JP4872763B2 - 電解コンデンサ用電極材 - Google Patents

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本発明は、電解コンデンサ用電極材に関し、さらに詳しくは従来にない高静電容量特性を有する電解コンデンサ用電極材に関する。
近年、電子機器の小型化、高信頼性化に伴い、電解コンデンサに対する小型化、高容量化が強く要望されている。
電解コンデンサは、一般的には帯状の高純度のアルミニウム箔に、化学的あるいは電気化学的にエッチング処理を施して、アルミニウム箔表面を拡大させるとともに、このアルミニウム箔をアジピン酸アンモニウム水溶液等の化成液中にて化成処理して表面に酸化皮膜層を形成させた陽極電極箔と、エッチング処理のみを施した高純度のアルミニウム箔からなる陰極電極箔とを、マニラ紙等からなるセパレータを介して巻回してコンデンサ素子を形成する。そして、このコンデンサ素子は、電解コンデンサ駆動用の電解液を含浸した後、アルミニウム等からなる有底筒状の外装ケースに収納する。外装ケースの開口部には弾性ゴムからなる封口体を装着し、絞り加工により外装ケースを密封している。
このようなアルミ電解コンデンサにおいて、その静電容量を高めるためには、エッチング箔の実効表面積を拡大し単位面積当たりの静電容量の向上を図っており、エッチング箔の実効表面積を拡大させるエッチング技術の開発が行われている。このようなエッチング技術としては、エッチング液の組成やエッチング時に印加する電流波形の開発が行われている。。(特許文献1、2)
また、エッチング層を圧下することによって、さらに静電容量を向上させる技術がある。(特許文献3)
特開2005−203529号公報 特開2005−203530号公報 特開平10−189398号公報
ところで、このような電極箔を用いる電解コンデンサは車載用途に用いられるようになっている。車載用途では、車両への搭載スペースに限界があり、用いられる電子部品のスペースは限られている。しかしながら、車載用電子制御機器は多機能化しており、特に、エアバックは運転席から助手席、サイド、カーテンと数が増し、その作動のエネルギー源に用いられる電解コンデンサにはますます大きな静電容量が要求されている。
しかし、前述したように電解コンデンサの搭載スペースには限界があり、これまでと同一サイズでの大容量が求められており、運転席からカーテンまですべてをまかなうには、現在のエッチング技術による電極箔では対応することができないほどの静電容量が必要である。
そこで、本発明は従来のエッチング箔では達成することのできない静電容量の大きな電解コンデンサ用電極材を提供することをその目的とする。
本発明の第一の電解コンデンサ用電極材は、表面に酸化皮膜を有する弁金属粒子層を空隙率20〜60%、比表面積30×103cm2/cm3〜400×103cm2/cm3とし、前記弁金属粒子がその粒子径を少なくとも0.005〜0.1μmの範囲で所定の分布をもって混在して、表面張力が45mN/m以上のアルミニウム基材の表面に形成した電極材であって、基材と弁金属粒子層との接合性が良好で、従来の電極箔の数倍の静電容量を有している。
さらに、前記電極材は、前記弁金属粒子の一次粒子が、その粒子径を少なくとも0.005〜0.1μmの範囲で所定の分布をもって混在している。粒径の小さい粒子によって静電容量は高くなり、粒径の大きい粒子によって空隙が確保できるので電解コンデンサを作成した後電解液との反応で生成される酸化皮膜による目詰まりを抑制することができる。
また、本発明の電解コンデンサ用電極材は、弁金属がアルミニウムであり、表面に酸化皮膜を有する弁金属粒子層のAl/O組成比が2.0〜5.5であるので、静電容量の安定性を有することができ、さらにこの組成比の酸素の含有率によって弁金属粒子同士の接合性が向上する。
本発明の第二の電解コンデンサ用電極材は、表面に酸化皮膜を有する弁金属粒子層を空隙率20〜60%、比表面積20×103×cm2/cm3〜70×103cm2/cm3とし、前記弁金属粒子が粒子径0.2μm以上のものを含んで、表面張力が45mN/m以上のアルミニウム基材の表面に形成した電解コンデンサ用電極材であって、基材と弁金属粒子層との接合性が良好で、従来の電極箔では実現できない静電容量を有している。
さらに、前記電極材は、弁金属粒子層に粒子径が0.2μm以上の表面に酸化皮膜を有する弁金属粒子を含んでいるので、弁金属粒子間に大きな空隙を設けることができる。したがって、陽極化成によって陽極酸化皮膜を形成した際に、酸化皮膜によって空隙が埋まってしまうというようなことが抑制され、高い静電容量を得ることができる。
また、本発明の電解コンデンサ用電極材は、弁金属がアルミニウムであり、表面に酸化皮膜を有する弁金属粒子層のAl/O組成比が2.0〜125であるので、静電容量の安定性を有することができ、さらにこの組成比の酸素の含有率によって弁金属粒子同士の接合性が向上する。
本発明の電極材は、エッチング技術による電極箔では実現できない静電容量特性を有している。
そして、アルミニウム基材の表面張力が45mN/m以上であるので、弁金属粒子とアルミニウム基材の接合性が良好であり、その結果、弁金属粒子層とアルミニウム基材との接合性が良好で、電解コンデンサ製造時、使用時のストレスのよる弁金属粒子層とアルミニウム基材の剥離を防止することができる。
以上のように、本発明の電解コンデンサ用電極材は、基材と弁金属層の接合性が良好で、高い静電容量を有し、この電解コンデンサ用電極材を陰極に、またはこの電解コンデンサ用電極材を陽極酸化して陽極に用いることによって、従来にない高い静電容量を有する電解コンデンサを実現することができる。
本発明の第一の電解コンデンサ用電極材は、表面に酸化皮膜を有する弁金属粒子層を有する電極材であって、弁金属粒子層の空隙率は、20〜60%、好ましくは25〜55%、さらに好ましくは30〜50%である。そして、比表面積は、30×103cm2/cm3〜400×103cm2/cm3、好ましくは70×103〜400×103cm2/cm3、さらに好ましくは90×103〜400×103cm2/cm3である。
比表面積は本発明の電極材に静電容量を有する皮膜を形成し、同様の皮膜を形成したプレーン箔の静電容量と面積から算出する。また、空隙率は水銀圧入法で測定することができる。
また、前記電極材は、前記弁金属粒子の一次粒子が、その粒子径を少なくとも0.005〜0.1μmの範囲で所定の分布をもって混在している。このような小さな粒子によって高い静電容量が得られ、大きな粒子によって空隙が確保できるので電解コンデンサを作成した後電解液との反応で生成される酸化皮膜による目詰まりを抑制することができる。したがって、粒径の小さい粒子の数を多くすることによって、静電容量の大きな電極材が得られ、粒径の大きい粒子の数を多くすることによって静電容量の安定性を高めることができる。
また、前記電極材は、弁金属がアルミニウムであり、表面に酸化皮膜を有する弁金属粒子層のAl/O組成比が2.0〜5.5である。Al/O組成比は、GDS分析によって測定、算出することができる。
前記電極材は、陰極として用いると好適であるが、陰極化成を施してもよい。さらに極低圧の陽極化成を施すことによって電解コンデンサ用陽極材として用いることもできる。化成方法は通常電解コンデンサ用アルミニウム箔の化成方法と同様の化成方法を用いることができる。
本発明の第二の電解コンデンサ用電極材は、表面に酸化皮膜を有する弁金属粒子層を有する電極材であって、弁金属粒子層の空隙率は、20〜60%、好ましくは22〜58%、さらに好ましくは25〜55%である。そして、比表面積は、20×103cm2/cm3〜70×103cm2/cm3、好ましくは30×103〜60×103cm2/cm3、さらに好ましくは35×103〜55×103cm2/cm3である。
また、前記電極材は、弁金属粒子層に粒子径が0.2μm以上の表面に酸化皮膜を有する弁金属粒子を含んでいるので、弁金属粒子間に大きな空隙を設けることができる。したがって、陽極化成によって陽極酸化皮膜を形成した際に、酸化皮膜によって空隙が埋まってしまうというようなことが抑制され、高い静電容量を得ることができる。
また、前記電極材は、弁金属がアルミニウムであり、表面に酸化皮膜を有する弁金属粒子層のAl/O組成比が2.0〜125であるので、静電容量の安定性を有することができ、さらにこの組成比の酸素の含有率によって弁金属粒子同士の接合性が向上する。
前記電極材は、陽極化成を施すことによって電解コンデンサ用陽極材として用いると好適である。化成方法は通常電解コンデンサ用アルミニウム箔の化成方法と同様の化成方法を用いることができる。
以上のような電極材は、通常の蒸着法によって得ることができる。表面に酸化皮膜を有する弁金属粒子層を形成するには、酸素を含む不活性ガス雰囲気内で蒸着を行う。不活性ガスとしては、アルゴン、窒素等を用いることができる。不活性ガスの圧力は0.05〜0.8Pa、酸素分圧は不活性ガスの圧力の1/10以下が好ましい。
以下に実施例により本発明をさらに具体的に説明する。
(実施例1)
表面張力が40mN/m、45mN/m、55mN/mの99.9wt%アルミニウムシートを用意し、これらのアルミニウムシートを0.1Paの圧力の窒素と窒素の圧力の1/10以下の圧力の酸素雰囲気内で、アルミニウムを蒸着し、電極材を作成した。
(実施例2)
実施例1のアルミニウムシートを0.3Paの圧力の窒素と窒素の圧力の1/10以下の圧力の酸素雰囲気内で、アルミニウムを蒸着し、電極材を作成した。その後、アジピン酸アンモニウム水溶液中で20V電圧印加によって陽極化成を行った。
(比較例1)塩酸、硫酸、硝酸の混合液を電解液に用い、周波数50Hz以下、電流密度を1A/cm2以下の交流電流を99.9wt%のアルミニウムシートに印加してエッチング処理を行いエッチング箔を作成した。
(比較例2)塩酸、硫酸、硝酸の混合液を電解液に用い、周波数20Hz以下、電流密度を1A/cm2以下の交流電流を99.9wt%のアルミニウムシートに印加してエッチング処理を行い、エッチング箔を作成した。その後、実施例と同様にして陽極化成を行った。
次いで、実施例1の電極材と実施例2の陽極化成前の電極材の表面に粘着テープ(ニチバン製 No405)を接着し、180度引き剥がし試験法により、アルミニウム基材と弁金属層の密着性について評価した。評価方法は引き剥がした後、基材表面が露出するかどうかを観察して評価した。なお、用いた粘着テープの粘着力は、18mmの粘着テープをサンプルに接着して引き剥がしを行った場合、接着面に加わる力は7.2Nである。結果は実施例1、実施例2とも、40mN/mのシートは基材が露出し、45mN/m、55mN/mのシートは基材が露出しなかった。
また、実施例、比較例の電極材の空隙率、比表面積、静電容量を(表1)に示す。
以上の結果から、アルミニウム基材の表面張力は45mN/m以上のものが好ましいことが分かる。そして、(表1)から本発明の電極材は、従来にない静電容量特性を有する電解コンデンサ用電極材であることが分かる。

Claims (4)

  1. 表面に酸化皮膜を有する弁金属粒子層を空隙率20〜60%、比表面積30×103〜400×103cm2/cm3とし、前記弁金属粒子がその粒子径を少なくとも0.005〜0.1μmの範囲で所定の分布をもって混在して、表面張力が45mN/m以上のアルミニウム基材の表面に形成した電解コンデンサ用電極材。
  2. 弁金属がアルミニウムであり、表面に酸化皮膜を有する弁金属粒子層のAl/O組成比が2.0〜5.5である請求項1記載の電解コンデンサ用電極材。
  3. 表面に酸化皮膜を有する弁金属粒子層を空隙率20〜60%、比表面積20×103〜70×103 cm2/cm3とし、前記弁金属粒子が粒子径0.2μm以上のものを含んで、表面張力が45mN/m以上のアルミニウム基材の表面に形成した電解コンデンサ用電極材。
  4. 弁金属がアルミニウムであり、表面に酸化皮膜を有する弁金属粒子層のAl/O組成比が2.0〜125である請求項3記載の電解コンデンサ用電極材。
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