、成形レンズ10の光学面のうち、入射面20側の光学面を第1光学面21、出射面30側の光学面を第2光学面31とする。
さらに、入射面20側において、光軸Lを中心とした略円形の第1光学面21の周縁の一部が、第1直線部11及び第2直線部12により切り欠かれており、出射面30側において、光軸Lを中心とした略円形の第2光学面31の周縁の一部が、第1直線部11及び第2直線部12により切り欠かれている。
なお、光源から出射されて入射面20に至る光束のうち、第1光学面21の切り欠かれている部分に到達した光束は、出射面30の第2光学面31から出射されず、光情報記録媒体の情報記録面上に集光スポットを形成しないことになるが、通常、光源からの光束の全てが集光スポットを形成するわけではなく、例えば、対物レンズの入射面近傍に配置した絞りにより、必要開口数以外の領域を通過する光束は遮断されることから、このように、第1光学面21の切り欠かれている部分に到達した光束を、集光スポットの形成に利用しないものとしても、光ピックアップ装置の性能が悪化することにはならない。なお、第1直線部11と第2直線部12との間隔は、光ピックアップ装置が使用される光情報記録媒体の種類や光束の波長等に応じて、設計により適宜調節するものとする。
また、|H1−H2|>0.1とする、つまり、H1とH2の長さの差を0.1以上とすることにより、射出成形作業において、成形レンズ10の入射面20を含む部分を成形するための金型(第1金型)と、成形レンズ10の出射面30を含む部分を成形するための金型(第2金型)とを合体させる際に、これら2つの金型間に生じる相対的な位置ずれを吸収することができ、射出成形作業の作業性を向上できる。
また、本実施の形態に示した成形レンズ10は、光ピックアップ装置を構成する、例えば、コリメータ、カップリングレンズ、補正板、像側開口数が比較的小さい(NA=0.45程度)対物レンズに対してより好適に使用できる。
次に、図2を用いて、本発明に係る成形レンズ10及び成形レンズ金型の実施の形態について説明する。
本実施の形態の成形レンズ10は、上記第1の実施の形態の成形レンズ10と同様に、その外周形状が、第1直線部11、第2直線部12、2つの円弧部13、14から構成されている。なお、入射面20及び出射面30の周縁を覆う位置にはフランジ部40が形成されている。
そして、射出成形によりこの成形レンズ10を製造する際に、金型キャビティ内に設けられている空気退避用の開口部内に溶解樹脂が浸入して凝固することにより生じるバリ50が、2つの円弧部13、14のうち一方の円弧部の側面の2箇所から突出して設けられている。なお、バリ50については周知であるため詳しい説明を省略する。
このようにバリ50を設けることにより、第1直線部11及び第2直線部12を、箱状のカートリッジの左右の壁体の一部に当接させて、複数の成形レンズ10を保持する場合でも、前後する2つの成形レンズ10は、互いの円弧部1314で当接することになり、バリ50同士が接触することがない。従って、バリ50同士が当接することにより、破損したバリ50の一部が成形レンズ10の光学面に付着する事態を未然に防止できる。
また、このようなバリ50を備える成形レンズ10を成形するためには、図示は省略するが、金型(成形レンズ金型)を構成する、成形レンズ10の入射面20を含む部分を成形するための第1金型と成形レンズ10の出射面30を含む部分を成形するための第2金型のうち、いずれか一方の金型のキャビティ内に空気退避用の開口部を設ければ良い。
なお、本実施の形態に示した成形レンズ10は、光ピックアップ装置を構成する、例えば、コリメータ、対物レンズに対してより好適に使用できる。
次に、本発明に係る成形レンズ10及び成形レンズ金型60の実施の形態について説明する。
本実施の形態の成形レンズ10は、上記第2の実施の形態の成形レンズ10(図2を参照)と同様に、その外周形状が、第1直線部11、第2直線部12、2つの円弧部13、14から構成されている。さらに、光軸Lを中心とした略円形の第1光学面21及び第2光学面31の周縁の一部が、第1直線部11及び第2直線部12により切り欠かれている。なお、本実施の形態の成形レンズ10においては、第1光学面21と第2光学面31の周縁の一部が第1直線部11及び第2直線部12により切り欠かれている必要は無く、一般的に用いられている光軸Lを中心とした略円状の外形を有する成形レンズ10であってもよい。
また、入射面20及び出射面30の周縁を覆う位置にフランジ部40が形成されている。
基準面Kは入射面20よりも光軸L方向に突出するように成形されている。
図3(b)に示すように、成形レンズ10の入射面20を含む部分を成形するための第1金型61は、スリーブ61aと、このスリーブ61aに対して相対的に光軸L方向に移動することにより、射出成形後の成形レンズ10の入射面20に当接した状態で、成形レンズ10を金型から押出すコア61bで構成されている。
この第1金型61と、成形レンズ10の出射面30を含む部分を成形するための第2金型62とにより、成形レンズ金型60が構成されている。
通常、コア61bの移動(摺動)をスムーズに行なうために、スリーブ61aの内周面上端とコア61bの外周面上端との当接部分に空隙62が設けられている。
また、この空隙62は、コア61bの摺動性を確保するためだけではなく、金型キャビティ内に溶解樹脂を射出した際の空気退避用としても用いられている。
従って、この空隙62の光軸L方向の長さを調節することで、空隙62内に溶解樹脂が浸入して凝固することにより生じるバリ50を、入射面20の周縁から光軸L方向に突出するように、かつ、基準面Kよりも光軸L方向に突出しないように設けることができる。
これにより、例えば、カートリッジ内におけるバリ50の破損を未然に防止できると共に、基準面Kに形成されているバリ50により、成形レンズ10の位置決め精度が悪化する事態を防止できる。
なお、本実施の形態に示した成形レンズ10は、光ピックアップ装置を構成する、例えば、コリメータ、カップリングレンズ、補正板、対物レンズ等に対してより好適に使用できる。
11 第1直線部
12 第2直線部
13 円弧部
14 円弧部
20 入射面
21 第1光学面
30 出射面
31 第2光学面
40 フランジ部
50 バリ
61 第1金型
61a スリーブ
61b コア
62 第2金型
Claims (5)
- 第1光学面を有する入射面と、第2光学面を有する出射面とを備え、外周形状が、光軸を含む平面に対して略平行な第1直線部と、該第1直線部と平行かつ前記平面を挟んで対称な第2直線部と、前記第1直線部と第2直線部の端部同士を連設する2つの円弧部とから構成される光ピックアップ装置用の成形レンズであって、
光軸を中心とした略円形の第1光学面及び第2光学面の周縁の一部が、前記第1直線部及び前記第2直線部により切り欠かれており、
前記第2光学面は、前記第1直線部と前記第2直線部に接していないことを特徴とする成形レンズ。 - 請求項1に記載の成形レンズであって、
前記2つの円弧部の曲率半径をそれぞれR1、R2と規定した場合に、
R1=R2
を満たすことを特徴とする成形レンズ。 - 請求項1又は2に記載の成形レンズであって、
前記第1直線部及び前記第2直線部により切り欠かれている、光軸を中心とした略円形の第1光学面及び第2光学面の周縁部分の距離をHと規定した場合に、
1<H/R1<2
を満たすことを特徴とする成形レンズ。 - 請求項1〜3のいずれか一項に記載の成形レンズであって、
前記第1直線部と前記第1光学面とは接していることを特徴とする成形レンズ。 - 請求項1〜4のいずれか一項に記載の成形レンズであって、
前記成形レンズは、コリメータ又はカップリングレンズであることを特徴とする成形レンズ。
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