JP4834207B2 - 電解コンデンサ用電解液およびそれを用いた電解コンデンサ - Google Patents

電解コンデンサ用電解液およびそれを用いた電解コンデンサ Download PDF

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【0001】
【発明の属する技術分野】
この発明は電解コンデンサ用電解液、特に高温寿命特性の良好な電解コンデンサ用電解液、およびそれを用いた電解コンデンサに関する。
【0002】
【従来の技術】
電解コンデンサは、一般的には、帯状の高純度のアルミニウム等の弁金属の箔に、化学的あるいは電気化学的にエッチング処理を施して、箔表面を拡大させるとともに、この箔をホウ酸アンモニウム水溶液等の化成液中にて化成処理して表面に酸化皮膜層を形成させた陽極電極箔と、エッチング処理のみを施した高純度の箔からなる陰極電極箔とを、マニラ紙等からなるセパレータを介して巻回してコンデンサ素子を形成する。そして、このコンデンサ素子は電解コンデンサ駆動用の電解液を含浸した後、有底筒状の外装ケースに収納する。外装ケースの開口部には弾性ゴムからなる封口体を装着し、絞り加工により外装ケースを密封している。
【0003】
陽極電極箔、陰極電極箔には、それぞれ両極の電極を外部に引き出すのための電極引出し手段であるリード線がステッチ、超音波溶接等の手段により接続されている。それぞれの電極引出し手段であるリード線は、丸棒部と、両極電極箔に当接する接続部と、さらに丸棒部の先端に溶接等の手段で固着された半田付け可能な金属からなる外部接続部とからなる。
【0004】
コンデンサ素子に含浸される電解コンデンサ駆動用の電解液には、使用される電解コンデンサの性能によって種々のものがあり、その中で、低圧用の、特に高温長寿命特性を有する電解液として、エチレングリコールにアジピン酸を溶解したものが知られている。
【0005】
【発明が解決しようとする課題】
しかしながら、近年、車載分野において、自動車性能の高機能化に伴い、高温となるエンジンルーム内での電子部品の使用の要求が高まっているが、前記電解液を用いた電解コンデンサでも、この高温使用に耐えることができなかった。また、低温特性も良好ではなく、最低使用温度は−25℃使用が限界であった。
【0006】
そこで、この発明の目的は、高温寿命特性が良好で、さらに、低温特性も良好な電解コンデンサ、およびこの電解コンデンサに用いる電解液を提供することにある。
【0007】
【課題を解決するための手段】
この発明の電解コンデンサ用電解液は、溶媒として、3─メチルスルホランおよび2,4−ジメチルスルホランからなり、2,4−ジメチルスルホランが溶媒全体の20〜90重量%であるものを用い、溶質として、四級化イミダゾリニウム塩を用いたことを特徴としている。
【0008】
また、本発明の電解コンデンサは、3─メチルスルホランおよび2,4−ジメチルスルホランを溶媒とし、2,4−ジメチルスルホランが溶媒全体の20〜90重量%であるものを用い、四級化イミダゾリニウム塩を溶質とした電解液を用いることを特徴としている。
【0009】
【発明の実施の形態】
本発明のアルミニウム電解コンデンサの構造は図1、図2に示すように、従来と同じ構造をとっている。コンデンサ素子1は陽極電極箔2と陰極電極箔3をセパレータ11を介して巻回して形成する。また図2に示すように陽極電極箔2、陰極電極箔3には陽極引出し用のリード線4、陰極引出し用のリード線5がそれぞれ接続されている。これらのリード線4、5は、電極箔に当接する接続部7とこの接続部7と一体に形成した丸棒部6、および丸棒部6の先端に固着した外部接続部8からなる。また、接続部7および丸棒部6は高純度のアルミニウム、外部接続部8ははんだメッキを施した銅メッキ鉄鋼線からなる。このリード線4、5は、接続部7においてそれぞれステッチや超音波溶接等の手段により両極電極箔2、3に電気的に接続されている。
【0010】
陽極電極箔2は、純度99%以上のアルミニウム箔を酸性溶液中で化学的あるいは電気化学的にエッチングして拡面処理した後、ホウ酸アンモニウム、リン酸アンモニウムあるいはアジピン酸アンモニウム等の水溶液中で化成処理を行い、その表面に陽極酸化皮膜層を形成したものを用いる。
【0011】
前記のように構成したコンデンサ素子1に、アルミニウム電解コンデンサの駆動用の電解液を含浸する。
【0012】
以上のような電解液を含浸したコンデンサ素子1を、有底筒状のアルミニウムよりなる外装ケース10に収納し、外装ケース10の開口部に封口体9を装着するとともに、外装ケース10の端部に絞り加工を施して外装ケース10を密封する。封口体9は例えばブチルゴム等の弾性ゴムからなり、リード線4、5をそれぞれ導出する貫通孔を備えている。
【0013】
本発明においては、この電解液の溶媒として3─メチルスルホランおよび2,4−ジメチルスルホランを用いる。また、他の溶媒との混合溶媒としても用いることができる。
【0014】
混合する溶媒としては、プロトン性の有機極性溶媒として、一価アルコール類(エタノール、プロパノール、ブタノール、ペンタノール、ヘキサノール、シクロブタノール、シクロペンタノール、シクロヘキサノール、ベンジルアルコール等)、多価アルコール類およびオキシアルコール化合物類(エチレングリコール、プロピレングリコール、グリセリン、メチルセロソルブ、エチルセロソルブ、メトキシプロピレングリコール、ジメトキシプロパノール等)などが挙げられる。また、非プロトン性の有機極性溶媒としては、アミド系(N−メチルホルムアミド、N,N─ジメチルホルムアミド、N─エチルホルムアミド、N,N─ジエチルホルムアミド、N─メチルアセトアミド、N,N─ジメチルアセトアミド、N─エチルアセトアミド、N,N−ジエチルアセトアミド、ヘキサメチルホスホリックアミド等)、ラクトン類(γ─ブチロラクトン、δ−バレロラクトン、γ−バレロラクトン等)、環状アミド系(N─メチル─2─ピロリドン、エチレンカーボネイト、プロピレンカーボネイト、イソブチレンカーボネイト等)、ニトリル系(アセトニトリル等)、オキシド系(ジメチルスルホキシド等)、2−イミダゾリジノン系〔1,3−ジアルキル−2−イミダゾリジノン(1,3−ジメチル−2−イミダゾリジノン、1,3−ジエチル−2−イミダゾリジノン、1,3−ジ(n−プロピル)−2−イミダゾリジノン等)、1,3,4−トリアルキル−2−イミダゾリジノン(1,3,4−トリメチル−2−イミダゾリジノン等)〕などが代表として挙げられる。
【0015】
そして、本発明の電解液の溶質として、カチオン成分として、四級化イミダゾリニウム及び四級化ピリミジニウムを用いた、四級化イミダゾリニウム塩又は四級化ピリミジニウム塩を用いる。アニオン成分としては、フタル酸、イソフタル酸、テレフタル酸、マレイン酸、安息香酸、トルイル酸、エナント酸、マロン酸等のカルボン酸、フェノール類、ほう酸、りん酸、炭酸、けい酸等の酸の共役塩基が例示される。
【0016】
この四級化イミダゾリニウムとしては、1,3−ジメチルイミダゾリニウム、1,2,3−トリメチルイミダゾリニウム、1,2,3,4−テトラメチルイミダゾリニウム、1−エチル−3−メチルイミダゾリニウム、1−エチル−2,3−ジメチルイミダゾリニウム等が挙げられる。
【0017】
また、四級化ピリミジニウムとしては、1,3−ジメチル−4,5,6−トリヒドロピリミジニウム、1,2,3−トリメチル−4,5,6−トリヒドロピリミジニウム、1,2,3,4−テトラメチル−5,6−ジヒドロピリミジニウム、1−エチル−3−メチル−4,5,6−トリヒドロピリミジニウム、1−エチル−2,3−ジメチル−4,5,6−トリヒドロピリミジニウム等が挙げられる。
【0018】
さらに、本発明の電解コンデンサ用電解液に、ほう酸系化合物、例えばほう酸、ほう酸と多糖類(マンニット、ソルビットなど)との錯化合物、ほう酸と多価アルコール(エチレングリコール、グリセリンなど)との錯化合物等、界面活性剤、コロイダルシリカ等を添加することによって、耐電圧の向上をはかることができる。
【0019】
また、漏れ電流の低減や水素ガス吸収等の目的で種々の添加剤を添加することができる。添加剤としては、例えば、芳香族ニトロ化合物、(p−ニトロ安息香酸、p−ニトロフェノールなど)、リン系化合物(リン酸、亜リン酸、ポリリン酸、酸性リン酸エステル化合物)、オキシカルボン酸化合物等を挙げることができる。
【0020】
以上のような本発明の電解液を用いたアルミニウム電解コンデンサは、高温寿命特性が良好で、さらに、低温特性も良好である。
【0021】
また、前記の電解液において、2,4−ジメチルスルホランの混合溶媒中の含有率が、20〜90%の場合は、低温特性がさらに良好である。
【0022】
ここで、従来の四級化イミダゾリニウム塩及び四級化ピリミジニウム塩等の四級化環状アミジニウム塩を溶質とした電解液においては、溶媒としてγ─ブチロラクトンを用いていたが、この電解液では、寿命試験中に封口体9とリード線の丸棒部6の間から電解液が漏れるという問題があったが、本発明の溶媒を用いると、この漏液も防止できる。この理由は以下のようであると推察される。
【0023】
四級化環状アミジニウム塩を溶解した電解液が、陰極リード部より漏液するメカニズムについては次のように考えられる。すなわち、従来の電解コンデンサにおいては、陰極リード線5の自然浸漬電位の方が陰極電極箔3の自然浸漬電位よりも貴な電位を示すので、無負荷で放置した場合、陰極リード線と陰極箔で局部電池が構成され、陰極リード線にカソード電流が流れることになり、また、直流負荷状態においては、陰極リード線に陰極箔よりも多くのカソード電流が流れることになる。このように、負荷、無負荷、双方の場合において、陰極リード線にカソード電流が流れることになり、その結果、陰極リード線側で溶存酸素又は水素イオンの還元反応が起こり、陰極リード線の丸棒部6と接続部7の電解液界面部分で水酸イオンが生成する。
【0024】
そして、このような溶存酸素又は水素イオンの還元反応によって生成した水酸イオンは、四級化環状アミジニウムと反応し、その結果、四級化環状アミジニウムが開環して、二級アミンとなる。この二級アミンは揮発性が高く、しかも吸湿性が低いので、陰極リード線の丸棒部と封口体の間に生成しても、速やかに蒸散し、漏液状態とはならないことが予想される。
【0025】
しかしながら、水酸イオンが発生すると、溶媒であるγ─ブチロラクトンもこの水酸イオンと反応して、γ─ヒドロキシ酪酸となる。そして、上述した二級アミンとこのγ─ヒドロキシ酪酸が混在することになり、γ─ヒドロキシ酪酸のpH低下作用によって、四級化環状アミジニウムが開環して生成された、二級アミンが閉環して、再び四級化環状アミジニウム塩となる。そして、この四級化環状アミジニウム塩には揮発性はなく、吸湿性も高いので、陰極リード線の丸棒部と封口体の間に再生成した四級化環状アミジニウム塩は、吸湿して漏液状態となる。以上のことは、漏液が大部分の水と四級化環状アミジニウム塩から成っているという分析結果から、推測された。
【0026】
これに対して、本発明においては、溶媒として3─メチルスルホランおよび2,4−ジメチルスルホランを用いており、これらの3─メチルスルホラン、2,4−ジメチルスルホランは水酸イオンと反応しないので、γ─ヒドロキシ酪酸のようなpH低下作用をもつ物質は生成されない。したがって、四級化環状アミジニウム塩が再生成することはなく、生成した二級アミンは揮発してしまうので、漏液状態とはならない。
【0027】
さらに、本発明の電解コンデンサに、逆電圧が印加された場合にも、漏液は発生しない。すなわち、逆電圧が印加されると、陽極側にカソード電流が流れることになるが、陽極箔の分極抵抗は陰極箔に比べて極めて大きいので、陽極側のカソード電流の大部分は陽極タブに流れることになる。したがって、従来の電解コンデンサでは、逆電圧試験の初期に漏液が発生することがあった。しかしながら、本発明の電解コンデンサにおいては、前述したような陰極側の挙動と同様の挙動によって、漏液状態が抑制される。以上のように、本発明の漏液防止効果は極めて強いものである。
【0028】
以上のように、本願発明の構成によると、陰極リード線の丸棒部近傍で発生した水酸イオンは四級化環状アミジニウムと反応して消失し、生成される二級アミンは揮発してしまうので、漏液状態とはならない。
【0029】
また、従来の電解コンデンサにおいては、無負荷放置の際に、陰極リード線4と陽極リード線5が接触した場合には、陽極リード線と陰極電極箔3で局部電池を構成することになり、陽極リード線側で溶存酸素又は水素イオンの還元反応が発生し、水酸イオンを生成して、陰極リード部と同様の理由により、漏液状態となっていた。
【0030】
しかしながら、この場合も、本発明の構成によれば、陰極リード部で漏液が防止される理由と同様の理由によって、漏液は防止される。
【0031】
以上のような理由によって、本願発明においては、漏液が防止されているものと思われる。
【0032】
また、陰極電極箔3として、窒化チタン、窒化ジルコニウム、窒化タンタル、窒化ニオブから選ばれた金属窒化物、又は、チタン、ジルコニウム、タンタル、ニオブから選ばれた金属を蒸着法、メッキ法、塗布など従来より知られている方法により被覆した陰極電極箔を用いることができる。ここで、被覆する部分は陰極電極箔の全面に被覆してもよいし、必要に応じて陰極電極箔の一部、例えば陰極電極箔の一面のみに金属窒化物又は金属を被覆してもよい。このことによって、陰極箔の自然浸漬電位の方が陰極リード線の自然浸漬電位より貴な電位となり、さらに、カソード分極抵抗も小さくなる。したがって、過電圧が印加された際に、陰極リード線のカソード電流は微小となり、陰極リード線側の水酸イオンの生成が抑制されるので、漏液防止には、さらに好適である。
【0033】
また、リード線4、5の、少なくとも丸棒部6の表面には、ホウ酸アンモニウム水溶液、リン酸アンモニウム水溶液あるいはアジピン酸アンモニウム水溶液等による陽極酸化処理によって形成した酸化アルミニウム層を形成したり、Al2 3 、SiO2 、ZrO2 などからなるセラミックスコーティング層等の絶縁層を形成することができる。このことによって、無負荷の場合に、陰極リード線と陰極箔の局部電池を構成する面積が小さくなり、また、負荷の場合には、陰極リード線に流れるカソード電流が少なくなり、双方の場合において、陰極リード線側の水酸イオンの生成が抑制されるので、漏液防止効果はさらに向上する。
【0034】
【実施例】
以下、本発明の実施例について説明する。
(表1)は、本発明の各実施例の電解コンデンサ用電解液の組成、及び30℃と−40℃の比抵抗を示したものである。
【0035】
【表1】
Figure 0004834207
* 3-MSL :3−メチルスルホラン
2,4-DMSL:2,4−ジメチルスルホラン
EG :エチレングリコール
EDMIP :フタル酸1−エチル−2,3−ジメチルイミダゾリニウム
TMAP :フタル酸テトラメチルアンモニウム
AAd :アジピン酸アンモニウム
2,4-DMSLの欄の( ) :2,4−ジメチルスルホランの混合溶媒中の重量%
【0036】
また、実施例9として、実施例4、100部に、p−ニトロ安息香酸、1部、りん酸、0.3部添加したものの比抵抗を測定したところ、30℃で342Ω−cm、−40℃では9.5kΩ−cmであった。
【0037】
(表1)から明らかなように、本発明の実施例1〜9の30℃及び−40℃の比抵抗は良好である。さらに、2,4−ジメチルスルホランの含有率が20〜90%の実施例2〜7、10は、−40℃においても低比抵抗を保っており、−40℃使用が可能であることがわかる。
【0038】
また、溶質としてフタル酸1−エチル−2,3−ジメチルイミダゾリニウムを用いた実施例4は、フタル酸テトラメチルアンモニウムを用いた比較例1より、30℃及び−40℃の比抵抗は良好である。さらに、比較例2、3、従来例においては、−40℃では凝固しており、−40℃で使用することはできない。ここで、従来例の−25℃の比抵抗は、9kΩ−cmであった。
【0039】
次に、高温寿命特性を評価するために、実施例2、7の電解液、及び、従来例の電解液を用いてアルミニウム電解コンデンサを作成した。ここで使用したアルミニウム電解コンデンサの定格は、16V−47μF、ケースサイズはφ6.3mm×5mmである。そして、これらの電解コンデンサの、各試料25個に125℃の下で定格電圧を印加し、2000時間、4000時間経過後の静電容量の変化率(ΔC)、損失角の正接(tanδ)の測定を行った。結果を(表2)に示す。
【0040】
【表2】
Figure 0004834207
* Cap(μF)、ΔC(%)、LC(μA)
【0041】
(表2)から明らかなように、実施例2、7の電解コンデンサの高温寿命特性は、従来例よりも、良好であり、初期のtanδも低く保たれており、125℃、4000時間保証が可能となっている。
【0042】
次いで、漏液特性を評価するために、実施例4の電解液を用いた電解コンデンサ及び、比較例4としてγ─ブチロラクトン75%、フタル酸1−エチル−2,3−ジメチルイミダゾリニウム25%の電解液を用いた電解コンデンサについて、各試料25個に85℃、85%RHの下で定格電圧を印加し、500時間、1000時間、及び2000時間経過後の漏液の有無について目視での観察を行った。その結果を(表3)に示す。また、同じ電解コンデンサを用いて、各試料25個に85℃、85%RHの下で−1.5Vの逆電圧を印加し、250時間、500時間、及び1000時間経過後の漏液の有無について目視での観察を行った。その結果を(表4)に示す。
【0043】
【表3】
Figure 0004834207
【0044】
【表4】
Figure 0004834207
【0045】
(表3)から明らかなように、γ─ブチロラクトンを溶媒として用いた比較例4では、1000時間後に漏液が発生しているが、本発明の実施例4の電解液を用いた電解コンデンサは2000時間後にも漏液はなく、良好な結果を得ている。また、(表4)から明らかなように、逆電圧試験においても、比較例4では250時間で漏液が発生しているが、本発明の実施例においては1000時間においても漏液は発生せず、漏液防止効果は極めて強いことがわかる。
【0046】
【発明の効果】
以上のように、この発明の電解コンデンサ用電解液は、溶媒として3−メチルスルホランおよび2,4−ジメチルスルホランからなり、2,4−ジメチルスルホランが溶媒全体の20〜90重量%であるものを用い、溶質として四級化イミダゾリニウム塩を用いたものである。
【0047】
この電解液を用いた電解コンデンサは、高温寿命特性が良好で、さらに、低温特性も良好である。
【0049】
さらに、本発明においては、漏液することがない。
【図面の簡単な説明】
【図1】アルミニウム電解コンデンサの構造を示す内部断面図である。
【図2】コンデンサ素子の構造を示す分解斜視図である。
【符号の説明】
1 コンデンサ素子
2 陽極電極箔
3 陰極電極箔
4 陽極引出し用のリード線
5 陰極引出し用のリード線
6 丸棒部
7 接続部
8 外部接続部
9 封口体
10 外装ケース
11 セパレータ

Claims (2)

  1. 溶媒として、3─メチルスルホランおよび2,4−ジメチルスルホランからなり、2,4−ジメチルスルホランが溶媒全体の20〜90重量%であるものを用い、溶質として、四級化イミダゾリニウム塩を用いた、電解コンデンサ用電解液。
  2. 溶媒として、3─メチルスルホランおよび2,4−ジメチルスルホランからなり、2,4−ジメチルスルホランが溶媒全体の20〜90重量%であるものを用い、溶質として、四級化イミダゾリニウム塩を用いてなる、電解コンデンサ用電解液を用いた電解コンデンサ。
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