JP4872681B2 - 光デバイス - Google Patents

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Description

本発明は、光通信分野などに用いられるシート状のフレキシブルな光デバイスに関するものである。
従来から光通信分野に用いられるシート状の光デバイスとしては、光ファイバーアレイを一体化した光ファイバーシートが知られていた。光ファイバーシートとは、光ファイバーを接着材などを介して巾方向に配列させ、その複合体の周りを樹脂などで被覆したシート状のもののことである。その製造方法としては、例えば、石英系のSI(シングルインデックス)型光ファイバーでは、前記したようなファイバーの後加工で順次製造される方法や、一方、プラスチック光ファイバーなどでは、ダイを用いてファイバーアレイごと一括成形する方法などが知られている。(特許文献1)
近年、インターネットの普及による通信トラフィックの爆発的な増加に伴い、前述した光ファイバーが家庭に達するFTTH(fiber to the home)の通信網が構築されつつある。また、一方でコンピュータや電子交換機などの装置間・内における接続も現在の銅などの金属ケーブル・配線からファイバーや光導波路を用いた光インターコネクションへの移行が進められている。中でも、ボード間、ボード内、チップ間、チップ内における光インターコネクション材料としては、フィルム化されたフレキシブルなポリマー光導波路が利用されつつある。また、ポリマー光導波路型デバイスとしても、単なる光配線から、例えば、熱光学効果(TO)スイッチ、アレイ導波路格子型可変長フィルタ(AWG−TF)への応用が進んでいる。これらのポリマー光導波路の製造方法としては、選択重合法、反応性イオンエッチング(RIE)とフォトリソグラフィーを組み合わせた方法(特許文献2)、直接露光法(特許文献3)、射出成形法をもとにした方法(特許文献4)、フォトブリーチング法(特許文献5)などが知られている。
しかしながら、これらの製造方法は、工程数が非常に多いために製造時間が長くなり、製造コストが高く、また、導光路となるコアも光および熱硬化性樹脂を主に利用していたため、一度にコアを形成するのは、2次元平面内に限定されており、また、僅かな領域でしかポリマー導波路を形成することは難しかった。また、3次元的に導光路を配列しようとしても、その製造方法は、ビルド・アップ型で順次、同様の操作で光導波路を積層形成するか、もしくは、ポリマー光導波路同士を貼り合わせて積層していくかに限られていた。そのため、工程数が多くなるばかりでなく、前者ではコアやクラッドを硬化させるための光や熱の量・分布を高精度に調整しなければ、厚み方向に設計通りの均一な屈折率分布を確保したまま形成することは困難であり、後者では高精度に貼り合わせなければ、コアの位置がずれたりする問題があった。(特許文献6、特許文献7、特許文献8)
特開昭60−117202号公報 特開2004−206016号公報 特開2003−185860号公報 特開2003−172841号公報 特開2004−012635号公報 特開平11−183747号公報 特開平12−258668号公報 特開2004−177730号公報
そこで、従来に比べて、工程数が少なく、大面積化が可能となり、さらに、3次元的に導光路を均一に配列せしめた光デバイスを提供する。
本発明者らは、上記目的を達成するために鋭意検討した結果、本発明に到達したものである。複数のコアと、前記コアのまわりに設置されたコアより屈折率の小さいクラッドとから構成されるシート状の光デバイスであって、コアとクラッドの一部が熱可塑性樹脂によって形成されてなり、前記複数のコアが導光路となる光デバイス。
従来のように、主に熱や光硬化性樹脂を用いるのでなく、本発明において、熱可塑性樹脂を中心的な材料として用いることによって、大面積かつ任意の導光路となる3次元的に複数のコアを形成するフレキシブルな光デバイスが可能となる。また、従来の製造方法に比べて、厚み方向の導光路の位置合わせを必要とせず、工程数が少なくて短時間、かつ複数のコアが一度に形成されるため低コスト化が実現される。本発明の光デバイスは、特に光情報通信用途向けに好適な光デバイスを提供することができる。
以下に、本発明の詳細を説明する。
本発明の光デバイスは、コアと、前記コアのまわりに設置されたコアより屈折率の小さいクラッドとから構成されるシート状の光デバイスであって、コアとクラッドの一部が熱可塑性樹脂によって形成されてなり、前記コアが任意の複数の導光路となる光デバイスである。本発明の光デバイスの断面図の例を図1に示す。図1に示される本発明の光デバイスにおけるコアとは、2の熱可塑性樹脂Aからなり、一方、クラッドは、1の熱可塑性樹脂Bと3の媒質Cからなるものである。また、コアからなる任意の複数の導光路とは、1と3の領域に囲まれた領域4のことである。なお、領域4が形成されていれば、コアとクラッドの一部である熱可塑性樹脂Bの繰り返し順序が、コア/クラッドの一部/コア/・・・と図1と異なっていても良い。また、ここでの任意とは導光路がコアの延在方向において、直線、曲線、Y分岐、合流構造などの光デバイスとして機能を果たすのなら、いかなる幾何学的形状であっても良いことを意味する。また、熱可塑性樹脂Bと媒質Cからなるクラッドの屈折率は、熱可塑性樹脂Aからなるコアの屈折率よりも小さいことが必要であり、その比屈折率差は、0.3%以上であることが必要である。比屈折率差とは、コアとクラッドの屈折率差をクラッドの屈折率で割った値のことである。本発明におけるクラッドは、熱可塑性樹脂Bと媒質Cから構成されているため、クラッドの屈折率は、高い方を採用する。また、光回路における曲げ半径を小さくできる観点から、比屈折率差は1%以上が好ましく、より好ましくは、2%以上である。本発明の光デバイスの熱可塑性樹脂は、ポリエチレン、ポリプロピレン、ポリ乳酸、ポリ(4−メチルペンテン−1)、環状ポリオレフィン、ポリメチルメタクリレート、ポリ塩化ビニル、ポリビニルアルコール、ナイロン6、11、12、66などのポリアミド、ポリスチレン、スチレン共重合ポリメタクリル酸メチル、ポリカーボネート、ポリエステル、ポリアリレート、ポリフッ化ビニリデン、ポリエーテルサルフォン、ポリフェニレンサルファイド、ポリエーテルイミド、ポリイミド、テトラフルオロエチレンーヘキサフルオロプロピレン共重合体、テトラフルオロエチレン−エチレン共重合体、ポリクロロトリフルオロエチレンなどのフッ素樹脂、フッ素化ポリイミドなどを用いることができる。これらは、ホモポリマーでも共重合ポリマー、さらには、アロイポリマーであってもよい。これらのうち透明性の点で、メタロセンやチーグラーナッタ触媒にて共重合したノルボルネンとエチレンの共重合体である環状オレフィンコポリマー(例えば、三井化学のアペル、ポリプラスチックのトパス)、ノルボネン系モノマーの開環メタセシス重合および水素化により得られる環状ポリオレフィン(例えば、日本ゼオンのゼオノア、ゼオネックス、JSRのアートン)、ポリ(4−メチルペンテン−1)、ポリカーボネート、ポリエステル、ポリメチルメタクリレート、ポリスチレン等が好ましく、エキシマレーザーの加工性の点では、ポリエステル、ポリカーボネート、ポリエーテルサルフォン、ポリイミドなどが好ましい。中でもコスト面から特に汎用性が高いポリエステルが好ましい。
本発明の光デバイスを構成するポリエステルとは、芳香族ジカルボン酸または脂肪族ジカルボン酸とジオールを主たる構成成分とする単量体からの重合により得られるポリエステルが好ましい。ここで、芳香族ジカルボン酸として、例えば、テレフタル酸、イソフタル酸、フタル酸、1,4-ナフタレンジカルボン酸、1,5−ナフタレンジカルボン酸、2,6-ナフタレンジカルボン酸、4,4′-ジフェニルジカルボン酸、4,4′-ジフェニルエーテルジカルボン酸、4,4′-ジフェニルスルホンジカルボン酸等を挙げることができる。脂肪族ジカルボン酸としては、例えば、アジピン酸、スベリン酸、セバシン酸、ドデカンジオン酸等を挙げることができる。中でも好ましくはテレフタル酸と2,6ナフタレンジカルボン酸を挙げることができる。これらの酸成分は1種のみ用いてもよく、2種以上併用してもよく、さらには、ヒドロキシ安息香酸等のオキシ酸等を一部共重合してもよい。
また、ジオール成分としては、例えば、エチレングリコール、1,2-プロパンジオール、1,3-プロパンジオール、ネオペンチルグリコール、1,3-ブタンジオール、1,4-ブタンジオール、1,5-ペンタンジオール、1,6-ヘキサンジオール、1,2-シクロヘキサンジメタノール、1,3-シクロヘキサンジメタノール、1,4-シクロヘキサンジメタノール、ジエチレングリコール、トリエチレングリコール、ポリアルキレングリコール、2,2-ビス(4-ヒドロキシエトキシフェニル)プロパン、9,9−ビス[4−(2−ヒドロキシエトキシ)フェニル]フルオレン、イソソルベート、スピログリコール等を挙げることができる。中でもエチレングリコールが好ましく用いられる。これらのジオール成分は1種のみ用いてもよく、2種以上併用してもよい。
上記ポリエステルのうち、ポリエチレンテレフタレートおよびその重合体、ポリエチレンナフタレートおよびそのとの共重合体、ポリブチレンテレフタレートおよびその共重合体、ポリブチレンナフタレートおよびその共重合体、さらにはポリヘキサメチレンテレフタレートおよびその共重合体、ポリヘキサメチレンナフタレートおよびその共重合体等を用いることが好ましい。中でも、エキシマレーザーの加工性においては、高いガラス転移点を有するポリエチレンナフタレートが好ましい。また、コアとクラッドの屈折率を調整する観点から、これらをアロイ化して用いても良い。例えば、熱可塑性樹脂Aからなるコアにポリエチレンテレフタレートとポリエチレンナフタレートを8:2の割合で混合したものを用い、熱可塑性樹脂Bからなるクラッドの一部にポリエチレンテレフタレートを用いたりすることもできる。その割合は、適宜、光学設計上の屈折率の調整に応じて決定すれば良い。
また、媒質Cは、コアからなる導光路と屈折率の界面を形成するものであれば、いかなる媒質でもよく、例えば、空気、熱可塑性樹脂、光や熱硬化性樹脂などであっても良い。但し、光伝送上の観点から、熱可塑性樹脂からなるクラッドの一部と屈折率が近いほど好ましく、媒質Cとクラッドの一部との屈折率差の絶対値は、0.01以下が好ましく、より好ましくは、0.005以下であり、さらに好ましくは等しいことである。
本発明の光デバイスの製造方法は、2台の押出機から熱可塑性樹脂層Aからなるコアと熱可塑性樹脂層Bを用いてなるクラッドの一部とを積層装置を用いて厚み方向に交互に3層以上積層し、次いで口金のスリット部から溶融状態でシート状に押出し、固化する光デバイス基材を形成する工程と、前記光デバイス基材に導光路が形成される工程とを含む光デバイスの製造方法である。
押出機には、単軸押出機と二軸押出機どちらを用いても良い。本発明に用いる熱可塑性樹脂の屈折率を調整する手段として、2種以上の異なる屈折率の熱可塑性樹脂をナノレベルで相溶(アロイ)化することにより屈折率の調整を可能とする混練化技術がある。このような場合は、スクリュー構成が非常に重要である。アロイ化を行う際は、単軸スクリューでは、ダルメージタイプ、マドックスタイプが好ましく、二軸スクリューでは、パドルの組合せにより練りを強くしたパドル構成にすることが好ましい。また、光学デバイス内には、光散乱をもたらす異物はできるだけ少ない方が良い。異物除去をする方法としては、真空ベント押出が効果的である。
そのために本発明の押出機としては、アロイ化、異物除去などの点で有利な二軸ベント式押出機が最も好ましい。また、異物を除去する方法としては、フィルタ濾過を行う方法も挙げられる。フィルタは、押出機から積層装置までの間に設置することによって、コアやクラッドの一部である熱可塑性樹脂内の異物を取り除くことができる。フィルタの濾過精度としては、光損失を少なくする観点から、20μm以下の濾過精度のフィルタを用いることが好ましい。より好ましくは、5μm以下である。本発明の光デバイス基材を形成するための積層装置とは、B/A/Bの3層構造では、公知のピノールで達成でき、それ以上の積層構造を形成するための積層装置としては、マルチマニホールドダイやマルチマニホールドタイプのフィードブロック、さらにコームタイプフィードブロックを用いることで達成できる。熱可塑性樹脂からなるコアとクラッドの一部の厚み精度を高くする観点から、マルチマニホールドタイプのフィードブロック、積層数が10層以上の場合は、コームタイプフィードブロックを用いることが最も好ましい。図2に本発明に好ましく用いる積層装置であるコームタイプフィードブロックの上面図を示す。また、図3にフィードブロックのスリット板7、及び短管12、口金13、キャストドラム14の側面図を示す。また、図4にフィードブロック9、及び短管12、口金9、キャストドラム10の正面図を示す。
これらを用いてシート状の光デバイス基材の製造方法を詳細に説明する。図2において、それぞれの押出機から供給されたポリマーA:5とポリマーB:6がフィードブロック内のマニホールド8にそれぞれ、充填され、次いでポリマー合流部であるスリット板7へポリマーA:5とポリマーB:6が交互に流入することにより、積層構造が達成される。但し、側面の図3においては、ポリマーAは、紙面表側からスリット板7内のスリット部10のみに流入され、一方、ポリマーBは、紙面裏側からスリット部11のみに流入されることにより、短管直前で多層流として合流され、積層構造を得る。積層数は、スリット部の数を、また、各スリット部の層厚みは、スリット部の間隙、長さを調整することによって、所望の積層構造が設計される。次いで、積層されたポリマー流は、短管12、口金13を経て、冷却ロールであるキャスティングドラム上に冷却固化されて、積層構造を有するシートとなる。(図3および図4参照。)この際、短管内のポリマー流路の断面形状は、均一な層厚みとする観点から、角型が好ましく、特にアスペクト比(流路断面のシート幅方向の長さ/厚み方向の長さ)が1以上であることが好ましい。また、その際の流量も高い積層精度を得る観点から5〜30kg/hr/cmと少ない方が好ましい。より好ましくは、5〜15kg/hr/cm、シートの平面性を保つために静電印加法によりキャスティングドラム上にシートを密着させることが好ましい。静電印加法とは、タングステンなどのワイヤーに3〜10kV程度の電圧をかけることにより、電界を発生させて、溶融状態のシートをキャスティングドラムに静電密着させて、冷却固化されたシートを得る方法のことである。その他、公知の表面粗さが0.2SレベルのHCrメッキのタッチロールなどにより、カレンダリングキャストしても良い。その際のタッチロール圧は、コアのシート形状を変形させない観点から、0.1MPa以下が好ましい。また、口金は、フィルム幅方向に均一な層厚みを実現させる観点から、T型口金が好ましい。
本発明の光デバイス基材に導光路を形成する方法としては、媒質Cを設けることにより達成される。例えば、媒質Cが空気であれば、光デバイス基材から媒質Cに相当する部分をブレードなどで物理的に削り出す方法やレーザーなどを用いてエッチング加工することにより達成できる。また、媒質Cが樹脂であれば、前記工程後の溝に媒質Cに相当する樹脂などを種々の塗布法により、流し込むことで達成される。エッチング工程を行わない方法としては、レーザーなどを用いてUV照射を施すことにより、照射されたコア部を低屈折率化するフォトブリーチング法などにより達成することもできる。あるいは、熱による樹脂の架橋硬化、溶融などに伴い樹脂の構造を相転移させる方法にて達成することもできる。
特に本発明における光デバイスの製造方法においては、任意の導光路の形成とその加工性の観点から、レーザー照射またはブレードによるエッチング工程が効果的である。レーザーとしては、如何なるレーザーであってもよく、例えば、YAG、He−Ne、炭酸ガスレーザの事である。特に、本発明では、フェムト秒レーザーやエキシマレーザーが好ましい。フェムト秒レーザーとは、異なる波長の光の位相を揃えることにより、半値幅が狭く、強い発振強度が得られる光のことである。そのため、熱の拡散よりも早く、材料を分解・蒸発気化させるため、シャープな加工精度が加工となるレーザーのことである。一方、エキシマレーザーとは、不活性ガスであるArFやKrFを放電励起させることにより、それぞれ、波長193、248nmの紫外線を発振するレーザーのことである。これは、エネルギーが高く、ポリマー材料の吸収波長帯域となるため、ポリマーの分解・蒸発を促進する特徴を有するレーザーである。エッチング工程の際に、エキシマレーザーでは、燐青銅製のマスクを用いて被加工体へのレーザースポットの形状を調整することが好ましい。スポットの形状としては、切削面を平坦にする観点から、長方形、円形、楕円形が好ましい。ライン加工の際には、このスポット位置がサンプル上を直線上に走査されることにより達成される。一方、ブレードとしては、熱可塑性樹脂を切削できるものであれば、如何なる材質でも良く、例えば、ガラス、ステンレス、ダイヤモンドなどが好ましい。特に、高細線の溝加工を可能とするミクロンレベルの刃のサイズを用いても耐久性があるダイヤモンドブレードが最も好ましい。切削加工方法としては、ミリング加工、引き切り加工、旋削加工などがある。ミリング加工は刃の回転を伴う加工方法であり、引き切りは非回転の加工方法、旋削は刃を固定し、被試験体を回転させる加工方法である。本発明においては、熱可塑性樹脂の切削部以外への損傷が少なく、切れ味の良い溝の端面切削が可能となるミリング加工が好ましい。ミリング加工方法としては、刃がスビンドル方式で回転することが好ましい。スピンドル方式としては、切削面に対して回転軸が平行と垂直の関係のものがある。本発明においては、ミリング加工後の溝の側面の平滑性の観点から、回転軸と平行のものを用いることが特に好ましい。なお、刃巾は、熱可塑性樹脂の溝巾サイズに合わせて選択するれば良い。本発明においては、光伝送用のコア径がミクロンレベルである観点から、巾は10μm以上1mm未満が好ましい。
本発明の光デバイスのエッチング工程後の溝底面の平均粗さは、500nm以下であることが好ましい。500nm以下であると溝側面も平滑となり、導光路と媒質Cの界面での光散乱による光損失が小さくなる。より好ましくは、250nm以下である。さらに好ましくは、100nm以下である。
本発明の光デバイス基材は、レーザーまたはブレードによるエッチングの加工性向上、およびクラッドの一部やコアへの損傷を防ぐ観点から少なくとも片面に粒子などの光散乱体がない保護層を形成していることが好ましい。これを保護層1と称す。保護層1は、熱可塑、熱硬化、光硬化性樹脂など如何なる樹脂でも良いが、剥離しがたくなる観点から接着させる層と同種の成分を含んでいることが好ましい。より好ましくは、クラッドの一部と同じ熱可塑性樹脂である。その形成方法は、ラミネート、コーティングにより形成されても良いが、接着性および工程簡略化の観点から溶融時にピノールもしくはフィードブロックによって積層される最外層であることが好ましい。なお、保護層1を有した光デバイス基材のレーザーエッチング工程では、加工性の観点からレーザー照射面側に保護層1があることが好ましい。レーザーエッチング工程後、光デバイスの照射面側ではテーパー状の溝が形成される。導光路の断面形状に影響を与えさせない観点から保護層1の厚みは5μm以上が好ましく、一方、取り扱い易さの観点から500μm以下が好ましい。より好ましくは、30μm以上200μm以下である。
本発明の光デバイスにおいて、クラッドの一部/コア/クラッド一部の3層構造では、導光路の2次元配列しか実現できない。この場合、伝送容量を高くするには、導光路を横に並べるために巾のサイズが大きくなる。そのため、少スペースで伝送容量を大きくする観点から、導光路の3次元配列が可能となるように、コアとクラッドの一部が厚み方向に交互に5層以上に積層されていることが好ましい。あまり層数が多くなると、加工精度の問題や光デバイスの厚み自体が厚くなり、フレキシブル性が失われるため、その上限は、100層以下が好ましい。5層以上の積層構造を得る方法は、公知のマルチマニホールドダイやマルチマニホールドタイプのフィードブロックを用いる場合は、形成する層数分だけマニホールド部の数を増やすことで達成される。しかしながら、層数が多くなると装置が大型化する問題があるため、層数が10層以上である場合は、コームタイプフィードブロックが最も好ましい。これは、スリット数を増加させることにより容易に達成することができる。また、最表層部を形成するスリットの巾は、厚み方向のコアの厚みを均一化する観点から、他のスリット巾の2倍以上であることが好ましい。
また、本発明の光デバイスは、導光路が光デバイスの厚み方向および/または巾方向に3次元的に複数配列することが好ましい。光デバイスの厚み方向とは、コアとクラッドの一部が積層されている方向であり、幅方向とは、コアが延在する方向と垂直の関係にある面内方向のことである。配列の間隔は、将来的には情報量増大の観点から出来るだけ高集積化された間隔で適宜調整することが好ましい。配列の間隔とは、厚み方向の導光路間距離と幅方向の導光路間距離がある。前者は厚み方向のクラッドの一部を挟んだコアの中心点間距離に相当し、後者は媒質Cを挟んだ幅方向に配列したコアの中心点間距離に相当する。現状では、通常のファイバーアレイなどのV溝基板の規格である導光路の中心間距離が125〜127μm間隔、もしくは250μm間隔に相当する配列の間隔で、厚み方向および/または巾方向に導光路が3次元的に配列していることが規格面で好ましい。導光路の数は、接続するファイバーアレイ数に対応するように適宜調整すれば良く、例えば、16芯のファイバーアレイを接続する場合は、厚み方向および/または巾方向に16個以上の導光路が必要である。また、その達成方法は、クラッドの一部/コア/クラッドの一部・・・の5層構造以上の光デバイス基材に所望の間隔および所望の深さまで媒質Cの領域を設けることにより達成される。
本発明の光デバイスのコアの厚みは、接続する光ファイバーのコア径などの観点から、1μm以上300μm以下であり、クラッドの一部の厚みが1μm以上500μm以下であることが好ましい。例えば、シングルモード光ファイバーであると、コアの厚みが6〜10μm前後、クラッドが55μm前後程度が好ましく、また、マルチモード光ファイバーであるとコアの厚みが60μm前後程度であり、クラッドの一部の厚みが30μm前後程度であることがより好ましい。また、その達成方法は、2台の押出機から供給されるコアとなる熱可塑性樹脂Aとクラッドの一部となる熱可塑性樹脂Bの吐出量を調整することにより達成される。また、全体の厚みを調整する方法としては、T型口金のスリット部から溶融状態でシート状に押し出され、次いで冷却ロールにて固化される際に、冷却ロールのロール周速度を調整することにより達成される。
また、本発明の光デバイスは、適度な巻き特性ならびに光デバイス同士がブロッキング現象による外部損傷を起こし難くする観点から、少なくとも一方の表面に粒子を含有している層があることが好ましい。これを保護層2と称す。その粒子濃度は、ブロッキング防止かつ易滑性を付与するために必要な適度な突起を形成しつつ光散乱による光デバイス基材の加工性低下を起こしがたくする観点から10wt.%〜0.01wt.%の範囲が好ましい。上記範囲とするには、樹脂固形成分と粒子固形成分の重量比を調整することで達成される。また、用いる粒子の1次平均粒径は、同じ観点から0.01μm以上2μm以下が好ましい。より好ましくは、0.05以上1.5μ以下である。易滑性の評価方法は、表面粗さや動摩擦係数もしくは静止摩擦係数などのパラメータで判断することができる。易滑性付与の観点から、動摩擦および静摩擦係数とも1以下が好ましく、より好ましくは0.7以下である。保護層2は、熱可塑、熱硬化、光硬化性樹脂など如何なる樹脂でも良いが、剥離しがたくなる観点から接着させる層と同種の成分を含んでいることが好ましい。また、粒子の脱落及び易滑性の観点から、厚みは0.1μ以上10μ以下であることが好ましい。表面に粒子を含有する層を形成する方法としては、例えば、最外層の表面にシリカなどの無機粒子を含有した塗剤を光デバイスもしくは光デバイス基材の片面にコーティングすることにより達成される。また、溶融押出時にピノールもしくはフィードブロックによって積層される最外層の樹脂内に粒子を含有させることでも達成できる。粒子種としては、有機、無機滑材に大別ができる。その形状としては、凝集粒子、真球状粒子、数珠状粒子、コンペイト状粒子、鱗片状粒子などの形状粒子を使うことができる。また、その材質としては、無機系としては、酸化珪素(シリカも含む)、炭酸カルシウム、酸化チタン、アルミナ、ジルコニア、珪酸アルミニウム、マイカ、クレー、タルク、硫酸バリウム等を、有機系としては、ポリイミド系樹脂、オレフィンあるいは変性オレフィン系樹脂、架橋ないし無架橋ポリスチレン系樹脂、架橋ないし無架橋アクリル樹脂、フッ素系樹脂、シリコン系樹脂等の樹脂、また有機滑材としてステアリン酸アミド、オレイン酸アミド、フマール酸アミドなどの各種アミド化合物を挙げることができる。特に、本発明の光デバイスでは、光散乱をおさえる観点から、粒子の屈折率と粒子を含有する樹脂層の屈折率との差が0.01以下となる粒子を用いることが好ましい。また、効果的に易滑性を付与する観点から、真球状、もしくは凝集状が好ましく、コストおよび汎用性からシリカ粒子が好ましい。
なお、保護層2を有した光デバイス基材のレーザーエッチング工程では、加工性の観点からレーザー照射面側に保護層2がないことが好ましい。
本発明の光デバイスは、コアの延在方向でもある導光路の進行方向において、長さが1m以上であることが好ましい。デバイスとしてのポリマー光導波路は、通常、数cm〜数十cm以内の範囲で使用されるが、生産性などの観点から、一度に1m以上の光デバイスを作製し、それを分割することより、汎用的かつ安価に利用者に供給できる観点から好ましい。より好ましくは、2m以上である。その達成方法としては、延在方向に無限の長さが可能である溶融押出法により得られた光デバイス基材を用いることによって達成されるが、光デバイスの長さが長ければ、長いほど、光デバイス基材自体の厚みむら大きくなる。この厚みむら起因によるコアの厚み変動を抑制するため、厚みむらは、10%以内であることが好ましい。より好ましくは、5%以内である。厚みむらとは、厚み変化率のことであり、最大厚みと最小厚み差を平均厚みで割った値のことである。ここで、厚みとは光デバイスにおける最大面積を有する面と垂直方向の光デバイスの幅のことを言う。厚みむらを上記範囲とする方法としては、口金のリップ間隙と光デバイス基材であるシート厚みの比であるドラフト比を1以上20未満とすることであり、より好ましくは、10未満とすることである。
本発明の光デバイスは、そのエキシマレーザーの加工精度を高める観点から、UV吸収剤を含有していることが好ましい。UV吸収剤とは、紫外線吸収剤のことであり、耐候剤や蛍光増白剤などと呼ばれることもある。
本発明においては、特にベンゾフェノン系、ベンゾトリアゾール系及びトリアジン系のUV吸収剤を本発明に用いる熱可塑性樹脂に対して0.01重量%〜1重量%程度、含有させて用いることが好ましい。ベンゾフェノン系としては、例えば、4-メトキシ-2-ヒドロキシベンゾフェノン、4-メトキシ-2-ヒドロキシベンゾフェノン-5-スルホン酸、4-メトキシ-2-ヒドロキシベンゾフェノン-5-スルホン酸(トリハイドレイト)、2,4-ジヒドロキシベンゾフェノン、4,4'-ジメトキシ2,2'-ジヒドロキシベンゾフェノン、4,4'-ジメトキシ-2,2'-ジヒドロキシ-5,5'-ジスルホン酸ベンゾフェノンジナトリウム、2,2'-4,4'-テトラヒドロキシベンゾフェノン、ヒドロキシメトキシベンゾフェノンスルホン酸ナトリウム 、オクタベンゾン、 2-ヒドロキシ-4-m-オクトキシ-ベンゾフェノン、2-ヒドロキシ-4-n-オクトキシベンゾフェノン などが挙げられる。また、ベンゾトリアゾール系としては、2-(2H-ベンゾトリアゾール-2-イル)-p-クレゾール、2-(2H-ベンゾトリアゾール-2-イル)-4-6-ビス(1-メチル-1-フェニルエチル)フェノール、2-[5-クロロ(2H)-ベンゾトリアゾール-2-イル]-4-メチル-6-(tert-ブチル)フェノール、2,4-ジ-tert-ブチル-6-(5-クロロベンゾトリアゾール-2-イル)フェノール、2-(2H-ベンゾトリアゾール-2-イル)-4,6-tert-ペンチルフェノール、2-(2H-ベンゾトリアゾール-2-イル)-4-(1,1,3,3-テトラメチルブチル)フェノール、2,2'-メチレンビス[6-(2H-ベンゾトリアゾール-2-イル)-4-(1,1,3,3-テトラメチルブチル)フェノール]、2(2'-ヒドロキシ-3'-tert-ブチル-5'-メチルフェニル)5クロロベンゾトリアゾール 、 2(2'-ヒドロキシ-3'5-ジ-tert-ブチル-フェニル)5クロロベンゾトリアゾール 、2(2'-ヒドロキシ-5'-メチルフェニル)ベンゾトリアゾール 、2-(2-ヒドロキシ-5-オクチルフェニル)-ベンゾトリアゾ−ルなどが挙げられる。さらに、トリアジン系としては、2-(4,6-ジフェニル-1,3,5-トリアジン-2-イル)-5-[(ヘキシル)オキシ]-フェノール、2-[4,6-ビス(2,4-ジメチルフェニル)-1,3,5-トリアジン-2-イル]-5-(オクチルオキシ)フェノ−ル、1,6-ヘキサンジアミン,N,N'-ビス(1,2,2,6,6-ペンタメチル-4-ピペリジル)、ポリマーズモルホリン-2,4,6-トリクロロ-1,3,5-トリアジンなどが挙げられるが、これらに限定されない。上記した成分は、2種以上を混合して使用することもできる。
本発明の光デバイスは、クラッドの熱可塑性樹脂で構成される以外の一部が硬化性樹脂であることが好ましい。例えば、光硬化型としては、メタクリル樹脂、光硬化型ポリクロロビフェニール、脂環エポキシ樹脂、光カチオン重合開始剤、アクリレート系樹脂(Si、F含有)、光ラジカル、重合開始剤、フッ素化ポリイミドなどを用いることができる。また、熱硬化型としては、架橋剤が含まれたエポキシ、フェノール、ウレタン、アクリル、ポリエステル系などの如何なる樹脂であっても良い。
特に、本発明の光デバイスに形成されるクラッドの一部である媒質Cは、ウレタン樹脂、ポリエステル樹脂、アクリル樹脂の少なくともいずれかを用いてなることが好ましく、それぞれ単独で用いてもよく、また、屈折率を調整する観点から異なる2種類の樹脂、例えば、ポリエステル樹脂とウレタン樹脂、ポリエステル樹脂とアクリル樹脂、あるいはウレタン樹脂とアクリル樹脂を組み合わせて用いてもよく、3種類を組み合わせて用いられることが好ましい。
本発明の光デバイスにおいて、媒質Cの構成成分として好ましく用いることができるウレタン樹脂は、アニオン性基を有する水溶性あるいは水分散性のウレタン樹脂であれば特に限定されるものではなく、主要構成成分としては、ポリオール化合物とポリイソシアネート化合物を共重合して得られるものである。具体的には、カルボン酸塩基、スルホン酸塩基、または硫酸半エステル塩基の導入により水への親和性が高められたウレタン樹脂などを用いることができる。カルボン酸塩基、スルホン酸塩基、または硫酸半エステル塩基などの含有量は、樹脂への分散性と水への親和性の観点から0.5〜15重量%が好ましい。
ウレタン樹脂に用いるポリオール化合物としては、例えば、ポリエチレングリコール、ポリプロピレングリコール、ポリエチレン・プロピレングリコール、ポリテトラメチレングリコール、ヘキサメチレングリコール、ヘキサメチレングリコール、テトラメチレングリコール、1,5−ペンタンジオール、ジエチレングリコール、トリエチレングリコール、ポリカプロラクトン、ポリヘキサメチレンアジペート、ポリテトラメチレンアジペート、トリメチロールプロパン、トリメチロールエタン、グリセリン、アクリル系ポリオールなどを挙げることができる。
また、ウレタン樹脂に用いるポリイソシアネート化合物としては、例えば、トリレンジイソシアネート、ヘキサメチレンジイソシアネート、フェニレンジイソシアネート、ジフェニルメタンジイソシアネート、トリレンジイソシアネートとトリメチロールプロパンの付加物、ヘキサメチレンジイソシアネートとトリメチロールエタンの付加物などを用いることができる。
ウレタン樹脂中には、上記ポリオール化合物とポリイソシアネート化合物の他に、鎖長延長剤あるいは架橋剤などを含んでいてもよい。
ここで、鎖延長剤あるいは架橋剤としては、エチレングリコール、プロピレングリコール、ブタンジオール、ジエチレングリコール、エチレンジアミン、ジエチレントリアミンなどを用いることができる。
アニオン性塩基を有するウレタン樹脂の製造方法としては、例えば、ポリオール、ポリイソシアネート、鎖延長剤などに、アニオン性基を有する化合物を用いる方法、生成したウレタン樹脂の未反応イソシアネート基とアニオン性基を有する化合物を反応させる方法、あるいはウレタン樹脂の活性水素を有する基と特定の化合物を反応させる方法などを用いて製造することができるが、特に限定されるものではない。
また、アニオン性基を有するウレタン樹脂としては、分子量300〜20000のポリオール、ポリイソシアネート、反応性水素原子を有する鎖長延長剤及びイソシアネート基と反応する基、及びアニオン性基を少なくとも1個有する化合物からなる樹脂が特に好ましいものである。
ウレタン樹脂中のアニオン性基は、好ましくはスルホン酸基、カルボン酸基およびこれらのアンモニウム塩、リチウム塩、ナトリウム塩、カリウム塩あるいはマグネシウム塩であり、特に好ましくは、スルホン酸塩基である。
ポリウレタン樹脂中のアニオン性基の量は、0.05重量%〜8重量%が好ましい。0.05重量%未満では、ウレタン樹脂の水分散性が悪くなる傾向があり、8重量%を超えると、樹脂の耐水性が劣ったり、樹脂層同士が固着するブロッキング現象が発生する傾向がある。
本発明の光デバイスにおいて、媒質Cの構成成分として好ましく用いられるアクリル樹脂に関し、該アクリル樹脂を構成するモノマー成分としては、例えば、アルキルアクリレート、アルキルメタクリレート(アルキル基としてはメチル基、エチル基、n−プロピル基、イソプロピル基、n−ブチル基、イソブチル基、t−ブチル基、2−エチルヘキシル基、ラウリル基、ステアリル基、シクロヘキシル基、フェニル基、ベンジル基、フェニルエチル基などが挙げられる)、2−ヒドロキシエチルアクリレート、2−ヒドロキシエチルメタクリレート、2−ヒドロキシプロピルアクリレート、2−ヒドロキシプロピルメタクリレートなどのヒドロキシ基含有モノマー、アクリルアミド、メタクリルアミド、N−メチルアクリルアミド、N−メチルメタクリルアミド、N−メチロールアクリルアミド、N−メチロールメタクリルアミド、N,N−ジメチロールアクリルアミド、N−メトキシメチルアクリルアミド、N−メトキシメチルメタクリルアミド、N−フェニルアクリルアミドなどのアミド基含有モノマー、N,N−ジエチルアミノエチルアクリレート、N,N−ジエチルアミノエチルメタクリレートなどのアミノ基含有モノマー、グリシジルアクリレート、グリシジルメタクリレートなどのエポキシ基含有モノマー、アクリル酸、メタクリル酸およびそれらの塩(リチウム塩、ナトリウム塩、カリウム塩などが挙げられる)などのカルボキシル基またはその塩を含有するモノマーなどを挙げることができ、これらは1種もしくは2種以上を用いて(共)重合して用いられる。更に、本発明の効果を阻害しない範囲で、他種のモノマーを併用することができる。
ここで他種のモノマーとしては、例えば、アリルグリシジルエーテルなどのエポキシ基含有モノマー、スチレンスルホン酸、ビニルスルホン酸およびそれらの塩(リチウム塩、ナトリウム塩、カリウム塩、アンモニウム塩など)などのスルホン酸基またはその塩を含有するモノマー、クロトン酸、イタコン酸、マレイン酸、フマール酸およびそれらの塩(リチウム塩、ナトリウム塩、カリウム塩、アンモニウム塩など)などのカルボキシル基またはその塩を含有するモノマー、無水マレイン酸、無水イタコン酸などの酸無水物を含有するモノマー、ビニルイソシアネート、アリルイソシアネート、スチレン、ビニルメチルエーテル、ビニルエチルエーテル、ビニルトリスアルコキシシラン、アルキルマレイン酸モノエステル、アルキルフマール酸モノエステル、アクリロニトリル、メタクリロニトリル、アルキルイタコン酸モノエステル、塩化ビニリデン、酢酸ビニル、塩化ビニルなどを用いることができる。
また、本発明において用いることができるアクリル樹脂としては、変性アクリル共重合体、例えば、ポリエステル、ウレタン、エポキシなどで変性したブロック共重合体、グラフト共重合体なども使用可能である。
この中でも、本発明において用いられる好ましいアクリル樹脂としては、メチルメタクリレート、エチルアクリレート、n−ブチルアクリレート、2−ヒドロキシエチルアクリレート、アクリルアミド、N−メチロールアクリルアミド、アクリル酸から選ばれる共重合体などである。
本発明では、該アクリル樹脂を水に溶解、乳化、あるいは懸濁し、水系アクリル樹脂液として用いることが、環境汚染や塗布時の防爆性の点で好ましい。このような水系アクリル樹脂は、親水性基を有するモノマー(アクリル酸、メタクリル酸、アクリルアミド、ビニルスルホン酸およびその塩など)との共重合や反応性乳化剤や界面活性剤を用いた乳化重合、懸濁重合、ソープフリー重合などの方法によって作製することができる。
本発明の光デバイスにおいて、媒質Cは、好ましくはポリエステル樹脂を主たる構成成分とする樹脂とすることが好ましい。ポリエステル樹脂を用いることで、コアとクラッドの一部との接着性を向上させることができ、特に、クラッドの一部と屈折率を等しくすることができる。ここで、用いられるポリエステル樹脂とは、主鎖あるいは側鎖にエステル結合を有するものであり、従来公知のポリエステル樹脂から任意に選ぶことができる。
該ポリエステル樹脂を構成する酸成分としては、芳香族、脂肪族、脂環族のジカルボン酸や3価以上の多価カルボン酸を使用することができる。
芳香族ジカルボン酸としては、テレフタル酸、イソフタル酸、オルソフタル酸、フタル酸、2,5−ジメチルテレフタル酸、1,4−ナフタレンジカルボン酸、ビフェニルジカルボン酸、2,6−ナフタレンジカルボン酸、1,2−ビスフェノキシエタン−p,p’−ジカルボン酸、フェニルインダンジカルボン酸などを用いることができる。プライマー層の強度や耐熱性の点から、これらの芳香族ジカルボン酸が、好ましくは全ジカルボン酸成分の30モル%以上、より好ましくは35モル%以上、特に好ましくは40モル%以上を占めるポリエステルを用いることが好ましい。
また、脂肪族および脂環族のジカルボン酸としては、コハク酸、アジピン酸、セバシン酸、アゼライン酸、ドデカンジオン酸、ダイマー酸、1,3−シクロペンタンジカルボン酸、1,2−シクロヘキサンジカルボン酸、1,4−シクロヘキサンジカルボン酸など、およびそれらのエステル形成性誘導体を用いることができる。
媒質Cの構成成分として好ましく用いられるポリエステル樹脂のグリコール成分としては、エチレングリコール、ジエチレングリコール、ポリエチレングリコール、プロピレングリコール、ポリプロピレングリコール、1,3−プロパンジオール、1,3−ブタンジオール、1,4−ブタンジオール、1,5−ペンタンジオール、1,6−ヘキサンジオール、1,7−ヘプタンジオール、1,8−オクタンジオール、1,9−ノナンジオール、1,10−デカンジオール、2,4−ジメチル−2−エチルヘキサン−1,3−ジオール、ネオペンチルグリコール、2−エチル−2−ブチル−1,3−プロパンジオール、2−エチル−2−イソブチル−1,3−プロパンジオール、3−メチル−1,5−ペンタンジオール、2,2,4−トリメチル−1,6−ヘキサンジオール、1,2−シクロヘキサンジメタノール、1,3−シクロヘキサンジメタノール、1,4−シクロヘキサンジメタノール、2,2,4,4−テトラメチル−1,3−シクロブタンジオール、4,4’−チオジフェノール、ビスフェノールA、4,4’−メチレンジフェノール、4,4’−(2−ノルボルニリデン)ジフェノール、4,4’−ジヒドロキシビフェノール、o−,m−,およびp−ジヒドロキシベンゼン、4,4’−イソプロピリデンフェノール、4,4’−イソプロピリデンビンジオール、シクロペンタン−1,2−ジオール、シクロヘキサン−1,2−ジオール、シクロヘキサン−1,4−ジオールなどを用いることができる。
また、媒質Cの構成成分として用いられるポリエステル樹脂は、水系液にして塗液として用いるのが好ましく、この場合には、ポリエステル樹脂の水溶化あるいは水分散化を容易にするため、スルホン酸塩基を含む化合物や、カルボン酸塩基を含む化合物を共重合することが好ましい。
ここで、カルボン酸塩基を含む化合物としては、例えば、トリメリット酸、無水トリメリット酸、ピロメリット酸、無水ピロメリット酸、4−メチルシクロヘキセン−1,2,3−トリカルボン酸、トリメシン酸、1,2,3,4−ブタンテトラカルボン酸、1,2,3,4−ペンタンテトラカルボン酸、3,3’,4,4’−ベンゾフェノンテトラカルボン酸、5−(2,5−ジオキソテトラヒドロフルフリル)−3−メチル−3−シクロヘキセン−1,2−ジカルボン酸、5−(2,5−ジオキソテトラヒドロフルフリル)−3−シクロヘキセン−1,2−ジカルボン酸、シクロペンタンテトラカルボン酸、2,3,6,7−ナフタレンテトラカルボン酸、1,2,5,6−ナフタレンテトラカルボン酸、エチレングリコールビストリメリテート、2,2’,3,3’−ジフェニルテトラカルボン酸、チオフェン−2,3,4,5−テトラカルボン酸、エチレンテトラカルボン酸など、あるいはこれらのアルカリ金属塩、アルカリ土類金属塩、アンモニウム塩等を挙げることができるが、これらに限定されるものではない。
また、スルホン酸塩基を含む化合物としては、例えば、スルホテレフタル酸、5−スルホイソフタル酸、4−スルホイソフタル酸、4−スルホナフタレン−2,7−ジカルボン酸、スルホ−p−キシリレングリコール、2−スルホ−1,4−ビス(ヒドロキシエトキシ)ベンゼンなどあるいはこれらのアルカリ金属塩、アルカリ土類金属塩、アンモニウム塩を用いることができるが、これらに限定されるものではない。
また、本発明においては、媒質Cに用いられるポリエステル樹脂として、変性ポリエステル共重合体、例えば、アクリル、ウレタン、エポキシなどで変性したブロック共重合体、グラフト共重合体なども使用可能である。
媒質Cに用いられる好ましいポリエステル樹脂としては、酸成分としてテレフタル酸、イソフタル酸、セバシン酸、5−ナトリウムスルホイソフタル酸、グリコール成分としてエチレングリコール、ジエチレングリコール、1,4−ブタンジオール、ネオペンチルグリコールから選ばれる共重合体なども挙げられる。樹脂層Aに耐水性が必要とされる場合は、5−ナトリウムスルホイソフタル酸の代わりに、トリメリット酸をその共重合成分とした共重合体なども好適に用いることができる。
本発明の光デバイスにおいて、媒質Cに用いられるポリエステル樹脂の製造方法は特に限定されないが、たとえば以下の製造方法によって製造することができる。すなわち、ジカルボン酸成分として、テレフタル酸、イソフタル酸、5−ナトリウムスルホイソフタル酸、グリコール成分としてエチレングリコール、ネオペンチルグリコールからなるポリエステル樹脂について説明すると、テレフタル酸、イソフタル酸、5−ナトリウムスルホイソフタル酸とエチレングリコール、ネオペンチルグリコールとを直接エステル化反応させるか、テレフタル酸、イソフタル酸、5−ナトリウムスルホイソフタル酸及びエチレングリコール、ネオペンチルグリコールとをエステル交換反応させる第一段階と、この第一段階の反応生成物を重縮合反応させる第二段階によって製造する方法などにより製造することができる。
この際、反応触媒として、例えば、アルカリ金属、アルカリ土類金属、マンガン、コバルト、亜鉛、アンチモン、ゲルマニウム、チタン化合物などを用いることができる。
また、カルボン酸を、末端および/または側鎖に多く有するポリエステル樹脂が好ましく用いられるが、これらを得る方法としては、たとえば特開昭54−46294号公報、特開昭60−209073号公報、特開昭62−240318号公報、特開昭53−26828号公報、特開昭53−26829号公報、特開昭53−98336号公報、特開昭56−116718号公報、特開昭61−124684号公報、特開昭62−240318号公報などに記載の3価以上の多価カルボン酸を共重合する方法で製造することができる。もちろん、これらの方法以外の方法を用いてもよい。
本発明にかかる媒質Cに用いられるポリエステル樹脂の固有粘度は、特に限定されないが、接着性の点で0.3dl/g以上であることが好ましく、より好ましくは0.35dl/g以上、特に好ましくは0.4dl/g以上である。
また、ポリエステル樹脂のガラス転移温度(Tg)は、0〜130℃であることが好ましく、より好ましくは0〜80℃である。Tgが0℃未満では、例えば耐熱接着性が劣ったり、樹脂層同士が固着するブロッキング現象が発生することがあり、逆に130℃を超える場合、樹脂の安定性や水分散性が劣る場合がある。
本発明の光デバイスに媒質Cを設ける塗布の方法としては、例えば、スピンコート法、リバースコート法、グラビアコート法、ロッドコート法、バーコード法、マイヤーバーコード法、ダイコート法、スプレーコート法、ディップコート法などを用いることができる。
本発明の光デバイスは、光接合時の戻り光を失くす観点あるいは傾斜端面での反射による光路変換をともなった光結合の観点から、その端面が厚み方向の垂線に対して(光デバイスの面直方向に対して)5°以上45°以下の角度で傾斜した傾斜端面であることが好ましい。ここでの角度とは、光デバイスの厚み方向と延在方向の面内において、傾斜面と垂線で挟まれた角度のことである。この角度が小さすぎると戻り光が発生し、逆に角度が大きすぎると直進光が低減される観点から8°以上12°以下がより好ましい。傾斜端面とは、本発明の光デバイスにおいて、光の入出力を行う端面箇所が傾斜している事である。光デバイスにおける場所を示すと、延在方向の始点と終点になる。その達成方法は、ミクロトームによる切削および研磨装置によるポリシング、さらには樹脂のガラス転移温度以上での金属鏡面への転写などにより達成することができる。研磨装置に用いる砥粒については、被研磨体が熱可塑性樹脂の場合は、その弱い硬度の観点からシリカ、アルミナを用いることが好ましいく、研磨側の粗度としては、最終的に#8000以上を用いることが好ましい。また、その研磨後の端面の表面の平均粗さは、挿入損失を少なくする観点から500nm以下、より好ましくは100nm以下であることが好ましい。このような端面加工により、光の挿入損失が極めて少ない光デバイスへの光入出力が容易に達成される。
さらに、本発明の光デバイスは、フレキシブル性を確保する観点から、破断伸度が10%以上であることが好ましい。10%未満であると弱い曲げ応力で簡単に割れてしまうため、より好ましくは、20%以上である。その達成方法は、単体で破断伸度が高い樹脂をアロイもしくは、単体で熱可塑性樹脂A、熱可塑性樹脂Bのどちらかに用いることで達成される。破断伸度が高い樹脂の体積分率を適宜、調整することで達成される。
本発明の光デバイスに用いる光の波長は850nmであることが好ましい。通常、光通信に用いられる波長は、1.55μm、1.31μmであるが、本発明の光デバイスは、熱可塑性樹脂を用いているため、一般的に、前記した近赤外線領域に光吸収端をもつことが多い。そのため近赤外〜可視光領域の波長である1200nm〜400nmの波長を用いることが好ましい。特に、光吸収が小さく、かつ伝送容量が多い特徴を有する波長850nmの光を用いることが本発明の光デバイスには好適である。
また、本発明の光デバイスは、用いる光が偏光である場合は、偏波依存性を示す観点からコアの厚み方向の屈折率と巾方向の屈折率差が0.005以上であることが好ましい。その達成方法としては、得られた光デバイス基材を巾方向、もしくは延在方向に少なくとも1方向に延伸することにより達成される。その延伸倍率は、3倍以下が好ましく、また、延伸温度は、用いた熱可塑性樹脂のガラス転移温度以上で実施することにより達成される。その他、熱弛緩処理を施しても良い。
本発明の光デバイスは、スイッチ素子、スプリッターなどの分波器、アレイ導波路型回折格子(AWG)、方向性結合器、導波路のピッチ間隔変換器(PCLA)などの光情報通信用モジュール分野に用いられる光デバイスであることが好ましい。さらには、本光デバイスを用いた光実装回路であっても良い。これらが融合した光集積回路であっても良い。さらに、本発明の光デバイスは、光I/O内蔵型システムLSIパッケージや光バックプレーン、さらにはCPU内の光インターコネクション用途に用いられることが好ましい。特に、民生用機器では携帯電話、ゲーム、家電製品などへの応用が好ましいが、限定はしていない。
以下、本発明の光デバイスの実施例を用いて説明する。
[物性の測定方法ならびに効果の評価方法]
特性値の評価方法ならびに効果の評価方法は次の通りである。
(1)積層厚み、積層数、積層構造
シートの層構成は、ミクロトームを用いて断面を切り出したサンプルについて、電子顕微鏡観察により求めた。すなわち、電界放出型走査型電子顕微鏡JSM−6700F((株)Jeol製)を用い、シート断面を200〜1000倍に拡大観察し、断面写真を撮影し、層構成および各層厚みを測定した。複数あるコアとなる熱可塑性樹脂Aの層厚みおよびクラッドの一部となる熱可塑性樹脂Bの層厚みは、それぞれ、平均値を採用した。
(2)熱可塑性樹脂および媒質の屈折率
評価の対象とする樹脂単体毎に、光デバイスの積層構造の構成に供給したものと同一組成の樹脂について、JIS K7142(1996)A法に従って測定した。
(3)損失
25℃、65%RHの環境下で、JIS C6823(1999)カットバック法(IEC60793−C1A)に準じて行った。光源には、波長850nmの固定波長レーザーを用いた。なお、測定の際には、コア厚みに対応したファイバーコネクタとサンプルとの調芯を行った。調芯機は、駿河精機製のものを用いて行った。また、挿入損失を低減するために、サンプルとファイバー間にはマッチングオイルを用いた。測定結果を以下の基準で判断した。導光路が複数ある場合は、最も損失の少ない値を採用した。
0.5dB/cm未満であるものは、○
1未満0.5dB/cm以上であるものは、△
1dB/cm以上であるものは、×。
(4)シート厚み変動
アンリツ株式会社製フィルムシックネステスタ「KG601A」および電子マイクロメータ「K306C」を用い、シートの長手方向に30mm幅、3m長にサンプリングした光デバイス基材を0.1sのサンプリング刻み、シート走査速度1.5m/minで連続的に厚みを測定した。シート厚みの変化率は、シート長さ2m内での最大厚みと最小厚みの差を、平均厚みで割り、100を乗じた値(%)とした。なお、このシート厚みの変化率についてはn数5回で測定した。
(5)破断伸度
破断伸度はインストロンタイプの引張試験機(オリエンテック(株)製フィルム強伸度自動測定装置“テンシロンAMF/RTA−100”)を用いて、25℃、65%RHの環境下にてJIS−K7127に準拠して測定した。シート長手方向(MD方向:Machine Direction)およびシート幅方向(TD方向:Transevers Direction)それぞれについて、幅10mmの光デバイス基材であるシートを、試長間50mm、引張り速度300mm/分の条件で引張り、破断伸度を求めた。なお、n数は5回とし、MD.TDを含めた平均値を採用した。
(6)溝底面の表面粗さ
エッチング工程を終えた光デバイス基材の溝のある加工面を上向きにし、サンプルをガラス基板上に固定した。このサンプルを超深度形状測定顕微鏡VK−8500(KEYENCE社製)用いて、対物レンズ20倍、縦方向分解能20nmで焦点を溝底面に合わせて観察を行った。次いで、付属の画像計測・解析ソフトVK−H1Wを用いて、溝底面の表面粗さを測定した。測定条件は、10×10mm〜40×40mm程度の領域の算術平均粗さを10カ所測定し、それらの値を平均化したものを、表面粗さとして採用した。
(7)形成された導光路の形状
作製された光デバイスの端面を前記した走査型電子顕微鏡を用いて、導光路の形状が、シャープな角度を有する四角形になっているかどうかを確認した。導光路と媒質Cの境界線が熱可塑性樹脂であるコアとクラッドの一部の積層界面と垂直な関係に保たれているものを設計指針とする四角形の断面形状とした。なお、導光路と媒質Cの境界線と導光路底辺である積層界面で挟まれた角度が90±5度であるものを四角形と判断した。この基準をもとに形成された導光路全てについて評価を行い、以下の基準に従って光デバイスの評価を行った。
導光路の断面形状が全て、四角形であるもの ○
導光路の5割がテーパー状となっているもの △
殆ど導光路が形成されていないもの ×。
[実施例1]
ポリエチレンテレフタレートをクラッドの一部となる熱可塑性樹脂Bとし、コアとなる熱可塑性樹脂Aとしてポリエチレテレフタレートにポリエーテルイミドを20重量%混ぜたポリマーアロイを用いた。(熱可塑性樹脂A,B、共に無粒子)。熱可塑性樹脂AおよびBは、それぞれの二軸ベント式押出機にて280℃で溶融させ、FSSタイプのリーフディスクフィルタ(濾過精度10μm)を5枚介した後、ギアポンプにて吐出比が熱可塑性樹脂A組成物/熱可塑性樹脂B組成物=5/1になるように計量しながら、5層のコームタイプのフィードブロックにて合流させて、厚み方向に交互に積層された積層体とした。その内訳は、熱可塑性樹脂Aが2層、熱可塑性樹脂Bが3層からなる厚み方向に交互に積層された周期構造を有する積層体であり、最外層は熱可塑性樹脂Bとした。さらに、3台目の押出機から保護層2として、熱可塑性樹脂Bに平均粒径1.2μmの凝集シリカを0.02重量%添加した熱可塑性樹脂Cが、片面の最外層部にくるようにフィードブロック下の2層複合ピノール(5層積層体/保護層2)から合流させて、計6層からなる積層体とした。この際のポリマー流路の断面形状は、アスペクト比(巾方向の長さ/厚み方向の長さ)2の角型形状を用いた。また、断面積内を単位時間内に通過する積層された樹脂の吐出量は、20kg/hr/cmであった。該積層体をTダイに供給し、シート状に成形した後、ワイヤーで8kVの静電印可電圧をかけながら、表面温度25℃に保たれたキャスティングドラム上で急冷固化し未延伸シートである光デバイス基材を得た。なお、このときのドラフト比は8であり、得られたシート厚みは、131μmであった。採取した光デバイス基材の長さは5m以上であった(以下、実施例1〜9まで採取した光デバイス基材の長さは同様。)。得られた光デバイス基材の層の構成を表1に示す。
次いで、波長248nmのエキシマレーザーを用いて、深さ120μm×巾50μm×長さ5cmの溝を50μm間隔で2本形成し、凹凸凹の形状を形成した。つまり、導光路の幅となる凸部の巾が50μmである。なお、エッチング工程に際しては、粒子が含有していない面からレーザーを照射した。レーザーは、1ショットで、パルス巾20ns、強度350mJのパルス波を放出するものを用いた。レーザー条件は周波数197Hz一定として、照射部を走査して溝を形成した。なお、燐青銅のマスクパターンは、縮小倍率5で光デバイス基材上に投影した際に1mm(長さ方向)×50μm(巾方向)の長方形となるものを用いた。さらに、ポリエステル系低分子量化合物を酢酸エチルに溶解させ、それらをこの溝に流し込み、100℃未満の温度で乾燥することにより、媒質Cを得た。厚み方向の上下に導光路が2つ形成されていることを確認した。得られた光デバイスの結果を表1に示す。
なお、媒質Cの処方を以下に示す。
ポリエステルウレタン(三井武田ケミカル)
(i)タケラックU25(ポリエステルポリオール)
(ii)タケネートD140N(イソシアネート)
(iii)酢酸エチル
(i)/(ii)/(iii)=1/0.8/1で分散。
[実施例
熱可塑性樹脂Aにトリアジン系UV吸収剤2-(4,6-ジフェニル-1,3,5-トリアジン-2-イル)-5-[(ヘキシル)オキシ]-フェノールを1wt.%添加すること以外は、実施例1と同様にしてシート厚みが131μmの光デバイス基材を得た。層の構成を表1に示す。
次いで、フェムト秒レーザーを用いて、波長780nm、繰り返し1kHz、パルス巾150fs、エネルギー870μJ、走査速度1mm/sの条件で、凸部の巾が100μとなるように、深さ120μm×長さ1.2mの溝を4本形成し、凹凸凹凸凹凸凹の形状を形成した。以降、実施例1と同様にして、溝を埋めて導光路を作製した。さらに、光入出力部となる光デバイスの端面を研磨装置を用いて、8°に傾斜するように端面研磨を行った。研磨条件は、住友3M(株)製のラッピングフィルムを用い、かつ、研磨液を水で行った。また、得られた8°端面は光学顕微鏡で確認した。
光デバイスの厚み方向断面に厚み方向 2個×幅方向 3個=計 6個の3次元に配列した導光路が形成されていることを確認した。得られた光デバイスの結果を表1に示す。
[実施例
熱可塑性樹脂Aにポリメタクリル酸メチル(住友化学(株)製 タイプMGSS)と熱可塑性樹脂Bに前記ポリメタクリル酸メチルとポリフッ化ビニリデン((株)呉羽化学 タイプT850)を8:2の割合でアロイ化したものを用いた。押出温度は240℃、吐出比は5/2とし、保護層2を形成せず、その他は、実施例1と同様にして、厚み160μmの光デバイス基材を製膜した。次いで、実施例1と同様のエキシマレーザーを用いて、深さ150μm×巾50μm×長さ5cmの溝を100μm間隔で2本形成し、凹凸凹の形状を形成した。さらに、形成した溝に一部フッ素化したアクリル系低分子化合物を流し込み、導光路を得た。厚み方向の上下に導光路が2つ形成されていることを確認した。得られた光デバイスの結果を表1に示す。
[実施例
熱可塑性樹脂AにMS樹脂「TXポリマー」(メチルメタクリレート・スチレン)(電気化学工業(株)製)また、熱可塑性樹脂Bに実施例に用いたポリメタクリル酸メチルを用いた。熱可塑性樹脂AおよびBは、それぞれの二軸ベント式押出機にて250℃で溶融させ、FSSタイプのリーフディスクフィルタを5枚介した後、ギアポンプにて吐出比が熱可塑性樹脂A組成物/熱可塑性樹脂B組成物=2/1になるように計量しながら、9層のコームタイプのフィードブロックにて合流させて、厚み方向に交互に積層された積層体とした。その内訳は、熱可塑性樹脂Aが4層、熱可塑性樹脂Bが5層からなる厚み方向に交互に積層された周期構造を有する積層体であり、最外層は熱可塑性樹脂Bとした。(熱可塑性樹脂A,Bとも無粒子)さらに、3台目の押出機から熱可塑性樹脂Bに平均粒径1.2μmの凝集シリカを0.02重量%添加した熱可塑性樹脂Cが、片面の最表層部にくるようにフィードブロック下の2層複合ピノールから合流させて、計10層からなる積層体とした。この際のポリマー流路の断面形状は、アスペクト比(巾方向の長さ/厚み方向の長さ)2の角型形状を用いた。また、断面積内を単位時間内に通過する積層された樹脂の吐出量は、30kg/hr/cmであった。該積層体をTダイに供給し、シート状に成形した後、表面温度が25℃に保たれたHCrメッキのコンタクトロールを用いてカレンダキャストを行い、急冷固化し未延伸シートである光デバイス基材を得た。なお、このときのドラフト比は10であり、得られたシート厚みは、552μmであった。層の構成を表1に示す。
次いで、ダイヤモンドブレードによる切削によって、深さ500μm×巾500μm×長さ5cmの溝を200μm間隔で2本形成し、その間に挟まれた凸状の導光路を形成した。なお、切削に際しては、粒子が含有していない面から行った。さらに、アクリル系の低分子量化合物をメチルエチルケトン(MEK)に溶解させ、それらをその溝に流し込み、100℃未満の温度で乾燥することにより、媒質Cとなる部位を形成した。厚み方向の上下に導光路が4つ形成されていることを確認した。得られた光デバイスの結果を表1に示す。なお、アクリル系の媒質Cの塗液の処方を以下に示す。
(i)フォレット GS−1000(綜研化学)
(ii)MEK
(i)/(ii)=1/1で分散。
[実施例
実施例の熱可塑性樹脂Aにトリアジン系UV吸収剤2-(4,6-ジフェニル-1,3,5-トリアジン-2-イル)-5-[(ヘキシル)オキシ]-フェノールを2wt.%添加し、さらに33層のコームタイプフィードブロックを用いて、吐出比は1/1とし、その他は、実施例4と同様にして、厚み331μmの光デバイス基材を製膜した。次いで、実施例1と同じエキシマレーザーを用いて、深さ300μm×巾50μm×長さ5cmの溝を50μm間隔で3本形成し、凹凸凹凸凹の形状を形成した。さらに、形成した溝に一部フッ素化したアクリル系低分子量化合物を流し込み、導光路を得た。この変更以外、実施例と同様にして、光デバイスを作製した。光デバイスの厚み方向断面に厚み方向 10個×幅方向 2個=計 20個の3次元に配列した導光路が形成されていることを確認した。得られた光デバイスの結果を表1に示す。層の構成および得られた光デバイスの結果を表1に示す。
[実施例
熱可塑性樹脂Aにトリアジン系UV吸収剤2-(4,6-ジフェニル-1,3,5-トリアジン-2-イル)-5-[(ヘキシル)オキシ]-フェノールを1wt.%添加したポリエチレンテレフタレートを用い、熱可塑性樹脂Bにもトリアジン系UV吸収剤2-(4,6-ジフェニル-1,3,5-トリアジン-2-イル)-5-[(ヘキシル)オキシ]-フェノールを1wt.%添加したイソフタレート成分が10mol共重合したポリシクロヘキシレンジメチルレンテレフタレートを用いた。熱可塑性樹脂AおよびBは、共に無粒子であり、それぞれの二軸ベント式押出機にて280℃で溶融させ、FSSタイプのリーフディスクフィルタ(濾過精度10μm)を5枚介した後、ギアポンプにて吐出比が熱可塑性樹脂A組成物/熱可塑性樹脂B組成物=3/1になるように計量しながら、9層のコームタイプのフィードブロックにて合流させて、厚み方向に交互に積層された積層体とした。その内訳は、熱可塑性樹脂Aが4層、熱可塑性樹脂Bが5層からなる厚み方向に交互に積層された周期構造を有する積層体であり、最外層は熱可塑性樹脂Bとした。この際のポリマー流路の断面形状は、アスペクト比(巾方向の長さ/厚み方向の長さ)2の角型形状を用いた。また、断面積内を単位時間内に通過する積層された樹脂の吐出量は、10kg/hr/cmであった。該積層体をTダイに供給し、シート状に成形した後、ワイヤーで8kVの静電印可電圧をかけながら、表面温度25℃に保たれたキャスティングドラム上で急冷固化し未延伸シートである光デバイス基材を得た。なお、このときのドラフト比は8であり、得られたシート厚みは、172μmであった。層の構成を表1に示す。
次いで、実施例1と同じエキシマレーザーを用いて、深さ160μm×巾50μm×長さ10cmの溝を50μm間隔で3本形成し、凹凸凹凸凹の形状を形成した。(凸の巾50μm)次いで、ポリエステル系低分子量化合物を酢酸エチルに溶解させ、それらをその溝に流し込み、100℃未満の温度で乾燥することにより、媒質Cを得、光デバイスを作製した。光デバイスの厚み方向断面に厚み方向 4個×幅方向 2個=計 8個の3次元に配列した導光路が形成されていることを確認した。層の構成および得られた光デバイスの結果を表1に示す。
[実施例8]
熱可塑性樹脂Aと熱可塑性樹脂BともにUV吸収剤を添加しなくし、マルチマニホールドタイプのフィードブロックを用いて、さらに熱可塑性樹脂A組成物/熱可塑性樹脂B組成物=2/1する以外は、実施例と同様にして、シート厚み290μmの光デバイス基材を得た。層の構成を表1に示す。
次いで、実施例1と同じエキシマレーザーを用いて、深さ260μm×巾50μm×長さ10cmの溝を50μm間隔で3本形成し、凹凸凹凸凹の形状を形成した。次いで、ウレタンアクリレート系低分子量化合物をエタノールに溶解させ、それらをこの溝に流し込み、100℃未満の温度で乾燥、さらに紫外線照射により硬化、次いで乾燥して媒質Cを得、光デバイスを作製した。光デバイスの厚み方向断面に厚み方向 3個×幅方向 2個=計 6個の3次元に配列した導光路が形成されていることを確認した。層の構成および得られた光デバイスの結果を表1に示す。
[実施例
熱可塑性樹脂Aにポリエチレンナフタレートを用いて、熱可塑性樹脂Bにポリエチレンテレフタレートとポリエチレンナフタレートとを3:7の重量比で混合アロイ化したものを用いて、さらに熱可塑性樹脂A組成物/熱可塑性樹脂B組成物=1.3/1とする以外は、実施例と同様にして、シート厚み330μmの光デバイス基材を得た。この基材上に、メタバーを用いて、酢酸ビニル・アクリル系樹脂とメラミン樹脂の架橋剤の固形成分に対して、粒径80nmのコロイダルシリカ粒子の濃度を3重量%に調整した水系塗剤を塗布した。ついで、120℃の温度で乾燥した。得られた層の構成を表1に示す。
次いで、実施例1と同じエキシマレーザーを用いて、粒子が含有していない層からレーザーを照射して、深さ300μm×巾50μm×長さ10cmの溝を50μm間隔で3本形成し、凹凸凹凸凹の形状を形成した。次いで、実施例1と同様の媒質Cを用いて、光デバイスを作製した。光デバイスの厚み方向断面に厚み方向 4個×幅方向 2個=計 8個の3次元に配列した導光路が形成されていることを確認した。層の構成および得られた光デバイスの結果を表1に示す。
[実施例
熱可塑性樹脂Aにポリエチレンテレフタレートを用い、熱可塑性樹脂Bにイソフタレート成分が10mol共重合したポリシクロヘキシレンジメチルレンテレフタレートを用いた。熱可塑性樹脂AおよびBは、共に無粒子であり、それぞれの二軸ベント式押出機にて280℃で溶融させ、FSSタイプのリーフディスクフィルタ(濾過精度5μm)を10枚介した後、ギアポンプにて吐出比が熱可塑性樹脂A組成物/熱可塑性樹脂B組成物=4.3/1になるように計量しながら、9層のコームタイプのフィードブロックにて合流させて、厚み方向に交互に積層された積層体とした。その内訳は、熱可塑性樹脂Aが5層、熱可塑性樹脂Bが4層からなる厚み方向に交互に積層された周期構造を有する積層体であり、最外層は熱可塑性樹脂Aとした。また、最外層の厚みは、熱可塑性樹脂Aの内層に比べて1/2とした。この際のポリマー流路の断面形状は、アスペクト比(巾方向の長さ/厚み方向の長さ)2の角型形状を用いた。また、断面積内を単位時間内に通過する積層された樹脂の吐出量は、8kg/hr/cmであった。該積層体をTダイに供給し、シート状に成形した後、ワイヤーで8kVの静電印可電圧をかけながら、表面温度25℃に保たれたキャスティングドラム上で急冷固化し未延伸シートである光デバイス基材を得た。なお、このときのドラフト比は8であり、得られたシート厚みは、292μmであった。層の構成を表1に示す。
次いで、エッチング工程において、スピンドルの回転軸が光デバイス基材と平行な関係を保ったまま、刃巾60μmのダイヤモンドブレードによるミリング加工によって、深さ250μm×巾60μm×長さ6cmの溝を60μm間隔で4本形成し、凸凹凸凹凸凹凸凹凸の形状を形成した。(凸の巾60μm)溝の間に挟まれた凸部の内部が導光路となる。次に、基材を水で超音波洗浄を行い40℃で乾燥した。メタバー#50でUV硬化樹脂ハードロックOP-1005(電気化学工業製)を光デバイス基材上に塗布し、溝へ流し込み、溝を十分に埋没させた。次いで、80℃で1分乾燥させたのち、照射強度120 W / cm2の条件で塗布樹脂のUV硬化を行い、媒質Cを得、光デバイスを作製した。さらに、光入出力部となる光デバイスの端面を研磨装置を用いて、8°に傾斜するように端面研磨を行った。研磨条件は、サンプルの研磨盤への圧力0.15MPa、回転数240rpm、研磨時間3分で、研磨液は水を用いて、順次研磨紙を#800、2000、6000、8000と変更して、傾斜が8°となるように鏡面研磨を行った。得られた8°の傾斜端面は光学顕微鏡で確認した。
光デバイスの厚み方向断面に厚み方向 3個×幅方向 3個=計 9個の3次元に配列した導光路が形成されていることを確認した。層の構成および得られた光デバイスの結果を表1に示す。
[比較例1]
1次平均粒径が1.1μmの炭酸カルシウムの濃度が0.05重量%となるように粒子添加を行っているポリエチレンテレフタレートを180℃で3時間乾燥し、フルフライトスクリューの単軸押出機に供給し、280℃で溶融した。高精度濾過した後、コートハンガー型の口金よりシート状にして押出した後、静電印加キャスト法にて30℃のキャスティングドラムに巻き付けて冷却固化し、未延伸シートである光デバイス基材を得た。このときのドラフト比は12であり、得られたシート厚みは、500μmであった。層の構成を表1に示す。
次いで、エキシマレーザーを用いて、深さ350μm×巾50μm×長さ5cmの溝を100μm間隔で2本形成し、凹凸凹の形状を形成した。実施例1と同様のポリエステル系低分子量化合物を酢酸エチルに溶解させ、それらをこの溝に流し込み、100℃未満の温度で乾燥することにより、媒質Cを得た。得られた導光路は、テーパー状かつ、バリなどが酷く導光路が形成されていないことを確認した。得られた光デバイスの結果を表1に示す。
[比較例2]
熱可塑性樹脂をポリブチレンテレフタレートに変更する以外は、比較例1と同様の方法で実施した。得られた光デバイスは、結晶化し光散乱を起こしやすい損失が大きなものであった。その結果を表1に示す。
[比較例3]
熱可塑性樹脂Aとして、ポリエチレンテレフタレートを用い、また熱可塑性樹脂BとしてPET/G(シクロヘキサンジメタノール成分20mol%を共重合したポリエチレンテレフタレート)の共重合体を用いた(熱可塑性樹脂A,B、共に無粒子)。熱可塑性樹脂AおよびBは、それぞれのフルフライトスクリューの単軸押出機にて280℃で溶融させ、メッシュ上の金網フィルタを介した後、ギアポンプにて吐出比が熱可塑性樹脂A組成物/熱可塑性樹脂B組成物=1/1になるように計量しながら、201層のフィードブロックにて合流させて、厚み方向に交互に積層された積層体とした。その内訳は、熱可塑性樹脂Aが101層、熱可塑性樹脂Bが100層からなる厚み方向に交互に積層された周期構造を有する積層体であり、最外層は熱可塑性樹脂Aとした。さらに、3台目の押出機から保護層2として、熱可塑性樹脂Aに平均粒径1.2μmの凝集シリカを0.02重量%添加した熱可塑性樹脂Cが、片面の最外層部にくるようにフィードブロック下の2層複合ピノールから合流させて、計202層からなる積層体とした。この際のポリマー流路の断面形状は、アスペクト比(巾方向の長さ/厚み方向の長さ)2の形状を用いた。該積層体をTダイに供給し、シート状に成形した後、ワイヤーで8kVの静電印可電圧をかけながら、表面温度25℃に保たれたキャスティングドラム上で急冷固化し未延伸シートを得た。
この未延伸シートを、90℃、延伸倍率3.4倍で縦延伸を行い、両端部をクリップで把持するテンターに導き100℃、4.0倍横延伸した後、230℃で熱処理を施し、媒質Cを形成することなく、厚み140μmの光デバイスを得た。
得られた導光路は、幅方向に光路規制がないため広がり、かつ界面での散乱/透過により、非常に損失が多く、導光路が形成されていないことを確認した。得られた光デバイスの結果を表1に示す。
Figure 0004872681

本発明は、光デバイスに関するものである。さらに詳しくは、ディスプレイ、光学センサ、太陽電池、光情報通信、また、装飾材料分野などに用いられる光デバイスであり、特に、情報通信分野に用いられる合分波器、スイッチ素子などの光デバイスから光実装に用いられる光配線などの光インターコネクションに好適な光デバイスに関するものである。
光デバイスの断面図 コームタイプのフィードブロックの上面図スリット部の構成 コームタイプのフィードブロック内のスリット板の側面図 コームタイプのフィードブロックの正面図
符号の説明
1:熱可塑性樹脂B
2:熱可塑性樹脂A
3:媒質C
4:導光路
5:ポリマーA
6:ポリマーB
7:スリット部板
8:マニホールド
9:フィードブロック
10:ポリマーAが流入するスリット部
11:ポリマーBが流入するスリット部
12:短管
13:口金
14:キャストドラム

Claims (10)

  1. コアと、前記コアのまわりに設置されたコアより屈折率の小さいクラッドとから構成されるシート状の光デバイスであって、コアが熱可塑性樹脂によって形成されてなり、クラッドが熱可塑性樹脂と硬化性樹脂によって形成されてなり、前記コアと前記熱可塑性樹脂からなるクラッドの一部が厚み方向に交互に5層以上に積層されてなり、前記硬化性樹脂からなるクラッドの残りの部分が前記コアと前記熱可塑性樹脂からなるクラッドの一部とを巾方向に複数列に分断するように厚み方向に延在して設けられており、前記コアが厚み方向および巾方向に三次元的に複数配列されて複数の導光路となる光デバイス。
  2. 前記コアの厚みが1μm以上300μm以下であり、前記熱可塑性樹脂からなるクラッドの一部の厚みが1μm以上500μm以下である請求項1に記載の光デバイス。
  3. UV吸収剤を含んでなる請求項1または2に記載の光デバイス。
  4. 前記導光路の進行方向において1m以上の長さを有する請求項1〜3のいずれかに記載の光デバイス。
  5. 前記光デバイスの端面が、垂線に対して8°傾斜した傾斜端面である請求項1〜4のいずれかに記載の光デバイス。
  6. 破断伸度が10%以上である請求項1〜5のいずれかに記載の光デバイス。
  7. 光情報通信用モジュール分野に用いられる請求項1〜6のいずれかに記載の光デバイス。
  8. 2台の押出機から熱可塑性樹脂層Aからなるコアと熱可塑性樹脂層Bからなるクラッドの一部が積層装置を用いて厚み方向に交互に5層以上に積層され、次いで口金のスリット部から溶融状態でシート状に押し出されて固化されてなる光デバイス基材を形成する工程と、前記光デバイス基材において、熱可塑性樹脂層Aからなるコアと熱可塑性樹脂Bからなるクラッドの一部とを巾方向に複数列に分断するように厚み方向に延在して溝を設ける工程と、前記溝に硬化性樹脂を流し込む工程を含む前記光デバイス基材に導光路が形成される工程とを含む、コアの延在方向に直交する断面内における厚み方向および巾方向に複数列コアを有した光デバイスの製造方法。
  9. 前記熱可塑性樹脂層Aからなるコアと熱可塑性樹脂Bからなるクラッドの一部とを巾方向に複数列に分断するように厚み方向に延在して溝を設ける工程において、前記溝をレーザー光の照射、またはブレードによるエッチングによって形成することを特徴とする請求項8に記載の光デバイスの製造方法。
  10. レーザー光がエキシマレーザーである請求項9に記載の光デバイスの製造方法。
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