JP2008091581A - 電解コンデンサ - Google Patents
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Abstract
【課題】 従来にない小型化を図った電解コンデンサを提供する。
【解決手段】 本発明の電解コンデンサは、表面に酸化皮膜を有する弁金属粒子層を空隙率20〜60%、比表面積20×103〜400×103cm2/cm3として基材の表面に形成し、前記弁金属粒子が、その粒子径を少なくとも0.005〜0.1μmの範囲で所定の分布をもって混在しているか、粒子径0.2μm以上のものを含んだ電極材を備えるコンデンサ素子内に、ジシアナミドをアニオンとする塩と、20〜80wt%のスルホランとを含む電解液を含有した電解コンデンサあり、従来にない小型化を図ることができる。
【選択図】 なし
【解決手段】 本発明の電解コンデンサは、表面に酸化皮膜を有する弁金属粒子層を空隙率20〜60%、比表面積20×103〜400×103cm2/cm3として基材の表面に形成し、前記弁金属粒子が、その粒子径を少なくとも0.005〜0.1μmの範囲で所定の分布をもって混在しているか、粒子径0.2μm以上のものを含んだ電極材を備えるコンデンサ素子内に、ジシアナミドをアニオンとする塩と、20〜80wt%のスルホランとを含む電解液を含有した電解コンデンサあり、従来にない小型化を図ることができる。
【選択図】 なし
Description
本発明は、電解コンデンサに関し、さらに詳しくは小型化を図った電解コンデンサに関する。
電解コンデンサは、一般的には帯状の高純度のアルミニウム箔に、化学的あるいは電気化学的にエッチング処理を施して、アルミニウム箔表面を拡大させるとともに、このアルミニウム箔をアジピン酸アンモニウム水溶液等の化成液中にて化成処理して表面に酸化皮膜層を形成させた陽極電極箔と、エッチング処理のみを施した高純度のアルミニウム箔からなる陰極電極箔に電極引き出し手段を接続し、マニラ紙等からなるセパレータを介して巻回してコンデンサ素子を形成する。そして、このコンデンサ素子は、電解コンデンサ駆動用の電解液を含浸した後、アルミニウム等からなる有底筒状の外装ケースに収納する。外装ケースの開口部には弾性ゴムからなる封口体を装着し、絞り加工により外装ケースを密封している。
ここで、コンデンサ素子に含浸される高電導度を有する電解コンデンサ駆動用の電解液として、γ−ブチロラクトンを主溶媒とし、溶質として環状アミジン化合物を四級化したカチオンであるイミダゾリニウムカチオンやイミダゾリウムカチオンを、カチオン成分とし、酸の共役塩基をアニオン成分とした塩を溶解させたものが用いられている(特許文献1、特許文献2参照)。
また、このようなアルミ電解コンデンサにおいて、その静電容量を高めるためには、エッチング箔の実効表面積を拡大し単位面積当たりの静電容量の向上を図っており、エッチング箔の実効表面積を拡大させるエッチング技術の開発が行われている。このようなエッチング技術としては、エッチング液の組成やエッチング時に印加する電流波形の開発が行われている。(特許文献3、4)
特開平08−321440号公報
特開平08−321441号公報
特開2005−203529号公報
特開2005−203530号公報
ところで、このような電解コンデンサは携帯電話やノ−ト型パソコンなどに代表される電子情報機器の用いられているが、近年の電子情報機器の小型化・軽量化の進行により、電解コンデンサにも小型化が要求されている。
このような小型化の要求には、電極箔の高容量化によって対応してきたが、電極箔の高容量化によって小型化を図っても、電極箔の面積の狭小化によってインピーダンスが増大するという問題点がある。すなわち、前記の電子情報機器ではインピーダンス特性の低減という要求もあり、インピーダンス特性を維持しつつ小型化を実現しなければならず、この要求を満足することは困難であった。
そこで、本発明はインピーダンス特性を損なうことなく、小型化を図ることができる電解コンデンサを提供することをその目的とする。
本発明の電解コンデンサは、表面に酸化皮膜を有する弁金属粒子層を空隙率20〜60%、比表面積20×103〜400×103cm2/cm3として基材の表面に形成した電極材を備えるコンデンサ素子内に、下記一般式(2)で示されるジシアナミドをアニオンとする塩と、20〜80wt%のスルホランとを含む電解コンデンサ用電解液を含有したことを特徴としている。
以上の本発明の電解コンデンサに用いる電極材は、表面に酸化皮膜を有する弁金属粒子層を空隙率20〜60%、比表面積20×103〜400×103cm2/cm3として基材の表面に形成した電極材であって、従来の電極箔の数倍の静電容量を有している。
このような本発明の電解コンデンサ用電極材において、前記弁金属粒子層を空隙率20〜60%、比表面積30×103〜400×103cm2/cm3として形成した電極材は、前記弁金属粒子の一次粒子が、その粒子径を少なくとも0.005〜0.1μmの範囲で所定の分布をもって混在している。粒径の小さい粒子によって静電容量は高くなり、粒径の大きい粒子によって空隙が確保できるので電解コンデンサを作成した後電解液との反応で生成される酸化皮膜による目詰まりを抑制することができる。したがって、粒径の小さい粒子の数を多くすることによって、静電容量の大きな電極材が得られ、粒径の大きい粒子の数を多くすることによって静電容量の安定性を高めることができる。
また、本発明の電解コンデンサ用電極材は、弁金属がアルミニウムであり、表面に酸化皮膜を有する弁金属粒子層のAl/O組成比が2.0〜5.5であるので、静電容量の安定性を有することができ、さらにこの組成比の酸素の含有率によって弁金属粒子同士の接合性が向上する。
つぎに、表面に酸化皮膜を有する弁金属粒子層を空隙率20〜60%、比表面積20×103〜70×103cm2/cm3として基材の表面に形成した電極材は、弁金属粒子層に前記弁金属粒子が粒子径0.2μm以上のものを含んでいるので、弁金属粒子間に大きな空隙を設けることができる。したがって、陽極化成によって陽極酸化皮膜を形成した際に、酸化皮膜によって空隙が埋まってしまうというようなことが抑制され、高い静電容量を得ることができる。
また、本発明の電解コンデンサ用電極材は、弁金属がアルミニウムであり、表面に酸化皮膜を有する弁金属粒子層のAl/O組成比が2.0〜125であるので、静電容量の安定性を有することができ、さらにこの組成比の酸素の含有率によって弁金属粒子同士の接合性が向上する。
以上のような本発明の電極材とジシアナミドをアニオンとする塩と、20〜80wt%のスルホランとを含む低比抵抗の電解液を用いる本発明の電解コンデンサは、前記電極材と電解液との電気化学的安定性が良好であり、電極材の静電容量が高いので箔面積を低減して小型化を図ることができ、しかも低比抵抗の電解液を用いているのでインピーダンス特性を損なうことがなく、従来にない小型の電解コンデンサを実現することができる。
本発明に用いる電解コンデンサ用電極材は、表面に酸化皮膜を有する弁金属粒子層を有する電極材であって、弁金属粒子層の空隙率は、20〜60%、好ましくは25〜55%、さらに好ましくは30〜50%である。そして、比表面積は、30×103〜400×103cm2/cm3、好ましくは70×103〜400×103cm2/cm3、さらに好ましくは90×103〜400×103cm2/cm3である。
比表面積は本発明の電極材に静電容量を有する皮膜を形成し、同様の皮膜を形成したプレーン箔の静電容量と面積から算出する。また、空隙率は水銀圧入法で測定することができる。
また、前記電極材は、前記弁金属粒子の一次粒子が、その粒子径を少なくとも0.005〜0.1μmの範囲で所定の分布をもって混在している。このような小さな粒子によって高い静電容量が得られ、大きな粒子によって空隙が確保できるので電解コンデンサを作成した後電解液との反応で生成される酸化皮膜による目詰まりを抑制することができる。したがって、粒径の小さい粒子の数を多くすることによって、静電容量の大きな電極材が得られ、粒径の大きい粒子の数を多くすることによって静電容量の安定性を高めることができる。
また、前記電極材は、弁金属がアルミニウムであり、表面に酸化皮膜を有する弁金属粒子層のAl/O組成比が2.0〜5.5である。Al/O組成比は、GDS分析によって測定、算出することができる。
前記電極材は、陰極として用いると好適であるが、陰極化成を施してもよい。さらに極低圧の陽極化成を施すことによって電解コンデンサ用陽極材として用いることもできる。化成方法は通常電解コンデンサ用アルミニウム箔の化成方法と同様の化成方法を用いることができる。
つぎに、本発明の電解コンデンサ用電極材は、表面に酸化皮膜を有する弁金属粒子層を有する電極材であって、弁金属粒子層の空隙率は、20〜60%、好ましくは22〜58%、さらに好ましくは25〜55%である。そして、比表面積は、20×103〜70×103cm2/cm3、好ましくは30×103〜60×103cm2/cm3、さらに好ましくは35×103〜55×103cm2/cm3である。
また、前記電極材は、弁金属粒子層に粒子径が0.2μm以上の表面に酸化皮膜を有する弁金属粒子を含んでいるので、弁金属粒子間に大きな空隙を設けることができる。したがって、陽極化成によって陽極酸化皮膜を形成した際に、酸化皮膜によって空隙が埋まってしまうというようなことが抑制され、高い静電容量を得ることができる。
また、前記電極材は、弁金属がアルミニウムであり、表面に酸化皮膜を有する弁金属粒子層のAl/O組成比が2.0〜125であるので、静電容量の安定性を有することができ、さらにこの組成比の酸素の含有率によって弁金属粒子同士の接合性が向上する。
前記電極材は、陽極化成を施すことによって電解コンデンサ用陽極材として用いると好適である。化成方法は通常電解コンデンサ用アルミニウム箔の化成方法と同様の化成方法を用いることができる。
基材は、種々の金属や、場合によっては樹脂シートを用いることができるが、アルミニウムが好ましい。アルミニウムの純度は、99wt%から99.999wt%が好ましい。基材の厚みは15〜200μmが好ましい。
以上のような電極材は、通常の蒸着法によって得ることができる。表面に酸化皮膜を有する弁金属粒子層を形成するには、酸素を含む不活性ガス雰囲気内で蒸着を行う。不活性ガスとしては、アルゴン、窒素等を用いることができる。不活性ガスの圧力は0.05〜0.8Pa、酸素分圧は不活性ガスの圧力の1/10以下が好ましい。
以下に本発明の電解コンデンサについて説明する。
本発明に用いる電解液は、スルホランを含むものであるが、含有量は電解液中、20〜80wt%、好ましくは30〜70wt%である。この範囲内では寿命試験後のインピーダンス特性が良好である。さらに、低温特性が向上し、寿命試験後の静電容量変化が低減する。また、20〜50wt%の範囲では初期のインピーダンス特性、低温特性が良好である。スルホランの含有率が20wt%未満では、所望の寿命特性を得ることができなかったものの、インピーダンス特性は良好であった。
さらに、本発明の電解液は、γ-ブチロラクトンを含むものであるが、含有量は電解液中、75wt%以下、好ましくは20〜70wt%である。この範囲の下限以上では高電導度が得られ、上限以下では低温特性が向上する。また、20wt%以下であると寿命特性が向上する。
さらに、本発明の電解液は、水を含むものであるが、含有量は電解液中、0.1〜3wt%、好ましくは0.1〜1wt%、さらに好ましくは0.1〜0.5wt%である。この範囲未満に含水率を抑えることは工程上困難であり、この範囲を越えると寿命特性が低下する。
本発明のスルホラン、γ-ブチロラクトンを含有するものであるが、これらの溶媒の他に以下の溶媒を用いることができる。すなわち、プロトン性極性溶媒、非プロトン性溶媒、及びこれらの混合物を用いることができる。プロトン性極性溶媒としては、一価アルコール類(エタノール、プロパノール、ブタノール、ペンタノール、ヘキサノール、シクロブタノール、シクロペンタノール、シクロヘキサノール、ベンジルアルコール等)、多価アルコール類およびオキシアルコール化合物類(エチレングリコール、プロピレングリコール、グリセリン、メチルセロソルブ、エチルセロソルブ、メトキシプロピレングリコール、ジメトキシプロパノール等)などが挙げられる。また、非プロトン性の極性溶媒としては、アミド系(N−メチルホルムアミド、N,N─ジメチルホルムアミド、N─エチルホルムアミド、N,N─ジエチルホルムアミド、N─メチルアセトアミド、N,N─ジメチルアセトアミド、N─エチルアセトアミド、N,N−ジエチルアセトアミド、ヘキサメチルホスホリックアミド等)、ラクトン類(δ−バレロラクトン、γ−バレロラクトン等)、スルホラン系(3−メチルスルホラン、2,4−ジメチルスルホラン等)、環状アミド系(N─メチル─2─ピロリドン等)、ニトリル系(アセトニトリル等)、スルホキシド系(ジメチルスルホキシド等)などが代表として挙げられる。
本発明の電解コンデンサ用電解液は、ジシアナミドをアニオンとする塩を用いるものであるが、イオン性液体となるカチオンとしては、下記式で示される非対称のカチオンを用いることができる。
R1、R2はアルキル基、好ましくは、R1がメチル基、R2がエチル基、ブチル基
R1〜R4はアルキル基、好ましくは、R1がペンチル基でR2〜R4がエチル基、R1がヘキシル基でR2〜R4がエチル基またはブチル基
R1〜R4はアルキル基、好ましくは、R1がプロピル基、ブチル基、またはヘキシル基でR2がメチル基
R1〜R4はアルキル基、好ましくは、R1〜R3がヘキシル基でR2がデシル基
なかでも、電導度、漏液特性の良好な1−エチル−3−メチルイミダゾリウムがもっとも好適である。
また、電解コンデンサの寿命特性を安定化する目的で、ニトロフェノール、ニトロ安息香酸、ニトロアセトフェノン、ニトロベンジルアルコール、2−(ニトロフェノキシ)エタノール、ニトロアニソール、ニトロフェネトール、ニトロトルエン、ジニトロベンゼン等の芳香族ニトロ化合物、リン酸、亜リン酸、ポリリン酸、酸性リン酸エステル化合物等のリン系化合物を添加することができる。
また、電解コンデンサの安全性向上を目的として、電解液の耐電圧向上を図ることができる非イオン性界面活性剤、多価アルコールと酸化エチレン及び/または酸化プロピレンを付加重合して得られるポリオキシアルキレン多価アルコールエーテル化合物、ポリビニルアルコールを添加することもできる。
また、本発明の電解コンデンサ用電解液に、硼酸、多糖類(マンニット、ソルビット、ペンタエリスリトールなど)、硼酸と多糖類との錯化合物、コロイダルシリカ等を添加することによって、さらに耐電圧の向上をはかることができる。
また、漏れ電流の低減の目的で、オキシカルボン酸化合物等を添加することができる。
以上の電極材と電解液を用いた本発明においては、電極材の静電容量が高いので従来と同様の静電容量を有するのに箔面積を低減することができ、電解コンデンサの小型化を図ることができる。しかも低比抵抗の電解液を用いていてインピーダンスが増大することがないので、従来と同一静電容量を有する小型の電解コンデンサを実現することができる。
また、陰極引き出し手段の少なくとも封口ゴムとの接触部の表面には、Al2 O3 、SiO2 、ZrO2 などからなるセラミックスコーティング層等の絶縁層を形成したり、ホウ酸アンモニウム水溶液、リン酸アンモニウム水溶液あるいはアジピン酸アンモニウム水溶液等による陽極酸化処理によって形成した酸化アルミニウム層を形成することができる。
また、本発明の電解コンデンサにおいて、陰極として用いる電極材に、窒化チタン、窒化ジルコニウム、窒化タンタル、窒化ニオブから選ばれた金属窒化物、又は、チタン、ジルコニウム、タンタル、ニオブから選ばれた金属を被覆することができる。
以下に実施例により本発明をさらに具体的に説明する。
(実施例1−1)0.1Paの圧力の窒素と窒素の圧力の1/10以下の圧力の酸素雰囲気内で、25μmの99.9wt%のアルミニウムシートにアルミニウムを蒸着して本発明の電極材を作成した。この電極材の金属粒子層の空隙率は45%、比表面積は2×105cm2/cm3であった。この電極材の表面に窒化チタン層を形成して陰極材として用い
る。
(実施例1−2)0.3Paの圧力の窒素と窒素の圧力の1/10以下の圧力の酸素雰囲気内で、25μmの99.9wt%のアルミニウムシートにアルミニウムを蒸着して本発明の電極材を作成した。この電極材の金属粒子層の空隙率は45%、比表面積は5×104cm2/cm3であった。その後、アジピン酸アンモニウム水溶液中で陽極化成を行って
陽極材を作成した。
(比較例1−1)塩酸、硫酸、硝酸の混合液を電解液に用い、周波数50Hz以下、電流密度を1A/cm2以下の交流電流を99.9wt%のアルミニウムシートに印加して芯厚が25μmとなるようにエッチング処理を行って陰極箔を作成し、表面に窒化チタン層を形成した。
(比較例1−2)塩酸、硫酸、硝酸の混合液を電解液に用い、周波数20Hz以下、電流密度を1A/cm2以下の交流電流を99.9wt%のアルミニウムシートに印加して芯厚が25μmとなるようにエッチング処理を行って、その後アジピン酸アンモニウム水溶液中で化成して陽極箔を作成した。
(実施例1−1)0.1Paの圧力の窒素と窒素の圧力の1/10以下の圧力の酸素雰囲気内で、25μmの99.9wt%のアルミニウムシートにアルミニウムを蒸着して本発明の電極材を作成した。この電極材の金属粒子層の空隙率は45%、比表面積は2×105cm2/cm3であった。この電極材の表面に窒化チタン層を形成して陰極材として用い
る。
(実施例1−2)0.3Paの圧力の窒素と窒素の圧力の1/10以下の圧力の酸素雰囲気内で、25μmの99.9wt%のアルミニウムシートにアルミニウムを蒸着して本発明の電極材を作成した。この電極材の金属粒子層の空隙率は45%、比表面積は5×104cm2/cm3であった。その後、アジピン酸アンモニウム水溶液中で陽極化成を行って
陽極材を作成した。
(比較例1−1)塩酸、硫酸、硝酸の混合液を電解液に用い、周波数50Hz以下、電流密度を1A/cm2以下の交流電流を99.9wt%のアルミニウムシートに印加して芯厚が25μmとなるようにエッチング処理を行って陰極箔を作成し、表面に窒化チタン層を形成した。
(比較例1−2)塩酸、硫酸、硝酸の混合液を電解液に用い、周波数20Hz以下、電流密度を1A/cm2以下の交流電流を99.9wt%のアルミニウムシートに印加して芯厚が25μmとなるようにエッチング処理を行って、その後アジピン酸アンモニウム水溶液中で化成して陽極箔を作成した。
そして、これらの電極材に電極引き出し手段を接続し、セパレータを介して巻回し、コンデンサ素子を形成する。ここで、電極引き出し手段の封口ゴムとの接触部にセラミックコーティング層を形成した。
上記のように構成したコンデンサ素子に、アルミ電解コンデンサの駆動用の電解液を含浸する。この電解液を含浸したコンデンサ素子を、有底筒状のアルミニウムよりなる外装ケースに収納し、外装ケースの開口端部に、ブチルゴム製の封口体を挿入し、さらに外装ケースの端部を絞り加工することによりアルミ電解コンデンサの封口を行う。
そして、電解液は実施例1、3には1−エチル−3−メチルイミダゾリウムジシアナミド30部、スルホラン50部、γ-ブチロラクトン20部、実施例2には1−エチル−3−メチルイミダゾリウムジシアナミド30部、スルホラン15部、γ-ブチロラクトン65部、比較例にはγ−ブチロラクトン75部、フタル酸1−エチル−2,3−ジメチルイミダゾリニウム25部の組成のものを用いた。
これらの電解コンデンサの初期値と105℃負荷試験の結果を(表1)に示す。
以上のように、本発明の実施例1〜2は比較例に比べて、静電容量、インピーダンスともに特性を維持しつつ、サイズが小さくなっている。また、スルホランを15部とした実施例2のインピーダンスは低く、これまでにない低インピーダンス特性を有する電解コンデンサを実現している。さらに、陽極に本発明の電極材を用いた実施例2は静電容量が大きくなっている。以上のように、本発明の電解コンデンサは従来の静電容量、インピーダンスを維持しつつ、小型化を達成していることが分かる。
Claims (4)
- 表面に酸化皮膜を有する弁金属粒子層を空隙率20〜60%、比表面積20×103〜400×103cm2/cm3として基材の表面に形成した電極材を備えるコンデンサ素子内に、下記一般式(1)で示されるジシアナミドをアニオンとする塩と、20〜80wt%のスルホランとを含む電解コンデンサ用電解液。
- 前記弁金属粒子が、その粒子径を少なくとも0.005〜0.1μmの範囲で所定の分布をもって混在している請求項1記載の電解コンデンサ。
- 前記弁金属粒子が、粒子径0.2μm以上のものを含む請求項1記載の電解コンデンサ。
- 弁金属がアルミニウムであり、表面に酸化皮膜を有する弁金属粒子層のAl/O組成比が2.0〜125である請求項1〜3記載の電解コンデンサ。
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CN115376828A (zh) * | 2022-08-03 | 2022-11-22 | 华为数字能源技术有限公司 | 电极箔及其制备方法、电容器及电子装置 |
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